壺焼き映画評論 毎週2回更新 最新映画レビュー批評
壺焼き映画評論 毎週2回更新 最新映画レビュー批評
■□■サブタイトル:一度見た映画を2回借りないためのリスト(・_・、)■□■
壺焼きとは「一見、量が多そうだが中身が少ない。食べる人の心意気次第で味わいも違う。」そんな気持ちの形容詞です。

天上天下唯我ドキュソん マクドナルドの達人を目指すあわれな少年の波瀾万丈な日常を暴露しているテクストサイト
 このサイト↑を見ると「自分よりも愚かで哀れな人間がいるんだ!」ということがわかり気持ちに余裕ができるため, 明日から安心した日々を送ることができるのでお勧めしております.

さて。 ここで、最近にわかに映画通を勝手に気取っているわたくしが、同じ映画をまた借りて、がっかりすることの無いように ここに、タイトルとコメントを記入します。
しかし、 映画とは、その人の主観で観るものであり、その評価には、人が生まれてから 育ってきた背景や思想、生活スタイル、信条その他諸々のことが影響します。
よって、 ある方が、おもしろいと思う映画でも、ある方にはおもしろくなかったり、そのまた逆も 存在し得ます。ですので、「ああ。このドキュソは、こんなことをほざいているな。」程度に 思って頂ければ幸いです。(ですます調 統一されてませぬ.)(また,文章や固有名詞に揺れが見られるのは 様々な検索キーワードに反応するためです.)


★採点評価基準,☆は星半分
★★★★★
 無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
★★★★_
 その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
★★★__
 それなりに楽しい普通の映画
★★___
 その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
★____
 バッシングしたくなるような映画
_____
 金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画


劇場公開前の映画を斬りまくる!
前田有一氏公式サイト 超映画批評

 ネタバレなし.映画見る前に読むべし

キーワードは Ctrl+f で検索して頂けたら幸いです.( ´∀`)  F3で次のキーワードに飛びます  まだ,映画をご覧になっていない方は,
ネタバレ→ ハズレ ←の中を読まないことを強くおすすめ致します.(」゚Д゚)」

/ wowow/ Yahoo/ goo/ AllCinema/ IMDb/
ナイトミュージアム NIGHT AT THE MUSEUM 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督はショーン・レヴィ。  Amazon.co.jp「
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リーピング THE REAPING 2007年
★★★__ 公式サイト100分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  エジプトの伝説の大災害を科学的に解明しようとする試みだが・・
本編感想  ヒラリー・スワンク、デヴィッド・モリッシー  ネタバレ→  ←   監督はプレデター2(1990)のスティーヴン・ホプキンス  Amazon.co.jp「
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ハッピーフィート HAPPY FEET 2006年
★★___ 公式サイト108分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  主人公のペンギンの声をイライジャ・ウッド、その他、ブリタニー・マーフィ、ヒュー・ジャックマン、ニコール・キッドマン、 ロビン・ウィリアムズと大物たちがアニメの吹き替えを担当したことと、かわいらしいペンギンが広大な氷の上で歌い踊る トレイラーが有名だった作品。 心の歌と呼ばれる行為が重要視されるペンギン界においてうまく歌えない主人公のハッピーフィート君。 南極の雄大さ、ペンギンたちのかわいらしさ、コミカルなダンスの動き、これらが妙にリアルなCGでどのように表現され、 彼の大冒険が演出されるのかが見どころであると睨んでいた。  ネタバレ→ ペンギンは餌である魚の減少をエイリアン(人間)のせいだと主張して南極から旅に出る。海岸線で力尽きていることころを人間に 拾われ、水族館へ。言葉は通じないが、ダンスで人目を引き注目の的へ。発信機を取り付けられ、南極大陸に帰るペンギンは 歌よりもダンスでエイリアンに訴えることをみんなに提案する。背中に取り付けられていた発信機によりエイリアンはヘリコプター (チヌーク)で表れる。南極を保護区に指定すべきだという議論が沸き起こり、  ← ハッピーフィート君は南極の平和に貢献したという物語。  監督はマッドマックス(1979)、マッドマックス2(1981)、ベイブ(1995)のジョージ・ミラー。  Amazon.co.jp「
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氷の微笑2 BASIC INSTINCT 2 2006年
★★★__ 公式サイト114分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  前作に引き続きシャロン・ストーンが主演する。麻薬とセックスに溺れる危険な女。ポルシェを爆走させ、水に突っ込むところから 物語は始まり、裁判へとつながっていく。精神科医を務めるデヴィッド・モリッシー(コレリ大尉のマンドリン(2001),ウォーター・ホース(2007),リーピング(2007)) と患者であるシャロン・ストーンのからみがこの映画のメインストリーム。マイケル・ダグラスとやりあった前作ではシャロン・ストーンが許可していない絵(ヘアがまるみえ)が無断で使用されたと監督側と一悶着あり、 もめたが、今回はどれだけのものが出てくるのだろうか。2006年ゴールデンラズベリー賞(ダメ映画の祭典)にて7部門にノミネート、 最低作品、最低主演女優、最低脚本、最低前編続編の4冠を手にした。それだけに期待できる作品である。  ネタバレ→    デヴィッド・モリッシーは廃人になって精神病院にてニヤッとしておわる。  ←   ハリーポッターシリーズのデヴィッド・シューリスが刑事役として出ている。  監督はジャッカル(1997),容疑者(2002)のマイケル・ケイトン=ジョーンズ。  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  危険に溺れる女、誘惑に溺れる男。ゲームは再び 始まった!



パイレーツ・オブ・カリビアン3 PIRATES OF THE CARIBBEAN3 2007年
★★★__ 公式サイト169分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  なんでもあり、って感じになってきてハリポよりもファンタジーめいてきた。
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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300<スリー ハンドレッド> 300 2007年
★★★__ 公式サイト117分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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Bugってハニー メガロム少女舞4622 年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  くだらねー. めいどinあきはばら くだらねー。キャバ嬢がやくざに追われて生活に困りメイド喫茶へ。当初はメイド喫茶内での権力争い。  後半はイチャモンをつけるヤクザと店を愛する仲間との戦い。映画と呼ぶには恥ずかしいC級映画。  主演はMAKO、藤田真梨子、小田切理紗、  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ソウ3 SAW3 年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ヅラ刑事 年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ゴーストライダー GHOST RIDER 2007年
★★★__ 公式サイト110分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  主役はニコラス・ケイジではなく炎骸骨男とエヴァ・メンデスの胸元.
本編感想  前半は一見まじめな親子物語かと思いきや,悪魔だか悪霊だか死神だかのドロドロホラーが見え隠れする.突然身体が燃えだして骸骨男が出てきたときには あれ?ジム・キャリーのマスクでも見てたか?という気になった.  ネタバレ→  ←   監督はデアデビル(2003,ベン・アフレック主演)のマーク・スティーヴン・ジョンソン.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  拳(フィスト)にチェーン,魂(ソウル)に正義.



さくらん SAKURAN 2007年
★★★__ 公式サイト111分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  菅野美穂と木村佳乃のおぱーいがみられることよりも,赤と緑(補色)の色彩の美しさが映画の品格を高めている.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ダイヤモンド・イン・パラダイス AFTER THE SUNSET 2004年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  センスの良さが随所に光るルパンvs銭形風味の南国映画
本編感想  ダイヤ泥棒役のピアース・ブロスナン(007シリーズ)とそれを追うFBI刑事のウディ・ハレルソン(N.Y.式ハッピー・セラピー (2003),スタンドアップ (2005))の関係がおもしろい. ピアース・ブロスナンの恋人にサルマ・ハエック(レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード (2003))  ネタバレ→  ←   監督はラッシュアワー (1998),ラッシュアワー2 (2001),レッド・ドラゴン (2002),X-MENファイナル ディシジョン (2006)の監督でプリズン・ブレイクシリーズの製作総指揮を務めるブレット・ラトナー.  Amazon.co.jp「
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キャプテン・ウルフ THE PACIFIER 2005年
★★★★_ 公式サイト95分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  教育問題の根幹部分「人間の本質」にほんの少しだけ迫るテーマを含みつつ映画としてかなり楽しめる.
本編感想  現代のPACIFIER(パシファイアー)はなだめ人や赤ん坊おしゃぶりといった意味だ.ネイビーシールズでバリバリ任務をこなしていた隊長の ヴィン・ディーゼル.核の 制作はディズニーで子供の生意気さに歯止めがかからない先進国の事情をかいま見つつその 対策の答えには軍隊教育がある.という主張とも見て取れる映画に仕上がっている. 序盤は核兵器に関する任務だが, 途中忍者を意識した敵襲もある. 任務ということで5人の子供の子守を頼まれる母親が帰ってくるまで学校の送り迎えや家庭での面倒を見なければ成らない. 原題になぞらえて途中ヴィン・ディーゼルがレスリングの試合で相手におしゃぶりのポーズを強要するシーンがあり, 「個人的に好きなの体位はこのパシファイアーだ」とするシーンもあり,本作の盛り上がりの一つになっている. 途中から子供たちが活躍しだして北朝鮮グループの悪事を阻止する様はホームアローンを重いだだす.  ネタバレ→  ラストはおやすみパンダの合い言葉で金庫が開き裏切り者のドタマにがつんといく.  ゴーストと呼ばれるチップをてにいれた後,銃を突きつけられ,警官5人もなぜか直ちに 銃を置いて投降モードになったラストシーンではカモが忍者男の玉にかじりついて,なぜか近くにいた 学校の校長先生(海軍あがり)が蹴りを入れて犯人を縛り上げ事件解決となる.ヴィン・ディーゼルと子供たちが別れを 惜しむ中,彼は子供たちに最後のミッションを与える.みんなでミュージカルを見に行こうと.  ←   監督は  Amazon.co.jp「キャプテン・ウルフ
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ブレイキング・ニュース 4564年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「ブレイキング・ニュース
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沈黙の脱獄 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  タロット占いから物語は入っていく.依頼があれば引き受ける悪事家業のスティーブン・セガール. のっけからマーシャルアーツとカーチェイスでヴェガスの街が騒がしい.金を運ぶ運転手として 雇われるが金の盗み手が予想外に警官を射殺.逃げ回るが捕まり積み荷の2000万ドルは消え刑務所に ぶち込まれる.刑務所でヤリテのアイスことアンソニー・クリス(ノーティ・バイ・ネイチャーのメンバー)と手を組んで脱獄をする. 以後は互いに相棒となって消えた2000万ドルを追う.この映画なんだかストーリーの筋はよく分からないが とにかくテンポはいいし,セガールは強い.セガールが強いそれだけでいい.ストーリーはどうでも翼 セガールの強さを見せつけるシーンがあればそれだけでいいという感じだ.裏切り者を次から次へと 抹殺していくシーンで映画全体が構成されている.結局2000万ドルは・・  ネタバレ→  どうでもよかったというお話.  ←   監督は  Amazon.co.jp「沈黙の要塞
キャッチコピー  このオヤジ,究極!



キューブ・ゼロ CUBE ZERO 2004年
★★★__ 公式サイト97分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  いつものように立方体に閉じこめられて部屋を移動し,罠にはまり,力を合わせて脱出しようとする という上人物達.今回は収容されている彼らを監視し,イラストを描いてチェスをしている従業員たちも 映画の中に描かれている.登場人物はなぜキューブの中を彷徨う羽目になったのかはよく分からないがなにか 政府機関の実験らしい. キューブ2で時空の歪みまで持ち出してしまった意味不明さを反省し,今回は原点に返って キューブ自体が持っている何かの陰謀と関係する実験施設としての恐怖を全面に押し出そうとしている 作りになっている.こんなところにぶち込まれたら・・ああ考えるだけでヤダヤダと観客に思わせる という製作者側の思惑は十分に達成されるできとなっていた.  ネタバレ→  出口までだとりついたという男(以前の同僚)に質問をする.  第一問:名前を言え.2:神を信じるか.Noというと体を固定された状態で丸焼きにされる. 正義感とこんなところにはいられないという気持ちからなぜか自らキューブの中に入っていく作業員.途中兵士が脳の中のチップを操られ 身体能力が極度に優れた操り人形に返信.女性を助けキューブが リセットされた隙に出口から脱出.池から地上に出たが,麻酔銃で捕まり,脳を手術.記憶を消されて キューブにぶち込まれる羽目に.実は監視員ですらキューブ実験の対象であった.手をふるわせながらキューブの無限地獄は続く.  ←   監督はCUBE2(2002)とアメリカン・サイコ(2002)の製作を行ったアーニー・バーバラッシュ.  Amazon.co.jp「
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チキン・リトル 2005年
★★___ 公式サイト81分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  主人公チキン・リトルは空が落ちるのを目撃する.マスコミが押しかけるがドングリが頭に当たったと勘違いして間違えていると みんなから思われて,おかしなチキンリトルのレッテルを貼られ,そんな映画も作られる.学校でもさえないミスを繰り返す. 英語版の声ザック・ブラフはチキンリトルの幼さ可愛さらしさには見合わない渋い声をだしている. ディズニーが独自にアニメ化に取り組んだ初のアニメということだが,これまでタッグを組んできた ファインディング・ニモやミスターインクレディブルと比べてCGの面ではなく内容の面で見劣りする できになっている.大人おも対象にしうる前作たちに比べ,本作は「大人達は結果を出したときしか僕を信用してくれない」 という子供からの主張に作品内容が終始している.トム・クルーズの宇宙戦争に酷似する エイリアン達の乗り物や攻撃にも芸がないと言えば芸がない.子供向けという姿勢が明確になれば 興行収入的にはうまくいく場合もあるだろうが,大人が見ても楽しめるという観点から見ると 駄作と言える.  ネタバレ→  ←   監督は ラマになった王様(2000)のマーク・ディンダル.  Amazon.co.jp「チキン・リトル (Blu-ray Disc)
キャッチコピー  ディズニー史上最も”ツイていない”主人公が誕生.彼の名前はチキン・リトル.



七人のマッハ!!!!!!! BORN TO FIGHT 2004年
★★★★☆ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  激しすぎるスタントシーンにタイ王国の威信を感じずにはいられない.
本編感想  主演はダン・チューポン. 7人のマッハとはデューことダン・チューボン(ムエタイ),ニコイこと(テコンドー),トゥック(サッカー),ナイト(ラグビー),ジョー(セパタクロー),トゥクタ(体操),モー(器械体操) ダンはマハサラカム地方体躯大学でトニー・ジャーのクラスメイトの親友.マッハにも出演.主演は本作が初めて.特殊警官として 捜査中に先輩を爆弾で失う.  村を襲われ立ち向かう住民達はみんな鍛えられた兵士以上の特殊能力を持っており,特に3・4歳の少女が 大人の男をムエタイで撃破するシーンは勇ましいもののある種の痛々しさを感じる. 見所は敵の大将が地対空ロケットランチャーで弾頭の直撃を食らい木っ端みじんに吹き飛ぶシーン. マッハやトムヤムクンといったタイの誇るべき映画に共通のテーマであるがタイ王国や仏教,彼らの文化の 巧妙で好印象が残る宣伝作品となっているところだ.今回もとても重要なシーンでラジオから流れていく タイ王国の国歌が住民の意志団結を促す.タイでは毎日0800と1800に国歌があらゆるメディアで放送される. 彼らがこのようにすばらしい映画を作ってくれたことに タイ王国国歌:「タイ王国はタイ国民の血肉を集めてできている. タイの領土はすべて国民のものであり, タイ国民の団結と愛で維持されている. タイは平和を愛するが闘いを恐れはしない. タイの独立を誰からも侵害させはしない, そのような時には、全ての血を捧げ, 勝利の時まで闘い抜くであろう. タイ王国に栄光あれ.」 村のはぐれ物だった村長の息子が 仏教のシーン.ラジオでタイ王国国家が聞こえてきて住民が決起しタイ国国旗を握りしめて悪に立ち向かうシーン. この映画の凄いところは一歩間違えたら確実に死んでしまうようなスタントが盛りだくさんで構成されていることだ. 並走するダンプの間に吹き飛ばされながら落ちるシーンや倒れているところにダンプがつっこんでくるシーン. 飛びながらいろんなものにぶつかって落ちていくシーンなど.すごい.ラスト付近でラストはお決まりのスタント回顧シーンを見せながら スタッフロールとなる.この映画のスタッフロールは何回も見返す価値があるほどスタントの裏側が描き出されている.  ネタバレ→  麻薬捜査官が麻薬将軍ヤンを逮捕する.そのヤン将軍の釈放を求めて赤スカーフ反政府軍が村を襲い村人を人質に とる.虐殺映像をネットで公開するとタイ王国首相を脅す.特殊部隊を送り込む政府だが気づかれて住民が殺される. ラジオのタイ王国国家  ←   監督はマッハ!(2003),トム・ヤム・クン!(2005)でアクション監督を務めたパンナー・リットグライ.  あまりにも危険なスタントの連続であるためかPG-12指定.  Amazon.co.jp「七人のマッハ!!!!!!! プレミアム・エディション
キャッチコピー  「マッハ!」制作チームが叩きつける新たなる限界点.本物のチャンピョンが神業の数々で挑む究極の異種格闘技戦!



ナイト・ウォッチ НОЧНОЙ ДОЗОР(Night Watch) 2004年
★★★__ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  序盤は興味深くいい展開が続くが,後半は話の飛び具合が「意味不明」の領域まで加速するファンタジー.3部作の第1章らしい.
本編感想  先にこの映画を鑑賞した友人によるととんでもないシケ映画.という話であった.ロシア映画の大傑作というフレコミ で注目度を集めていただけにどの辺がシケ映画なのかを確かめる興味があった. いにしえの昔に光の神ゲッサーと闇の神ザブロンが大戦争を起こす.お互いの力が均衡だったために彼らは休戦協定を結んだ. お互いのことを監視するための監視人を用意した.光は闇を監視するナイト・ウォッチ,闇は光を監視するためにデイ・ウォッチを 設置した.何世紀もそのバランスは保たれてきたが偉大な異種の出現により均衡が崩れるという. 伝説の女が表れてそれが大戦争の予兆,その時に異種なる救世主の様なものが表れてそいつが味方した陣営が 勝つという.予言者によれば異種は闇陣営に味方するという.闇を照らし切るより光を断ち切った方が楽だからだ・・・という. 闇の連中は基本的にバンパイアであるようだ.ロシア的なキリスト教世界観を前提に作った現代版ファンタジー. 主人公のコンスタンチン・ハベンスキーが元妻のお腹の子の呪殺を依頼する過程で異種(アザーズ)として覚醒するところから 入っていく.キーワードとしては「闇の渦」や「渇き」,「血」,「見える見えない」,「許可」,「呪い」と色々あるが, 映画サイレトヒルのようにゴキブリやカラスがウジャウジャのグラフィクスや映画インビジブルのような血管見え見えの シーンが意味ありげに使われて物語を盛り立てて・・・いるのかどうかは疑問符だが.この映画の最大の問題点は 全般的に話が飛んでおり断片的な印象が強い.濃厚なストーリーとヴィジュアルを映画の枠の中で無理矢理納めるために 様々なことが突然起こる.言い換えれば必然性がなくその場限りのネタが続く.もっと端的に言えば「意味不明」. 見所としてはヴィジュアルが良いという点と  ネタバレ→ 渦に飲み込まれていくジャンボジェットや,ロシア原発の大爆発など(たいした見所とも言えないが)がある. お話しの目的としては女が作った渦を止めて何千何万の命を救うことのようだ. 最終的には偉大な異種なるイゴール君ことディマ・マルティノフがナイト・ウォッチなる光陣営の主人公が嘘をついていたということで イゴール君が闇を選ぶ.伝説によると彼はこの世を闇に沈める.だが,一人でも光を臨むものがいる限り希望は残る. と意味ありげな言葉を残し,コンスタンチン・ハベンスキーは悪陣営を拳で殴り続けて物語は閉幕となる.  ←   監督はエスケープ・フロム・アフガン(2002)のティムール・ベクマンベトフ.  Amazon.co.jp「ナイト・ウォッチ NOCHNOI DOZOR 特別編
キャッチコピー  ロシアNo.1大ヒット樹立!「マトリックス」を超える映像革命 光vs.闇のダーク・ファンタジー3武作の第1章が始まる.  世界中のトップクリエイターが嫉妬した驚異の映像体験.



鉄コン筋クリート TEKKONKINKREET 2007年
★★★__ 公式サイト111分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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愛の流刑地 AI NO RUKEICHI 2007年
★★★__ 公式サイト125分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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硫黄島からの手紙 LETTERS FROM IWO JIMA 2006年
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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大奥 OHOKU 2006年
★★★__ 公式サイト129分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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007/カジノ・ロワイヤル CASINO ROYALE 2006年
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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暗いところで待ち合わせ 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



プラダを着た悪魔 THE DEVIL WEARS PRADA 2006年
★★★★_ 公式サイト100分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  こんな最高の職場なら,死んでもいい!こんな最悪の上司の下で,死にたくない!



トゥモロー・ワールド CHILDREN OF MEN 2006年
★★___ 公式サイト109分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督はハリーポッターとアズカバンの囚人のアルフォンソ・キュアロン.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  2027年 子供が誕生しない未来 そう遠くない明日 人類だけが地球から消え去る



テキサス・チェーンソー ビギニング THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE:T 2006年
★★★__ 公式サイト92分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  覚悟がなければ,視てはいけない.恐怖の原点,絶望の頂点.



地下鉄(メトロ)に乗って METRO NI NOTTE 2006年
★★★__ 公式サイト126分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  いつもの地下鉄を降りると,そこは昭和39年の東京だった−.



ブラック・ダリア THE BLACK DAHLIA 2006年
★____ 公式サイト121分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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手紙 THE LETTER 2006年
★★★★_ 公式サイト121分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ただ、君を愛してる HEAVENLY FOREST 2006年
★★★★★ 公式サイト116分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  「いま,会いにゆきます」の市川拓司の名作,待望の映画化!生涯ただ一度のキス ただ一度の恋



7月24日通りのクリスマス 7.24 CHRISTMAS 2006年
★★___ 公式サイト108分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  クリスマスには,告白しよう.理想のリスボン(実は長崎)を舞台に,ダメな私の恋が始まる!



木更津キャッツアイ ワールドシリーズ KISARAZU CATSEYE 2006年
★★★__ 公式サイト131分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  言いたくねぇけどばいばい.さよならキャッツ!!涙が止まらねえ.



ナチョ・リブレ 覆面の神様 NACHO LIBRE 2006年
★★★__ 公式サイト92分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



デスノート the Last name DEATH NOTE 2006年
★★★★_ 公式サイト140分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  誰が死に,誰が生き残るのか.



虹の女神 RAINBOW SONG 2006年
★★★__ 公式サイト118分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  不思議な虹を見た.



父親たちの星条旗 FLAGS OF OUR FATHERS 2006年
★★★__ 公式サイト132分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  2006年94歳でこの世を去った写真家のローゼンタール(硫黄島に旗を打ち立てるアメリカ兵の写真を撮った)
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



レディー・イン・ザ・ウォーター Lady in the Water 2006年
★★★__ 公式サイト110分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  今回のM・ナイト・シャマランはついにちょい役では我慢できずに主役に!!M・ナイト・シャマラン式おとぎ話.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  急いで。ハッピーエンドまで、もう時間がないわ



ワールド・トレード・センター WORLD TRADE CENTER 2006年
★★★__ 公式サイト129分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  勇気そして生還−これは,真実の物語.



16ブロック 16blocks 2006年
★★★__ 公式サイト101分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  このストーリーならブルース・ウィルスでなくてもよかった.
本編感想  見なくても言い映画の一つであった.がしかし,見たからと言って損したわけでもないおもしろさはある.  ネタバレ→  ←   監督はグーニーズ(1985),リーサル・ウェポンシリーズ,タイムライン(2003)のリチャード・ドナー.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  NY市警を敵にまわした,最も「不運」で「手強い」刑事.NY市警に追われる,最も「重要」で「無力な」証人.NY市警を操る,最も「有能」で「卑劣な」刑事.



オトシモノ OTOSHIMONO 2006年
★★★__ 紹介サイト94分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  最近出まくりの沢尻えりかの姫ぶりを見てやろうと鑑賞した作品.それなりに怖いが後半は×.
本編感想  小栗旬(隣人13号・あずみ)が恐怖におびえる地下鉄運転手を演じる.地下鉄が真っ直ぐでなくある地点を迂回するように走っている. そのカーブのところでは地下鉄事故が多発.沢尻えりか(パッチギ,手紙)の妹の友達が定期を拾う.行方不明.今度は沢尻の妹が定期を拾う.行方不明. その他,ある女性のオトシモノを拾うと大変な目に遭う.最近過労で倒れた若槻千夏も車内に落ちていたブレスレットを 恋人からのプレゼントと騙されて渡された.喜んで付けていたが,取れなくなる.オトシモノのヌシを追う小栗旬と沢尻えりか. 例の定期をヒントに事件の解決を試みるつつ,サスペンスホラーの世界へと巻き込まれていく. この作品.それなりにホラーっぽく怖がらせる良作ではあるが,やはり全国公開作品とくらべて負けている印象は否めない. 一部劇場でしか公開していない.しかし,その割りに役者は目を引く.沢尻えりか,小栗旬,若槻千夏,杉本彩.やはり後半の悪霊関係のネタが 前半で作り上げてきた作品の雰囲気を全て壊してしまったのであろうか.「この謎は何だ!?何だ!?」と必死に考えていたら, 後半になって「ハイ!魔法でした!チャンチャン.」みたいな落ちは多くの映画ファンを失望させるのだ. この作品に友情や家族愛みたいなものをテーマに盛り込んだのは良かったが,その辺の描き方やラストへ向かう展開もふまえて 考えると小中学生向きの作品となっている.結果として大人には受け入れられにくく,小規模公開の作品となったのだろう. 前半が呪怨(奥菜恵)を臭わせ,ゾクゾク感のあふれるホラーっぽかっただけに残絵だ. そう考えると,この映画は沢尻えりかの魅力一つで成り立っていたと言っても過言ではない気がする. わがまま姫ぶりがよく聞こえる沢尻えりかであるが,結果は残しているだけにこれからも尊敬していきたい. この映画でもう一つ強く心に残っているものがある.それは板尾創路の顔だ.ホラーには欠かせない顔だと言っても過言でない. 恐ろしい存在だ.  ネタバレ→  後半出てくる死体で作った地下要塞とハニワをイメージした邪悪の化身みたいなものが滑稽だった.地下鉄の例のポイントで 女の死体を目撃した小栗旬.誰も信じてくれずにオトシモノの整理係にまわされる.以前から事件を調べていた板尾創路から 秘密を聞き出そうとする沢尻えりかと小栗旬だが,呪い?で板尾創路はコロされる.秘密を知る杉本彩と共に行動する若槻千夏だが のろいには逆らえず,サイドブレーキを引いていても車は踏切に引きづり込まれ,車ごとメチャクチャに死亡. 電車を運転し,トンネル内の例を沈めに突入する小栗と沢尻と杉本.なぜか,沢尻と杉本だけで奥に進む.霊と戦う. 壁が崩れて中に進むと古代遺跡が.沢尻えりかの大冒険の始まり.死体が山積みになったところで妹を発見. 追いかけてくるゾンビ達.(この辺からはギャグに近い.)危険なところで助けに来る小栗旬.その後,トンネル爆破の ニュースが流れ,容疑者として小栗旬.  ←   監督は古澤健.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  拾っては,いけない.



涙そうそう NADASOUSOU 2006年
★★★__ 公式サイト118分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  妹属性立ちまくりの長澤まさみだから成り立った沖縄兄妹愛映画.後半は客を泣かせようと必死でちょっと興ざめ.
本編感想  男は長澤まさみを女は兄役の妻夫木聡を見てハァ〜とため息をつくのがこの映画の趣旨.前半から中盤にかけては 兄妻夫木のがんばりが好印象でストーリー的にも無理がないためほのぼのとした兄弟愛を温かく見守ってこの映画に感情移入できる. しかし,後半あまりに兄貴が妹想いなことと,嵐の晩に起こるあまりにも映画じみたストーリー展開のため, とたんに長澤まさみの演技が「うぁ.目薬使ってるのかな?何カット撮影したんだろ?」とか思えてしまう. せっかく映画の中の世界に入り込んでいたのに,題名の「涙そうそう」を達成しようと観客に「泣け!泣け!」と 急激に迫ってくるため興ざめし,劇中の演技が嘘っぽく見える.残念だ.ラストでは沖縄系ばあさん役といったらこの人の 平良とみ(ちゅらさん(2001),ホテルハイビスカス(2003))が孫の長澤にとっても含蓄深いこの映画の骨みたいな 台詞を言うのであるが,一生懸命に泣こうとがんばっている様に見える長澤の演技がくさくて台詞に深みが出ていないように 感じたのは特に残念だ.とはいえ,綺麗な絵を随所に使った表現や沖縄の雰囲気を伝える点において見応えのある作品になっていた. 妻夫木聡の彼女役に医学部に通う学生として麻生久美子(eiko[エイコ](2003))が好演していたが, ちょっと年の差を感じてしまった.彼女の父親に橋爪功(ローレライ(2005)).嫌らしい男に船越英一郎(いかレスラー(2004)). 妻夫木が働く料理屋のママさんに森下愛子(木更津キャッツアイシリーズ).医者に大森南朋(深呼吸の必要(2004)). 長澤の担任の先生に与座嘉秋(ホーム・チームのメンバー,UDON(2006)),妻夫木の友人に塚本高史(木更津キャッツアイシリーズ)が出演している.  ネタバレ→  妹が沖縄本島に島からやってくるということで大喜びの兄妻夫木聡.友人の塚本高史と部屋を作る.妹から送られてきた 荷物の中に思い出のウサギのぬいぐるみを見つけ,回想シーンとなる.母の小泉今日子はミュージシャン中村達也と再婚することになる. その時の連れ子が妹となった.その時妹は階段から落ちて頭に4針の怪我をする.兄は高校を中退し市場で働いていた.学歴は関係ないといいつつ 妹には大学に行ってもらいたく,いつか自分の店を出す夢を持っていた妻夫木.そんな時,バイトする森下愛子の居酒屋で 船越英一郎と出会う.若い頃の自分を見ているようだと妻夫木の出店を支援する男だ.妻夫木は海沿いの店を格安で買って, 自分で椅子や屋根を作り,ペンキを塗って「なんくる」という店を開店させる.母親小泉今日子のタコライスの味を思い出しながら 自分の店に夢をはせ,親しい人たちを呼んで開店祝いパーティーをしていると,警察が.その店の本当のオーナーという人から 苦情が.船越英一郎に騙されたということに気づく.学歴のないものは騙され搾取される.そんな雰囲気が映画の中に少し漂う. 騙されて作った借金.妻夫木の彼女の麻生久美子はそのことを父親橋爪功に話すと,このお金で借金を綺麗にしろと親父が乗り込んでくる. 「娘と付き合ってるんだろ?じゃあ叔父さんが借金を手伝ってやる.」ともとれる橋爪の提案を,妻夫木は貧乏人と医者の娘との手切れ金と 受け取り,大激怒.その後,麻生久美子が「そんなつもりじゃなかったの.貴方のためになりたかったの!」と真の愛を見せに来るが, 居留守を使って黙りこくる妻夫木聡.これは相当な学歴コンプレックスの表れです.借金に困る兄を思い,ホテルで掃除のバイトをする 長澤にも妻夫木は大激怒.高三の受験に大事なじきに何やっとるか!と.長澤は琉球大学法文化に合格する.一緒に暮らすつもりの 兄だったが,妹は一人暮らしをするといいだす.長澤が男と会っていたという情報により,その男を締め上げに行く妻夫木. その男とは自分たちや母親を捨てて消えたミュージシャン中村達也だった.兄貴と血は繋がっていないということを話した男に激怒する 妻夫木.血が繋がっているにーにー(おにいちゃん)だと思われていると思っていたからこそ自制できた妻夫木は妹がその事実を知ってしまったことによって 一人暮らしをすると言いだしたと思う.しかし,実際は長澤は最初から血が繋がっていないことは知っていた. そして,別々に暮らす2人.1年半たって妹から手紙が来た.成人式には島に帰ろうと思うと. そして沖縄に季節はずれの台風が近づく.ここまでは良かった.ここまでは面白い映画だった.ずぶ濡れになって家に帰る長澤. 雨風が激しくなり,火花を散らして切れる電線.停電.木が倒れてきて窓が割れる.そしてなぜか飛び込んでくる兄の妻夫木聡. ストーカーバリに家を監視していたとしか思えないタイミング.これぞ兄妹愛の絆の真骨頂!ものすごい虫の知らせ!戸を外して割れた窓を ふさぐ兄.タオルや毛布で隙間をふさぎ浸水を止めようとする.一息つくと兄はお疲れの様子,長澤がおでこを触ると「うぁっ!スゴイ熱!救急車!」 となる.長澤は研修医になっていた麻生久美子に連絡し,救急車にきてもらう.菌が心臓の筋肉に炎症を起こさせています.と解説する大森南朋. よほど無理なさっていたんでしょうと.入院して安静にしている間に容態は急変.そのまま死亡.島で葬式を行い兄の持っていた写真を アルバムにしまっていると宅配便が届く.それはまさしく妹が成人式で着るための晴れ着であった.送り主はもちろんにーにー. おら!泣け!このシーンを見て泣き叫べ!!土井裕泰さん.負けたよ.スタッフロールの後には幼少期の兄妹が「将来,にーにーと結婚する.」 「兄妹では結婚できないんだよ」「何で?」といったシーンが用意されている.  ←   監督はいま,会いにゆきます(2004)の土井裕泰.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  泣いても,泣いても溢れ出す,君への想い.



ワイルドスピードx3 トウキョウ ドリフト FAST&FURIOUS:TOKYO DRIFT 2006年
★★★★☆ 公式サイト104分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  イニシャル・D・ザ・ムービーを超えるドリフトバトル!しかし,キール音は意図的に消してあった.
本編感想  この映画はスピードレース映画の最高峰である.全作まではスピードに対するリスペクトが半端ではなかったが,今回は日本を舞台とし, ドリフトバトルをリスペクトしている.イニシャルDの影響は広く世界に及んでいるということがわかる.新宿のスクランブル交差点(人で埋め尽くされている) の中をドリフトしながらスーパーカーがすり抜けていくシーン,信号無視のドリフトバトルには息が詰まる.ただし,ドリフトorスピードor車好き以外の 人は面白いと思える要素がほとんど無い映画でもある.主人公らが札束を平然と扱っているのに,概ね高校生で制服を着ているということや, 日本国内での道路が地理的におかしいとか,アメリカ人の日本観がおかしいとか色々言われているが,そんなことはこの映画の本質とは関係ない. どうやって撮影したのか?!CGと実写が入り混じるスリリングなスピードの世界を楽しむためには劇場の大スクリーンをおすすめする.  主人公はエミネム似のルーカス・ブラック(Xファイル・ザムービー(1998))でアメリカの高校でレース事故を起こし,少年院を逃れるため 日本にいる軍人の父親ブライアン・グッドマン(ブロウ(2001),キャッチミーイフユーキャン(2002))のところに頼ってくる. 日本の高校に通うことになるがそこで知り合う黒人BOW WOWと本作ヒロインの ナタリー・ケリー(本作映画デビュー)と知り合う.日本のヤクザの甥を演じるのはドリフトキングDKと呼ばれるブライアン・ティー(ディック&ジェーン復習は最高(2005)) .コイツと主人公との対決が本作の筋である.BOW WOWが車好きであることを知り,兜町にある地価パーキングへ 連れて行ってもらう.するとそこにはナタリー・ケリーが.話をしているとブライアン・ディーに因縁を付けられる. BOW WOWにヤクザだから相手にするなといわれるが,得意のレースで決着を付けようといいだす.しかし相手はドリフトキング. 駐車場内をドリフトで駆け上がっていく.ドリフトなんかしたことのないルーカス・ブラックは車をボロボロにしてしまう. その車を貸してくれたのブライアン・ティーの側近で同じく車好き直仁湖にサン・カン(UNDOING,ROGEU)だった. コニシキからの金の回収などを経て2人は仲良くなっていき,ドリフトレースにはまっていく. ヤクザのボスにはJJサニー千葉こと千葉真一(キルビルシリーズ)が出演している.その他,妻夫木聡(涙そうそう)や北川景子(美少女戦士セーラームーン),そしてヴィン・ディーゼル(ワイルドスピードx1) もちょい役で出演している.妻夫木聡は明らかに日本向けのプロモーションのために出演させられたというにおいが強い. 「うわばき」を必要以上に教える教師に柴田理恵もいる.  ネタバレ→  ←   監督はジャスティン・リン.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  TOKYOは今,サーキットと化した!ハリウッドが挑む,誰も知らない日本!



