天上天下唯我ドキュソん 殿堂入りおすすめネタ

は、人の顔を覚えるのが好きだ。 全然関係ない人の顔も見て覚えてしまう。 どんな雑踏の中でも、すれ違う人、一人一人の顔を確認して可能な限り覚える。記憶する。

 人間にはフラッシュラーニングという能力があって、見たものを一瞬で記憶にとどめ、 あとでもう一度見た時に、過去に見たものであるかそうでないかを判定できる。 私はその能力を日々鍛え、みがきをかけている。



 生まれ持ったものは個性である。そこから何年も掛けて顔を作っていく。 人間の生き様が最も良く現れる。



らーめん屋で何気なくカウンターに座った時、

あっ。この人、いつもあそこで犬の散歩をしている人だ。

などと思ったり、




駅の人混みの中、改札ですれ違う人を見て、

あっ。この人、あのコンビニでバイトしている人だ。この電車で来てたのかー。

などとも思ってみる。



 当然相手は私に気付いていない。気付いていても、そこで初めて合った初対面の他人。



時には東京で見かけた人を神奈川の電車の中で見かけたりしてうれしくなる。

あっ。この人、この前、青の服着て銀座線の3両目に乗ってた人だ。間違いない! 今日は白のコートにフェラガモの靴か。この人おしゃれだなぁ

などとも思ってみる。





そして、たまには電車の中で絶世の美女(私の中で)に出会い、

あっ。今話しかけなければ、もう二度と会えないかも知れない。・・・
次の駅で降りてしまうかも知れない。・・・・ でも、結構混んでるし。・・・・
ひげ剃ってないし・・・。ひょっとしたらまたどこかで会えるかも・・・
でも、こんな電車の中でいきなり話しかけたら、あこがれのストーカー?と勘違いされるだろうし・・
そうだ! 手紙だ。手紙を書いて今渡せばいいんだ!!


なんて思いついて書いているうちに案の定逃してしまったり。
しかも、電車の中で揺れて字が汚く、とても 渡せるような代物ではない。(・_・、)





 この訓練を積むことによって上記のような体験をすることができる。(最後の体験はちょっと違う気がするゾ)



 10数年ぶりに合う小学校の同級生などとひょんな場所で巡り会う時、  多くの場合はすれ違ったことすら気づかずに日常生活を継続する。


 しかし、私はそんなチャンスを無駄にしない。



 なぜなら、発見するのはいつも私の方だ。





相手は気づいていないのに自分は気づいている!



これはすさまじい快感なのである!!



 時には相手をじろじろのぞき込む。

 当然相手は

 「なんやねん。こいつ。しばいたろかぁ〜」とお思いになる。

 時には相手にヒントを出す。

 昔の恥ずかしいあだ名をさりげなく聞こえるように言ってみたり、

 「あのう、すいません。布施新町の2丁目に行きたいんですけれども道を教えてもらえますか?」

 などと、そいつの実家をピンポイントで聞いてみたりする。

 そしてお互い気付いたあとは軽い話をして、互いに忙しければそこで分かれるし、  電話番号を聞いたりする。



   生活の境遇にもよりますが、最低でも1日に約1000人の人と、自分の視界内ですれ違うことでしょう。  そのうちのかなりの方はもう何回もすれ違っている方でいらっしゃることでしょう。


 情報公開だ。情報漏れだ。と言ってさわがしいこのご時世。



 顔という。もっともアイデンティティーがあり、隠蔽しにくく、見ても見られても 罪にならないこの「情報」を  あなたはどのように育てていますか?


つづく






いうわけで、そのように毎日訓練を積んで、人の表情の裏に出る微妙なニアンスや心の変化を 「感」に近いレベルで読み取れるようになりたいものだとながっており、 私はすれ違う方々や周囲の方々のお顔を拝見し、私の顔面判定データベースに蓄えています。

「顔は人生の履歴書!」

豪語する私にとってその「履歴書」が読めないと言うことは許されないのだ!!


 さて、その日、地下鉄から地上に出て、目的地に向かう際に歩きました。

 東京の歩道は案外狭い。そんなところをかなりの人々が同じ方向に歩くものだ。  急いでいる方もいればのんびりしている方もいる。  しかし、殆ど同じ速度で歩く方もいる。1本道である場合などは、ずっと自分の真横に人がいて 同じ速度であると何となく気まずいものだ。

 その気まずさに耐えかねて、 自分がややスピードを落とす。すると相手も同時にスピードを落としてしまう。それに気付いて今度はスピードを上げると、 相手も同じタイミングでスピードが上げ、おいおい。ということになる。(よくありますね。( ̄▽ ̄;;)

 この日は、ある女性と等速で歩いていたので、私はその女の方のやや斜め後ろ方向を歩き周囲の人との間隔を 適度に保っていた。


 そこでふと、あることに気付く。

 その女性の背負っているリュックサックのチャックが全開で大口をあけていた。
 その方はそのことに気付いていないようだ。自分の背中にしょっているのだから当然である。

 今にも中からものがこぼれ落ちてきそうで、見ていて危なっかしい。
 いざ、何かものが落ちれば・・・



小生:「すいません。お嬢さん。ハンカチが落ちましたよ。」ニコッ

お姉さん:「あらっ。すいません。ありがとうございます。お礼に食事でもいかがですか?」

 などということにもなりかねない。(おいおい。ならねーよ。)

 と。他愛もないことを妄想していると・・
 私を追い越す程度の速度で歩いてきている別の男がいた。

 その男は私のやや前方、そしてその女の方の後方に位置して、等速運動に入った。  その男の顔を見ると、なにやらニヤニヤしている。

小生:「ははーん。かわいそうに、あなたも、リュックサックが全開だということに気付いて 私のような哀れな妄想をして喜んでいるのですね・・・・」

 私はそのように解釈し、何となく親近感を持った。

しかし、その方はなにやら手を動かし始めた。



 はて?



その方、その男の手の動きはまるで何かを投げているようだ。





いや、投げている。



2回か3回そんな動作を行っているので注意深く観察してみると・・・

やはり何かを投げているようだ。



しかも、その攻撃目標は前を歩く女性の大口を開けたままのリュックサックの中だ。



ゴミを投げ入れて遊んでいるのか?

 たちの悪い人だなぁまったく。と 思いながらしばらく等速直線歩行をし、
傍観しつつさらに詳細に男の動きを観察ていると、

 次第にその人がいったい何を投げ入れているのかが判明した・・・







やべえ!!

そいつはいけねえ!!
っそ。っそれは、禁断の・・・




鼻くそでは
ござらんか?



 男は、自分の鼻に手を突っ込んでホジホジしてから中指と親指でややこねくり回し、 ねばりっけを凝縮させ、飛翔しやすい形状に加工してから射撃しているのである!!




 こいつ!とんでもねえワルだ!



 いっけんなんの変哲もない普通の男は、道路を歩く際に、そんな偉業を遂行しながら歩いているのであった!!

「顔は人生の履歴書!」

かってに豪語している私は余裕でその「履歴書」が読めていない!!

「達人」への道はまだまだ、険しい・・・・(・_・、)







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