UDON UDON 2006年
★★★★_ 公式サイト134分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  私はこの映画を見て帰り道に小麦粉2kgを購入し早速自分でうどん打ってみた.そのくらい手打ちうどんが食べたくなる映画.
本編感想  うどんを題材にどこまで「映画」にできるのかが気になっていた.それだけの映画だったはずだった. しかし,結果的にうどんに対してかなり愛が深まってしまった.うどんを通じたブームの火付けとブームによる 社会の変化,親子の愛.十分に映画としてドラマティックに描かれていた.またこれらをテーマに日本文化を世界に広めることにも貢献した. うどんの国讃岐香川県の雑誌が麺通団と名乗り地元民でも知らないマニアックな讃岐うどんを巡る企画を世に出していく様が 当初描かれる.コメディアンを目指しアメリカに行って挫折したユースケ・サンタマリア(踊る大捜査線)と小西真奈美(ドラマ天体観測)が メイン主人公だ.これらを囲む仲間にトータス・松本(本作を区切りに俳優となり音楽活動休止を考えていたらしい),片桐仁(ラーメンズのメンバー),編集長に升毅, タクシー運転手に永野宗典(サマータイムマシン・ブルース(2005)のカッパ),高校生うどん部部長に池松壮亮(男たちの大和(2005),鉄人28号(2004)) らがいる.記事を読んでうどん巡礼を行う3人組に川岡大次郎,ムロツヨシ,与座嘉秋.この3人はサマータイムマシンブルースであまりにも存在感を アピールしたお方々だ.鈴木京香(男たちの大和(2005))と小日向文世(木更津キャッツアイシリーズ)はユースケ・サンタマリアの実家にいる 夫婦としてudon職人木場勝己(3年B組金八先生の(第6・7シリーズ)の嫌みな校長先生役)といっしょに暮らしている.  作品中には自分で畑からネギを持ってきて刻んでうどんに入れるというマニア好みの店や生卵と醤油と酢だけでうどんを食べる(これを試してみたらうまい!!)店も登場する. とにかく,いろんなネタがてんこ盛りで観客を飽きさせることなくストーリーは進んでいく.唯一ちょっと飽きた感が強かったのは 祭りの最中にトータス・松本がお決まりの歌を歌い出したことだ.あまりにもお決まりすぎてちょっと引いた.  ネタバレ→  ブームの火付けとなってうどん祭りなども開くが,客の行列を前に苦情で店を畳むところやうどんを細くして本来の味を出さない店などがでる. 何かを作るということは既にあったものを壊すことなんだ.重い言葉が作品を包む.  ユースケが実家継いでうどん打っても良いかなぁなんて父親に詫びを入れるシーンにおいて木場勝己は(かなしいがストーリー上では都合良く)死んでいる. そこから49日までの間にユースケと小日向文世のうどん作り父親の味再現の苦悩が始まる.  ←   監督は交渉人真下正義(2005),サマータイムマシン・ブルース(2005)と踊る大捜査線シリーズの本広克行.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  視ないと,マズイ!



フォーリング・ダウン FALLING DOWN 1993年
★★★★★ 公式サイト118分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  強弱の激しすぎる男の1日を追って,人間の本質を考え直すキッカケとなる思慮深い一本.
本編感想  原題のフォーリング・ダウンにはひどく酔っぱらうや頭がおかしくなるという意味がある.その名の通り,生真面目な男 マイケル・ダグラスは渋滞のさなかに頭がくらくらしてプッツンしてしまう.(以前はプッツンと表現されていたが今は切れるか.) 吐き気に近い感覚と共に人格が変わってしまう.おそらく前頭葉(frontal lobes)あたりで脳卒中(stroke)が起きたのだろう. 大部分の人間的行動に支障がないが,暴力的な感覚に対しての常識が欠如してしまう.渋滞の車を捨てて歩き出し,家に帰る. その後はストレスと闘い続け,銃撃にも会うが運良くたまにも当たらず襲撃した若者の足をウージーで撃つ.最終的には 分かれた妻と子供のところに会いに行くのが目的なのだが,そこにたどり着くために藁しべ長者的に様々な事件が起こる. 真っ昼間の都会で西へ西へと向かう謎の犯罪者.そしてそれを追う刑事ロバート・デュバル.うーん.面白い展開の映画だ. この映画は妻と夫,仕事と家庭の関係を描いている点も渋い.笑えるし,泣ける.  ネタバレ→  雑貨屋で両替してくれというとなんか買えといわれ,コーラを買おうとすると頭が混乱して乱闘になる.金を払いバットを奪う.  マイケルが座って休んでいるとそこは俺らの土地だ所場代を出せとチンピラに絡まれる.切れてバットで殴りつける.  仕返しに銃撃するチンピラ.民間人がいっぱい死ぬ.運良く弾に当たらないダグラス.逃げる時に事故って横転のチンピラ. ウージーで命乞いする相手の足を射ち,バックごと銃器を奪って満足げに立ち去る.ハンバーガー屋で朝食メニューを食べたいと駄々を捏ね もう,朝食メニューの時間ではないと断ると,お客様は神様だという言葉をしらんのか?私が神様だ!とじゅうを取り出し乱射. その後気が変わり昼メニューを頼むが,誇大広告だと文句を言う.その後,娘のために雑貨屋で馬の飾り物を購入.妻に電話を掛ける が出ない.電話を掛けたいのはお前だけではない!と待っていた人間が怒鳴り掛けると,この電話は使えない.といって 銃を乱射.穴の開いた靴の代わりにハイキングブーツを買おうと寄ったアーミーマニアの店でホモ嫌いのハゲにチンピラから取り上げた バタフライナイフを刺し上げて,バズーカ砲を手に入れる.妻に電話を掛ける.また道路工事に出くわす.道路のどこが壊れていたんだ! と問いつ,バズーカを取り出す.子供から使い方を教わってぶっ放すと水道管が大爆発.突発的にゴルフ場に進入してカートにぶっ放す. 老人はびびって心臓発作.その後,豪邸に忍び込み強盗と思われる.家の近くに来ていることを電話する.逃げる妻と娘. 娘の水鉄砲を握って家族のビデオを見返し楽しかった時代を思い起こす.そこにようやくたどり着いたロバート・デュバルら刑事. 女刑事は脇腹を打たれ,ダグラスは思い出の海辺へ走り出す.そこにいた元妻と娘.おびえる元妻.彼女は彼が精神病であることを知っていた. おそらくそれが離婚の原因だったのだろう.その後,ロバート・デュバルとの一騎打ちとなる.死を選んだダグラスは水鉄砲を抜き,射たれて 海へ浮かぶ.家では楽しかった頃の家族のホームビデオが流れ続けていた.  ←   監督はオペラ座の怪人(2004),9デイズ(2002),フォーン・ブース(2002),評決のとき(1996)のジョエル・シューマカー.  Amazon.co.jp「
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アメリカン・プレジデント THE AMERICAN PRESIDENT 1995年
★★★★_ 公式サイト114分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  ホワイトハウス内部の雰囲気を一般人にもわかる視点で描いたことに注目したい一本.
本編感想  妻をガンで亡くした幼い娘のいる世界最高の権力者米国大統領を一人の人間として描いた作品. 大統領にはマイケル・ダグラス.環境重視の活動家アネット・ベニングがホワイトハウスに呼ばれて 大統領に一目惚れされるという物語.票の動きや大統領選に伴う中傷合戦,法律と支持率の関係.様々な しがらみの中で揺れ動く愛の行方.おもしろい.アメリカは実際,CO2削減を盛り込んだ京都議定書に調印していない国だが,環境に関する法案を 最重要視する内容の映画になっている点も好感が持てる.本作の内容とは関係ないが,京都議定書に批准しない国は 二酸化炭素を排出すればするほど排出権を先進国から買って貰え,無から生じた利権をむさぼることができる. なんて中国とアメリカに都合がよい条約なんだ!!日本は排出権を買うことによって無料支援をしているのだ. 削減義務がないため,排出権売却で儲けた金はCO2削減には使用されない.太平洋の島々は毎年沈みつつあるのに 中国はモクモクと石炭を燃やしている.うーん.マイケル・ダグラスの側近にはマイケル・J・フォックスがいる. 大統領がリビアのビル爆撃を決意するシーンがあるが,ビルの中の人が最小になる時間帯を気にする.その後も 掃除のおばさんが罪もないだろうに自分の決定で爆死することに対して心を痛める.この点はアメリカ人受けがいい. さすが,スタンド・バイ・ミーのロブ・ライナー監督だなと思った.この映画にケチを付けるとしたら,大統領が 彼女を好きになるのがいきなりでなんの文脈もなくおもしろみがないところだ.なぜ彼女に惹かれたのか?ここにもう一仕掛けほしかった.  ネタバレ→  大統領は最終的に効果のない犯罪対策法案を捨て,環境保護CO2を20%削減する法案を最重要政策とし, アネット・ベニングに対する誹謗中傷を人権と自由の観点から反撃し,大統領候補者をたたきのめす. 2人は結ばれてハッピーエンド.  ←   監督はスタンド・バイ・ミー(1986)のロブ・ライナー.  Amazon.co.jp「
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ディスクロージャー DISCLOSURE 1994年
★★★__ 公式サイト128分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  セクハラという罠をデミ・ムーアという野獣を使って表現した映画.
本編感想  コンピューター会社に勤めるマイケル・ダグラス(セイブ・ザ・ワールド(2003),ゲーム(1997))が上司のデミ・ムーア(チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル(2003),G.I.ジェーン(1997))に 性的関係を強要されそれを拒否すると,後になってセクハラされたとマイケル・ダグラスを訴えるといった物語. 会社の社長にキファー・サザーランドの親父であるドナルド・サザーランドを据えている. セクハラを巡る男と女の闘い,裁判が本作のみどころ,デミ・ムーアの嘘涙にむかむかさせられるので製作者側の意図がしっかり 観客に伝えられていることを感じる.2人の問題以外にもチップの性能不備の事件や同僚の昇進問題などが絡み合いダグラスは不利になっていく.  ネタバレ→  都合が良いのだが,問題の性強要シーンが携帯電話経由でどこかの留守電に録音されており,マイケル・ダグラス側が大勝利する. いやぁーつごうがいい. チップの不具合もデミ・ムーアの陰謀だった.  ←   製作・監督はレインマン(1988)のバリー・レヴィンソン.  Amazon.co.jp「
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シュガー&スパイス 風味絶佳 SUGAR AND SPICE 2006年
★★★__ 公式サイト125分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  山田詠美の原作『風味絶佳』を映画化したもの.柳楽優弥(誰も知らない,星になった少年)が高校を卒業した後, 親である光石研と奥貫薫の反対を押し切ってガソリンスタンドの店員になる.そこに新しいバイトとして大学生の沢尻エリカ(パッチギ)が やってきた.高校時代にBMWの男こと高岡蒼甫(コンクリート,パッチギ)と路上で喧嘩していたのを目撃していた柳楽が気になる女の子それが 沢尻であった.柳楽のおばあちゃんであるグランマこと夏木マリ.その精神を多分に受け継ぐ柳楽のことを沢尻は好きになる. 当然柳楽もめちゃかわいい彼女のことを好きである.この2人の恋が,だれかを心底好きになるという絵が,見ている観客とくに 女性を熱くする.というのが本作のもくろみ.しかし,「風味絶佳」と言うほどの絶佳さはこの映画から感じられなかった. だからこそキャラメルのように甘さだけ(やさしさ)でなく風味を効かすスパイス(つよさ)も織り交ぜろという柳楽を象徴とする男どもに 語りかける映画となっているのかもしれないが.それにしても柳楽優弥は織田裕二に似ている.やや東南アジア系の顔つきもそうだが, 顔の筋肉の付き具合があらゆる表情をそうさせていた. ガソリンスタンドの同僚に,大泉洋,佐藤二朗,板倉俊之がいる. 柳楽の友人である濱田岳と木村了が岩佐真悠子を取り合って喧嘩するというサイドストーリーもある. サエコ(バックダンサーズ)も沢尻の大学の友人として出演しているがあまり意味はない.  ネタバレ→  ←   監督は冷静と情熱のあいだ(竹野内豊,ケリー・チャン,2001)の中江功.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



もしも昨日が選べたら CLICK 2006年
★★★★★ 公式サイト107分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  時間を止められることを利用したおふざけ映画から,後半は急展開で涙ぼろぼろの感動作へ
本編感想  主演のアダム・サンドラーは製作にも名を連ねる.  ネタバレ→  ←   監督はウォーターボーイ(アダム・サンドラー主演,1998),80デイズ(2004)のフランク・コラチ  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  人生なんて,自由に操れる.と,信じていた.失くしたハッピーを,探しに行こう.



ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED DANNY THE DOG 2005年
★★★★_ 公式サイト103分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  テンポの良いアクション&家族愛.前半の犬がどうして後半あそこまで人間になれたのか!?
本編感想  原題のUnleashedは首輪・手綱が外れた,とき放れたという意味.おまえは犬だ!犬となれ!しゃべることもままならない 思考停止の犬=ダニー=ジェット・リー(HIRO)は幼い時からの教育により首輪をはずした時には狂犬となる教育を受けてきた. 金貸しギャングに飼い慣らされていたジェット・リーは,一人で相手の組織全員をぼこぼこにする. チビデブのギャングのボスにボブ・ホスキンス(メイド・イン・マンハッタン(2002),ステイ(2005),スーパーマリオ/魔界帝国の女神(1993)). 盲目のピアニストにモーガン・フリーマン(ミリオンダラー・ベイベー(2005))とその娘にケリー・コンドン. それにしても序盤のジェット・リーの犬ぶりはこの映画へと観客をグイグイ引き込んでくれる. そして,モーガン・フリーマン&ピアノとの出会い.ピアノを軸に進められていくストーリー展開もまた心地よく 違和感もない.アクションバトルをメインに据えているのに観客にいろんな感情を沸き起こさせてくれる.その上, 在るべきところへ物語を収束させていくのがこの映画のすばらしいところだ.さすがは製作脚本リュック・ベッソン. レオンを超えたという話もうなずける.フランス・アメリカの合同製作となる本作だが,強いて難点を上げると, 東洋人=犬または猿というようなイメージが製作者側からヒシヒシと伝わってくることだ.話が話だけに仕方がないが, ダニーを西洋人にしてもこの映画は成り立ったのか?(ジェットリーがカンフーの達人だという要素を抜いたとして・・) と考えるとやはりこのファクターは製作陣の中で多分にあった気がする.ところで,ダニーの綴りはDANNYが正しい.  ネタバレ→  ギャングは車に乗っていると敵対組織から突然ダンプによる側突を受ける.その後はマシンガンのアラシ. ダニーだけは生き残り,モーガン・フリーマンのもとで家族や愛情を学ぶ.しかし生きていたボブ・ホスキンスは再び ダニーを飼い慣らそうとする.モーガン家族に被害が及ぶことを恐れ組織に戻り,殺し合いの地下コロシアムで バトルする.殺し合い拒否したダニーはボスからひどい仕打ちを受ける.私の家はここじゃない.と車の運転を阻止して 大横転.ダニーはモーガンのところに帰る.ダニーを取り返しに来たギャングとモーガンの家で大バトル. ダニーが自分の母親についてボブ・ホスキンスに訪ねると最初は,道に捨てられていたのを助けてやったと言い, 次に,母親は売春婦だったという.しかし真相はピアニスト.ジェット・リーの目の前で脳天を打ち抜かれて死ぬ. その犯人とは他でもないボブ・ホスキンスだった.クライマックスではボブ・ホスキンスを殺そうとするダニーを モーガンが止めようとする.しかし,ホスキンスのひどいダニーの母親に対する侮辱に植木鉢でとどめを刺す.  ←   監督はトランスポーター1・2のルイ・レテリエ.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  愛は人を強くする.ダニー・ザ・ドッグ 犬となれ!



太陽 THE SUN 2006年
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  外国人から見た天皇ヒロヒト「あっそう.」を連発するイッセー尾形に???
本編感想  終戦直後の孤独な国家元首を描こうと監督ソクーロフは独自の視点でがんばったと思う.ただそれは 当時や現代の日本人にはとうてい???な内容だ.彼はソクーロフ映画4部作の第3作目と本作を位置づけている. 1作目はアドルフ・ヒトラーを描いた「モレク神」,2作目はウラジーミル・イリイチ・レーニンを描いた「牡牛座」である. ソクーロフは独裁者の映画を作っているのではなく,傑出した人物の映画を作っているのであると言っている. なるほど.執事に佐野史郎,皇后に桃井かおり(SAYURI(2005)),マッカーサーにロバート・ドーソンという布陣で, 前半は天皇の1日をじっくり描き,中盤でマッカーサーとのやりとりを,後半で皇后との夫婦関係を描いている. 史実との関係は怪しく監督の思いこみがスクリーンの大部分に広がっているが,ソクーロフの感受性に共感できる人は この映画の価値を見いだせる.クラーい地下壕や執事の汗,天皇の臭い息などがスクリーンから伝わってくるあたりの 臨場感はスゴイ.イッセー尾形は昭和天皇の物まねをかなり上手にやっていたと思う.口周りの筋肉の動かし方などすごい. しかし,晩年には良く聞かれた天皇の「あっそう.」をあそこまで連発するのはどうかと思った.  ネタバレ→  ←   監督はアレクサンドル・ソクーロフ.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  天皇ヒロヒト−彼は,悲劇に傷ついた,ひとりの人間.彼は,あらゆる屈辱を引き受け,苦々しい治療薬をすべて飲み込むことを選んだのだ.



バックダンサーズ BACKDANCERS 2006年
★★★__ 公式サイト117分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  できない人はダンスをうまく踊る人を見て凄い!カッコイイ!と思う.しかし,お金と時間を払ってライブに行くか?というと,その人自体を好いていなければ無理だろう. その点,アイドルは何もしなくても「好き」の対象である.ダンサーズは「あなたのダンスが好き」から「あなたが好き」へ昇華させなければ 興行的に他人からお金をもぎ取ることはできないだろう.とこの映画から感じた.
本編感想  高校の同級生の平山あや(恋愛小説(2004),釣りバカ日誌16(2005))とhiro(島袋寛子元SPEED)(アンドロメディア)はダンス好き.高校生ながらにクラブに出入りし, 警察の手入れを受け,そのことが原因となり,高校を退学させられる.その後も続けたダンスだが,平山あやは家を出て ダンスをする.大手レコード会社の新人長谷部優(dreamのメンバー)を売り出す際のバックダンサーとして,2人はソニン(あゝ!一軒家プロレス(2005),空中庭園(2005))と サエコ(NANA(2005),シュガー&スパイス風味絶佳(2006))との4人で組まされる.長谷部優をプロモートする甲本雅裕(リンダリンダリンダ(2005),嫌われ松子の一生(2006))と 浅野和之(THE 有頂天ホテル(2005),フライ,ダディ,フライ(2005))が安直に決めたチーム名はバックダンサーズ.ワガママ売れっ子長谷部優は IT社長かなんかと結婚するとだだを捏ねマネージャーの木村佳乃を困らす.あげく,ライブ中に本ライブを最後に引退すると語りだし, バックダンサーズは愕然.明日からのスケジュールどーなってんのヨー..となる.この映画を見ることによって芸能界内で働く論理や イベントを開催するための舞台裏などを垣間見ることができ楽しい.しかし,劇中の木村佳乃の台詞「この業界消えていく人たちの方が多いんだから, 一々関わってたら身が持たないわよ.」が表すようにこの映画のバックダンサーズのように這い上がっていく都合の良いストーリーは なかなか無いのだろうと感じてしまう.そのためこの物語がやはり映画なのであるということを気づかされいささか残念であった. 起死回生の復活の手口がもっと巧妙に実在しそうな展開であったら少しは印象も変わっただろう.とはいいつつも芸能界デビューx成功という 階段自体が偶然や運の連続によるところが大きい気もするのであながちとんでも話でもなさそうだ.さて.メンバー4人の中で,歌と踊りの経験が リアルワールドにおいて飛び抜けているhiroが4人を引っ張る精神的主柱となっている.その貫禄と余裕は演技ではなくこの映画の質を著しく 高める結果となっている.だてにドームツアーの主役を張ったSPEEDの一番人気だったわけではない.劇中での心情も他の3人は明らかに幼いのに対して hiroだけはやや大人な発言をする.陣内孝則と一夜を共にするシーンでも年上の男性をたじろがせるような状況をさらりと作り出し, 昨今の松本人志(ダウンタウン)を手玉にとった事案からもわかるようにハイレベルな女ぶりが伺える.北村有起哉(DJ役)(トリック劇場版2(2006))や陣内孝則を操って 自分の居心地を調整する猫のような野生の能力は決して与えられた台本だけによるものではない.本映画の見所は第1にダンスシーンである. 普段ダンスに興味も縁もない一般市民がダンスに関心を持つというこの映画の趣旨はほどほどに達成されているのではないだろうか. その他は,前述のhiroの女としての魅力と,筋肉質には定評のあるソニンが披露するキャバクラ嬢である.どこの世界にもやりたいことだけを やって仕事としている人はいないだろうから,キャバ嬢であることが彼女の自尊心を傷つけられたからと言って「だからどうした仕事だろ.」と 冷たい反応をするのが普通だろう.しかし,ソニンの演技もあって万札を胸元にねじ込まれるシーンでは不覚にもホロッとさせられてしまった. もう一つは田中圭(シムソンズ(2005),東京大学物語(2006))が務めるバックダンサーズのマネージャーと平山あやとのロマンスである.  ネタバレ→  高校生のhiroと平山はダンス仲間でクラブに出入りしていた.hiroがダンスを教えたという.ある日,警察の手入れが入るが,hiroが裏口 から逃げようと言うが平山が荷物をとってくると言いおかげで捕まってしまう.平山の母親はhiroを不良と責め立てた.これが平山の心にずっと引っかかる こととなる.長谷部優が引退を表明してからも,破局してやっぱり歌わせてください!と戻ってきたときのためにしばらく存続させられているバックダンサーズ. 無理矢理マネージャーにさせられた新人の田中圭.スケジュールが空っぽのダンサーズのために陣内率いるバンドとの共同ツアーを企画する. ギタリストがスキーで骨折し,公演を中止しようとする矢先,DJがかけた曲は伝説のレコードだった.しかしその作者は陣内自身だったという 落ち.hiroには父親がいなく母の手一つで育てられたという設定なのだが,実はその母とは陣内が昔別れた女.hiroが小さいときに聞いたことがある その曲とは母が陣内の曲を聴いていたということだった. その曲で旅館のライブを乗り切りおじさんバンドとダンサーズの距離は急接近. hiroが陣内の娘なのかどうかは最後までわからなかったのだが,自分の母親との関係を知らず,陣内に 近づく一人の女性hiro.陣内の歳48を聞くと,私50まではOKなのと夜を誘う.しかし,タイミング良くかかってきた電話に,なぜか通話先の顔写真が 写る設定の携帯電話.それをちらっと見た陣内は別れた女の娘と知り,こんな時間に男の部屋にいるとは何事か!とhiroを追い返す. ここでなぜか都合良くソニンの息子が登場.ろれつが回りきらない子供の声で「うちのお母ちゃんは東京でダンスしてるんだってみんなに自慢しているんだ」という. その後,他のバンドが売れてきたためバックダンサーズ解散を決めた会社.解散を伝えられずに最後のステージに向かわせるマネージャー田中圭. 解散を知り,取り乱して仲間割れするダンサーズ.袋とじグラビアでヌードを迫られるサエコ.キャバ嬢として子供の言葉を思い出し,涙をぬぐうソニン. クラブで踊れずに月明かりの広場で踊っていた頃を思い出して原点に戻る平山とhiro.hiroには新しいバックダンサーとしてのオファーが来るが みんなを裏切るようでオファー受諾を渋っていた.愛を告白するが相手にされていないDJ Ken.悔しさをバネに4人は再結成して,ダンス大会にエントリーする. 新人発掘のために視察に来ていた木村佳乃と田中圭.バックダンサーズの踊りを見て震える.突然マイクを握り,かつてのマネージャーに「私たち悔しいの!」 と吠える平山あや.田中圭は各方面に画策し,ダンサーズイベントライブを企画するのであった.スポンサーは以前迷惑をかけた豊原功補. プロデュースに真木蔵人(亡国のイージス(2005))と鈴木一真(富豪刑事シリーズ,LIMIT OF LOVE海猿(2005))と梶原善(THE 有頂天ホテル(2005)).大工の棟梁につのだ☆ひろ.作詞に陣内孝則.ラジオのCM枠の確保に木村佳乃.売れ筋にこびる●●と●●を見返すために 田中圭の闘いが始まった.本番直前で問い合わせの電話が殺到.ライブは成功へ.しかし,意味不明に現地でのライブ許可を取っていないという アクシデントも盛り込まれており,ライブ終演ではパトカーが乗り込んでくるという演出.それを開催側が一致団結し,誤魔化す.これは, 序盤から引きずっていたhiroと平山あやとのエピソードからの脱却を見せるために準備された演出であったのかは不明だが,なぜこの設定を導入した のかその真意は不明である.  ←   監督・脚本・音楽プロデューサーは東京フレンズの永山耕三.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  一緒に見た夢は終わらない!!情熱のダンスムービーにやがてココロが踊りだす!



タッチ 2005年
★★★__ 公式サイト116分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  サンデーに連載していたあだち充原作の漫画タッチの実写版.浅倉南を長澤まさみ(クロスファイア(2000),ロボコン(2003),世界の中心で愛を叫ぶ(2004)), 兄の上杉達也を斉藤祥太,弟の和也を斉藤慶太の双子が演じている. この物語,兄弟の演技よりもみなみちゃんの演技が映画の死命を制するのは多くのタッチファンが察するところである. さて,どのようなできなのだろうか. 長澤まさみの剰りのハマリぐあいのため,同じ原作者のラフROUGH(2006)でもヒロインの二ノ宮亜美を務める羽目となった.  ネタバレ→  ←   監督は黄泉がえり(竹内結子)(2002),いぬのえいが(中村獅童)(2004),死に花(山崎努,青島幸夫)(2004), メゾン・ド・ヒミコ(オダギリジョー)(2005)の犬童一心.  Amazon.co.jp「
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ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 WALK THE KINE 2005年
★★★__ 公式サイト136分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  リース・ウィザースプーン(キューティ・ブロンドシリーズ(2001,2003),メラニーが行く(2002))が2006年 アカデミー主演女優賞を受けた作品としてとても興味があった一本.主人公のホアキン・フェニックス(炎のメモリアル(2004),ヴィレッジ(2004))は リバー・フェニックス(スタンド・バイ・ミー(1986))やレイン・フェニックスの弟. 鼻っ柱の強い役柄が多かったリースだが,本作では雰囲気が少し違う.アカデミー賞は本人の性格と異なった役柄を講演すると 受賞しやすいという傾向があるため,リースが受賞したのではないか?と思えてくる.(キーラ・ナイトレイも)  ところで彼女の横顔と笑顔を見ていると,シガニー・ウィバー(エイリアンシリーズ)を若くした顔にそっくりである. ,  ネタバレ→  ←   監督はコップランド(シルベスター・スタローン)(1997),17歳のカルテ(アンジェリーナ・ジョリー)(1999), ニューヨークの恋人(メグ・ライアン,ヒュー・ジャックマン)(2001),アイデンティティー(ジョン・キューザック )(2003)のジェームズ・マンゴールド.  Amazon.co.jp「
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セブンソード SEVEN SWORDS 2005年
★★★__ 公式サイト153分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ワイヤーアクション剣バトルムービー@ロマンスあり.
本編感想  HERO,LOVERSに続く武侠超大作というふれこみの本作.だが,7人というのがよくない.誰が誰だかわからず, ひとりひとりの個性も描き辛い.結局はロマンスありチャンバラスペクタクルに終始してしまった感が強い. 武侠(ぶきょう)とは武術・任侠(にんきょう:仁侠のほうがなじみ深いかな.)のことでアジアで特に愛される映画のジャンル.カンフー映画も この武侠に分類されることが多い. 序盤から「サクッ」「ピチャ」というやや乾いた効果音とともに,首や腕が飛び回る.物語は 1660年代, 満州方面の民族が明王朝を倒し,清王朝を築いた頃という設定である.明の残党を抹殺し私腹を肥やすスン・ホンレイ とそれに立ち向かう「英知」ラウ・カーリョン(本作のアクション監督),「防守」レオン・ライ(インファナル・アフェア3(2003)), 「攻撃」ドニー・イェン(ブレイド2(2002),HERO(2002)),「犠牲」ダイ・リーウー, 「結束」ダンカン・チョウ,「剛直」ルー・イー,「均衡」チャーリー・ヤン(香港国際警察) らの七剣という構造がこの映画の基本である.原作では男性の役をチャーリー・ヤン(女性)が務めているのは 監督曰く七剣の顔ぶれにアクセントを付けたかったということだ.この映画に文句を付けるとしたら,メインの剣バトルが 最初から激しすぎて終盤のクライマックスに山場感が薄れていることくらいである.(それが痛いのだが・・) 終盤の戦いでは 大砲がバトルの中に組み込まれたり剣が降ってきたりしてそれなりに激しくなっているのだが,序盤中盤終盤とでバトルに変化が 乏しい.スン・ホンレイの側近で超ツーブロックと呼ぶにふさわしい髪型をしている冷酷な女性がいる.こいつカッコイイなぁ おそらく終盤で重要な役目を担うに違いない.と読んでいたら,あっさり中盤で逝ってしまった.狂気的かつ綺麗な女性であったため やや悲しくなる.この戦士が死を実感する時の描写が気に入った.監督の感性にグッとくる.七剣が悪と闘い,苦難を乗り越えて 人間的に成長していく様を社会がみんなの力で良くなっていくことに対比させある程度の政治色を作品に滲ませたと語るツイ・ハーク監督 だが,私にはワイヤーアクション剣バトルムービーまでの理解しかできなかった.  ネタバレ→  ラストは七剣のうち一人の脱落者もなく悠然と馬に乗って地を後にする.  ←   監督・製作・脚本は天上の剣The Legend of ZU(2001)のツイ・ハーク.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  「HERO」「LOVERS」に続く武侠・超大作第3弾!!2005年,中国興収No.1!7人分の最強ヒーロー伝説に中国13億騒然!



リンダ・リンダ・リンダ 2005年
★★★__ 公式サイト114分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  制服をだらしなく着こなす香椎由宇の胸元と足下が気になるだけの映画かと思いきや,純粋に高校生らしさを楽しめる一本.
本編感想  マイボス・マイヒーローで高校教師役を務める香椎由宇(ローレライ)が高校生として主演しギターさばきを披露する. マイ☆ボス・マイ☆ヒーローでもそのギターの腕前を見せていたが,本作がその原点となっている.芸達者なら役の機会も 広がるもんだろーなーと感心する.香椎由宇がギター, ペ・ドゥナ がVocal,前田亜季(バトルロアイヤル)がドラム,関根史織がベースをやり バンドを形成する.そして歌う曲は「ザ・ブルーハーツ」.私はブルーハーツ世代なために楽しみな映画であった.ブルーハーツとは 青き心.青春を謳歌する若者のこころを代弁する曲が当時から今でさえも10代の心に響いている.考えてみれば2006年現在で 反権力・反大人的なニュアンスを含むメジャー楽曲の歌詞というのはないかもしれない.ブルーハーツの楽曲を現在の若者に 周知徹底させるにはよい機会となった映画であろう.ブルーハーツの後継バンド「ザ・ハイローズ」はヒロトら当事者たちが すでに大人になってしまい歌詞から,ブルーハーツらしさが消えてしまった.それをいちばんよく理解していたからこそ彼らはバンド名を変更したのであろう. ペ・ドゥナはかわいくないなぁと思ってみていたが,途中,韓国語を話しメンバー紹介するシーンではリラックスしているのか, とても生き生きとしていてかわいらしい.高校生としての元気いい好感がにじみ出している.バンドが練習を重ねて,まとまっていなかった 音楽が次第に形になっていくと,各メンバーとも生き生きとしてくる.ここが見ていて心地よい.このドラムの子前田亜季に似てるなぁでも 違うだろうなぁと思って見ていたがスタッフロールで前田亜季本人だとわかり,ややガッカリした.(前はもっとかわいかったような..) ペ・ドゥナに韓国語で告白する男子学生として松山ケンイチ(男達の大和,デスノート)がチョイ出している. バンド少女らの学校の先生に甲本雅裕(踊る大捜査線シリーズ)がいる.本作で気づいたのだが,彼は左利きのようだ. 途中,学校の女子トイレで鏡を見る香椎のシーンがあるのだが,あまりにも大げさにまるで何かを隠すかのように積み上げられた トイレットペーパーにこの映画の制作陣の美的センスを見ることができる. 最後にバンドが文化祭で楽曲を披露するとき,運良く雨が降ってきて会場の体育館に大量の人がなだれ込んでくる. その雨でびしょ濡れになったヒロインたちの姿がたまらない!と感じるのはこの映画の不純な見方であるのか.それはそうと,ペ・ドゥナの ボーカルに松山ケンイチもご満悦の様子だった.特にドラマティックなヤラセがあるという訳の映画ではなかったが, 普通の高校生にとってみんなの前で何かを発表するということだけで十分に刺激的でありドラマティックなイベントだということが この映画から伝わってきてなんだかうれしくなった.高校時代を思い出すほどにこの映画のリアルさが伝わってくる. リンダ・リンダ→終わらない歌と2曲披露してエンディングとなっていく.スタッフロールでは本家の終わらない歌が主題歌として流れていく.  ネタバレ→  ←   監督はくりいむレモン(2004)の監督・脚本を務めた山下敦弘.  Amazon.co.jp「リンダリンダリンダ
キャッチコピー  女子高生がブルーハーツ.ボーカルは韓国からの留学生!?_



シリアナ SYRIANA 2005年
★★★__ 公式サイト128分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  もっとCIA的な政治色を強めて描いてもらいたかった.
本編感想  2005年アカデミー助演男優賞を受賞したジョージ・クルーニーの作品.アラブの地政学的な背景を描いた本作品に 以前から強い興味を抱いていたが,DVDでの鑑賞となってしまった. マット・デイモン ブライアン・ウッドマン アマンダ・ピート(アイデンティティー(2003),恋愛適齢期 (2003),隣のヒットマン (2000),隣のヒットマンズ全段発射(2004)) クリス・クーパー ジミー・ポープ  ネタバレ→  ←   監督・脚本はアラモ (2004),トラフィック (2000),英雄の条件 (2000)で脚本を務めたスティーヴン・ギャガン.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  世界で最も恐ろしいタブー,解禁.世界は陰謀でできている



エリ・エリ・レマ・サバクタニ 2005年
★____ 公式サイト107分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  レンタル屋で見かけても題名だけ覚えて宮崎あおいの顔写真を見たらDVDを元の位置に直して良い映画.
本編感想  この映画.とにかく間延び感がつよい.もういいから次のシーン行ってくれとしきりに思う.表現したいものを表すのに 間という方法を多用しすぎている.芸術的作品の比重が強いのである程度は仕方ないが多くのお客さんには優しくないだろう. 題名は「神よ,何ゆえに我を見捨てたもうや」と主イエスが十字架に貼り付けられながら唱えた最期の言葉とマタイ27章46節に 記されるものである.2015年,映像を見ることによって感染するウイルスが猛威をふるう.感染すると突然自殺してしまうという病だ. 金持ち筒井康隆の孫娘 宮崎あおいが感染する.自殺させないため両手を縛られている.その症状を和らげる唯一の処方箋は 謎のミュージシャン浅野忠信&中原昌也のサウンドを聴くことであった.(っておいおい.この設定どうなの?) 探偵の戸田昌宏にミュージシャンを探させて宮崎あおいの治療を依頼する金持ち.岡田茉莉子の隠れペンションが物語の舞台になり 不思議な映画が展開される.設定を認めた上でこの映画のストーリー展開に期待をしたが,ストーリーで問題解決に対する魅力を 引き出すことができておらず,不思議サウンドによる問題解決に力を注いでしまった結果,このサウンドを聴いて 映画観客のあなたもあなたなりにどうにか感銘を受けてください.という丸投げ映画に成り下がってしまった.洗濯機の排水ホースの ようなものをぐるぐる回して出る音がお気に入りのようで多用されている.「これが不治の病を治す芸術の極致だ!」といわんばかりに 本人達だけが楽しんでいるようなサンプラーごちゃ混ぜ音を聞かしていただいてもストーリー的な後押しと意味づけがなければ ありがたくも何ともない.唯一の救いは宮崎あおいがその澄んだ顔立ちでストーリーにアクセントを加えることであったが, お人形さん的で無気力な役柄のためか初恋(2006)やナナ(2005)で見せたオーラは出ていない.気になる題名だっただけに残念だ. この言葉は筒井康隆と岡田茉莉子との会話の中で出てくるのだが,これまた題名にするほどの重要な台詞だと感じることはできない文脈であった. 本作は第58回カンヌのある視点部門に投稿されたようだ.ところで鶴見辰吾が少し出演している.  ネタバレ→  ←   監督はレイクサイド マーダーケース (2004),EUREKA ユリイカ (2000)の青山真治.  Amazon.co.jp「エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版
キャッチコピー  音,それは未来への希望だ.



カーテンコール 2004年
★★★__ 公式サイト111分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  そういえば,あの人今何てるのかなぁと身近な人を振り返りたくなる昭和ムービー.
本編感想  下関のみなと劇場というところに携わった芸人の一生を伊藤歩が記者として取材するというのが本作の流れ. 伊藤歩は週刊誌の記者をしていて芸能人のスクープを撮ったが,その芸能人が自殺未遂を起こして 記者として謹慎させられる.この謹慎を機に博多のタウン誌にトバされた伊藤歩.そこで,昭和30年終盤から40年中盤に 映画の合間に芸をする仕事の安川修平という芸人を追うことになる. 主人公の芸人に若いときは藤井隆(模倣犯 (2002),ガーフィールド(2004)),現在の役に井上堯之(美味しんぼ (1996)). 井上堯之の娘に鶴田真由,伊藤歩の父に夏八木勲がいる.  ネタバレ→  実はこの映画在日差別に関する要素を含んでいる.安川修平は韓国人で韓国に帰っていた.それを追って伊藤歩は私費で韓国へ行く. 本人と会うことができ,みなと劇場の最後にゆかりの深い人として当時のネタを披露する.なんとなくほっとする.自分にもそんな場所は あるのだろうか.老後にそのような局面は訪れるのだろうか.明日からも真剣に生きていこうという活力を与えてくれる映画のような 気がする.  ←   監督・脚本は陽はまた昇る (2002),チルソクの夏 (2003),出口のない海 (2006),四日間の奇蹟 (2005)の佐々部清.  Amazon.co.jp「カーテンコール
キャッチコピー  お父さん,あなたの昭和は幸せでしたか?



シムソンズ Simsons 2005年
★★★__ 公式サイト113分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  カーリングというマイナーなスポーツに加藤ローサというバイアスで光を当てる事実に基づいた作品.
本編感想  本当にあった話を元に氷上のチェスと言われるカーリングをテーマにした映画.4人の元気な女の子が この映画の魅力.主人公マイペースの加藤ローサ(キャッチザウェーブ),経験者だが影がある藤井美菜, ちょっと内気で加藤晴彦に似ている高橋真唯(妖怪大戦争(2005)),ローサに誘われて始めた星井七瀬(フライダディフライ(2005)). 北海道のとある町ではカーリングが人気のスポーツ.ヒーロー的な人気のカーリング選手田中圭(東京フレンズ)から 声をかけられたことをキッカケに加藤ローサはカーリングチーム「シムソンズ」を造る.シンプソンというアメコミの名前を もらったつもりがPを抜かしてシムソンズらしい.いやー.なんかわからんけど.見ててほほえましい.さすが青春団結ものの演出を 行ってきた佐藤祐市監督.女の子たちのかわいらしさが今ひとつ引き出し切れていない気もするが,練習シーンや喧嘩のシーン は映画の中の世界にしっかり引き込まれる.序盤ではカーリングのルール説明などがあり,初心者に優しい映画となっている. コーチに大泉洋.テレビ局サイドに松重豊.カーリング界の重鎮に夏八木勲.ローサの母に 森下愛子.違和感を感じないキャスティングだ.中盤にあまちゃん加藤ローサに藤井美菜がやってらんねーって感じで冷たく当たるが,普通の高校生だったらくじけてしまうほどの 言い方をされてもしつこくローサは自分の価値観を押しつける.どんな局面でも結局は背後に価値観の押しつけがあるのだから 押しつけて共感させた方がかちだなぁとこの映画を見て思う.ラストにはしっかり息をのむほどのシーンが用意されている.しかし, ルールを完全に理解していないとえ?どっち?どっち!?ということになるが・・・テーマソングはジュディマリのBLUE TEARSと小さな頃からである.  ネタバレ→  コーチは過去の全盛期に決勝打で勝ちを収めた経験があるが, それは反則ショットだったと自己申告して仲間から憎まれていた.しかし,正直を貫く精神はカーリング精神そのものなんだとか. 全然勝てないシムソンズだが,藤井美菜の反則によって1点入れ引き分け.チームは大喜び,だがローサの幸せな思考回路に 藤井は不機嫌.みんなでやろうよ.とローサ.押しつけがましいところが気に入らないとチームはバラバラ.しかし,これまた 他愛もないことでチームは以前よりも結束を強める.(コインが裏か表かで...しかも藤井が嘘をついて) ラストは大会で決勝にまで上り詰めるが,最後のローサの一投で1点を取りに行き引き分け延長に持ち込むか,2点を取りに行き, 勝ちをねらうかでみんなで協議し,結局2点取りをねらいに行き,負けが決定する.ラストは例の5円玉をみんなで触り,日本代表の ユニホームを着てシムソンズが大会に乗り込むシーンと「シムソンズはソルトレイクシティー冬季オリンピック大会に出場した」という クレジットと本物のシムソンズの写真で締めくくられている.  ←   監督はウォーターボーイズシリーズの演出を経て絶対恐怖プレイの監督を務めた佐藤祐市.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  初雪降ったら,良いことあるよね?



レジェンド・オブ・ゾロ THE LEGEND OF ZORO 2005年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  正体を明かさず(マスクをして)公(おおやけ)に尽くす強い人間にアメリカ人も惚れるらしい.
本編感想  劇場で鑑賞したかった一本であったが見逃してDVD鑑賞となった.アントニオ・バンデラス(デスペラード) とキャサリン・ゼタ・ジョーンズ(シカゴ (2002),ディボース・ショウ (2003),マスク・オブ・ゾロ (1998)) がレイピアを使って悪人のおしりを斬りつけるトレイラーをよく見たが,あの「したり顔」が気になっていた. EとZの文字を刻みエレナとゾロを表しているようだ.本編を見ると基本はロープや仕掛けや鞭を使ったアクションだが, さすがは大作見応えがある.弱きを助け悪しきをくじく.このテーマを貫いた形で 民衆の歓声を浴びるのが怪傑ゾロ.この精神は本作の中でしっかりと貫かれており,現実離れしすぎないアクションと 美術センスに優れた場面や背景と相まって作品全体の質を確固たるものにしている.また,完全無欠のヒーローを映し出した 怪傑ゾロとは異なり,いじけて飲んだくれる父親や夫婦喧嘩なども描いており,あくまで一般庶民がひとたびマスクを被れば・・・ という現代人に共感を持たせる?ためのファクターも取り入れられている. 悪役のルーファス・シーウェルは知性と邪悪さを兼ね備えたその役を見事にこなしていた.  ネタバレ→  子どもアドリアン・アロンソはチビゾロ ホアキンとして父の牢獄脱出などを手助けする.  ニトログリセリンを用いて戦争を進め利権を得ようとするルーファス・シーウェルに正義のZマークが刻まれる. 途中に出てくる石けんはニトロの原料.  ←   監督はマスク・オブ・ゾロ(1998),007ゴールデンアイ(1995)を手がけたマーティン・キャンベル.  Amazon.co.jp「レジェンド・オブ・ゾロ (UMD Video)
キャッチコピー  



東京ゾンビ TOKYO ZOMBIE 2005年
★____ 公式サイト103分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  この映画から何かを得たという感覚はない.
本編感想  消防署に勤めるハゲの相川翔とアフロの浅野忠信.日々柔術の訓練をしていた. 黒富士と言われる山にゴミや人間を捨てているご時世なのだが,そこからゾンビが発生してくる. 瞬く間に東京はゾンビだらけに.どうでもよい2人のやり取りがつづきそのまま緩いペースで 物語が進んでいく.「それから5年・・・東京は死にました.」このテロップとともに, フラッシュアニメへとつづく.その後の世界では金持ちが塀の中に住み奴隷を使って生活する新しい秩序ができていた.  中村靖日(やすひ)(運命じゃない人)が黒富士でゾンビになる役で出ている.古田新太も出演している.ヒロインの奥田恵梨華(LOTO6)は本作が 映画デビューだが,有名俳優を相手に存在感と色っぽさをかなり出している.お馬鹿漫画の 映画化としては2大スターの競演とあってそれなりのものがあったが,十分楽しめたか?といわれれば不満の残る 作品だった.  ネタバレ→  コンビニで食料を調達する際に襲われている奥田恵梨華を助ける.その時相川翔は右足を叔母さんゾンビにかじられる. ゾンビになるくらいならと潔く車から飛び降りて川に落ちる.その後,柔術使いとしてゾンビvs人間ファイターの試合に出ている 浅野忠信だが,そこでハゲゾンビ相川翔と戦うことになる.ここが本映画のハイライトとなるが,柔術バトルに迫力は今ひとつ. 強いて見所を挙げるとすれば浅野忠信が怒って相川翔をボコボコにした時にその顔が空気仕掛けでモコモコ膨らみながらCGで血が ピューピュー出ているシーンだ.ラストには相川翔が右足をかまれていたのは入れ歯であったため本当はゾンビ化していないという オチが用意されている.  ←   原作は花くまゆうさくの「東京ゾンビ」.殺しや1の脚本の佐藤佐吉が本作の監督・脚本を務める.氏はキルビル1にも出演している..  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  未来はオレたちが守る!



最終兵器彼女 SAISYUHEIKI KANOJYO 2006年
★____ 公式サイト121分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  本作最大の敗因は,原作にあった「萌え」が無いことである.それでも造ったことに対して感謝致します.
本編感想  交換日記をしている高校生窪塚俊介(窪塚洋介の弟)が出ていたと思ったら,突然戦争勃発.アンバランスで顔の引きつった 前田亜季(バトルロワイアル,リンダリンダリンダ)が光の閃光になって現れる.これぞ最終兵器彼女.自衛隊の人が「貴方にしかできない大切な仕事」だと言って 勝手に体を改装したという.ニヤニヤ.それにしても,前田亜季がかわいくない.特にアップには耐えられない. 窪塚俊介もイケテナイ.完全映画化というふれこみだがこのあたりでもう既に躓いている. 伊武雅刀が「あなたは我が国の国土防衛の要です.」という.ククク( ゚∀゚). 「撤退だ!」「何故です?!」「ちせ様のおでましだ!味方にやられるぞ!」という自衛官の台詞もある. この映画,CGの安っぽさがイイ!煙の出方のニセものっぽさがたまらない.航空機一機が撃墜されて地面に墜落すると 高層ビルに匹敵する爆煙があがる.その後,飛行機の翼が飛んでくるのだが,加速度の変化が異常だ. 作品全体に広がるぎこちなさが物理法則のぎこちなさにもしっかり伝わっているようだ.伊武雅刀と津田寛二がいる 最終兵器彼女のオペレーションルームにおかれている制御用と見られるPCのグラフィックのショボサにはあきれ,いや感動する. とはいえ,ラストのCGにはやや力が入っておりちょっと壮大な感じがする. いったい誰と戦争しているのかは全く分からないのに退院が一生懸命戦っている様子はまあいいとする. あまりにバカげた(現実離れした)設定(兵器として改造された女子)を受け入れて真剣に日常生活を送っている高校生たちの 滑稽さが本作の売りなのだが原作か前田亜季のファン以外には到底受け入れられない寒さとなっている. 最終兵器が現場の一隊員:渋川清彦(殺し屋1)と親しげに話をしていることにも疑問を感じる. 前田亜季の友人に貫地谷しほり(かんじや)(スイング・ガールズ)が出ている.撮り方が悪いのか彼女もかわいくない. 酒井美紀が出ているが彼女が一番かわいい.おそらく陸上自衛隊総火演という映像が途中バリバリ使われているのだが,クレジットの中には自衛隊の協力という記述はなかった. DVDで鑑賞したのだが,劇場用音声そのままのようで普通の話し声はやたら 小さくボリュームを上げなければ聞こえないのに,爆撃音はやたら大きく音量を下げざるを得なかったので困ったもんだった.  ネタバレ→  どうやら,自衛隊はいくつかの国と戦っているようだ.停戦の条件にちせの抹消を要求してきた.それを飲まなければ 戦術核を1000発打ち込むという.戦術核というのも・・まあいいか.ラスト付近にはしっかりと2人のキスシーンもある. 朝8時となり,各国は核を打ち込んできた.なぜか全弾頭はちせに向かっていき,宇宙で炸裂する.戦略核も使われていた. その後戦争が終わって日本が占領されていないということは,結局最終彼女ちせが戦争の原因だったのだろう.ラストは 交換日記に「ずっと一緒だ.」と綴られており,なぜか生きている前田亜季と窪塚俊介が手をつないでスタッフロールへとつながる.  ←   監督は須賀大観.  Amazon.co.jp「最終兵器彼女
キャッチコピー  350万部突破の超人気コミック「完全映画化」 僕たちは恋していく切なくも暖かいラブストーリー. この戦いに勝てるのは,愛だけー.恋しているから,彼女(ひと)でいられる.



フライトプラン FLIGHTPLAN 2005年
★★___ 公式サイト98分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  当初面白そうな設定,中盤はハラハラ,しかしその設定を活かし切れず後半ではそんなんでいいの?と爆弾と一緒にオチも爆発.
本編感想  本編が始まって突如駅のホームに座り込む母親ジョディ・フォスター(43歳)を見ることになる. 一言.「やべぇ.おばさんだ.」 イン・ザ・カットでメグ・ライアンを見たときの衝撃に近いものがあった. しかし,本編中はそんなに年老いた印象を与えることもなく鼻筋が異様に高い母親を演じている. 父親を亡くした母と娘はその棺とともにジャンボジェットに乗る.ジョディ・フォスターは航空機のエンジニアでその機体を設計していたという設定. 飛行中に娘を寝かし,自分も寝て起きると娘がいない.同じ乗客で口数の多い男にピーター・サースガード(24シリーズ). 不敵な笑みを浮かべている.ヒステリー気味に機内を探し回る.精神不安定になっている母親のヒステリーを見るのがこの映画の楽しみの一つだ. ダンディーな機長にはショーン・ビーン(ロードオブザリングシリーズ,サイレントヒル,スタンドアップ)が出て物語り中盤までの話の信憑性に 花を添えている.娘のジュリア役は本作がデビューとなるマーリーン・ローストン.出番はあまり無い.  ネタバレ→  旦那の死後に睡眠薬を服用していたことで娘を捜すフライトアテンダントたちの信用を失い,さらには娘の死亡記録(父と一緒に死んでいた)が とどめとなり,発狂犯罪者となる.見たこともないアラブ人に「昨日家を覗いていた!」と因縁をつけ喧嘩をする始末. 実は警察官であったピーター・サースガードが彼女に手錠をかけて監視するが,トイレに行った好きに,配線をいじり酸素マスクを強制射出 する.荷物室を探し回るが娘は見つからず,夫の遺体を物色している最中にサースガードに捕まる.彼女を逮捕して客席に戻るサースガード, 狂人逮捕の功績に拍手喝采の乗客.ここからストーリー真相のネタバレが始まる.実はサースガードはハイジャック犯で船尾に少女を隠し, 爆薬を仕掛けていた.爆薬を機内に持ち込むために棺が必要でそのために夫を突き落として殺し(当初自殺と思われていた),たまたま ジョディ・フォスターを利用したのだという.彼女をハイジャック犯に仕立ててサースガードは機長との交渉役を買って出て乗客を全員降ろす. 金を振り込ませてハッピーエンドの予定だったサースガードだが, 機長とサースガードのやり取りを見ていて何かに気づいたフォスターはサースガードが降りて行くのを禁止する. 機内には狂人フォスターと真犯人サースガードとその共犯者のフライトアテンダントの3人. ドアが閉まった途端にサースガードの脳天に加速度増した消化器の金属部分が突き刺さる.その隙にサースガードに手錠をかけてフォスターは 船内を捜索するのだが,彼も手錠を拳銃で壊して手負いながら追ってくる.機内を熟知するフォスターは船尾の娘を発見しうまい具合に 逃げ回る.ラストは奪った発信器でサースガードを爆弾で船尾もろとも吹っ飛ばし子どもを抱えて生還するというストーリー. あの狂人の言ってたことは真実だったのか!と周囲の人はジョディ・フォスターに懺悔するというエンディングだ.しかしまあ,おかしい ところがある.金を送金されたサースガードはそのまま被害者ズラして逃げるつもりだったようだが,機内にはしっかりと共犯の フライトアテンダントがいたのはおかしい.  ←   なお,この作品のDVDにはLOSTシーズン1の第1話が添付されている.これを見てしまうと,LOSTシリーズをむさぼり見てしまう羽目に なるので細心の注意が必要だ.私の友人もこの罠にはまり,しっかりとシーズン1を完食してしまったらしい.  監督はロベルト・シュヴェンケ.  Amazon.co.jp「フライトプラン (Blu-ray Disc)
キャッチコピー  高度1万メートルの超音速アクション・サスペンス.



ステイ STAY 2005年
★★★__ 公式サイト99分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  何が真実か分からなくさせるのが制作者側の意図だが,あまりわからなくするとどうでも良くなってくる.
本編感想  精神科医のユアン・マクレガー(スターウォーズシリーズ,アイランド)を主人公にすえ,その視点から患者 ライアン・ゴズリング(君に読む物語2004)を巡るストーリーを見る.ライアン・ゴズリングは不思議と引きつけられる目をしている. 彼に比べればナオミ・ワッツ(ハリウッド版リングシリーズ,キングコング)はちょい役だ. 中盤からどの記憶が正しいのか分からない状態が続き,フラストレーションがたまる.しかし終盤に事実を明らかにするヒントが 準備されている.  ネタバレ→  当初,ユアン・マクレガーが統合失調症(schizophrenia)でビューティフル・マインドのジョン・ナッシュのように 幻覚(halucination)を見ているのかとも思った.しかし明かされる筋書きはこうだった.  ヘンリーことライアン・ゴズリングは映画のオープニングに見せられた自動車事故の怪我人だった. 彼らの乗った車のタイヤがバーストし,瀕死の状態となって車から投げ出されていた. 偶然後ろを走っていた医者ユアン・マクレガーと看護師ナオミ・ワッツが救護する,しかし,死んでしまう. 死ぬ間際に婚約指輪を探し,ナオミワッツを恋人と間違えて結婚してくれと言い絶命していく.これがオープニングの真相. 本編はその霊がユアン・マクレガーに見せていた幻影なのか,どういう時系列なのかはふれていない. (ライアン・ゴズリングの力によってユアンのお父さんの目が見えるようになったことを考えると全ては霊が見せていた幻覚と とらえるのが筋かもしれない.)  ←   この真相さえ分かってしまえば,なんの変哲もない主張もない映画だったのかなぁと思えてくる.しかし, 愛する人を思って死んでいく人の心情をおもんばかることができた点では価値のある映画であった.  監督はハル・ベリーのチョコレートやジョニー・ディップのネバーランドを監督したマーク・フォースター.  Amazon.co.jp「ステイ
キャッチコピー  そのリアルを疑え.現実が消えていく世界で,僕らはどんな愛を知るのか?この映画の謎は,頭で考えても決して解けない.



東京フレンズ ザ・ムービー TOKYO FRIENDS THE MOVIE 2006年
★★★☆_ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  大塚愛が好きだから彼女の笑顔が2時間見られればそれでいいや!と鑑賞したがユメクイの深さに感激.
本編感想  メジャーデビューしたい大塚愛,女優になりたく劇団に関わる松本莉緒,結婚がしたい真木よう子,納得のいく美術がしたい小林麻央. この4人がお友達というビデオドラマの続編.夢と男を両方ほしがる東京で知り合った女性たちがそれぞれにもがく様を観客に 見てもらい共感を得ようというもの.メインは大塚愛で,瑛太が育てたバンド「サバイバルカンパニー」を彼女が乗っ取ってしまった (この辺は前作を見なければわからない.)そんな心の傷を彼女自身ががどのように癒すのか?夢と悔いが交錯し,未来に向かってポジティブに 進んでいく女たちの生活が描かれている.ラストは本作の主題歌ユメクイ(作詞作曲歌い手大塚愛)のプロモーションビデオとなっているのだが, このユメクイという曲はこの映画のために彼女が作詞作曲したこの映画そのものといってもいいような曲である. この曲があってこのドラマが練られたといっていい内容となっている.「あなたが一番最初に描いた夢を今もまだ覚えている?」という のが本作とユメクイのキーワードとなっている.ユメクイの歌詞を読むと「手のりウタうたう僕のユメクイ,叶えるたびに 食いつくすユメクイ,叶えるたびにまた夢を見る」となっている. このことと私のインスピレーションからユメクイとは「夢を食べる架空の動物」でバクなどと同類のものかと思われる. 際限なく夢をみて尽きることのない欲望におぼれる人間を表現した感触を受けるが,本作を見る限り, 夢と悔いとの対比の意味の方が強いのではないか・・と思う.大塚愛・・さすがシンガーソングライター.深いな. 脚本監督が本作と一緒なバックダンサーズ!を見るのが楽しみになった.  バンドのメンバー大塚愛,平岡祐太(スイングガールズ),伊藤高史(電波少年のチューやんの友達),中村俊太は音楽関係者の 古田新太と山崎樹範(ヤマザキシゲノリ)(ドラマ 天体観測)に認められてビックになりつつある. 女3人が働くおしゃれ居酒屋夢の蔵の店長に勝村政信と北村一輝.真木よう子がからんで結婚にかんする価値観が色々と表現される.  ネタバレ→ 小林麻央からニューヨークで瑛太を見たとの情報が都合良く入り,大塚愛は気になってしょうがない. 真木よう子の1人新婚旅行で行くはずだったニューヨーク行きチケットを大塚愛がもらい追ってニューヨークに行く. ちなみに小林麻央がついて行った芸術家の佐々木蔵之介がハードゲイ役ででている. 松本莉緒が途中から絡んだ田中圭率いる劇団で,スズナリ劇場に出演できると欺され100万円を持ち逃げされるシーンがあるが,本編にたいした影響は与えなかった. 言いたいことは夢にかけても慎重にやらないと悔いとなるといったところだったろうか.  ←   監督はビデオ東京フレンズで監督デビューした永山耕三.テレビドラマでは,hiro主演のバックダンサーズでは監督/脚本/音楽プロデューサーを務めている.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  一番最初に描いた夢を,私は今も,覚えてる.



ユナイテッド93 UNITED 93 2006年
★★★__ 公式サイト111分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  9.11テロにおいてハイジャックされ唯一攻撃目標に到達しなかった93便.その中で起こっていただろう出来事を
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



スーパーマン リターンズ SUPERMAN RETURNS 2006年
★★★__ 公式サイト151分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



サイレントヒル SILENT HILL 2006年
★★★__ 公式サイト126分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  途中までは分け分からない世界観に興奮したが,ラストにいくほど「テレビゲーム」だな.と興ざめていく.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督はPG-12  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



パイレーツ・オブ・カリビアン2 デッドマンズ・チェスト PIRATES OF THE CARIBBEAN 2006年
★★★__ 公式サイト158分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  キャストはイイ!が,いかにも死んでいる奴がしゃべり出すあたりから結局オトギ話か・・と思う.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



ゲド戦記 TALES FROM EARTHSEA 2006年
★★★__ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  予告編で全てを語り尽くしてしまっている映画の一つ.竜と人間が一つである必要性がまったく分からない構成になっている.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  かつて人と竜はひとつだった.人は大地と海をえらび,竜は風と火をえらんだ.



日本沈没 NIHON CHINBOTSU 2006年
★★★★_ 公式サイト134分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  この国難をどう逃れるのか?!映画だからこそ味わえる「仮定」の世界を十分に堪能できるスペクタクル.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  国土だけでなく,心まで失ってしまうのか?1億2千万人すべての日本人に捧ぐ



ラブ コン LOVELY COMPLEX 2006年
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  子どもの恋愛なのだが,映画やストーリーを作ってるのは大人なんだな.なんていらないことを考えてしまう映画.
本編感想  主演の2人チビ→●とデカ→●の2人は愛らしくてよい.この漫画を映画化するに当たりよい人選であったと思う. 高校生の純な悩みを傍観して甘酸っぱい気分になるため,もしくは原作を愛してやまない人間のために作られた作品だ.それなりに胸の奥に感じるものが得られるだけに 見る価値はなかったとはいえないが,総じてそこまでよい映画もない. 途中で出てくるムツゴロウこと●や担任の先生●のアクセントもよい.特に「子供じみた恋愛物語に戻るまえに重要なことを云っておく!」という● のフレーズには惹かれるものがある.カツラネタも本人の気持ちがとてもよく表現されていてよい.しかし,イケメンキャラとして最近ドラマに引っ張りだこの●が 「よろしQUEEN!」と出てきた後あたりから,漫画らしさが必要以上に強調され,評価を下げる原因となった. しかし,「キュン死(じに)しそう!」というフレーズは乙女のこころを表現したフレーズとして心地よく胸に響いた. Dogeza出演(土下座出演)としてウエンツ●がマッティー応援団の一員として出演していたことに劇中で気づいたらすごい.  ネタバレ→  南海キャンディーズのしずちゃんが●のお姉さんという設定ででている.演技は相変わらず例の足の裏が扁平足という感じのものであるが, テレビ番組に出演している際のしずちゃんの彼氏を説明するフレーズとその後に登場した写真には笑った. ストーリーの流れは,最初に女は背が高いからといって振られ,男は背が低いからといって振られる.それをコンプレックスとして高校に入学. 同じクラスでいがみ合うが,いろんなところで2人はお似合いの行動を見せる.口論になり1週間で彼氏を作ると啖呵を切った女だが,背の高い男との合コンを友人に頼む. その合コンで鉢合わせるチビ男とデカ女.カラオケでお互いに海坊主(寺島進)というマイナーなラッパーのファンであることを知り,携帯番号を好感する仲に. その後2人でクリスマスの海坊主のライブに行くことになるが,男は昔のかわいい元カノからの誘いによりライブに行かないこととなった. ライブ会場についた女だが転んだこともあり,なんか悲しくなった女は帰ろうとする.しかし,男が元カノからの誘いを断ってライブを見に来た. 手を引かれたことで自分の気持ちに気づき,次第にデカ女がチビ男を好きだと自覚する.その後,彼の行為全てが輝いて見える. 告白すべく夏祭りの縁日にグループで行くことになる.2人きりになって女は男に花火の背景画の中で告白をするが,鈍感な男は冗談とし流してしまう. 文化祭でお化け屋敷をやるクラスだが,傷心の女はわら人形で男を呪う.理科室で2人きりになり,女は泣いている理由を男に云う.さすがに気づいた男は 考えて答えを出すといい,かなり長い間考える.そのうち修学旅行となり,熊カレーのおみやげ屋で男は「好きだけど彼女じゃない」という答えをだす. 女は「あの告白は無かったことにして今までみたいに楽しくすごそう」と切り出す.その後登場するのがマッティーこと●.消しゴムを「ガラスの靴かな?」といって 拾ってあげるのがくさい.バスケ部の顧問となるがチビ男はそいつのことが気に入らない.デカ女は好きな男を忘れるためにマッティーのfan clubを結成する. 3年生になってバスケ部キャプテンとなったチビ男だが,女はお祝いにリストバンドをプレゼントしようとするものの素直になれない. クライマックスにはチビ男とマッティーのスリーオンスリーの試合が用意されている.なぜか男はバスケ部主将にもかかわらずバスケ素人の2人の友人をメンバーとし, 元国体選手のマッティーは長身の外人を連れてきた.28:0で負けていたチビ男は足がぼろぼろになり,ギブアップしたらどうか?と言われる.心がおれそうになったときに, 友人からの助言もあり,マッティー応援団のなかでチビ男を応援するデカ女が特製の垂れ幕を見せる.憎まれ口を叩きながらもやる気を取り戻した男は,ものすごい ジャンピングダンクを決めて28:2と一矢報いて試合を終える.帰り道の川の土手でチビ男は女に背伸びをしてキスをしてこの物語は収束する.最後は 彼氏ののろけ話をするテレビ番組にデカ女が出演し,修学旅行中にバスの中で寝ていて顔中にいたずら書きをされた写真がでてヒロインが主題歌を歌いながらエンドロールへと つながっていく.  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  この夏,ウワサのキュン死ムービー!



ハチミツとクローバー HONEY AND CLOVER 2006年
★★★__ 公式サイト116分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  原作の漫画の主人公とかぶる感じを青井優はとてもよく出している.蒼井優と櫻井翔(嵐)というモテ顔を見て和む映画.
本編感想  あーあ.こんな私の青春時代にこんなシチュエーション無かったなぁ.フゥ(ため息)という感じで鑑賞する人がほとんどではないだろうか. 美大という設定もあり,ドラマティックな恋愛が展開される.やはり他人の恋愛や心の動きをわかりやすくスクリーンに映し出すタイプの 映画は観客の興味を引く.自分が愛した漫画の主人公たちであればなおさらだ.公開に当たり,原作を1巻だけ読んだが,次のページをめくるのが 苦痛なくらい私には向かない漫画であったが,映画はキャストたちの魅力によって助けられた.ヒロイン「はぐみちゃん」こと「はぐ」を蒼井優が好演している. 蒼井優の映画はほとんど見てきたが,今回の彼女は特に自分でない雰囲気を出していた.ライオン病(目と目の間隔が広くなる病気)のような原作のハグちゃんの雰囲気を 見事に演じ,特異的な漫画の雰囲気を実写で再現ていた.すごい.主演の櫻井翔(嵐)も(あま)すっぱい演技をしていたが,それは所詮蒼井優の引き立て役でしかないと思われるほどだ. 謎の魅力に包まれる美大の先輩森田をキャシャーンで主役を張った伊勢谷友介が演じている.彼の魅力もまたこの作品の質を上げた.うまくいっているようで葛藤する様子は 賞賛に値する.今後注目すべき役者に関めぐみをあげる.市川 実日子のような素朴さにプラスしてきれいに顔が整っている.これからの成長が楽しみである. 愛してよ!で好演した西田尚美はちょっと暗めの建築家を演じ,その魅力で●を虜にする.恋愛の矛先が登場人物の中で入り乱れ,それぞれに他人の恋愛に首をつっこんで お節介しあうところが大学生らしくてよい.ああ.こんな大学時代を過ごしたかったものだ.という考えが思わず頭をよぎる. 蒼井優をさんざんほめたが,この作品の最大のはまり役は他にいる.はぐの先生であり居候元の花元先生こと●である.せりふの間といい朗らかさといい,立ち回り,雰囲気とも 完璧な演技でこの作品に現実感を与え続けた最大の功労者であろう.最後はへー.だから?というような終わり方ではあるものの,2時間という枠ではこのような 物語で十分であったのでは?という満足感も多少与えてくれているだけにほどほどの作品であった.ただ,言い換えれば,出演者の演技や出演者そのもの,または原作に興味がなければ 見るに値しない映画であるとも思う.途中で猫が現れるがなんかもじゃもじゃしている.トリック2で見られた技法だ.作品と関連が無いために制作者の意図に疑問を感じる.  ネタバレ→ 伊勢谷友介は金のために自分では多少気に入らない木の大きなオブジェを個展の目玉にしたが,蒼井優は最初の路線の方がよかったと,その作品が本人にとって失敗作であったことを見抜いていた. にもかかわらず出展している伊勢谷に少し憤っていた.海で伊勢谷と蒼井はキスをする.といっても伊勢谷が突然気まぐれ的に襲うのであるが,蒼井は困惑し,展覧会に出品する抽象画の作品に 対する手が止まる.海辺でのキスシーンを目撃する桜井も衝撃を受ける.スランプに陥る蒼井のために自分にできることはこれだけだ!と伊勢谷にどうにかしろ!と気持ちをぶつける. その後,伊勢谷は蒼井を呼び出し,個展の目玉となるオブジェに油をかけて燃やすシーンがあるのだが・・. え?そんなところで燃やしたら,個展会場が丸ごと燃えて大火災になっちゃうやん.よくやるなぁ500万円の値が付いた作品を燃やすだけならいざ知らず,蒼井優に 元気になってもらうためにビルまで燃やすか・・.と思って見ていたのだが・・ いつの間にやら舞台は野原かなんか野外になっていたようで,ハァ?と思うシーンがあった.そしてオブジェは燃えていく.満足そうに燃えるオブジェを見る蒼井優.ううぅかわいい.  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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カーズ CARS 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  アメ車のシボレーコルベットが主人公ヒューマンドラマ.機関車トーマスがありならこれもありか・・
本編感想  車たちが奇妙に動くのが気になる.車たちがしゃべるのが気になる.車たちがどこから生まれてくるのかが気になる. どうやら男女という概念が作品の中の世界にもあるようだが,どういう意味を持つのかが気になる.途中で道路を補修する機械が出てくるのだが, 彼らがどのようにそれを造り,操作しているのかも気になるし,道路の原料は無尽蔵のようだがどこで作られているのかも気になる. これらは同じアニメであるロボッツの時にも感じたことだが,今回は両手がタイヤなだけにさらに疑問が強かった.そんなことはさておき, メインストーリーは,幹線道路ができたことにより寂れてしまった街にスーパースターが着て一恋をもうけるというものである.そこで知り合った 仲間達との友情のようなものがこの作品の見所だ.この映画の微妙によかった点は,臭いものにたかるハエさえも,車の形をしていていた点だ. エンディングではそのハエがカメラにぶつかる演出もしてくれる.この設定により序盤のほとんどの疑問が解決された.つまり,車は単なる金属ではなく, 生物としてその世界に存在しているのだと.さすがにピクサーの大作だけあって,いろいろなプロデューサーが手を入れたのであろう. 間延びがあって途中で作品をみることがつらくなるという現象も起きず,気がつけばエンディングロールというようにそれなりに引きつけてくれる. まあ.何も残らない映画だったな.と思われる作品であった.しかし主人公の彼だけがなぜ,生まれもって速く,スーパースターなのか?という不条理が 実は私の心に残っていることに気がついた.これこそがこの映画のメインテーマだったのかもしれないと気づく.いかにもアメリカ的であり,至極当然の 原則だ.別に努力なんかしなくても,トップになれるやつはなれる.多少当周りしてもトップになれる.生まれながらにして平等などあり得ない. この現実を子どもの時から仕込み現実の厳しさを教えるアニメであったととらえられるのだ.アメリカピクサー恐るべし.  ネタバレ→ ルート66という伝説の国道の脇にある小さな村で出会った裁判長は実は世界的なレース「ピストンカップ」の伝説の3連優勝を飾った●だった. 自分勝手な行動でピットクルーから見捨てられた●は最終戦をその町のメンバーたちと臨む.●の汚い体当たりによってライバルの●は大破する. 余裕の優勝を見せられるコルベットであったが,ゴール直前でブレーキを踏み,ベテランの●を助けに行く.その隙にゴールして優勝した●であったが, 観客の目にも誰の目にも真の優勝者は誰であったかは明らかであった.ブーイングを受ける●.真のヒーローとして扱われる●.昔の道徳絵本の役割を 現在ではアニメ映画が果たしていることがよくわかる.  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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トリック 劇場版2 TRICK2 2006年
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  仲間由紀恵x阿部寛が見たくなければ鑑賞の価値なし.
本編感想  霊能力者を語る怪しい宗教団体のうそを物理学者の阿部寛と貧乏な仲間由紀恵が暴くといった流れは変わっていない. 今回は村を消すというトリックがメインだが,は?引っかかる馬鹿がどこにいるんだ?というトリックに村人全員が引っかかる. あげく,命をかけた謎解きの局面でもおちゃらけたぬるさのこの作品のテンションは変わらない.それなりに,ストーリーを考えて お涙ちょうだいな場面ももうけられているが,ヒット作の惰性映画であることは間違いない.本編にはお寒いギャグが所狭しと ちりばめられており,あげく,もじゃもじゃした物体を意味ありげに動かしたりして観客の気を引こうとしている.寒い. 「よそしくね!」教団の団長に●.●.●.助け出すべき娘に堀北真希.  ネタバレ→  ●が箱の中から出てきたトリックは板にこびりついて移動してくるというもの. 仲間由紀恵が街を消すトリックは鏡を使ったもの.これにより街のある方角をだまそうとする.●が使った街を消すトリックは道を木々で覆い隠し, 別の道に誘い込み街が消えたように見せかけるもの.●が箱から消えるのは下に穴が掘ってあるというもの.  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ブレイブストーリー BRAVE STORY 2006年
★★★__ 公式サイト112分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  これを見てつまらん.と思う自分を「昔なりたくなかった大人」になってしまっているのか?と思う.
本編感想  ヴィジョンという謎の世界を旅する旅人が主人公.声は松たか子.わるくない. オールマイティーな結論は出さず,その都度自分で考えろ!というのがこの作品のメッセージ. 少年がヴィジョンの世界に入っていくときの扉のデザインと開く感じには息をのむすばらしさがある.しかし,冒険が はじまると,「ん?千と千尋の神隠しだな」という場面が多大に見られる.都合よくとんとん拍子に話が進んでいき,全ての イベントがヴィジョンの主催者によってお膳立てされているということが見え見えなのもいただけない. 中盤の様々な冒険は挿絵形式でかなり省略されている.この辺には好感を持った. イジメに悩む小学生がこの映画を見ることにより,大いに夢を見ることができるのは事実であろう.  ネタバレ→  離婚し出て行く父と倒れた母.その現実を変えるべく願いをひとつだけ叶えてくれる世界に旅立つ.もっと不幸な過去を持つ同級生も凶悪な魔道師として その世界に入っている.彼はビジョンの世界の人々を犠牲にして宝玉を集めていく.最後の宝玉,闇の宝玉は取るとビジョン全体が魔物に包まれるという代物だ. それを手に入れ彼は最後の塔を上る.そこでは自分自身との戦いが待っている.(ありがちだ・・) その戦いに敗れ,主人公が女神に会うのだが, その前にもおきまりの甘い誘惑が待っている.観客(子ども)と主人公の気持ちを同時に揺さぶる質問がやってくる.主人公は情に流され,当初の目的である. 母と父の奪還はあきらめ,ヴィジョンの魔物を取り払うお願いをする.  ←   中島みゆき原作.監督は.  Amazon.co.jp「
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着信アリ ファイナル CHAKUSHIN-ARI FINAL 2006年
★★★__ 公式サイト104分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  人気シリーズの搾りカス.流行の女の子を持ってくることでしか作品をカバーできていない.
本編感想  ニワトリの目のアップから物語が始まる.元々の着信アリシリーズは,意味不明な存在からの避けられない死の提供がテーマであったが, 今回は堀北真希らが学校でのいじめの仕返しにどこからともなく手に入れた着信呪いの強権をふるうという設定だ. 前作着信アリ2でそのルーツを韓国に求めたということもあり,今回の現場も多くは韓国である.堀北真希の学校が韓国に修学旅行に行くという 設定だ.それにしても,見知らぬ存在が強権を持って悪を成敗していくという構図が成り立っている映画なので,ただのホラー映画という観点以上に 楽しむことができる.未熟な高校生たちが内乱に巻き込まれていき錯乱していく状態がおもしろい.高校生たちの生々しい心情が韓国の市場で捌かれる 魚介類や動物の状態とだぶらせられて描かれている.それにしても,ターゲットが血祭りに上げられていく様はホラー映画として十分な迫力をもっている. さすが人気シリーズだ.熱い夏の最中,十分に背筋に寒気を感じることができるだろう.ただ怖いだけでなく,エンターテイメントとしても成り立っている. ただし,着信アリ1で見せた柴咲コウの好演に比べればまだまだであった.各種設定も前作から引き継がれているため,前作を知らないと 訳がわからないことも多い.(口の中から飴が出てくるなど) とはいえ,本作で新たに加わった要素「死の着信を転送すれば死なない」 これが,物語に新たな展開を誘発している.つまり,高校生同士が殺し合いをするのだ.これにより映画バトルロアイヤルの様相を本映画でも 愉しむことができる.それにしても,亡霊は殺し合いを見て愉しんでいるのか制作者が頭をひねって出した設定なのか,このシリーズの最大の 魅力である「理不尽さ」が強調される.シリーズの搾りカスであるにもかかわらず星4つなのはこの点が効いている. また,学生たちの死にっぷりも良い.理不尽さがさらに加速される.  ネタバレ→  堀北真希はパムといういっしょにいじめられていた女の子とパソコンを使って修学旅行に行った同級生を呪い殺すという話になっているが, 実はパムとは堀北真希本人であった.スパムと呼ばれさらに略されてパムとなった彼女自身が首をつって自殺したのであった.そしてそれを見ていたのは 学校のニワトリ.そしてオープニングもニワトリ.という話である.しかし,堀北真希を捜査していたのは着信アリ2でほどほどに明らかになったあの 女の子であったという話になっている.韓国の友人●は●に対しそのパソコンをフリーズさせようと提案する.ネットの掲示板や見ず知らずの人にメールで 「邪悪な気を発するPCを皆さんの力でフリーズさせてください.」みたいな怪文書を送りつづける.そうすると,映画電車男のように,よっしゃ!協力するぜ! みたいなのが大量にボムを送り続け,PCのHDDが容量オーバーとなり,フリーズして亡霊が死ぬ.という何とも哀れな結末が用意されている. 「●●さん!がんばれ!」みたいなメールが日本語や韓国語で大量に届くのだが・・ボムツールを使えよ.と言いたくなる.「邪悪な気」とか言って 信じてボムを射ちまくるユーザーがどれだけいるのか?しかも,亡霊のPCは自動でメール受信の設定になっているのか?うーん.まあいいや.  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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デスノート前編 DEATH NOTE 2006年
★★★__ 公式サイト122分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ノートに名前を書けばそいつが死ぬ.この設定からここまでおもしろい作品が導かれるのか?! 各キャラクター設定に脱帽.
本編感想  原作を知らずに本編を見た.主人公の藤原竜也がどのくらいわざとらしい演技を発揮しているのか?を点検するために見たのだ. しかし,夜神 月(ライト)こと藤原竜也と名探偵Lこと松山ケンイチの対決がここまで引き込まれるものになるとは,恐れ入った. それはひとえに2人の推理の早さと正確さ,それに伴う人間的魅力による.本作は前編のため,対決が良いところに来たところで 後編へつづく.となっているのだが,本編終了後にいても立っても入れずにコミック全12巻を読破してしまった. 次のページを捲る衝動が抑えられなくなる作品に久しぶりに出会った.さて,2人の天才がその頭脳を駆使して互いに論理を 進めていく頭脳戦の描かれ方がおもしろいのだが,特に注目が行くのは世界警察機構インターポールに 頼まれて,前代未聞の大量殺人を操作する探偵Lの挙動である.頭はずば抜けていることを,その仕草が誇張している. それを演じる松山ケンイチの演技力に感動した.そして原作を見てあまりのはまり役具合に2度驚いた. 実はこの松山ケンイチは亡国のイージスでもっとも良い演技をしていた!と以前私が書いていた俳優だったのである. このことに後で気づきもう一度デスノートと亡国のイージスを見返さなければならない.と思った. この手の情報戦映画では,主人公がハッカーでいとも簡単に色々なコンピューターに進入できるというのが定石だが, 本作でもそうなっており多少気に入らなかった.劇中には死神のリュークというのがオールCG(コンピューターグラフィクス)で 登場するが,その動きを演じているのが今飲酒運転騒動で注目の中村獅童.この死神,愛敬がありオールCGも画面にしっくり来ている.  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  殺してみろ.捕まえてみろ.



ミッション・インポッシブル3 M:i:III MISSION: IMPOSSIBLE III 2006年
★★★★★ 公式サイト126分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ド迫力とはらはらドキドキが同時に攻め込んでくる心への緊急不正な蹂躙体験映画.トム様・・ポッ.
本編感想  できた映画は予告編でおいしい映像を使うがそれでも本当においしいところは本編を見た人のために取っておく. だめな映画は予告編で全てを出し切り,本編なんか見なくても予告編を見れば事足りる.本作は間違いなくできた映画である. 初っぱなにいきなりクライマックスシーンを持ってきてから,そのクライマックスに至る経過を順に見せていく手法もおもしろい. 本年度のアカデミー賞にノミネートされた●ホフマンの残虐非道な演技がすごい! 欺し,騙されの鬩ぎ合いもすごい. 違った種類の危機が同時進行で押し寄せてくる見せ方もすごい! ちょっと都合良いなぁと思うところも多少あるが,ストーリーの整合性もすごい. 脳内爆破で眼球の内転(adduction)筋がぶち切れるシーンも解剖学的に正しく再現されており,そのリアリティーもすごい! 2時間一瞬の隙もなく観客を常に緊張させてくれるエンターテイメント性がものすごい! 何気ないシーンなのにそれだけでスクリーンに 釘付けにさせるトム・クルーズがすごい! いや〜.良い映画だ.  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ウルトラヴァイオレット ULTRAVIOLET 2006年
★____ 公式サイト87分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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デイジー DAISY 2006年
★★★__ 公式サイト125分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  途中まではよかったのに,後半から突然,脚本に振り回されるストーリーに愕然.その振り回され方はチョン・ジヒョンの美しさをもっても許せない.
本編感想  オランダで絵を描く韓国人女性チョン・ジヒョン(僕の彼女を紹介します)に癒しを求める2人の男性 チョン・ウソン(頭の中の消しゴム)とイ・ソンジェ(エンジェル・スノー)の物語.3人を絡ませるアイテムとして キク科のヒナギク(雛菊)=デイジーの存在がある.オランダの地で似顔絵を描いているわがままな女が恋した男(イ・ソンジェ)のことを忘れられず(騙されていたというのが分かった後も), その後に優しくしてくれる男(チョン・ウソン)を無視し続けたうえにアッシー君,メッシー君としてこきつかい, さらには怨んで発砲するという映画.要するに「女性も男性も恋してしまったらお終い.」という主張の映画である. また,場所はオランダという設定で全編オランダで撮影し100億ウォン(約10億円)という制作費をかけたが, 主要登場人物は全て韓国系であり,数少なく登場する外国語もオランダ語ではなく英語という悲しさがある.(病院の看護婦など) イケメンのチョン・ウソンに関しては「頭の中・・」の方が遙かにかっこよかった.(今回は ストーカーまがいの異常者てきな要素が強いというせいもあるが・・) ひるがえってイ・ソンジェ!この方はかっこいいぞ! ソンジェの上司にチョン・ホジン(二重スパイ).途中までは良い感じの物語だったが,恋と血と硝煙の臭いを必死に絡めようとし, ラストには銃撃戦ありきの脚本だったため,★1つくらいの作品だな.と思ったがやはりチョン・ジヒョンが(たまに寄り目になるのだが)それでも可愛い. という点を考慮して★3つとなった.  ネタバレ→  イ・ソンジェはインターポールの刑事.張り込みに都合が良いのでチョン・ジヒョン(JJ)に似顔絵を描いてもらうフリをする. JJは刑事を好きになる.刑事もJJに癒される.デイジーを贈る.銃撃戦始まる.JJ声帯をやられる.病院で彼を思う.毎日デイジーが送られてくる. 送ってたのはストーカーのチョン・ウソン.実は殺し屋.昔話に突入.デイジー畑で絵を描くJJ.眺めるウソン.丸太の一本橋から落ちるJJ. 絵の具袋が川に流れる.取るウソン.それを知らずに帰るJJ.一本丸太を改修し橋をつくり,そこに絵の具袋をおくウソン.やってくるJJ. すれ違う2人.だれがそうしたか分からないJJ.お返しにデイジーの絵をプレゼント.大切に持っているウソン.それから彼女のストーカーになる. JJが絵を描く広場が見える場所を借りるストーカー.刑事に悪の手が迫るのを確認.射撃する.広場で銃撃戦.ウソンに肩を打たれるソンジェ. ソンジェはスナイパーを追う.足を射たれる.一年後.ストーカーを辞め,JJを直接攻略に乗り込むウソン.船に住み,黒いチューリップが玄関に置かれると 殺しの依頼を遂行する殺し屋.つれない彼女に何度もアタック(韓国流)し,ついに食事を一緒にする.しかし,その最中にもちょっと抜け出して殺しを 遂行.刑事ソンジェを以前に気絶させ身分をしり,現金を盗んだ経験のあるウソンはソンジェのことを知っている. 自分に興味を持ってもらうためにソンジェのことが忘れられないJJをインターポールに連れて行く.それでもソンジェが好きなJJ. 自分のせいでJJを銃撃戦に巻き込んだと後悔しているソンジェはなかなかJJに会う決心が付かない.だが,ようやくJJの家に謝りに行くソンジェ. ちょうど良くその場に居合わせる殺人鬼.別れて泣き崩れるJJ.殺人鬼のスナイパーをあぶり出すために,殺しの依頼を企画するインターポール. ターゲットに名乗りを上げたのはソンジェ.依頼通り殺しにきたウソン.「知り合いにあったと無線を入れて任務を放棄するウソン.」 散々伏線を張っておいたクラシックのラジオに切り替える. この辺りから劇的な脚本にしようとムチャクチャになる!! 根拠もないのになぜかウソンが殺し屋だと分かる凄腕刑事.お互いJJが好きだということで,4/15日その日に開かれるJJの個展を成功させようと 意気投合.刑事の意志で運転し,港までやって来たはずなのになぜかスナイパーが待ち伏せしていてドタマを打ち抜かれ死亡する刑事ソンジェ. 報告を受けて悲しむJJ.刑事チョン・ホジンから殺人現場のクラシックラジオのネタを聞き,自分がアッシー君としてキープしていた 召使いのウソンを疑い,彼の船の中を物色.拳銃と殺しの新聞記事などを発見し,JJがウソンに発砲.幸せな生活を築きつつあったウソンは 殺しの仕事から足を洗いたがっていたが愛の巣を発見され黒チューリップが届く.ソンジェの上司だったホジンを殺害せよとマフィアのボスからの 依頼が出る.これが最後の仕事だという.(しかし,その場に現れたウソンを組織が消すというシナリオ.) 罠を張って待つ警察.警察の用意したスナイパーがあっさりノックアウトされ,射撃準備OKなウソン.しかし,どうやって情報を仕入れられたのか 全く不明なJJがウソンが射撃を行うことを前提に刑事にまとわりつき唇を使って叫ぶ.スコープを通して彼女の主張を聞くウソン.射撃を辞めて 抱き合う2人.マフィアのオフィスに単身乗り込むウソン.何発かくらっているにもかかわらず,元気に動き回るウソン.20人くらいの傭兵を全員 蹴散らしてボスに辿り着く.当然弾も切れない.ボスとの一騎打ち.エンディング.  ←   監督はインファナル・アフェアシリーズや頭文字Dのアンドリュー・ラウ.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  愛は,枯れない.花に想いを託して.命がけで愛を貫く−



夢駆ける馬ドリーマー DREAMER 2006年
★★★__ 公式サイト106分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  都合の良いストーリーだが,名子役ダコタがでてるから成り立ってるか.(実話からインスパイアされた作品)
本編感想  なんだかしらんが経営がうまくいかない農場は土地を切り売りして生活をしていた. 牧場のダメ経営者は父親カート・ラッセル(バニラ・スカイ(2001) ,ポセイドン(2006)).その娘に名優ダコタ・ファニング(宇宙戦争(2005),アイ・アム・サム(2001), ). カートラッセルの本当の父親のように見える爺さんにクリス・クリストファーソン(ブレイドシリーズの爺さん). 母親にエリザベス・シュー(ハイド・アンド・シーク(2005),インビジブル(2000)). カート・ラッセルは馬の調子を見て調教する仕事についている.  ネタバレ→  ←   監督・脚本はコーチ・カーターで名を馳せたジョン・ゲイティンズ.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  本当にあった感動の実話を映画化!走れ!ソーニャドール 少女ケールの夢を乗せて 傷ついた競走馬と少女の友情,家族の絆,夢を追うドリーマーを描く感動作



リミット・オブ・ラブ 海猿 LIMIT OF LOVE UMIZARU 2006年
★★★★★ 公式サイト117分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  これぞエンターテイメント.テンポ・ストーリー・キャストどれをとっても文句なしでかつ泣きまくりの2時間.
本編感想  テーマソングは伊藤由奈のPrecious.「信じよう〜二人だから愛し合えるあの空ぇ〜」  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  仙崎,生きて帰ってこい・・・



ダ・ヴィンチ・コード THE DA VINCI CODE 2006年
★★★★_ 公式サイト153分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  ダ・ヴィンチは,その微笑みに,何を仕込んだのか.



ナイロビの蜂 THE CONSTANT GARDENER 2006年
★★★__ 公式サイト128分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  地の果てで,やっと君に帰る.



隠された記憶 HIDDEN 2006年
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  監督ハネケの罠にはまり,観賞後に文献を読みまくってしまった不覚の映画.え?最後に映ってたの?犯人?!見逃すな!
本編感想  第18回ヨーロッパ映画賞(ヨーロピアン・フィルム・アワード)の主要部門を受賞し様々な映画賞もなめ回した一本. こいつは見るしかねぇと移転したユーロスペースに見に行きました.  ネタバレ→  ←   監督はピアニスト,ファニーゲームのミヒャエル・ハネケ.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  送られてきた1本のビデオテープ それは記憶の奥に隠された無邪気な悪意



年俸に関する知見
1作あたりの出演料を()内に示す.1ドル100円とすると1000万ドルは10億円.
出演作の興行収入と比較して高すぎといわれるハリウッドスター.
エディ・マーフィ(2000万ドル),ハリソン・フォード(1500万ドル),ジェニファー・ロペス(1200万ドル),ジョン・トラボルタ(1200万ドル)
当たりはずれが大きく微妙といわれるハリウッドスター.
ジム・キャリー(2500万ドル),ニコール・キッドマン(1700万ドル),キャメロン・ディアス(1500万ドル)
高額の出演料に見合ったヒットをとなるスター.
トム・ハンクス(2500万ドル),ウィル・スミス(2500万ドル),ブラッド・ピット(2000万ドル),リース・ウィザースプーン(1500万ドル)
bywww.eiga.com



ニュー・ワールド THE NEW WORLD 2006年
★____ 公式サイト136分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  一生を変えてしまう愛がある 17世紀初頭”新大陸”アメリカ.異なる世界の二人が許されない恋におちた−



キャッチ ア ウェーブ CATCH A WAVE 2006年
★★★☆_ 公式サイト96分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  加藤ローサと恋がしたい・・・高校生に戻りたい・・・そんなみずみずしい感覚が沸き上がる映画.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  一生を変える夏に,僕らは出会ってしまった.



タイフーン THE TYPHOON 2006年
★★★__ 公式サイト124分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督はPG-12  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  その深き愛と哀しみに,世界が泣く.



Vフォー・ヴェンデッタ V FOR VENDETTA 2006年
★★★★_ 公式サイト132分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  ネタバレ→    ←   監督はPG-12  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  自由を!永遠に!



トム・ヤム・クン! TOM YUM GOONG 2006年
★★★★★ 公式サイト110分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  走り幅跳び選手も真っ青の勢いで飛び込み膝蹴りをかましまくるトニー・ジャー.
本編感想  初っぱなは「え?星になった象使いの映画でも見ているのか?」と思うほのぼの象映画だが, ものすごい勢いで画面の端から吹っ飛ばされてくる男の登場でこの映画がトニー・ジャーのムエタイアクション映画であることを 思い出す.序盤のアクションは話がぶつ切りでアクションのみを切り貼りしたようなお粗末なカットの組合せだが, もっとも見せたいポイントである「アクションが凄まじい!!」という点はよけいにクローズアップされて伝わってくる. 本作でもマッハ!(原題:オンバク)での共演者ベットターイ・ウォンカムラオ(TVチャンピョンの司会者 中村 有二にそっくり)が オーストラリア警察官として登場する.っということは・・マッハ!ですっかりファンになってしまったあの子 ブマワーリー・ヨートガモンも出演しているのか?!と血なまこになって探したのだが発見できず.  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  ゾーさん,ゾーさん,おー鼻が長いのね.そーよ.ジャーさんはつーよいのよー.



チェケラッチョ!! CHECK IT OUT YO 2006年
★★★☆_ 公式サイト116分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  市川隼人は相変わらずの演技だったが,やっぱ高校生っていいなぁと思える作品.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  なんだよ.ちぇけらっちょって?ラップでラブでライブでピース!



子ぎつねヘレン KOGITSUNE HELEN 2006年
★★★__ 公式サイト108分分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  ヘレンが教えてくれた.どんな命もせいいっぱい輝いていることを.



ファイヤー・ウォール FIRE WALL 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  ハリソン・フォード,ポール・ベタニー  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  コンピュータ・セキュリティ 最大の弱点は,それをつくった人間



春が来れば Spring Time 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  傷だらけで,落ちこぼれて.それでも人生は悪くない.



プロデューサーズ THE PRODUCERS 2006年
★★★__ 公式サイト134分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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エミリー・ローズ THE EXORCISM OF EMILY ROSE 2006年
★★★★_ 公式サイト120分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  この映画はホラーではない,実話である.



イーオン・フラックス AEON FLUX 2006年
★★___ 公式サイト93分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  反政府組織モニカンの戦士 イーオンことシャーリーズ・セロン(ミニミニ大作戦,モンスター) 政府のボスにマートン・ソーカス(トリプルX(2002),タイムライン(2003),キングダムオブヘブン(2005)) その弟にジョニー・リー・ミラー.シャーリーズ・セロンの妹にアメリア・ワーナー 忍者仲間に足も手になっているソフィー・オコネドー(ホテルルワンダのドン・チードルの妻役) 部下の脳内で勝手に指令を出しまくるモニカンのボスにフランシス・マクドーマンド(どっかで見たことがあるなと思ったら スタンドアップでセロンと一緒に鉱山で働く女を演じていた.)
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  全身武器の美しき忍び イーオン,君に泣いているヒマはない.



おんな必殺!女肌衣堕(にきいた) 1995年
★★★__ AMAZON.CO.JP81分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ニキータと言えばアンヌ・パリロー(リュック・ベッソン監督, 1990)だが,1995にエロ時代劇江戸時代劇としてリメイクされていた.(パクリ・・でもインスパイアと表現されている.)
本編感想  ライフオンザロングボードで良い味を出していた大杉連が出演していると言うことでチェックした作品. 題名から明らかな三流映画ぶりが予測できるが,そんなに悪いものではない.むしろ新鮮だ. 加藤陵子が主演で江戸時代版女殺し屋ニキータを演じている.大杉漣はそのニキータに暗殺指令を出す闇ガラスという盗賊集団の ボス.終盤で高杉新兵衛と加藤陵子は恋に落ち,幸せな家庭を持とうとするが,大杉連の非情な指令に主人公は翻弄される. 設定が江戸時代ということや,ベタベタの視覚効果が1995年という制作時期を思い起こさせる. R-15となっているが,内容的には18禁となっている.しかし,あくまでメインはエロではなく,女を武器にした暗殺者(ほんとうか?) となっているのでその辺では見応えがある.加藤陵子の演技は迫真でよい.滅多にないなかなかなものだ. 他の楽しみ方としては若めの大杉連の渋く鋭い眼差しを堪能するということがある.  ネタバレ→  病気の父に薬を買うために女中として働く加藤陵子だが,支配人の小判を見ていたところを見つかり,奉行所に言いつけたら 死罪だと脅され乱暴される.それに目を付けた大杉連は加藤陵子を竹藪に誘い出し,薬を与える.その薬で主人を毒殺. 加藤陵子はお咎め無しとなるが,大杉連の元で一生働くことを迫られる.死か服従か.足手まといになっていた父と妹は 首つり自殺している.(おそらく闇ガラスに殺された.)金持ちの家の女中を行い闇ガラスを手配する加藤陵子.しかし, 奉行所の役人が彼女に目を付けた.芸子の訓練を受け,女の武器の使い方の訓練を積む加藤陵子.役人に近づき, 簪で殺せなかったものの,十手を持ち出した.十手を無くした役人は切腹.ちょっと心を痛める.新しく女中になった 家は主人も番頭もとってもいい人.その家の宝が眠る蔵の鍵を手に入れるのが任務だったが,番頭の高杉新兵衛と真剣に恋仲に. しかし,大杉連の指令は厳しい.鍵の型を取るニキータ.その夜に押し入る闇ガラス.なぜか家の人々を殺しまくり. 全員殺すんだったら合い鍵を作る必要ないじゃん!と少し闇ガラスを軽蔑する.逃げる高杉新兵衛と加藤綾子.なぜか 朝になっていて追いつく大杉連.気絶させられる男.大杉連曰く2人が暮らせる金を払うからこれかも組織に尽くせ. 場面は変わり幸せに暮らす高杉新兵衛と加藤綾子.幼い娘もできていたようだ.そして,指令の手紙が加藤綾子の元へ. それが何を意味するかを理解した上で悲しく見送る高杉新兵衛.女刺客として成長していくだろうニキータを背にスタッフロールへと流れていく.  ←   監督は日本極道史シリーズの白井政一.ちなみに,R-15となっていたはずだが,Amazonでは18禁となっていた.  Amazon.co.jp「おんな必殺!女肌衣堕
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県庁の星 STAR OF PREFECTURE GOVERNMENT 2006年
★★★__ 公式サイト131分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ヒットメーカーの二人柴咲コウと織田裕二が飛ばす現状打破・改善の必要性を説くエンターテイメント.
本編感想  柴咲コウの笑顔がムチャクチャ可愛い!という前評判を頼りに見に行った.確かに良いが,そういうシーンはあまり多くない. 織田裕二はエリートと言うことだが,真のエリートはどんな環境へでも即座に適応できるし,セルフモニタリングがそれなりに できているはずだから本映画はやりすぎかな.と思った.しかし,そこが演出家達の罠というものだ. 序盤では適応できずに悪戦苦闘する織田裕二.そして,後半ではめきめきと実力を発揮して大改革を成し遂げる. そのようなストーリーに客は痛快さを見出す.「目の前の問題から逃げ出す人間は人生の全ての問題から逃げ出す人間だ.」という 言葉を多用して,現在の日本経済を活性化させようと言う気概にも溢れる映画となっているところは制作者一同の 姿勢が心地よく,この映画を応援したくなる.結局人間は自分が持っている概念構造に照らし合わせて物事を見,判断していく. しかし,それだけに固執することなく,新たな意見を取り入れ,それが良いのなら素直に良いと認めて改善し,成長していくことの 重要性が説かれた作品になっており,とても共感できるし,好感が持てる. この映画から読み取れたメッセージは一見そうと取られがちな「民間の良いところと役所の良いところの融合で更なる高みを目指す」 ではない.「民間も役所も関係なく,既存のしがらみから脱却し『そこにいる人たちの心を改革』することの重要性」である. え?織田裕二が言ってた? 主人公2人のロマンスもほどよい距離が保たれていて万人受けする微妙な緊張感が終始たもたれているのは とてもよろしい.さすが,テレビドラマを手がけまくってきた監督西谷弘だ.終盤でのハラハラ感を維持させるテクニックもすばらしい. あのハラハラ感が観客と登場人物達の心境をシンクロさせている.以下は私が感じたことを述べる.  殆ど全員が織田裕二のことを「県庁さん」「県庁さん」などと呼んでいることに対して腹が立った.県庁に行った商店街の人が役人から 「民間さん.まあ座ってください.」などと言われたら腹が立つだろう.民間はお客様第一という姿勢を映画の中では 見せていつつも自分たちと異質のものをバカにしようとする姿勢は強いのである.この映画全般ではすばらしいものになっているが, 納得がいかない都合の良い点もいくつかある.  ネタバレ→  ずぶぬれになって自暴自棄に入った織田裕二がルネッサンスプロジェクトの敷地で横たわってすねていたときに, 柴咲コウが都合良く現れるが,織田裕二を捜す暇があるのか?と何故あの場所が分かる?という点である. 捨てたバッチのやりとりを通じて愛情が深まっていく為の大切なシーンとなるためにはずせない場面だが, 強引すぎた.また,スーパー満点堂に最後の消防点検がやって来たときに,タイミング良く織田裕二が現れるというのも都合良すぎる. 大事なところで,本店からの一斉放送が入りハラハラする演出はよい.もうダメかと思われたところで, ダメ店長が暗唱し,日頃の汚名を払拭し,店員達の人望を集める重要なシーンだ. 織田裕二の提出した改善所の中に,暗記すべき事項として掲載されており,それを真剣に読んだのだと考えよう.  ←   監督はテレビ版ドラマ 天体観測,救命病棟24時,白い巨頭,ラストクリスマスの演出を務めた西谷弘.  Amazon.co.jp「
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博士の愛した数式 HAKASE NO AISHITA SUUSHIKI 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  毎日同じことを「発見」し幸せだろうなぁと思う反面,他人から見ればむごい.記憶と人間の尊厳との関係を考える良い機会になる.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  ぼくの記憶は80分しかもたない.



ブロークバックマウンテン BROKEBACK MOUNTAIN 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  2人のホモが異性と結婚した後も互いの味が忘れられずに右往左往する映画.
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ビリーブ believe 2006年
★____ 公式サイト109分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  自閉症の人たちがハンディキャップオリンピックを撮影するクルーとなるドキュメンタリ
本編感想  映画というより,ドキュメンタリ.登場人物達ががんばっている様子がうかがえるし, 自閉症コミュニティ内での権力闘争?や自尊心が傷つけられたと感じるようすを伺うことに幾ばくかの意味はあった. しかし,彼らが撮影した映像は手ぶればかりで被写体が画面の内外へと飛び散っている.とてもじゃないが 2時間見る気がしない.編集側も相当苦労したことだろう.身体障害者に近づくことのできる機会として良い作品ではあるが, 特に山場もなく退屈な映画で彼らに対して興味があったとしてもおもしろい作品とは言えない. 2005年の冬季オリンピック@長野を撮影する9人クルーがメディアとしてデビューする様を描く. ハンディーキャップドのオリンピックはスペシャルオリンピックスという.  ネタバレ→  聖火ランナーを彼らクルーが撮影するのだが,練習を繰り返しても,全然うまく撮れていない.  うーん.かなしい.  ←   監督は小栗謙一.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  すべて”信じる”ことからはじまった.



クラッシュ Crash 2006年
★★★★★ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  見終わってしばらくし,ようやく作品の世界観から這い上がって,今年のアカデミー賞はこれだ!と思った逸品.
本編感想  2006年米国アカデミー賞で作品賞を受賞した作品.その他脚本賞がボビー・モレスコとポール・ハギスに,編集賞がヒューズ・ウィンボーンに 贈られた.アカデミー賞受賞前にこの作品を  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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ナルニア国物語第1章ライオンと魔女 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  一作目から「第1章」という肩書きが煌々と輝く
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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炎のメモリアル LADDER 49 2004年
★★★__ Amazon116分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  スタンド・バイミーのリヴァー・フェニックスの弟ホアキン・フェニックス(ヴィレッジ,サイン)が主人公の消防士を演じる. 消防署署長にジョン・トラヴォルタ(フェイス/オフ(1997),パニッシャー(2004)).  ネタバレ→  ←   監督はジェイ・ラッセル.  Amazon.co.jp「炎のメモリアル プレミアム・エディション
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やっぱり猫が好き2005 YAPPARINEKOGASUKI 2005年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  シリーズ物のやっぱり猫が好きの2005年版.恩田三兄弟というもたいまさこ,室井滋,小林聡美の三兄弟が独特の姉妹関係を 醸し出すのがシリーズの売り.本作は「猫」と銘打たれているがカットの合間に猫があしらわれているだけで舞台の内容に猫は 一切関係ない.3人はそれぞれ好きな役者であるが,前作からの流れを知らずに本作だけをみてもおもしろいと感じるほどの 内容にはなっていない.2部構成で自主映画制作の巻と在宅勤務の巻になっている.楽しんでいるのは観客よりも本人達とスタッフだけ という色はかなり強い.  ネタバレ→  ←   監督はラヂオの時間の三谷幸喜.  Amazon.co.jp「やっぱり猫が好き2005
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ラヂオの時間 年
★★★★★ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ラジオに限らず様々な物作りの場面においてあるだろう様々なしがらみがおもしろい.
本編感想  あるラヂオドラマを生放送でオンエアする企画が既に進行しているところから映画は始まる. 各役者のわがまま,制作上の都合,スポンサーへの配慮,各人のプライド,それそれがぶつかり合い,それらを 調整しようとする人がいる.集団による意志決定・物作りに携わった人でないと分からない苦みや甘みが この映画には含まれており,とてもおいしい.  ネタバレ→  最初は嫌味に描かれていた唐沢寿明が週番では大活躍するヒーローとなっている.  ←   脚本・監督は三谷幸喜.  Amazon.co.jp「ラヂオの時間
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デンジャラス・ビューティー2 Miss Congeniality2 Armed and Fabulous 2005年
★★★__ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  前作の完全な続きとして制作されている.サンドラブロックはFBI捜査官.前回は事件を解決するために ミスコンである州の代表として出場し,好成績を収めて全国的に有名になる.その後有名になりつつも捜査官を続けているところから 物語は始まる.銀行強盗の待ち伏せをしている最中に,名前を呼ばれ捜査員が危険にさらされる. 彼女は現役捜査官を退きFBIの顔として広報任務に回るかデスクワークに回るかの選択を迫られる. 今回は黒人の問題捜査官がサンドラの部下として行動を共にする.その女同士のやりとりが今回の作品の メインとなっている. それにしてもサンドラブロックは勝ち気な女の役がよく似合う.  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「デンジャラス・ビューティー 2
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メノット menotte 2005年
★★★__ 公式サイト104分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想   毎年夏になると別荘へ赴く名家・西徳寺の美しい姉妹、久美と香織。今年、香織が婚約者の津山を同伴し、姉の待つ別荘へ赴くと、   そこには姉以外に、別荘の修理を頼まれたという見知らぬ男たちがいた。その中のひとり高塚に、香織は危険な匂いを嗅ぎ取りつ   つも魅せられていき、やがて姉妹の間に緊張が高まっていくのだが……。 国分佐智子と本作で引退を宣言したアイドル藤本綾のセクシー・シーンが公開前から話題を集めたサスペンス映画。正直スト ーリーそのものは他愛なく、結局焦点はヒロインふたりの艶技ということに絞られていくのだが、オールヌードになるのは藤 本だけで、またあくまでも美しいスケッチ風に捉えられているため、過大な期待はしないほうが賢明!? ただし彼女の思い切 りの良さなど、女優としての可能性は感じられるだけに、 本当に引退してしまったのはファンならずとも惜しい気もする。監督は「ラヴァーズ・キス」などの及川中。(増當竜也)  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「メノット
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シャーク・テイル SHARK TALE 2004年
★★★__ 公式サイト90分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  ウィル・スミス,ロバート・デニーロ,レネー・ゼルウィガー,アンジェリーナ・ジョリー,ジャック・ブラック,マーティン・スコセッシ という豪華な声優陣がおくるファインディング・ニモの二番煎じ.だが,どちらがおもしろいかと聞かれたら 微妙なくらいの出来となっている.サメなのにベジタリアンの  ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「シャーク・テイル スペシャル・エディション
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ロシア特殊部隊スペツナズ レッドハイジャック SPETSNAZ 2006年
★★★__ Amazon.co.jp102分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  敵情把握,襲撃,任務完了を繰り返すスペツナヅ.都合がよいとはいえ見習う点は多い.
本編感想  ロシア最強の秘密部隊がベールを脱いだ!と題してスペツナズらしいミッションを見せる. このDVDには2話が収録されている.第1話はアラブ人による旅客機ハイジャックとそれを阻止するミッションの 話.第2話はアフガン製の新種ウイルス兵器を開発しているのでウイルス学者を同行してそのアジトから 資料を持ち出すというミッション.主人公の特殊部隊メンバーはアレクサンダー・バルエフ,ヴラディスラフ・ガルキン,アレクセイ・クラフチャンコ,イゴール・リファノフの4人. スペツナツの兵士達は兵士であることを隠しながら民間人と接している. モスクワとアフガンの場面の入れ替わりをグーグルアースのように人工衛星視点から 切り替える手法は気持ちいい.スペツナツといえばあのナイフが・・と思いきや,通常の投げナイフは 登場するものの,スペツナツナイフはでてこない.それにしても負傷兵を運んだままよく任務を遂行できたもんだ・・. 全3巻でスペツナズ レッド・ハイジャック,ジハード・聖戦,チェチェン・ウォーズとがあるうちの第1巻らしいが続きも見たくなった.  ネタバレ→  第1話は水鉄砲にニトロベンゼンという猛毒を詰めて飛行機をハイジャックする一味との戦い.機内には一人の 兵士が乗り込んでいて,2人を始末し,残りをコクピットに閉じこめる.音速爆撃機で先回りした犯人は 空港で清掃を完了.捉えた幹部を尋問中に,手榴弾のピンを抜かれ,そいつを撃ち殺し,腹の下へ手榴弾を 抱かせ爆死させる.空港の占領を「いかにもビン・ラディン」という風貌のボスに知られる. 装甲車を含む彼らの大部隊と旅客機着陸後に合流した4人で戦い,止めてあった飛行機で脱出するという お話.第2話は到着直後ゲリラ達の銃弾の洗礼を受けるスペツナツ.味方が一人負傷する. 燃料が引火して乗ってきたヘリは大爆発.少年を脅して,近くの村まで案内させる.牛とロバに乗せて移動する. 厳重警戒のアジトを3人とドクターだけで攻略する.しかも,敵が最後に口にした台詞をコーランの 21章25節だと見抜きワクチンの暗証番号まで分かってしまうという都合の良さ.だが, それはそれで軽快でおもしろい.  ←   監督はアンドレイ・マルコフ  Amazon.co.jp「ロシア特殊部隊 スペツナズ-レッド・ハイジャック-」  Amazon.co.jp「ロシア特殊部隊 スペツナズ-ジハード・聖戦-」  Amazon.co.jp「ロシア特殊部隊 スペツナズ-チェチェン・ウォーズ-
キャッチコピー  アフガン潜入−タリバン壊滅指令!!



浪速金融伝 ミナミの帝王 野良犬の記憶 2006年
★★★__ 公式サイト93分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  捨てた犬に噛まれて怪我するってこともあるっちゅうことや.
本編感想  萬田こと帝王は竹内力,その舎弟は桐谷健太,法律関係知識倉庫番に岩崎ひろみ, 助成金詐欺を試みる幽霊会社の社長に山村紅葉,3000万円が支払われずハメラレタ内装業者社長に江藤潤, 過去の詐欺事件で逃げ回る男に山田幸伸,汚い建築会社の社長に鶴田忍という配役.ベンツのオープン7777を乗りこなす 竹内力は例の渋い顔でにらみを効かし散らかす.エンディングテーマは竹内力が歌う欲望の街.  ネタバレ→  時効7年が過ぎたと安心している社会保険庁と悪徳建設に竹内力が「時効の停止」を 説明する.刑事訴訟法第254条公訴の提起による時効の停止.それにより最後に6000万払うことになり 萬田は2000万円以上得をする.山村紅葉と山田幸伸は罪を警察に告白し服役後結婚する約束をする.  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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スヌープ・ドックス バックワイルドバスツアー SNOOP DOGG'S BUCKWILD BUS TOUR 2004年
★★★__ 公式サイト98分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  黒人乱交パーティー.
本編感想  R-15と言うことだが内容は18禁だろう.スヌープ・ドックスが女を侍らせて歌を唄うPV. 専用のバスを仕立ててツアーを行う.  ネタバレ→  ←   Amazon.co.jp「スヌープ・ドッグス バックワイロド バスツアー
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ハサミ男 HASAMIOTOKO 年
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  けっこう無理矢理なんだけど,有機的に絡み合った設定がストーリーを納得させ,最後にはうならせる名作.
本編感想  豊川悦治と麻生久美子が狂気の殺人者として主人公を務める.ハサミ男と呼ばれる ハサミを女子高生のど元に突き立てて殺害する事件が1年以上起こっている.狙われるのは 成績優秀な女子高生ばかりでだ.物語の冒頭から犯人が顔を見せて女子高生を刺し殺す. この後何を見せていくのか?という展開だ.刑事には心理捜査官として阿部寛がいる.警察がハサミ男に 近づいていく課程と犯人の追おうとしている実態とを同時に見ていくのがこの映画のやり方. しかし,後半でおもしろい事実が2つほど発覚し,観客を喜ばしてくれる.しかも かなりの巧妙なストーリーだ.最初は3流邦画の臭いをプンプンさせているが,巧妙な 脚本とラストにこれでもかと怒濤のごとく明かされる事実に「うーんまいった.」と言わされる. 麻生久美子は自殺志願者で何回も自殺にトライするが失敗する.その意味やハサミ男が 偏差値の高い女の子ばかりを狙っていた理由もしっかりと明かしてくれる.  ネタバレ→  豊川悦治と麻生久美子が共犯でハサミ男.麻生久美子は学校の生徒データベースに自由にアクセスできる 立場でそれを利用し偏差値の高いターゲットを探し出す.しかし,殺そうと思って狙っていた女の子を 追っていたら,林の中でその女子高生が死んでいるのを発見する.しかも殺され方はハサミ男の犯行のようだった. 本物のハサミ男たちがハサミ男の偽物の犯行現場の第一目撃者となって真犯人を捜すという 最後は偽ハサミ男だった阿部寛が拳銃自殺を図り麻生は病院に運ばれる.  ←   監督は池田利治  Amazon.co.jp「ハサミ男
キャッチコピー  凶器が狂気にかわるとき・・・



山猫は眠らない3 決別の照準 SNIPER 3 2005年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「山猫は眠らない3 決別の照準
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実録・暴走族シリーズ ブラックエンペラー BLACK EMPEROR 2004年
★★★☆_ 公式サイト81分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  薬物厳禁,一般人への手出しは厳禁,集会への女参加禁止,喧嘩御法度,ただし売られた喧嘩は必ず買え!という掟があるブラックエンペラー. 中学生で極真空手に明け暮れる蛯澤が第六代目総長になっていく過程が映画化されている.実録と銘打っているが 実録なのはオープニングの暴走シーンだけでその後は役者達が演じている.マスターの定員に田代まさしが起用されている点が ポイントだ.集団でしか行動できない暴走族を嫌っている蛯澤賢治は友人にエンペラーの集会への参加を再三誘われるが 拒んでいた.仲間の女のレイプ事件をキッカケに暴走族の集会に参加することになる.一回参加したら,ガソリンの臭いと爆音に 興奮し,暴走族に対する考え方が180度変わってしまった.喧嘩が強いことから次第に人望を集め,エンペラーの人数も増えてきたことから 統制を取るため薬やシンナーへの弾圧を徹底的に行っていった.それに対して快く思わない人間も出始めていた. この作品や主人公の蛯澤が魅力高い理由は,暴走族ながら正義感に溢れ男の魅力で統率していく過程が描かれているからであろう. 後半は正義を重んじるブラックエンペラーと何でもありのギャング集団キル連合の戦いについて触れている. 主演は岡崎礼だが,周囲とは違った魅力を放つ主人公をよく演じていたと思う.よくまとまった硬派暴走族ドキュメンタリー仕立て映画であった.このシリーズは自分の知らない世界を知るという意味でもまた借りてみようと思った.  ネタバレ→  富士までの日の出暴走で自分たちの通るルートが全て警察に割れていた.賢治の責任だと周りの連中はわめく. そこで,蛯澤は男らしくステゴロ勝負で仲間と勝負し,幹部に認められ仲間を掌握して 18歳で二輪のヘッドと特攻隊長になった.19歳で関東2000人を束ねる黒い行程となった. 1978年12月01日新道路交通法施行,5台以上での走行を禁止される.11月25日に最後の集会を開いてブラックエンペラーは永遠に不滅 といって解散する.  ←   「汚ねえ世間にツバを吐き 孤独な俺たち何かを求め 熱き思いをこの胸に 仲間の元へとアクセルひねる この硬く冷たい アスファルトジャングル ただひたすらに ただがむしゃらに 土曜の夜に集う天使達 ただ誠を求め ひとつ間違えば アッと言う間にオサラバ 冷たい風に吹かれても 心は燃えている 生きている証を求め 黒い皇帝に命を賭け ただひたすらに 今日を今を駆け抜ける 真の友よ仲間達よ 心優しき愚天使達よ うまくやれョ!」ブラックエンペラー六代目総長 蛯澤 賢治  監督は大月栄治.  Amazon.co.jp「実録・暴走族 ブラックエンペラー」  Amazon.co.jp「実録・暴走族 SPECTER」  Amazon.co.jp「実録・プロジェクト893XX THE暴走族 極悪編
キャッチコピー  土曜の夜の天使達



ザ・リング2 THE RING2 2005年
★____ 公式サイト110分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  このシリーズはやはり日本版リングを見るに限る.初めて見るのならホームビデオでは見ず,大画面大音響で楽しまれたし.
本編感想  主人公はナオミ・ワッツ(ザ・リング1,キングコング),彼女に近づく男としてサイモン・ベイカー(ランド・オブ・ザ・デッド(2005),マリー・アントワネットの首飾り(2001)). ナオミ・ワッツの息子にデヴィッド・ドーフマン(テキサス・チェーンソー)という配役.ナオミ・ワッツとデヴィドはザ・リングから引き続きの出演. 冒頭は,例の見たら1週間以内に誰かに見せないと死ぬという呪いのビデオを見てしまった男の子が 同級生の頭のトロイ女の子に見せるというシーンから始まる.率直に言うとあらゆるシーンはハリウッドの 制作者達に改造されより理解容易な描写に変更させられている.つまり,怖さをわかりやすく理解させようとするあまり, 怖さをダイレクトに心で感じにくくなっているという感触が否めない.それが西洋式ゾンビっぽい描写であったり,血やウジ虫が ドロドロといった点で表現されている.それらは確かに怖いものではあるのだが,監督中田秀夫の持ち味である新しい恐怖を 引き出せているか?といえば答えはネガティブである.ちなみに日本版の貞子はハリウッド版ではサマラである.このエビル・サマラにはケリー・スタブレスが扮している.前作からの悪霊ゴーストサマラは息子にこびり付いて性を得ようとしているのではないか?という設定. 息子が死にそうになり入院するが,青あざがあったため母親の虐待と疑われる.ホラーに重ねて親子愛をもテーマに取り込み その辺を見せようとしたのがこの映画の失敗ではなかろうか?最終的に怖い世界ではなくファンタジーの世界に入っていく 主人公達をみて興醒めは加速する.  ネタバレ→  本作では突然鹿の群れが狂いだし襲ってくるシーンや,え?これって仄暗い水の底?ってくらい水が襲いかかってくるシーンがあり, 興醒めである.ちなみにサイモン・ベイカーは呪いによる激死をとげる羽目となっている.ナオミワッツは息子から亡霊に出て行ってもらうために バスタブに沈める.サマラが出てきてその後例のビデオが再生.そのテレビの中に引きずり込まれ,井戸バトルが開催される. 「私はお前のファッキン母さんじゃないよ!」と言い残し,井戸の栓を閉める.崖から飛び降りて現実世界に復帰. 息子と抱き合って終わる.  ←   原作はらせん(1999),リング(1998),リング2(1999),リング0バースデイ(2000),仄暗い水の底から(2001)に共通し鈴木光司.  監督は日本版リング,リング2,仄暗い水の底からを手がけJホラーを引っさげてハリウッドに行った中田秀夫.  Amazon.co.jp「ザ・リング2 完全版 DTSスペシャル・エディション
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ラブ・ソング LOVE SONG 2001年
★★★__ Amazon100分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  女子高生の仲間由紀恵を堪能することができる.
本編感想  若かりし日の仲間由紀恵と伊藤英明ラヴストーリーが見たくてレンタルした一本. 題名は尾崎豊の楽曲からきている.レコード屋の店員で5000枚のレコードを持ちいつか自分の好きな物だけを置いている 店を開きたいと言っている伊藤英明に高校生仲間由紀恵が興味を持つという流れ. 伊藤英明が話し相手にする芸術家に原沙知絵(伊東美咲と共演した逮捕しちゃうぞ,まだまだあぶない刑事,蝉しぐれ),伊藤英明の親友に津田寛治(サバイブスタイル5+),仲間由紀恵に片思いする高校生に坂本真(電車男,花とアリス),仲間由紀恵と一緒に一夏の冒険に同行する男の子に一條俊. 人生で失敗を経験し何かを捨てて生きる男,自分を愛せない男,夢を追う女,何も捨てない女,人々の人間関係とそれを 追う本編はなかなか興味深い者であった.ラストのあっさりさもよい.さも狙われた恋愛映画ではなく,登場人物達のある一時期を それぞれに描いていく手法が心地よかった.詩的で取っつきづらい表現がすんなりと観客の心に入ってくるような構成であったと思う. それを助けたのは仲間由紀恵と原沙知絵という落ち着いていながらも不思議な魅力を放つ2人の女優をうまく起用した結果だと感じた.  ネタバレ→  仲間由紀恵は上京し一條俊とともに,伊藤英明の店シーラカンスがつぶれた理由を聞いて回る.人が他人をどのように語るのか?を 聞いているのはおもしろい.最後に伊藤英明のアパートに辿り着く仲間だが,そこにいなかったら借りっぱなしにしていた尾崎のレコードを おいて帰るという決断をする.ビュリュックリンという喫茶店を発見し,自転車で急行する伊藤.帰りに仲間とすれ違うという場面も設けられているが,ありがちな恋愛映画のようにその後の発展はない.仲間にとって最後まで伊藤英明は憧れという域を出ないまま,尾崎豊の コンサートで涙する.そしてエンディングへ.  ←   監督・脚本は県庁の星(2006),春の雪(2005)の脚本も手がけ,修羅雪姫(2001),いぬのえいが(2004)を監督した佐藤信介.  Amazon.co.jp「LOVE SONG コレクターズ・エディション
キャッチコピー  会いたい,会いたい,ただあなたに会いたい.



25時 25TH HOUR 2002年
★★★__ 公式サイト136分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  主人公で役の売人,7年の刑をくらうエドワード・ノートン.その友人で学校の先生にピリップ・シーモア・ホフマン(M:i−3(2006), あの頃ペニー・レインと(2000))と株を操る証券マンにバリー・ペッパー(エネミー・オブ・アメリカ(1998),プライベート・ライアン(1998) ). エドワード・ノートンの女にロザリオ・ドースン(ニュースの天才(2003),メン・イン・ブラック2(2002)), 主人公モンティの父親にブライアン・コックス(ボーン・アイデンティティー(2002),ボーン・スプレマシー(2004))  ネタバレ→  ←   監督はマルコムX(1992)のスパイク・リー.  Amazon.co.jp「25時 スペシャル・エディション
キャッチコピー  たった一日で人生を変えられるか.幻かも知れないもう一つの人生.俺に残された最後の自由な24時間.



ジャーヘッド JAR HEAD 2006年
★★★__ 公式サイト123分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  カニエ・ウエストの「ジーザス・ウォーク」が頭にこびり付く兵士視点のガルフ・ウォー.
本編感想  主人公となる米海兵隊新兵をデイ・アフター・トゥモーローのジェイク・ギレンホールが演じ, その小隊の軍曹をレイでアカデミー主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスが演じる. 同僚にはピーター・サースガード(K-19,ニュースの天才,フライトプラン)やルーカス・ブラック()がいる. 威勢の良い部隊の大隊長としてクリス・クーパー(アメリカン・ビューティー,ボーン・アイデンティティー,シービスケット,アダプテーション)もいる. 20歳でサウジアラビアでの砂漠の盾作戦 に送られたアンソニー・スオフォードが2003年に出版し,ベストセラーとなったジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白を 原作とするのが本作だ.ジャーヘッドとは電子ジャーに代表される釜やビンの英語名で海兵隊の頭がビンのように刈り上げられており, みんな統制のとれた髪型であることから海兵隊の別名(スラング)となっている呼び方だ.ビンのように 頭の中が空っぽであるという意味も含まれている.それにしても,ピーター・サースガードは24シリーズの キファー・サザーランドと似ている.弟かなぁと思ってしまうほどだ.この映画のエンディングテーマに使用されている 「ボン・ボバボンボン」という曲は2004年のラップ部門でグラミー賞を受賞したカニエ・ウエストによるジーザス・ウォーク. この映画をキッカケに日本でもブレイクしそうだ.  ネタバレ→  ←   監督はアメリカンビューティーでアカデミー監督賞受賞のサム・メンデス(イギリス人).アメリカンビューティーは アカデミー賞の作品,監督,脚本,主演男優,撮影の主要5部門を受賞したアメリカを皮肉るケビン・スペイシー主演の映画. サム・メンデスはロード・トゥ・パーディションも監督している.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  最高の生き方がある.そう信じて,僕は戦場に向かった−メディアが暴けなかった湾岸戦争の真実が,ここにある.



単騎,千里を走る Riding Alone for Thousands of Miles 2006年
★★★★_ 公式サイト108分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  高倉健,車で千里を走る.デジカメを使いこなす高倉健に世間のお父さん方は負けた・・と呟く.
本編感想  第18回東京国際映画祭のオープニング上映を飾った高倉健主演の本作.当初私は高倉健が 馬に跨り中国大陸を千里にわたって旅をする映画だと思っていた.しかし,それは題名そのままの解釈であった. 本作は仲が悪く互いに頑固な父と息子の物語なのである.しかも,その息子役は最近中国ものによく出演している中井貴一(ヘブンアンドアース). だが,声だけしか聞こえず本体は一度もスクリーンに映らないという役である.しかし,重要な役割を担った 登場人物である.その息子がガンになって入院したのをキッカケにその嫁である寺島しのぶ(ヴァイブレータ)の手引きで 病院に見舞いに行く高倉健.しかし,互いに維持をはって結局会いもしない.しかし,息子は中国の仮面劇をこよなく愛し, その道の研究者として論文を17本も書いていた.寺島しのぶ からもらった息子のテレビ番組特集のビデオを見て, 息子が中国人に来年も来るから三国志関羽の仮面劇「千里走単騎」をやってくれと言っているのを聞く. 息子のためにしてやれることはこれしかない!高倉健は思い立ち単身中国へ乗り込んでいく.これが本映画の趣旨だ. 通訳と自分だけの言葉も通じない中国での生活と日本から逐次送られてくる情報.簡単にはビデオに収めることができない 目的の仮面劇「千里走単騎」.効果的な音楽と共に高倉健の頑固オヤジぶりを堪能できる. 途中,いかにも映画!というようなカット割りが出てくるところで,「おお!これは映画だった!」と気づくくらい, どっぷりと映画の世界に浸ることができた.子供や通訳の演技は演技というよりガチンコという感じがとても出ていて やたらとリアリティーを感じた.それもそのはず,監督の意向で出演者は殆ど現地人の素人.30テイクを重ねたシーンもあるとか. 高倉健もその分やり直しをしたという.日本では高倉健に3テイク以上求める監督はいないというのに30テイクはすごい.  ネタバレ→  息子が約束した「千里走単騎」の踊り手は刑務所で3年の刑を受けていた.刑務所に撮影に行くと頑固なおじさんx1. 無理ですと言うほかない通訳のお姉さんとその上司.空港に帰る途中でガイドを代えろ!と頑固なオヤジx1. 刑務所に入らせてもらうために役所に赴くオヤジさんと男通訳.男通訳のいい加減な通訳に起こる様子もなく, いったん引く.中国は賄賂社会だと睨んで,高倉健プロモーションビデオを自分で作成した後,赤い垂れ幕を準備. 会議の後,ビデオを見てこの頑固オヤジの願いを叶えてあげないと!と役人達は思う.息子さんがガンだと知った 男通訳はお金を返しに来る.頑固オヤジは訳分からず,女通訳に電話.刑務所に行って撮影許可が下りるが, 目的の踊り手は泣き出して踊らない.子供に会いたいと泣いている.なぜ?!と観客も含めみんな思うがストーリー上の はずせない線のようだ.後日撮影に来るという約束を看守とする.頑固オヤジは彼の子供を連れてくると言い出す. 大移動する.これが千里を走るとかぶる.村長と意味不明議論を重ねて息子を連れて行くことになる.男通訳は 通訳できないということがみんなにばれる.一人の日本人のために長蛇の列の机を並べみんなで食事. 寺島しのぶから電話で息子に父親が中国に行っていることを言ったという.(頑固オヤジは息子に言うな!と言っていた.) 車を止めたところに戻る最中に乗っていたトラクターが都合良く故障.直している間にヤンヤンという子供は谷間に消えていく. どうやらウンコがしたかったようだが,高倉健が付いてくるのでなかなかできない.2人は迷子になった. 2人を探す村人.ウンコを見られて本気で起こる坊主.笛を吹く坊主.デジカメフラッシュを使いこなす頑固オヤジ. 朝まで仲良くする2人.助けられた後,村長にもう一度ヤンヤンがお父さんのもとに行きたいかどうかを聞いてくれと言う頑固オヤジ. ヤンヤンはやだという.大人の言うことを聞け!このクソガキが!と怒鳴る村長.子供は連れて行かない!と頑固さを発揮する高倉健. 刑務所に行く途中で寺島しのぶから電話.息子は昨日死んだと.そして,明らかになる不仲の理由. それは,母の死に別れに際して,オヤジが黙りこくって田舎漁村に引きこもったからであった. 死ぬ前日に息子 中井貴一が綴った父への手紙を読む寺島しのぶ.撮影の目的を失ったが刑務所に行き,子供に会いたいと泣いていた男にヤンヤンが ウンコをしている写真をこれでもか!と見せまくる.感動して泣く囚人達.今日はビデオを取りに来たんじゃない!この写真を店に来たんだ! だから仮面劇は撮影しない!と頑固ぶりを発揮しまくるオヤジ.撮影しなくてもイイから見ていけと看守.結局撮影している頑固オヤジ. 舞の傍らスタッフロールへと流れていく.  ←   監督は紅いコーリャン,HERO,LOVERSのチャン・イーモウ  Amazon.co.jp「
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オリバー・ツイスト Oliver Twist 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は戦場のピアニストでアカデミー監督賞とカンヌ映画祭のPalme d'Orを獲得したロマン・ポランスキー.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  19世紀ロンドン−幸福を求める無垢な少年オリバーの姿を描いたチャールズ・ディケンズの名作を完全映画化.涙のあと幸せはやってくる.



プライドと偏見 PRIDE and PREJUDICE 2006年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想    ネタバレ→  ←   監督は  Amazon.co.jp「
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タブロイド CRONOCAS 2006年
★★★★_ 公式サイト 海外サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  エクアドル発ジャーナリズム魂を揺さぶる注目作.
本編感想  ジャーナリストとして人気を博していく主人公マノロ役にジョン・レグイザモ(ムーラン・ルージュ,ランドオブザデッド). その撮影クルーで女性プロデューサーにレオノール・ワトリング(トーク・トゥ・ハー,死ぬまでにしたい10のこと,バッド・エデュケーション). クルーのカメラマンで編集係にホゼ・マリア・ヤズピック.この三人がモンスターと呼ばれる犯人が犯す少年少女連続レイプ暴行事件 を追う.殺された子供の取材のためその葬式を取材していると,殺された子供の双子が車に引かれてしまう. 運転手であるダミアン・アルカザール(メキシコ版アカデミー賞エーリエル賞を5回受賞)は トラックを退かそうとすると逃げようとしているのかと思われ,運転席から引きずり出されリンチに合う. 2人の子供を失った父親は怒り狂いボコボコにした上ロープで縛り灯油を掛けて火を付けた.その一部始終を撮影するクルー. 警察が来て収まりをつけた集団リンチだが,ダミアン・アルカザールと父親は留置所にぶち込まれる. 留置所でもその父親に殺されかけ  ネタバレ→  ←   監督はR-18.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  心の闇まで,TVカメラは届くのか−



亀は意外と速く泳ぐ KAMEWA IGAITO HAYAKUOYOGU 2006年
★★★★★ 公式サイト90分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  上野樹里(スウィングガールズ)と蒼井優(花とアリス,星になった少年)の2人が主役を張る脱力系スパイ映画ということで レンタルした.それにしてもサマータイムブルースの時もそうであったが,上野樹里は「あっヤベ!マズいな.」みたいな 顔をよくする.物語は平凡な主婦で誰からも必要とされていない主人公上野樹里が某国のスパイとして日本国内で 活動するというもの.夫は単身赴任で亀だけを残しどっかに行っているが,亀に餌をやっているかどうかの確認電話は 毎日してくる.だれにも自分が見えていないのではないか?自分を必要としているのは亀だけではないのか? と不安になっているところでスパイ募集の公告を発見.スパイである岩松了,ふせえり の指導を受けつつ 脱力系奥様スパイとして活動を開始する.スパイの日常の仕事とは普通に目立たなく平凡でそこそこであることだった. イン・ザ・プールの時は松尾スズキの嫌らしさばかりが目立って今ひとつだった三木聡監督の印象だが, 今回は平凡ということに焦点を置きながらも個性的な幾人ものキャラクターを自在に操り,「おもしろい!」 と笑い転げるほどではないが,独特の世界を作り出している.平凡に生きることに徹する人々とそれでいて 非日常を求める主人公のバランスがたまらない.ラストのオチは納得のいくものではなかったが  ネタバレ→  ←   監督はイン・ザ・プールの三木聡.  Amazon.co.jp「亀は意外と速く泳ぐ デラックス版
キャッチコピー  ゆるくて,可愛いい,なんか変! “脱力系”奥様スパイ!がやってくる!!



逆境ナイン GYAKKYO NINE 2005年
★★___ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  最初ッから最後まで「どうでもよさ」がつきまとう映画.それでいて笑えもしない.
本編感想  玉山鉄二(天国の花火 恋火)主演.ヒロインは堀北真希(ヒノキオ,四谷怪談シリーズ).チームの監督には田中直樹, 学校長役には藤岡弘(初代仮面ライダー),サードには坂本真(花とアリス,電車男)  ネタバレ→  ←   監督は海猿,恋人はスナイパーの羽住英一郎.  Amazon.co.jp「逆境ナイン 全力版
キャッチコピー  バカバカしい!−でも感動!!超絶青春スーパー・エンタテイメント!



四日間の奇蹟 2005年
★★★__ 公式サイト118分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  「四日間の奇跡」と間違えるな! どんなラブストーリーかと思っていたら,
本編感想  ピアニストの吉岡秀隆と療養センターで働く石田ゆり子のラブストーリー.石田ゆり子は大恋愛の末,西村和彦(スクールウォーズ2)と結婚したが, 子供が産めないという理由で今は別れてバツイチ.初恋の人が吉岡秀隆という設定. 吉岡は強盗により両親を射たれ立ちつくす少女 尾高杏奈(原作のイメージにふさわしいとされ1000人の中から選ばれた) を助けようとして左手を打ち抜かれる.ピアニストとしての未来を 絶たれた吉岡は,親のない尾高杏奈を引き取る.少女のピアノセンスを発見した吉岡は彼女を教育し全国を回るピアノツアーをやっていた. ある日石田ゆり子の居る医療センターに来る.ゆり子は初恋の相手がやってくるということで喜んでいたが,吉岡はそんな女のことは覚えていない. センターの医者として西田敏行(陽はまた昇る),その妻に松坂慶子,石田ゆり子の同僚に中越典子(王様のブランチ,負け犬の遠吠え), その恋人でセンターの料理人に鳥羽潤(死に花,海猫),センターの管理人に平田満(北の零年,東京原発),患者の一人に石橋蓮司(北の零年,半落ち), エンディングテーマには平原綾香のエターナリー.  ネタバレ→  ラストで寝たきりだった松坂慶子が石田ゆり子からの恩返し?の為に意識を取り戻すというおまけ付き. 雷が落ちた教会のステンドグラスが新調されておりそこには「ちおり へ パパとママより」と記載される.  ←   原作は浅倉卓弥の「四日間の奇跡」.  監督はチルソクの夏,半落ち,日はまた昇るの佐々部清.  Amazon.co.jp「四日間の奇蹟
キャッチコピー  日本中の渇いた心に,純度120%の“感涙”を届けます.



魁!!クロマティ高校 SAKIGAKE KIROMATHIKOUKOU 2005年
★★★__ 公式サイト85分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  原作は野中英治.高校の改造を目論む主人公 神山高志を須賀貴匡. その友人 林田慎二郎を虎牙光揮,前田彰を山本浩司.北斗武士を金子昇.フレディを渡辺裕之. 竹之内豊を高山善廣.マスク・ド・竹之内を板尾創路. 主題歌は氣志團.  ネタバレ→  ←   監督は地獄甲子園,ババアゾーンの山口雄大.  Amazon.co.jp「魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE 通常版
キャッチコピー  人類存亡をかけた戦いが今,始まる!



タナカヒロシのすべて TANAKAHIROSHINOSUBETE 2004年
★★___ 公式サイト103分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  不器用な男というよりかは意欲のない男の映画
本編感想  カツラ工場で働く32歳タナカヒロシこと鳥肌実.上司の高橋克実.母親に加賀まりこ.父親に上田耕一. よく行く弁当屋の女にユンソナ,俳句の会に伊武雅刀,市川実和子,マチャマチャ, 友人に宮迫博之,その妻に西田尚美,母の看病をする看護婦に小島聖.デリヘルの女に矢沢心,悪徳業者に寺島進.  人付き合いが苦手なタナカにクジで大凶を引いてから次々に不幸が起こるというストーリー. 鳥肌実の普段の芸風と役柄のギャップを見て楽しむのならおもしろいかも知れないが,大して山場も話の焦点もない ストーリーをダラダラ見せられ,時間の無駄感は高い映画であった.ただ,対比して自分は幸せだなぁと感じることができるのも事実. 途中,鳥肌実が女に好かれ調子に乗るシーンがあるのだが,少しだけいつもの鳥肌っぽい演技が鑑賞でき,これこれ!と 思うこともできた.  ネタバレ→  お見合いにバックレて両親と上司に恥をかかす.父が心臓発作か何かで急死,母は胆石の手術で癌が見つかり急死. 俳句の会で市川実和子に優しくされ調子に乗り,その後若禿が発覚,悪徳業者にだまされ,猫が心臓病, 会社倒産.ラストはユンソナと歩いている最中に上から工事の鉄骨が落ちてきて九死に一生を得る.「何とかなりますよ」の一言で スタッフロールに繋がる.  ←   監督・脚本は桃色探偵団PINKシリーズの田中誠.  Amazon.co.jp「タナカヒロシのすべて デラックス版
キャッチコピー  日本一不器用な男のちょっとだけいい話.



1リットルの涙 ICHIRITTORUNONAMIDA 2005年
★★★__ 公式サイト98分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  1リットルの涙を経て若いのに強い心を持つ少女とその母親の話
本編感想  原作「1リットルの涙」は15歳で脊髄小脳変性症を発病し25歳で亡くなった木藤亜也が 手が動かなくなるまで書き続けた日記をまとめたもので160万部のベストセラーとなった.テレビ版ドラマも沢尻エリカ と薬師丸ひろ子で制作されている.母親木藤潮香が綴った「いのちのハードル」もある.  主人公を演じるのは大西麻恵.母親にかとうかずこ.  ネタバレ→  小脳が萎縮する神経症で学校生活を送れなくなった大西麻恵.徐々に自由が効かなくなっていく恐怖に 怯えながら強く生きていく.20歳で寝たきりになる.25歳で生涯を終えるという字幕で映画は終わる.  ←   監督は岡村力.  Amazon.co.jp「1リットルの涙
キャッチコピー  



野獣(クーガ)の城 女囚1316 KUGANOSHIRO 2004年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  主演はアイドルのほしのあき,警察官殺害で無期懲役となりぶち込まれる.しかし,ぶち込まれた先は 秘密の軍事施設だった.その施設の教官にデビット伊東.えっ?!オイオイという終わり方がたまらなくショボイ.  ネタバレ→  仲間と逃亡を企て,迷路のような旧軍の地下通路をつたって兵の外に出るのだが,  ←   監督はミナミの帝王の萩庭貞明.  Amazon.co.jp「野獣(クーガ)の城 女囚1316
キャッチコピー  絶望が,獣(おんな)の性を目覚めさせた.



髪からはじまる物語 KAMIKARHAJIMARUMONOGATARI 2004年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  柴咲コウ主演.柴崎と監督の行定勲は「GO」「世界の中心で,愛をさけぶ」で組んでおり,本作は 2人のコラボ3作目となっている.シャンプーメーカーのコーセーの製品サロンスタイルを購入したお客を対象にネット配信される ムービーとして制作された.それぞれ25分の「フクシュウ劇」「あこがれ」「懺悔」の3作品がある. 髪の毛ってこんなに大切ですよ.というメッセージがそれぞれの作品に込められている.しかし,女性の髪の美しさ それにしても3作に共通して込められているメッセージは「柴咲コウの髪は美しいからみんなそうなろうね.」という シャンプーメーカーの思惑であった.  ネタバレ→  「フクシュウ劇」は柴咲コウに浮気する津田寛治が妻が夫に復讐するという物語.車(ジャガー)の中で 愛人の長くて栄養の行き届いた髪をみた妻はそれから髪を伸ばし,手入れをする.そして仕上がった髪を 車の中に仕込ましておく.柴咲コウとホテルに行く津田寛治がコーヒーをかっている際に,柴崎はその髪を発見. 津田寛治が戻ると柴崎は消えており,妻の復讐は無事果たされたわけであった.  2本目「あこがれ」は戦争に出征する軍人さんと彼を愛して待つ女 柴咲コウの話.お守りとして彼女の美しい髪の毛を持たせるというストーリー.  3本目「懺悔」では石野敦士が神父として娘の成長に翻弄される父親を演じる.  ←   監督は行定勲.  Amazon.co.jp「髪からはじまる物語
キャッチコピー  



青い車 a Blue Automobile 2004年
★★★__ 公式サイト90分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  
本編感想  姉 麻生久美子(エイコ)とその恋人のARATA(ピンポン).麻生の妹に宮崎あおい(NANA,ラブドガン). 幼い頃に事故で目に傷を負い隠しているARATAはサングラスをしている.心に傷のある少年のドライな生きざまを ARATAが演じる.  ネタバレ→  最初っからこのような展開になると思っていたが,妹 宮崎あおいに興味を示したARATAは行為に及んでしまう. 姉妹というのはどっちも似た属性を有しているものなので姉が好きな男が妹も好きになるというパターンは多い. 男と寝たということを姉に打ち明ける宮崎あおい.そのことに動揺してかどうかは分からないが,麻生久美子は 交通事故で死亡する.その後青い車に乗せて宮崎あおいとドライブをするARATA.海岸線で意味ありげな台詞を吐いて 物語はスタッフロールへと流れていく.  ←   監督は奥原浩志  Amazon.co.jp「青い車 プレミアム・エディション
キャッチコピー  ただ,どうしようもなく,好き.



男たちの大和 YAMATO 2005年
★★★★★ 公式サイト150分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  かく先祖・先輩方たちありきで現在がある.小生が生き存えているのが申し訳なくなる後世に伝えたい感動作.
本編感想  鈴木京香が自分の父 中村獅童が死んだことをキッカケにその骨を大和が沈んだその地に水葬するため撃沈された九州の南, 種子島の西の地点に向かう.その際に船長 仲代達矢の回顧シーンとして大和の激戦の様子が映し出されるという映画. 二枚看板は飯を作る反町隆史と対空放火の分隊員中村獅童だ.2人は柔道のライバルだし親友だ. 呉の大和の補充要因として当てられた15歳の隊員達.その中に,仲代達矢の若かりし時を演じる松山ケンイチがいる.はっきり言って主役は この子だ.他に15歳で大和の乗組員となった仲間に伊達君こと渡辺大,西君こと内野謙太がいる. メインキャラとして連名を連ねている反町隆史と中村獅童があまり良くないという意見を聞くが 崎本大海 常田澄夫 橋爪遼 児島義晴 山田純大 唐木正雄 高岡建治 茂木史朗 高知東生 川添 平山広行 玉木 森宮隆 大森 金児憲史 町村 長嶋一茂 臼淵 蒼井優 野崎妙子 高畑淳子 玉木ツネ 余貴美子 西サヨ 池松壮亮 Sosuke Ikematsu 前園敦 井川比佐志 組合長 勝野洋 森下信衛 野崎海太郎 能村次郎 春田純一 小池久雄 本田博太郎 古村哲蔵 林隆三 草鹿龍之介 反町の巷の女として寺島しのぶ 白石加代子 神尾スエ 奥田瑛二 有賀幸作 大和撃沈時の司令官 伊藤整一役に渡哲也.  ネタバレ→  ←   監督・脚本は人間の証明,野生の証明の佐藤純彌.原作は辺見じゅん.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  もう会えない君を,守る.



スタンドアップ North Country 2005年
★★★★☆ 公式サイト107分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  
本編感想  物語は初っぱなから裁判で主人公のシャーリーズ・セロン(モンスター,ミニミニ大作戦)がシバかれている所から始まる. 並行して炭坑で働く主人公の物語とそこに至るまでの経緯を描きながら観客に裁判の内容を追わせる形で構成されている. フランシス・マクドーマンド(ファーゴでアカデミー主演女優賞受賞),ション・ビーン(ロード・オブ・ザ・リング), リチャード・ジェンキンズ(ディック&ジェーン),元ホッケープレーヤーの弁護士にウディ・ハレルソン(ラリー・フリント), セロンの母親にシシー・スペイセク()  ネタバレ→  ←   監督はニキ・カーロ.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  私なんか,と何度も思った.お前なんか,と何度も言われた.それでも,立ち上がってみようと思った.



愛してよ AISHITEYO 2005年
★★★★☆ 公式サイト107分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  塩顕治x西田尚美の親子がイイ!不安定な母親の愛を受ける子供のフィクションにリアリティーがある.
本編感想  「人生はクジ引きの連続」が口癖の母親 西田尚美(ドラマ ラブコンプレックス,鉄人28号(2004),サイレン(2006) )と その息子 塩顕治(映画初出演)の親子愛物語.映像全体が清んでいて新鮮な印象をうける.これは監督のテクなのか? 現代社会の問題点を子供の視点から描きながらある親子愛を描き出す. 塩顕治には生のリアクションを求めるために台本が渡されずにガチンコ撮影が行われたという.(だがしかし,本作上映後に台本を入手して彼の 台詞と台本とを見比べてみたが殆ど台本通りにしゃべっている.台詞だけを与えて物語を先読みさせなかったということなのだろう.) 借金苦で離婚した元夫に松岡俊介(亡国のイージス(2005),亀は意外と速く泳ぐ(2005))を慕うが思ったように愛は得られず, 西田尚美の新しい恋人 野村祐人(アイデン&ティティ(2003),あずみ2(2004))を受け入れることもできない子供の心情.  息子をオーディションに合格させようと必死の母 西田尚美.オーデションに受かることは人生を変える大当たりだと. そのオーデションを通した少年の心の流れが本作のメインプロット. デザイナー役の鈴木砂羽(スペーストラベラーズ(2000),力道山(2004))に見初められオーデションに残る塩顕治. 有名モデルのアレク(メンズノンノなどのモデル.鼻が高い)やうまく渡り歩く伊山伸洋とオーデションで出逢い, ライバルとしてやりとりをし成長していく.塩顕治の精神的な偶像として登場する幽霊のエリカ役に牧野有紗(レイクサイド マーダーケース(2004))もいる. この映画を見て,不安定な親に育てられる子供はたまらんなと思うと共に,これが今の日本の現状であるのかも・・と 監督らの視点の鋭さに恐れ入った.映画というのは特別な状況を描いて日常に退屈する観客に娯楽を与える感が強いが, 特別なことを描かずに特別な側面だけを集めてこんなにおもしろい作品が作れるんだ.と映画を見直した. こう感じた所以はひとえに母親 西田尚美とその息子 塩顕治の演技力に他ならない.塩顕治には今後とも注目していきたい. 人間誰しも愛を求めている.いま思えばそれぞれの出演者の愛を求めるそれぞれの姿勢があった.  ネタバレ→  塩がオーデション会場で好きな服を選ぼうとすると有名モデルである長身のアレクに服を横取りされる.弱肉強食だ. また,「ここから女子の着替えが見える」と伊山伸洋に誘われ,言われるがママに寝っ転がると,伊山が突然カーテンを開け, 塩は覗き魔として女子から白い視線を浴びる.得意のお腹が痛くなった振りで急場を凌ぐが,帰ってきたらもう着る服がない. 真っ白な服を自分で踏みつけまくって靴跡をつけ,それを着てオーディションに望む.呆れる審査員.なんでそんな風にしたのか? それに対し塩は「この方がカッコイイから」といきがってみせる.しかし,デザイナーの鈴木砂羽は 塩の視線を買い,服をリバーシブルに着せてモデルとしての感じを確かめる. 学校ではいじめられている塩. 廃線になった駅でしょぼくれるのが塩の日課.するとオーディションで自分をはめた伊山伸洋が接近してくる.同盟を組んで 2人でビックになろう.どっちかが受かって有名になったらお互いに相棒として指名しよう.というのである.2人は仲良くなっていく. 父親にあえると母に言われ付いていったら,新しいパパ 野村祐人が待っていた.気分を害して飛び出す塩.だがやっぱり名刺をもらおうと 店に戻ると,母が語っていた.「息子に冷たくしてしまう.芸能界を目指させているのも,華やかな世界にいる気がして自分が心地よいし, そうすると息子に優しくできる気がするから.じゃまな息子に自分の思いを押しつけているだけ.」と・・・ 塩は本当の父親 松岡俊介に会いに行く.気に入らない新しい男野村を殺すことを考える.伊山の知り合いのヤクザに殺しの依頼をすることになり, 塩と伊山は乗り込むが,伊山の父親をバカにされ,伊山がぶち切れてヤクザに追い回される羽目に.2人の連帯感は強まっていく. 最終審査に残った塩と伊山とアレク.浜辺でいろんな服を着ていろんな写真を撮る.映画のテーマとは対照的な世界を持ってくるところに 監督のセンスを感じる.イケメンのアレクは父親から虐待を受けて育てられたある意味強いがある意味弱い男.虐待を受けた者は自分より弱者に対して 虐待を行う.ウジウジして謝る塩を見てアレクは苛立つ.棒で信じられないくらい殴る.しかし,それはお手の物.しっかりと顔だけは殴らない. きっとそうされて育てられたのだろう.塩は父親と会話し,父親がニュージーランドに言ったときの話しを聞き,プール付きの家の約束を思い出す. 親子の最後のスキンシップとばかりに他人の家の庭にエンピで穴を掘り,プール建造を目論む塩顕治と松岡俊介.家のオーナーに見つかり逃げ出した2人は ビルの屋上に行き,別れを告げる.塩は封筒に入った手紙を受け取り,帰るように言われる.しばらくして戻ってみると,父親はビルから飛んでいた. 父親の葬儀で母 西田尚美は食べ放題にチャレンジしながら愚痴を言いまくる.父からの手紙にはこう書いてあった. 「君はパパは2人も要らないと言いたが,君にとってのパパは野村1人だけの君のパパだ.ママと3人で幸せになってください.」と. 野村祐人と結婚するため東京に向かう日とオーディションの最終日は重なっていた.西田はもうオーディションなんてどうでもいい. 東京に向かうタクシーの途中に例の腹痛をやって見せて,抜け出す.帰ってこない息子.探す母親.塩はオーディション会場に向かっていた. だが,アレクに会って屋上でボコボコに.劇中の要点で自殺をほのめかす自殺志願者のアイドルことエリカが出てきて塩の心は屋上からの 投身自殺へ.しかし,そこに西田尚美がやって来てこういう.「愛してよ!」 物語は一つの終わりの形を向かえていた.  ←   監督は福岡芳穂.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  じゃあ,私のことは,いったい誰が愛してくれるの? 愛はここにある.



キングコング King Kong 1976年
★★★__ Amazon135分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  古き良きコング.
本編感想  ヒロインを愛する主人公の男にジェフ・ブリッジス,ヒロインはジェシカ・ラング. コングに関しては手の部分の巨大模型を作り,そこにヒロインジェシカ・ラングを乗せてコング本体の別撮映像を合成するという 手法が多く用いられている.いかにも着ぐるみというコングはピーター・ジャクソンのコングを見た後では今ひとつだが, 当時としては迫力十分.  ネタバレ→  二酸化炭の排出量が以上に多い無人島と思われる島に石油があるとにらんだ一行は大金持ちになるために霧の島に乗り込む. 島には原住民がおり,コングと人間を隔てる壁がある.コングに生け贄を捧げる原住民. ジェシカ・ラングが生け贄に.女を持って行くコング. コングは女を滝で水浴びさせる.フーッと息を吹きかけて乾かしてあげるコング. コングvs巨大蛇バトル.助けに来た男.川に落ちて逃れる男女. 門を突き破り追ってくるコング.門の前に落とし穴を作っておいた現代人.眠ってしまうコング. タンカーで運ばれるコング.タンカー内で暴れるコング.慰める美女.静まるコング. 見せ物になるコング.例によっていとも簡単に引きちぎられる鎖と檻.街へ出るコング. 美女を捜し出し持って歩き回るコング.ワールドセンタービルに登るコング. ヘリからバルカン砲で銃撃を受けるコング.血まみれコング.落ちるコング.哀れなコング.写真を撮る人々.エンディング.  ←   監督はターザンの決闘や野生ものを多く作成しキングコング2(1986)も手がけるジョン・ギラーミン.  Amazon.co.jp「キングコング
キャッチコピー  



キング・コング King Kong 1933年
★★★__ Amazon100分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  これぞキングコングオリジナルストーリー.人間をプチトマトのように踏みつぶし,投げる!
本編感想  2005年のピーター・ジャクソンによるリメイクはこの作品を模倣している.  アン・ダロウはFAY WRAY,デンハムはROBERT ARMSTRONG,ドリスコルはBRUCE CABOT.  完全なオリジナル.コングはコマ撮りでカクカク動く.ブロンズサウルスに追われる人間.巨大蛇とバトルするコング.蛇の 顎を粉砕するコング.かなりグロく,それでもカクカク動くコング.内容は2005と殆ど同じ.しかし,コングの凶暴性はこちらの方がはるかに上!  ネタバレ→  ←   監督はメリアン・C・クーパー.  Amazon.co.jp「キング・コング
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キング・コング A KING KONG 2005年
★★★★★ 公式サイト188分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  予告編はジャブ.骨太の右ストレートはしっかりと本編の中に隠されていた! 中盤の1時間は最強の迫力.映画でこんなにドキドキできるんだ!と再確認.
本編感想  ヒロイン アン・ダロウにナオミ・ワッツ(21グラム,ザ・リング).野心的映画監督カール・デナムにジャック・ブラック(スクールオブロック,愛しのローズマリー). アン・ダロウを愛する脚本家ジャック・ドリスコルにエイドリアン・ブロディ(戦場のピアニストでアカデミー主演男優賞). ヴェンチャー号船長にトーマス・クレッチマン(U-571).監督の助手にコリン・ハンクス(オレンジカウンティ).B級映画男優にカイル・チャンドラー. コングのCGIモーション・キャプチャー用の演技はアンディ・サーキス(ロード・オブ・ザ・リングシリーズのゴラム役)となっている. 乗組員にイヴァン・パーク(猿の惑星2001),ジェイミー・ベル(リトル・ダンサー)がおり,髑髏島でのアドベンチャーを盛り上げる.  映画の見所の殆どは予告編(トレイラー)に全て登場しており,見せ場のシーンを既に見ていることとなってせっかくのシーンも「ああ.あのシーンか」と さほどの驚きが得られないものである.しかし,できた映画は違う.迫力のあるシーンをトレイラーで使用しつつも,本当に 度肝を抜くシーンは隠し球として本編を見に来たお客さんの為に温存しているものだ.本作では,見せ場か?と思ってからも まだまだ,これでもか!これでもか!!まだ足りぬか!といわんばかりにスペクタクルが押し寄せてくる. これが映画だと分かりつつものけ反らずにはいられない!知らない他人の隣の人に「凄いですねこの映画」と体験の共有を確認したくなってしまうほどだ. 本作は3時間の長編であり,序盤の1時間は序章に思われ長丁場を意識させられるが,中盤の1時間は時間がすっ飛んでしまい,正味2時間の映画か? と思ってしまうほどである.かといって驚嘆のCGにだけ頼った映画かと思いきやコングに夕日の「美しさ」を教えるシーンやコングを哀れむ女の 描写を通して,切ない美女と野獣の物語もしっかりしている.  ネタバレ→  ブロンドサウルスに追い回された一行だが,あり得ないくらいの確率をかいくぐって,サウルスの脚に踏まれずに谷を脱出する. 並行して巨大ワニに追われるナオミ・ワッツ.巨大ワニがいなくなったと思ったら,肉食恐竜ティラノザウルスの登場. 追い回されているとコングが登場.ナオミ・ワッツの首の骨が簡単に折れてしまいそうな加速度で彼女を右へ左へ移動させるコング. 予告編でのシーンはこのあたりのものだが,その後,ティラノザウルスx3vsコングという本作最高の山場.ティラノザウルスの パックンチョを幾度となくかわし,九死に一生どころか万死に一生の確率でなんとか生き残っている主人公.ピーター・ジャクソンの 作為(というか主人公の宿命)を感じずにはおれないが,息つく暇のない見せ場シーンの連続に思わずニンマリ.その後コングをおびき寄せ クロロホルムを吸わせて眠らせるのだが,岩場で炸裂する2本のクロロホルムのボトル.コングはピクともしない. 脱出を試みる一行の船まで迫り来るコング.そこでジャック・ブラックがボトルを一投.コングの鼻に直撃しもろに吸い込んだコングは ちょうど良く岩場に頭をもたれて窒息することもなく熟睡.しかし!あの堅そうなボトルをどういう力で投げれば,あの柔らかそうにへこんだ コングの鼻に当たって割れるというのか?!都合がよい.しかし,コングを都会に連れて行きたいのでその設定は許す. ブロードウェイにいっぱいの客を呼び鼻高々にコングを披露するジャック・ブラック.この手錠切れそうだな・・と思っていたら, なんの苦労も無しに手錠を壊すコング.おそらくぐちゃぐちゃのミンチになっているのだろうが画面には写らずにひねり潰されている 観客席の人々.テレパシーによって何故か引かれるナオミ・ワッツ.ハリウッド版ゴジラと同じように町中をメチャクチャに していくコング.意味もなくコングを惹き付けて,混乱を拡大させる為に鼻息荒いエイドリアン・ブロディ. 飛行機で射たれる為だけにエンパイアステートビルに昇っていくコング.愛を確認し合う美女と野獣.地面に落ちるコング. 死体と写真を撮るアメリカ国民でエンディングロールへと流れていく.  ←   監督はロード・オブ・ザ・リングシリーズ(2001,2002,2003)のピーター・ジャクソン.  Amazon.co.jp「
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ジャック&ジェーン 復讐は最高 FUN WITH DICK AND JANE 2005年
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  復讐と言うほど復讐していないし,その手口もショボイ.
本編感想  主人公のジム・キャリーとその妻ティア・レオーニは夫の会社の計画的倒産により貧乏になる.再就職先をさがすが無駄に1年がたっていく. その間に家がどんどん貧乏になっていくさまを見せるのがこの映画の売り. 再就職先はなかなか見つからず,面接試験先ではあの会社の倒産会見をしたバカ有名人ということで写真撮影まで頼まれる. 家計は苦しくなり,ついには強盗する.この作品強盗を肯定的に描いていることに好感が持てない. コメディーだから許してと言うことだが,強盗をすることで作品がおもしろくなっているのならまだいいが,そうではない. 倒産寸前に株を売って大もうけした社長アレック・ボールドウィン. おかげで泥を被った副社長リチャード・ジェンキンスと倒産寸前に広報部長に昇進させられ責任を押しつけられたジム・キャリー. この2人で共謀し,元社長を罠にはめるのが「復讐は最高」という所以だ.しかし,ジム・キャリーの大げさな顔演技ばかりが目立って ストーリー脚本はたいしたことがない.主人公らが最初は小さな強盗にドキドキするが,次第に慣れていきエスカレートして銀行強盗に至るまでの様子は リアリティーがあって良い.しかし,ここでもジム・キャリーの大げさなリアクションが鼻につきっぱなしである.  ネタバレ→  銀行に預けた金の送金先を自分たちの口座にすり替えるという手口で復讐を試みるが,社長にあっさりばれる. 一流の銀行がそんな間抜けな手口に引っかかってくれるはずがない.とも思いながら鑑賞しているから更に興醒め. ラストは,社長個人で元社員に手当を出すというニュースを発表させ,一応ハッピーエンド.しかし,彼らの行った強盗の罪は消えていない.  ←   監督はディーン・パリソット.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  全世界のサラリーマンに告ぐ.お楽しみはこれからだ!



奥様は魔女 BEWITCHED 2005年
★★___ 公式サイト118分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  きつい顔立ちのニコール・キッドマンにおとぼけ役はいかがですか?とお伺いを立てた映画.リメイクの中で再帰的に奥様は魔女を使用.
本編感想  エリザベス・モンゴメリー主演のテレビドラマのリメイクをトップ・オブ・ハリウッド女優のニコール・キッドマンで行った作品.元は同題名の テレビアニメ.結婚して初めて自分の妻が魔女であったことに気づくという物語.「みんなが知っているその国民的アニメのテレビドラマを撮影する」というのが本作のストーリー. そのリメイクにあたり,鼻をヒクヒクさせる名人を探していた俳優のウィル・フェレル(オースティン・パワーズ). 偶然見つけたニコールを誘い魔女のサマンサ役に抜擢する.しかし,ニコール・キッドマンは本物の魔女. この辺で魔女ッぷりを見せながら物語は展開していく.ドラマの撮影が進み,放送されると エゴイストのフェレルの人気は全然無いが台詞のないにも関わらずニコールは好感度が高いという結果になる. 前作の映画がこけてテレビドラマに落ちてきた落ち目の俳優ウィル・フェレルは前妻との離婚騒動も抱えており, この辺もストーリーにからむ.  ところで,ニコールは魔法界を逃げ出して人間界にやってきた身なので魔法は使わないと誓っているというような設定なのだが, 殆ど衝動的に容赦なく魔法を使いまくる.(そうでなければ作品がおもしろくないのだが・・) 魔法はあまりに都合良すぎて呆れてしまう.その魔法使いがニコール・キッドマン以外のモノであったらとてもじゃないが成立しない都合の良さだ. ウィルのマネージャー役のジェイソン・シュワルツマン(ハッカビーズ,シモーヌ)は良い味を出している. また,ニコールのお父さん魔法使いとしてマイケル・ケインが出演しており,とぼけつつも作品を締めていることには好感が持てる.  ネタバレ→  最初はニコールを自分のダシに使用して騙しているウィル・フェレルだが,途中ニコールの説教を受けて心を入れ替える.その後は2人のラブストーリー. 都合が悪かったり,反省したりすると時間をかなり戻してやり直すのが納得いかない. まともな頭の持ち主だったら,巻き戻しを繰り返してなかなか1日が終わらないはずだ.  ←   監督・脚本・製作はユー・ガット・メールの脚本を書いたノーラ・エフロン.  Amazon.co.jp「奥さまは魔女
キャッチコピー  愛という永遠の魔法.



あらしのよるに ONE STORMY NIGHT 2005年
★★★__ 公式サイト107分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  馬鹿げた幼稚園向けアニメかと思っていたら,けっこうホロッと来てしまった.
本編感想  カブというオオカミの主人公に中村獅童(隣人13号),メイという羊の主人公に成宮寛貴(あずみ,NANA) オオカミ族のボス ギロに竹内力(ミナミの帝王シリーズ),ガブの兄弟分バリーに山寺宏一. オオカミ族の仲間にお笑いコンビアメリカザリガニ.ガブの母に早見優. メイの仲間タブに林家正蔵(元こぶ平),オバサンにKABAちゃん.おばあちゃんに市原悦子.長老に板東英治 という顔ぶれで届けられる食欲と友情のどちらが強いかを見るアニメ. メイの声を聞きながら一生懸命に 成宮寛貴を想像しようとがんばったのだが羊のビジュアルのせいもあってなかなかマッチングがとれなかった. あらしのよるに中村獅童と成宮寛貴は小屋で出逢い,次の日に同じ場所で「あらしのよるに」という合い言葉で 再会する.お互い暗闇の仲で同族かと思っていた相手だったが,なんと彼らは敵対する種族同士だった. だったらなぜ,言葉が通じるのか!言葉が使用できるほど知的な生命体だったら,食糧問題を解決できる だけの知恵があるのではないか?!と疑問は脹らむが,まあ子供向けアニメなので許す. 子羊メイの妙に落ち着いていたり正論を言うような所とオオカミのガブが妙に下手で遠慮がちなところが 終始気に掛かったが,そんなところが2人を惹き付けた魅力だったのだろう.オオカミが出たときの羊ども の驚き様を表現するヴィジュアルは気に入った.また,中村獅童の「ヤンス」が耳から離れない.  ネタバレ→  ラストは裏切り者の中村獅童を竹内力らが必要以上に追うのであるが,雪山の奥深くまでわざわざ 追う理由は「仲間に示しを付ける」といった一点のみしか考えられず,やや不可解だった. 中村獅童は群れに対して戦いを挑む.そして雪崩がやってきてみんな飲み込まれるのだが, その際に中村獅童は記憶喪失に.そして成宮寛貴を餌として監禁する.ここでまた「あらしのよるに」が キーワードとなって記憶を取り戻し,友情が復活.2人は雪山の向こう側の楽園でおそらく仲良く暮らすのでありました. ちゃんちゃん.←   原作・脚本はきむらゆういち.監督は杉井ギサブロー.  Amazon.co.jp「あらしのよるに スペシャル・エディション
キャッチコピー  友達なのにおいしそう.それでも ずっと ずっと いっしょでやんす.



ウェディング・クラッシャーズ Wedding Crashers 2005年
★★★__ 公式サイト128分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  有名人の結婚パーティーに潜り込んでセレブとお友達になりたい.とこの映画を見て真剣に思った.
本編感想  オーウェン・ウィルソン(アイ・スパイ,80デイズ)とヴィンス・ヴォーン(Mr.&Mrs. スミス,ドッジボール,ビー・クール)は親族でもないのにそれを装って結婚式に潜り込み女と寝るウエディング・クラッシャーだ.  嘘の経歴と職業をなのり,子供をあやして,目当ての子とダンスし,ゲットする.この度目を付けたのは政府に顔の利くクリストファー・ウォーケン(ステップフォード・ワイフ(2004),ドミノ)の娘の結婚式だった. その妹たちに目をつけた2人.ウィルソンの目当ての女には既に婚約者がいた.この男は競争心が強く嫌味な男だ.何たって,散弾銃で ヴィンス・ヴォーンのおしりを打ち抜いても誤りもしないで当然だという顔をしている.また一族はそれを特に問題視する様子もない. 序盤でタッチフットボールなのに体当たりをかまして二度もヴィンス・ヴォーンを吹っ飛ばしていた. それを誰もとがめないのでおかしいなぁと思っていたが,散弾銃に比べれば小さなことだった. それにしても驚かされるまったくイカレタ家族だ.おばあさんは口が悪く,息子はホモの絵描き.娘は異常性欲者だし,お母さんは豊胸手術のでウィルソンに迫る. 後半ではウエディングではなく葬式でクラッシュをするフィーネラル・クラッシャーもでてくるのだが,その辺で描かれる2人の友情関係や, 純愛テイストのストーリーが本作の胆となっていた.特に,ウィルソンとヒロインのレイチェル・マクアダムス(きみに読む物語(2004))が微妙に引かれ合い,夜中に互いの部屋の前まで行くところの 描き方はとても良い.  ネタバレ→  アイラ・フィッシャー(スクービー・ドゥー)は処女と偽り,ヴィンス・ヴォーンと浜辺でエッチ.とっても彼女に気に入られ,そのままボートで家族バケーションへ 食事の前のお祈りの時に婚約者のお酒に目薬を入れて下痢にさせる.その間に友好を深めるウィルソンとレイチェル・マクアダムス. 弱さを見せられない強がりな婚約者にレイチェル・マクアダムスは少し疲れる.2日間くらいはうまくだませていたが,婚約者の男がヴィンス・ボーンらの 素性を調べてて2人はウェディング・クラッシャーズだと家族にばらす.銃を持って暴れる婆さん. レイチェル・マクアダムスのことが忘れられないウィルソンはパーティーに忍び込むが 婚約者の男に捉えられ,裏口でボコボコになる.仲間のヴィンス・ヴォーンに裏切られ部屋に行ってみると,あの時の女(姉妹)アイラ・フィッシャーと楽しんでいた. ここで2人の友情が決裂する.結婚することになったヴィンス・ヴォーンとアイラ・フィッシャー. ヴィンス・ヴォーンは自分の結婚式にウィルソンを呼ぶが彼は渋っていた.その結婚式で ウィルソンとレイチェル・マクアダムスは出会い,みんなの前@教会で本音トークを展開する. レイチェル・マクアダムスは婚約者との別れをつげてウィルソンとくっつく.ダブル新婚旅行となりエンディングへ.  ←   テーマソングはグリーンデイズのアメリカン・イディオット.  監督はシャンハイ・ナイト(2003)のデヴィッド・ドブキン.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  Life's party. Crash it!



釣りバカ日誌16 TURIBAKANISSHI 2005年
★★★__ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  三国さんが撮影に耐えられないんじゃないか?!とそればかり気になった.
本編感想  浜崎伝助は西田敏行.社長は三国廉太郎.職場の同僚はよゐこの浜口, 今回の舞台は橋の連結式に出席すると言うことで長崎.ヒロインは長崎の飲み屋の娘,伊東美咲.大会社の息子で優秀な人材が金子昇.この2人の恋愛を 軸に西田敏行のイカ釣りが主なストーリー.西田,三国,ボビー・オロゴンがイカ釣りで戯れる.怪しい日本語キャラとして確立したボビーは愛嬌たっぷり. 余談だが,このボビーに曙はK-1で負けたのだから曙はもう終わりかも知れない.曙はK-1参戦時のサップ戦から応援していただけに残念だ. 長崎の208つの小島のヴィジュアルは美しい.ヒロインの伊東美咲だが本作ではそれほどまでのオーラは放っていない.むしろ,建築という 仕事に打ち込む金子昇(玉木宏に似ている)の誠実さに魅力を感じた.スーサンやハマちゃんの勤める建築という仕事に関しても魅力を感じさせる 本作の構成に,釣り業界のみならず建築業界へも良い影響を与える本作に好感が持てた.みちこさんには浅田美代子.鯉太郎には持丸加賀.上司に谷啓と益岡徹. このシリーズで心配なのはスーサンこと三国廉太郎がいつお亡くなりになられるか?ということだ.  ネタバレ→  ラストでは飲んだくれた西田敏行がボビーの船(米軍艦)で酔いつぶれて気が付くと出航しており,日本に帰れなくなっている.本社の重役は浜崎を解雇しようとするが スーサンだけは心配していた.  ←   監督はシリーズ14,15,16を手がける朝原雄三.  Amazon.co.jp「釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった
キャッチコピー  浜崎は今日もダメだった♪



マラソン Marathon 2005年
★★★__ 公式サイト117分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  自閉症のある男の子がマラソンを走る韓国映画.母の愛が凄い.
本編感想  知恵遅れの子供を懸命に育てる母親キム・ミスクの物語.それにしても韓国映画の咀嚼(そしゃく)音はすごい.クッチャクッチャさせまくる. おならの音も液混じりの汚い音で攻めてくる.それとは別にこの映画の見所は障害者を持つ家族,特に母親の視点である. チョ・スンウ(Hの容疑者)は障害者でその弟ペク・ソンヒョン(天国の階段)は普通の高校生だ. 母親は障害を持った息子の好きなことを見つけて上げたくて小学校の頃に10kmマラソンで3位になったマラソンをコーチをつけて教えようとする. コーチ役はイ・ギヨン. 「チョウォンの足は100万ドルの脚よ」といっていつも励ます.これは本作のキーワードとなっている.ラストは泣ける. 韓国では1999年に自閉症が障害者認定されたらしい.このことがテロップに出てきて物語は終わる.  ネタバレ→  チョ・スンウはペースを押さえきれずにいつも速く走りすぎてダメになってしまう.参加賞のメダルはもらったが,完走できない子供に母親は嘘をついて 完走できないとメダルはもらえないという.チョ・スンウは水泳で母親を突き落とし溺れさせる.日記には「お母さんも水泳した」と.ガス爆発したら死ぬよ. といったチョ・スンウに母親は「死ぬことの意味が分かるの?」という.地下鉄では白黒柄の女性のおしりをシマウマと間違えて触り,男に殴られる. 母親はそれを止める.のだが・・・.このあたりがこの映画の最大の山場.母親は胃に穴が開いて倒れることになる. もうマラソンはしてはダメととがめる母だが,チョ・スンウは1024のゼッケンを付けて一人会場へ向かう.(ゼッケンと書類は捨てたはずなのに!) 母は嘘を言ってマラソンを止めさせようとするが,チョ・スンウは「チョウォンの足は・・?」と言い,母はそれに答えて手を離す.ここが最大の山場だ.反対を振り切り 走り出したのだが,後半地面に座り込んでしまう.そこで母親がチョコパイを差し出す妄想を見て走り出し,何とか完走する.  ←   監督・脚本はチョン・ユンチョル.  Amazon.co.jp「マラソン
キャッチコピー  みんな,誰かの一等賞.



ロード・オブ・ウォー 史上最強の武器商人と呼ばれた男 LORD OF WAR 2005年
★★★★☆ 公式サイト122分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  武器密輸という切り口から世の中の真相を知らしめ風刺する話題作.
本編感想  ニコラス・ケイジが実在の武器商人ユーリー・オルドロフ(ウクライナ人)を演じる. 全世界に銃は5.5億丁ある.12人に1丁だ.彼の仕事は1人に1丁の世界にすることだといって映画が始まる. オープニングには弾丸の視点から製造,販売,輸送,使用までの行程を描く短編が用意され,悪者とされる彼らの人生(弾の一生)を理解できる. 売るのは悪くない.何に使うのかは勝った奴次第だ.というポリシーでニコラス・ケイジは銃を売りまくる.金儲けのためではない. それは神が彼に与えてくださったギフトつまり才能だったのだ.物語の中盤の山は冷戦終了でモスクワの監視が行き届かなくなった ウクライナの旧ソ連軍の武器をチョンボして,ライバルのイアン・ホルム(エイリアン,デイ・アフター・トゥモーロー,ロード・オブ・ザ・リング) を出し抜くところだ.連隊規模の戦車を背景にレーニン像を足蹴にして 金の勘定をするシーンもある.そして映画最大の山はニコラス・ケイジが 彼を追い続ける刑事イーサン・ホーク(トレーニング・デイ2001)に逮捕された時である.武器密輸に詳しいジャーナリストの話によると,彼ほど大きな取引をするのに, CIAやKGBといった国家情報組織との繋がりが前半で描かれていないのはおかしい.と言うことだったが,それはすべて,この映画 最大の山場の為に仕組まれたものだったのだ.また,彼と妻ブリジット・モナハン(コヨーテ・アグリー,リクルート,トータル・フィアーズ,アイ・ロボット) との関係もとても興味深い.サブストーリーとしてしっかりメインストーリーを もり立てるのに貢献している.アメリカのスポンサーにとって非常に都合の悪い内容がこの映画の核心に含まれていたため, アメリカでは資本が集まらず,カナダ資本でこの映画は作られた.このような映画が世に出ることができて本当に良かったと思う.  ネタバレ→  金にモノを言わせ,憧れのスターとの結婚にこぎつける.妻は武器密輸についてまったく知らない.絵に興味を持つが 匿名でニコラスが買ってあげる.大喜びの妻.ウクライナの武器を独り占めする.アフリカに流す.軍事用のヘリも仕入れる. 儲かりまくる.相棒は麻薬ジャレッド・レト(ファイト・クラブ)にハマル.厚生施設に入る.逃げ出す. リビアに売り込む.報酬は大きなダイヤでもらう.相棒が虐殺を我慢できずに手榴弾で武器を燃やす.殺害される.ダイヤが半分になる. 銃の乱射で両親を亡くしていた妻に圧力を掛ける刑事.不安になる妻.妻はニコラスを尾行して秘密のトレーラーの中を見てしまう. 通報する妻.逮捕されるニコラス.「時間がないから今のうちに私を罵倒しろ」というニコラス.こう予言するニコラス. 「君は外に出ると上司から逮捕の功績を褒められ昇進を約束される.しかし,私を釈放しろと言われる.君は退職も辞さないと反発する. しかし,政府の高官の圧力で私は釈放される.なぜなら武器取引の胴元は国であり,彼らが直接扱えない場合に私のようなフリーの 武器商人が用いられるからだ.裁判で表に出てはいけない取引も沢山ある.」と.常任理事国の米,英,仏,露,中の5大国が世界最大の 武器輸出国であるとコメントして映画は終わっていく.  ←   監督・脚本はシモーヌ(2002)のアンドリュー・ニコル.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  弾丸の数だけ,札束が舞う−.



ブラックジャック ふたりの黒い医者 YAMATO 2005年
★____ 公式サイト95分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  遺伝子レベルの病気を外科手術で治そうとする男に「お前は医者か?」と問いたくなる.
本編感想  ブラックジャックの助手?のようなピノコと呼ばれる赤ちゃん言葉の女が主演する短編が初っぱなに開始され,劇場を間違えたか?と思う. 森中の動物の怪我を直し,あげくドラゴンも助ける.最後は天馬を助けるのだが,訳分からん. 本編はダイダロスという巨大製薬メーカーとそれに怨みを持つテロリストたちのバトルに天才無免許外科医ブラックジャックが 絡んでくるというもの.死にゆくものを何としても外科手術で助けたいブラックジャックと手遅れな者に安らかな死を与えようとする ドクターキリコ.この2人が「ふたりの黒い医者」ということになる.この映画の良いところは, 普通の映画だったら,どんな病気も主人公が直してしまいそうなところをそうはいかず, 手を尽くすが死んでしまうというプロセスが何でも描かれるところだ.映画は漫画だがストーリーはそこそこ. しかし,どう考えても外科手術で全身の発疹の元を取り除くことができないにもかかわらず,何度も何度も 患者の体を切り刻んで(なにをやっているのかは分からないが)手術をする主人公にあんた医者ですか? もっと顕微鏡除いて病原体探して,見つかったらいろんな物質を投与して挙動を調べろよ.と言いたくなった. あと,殺し屋の強さが,ストーリーの進行の度合に合わせて都合良く変化するのもおかしいと感じた.  ネタバレ→  ブラックジャックは子供の頃,浜辺で不発弾事故に遭い,体をバラバラにされたが天才医師の力によって 命を取り留めた.しかし,その時に爆発で母を失い,それがトラウマになっている.ドクターキリコは軍医をしていて 激痛にもがく助からない命を沢山見てきた.彼らに安らかな死を与えるとみんな感謝していったという. テロリストに資金援助していたのは実はダイダロスの会長で自分たちがかつて開発していた化学兵器サタンの解毒剤を 開発していた研究者の子供に見つけさせるためだった.序盤のダイダロスビルの爆破で全身麻痺になった母親をブラックジャックは 神業で助けるが,退院したやさきに親子3人は交通事故で死ぬ.これも世の不条理を描くには効果的な脚本だった. 会長やテロリストの大半は実験島で死ぬ.  ←   原作は手塚治虫.監督は手塚眞.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  もう会えない君を,守る.



SAYURIさゆり Memories of a Geisha 2005年
★★★★_ 公式サイト146分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  日本を描いたトンデモ映画という噂だったが,ハリウッドがわざわざ日本のプロモーション映画を作ってくれたので感謝.
本編感想  オペレッタ狸御殿で日本映画に携わり痛い目に遭っているアジアンヴューティーのチャン・ツィイー(HIRO,LOVERS)が芸者となり 彼女の生きざまを描いたストーリー.映画開始前にはチャン・ツィイーファンのハートを逃すまいと坂本龍一の音楽に乗せた 花王アジエンスのCMが流れていた.ひとえに彼女の演技力がこの作品の正否を決定するという役所であったが結果からいうと, 大後寿々花(おおごすずか,北の零年でも子役),桃井かおり,コン・リー(2046)に喰われていた. チャン・ツィイーの幼少期を演じている大後寿々花だが渡辺謙主演の北の零年でその忍耐強さと健気さを渡辺謙に買われ 本作の主役に抜擢されたという経緯があるだけにチャン・ツィイーをさしおいてすばらしい存在感がある. 主役のお千代が彼女からチャンに変わったときは「え?これになっちゃうの?」とがっかりするほどだ. しかし,金城武主演のLOVERSで鍛えた彼女の舞には引き込まれ物語の山場を盛り上げるには足りていた. さゆりは青き瞳を持つ女という設定で色つきコンタクトに常に違和感を持っていたが,その点はチャン・ツィイーの方が 似合っていた.この映画の日本人に対する最大の違和感は登場人物達が子供でさえも英語でコミュニケーションをし, 所々,アメリカ人が好きそーなキーワードのみが片言の日本語で表現されている点だ.K-19というロシアの潜水艦軍事もの の時もそうであったが,アメリカはリアリティーの追求よりも自国民へのエンターテイメントの提供という主眼を重視し 興行収入を上げようとしているので合理的な国民性だ.(字幕版だと娯楽なのにめんどくさいと言うことで興行収入は減る.) そのおかげもあって,「日本の妖しい魅力を正確ではないものの興味を引く形で世界に発信」するという役割は12分に発揮されており, 日本人としてはハリウッドに足を向けて寝られないという感じがする. 序盤で登場する機関車の線路の上になぜか電車専用の送電線と架線柱があるのか!とか芸者ってホステスとは違う!と散々言いつつ 一緒にお風呂に入ってゲームをするようなおもてなしをするのか!とか突っ込み所はあるが,ラストサムライと同様にアメリカで アジアものが上映されるということに意義のある作品であった.(しかも登場するアメリカ人はどちらかというと汚れ役なのに!) ミシェル・ヨー(グリーン・ディスティニー,ポリスストーリー3)は落ち着きと上品さを兼ね備えており,渡辺謙を旦那とする 芸者を好演していた.役所広司(ローレライ)は満州で顔に火傷を負った男を演じていたが,今回の魅力は今ひとつ.工藤夕貴は 英語ぺらぺらだから配役されましたという感じで環境に適応しそして流されていく女を演じている.コン・リーは自分が過去に同じ境遇であったにも 関わらず他人を虐げる醜い女を熱演.そして最優秀演技賞は桃井かおりだ.冗談のない意地悪婆さんを素で演じているように見せるのが 彼女の魅力.タバコの蒸かし方一つでもとてもいやらしい.登場する女達は知性が少なくさすが水商売と思わせる短絡的な思考しか持ち合わせて いないのだが,それが観客に十分伝わったという点で役者達の演技は評価されるものであった.  ネタバレ→  田舎から売られて置屋に入った少女 大後寿々花は売れっ子芸者初桃こと コン・リーとボス 桃井かおりにいじめられながら過ごす. 悲しみの毎日だったが,かき氷を買ってくれたおじさん会長こと渡辺謙に出会い,いつの日か彼に見初められることだけを生きる糧に 生活していく.15歳になりチャン・ツィーはコン・リーと敵対するかつて自分がその着物を住で汚してしまった豆葉ことミッシェル・ヨーと 姉妹のちぎりを交わし芸者になる.上り詰めていくチャン・チィー.うなぎと洞窟の話を経て,処女を買ってもらう競りで 最高値1万5千円をマークする.戦争の悪化で役所広司の手配により山に逃れたチャン.工場再建のために米軍大佐を接待してほしいという 役所広司.昔の仲間が集う中,渡辺謙に思いを馳せるチャン.しかしここで幼なじみで同じ境遇だったおカボ(パンプキン)こと工藤夕貴の裏切りが あった.自分が桃井かおりの養子になり財産を受け継ぐはずであったが,出世してその座を横取りしたチャンを実は恨んでいたのだ. 自分のまぐわりを渡辺謙に見られたチャンは悲しむが,最後は渡辺謙の愛に抱かれてエンディングとなる. ミッシェル・ヨーと組んで芸者になるように仕組んだのは実は渡辺謙だったのだ.(その時にもう分かっていたが・・) 要は,かき氷を上げたときから自分の好みだった女の子を囲いたいというロリコンオヤジ渡辺謙の物語だったのである. まったく.そんな話しを純愛に仕立て上げるハリウッドは困ったものだ!プソプソ.  ←   監督はシカゴのロブ・マーシャル.プロデュースにはスティーブン・スピルバーグがいる.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  絢爛 無垢 毅然



ミスター アンド ミセス スミス MR.& MRS.SMITH 2005年
★★★★★ 公式サイト118分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  やりすぎ!の脚本をさしおいて最高の2人のオーラが絡み合い大満足の2時間を得られる.
本編感想  ブラット・ピット(トロイ),アンジェリーナ・ジョリー(トゥームレイダー) ブラット・ピットの友人兼同僚としてヴィンス・ヴォーン(ロスト・ワールド,ジュウラシック・パーク)が良い味出している. 白いカラスに出演していた黒人のケリー・ワシントンがアンジェリーナの補佐役エージェントとして出演している. ラストのバトルはまるでクリスチャン・ベール主演のリベリオンのガンカタである.敵を意識しないで自分の射撃ポーズだけを 意識したぶっ放しのシーンには思わず口があんぐり.まるで背景の花火のように,主人公達を狙ってはいるのだろうがまったくあたらない ロケット砲の数々.それにも口があんぐり.しかし,そこが最高の見所でもある.ショッピングセンターでの銃撃バトルで アンジーとブラピがエレベーターに乗るコミカルなシーンがあるが,その時のサブマシンガンの槓桿は引きっぱなしの射撃不能位置に きている.そんなんじゃドアが開いてすぐに打てないじゃん!とつっこみたくなった.この映画は細かいところの描写もしっかりしていて とても好感が持てる.ブラピが追っ手をやっつけた後,車に乗って逃げる時に,前輪と後輪で2度車が上下に跳ね上がる. その経路上に工作員が倒れていたことを見せはしないが表現しているのだ. ボーン・スプレマシーはそれほどでもなかったがボーン・アイデンティティーは凄いと思わされた.さすがはその監督タグ・リーマンである. 2人の荒々しいセックスにも似たマイホーム内での撃ち合い殴り合いのシーンも凄い.まるでターミネーター3のシュワルツェネッガーT-850と クリスタナ・ローケンT-Xのバトルを見ているかのように壁に互いの体をゴツゴツぶつけるバトル.夫婦げんかの要素も加わり迫力も満点で 息もつけない.それにしてもアンジェリーナ・ジョリーの胸はでかい.ソフトSMシーンがあり,パニッシュをもとめる男を鞭でシバク場面が あるのだが,その時のボンテージ姿といったら,これでもか!と胸を締め上げ,恐ろしいほどである.そういう意味でも息がつけない.  ネタバレ→  スパイ映画ではなくコメディなので潜入や工作についてかなり都合の良いところが目立つ. まず,最初にブラピがアンジーをロケット砲で吹き飛ばす.発射の寸前にアンジーが視界から消えるのを見ているわけだが, 秒速150m/sだとしても,約2秒で弾着するくらいの距離だった.あれだけの大爆発に見舞われ,小屋は木っ端みじんになったはずだが, アンジーは顔にかすり傷と肩にアザができる程度である.うーん.都合が良い. 次に,ブラピがアンジーのアジトに忍び込むシーンだが・・熱感知で通気口内を検知できるのなら,最初ッから異常が分かるように セキュリティーくんどけよ!と思うし,通気口に人が入れるようにするなよ!と笑ってしまう. その後,となりのビルに槍を打ち込んで逃げていくのも笑える.だいたい,金で殺しを請け負う非政府組織が2つあって互いに 敵対しているという設定だが,あれだけ派手に,予算を使って好き放題に人を殺せる組織があるのか.あっても国家機関直属でなければならないだろう. 敵対する組織として,CIAとKGBとかであれば分からなくもないが,その線もないだろう.一番納得いかないのは 2人が互いの組織から追われて,協力して最初のターゲットを捕まえるシーンである. 排水溝の中を匍っていくブラピをアンジーがサポートするのだが,さっきまで「明かりを付けろ!やばいやばい!」と叫んでいたにもかかわらず, 相当な警備の(しかもアメリカ国内の市街地にあるのに,どう見てもアメリカ軍以外の正規軍兵士が何十人も警備している.)中,たった一人で 潜入し目的の扉に辿り着き,扉を爆破し,暴れるターゲットを袋詰めにして,一人でお持ち帰りする.というのが納得できない. とてもじゃないが,兵士を全員殺した後にしか成し遂げられない偉業だと思う.しかし,この誘拐はストーリー上,2人に自分たちが追われている ことを知らすための重要なポイントなのでまあ許す.  ←   監督はボーン・アイデンティティーのタグ・リーマン.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  一瞬で恋におちた,ふたり.おたがい,その正体は秘密.



ハリー・ポッターと炎のゴブレット HARRY POTTER 4 2005年
★★★__ 公式サイト157分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  CGだけに頼ったシリーズ最悪作.
本編感想  ハリーポッターことダニエル・ラドクリフ君がかなりの青年になってしまい,このシリーズへの熱烈ファンの 減少が心配される中,4が公開された.原作に忠実に暗いイメージを重視しての公開となったため,オーストラリアでは ラドクリフの友人役ルパート・グリントは序盤で はぁ?と思うほどダニエル・ラドクリフに冷たく接しているが, 知らない間にまた仲良くなっている.うーん.原作では細かい描写まであるのであろうが,映画版では時間の都合で 端折られ端折られされていくうちに観客に不可解な印象を与える構成になってしまったのだろう. それでも約2時間40分という長さである.物語は全編に渡り端折られたためやや意味不明という箇所が多い. 原作の山場をちゃんと伝えなきゃ!という使命観に駆られているスタッフの意気込みもわかるが, 一連のストーリーを見せてあげる.ということに終始し,感動はない.むしろ,不自然なエピソード間の繋がりが, 作品への不満を噴出させる良好なキッカケとなっている.場面場面の映像スペクタクルはCGの効果的な活用により 賞賛に値するモノばかりだが,物語を客に共感させるといった点では非常にお寒い映画になりさがっていたのは残念だ. そんな中でも少女から女性への変貌を遂げる成長期にいるエマ・ワトソンの存在が,寒さを忘れさせてくれる存在として ひときわ輝いている.思春期のダニエル,ルパートらが,彼女にビンビン来ないわけがない!!と思わせるほどの 成長ぶりだ.なのに,ダニエルは5000人のオーディションから抜擢された演技初経験のケイティ・リューングに 恋心を抱いてみせる.しかし,この思春期の恋心を描く内容も中途半端でメインストーリーに大した関係はない. 彼女を助けるシーンでも,全員いっしょに助けよう!とか,優勝を手にしようとするまさにその瞬間に,ライバルに対して 「一緒にとろう.」とか,全世界のちびっ子ファン達におもねったような行動をとる. 魔法学校の婆さん教師マギー・スミス. ダニエルのドタマをガツガツ叩く魔法教師アラン・リックマン. フトッチョ講師ハグリッドは4作通してロビー・コルトレーン. 本作初参加で左目がぐりぐり動き回る教師にブレンダン・グリーソン(ヴィレッジ,ギャンブ・オブ・ニューヨーク). ホグワーツ校校長ダンブルドアにマイケル・ガンボン. ダニエルのライバルでスリザリンに属し意地悪なトム・フェルトン. ホグワーツ校の正式な代表選手はロバート・パディンソン.せっかく最優秀選手として選ばれたのに,おいしいところは全てダニエルに持って行かれ, かわいそうな役だった. フランスのボーバトン校代表クレンマス・ポエジーは3大魔法学校のバトルに女の子を入れなくてはならない!というストーリー上の都合から 無理矢理キャスティングされたような存在で,大した活躍もなく存在自体がかわいそうな役であった. スウェーデンのタームストラング校代表で筋肉系のスターニスラフ・イワネフスキー.(廊下でしゃべっていたら,その声を聞いた関係者の目にとまり,オーディションに誘われていきなりこの大役をゲット!)  ネタバレ→  ←   シリーズの原作はJ・K・ローリング.  監督はシリーズ内でも毎回変わっており,今回はモナリザ・スマイル(2003)のマイク・ニューウェル.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  



エリザベスタウン ELIZABETHTOWN 2005年
★★★__ 公式サイト123分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  父の遺骨を持ってアメリカ中に灰をまき散らす旅にキルティン・ダンストという悪女の味付け.
本編感想  キングダム・オブ・ヘブンのオーランドブルームがアメリカ大手シューズメーカーのデザイナーとして大失敗をし, 自殺の道を選ぼうとする青年を演じ,スパイダーマンのキルティン・ダンストが機内でベタ付いてきたフライトアテンダントを演じる. 2人は惹かれ,一時しのぎ,代用品としての恋人状態に陥るのだ.スパイダーマンでは笑顔を見せない印象の彼女だが, 本作では男を誘惑する女を演じている.出会いって間もないのにスチュアーデスという立場を利用してお気に入りの男性に 様々なサービスをして自分の退屈を凌ぐ.あげく電話番号を渡してしまう.この一連の動作は彼女の立場を利用した誘惑行為は 初めてではなく手慣れたものであることを示している.そんな女性に良いように操られるかわいそうなオーランドブルーム. かわいそうと言えば,とても肋骨を貫けそうもない自殺用ナイフ自転車で自殺を試みようと決意する彼自身だ.  本作のネタは「死んだ父は実は人気者であったという実感を息子が得る」というところに多少ある.そう言う意味では, ユアン・マクレガー主演のビックフィッシュと被っている.親戚にキューティー・ブロンドで上院議員を演じたブルース・マッギルは マッチスティックメンでニコラス・ケイジに欺されたときのようにうさんくさいオヤジとして今回も登場し,作品の格を上げている. アレック・ボールドウィン(アビエイター)も親戚として出演している. 夫を亡くした母親役にスーザン・サンドラン.葬式での彼女の挨拶も本作の見せ場の一つになっている.日本人とアメリカ人の 感覚の違いが多少なりとも見えるので有益だ. ヴィレッジでガクガク震える女を演じたジュディ・グリアがオーランドの妹を, ステルスで準主役を張ったジェシカ・ビールが彼の元恋人を演じている.  ネタバレ→  オーランドはキルティン・ダンストに操られるように彼女が作ったアルバム兼プログラムに従って米国内を 旅し,父の灰をあちこちにまき散らしてストレス解消する.次第に心が楽になっていったオーランドは生きる希望を 取り返す.これがメインテーマ.それにしてもあのアルバムは1日や2日で作ることは絶対にできないような 濃密な情報量だったと思うのでその点は釈然としない.  ←   監督はバニラ・スカイ,あの頃ペニーレインと のキャメロン・クロウ.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  爽やかな感動で満たされる奇跡の6日間.すべてを失った僕を,待っている場所があった.



イン・ハー・シューズ IN HER SHOES 2005年
★★★__ 公式サイト131分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  こんなにわがままでそれでいて美味しいところだけ持って行く妹がいたらヤダ!
本編感想  わがままできままでややセクシーで要領が良いダメ妹をキャメロン・ディアス(チャーリーズ・エンジェル)が 弁護士の姉をトニー・コレット(シックスセンスではオスメント君の母親役)が演じる姉妹愛の物語. 離ればなれのおばあさんをシャーリー・マクレーン(愛と追憶の日々でアカデミー賞受賞) トニー・コレットを思う弁護士男性にマーク・フォイアスタイン.アメリカ人にはあの「かえるのような顔」のキャメロン・ディアズが チャーミングに見えるのかなぁ.主人公の姉妹はもう結構歳が逝っちゃってて,単純な魅力には欠けた. しかし,それだからこそ現実感とか切迫感みたいなものがこの映画に存在し,観客は引き込まれていくのだろう. そんな物語であるが故に,やはりキャメロン・ディアズの小悪魔的なレディーではなく,小悪魔的な弱オバハンの無邪気な 自分勝手さが興醒めを引き起こす原因になっていやであった.端的に言ってしまえば,「自分に合う靴を生涯掛けて探してください. あんたに合う靴はないから.靴に合う足に自分でする努力をしろ!」と言いたくなってしまうのだ.本来そう言いたくなる客を 脚本とキャストの力で,「うん.そうだね.自分を社会に合わすより,自分が合う環境を探しても良いんだね.」と 言わせてくれるような作品であってほしかった.  ネタバレ→  文章を読むことが困難なキャメロンが老人ホームで本を読んで上げていた元教授の男性はある朝,死んでベットも整理されていた.  ←   脚本はエリンブロコビッチのスザンナ・グラント.監督は8 Mile, L.A.コンフィデンシャルのカーティス・ハンソン.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  そして,私は旅に出た.自分だけの靴を探しに−.私たちは何度もすりむいて自分だけの“靴”を見つける.



春の雪 SNOWY LOVE FALLIN IN SPRING 2005年
★★★__ 公式サイト150分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  男の無邪気さ子供っぽさを妻夫木が,女の忍耐・成熟さを竹内結子が演じる三島由紀夫の世界.
本編感想  大正時代の貴族の恋愛を描いた三島由紀夫の原作「春の雪」.狂おしく舌を交わらせる妻夫木聡と竹内結子がこの映画の 主人公だ.妻夫木との学習院のご学友を「コンクリート」で残虐な殺人犯を演じ,パッチギで番長を演じた高岡蒼佑が好演している. 最初は大して好きでもないフリをしていた妻夫木聡が,幼なじみの竹内結子にドロドロと溶けていくのがこの映画のメインストーリー. 渋みのわき出していた役者として,妻夫木の父親役 榎本孝明,竹内結子の婆や役 大楠道代を挙げる. エンディングテーマは宇多田ヒカルのBe My Love.母さんどおして?育てたものまでこの手で壊さなきゃならないの? という歌詞が輪廻転生や来世の愛をテーマとする三島の物語のエンディングにしっくり来る.  ネタバレ→  ラストは春の雪が溶けた雪解け水に戯れる2匹のてふてふが結ばれることのなかった2人を象徴してか,輪廻転生してか,木漏れ日の中を飛び回る.  ←   監督はGO! 世界の中心で愛を叫ぶの行定勲.  Amazon.co.jp「

キャッチコピー  愛しては,ならない.



まだまだあぶない刑事 MADAMADA ABUNAI DEKA 2005年
★★___ 公式サイト108分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  館ひろしと柴田恭兵の渋いグラサン姿をノスタルジックに眺めるための映画.けっしてストーリーを鑑賞してはならない.
本編感想  館ひろしと柴田恭兵はおそらく私有車と思われるマセラティ(イタリア高級外車3000万円くらい)を乗り回している.これに乗っているときは, 車はけっして被弾しないしまして,横転もしない.対戦車ライフル銃で狙われるシーンもあるが,マセラティに傷付けねーよなぁと想いながら見ていると 案の定,通行した後方で煙を上げる爆薬の数々.それに対して犯人の乗るショボイ車(おそらく古いMARK2だったのではないか?)が出てきた瞬間. この車は横転して爆発炎上だな.とおもったら案の定・・.  館ひろし(西武警察),浅野温子,仲村トオル(海猫),柴田恭兵(半落ち),佐野隆太(ローレライ),窪塚俊介(最終兵器彼女),ベンガル,水川あさみ(映画 深紅主演),木の実ナナ,小林稔侍(たそがれ清兵衛),原沙知絵(ヒノキオ,蝉しぐれ) という当時のメンバー+αが集結し,クドクドとお決まりのネタを披露する.特に浅野温子のきゅうりとコスプレのしつこさには退かない人はいないのではないだろうか? 爆弾を爆弾とも思っていない一味の行動は大人が「ゴレンジャー」などの戦隊モノを見るときと同様のむずむずする感覚を余儀なくされる. 脚本も練ったつもりでフレームシフト(じつは・・こんな真実が!みたいな)も盛り込まれてはいるが,そうだとすると・・釈然としない無理矢理感が 強すぎてうまく飲み込めないものになっている.この映画の救いは館ひろしと柴田恭兵が衰えては いるもののその存在だけで十分魅力となっていた点につきる.  ネタバレ→  実は佐野隆太と窪塚俊介はテログループの首謀者で,武器取引を根絶するという大義名分のもと, 核爆弾でサッカー会場ごと吹き飛ばし,インターネットの賭で自分たちとアブデカコンビのバトルを 盛り上げ資金調達もしようとしていたという落ち.ネタはシュリと被っている上に,下手にギャグが 入っていて興醒めもいいところ.  ←   監督はながれものシリーズ,最後の組長の鳥井邦夫  Amazon.co.jp「

キャッチコピー  オマタセ,ベイベー.イッツ・ショータイム.



この胸いっぱいの愛を KONOMUNE IPPAI NO AIO 2005年
★★★__ 公式サイト130分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  過去に行ったり,起こったことをやり直せるなんてズルイね.でもこのズルさが映画ならではのおもしろさなんだな.
本編感想  伊藤英明(陰陽師シリーズ,海猿シリーズ,YASYA),勝地涼(亡国のイージス,バトルロワイヤルII),宮藤官九朗(福耳),倍賞千恵子の 4人は飛行機に乗っていたが突然20年前の1986年にタイムスリップしてしまう.伊藤英明は幼い頃に好きだったが既に死んでしまった ミムラ(着信あり2)に合う.うーん.都合の良い物語だ.黄泉がえりの過去版というキャッチコピーは まったくその通り.都合が良いのだが,役者が良いとその辺はそんなに気になってこない.その他の出演者はダンカン,中村勘三郎,愛川欽也.  ネタバレ→  自分が過去に最も後悔したことに決着を付けると過去に戻った人間は消えてしまう.という事実が発覚する. しかし,タイムスリップした4人は既に死んでおり,幻を見ていたのだというオチ. 倍賞知恵子は自分のかわいがっていた盲導犬の死に目に会えずに後悔していた. 勝地涼は自分を産んで引き替えに死んだ母に未練を.伊藤英明は大好きだったミムラ姉さんを思っていた. 宮藤官九朗は腹いせにめちゃくちゃにしてしまった中村勘三郎の花壇に対する懺悔を. それぞれの後悔を解消して4人は消えていく. 音大を優秀な成績で出たバイオリニストのミムラだったが病気の苦しみのために死ぬ.という未来を 伊藤英明が変え,天命を全うするという未来に変わるのだった.  ←   監督はカナリア,害虫,黄泉がえりの塩田明彦.  Amazon.co.jp「

キャッチコピー  もし,人生でひとつだけやり直すことができるなら・・・ 「黄泉がえり」のスタッフが贈る,未来からの黄泉がえり



ヒノキオ HINOKIO 2005年
★★★__ 公式サイト111分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  逸材 多部未華子(たべみかこ)の輝きと演技を観るための映画.CGモノとしてはかなりの大作.
本編感想  気になっていた日本映画の一つだが,劇場で観ることができずに,レンタルで観ることとなった.  引きこもりの少年,本郷奏多(ほんごうかなた)がヒノキオというロボットを遠隔操縦して学校に行くという 引きこもりストーリー.本郷奏多はリターナーで金城武の幼少期を演じていた役者.そのロボットを通じて彼と友情をはぐくむ少年に1000人の中からオーディションで 選ばれた多部未華子(たべみかこ)が抜擢された.この2人は将来伸びる逸材だ.今後目が離せないだろう.両方とも,かの名子役ハーレイ・ジョエル・オスメント君 と似たものを感じる.本郷奏多が引きこもりになったのは母親の死が原因の一つだ.父 中村雅俊(夜逃げ屋本舗)はロボット科学者でヒノキオを造り,自分の子供との コミュニケーションツールとして子供の引きこもりを助長している.異常な家庭だ.それにしても,遠隔操縦ロボットで学校に出席してそれで 万事OKというこの学校はいったい何なのだろう.授業なら,全て本人も見聞きしていることになるのでいいだろうが,さすがに体育までロボットで参加して いるのはどうかしている.それにしても子供というのは残酷だ.最初は珍しがってロボを扱うが,しだいに,自分たちの下僕のように接し,落とし穴にはめたり, 罠線に掛けたり,通常人間にはできない危険な行為を平気で浴びせる.リハビリのためロボ遠隔操縦で社会になじもうとしているヒッキー少年には かえって逆効果ではないのだろうか? 学校のマドンナ役の堀北真希(四谷怪談シリーズ主演,逆境ナインヒロイン)は一見小学生に見えないが, メークとカツラとあどけなさの強調によって,顔アップの時だけはしっかり小学生に 見せているのはさすがだ.堀北真希と遠隔操縦ヒノキオが遊園地でデートするシーンがあるが,まともな女の子だったら, 自殺ものの恥ずかしさのはずだ.しかし,ここで自殺を乗り越えて元気に生きる彼女自身や多部未華子の話がでて,心の弱さで 引きこもりに走っていた本郷奏多が自分自身を省みるためのシーンとなっていたことは見逃せない. 学級委員長役で目がねッ子キャラの「一番大切な人は誰ですか?」で子役を務めた小林涼子は,前半ではヒノキオに対して好意的だが,後半ではダークな一面も見せる. ヒノキオに理解を示す担任の先生に蝉しぐれの原沙知絵.中村雅俊のジョシュに牧瀬里穂といった面々がいる. すこし蛇足気味だったシーンとして煙突の上に昇った多部未華子が地震でグラつき落下する場面をあげる.物語の本筋とあまり関係ないし,100mくらいから落下してかすり傷 程度というのはあまりにおかしい.落下したからと言ってヒッキーが心を入れ替えるというロジックでもない.この点は気に入らん! 気になった役者として同級生の中で最も眉毛が太かった加藤諒をあげる.  ネタバレ→  少年と見せかけていた同級生 多部未華子は(名前に子が付いているだけあって)実は女の子であった.釣りに行き,心を通わせる2人だが, 多部が海に落ちたのを助けるために案の定ヒノキオも落下して浸水沈没する.外見上の配線の剥き出し具合から想像して一瞬のうちに ショートし,それだけではなく,遠隔操縦も不可能になるはずだが,水中でかなり長い時間泳いで浮上しようと試みている.納得いかん. しかし,コミカルなので許す. 学級委員長小林涼子の告発でヒノキオは軍事用ロボットの前身である疑いが掛けられ,イジメに合う.踏切でロボ自殺させ,その衝撃が 本体の本郷奏多にフィードバックし,本人も昏睡状態へ・・・(まるでエヴァンゲリオンですね.)昏睡状態の時に,母親に会い父 中村雅俊との和解を果たす. ラストは引っ越す多部未華子を見送るために,父の操縦するヒノキオにオンブされ,本郷奏多の素顔を見せ見送る.しかし,その直後に,女子中学生の制服を着た かわいい(じつにかわいい)多部未華子と再会を果たし握手をして画面は引きに引き,太陽系の外まで飛び出してスタッフロールへとつながる. 結局はホンダのアシモに代表される自立歩行ロボと引きこもりとを題材に2人の魅力的な新人子役のラブストーリーイントロダクションを表現する映画なのであった.  ←   原案・監督・VFXは映画ファイナル・ファンタジーのCGディレクターだった秋山貴彦.  Amazon.co.jp「
ヒノキオ
キャッチコピー  ある朝,新しい友達が登校してきた.閉ざされた少年の心がロボットを通じてあなたとつながる.



武装戦線 〜政府軍vs革命軍〜 BUSOUSENSEN 2005年
★★★__ 紹介サイト95分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  飛び散る頭蓋と味噌,利き腕.傭兵という理不尽とそこでしか生きていけない人々.今ひとつの盛り上がりの中に真実はあった.
本編感想  映画は傭兵という言葉の説明から入る.フィリピンの首都マニラで傭兵部隊をたった一人で全滅させた伝説のリヴァイアサン. 彼を追うために日本から来たジャーナリストに北村一輝(あずみシリーズ,戦国自衛隊1549). ジープに乗ったまま襲撃を受ける最初の戦闘遭遇シーンだが,連携もせずに深追いし返り討ちに遭う. 2番目の戦闘だが,これは指揮官の指揮のもと組織的な戦闘を見せる.リアルな感じがした. 日本から「傭兵になるために外人部隊に入ります」と言う人を減らすのが目的なのか,それでも行きますと言う人を増やすのが目的なのかは 分からないが,砕け散る脳みそや飛び散る手足を臨場感たっぷりに描いている.さすがはやくざ映画の監督だ. 逃げまどい,自らでは為す術のない生粋の戦後日本人を北村一輝が演じる.  傭兵部隊長の小沢仁志はりりしくいい男だ.部隊を引っ張ってきた頼れる男の散り様もあっけなくて とてもよい.脚本にウィットは無いが,戦闘シーンにはリアリティーを感じた.映画作成に込められたメッセージもわかりやすく いいのだが,ハリウッド大作などの造りに比べ,流れにうねりや盛り上がりが感じられないのはやはり寂しいものだ.  ネタバレ→  北村の同行した傭兵部隊はおそらくリヴァイアサンと思われるスナイパーに全滅させられ,北村一人で何とか逃げ切る. 一晩明けてジャングルを彷徨っていると洞窟の中に神々しく蝋燭の光が立ちこめるのを見つけた.何とそこがリヴァイアサンのアジトだったのだ. 飾られているキリスト像に目を奪われていると,彼が帰ってくる.命を狙われる北村だが,そこに突然乗り込んでくるフィリピン正規軍. 難を逃れる北村だが,被弾する.ここからは,リヴァイアサンと正規軍の撃ちまくりバトルシーン. 洞窟の大爆破でケリをつけた正規軍だが,リヴァイアサンは逃げ切ってそれから一切の痕跡を絶った. 最後は北村が「リヴァイアサンなんて居なかったのかも知れない.戦場で最も怖いのは人間ヒトリヒトリの心の中にいる 小さなリヴァイアサンで,5分も経てば忘れてしまうような怒りが積み重なり合い,戦争を起こすんだ.」とまとめている. 戦争で死んでいった方々に捧げるというクレジットと共に,スタッフロールへとつながる.  ←   監督は実録広島やくざ戦争,伝説のやくざの辻裕之  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  男が見たもう一つの戦争.伝説の傭兵リヴァイアサンとは



カラオケ-人生紙一重- KARAOKE 2005年
★★★__ Amazon
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  カラオケ発明の父 井上大佑の人生を押尾学で映画化.何か特許を取りたくなる作品.
本編感想  芸能界きってのプレーボーイで,ルックスとお茶目さのギャップが女の子に受けているという噂の押尾学が映画初主演. 父を宇崎竜童(デビルマン),母を室井滋(OUT),妹に貫地谷しほり(スィングガールズ)という家族構成. コネで大手商社に勤めていた押尾学だが,楽譜も読めないのに音楽がやりたいとドラマーを目指す. 宇崎竜童の友人に高田純次とベンガル.劇中歌手役として黒子を落とした後の千昌夫が出演している. バンドの歌姫に吉岡美穂,彼女のガンコな父親に蟹江敬三. 父親の反対を押し切り,吉岡美穂と押尾学は結婚. 時は日本が好景気からバブル崩壊不景気に向かうさなか,結婚して定職に就こうとする押尾学. 本を売ろうとしたが売れず,オルガン弾きに・・・妻に弾き方を指導されながらがんばるがうまくいかず・・ オルガンを弾いているときの手はどう見ても女の手で,男の手には見えない.替え玉演奏だろう. しかし,このオルガン演奏がカラオケの発明に大きく寄与する. この映画はここからがおもしろい.人々が初めて「カラオケ」というモノを目の当たりにし, 最初はジュークボックスと勘違いして怒る人もいたが,自己表現が苦手とされる日本人が 歌うという行為にはまっていく様子がありありと描かれている. 武装戦線 〜政府軍vs革命軍〜の小沢仁志も少し出演している. カラオケが普及したが,特許を取らず,アジアの夜を変えた偉大な男だが,結局お金の面では 得をすることができなかった.そんなおじさん・おばさんになった夫婦を押尾と吉岡が演じているのだが, 押尾はどう見ても若すぎて不自然なのに対し,吉岡は年老いた化粧で何となくおばさんに見える. エンドロールの後には,「おとうさんがんばって!」という子供たちのメッセージが込められており, これこそがこの映画のメッセージであると確信した.  ネタバレ→  押尾学が主題歌まで歌っているが,彼が主役を張る理由は見つからない.  ←   監督は修羅の群れ(2002年)の辻裕之.  Amazon.co.jp「カラオケ
キャッチコピー  この映画は全国のお父さんへの応援歌です.日本が一番元気だった時代.世紀の大発明をした男の物語.



THE 3名様 秋は恋っしょ! THE SANMEISAMA 2005年
★____ 公式サイト60分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  むかつきながら見るのが本道のクソ映画.空振り系・脱力というロゴは正しい.
本編感想  佐藤隆太(IWGP,ローレライ)と岡田義徳(木更津キャッツアイ,下妻物語),塚本高史(ロボコン,ロッカーズ)の3人がダラダラと 時間を過ごす様を見る映画.ハンバーグファミリーレストランBigBoyでダラダラと小ネタを披露していく3人のファンのための映画. 必要以上に大げさな演技が嫌いな人には吐き気がほどくだらなくムカツク作品.お店の備品をいじくり回して遊び,騒ぎ回る 一行に興醒めしか覚えない.それにしても,何となくだが・・塚本高史はそれとなく,鳥肌実に似ている.んなことぁどうでもいい. ゼロ★となる出来の映画だが,この3人は好きなので1★とした. 小ネタと小ネタの間に,各人のお気に入りサムシングが紹介される.嗚呼・・やっとおわった.3人の歌う脱力系歌詞の歌がエンディングを飾る.  ネタバレ→  母と娘でご飯だけを分け合って食べる親子を見かけてかわいそうになり,カレーを注文してあげる3人だが, そのカレーが届く前にステーキと成金親父が登場し,その後カレーが到着して気まずくなる.これはまあまあいけた.←   監督は逆境ナイン(2005年)の脚本をした福田雄一.  Amazon.co.jp「THE 3名様
キャッチコピー  青春空振り系,脱力コメディ



レイクサイドマーダーケース THE LAKESIDE MURDER CASE 2005年
★★★☆_ Amazon118分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  一連の手口を疑似体験できるのがこの映画の魅力.更に我々を待っているパラダイム変化と親子の関係.
本編感想 写真家 眞野裕子と不倫する役所広司.別居しているその妻,薬師丸ひろ子と娘 牧野有紗. 娘を有名中学に入学させようと親子面接合宿のためログハウスですごす家族. 面接合宿に参加している親御さんに柄本明とその妻 黒田福美,鶴見辰吾とその妻 杉田かおる. 塾の先生で面接官役の男に豊川悦司. 本映画の主演賞は文句なしで柄本明.それにしても,薬師丸ひろ子が出演していると映画が古いような感覚に襲われる. ラストには,例のライターと序盤に眞野裕子が撮影していた被写体との効果的なコラボレーションが堪能できる.  ネタバレ→  薬師丸ひろ子と別居中の役所広司はよりによって面接合宿に愛人の女 眞野裕子を連れくる. バーベキューが終わった後,夫と別れろと迫った眞野裕子を薬師丸ひろ子が撲殺してしまう. これがレイクサイドマーダー事件だ.一行は子供への悪影響を考えて柄本明を中心に殺人を無かったことにするため 集団で隠蔽工作を行う.という話しだったが,試験問題の漏洩に関する工作で眞野裕子が知り強請に入った. それを子供たちが殺害した.親たちが我が子をかばうために今回の隠蔽工作を企てた.  ←   原作は「レイクサイド」の東野圭吾.  監督・脚本はEUREKAユリイカの青山真治.  Amazon.co.jp「レイクサイド マーダーケース
キャッチコピー  真実は,湖の底へ.



いぬのえいが INUNOEIGA 2004年
★★★__ 公式サイト96分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  様々な役者を効果的に起用し犬好きには共感できるような数々のエピソードが収録されている.意外とおいしい映画だった.
本編感想  漫画やオペラなどの要素も取り入れた犬に関する総合エンターテイメント.当初, 可愛い犬が出てきてその犬の生涯を語るようなクイール系の映画かと思っていたら,大間違い. 10本程度の短編犬がらみストーリーから本映画は構成される. オペラ編は,佐野史郎,渡辺えり子が自分のワンちゃん自慢をオペラ調に主張し,踊り狂い騒ぐ.言っている内容はまあまあおもしろい. セレブ女優として吉川ひなのがちょい出演. CM編は,CM作成者の中村獅童(今会いに行きます)が伊東美咲(海猫)を起用したドッグフードのCMを スポンサー北村総一朗(踊るシリーズ)や美咲のマネージャー戸田恵子(ショムニ),上司の高橋克実(ショムニ)の意見を取り入れて 作っていく様子が描かれる.中村獅童の困り様と変更され変わり果てていくCMの内容がゴッツイおもしろい.全短編の中でこの章が 最も見応えがある.犬はシー・ズー・ロビン. ポチ編は,木村多江のパン屋の周りで戯れる少年の投げるボールを拾う犬ポチにまつわる物語のプロローグ. 入院した少年を追ってポチは病院へ向かう.これは数話にわたり一連のエピソードになっている.犬は柴犬. コロ編は,佐藤隆太が連れて歩くブルドックに似た犬の視点からの世界を見せる. 佐藤隆太は造花が大好きな女の子 乙葉に恋をしている.犬はパグ(原産国中国)でその声は荒川良々が担当している. コロのお目当ての犬はポメラニアン. 天海祐希と川平慈英(かびらじえい)の恋愛物語.森下能幸(サバイブスタイル5+)もちょい役で出演. バウリンガル編は動物行動学の権威 田中要次が犬の言葉を訳す機械を作ったというもの.犬の言葉を理解するために生涯研究に打ち込んだ 男の物語.様々な犬が登場するが,本人はパピオン(フランス語でチョウチョの意)をかっている. ポチ病院編でポチはテニスボールを大事にし,病院の前で天命を全うする. ポチ編の少女は大きくなって小西真奈美になっていた.そして昔ポチと戯れていた少年の大人になった姿こそ中村獅童であった. マリモ編は,生まれたての赤ん坊から徐々に成長し,子供を産んで大人なる.小学生の女の子よりも幼かったのに, 人間よりも早く成長して先に死んでいく様子を描いている.その時の女の子を宮崎あおい が演じている.描き方が巧妙でかなり惹き付けられた. 犬はボーダー・コリー. 各短編の間には犬の年度画像が入りかわいらしい仕草を見せてくれる.しかし,これはどうでもいい.  ネタバレ→  バウリンガル編で犬たちは田中要次に何かを告げようとワンワン吠えていたが,実は「禿げ!おまえ将来禿げるぞ!」と言っていた.これは笑える.  ←   監督は各ストーリーごとに違っており,黒田昌郎(よしお)(フランダースの犬),犬童一心(メゾン・ド・ヒミコ,タッチ) 祢津哲久(CM 東京電力電気のはなし),黒田秀樹(CM リゲイン24時間タタカエマスカ),佐藤信介(修羅雪姫),永井聡(CM 中居正広アーモンドチョコ),真田敦(CM きっかけは〜フジテレビ).  Amazon.co.jp「いぬのえいが プレミアム・エディション
キャッチコピー  



キングダム・オブ・ヘブン KINGDOM OF HEAVEN 2005年
★★★★_ 公式サイト145分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  戦闘シーンは間違いなく大作そのものだが,長くて飽きる.
本編感想 キリスト教とイスラム教の両方の聖地であるイエルサレムの両軍の奪回に関する戦い(キリスト教側から見れば十字軍の戦い) を描いた西暦1184年の物語. 父であるリーアム・ニーソンが主演のオーランド・ブルームを導き,十字軍として遠征を行う. バットマンビギンズの時もキンゼイレポートの時もそうであったが,人を導き納得させるような 役柄にリーアム・ニーソンの面構えはしっくり来る. ロード・オブ・ザ・リングシリーズやトロイに見られる鎧+剣+弓矢での中世型バトルが近年,大作と銘打って 頻繁に繰り出されているが,この映画も既存の名作にひけをとらず凄いバトルが展開されている.ミサイルや爆弾こそ登場しないまでも 当時の能力で可能な限り効率よく敵を滅ぼすための工夫が見られ,「戦争の合間の期間を平和と呼ぶ」という言葉の理解が 容易になるほど,人間とは殺し合いに執着してきた生き物なんだなぁと痛感するバトルシーンが展開される. 城壁を乗り越えようとしたり,ぶち破ろうとしたりするシーンの迫力は凄い.当時の実際の戦争よりも,リアルに描かれているのではないか?! と疑ってしまうほどリアルだ. ヒロインはエヴァ・グリーン.アラビア系を臭わせるはっきりとした顔立ちがキュートだ.物語の中盤になって やっと現れる.  ネタバレ→  エルサレムに立て籠もったオーランド達キリスト軍だったが最後はサラディン役のハッサン・マスードに城壁を破られ, 「女子供まで無事にローマに返してやる」という約束をしてこの十字軍は帰ることになる.  ←   監督はエイリアン,G.I.ジェーン,グラディエーター,ハンニバル,ブラックホークダウン,マッチスティックメンのあのリドリー・スコット.  Amazon.co.jp「キングダム・オブ・ヘブン 特別編(初回限定生産)
キャッチコピー  恐れず,敵に立ち向かえ,勇気を示せ,死を恐れず,真実を語れ,弱気を守り,正義に生きよ.



コード46 CODE46 2003年
★★___ Amazon93分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  こんな未来やだなぁと思わせるマザコン映画.
本編感想  刑事ティム・ロビンス(デッドマン・ウォーキング,ミスティック・リバー)と サマンサ・モートン(マイノリティーリポートの未来予知女,ギター弾きの恋,インアメリカ)の恋の物語. サマンサはとても近未来的な顔をしていると思う.おそらく作り物の人間の典型のような顔だからそう思うのだろうか? マイノリティーリポートの時は特にそう感じた.今回は彼女の下半身にぼかしが入るほどの愛をスクリーンで披露する.  CODE46とは法規46のことで,同じ遺伝子間の生殖は,いかなる場合も避けること.この法規を犯したものは犯罪者とみなす.という 近未来の法律でこの法規と二人の愛のせめぎ合いがストーリーの胆だ.それにしても女の方から誘惑すればその愛はうまくいく. だいたいそういうものだ.パペルと呼ばれる未来型の通行許可証に関して操作を行うティム・ロビンスなのだが, 結局サマンサ・モートンの魅力を操作する羽目になるのであった.  ネタバレ→  違法パペルを扱う犯罪者サマンサ・モートンだが記憶を消され,ティム・ロビンスとの関係の記憶も消される. しかし,サマンサが好きなティムは彼女との更なる接近を試みる.ここでCODE46が関係している.実は サマンサはティムの母親と同じDNAを持っているというのだ.そりゃ好きになるってもんか.幼くして 両親を亡くしたティムにとって,求めている姿がサマンサにあったのだ.まあ,題名とキャッチコピーから このストーリーは必然だとは思うが・・一応ネタバレコーナーに記入しておこう.それにしても,CODO46なんて 法律があるにもかかわらず,勝手に人の記憶を消してはいけないという法律がないのは疑問だ.未来には外の世界と 中の世界と呼ばれるように貧富の差が拡大しているようだが,パペルという重要なシステムにも 小娘がすり抜けられるような欠陥があるし,なんともむちゃくちゃな未来だなぁ.  ラストはティム・ロビンスの記憶が消され,元の家庭へと戻っていく.I miss youのサマンサ・モートンの一言で終わる.  ←   ティム・ロビンスのご都合主義映画であった.  監督はイン・ディス・ワールド,24アワー・バーディ・ピープルのマイケル・イィンターボトム.  Amazon.co.jp「CODE46 スペシャル・エディション
キャッチコピー  これは,百万本に一本のラブストーリー.禁じられても,もう,愛は在る.



白いカラス The Human Stain 2003年
★★★★_ 公式サイト108分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  まじめなアンソニー・ホプキンスと悪っぽいニコール・キッドマンに関係を持たせたらどうなるのか?を見るための映画.
本編感想  大学教授でまじめだったアンソニー・ホプキンス(ハンニバル)はやり手だったが,敵も多く人種差別の罠にはめられ 学部長の座を追われる.長年連れ添った妻がショックで死んでしまい,職も失って路頭に迷う. 偶然知り合った好き者女ニコール・キッドマンに誘惑され,そのままベットへ. 時はクリントンが不倫スキャンダルでモラルが話題になっている頃,バイアグラを使うことによって 年甲斐もなく35歳の女性に激しく燃え上がるものを隠しきれないジジイをアンソニーが演じている. こういう大人の恋愛感情の映画も楽しむことができるようになったとは,自分も大人になったなぁと 感慨にふける.黒人と白人の血が混ざった複雑な心境を持つ男の抱える問題こそがこの映画のテーマの本質で, 統一人種が主権を握っている日本では考えづらいアメリカにおける人種差別がテーマでこれが邦題の「白いカラス」 たる所以である.劇中では,ニコール・キッドマンの話し相手として黒いカラスが登場する. アンソニー・ホプキンスが大学を止めた本当の理由を理解したとき,鳥肌と共にこの映画の格調の高さが明らかになる. 原題は人間の汚点・染みと言った意味で,邦題と合わせて考えると深い.  ネタバレ→  精神が不安定なニコール・キッドマンはアンソニーにあたったあと,カラスと話して自分のしたことを 反省し,アンソニーの元へ戻り愛し合う.その直後車で雪道を走っていると,対向車がつっこんできて 行けにつっこみアンソニー・ホプキンスは死んでしまう.その後,教授の不名誉は黒人の同僚により撤回される. 彼らを死に追いやった男はベトナム帰りのPTSDの老人.  ←   監督はロバート・ベントン.  Amazon.co.jp「白いカラス Dual Edition
キャッチコピー  人間はどこまで,裸になれるのだろう.



ボーン・スプレマシー THE BOURNE SUPREMACY 120分
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  前作のミステリアスなスリルとは異なりアクションに重きを置いたことによりおもしろみは減少気味
本編感想  監督はスパイ・ゲームのトニー・スコット.一言で言うと,「能力のある達人ががんばっちゃうと ここまで何でもできちゃうんだ・・・」という映画.飛行機の中で日本公開前に全編英語版で鑑賞したが,結局英語を全て追えるわけではなく, 細部ロジックが解らなかったので,むなしくDVDをレンタルしてしまった. マット・デイモン(オーシャンズ11と12)とフランカ・ポテンテ(前作ボーンアイデンティティーのヒロイン)が ハッピーな生活を過ごしているところから物語は始まるが,すぐさま,殺し屋に追われる. 自分を追うCIAの作戦指揮官はジョアン・アレン(フェイス・オフ)はマット・デイモンに巧妙な手口で追われる. 自分が追っているつもりなのに,自分が追いつめられてしまう.その手口を見るのがこの映画のおもしろみだ. トレッドストーン作戦の全貌を知るCIA高官をフライアン・コックス(トロイ,アダプテーション,X-MEN2)と ジェイソン・ボーンを追うのだが,真実を知りたいジョアン・アレンと彼を殺してしまいたいフライアン・コックス. ボーンを狙う殺し屋をカール・アーバン(リディック,ロードオブザリングシリーズ),昔の作戦で ボーンを知る女諜報員にジュリア・スタイルズ(モナリザ・スマイル)という配役. それにしても,本気で犯罪しようとおもったらけっこうできるんだろうなぁと感じさせられる作品であった. CIAのトップエージェントの手口が大まかにわかる.実際はこの映画のように警官や機材を自由に使えないだろうし, 物語のように都合良く先が読めるわけでもない.ということは,工作員や犯罪者はもっと思いのままに行動ができると言うことだ. うーん.恐ろしい.カーチェイスも凄い.ジェイソン・ボーンからの視点を再現しようと特殊な車で牽引された車で撮影を行っている. おかげで車両がグルグル回転するシーンがよく出てくる.  ネタバレ→  序盤で脳天を打ち抜かれ川に沈んで死んだ女の写真やパスポートを燃やしているが,その時戸惑った2人で映っている写真は 燃やしておらず,最後まで持っていた.前作のトレッド・ストーン作戦で利益を上げていたフライアン・コックスは ボーンを殺した上に彼に罪を着せる「わざと指紋を残す作戦」を行ったが,結局ボーンに追いつめられ, 証拠のテープを録られる.生かしておいたが,結局自殺.ラストでマット・デイモンがモスクワに向かったのはボーン・アイデンティティーで彼が 行った最初の任務の時に自分が殺した夫妻の娘に謝りに行くためであった.娘の前で自分が殺したことを告げる.そして マッド・デイモンは社会復帰し,雑踏に消えて物語は終わる.  ←  マット・デイモンといえば,レオナルド・ディカプリオとの共演が決まっているハリウッド版インファナル・アフェアが 楽しみである.(原作はトニー・レオンとアンディ・ラウ)  Amazon.co.jp「ボーン・スプレマシー
キャッチコピー  愛の終わりは,戦いの始まり.



セイブ・ザ・ワールド THE IN-LAWS 2003年
★★★★_ Amazon95分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  痛快・オヤジ通しの友情CIA工作潜水艦おふざけスパイおもしろ映画.
本編感想  CIA秘密工作員のマイケル・ダグラスが私生活と世界を股に掛けた工作活動の両方に全力投球する一見スパイ映画風の コメディ.このオッサンの油のこさとアクティブさといったら,みのもんたを思い出さざるを得ない.その濃いオッサンが 自分のペースでガンガンみんなを引っかき回す. マイケル・ダグラスの息子ライアン・レイノルズ,その嫁リンゼイ・スーロンの結婚式が ストーリーの主軸となっているが,その合間にダグラスのCIAの仕事が大忙し. リンゼイ・スーロンの父親が大学教授でダグラスを嫌っているアルバート・ブルックスなのだが, なんとこのいけてないおじさんをCIAの仕事に利用して,伝説の殺し屋として悪党達に紹介してしまう. この映画の見所はマイケル・ダグラスとアルバート・ブルックスの凸凹コンビのおかしさだ. ダグラスは自信満々にアルバートはビビリながらも2人の歯車は合って物事がうまくいく. 作られたストーリーだとは分かっていても痛快さは十分味わえる.ラストには家族愛的なものが 前面に押し出され,終わってみれば満足度の高い良作であったという展開だ. ダグラスの妻にキャンディス・バーゲン.アルバート・ブルックスの妻に,マリア・リコッサとなっている.  ネタバレ→  潜水艦を購入し,核や兵器を世界のどこにでも輸送できるようにしようとする武器商人だが, 結婚式場ごとぶっ飛ばそうと思った魚雷をマイケル・ダグラスらの操るジェットスキーに誘導されて 潜水艦は大爆発する.(んなことあるかい!とおもいながらもまあ許せる.)  ←   監督はキルスティン・ダンストの 大統領に気をつけろ!(1999)のアンドリュー・フレミング.  Amazon.co.jp「セイブ・ザ・ワールド
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ドラマ 離婚弁護士II ハンサムウーマン 全6巻 RIKONBENGOSHI2 2003年
★★★__ Amazon全6巻
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  結婚・離婚・法律に関する知識の要点をおもしろおかしくテンポ良く学習することができる.いつか役に立つかも・・
本編感想  美人弁護士ハンサムウーマンを天海祐希.平べったい顔の中にも気強さと謙虚さがあるのが彼女の魅力だ. 敵対弁護士に瀬戸朝香.鼻っ柱つよくヒールとなるには適した存在.そんな2人のバトルが本シリーズの吸引力だ. 各話毎に痛快などんでん返しが用意されているので安心して作品を見続けることができる. 事務所の部下に,ボサボサ頭の津川雅彦(プライド).友人の戸田恵子,佐々木蔵之介と玉山鉄二.行き付けの寿司屋の板前に松重豊. 天海祐希が胸キュンする編集長に宇梶剛士. ●離婚後2年以内でないと慰謝料を請求できない.●借金を理由に偽装離婚を持ちかけられそれが嘘だったとき→不法行為→ 相手が違法なことをして損害を与えたという法律構成.財産分与で得られたであろう金を損害賠償として請求できる.の要件は 1離婚当時夫婦で築いた財産.2現在の財産.3騙されていた証拠.である. 第一話は内山理名.第二話は乙葉.第三話は小池栄子.第四話は田山涼成.第五話は横山めぐみ.第六話は秋本奈緒美. 第七話は江波杏子.第八話は田辺誠一,瀬戸朝香.第九話は星野真里(感染の若手看護婦).第十話は杉本彩(花と蛇). 彼らがそれぞれにヒーヒー言わされるが,主人公らが法によって正義の鉄槌を下してハッピーエンドへと流れていく. 演技が特にうまかった女優に小池栄子をあげる.おっぱい芸人から見事な女優へとなることだろう.第六話の柳沢慎吾は渋い役だ.男として惚れる. 矢沢心がムカツクエステ詐欺師を妙演してる.掌の返し具合がアッパレ.  ネタバレ→  実は天海祐希の昔の男とは・・佐藤隆太だった.  天海祐希,佐藤隆太,宇梶剛士の三角関係や,瀬戸朝香と玉山鉄二のロマンスがある. 第九話で宇梶剛士から天海祐希への愛の告白がある.でもライバルが佐藤隆太じゃあなぁ  ←   脚本は林宏司.演出は久保田哲史,松山博昭,葉山浩樹.  Amazon.co.jp「離婚弁護士2~ハンサムウーマン~ DVDBOX
キャッチコピー  みんな,愛のために闘っている.



陽はまた昇る HI HA MATANOBORU 2002年
★★★★_ 公式サイト108分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  情熱で世界を変えたVictorの技術者を西田敏行が熱演.魂の熱さで泣ける.
本編感想  SONYのBeta vs VictorのVHSの戦争をVictor側から描いた  技術屋から赤字部門のビデオ事業部トップに左遷された加賀谷静男を西田敏行が熱演. 大規模なリストラを命じられるが,ホームビデオの未来は直ぐそこまで来ていると開発を 断行する.技術者として緒形直人,西田敏行の補佐役に渡辺謙,西田の妻に真野響子,ビクター上司に石橋蓮司,役人に國村準,ちょい役に篠原涼子.  ビクターの親会社は松下.  総務省が家庭用ビデオの新しい企画を出してはいけないとする11月01日の前日10月31日にVHSを販売する. その後,松下の相談役から採用が認められ,VHSは世界に羽ばたいていく.Betaは企画を公開しなかったのに対し, VHSは規格を公開し,業界の標準フォーマットとなった.その後,DVDへの移行が行われている 現在までビデオと言えばVHSという世界が訪れた.日本人として先駆者の偉業に泣ける感動作.  ネタバレ→  ←   監督は半落ち,四日間の奇蹟,チルソクの夏の佐々木清.  Amazon.co.jp「陽はまた昇る
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夢のチョコレート工場 WILLY WONKA and THE CHOCOLATE FACTORY 1971年
★★★__ Amazon100分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ジョニー・ディップ版のチョコレート工場より,見劣りはするが,内容はいい!
本編感想  ジョニー・ディップを主役に据えたティム・バートンのチャーリーとチョコレート工場との対比を見たかったので同じくウイリー・ウオンカ のチョコレート工場物語をレンタルした.近年公開された方のチョコレート工場は「チャーリーと」という冠が付いているのに対し, 1971年版の法は「ウィリー・ウォンカとチョコレート工場」という原題なのがおもしろい. 1964年のロアルド・ダールによる原作はもともと,作者の子供たちのために作った物語だった.15カ国語以上に翻訳され親しまれている. 小さい子供たちの好きな食べ物を尋ねると,「オカシ」と答え,その中でも何が好き?と聞くと「チョコレート」と答える子が多い. チョコレートと子供の夢は切っても切れない関係だ. ウィリー・ウォンカを演じるのはジーン・ワイルダー.ゴールデンティケットを手にするラッキーボーイのチャーリー君はピーター・オストラム. 本作はジョニー・ディップ版に比べて,どちらかというと現実味が感じられる状況設定となっている.ディップ版は あまりに大げさなおとぎ話風味が漂いすぎている.そうはいっても,本作でも子供ってお菓子が好きなんだなぁと自分の過去を振り返るまでもなく, 痛いほどよく分かる内容だ.子供という存在達がかわいく思えるひとときだ. ウォンカがゴールデンチケットを配っているという情報を生徒から聞いた先生は,それは大変だ!と授業を中断して子供たちを向かわせる. どれはどうなんだかなぁーと想いながら,ディップ版とまったく同じ内容が忠実に繰り返される.原作に忠実と言うことで何となくうれしい. 泡の部屋で親子が飛び回るシーンがあるのだが,しっかりとピアノ線が丸見えなのはご愛敬であるが,時代を感じさせる. ウンパルンパ達のインパクトはディップ版の方が遙かに上だ.顔も体型も不揃いのウンパルンパ達が踊り歌い,観客をもてなしてくれる.  ネタバレ→  5人の子供は次々と脱落していき,チャーリーだけが残る.しかし,契約違反だと怒ってチョコ一生分をあげずに帰れと怒鳴る ウォンカ.おじいちゃんと一緒に帰ろうとする.その時少年は,なめても減らないキャンディーを約束通りウォンカに返納する. それを見たウォンカは「合格だ!」と大喜びし,縦横自在に動けるエレベーターに乗せて窓を突き破り上空へ. 大人は嘘をつくから信用できない.ウンパルンパ達を任せられる子供を捜していたんだと告げる.そして工場を引き継がせ,家族を工場へ 呼んでいいと言った.「突然幸せを手に入れた少年は・・一生幸せに暮らしましたとさ.」  ←   監督はメル・スチュアート  Amazon.co.jp「夢のチョコレート工場
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ジャイアント・ピーチ James and the Giant PEACH 年
★★___ Amazon79分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  ティム・バートンが「語り継がれる新しいおとぎ話」を作ってみたけど,語り継がれるまでにはならなさそうだ.
本編感想  最初は舞台的だが,実写になり途中アニメに,CGに,粘土細工に表現の媒体は変わっていく.ラストはまた実写になって 訳の分からないおとぎ話は続いていく.勧善懲悪的なおとぎ話を見せられるのだが,つまらん.  エンドロールの後は,少年が「2人の意地悪ばあさんをサイで焼き入れるゲーム」のシーンがある.  ネタバレ→  大きくなった桃をかじると中に吸い込まれて虫たちを仲間になり,空飛ぶピーチで旅をする.  ←   監督はティム・バートン  Amazon.co.jp「ジャイアント・ピーチ
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キューブ2 CUBE2 HYPERCUBE 2002年
★★☆__ 公式サイト95分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  前作から5年,ずっと近代的になって,不可思議すぎるが故にぐっと内容が感じられない作品.
本編感想  今回もまた気が付くとキューブに入れられている.今回は部屋の明かりは白で統一され得ているようだ. 主人公は心理療法医,探偵,盲目の学生,技術者,ゲームデザイナー,国防総省大佐,ボケ老女. この7人が出口の無い無間地獄の中を彷徨う.  今回のキューブは空間的にどうもおかしい.さすがハイパーキューブ(キューブの自乗で4次元の理論上の図形) 壁が波打ち迫って襲ってくる.今回もまたキューブの建造に携わった人間が紛れ込んでいる. 前作のように,現実世界との関係をうやむやにしたのではなく,最後にははっきり現実世界との関係を定義している. この点は前進に値するが,脱出法の巧妙さと謎解きに関してはたいしたことのないストーリーだ.  ネタバレ→  今回は部屋同士の物理的な繋がりは信用できない.各部屋の重力方向や時間軸が異なっている. 進む時間の速さも異なっている.途中,四角形のような物体がグルグル回り,人々を巻き込んでいく. 60659という数字は時間が凝縮する時間を表していて,主人公の女のみ脱出できる. 登場人物はアイゾンという軍事兵器メーカーが絡んでいて,4次元兵器の開発に関係してその開発に 反対の意向を示すような人物はキューブの実験に投入されたようだ. 脱出した女は,何かチップのような物を上官に差し出すと,ごくろう.と射殺される.物語はそこで終わる.  ←   監督はアンジェイ・セクラ.  Amazon.co.jp「CUBE2 キューブ 2 特別版
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キューブ CUBE 1997年
★★★☆_ Amazon91分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  こんな所に閉じこめられて,四苦八苦する人たちを映画にしたらおもしろいだろうという着眼が凄い.
本編感想  実際の人間を極限状態に追い込んだような心理学実験を行うためなのかどうかは分からないが, 主人公らは気が付くと何故か「CUBE」つまり立方体の箱が連なる空間へと閉じこめられている. カナダで作られたソリッド・シチュエーション・スリラーの原点的な存在. 食料も水もない.ところで20時間くらい彷徨う.どういう共通点で集められた6人かは分からないが  ネタバレ→  音を出すと串刺しになる青の部屋があるのだが,こっちまで喉に物が詰まり声を出せなくなるような緊張感がある.  閉じこめられたうちの一人はこのキューブの外壁の設計者であるというがその全貌は知らないという. 設計した外壁時の一辺の長さと一部屋の大きさから,キューブが26x26x26の立方体であると推測する. 各部屋に刻まれる3つの数字はデカルト暗号で全てを足すと部屋の座標がわかる.当初素数が含まれているとその部屋には 罠があると思っていたが,実は因数の数が奇数だと罠であるということが分かった.  一行は最終的にキューブの出入り口らしきところに辿り着くのだが「外には人間の果てしなき愚かさしかない.」と 退出を拒む.そうこうしているうちに,どう考えても無理な遠方に置き去りにしてきたはずの警察官が現れ,数学者を刺し殺す. 結局,脱出できたのは因数の数がわかる知恵遅れ気味の男のみ.ラストは鬼となった警官が座標27の部屋が移動する際に出入り口に足を切断され エンディングへとむかう.このキューブが何のために作られたのか?黒幕が誰なのか?については劇中一切明らかにされることはなかった. それにしても,不思議なことがいくつかある.  ←   脚本・監督はカンパニーマンのヴィンチェンゾ・ナタリ.  Amazon.co.jp「CUBE キューブ
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リジー・マグワイア ムービー THE LiZZIE McGUIRE MOVIE年
★★★__ 公式サイト94分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ヒラリー・ダフ映画初出演&主演.ヒラリーは何となくキューティー・ブロンドシリーズのリース・ウィザー・スプーンに似ている.
本編感想  おっちょこちょいなリジー・マグワイアことヒラリー・ダフが主人公.卒業式から始まるが,代理で当てられた スピーチを当然しくじり,そのまま卒業旅行?でローマへ.ローマでは売れっ子歌手とそっくりと言うことで 偶然会った歌手パウロことヤニ・ゲルマンと仲良しになる.それにしても,ローマで売れっ子の歌手が 片言のイタリア語で英語がぺらぺらというのはおかしい.しかし,ヒラリー・ダフのご都合主義映画であるのだから仕方がない. ヒラリー・ダフの心を表現する謎の漫画が1分に1回くらいの頻度で出てくる.映画として新しい試みで少女ウケはよさそうだが,正直うざい. 実際のスターが一般人を演じ,それがスターになれる喜びを表現しているところがおもしろい. 最終的には彼女自身が2人になり,2倍の魅力で自分のプロモーションを行うというとってもおいしい作品(彼女にとって)となっている. ヒラリーの友人をA.ブリロールト.その彼女が好きな男にC.スナイダー.生意気な弟役ジェイク・トーマス.  ネタバレ→  ローマで知り合った歌手ヤニ・ゲルマンは,今までの相方が口パクで逃亡を図ったので新しい相方を捜していたと当初言って, ヒラリーとデートを繰り返しステージに立たせようとするが,実は口パクは自分の方でたよりにしていた女に愛想を尽かされたのだった. 大会の司会を2人で行い,そこで歌を唄って,実は女の方が口パクをしたので,逃避行していたのだと言うことを公衆の面前に曝し 復讐しようとしていた.罠にはめられかけたヒラリー・ダフだが,寸前に本物にであい,口パクは彼の方だと知る.ステージで アダム・ランバーグは恥をかき,ダブル・ヒラリー・ダフのステージを見せつけた後,全てはハッピーエンドに向けて流れていく. ヒラリー・ダフは彼女を思って無断外泊の罪を被り,強制帰国となりかけたアダム・ランバーグとのキスシーン&花火で終わる. しかし,おかしいのは,アダム・ランバーグのボディーガード役である男は全てを知っているはずなのに,前半ではヒラリー・ダフとヤニ・ゲルマンを 助ける行動をし,ヤニ・ゲルマンの嘘がばれた後は相方の女を応援するような行動に突然変わることである.そして,最後は きびしい先生役のボースタインとちゃっかり仲良くなりかけている.あと,スピーチもできない女が初めてステージに立ってタイして練習もしていない歌を フルコーラスできるというのがなんとも都合が良すぎて興醒めだ.しかし,彼女の自信満々の笑顔でそんな小さなことは吹き飛んでしまう. アイドルとは魅力を売る商売だなぁとつくづく感じた.  ←   監督はジム・フォール.  ちなみに,彼女が一人でスクーターに乗るようなシーンは無いにもかかわらずポスターには彼女が一人でしか映っていない  Amazon.co.jp「リジー・マグワイア・ムービー 特別版
キャッチコピー  恋あり,歌あり,スリルあり.リジー版<ローマの休日>大作戦



シンデレラ・ストーリー a Cinderella story 2004年
★★★★_ Amazon95分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  自信が無いけど自分を分かってもらいたい,主人公ヒラリー・ダフと泣いて笑って喜べる名作.
本編感想  主演のヒラリー・ダフがこのほど出した楽曲Wake Up!がとても気に入り,彼女のミュージッククリップを見て惹き付けられた. そこで彼女が主演するこの作品をレンタルしてみた.主人公ヒラリー・ダフは学園の王子様的存在チャド・マイケル・マーレイ(蝋人形の館) と電子メールで本音を交わし合う.しかし,ハンドルネームだけは知っていても実際に誰かはお互いに知らない. ヒラリーは優しいお父さんと暮らしていた.継母と父は結婚してから直ぐに父は自信で死んでしまう.父の残した店ダイナーだが, かなりのゲスぶりを発揮する継母ジェニファー・クーリッジと2人の双子に乗っ取られてしまう.ヒラリー・ダフと従業員に働かせ, 自分は遊び回っていることから,みんな継母とその連れ子を嫌っていた.お店を実質的に仕切っている レジーナ・キング(レイ,キューティー・ブロンド2,デンジャラス・ビューティー2)はジェニファー・クーリッジに相当むかついている. この継母にいじめられる綺麗で健気な女の子が,王子様チャド・マイケル・マーレイに見初められていくさまと意地悪連れ子達がたたきのめされていく さまが,おもしろおかしく見応え十分に描かれている.  ネタバレ→  チャド・マイケル・マーレイは自分の本当の恋の相手(ヒラリー・ダフ)を探そうと,学校中に張り紙を貼る. 実際の自分を見せるのが怖いとなかなか名乗り出ることができなかったヒラリー・ダフだが, 秘密のメールを連れ子達に見られ,シンデレラはダイナーのウエイトレスだとイベント会場で笑われる.女の子の純な気持ちを踏みにじるシーンで 見ているこっちも悔しくて涙が出る. くじけそうなときに,ダイナーの壁紙が剥がれ,父が大切にしていた「三振をおそれずに打席に立て!」みたいな言葉をヒラリー・ダフが見る. 失敗をおそれて我慢せずに,継母に文句を言い,ダイナーを止める決意をする.レジーナ・キングらも,「この店を止めなかった唯一の理由が無くなった」と 一斉に店を止めていく.ラストには(えらく都合が良いが)亡くなった父の隠し遺言書が見つかり,財産は全てヒラリー・ダフのものに.そしてハッピーエンド. ちなみに,怪傑ゾロも当初の目当ての女の子を振って放送室の女の子とくっつくというオチもある.  ←   監督はヒューマン・ボムのマーク・ロスマン.  Amazon.co.jp「シンデレラ・ストーリー 特別版
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ミート・ザ・ペアレンツ Meet the Parents 2001年
★★★__ 公式サイト108分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  デニーロはいやらしい.実にいやらしい役を好演している.
本編感想  ロバート・デ・ニーロが親父で息子がベン・スティラー(メリーに首ったけ,ドッチボール). ベン・スティラーは求婚する.ロバートはCIAのスパイ発見エージェント.部屋には嘘発見器がある. 家に挨拶に行ったベンはシャンペンをあけ,ロバートの母の遺骨のツボを落として割ってしまう.そこに 猫が小水をかける.その他,ベン・スティラーにはこれでもか!というほど災難が降りかかる. 義理の父親に気に入られようとベン・スティラーが健気にがんばるものの全ては裏目にでる. ロバートとベンのやりとりがこの映画の魅力だ. オーウェン・ウィルソンも少し出演している.  ネタバレ→  ロバート・デニーロはMr.ジンクスという猫をかわいがっているがいなくなる. 名誉挽回のため猫を連れてきたベンだが,それは保健所の別の猫のしっぽを黒く塗った偽ジンクス君だった. 部屋はめちゃくちゃで嘘もばれ,別れることを余儀なくされたベンだったが,婚約者の愛は本物だった. ←   監督はオースティン・パワーズのジェイ・ローチ.  Amazon.co.jp「ミート・ザ・ペアレンツ
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スカーフェイス SCARFACE 1983年
★★★__ 公式サイト170分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  麻薬王は税金を払わずに儲けてまくってうらやましい.しかし,しっかりと壮絶なラストが待っている.
本編感想  キューバの政治犯 アル・パチーノはアメリカに逃れ,チンピラから麻薬の売人へ.物と金の取引を任されたとき, トラブルになり,仲間はチェーンソーで切り刻まれる.難を逃れ皆殺しにし,物と金の両方を手に入れてボスの下へ. ボスに認められ,次第に成り上がっていくアル・パチーノ. 個性的な顔つきのメアリー・エリザベス・マストラントニオ(ロビン・フット,パーフェクト・ストーム)がアルパチーノの 妹役として兄の汚れきった生活との対比を表現している.妹は兄に愛され,管理され,嫌気がさす日々を過ごすことになる.  ネタバレ→  ←   監督はファム・ファタール,スネーク・アイズのブライアン・デ・パルマ. 脚本はプラトーン,JFK,アレキサンダーのオリヴァー・ストーン.  Amazon.co.jp「スカーフェイス スペシャル・エディション
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ホールドアップダウン HOLD UP DOWN 2005年
★____ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  V6の面々が(カッコよさげに)殺し合う格闘シーンを入れたかったがために,支離滅裂となってしまったジャニーズ主導型駄作映画.
本編感想  ジャニーズアイドルグループV6がデビュー10周年を記念し,「僕らの主演で映画を作りたぁ〜い!」と言ってできたような映画だ.  刑事でがんマニアの坂本昌行,6人の娘を持つスピード狂刑事の長野博,サンタクロースの衣装で銀行強盗をする2人組に電車マニアの井ノ原快彦と しらけ気味の三宅健,元牧師で思いこみの激しいデコトラ運転手の森田剛,ストリートギターミュージシャンの岡田准一(東京タワー).彼らが 銀行で強奪したお金を隠しているコインロッカーの鍵を巡ってドタバタドラマを演じている.その他の出演者として 香椎由宇(ローレライ,リンダリンダリンダ)が電車マニアで婦人警官を.取調室にて井ノ原快彦とテツネタで盛り上がり恋に墜ちる. 伊藤歩(今日のできごと)が鞄のひったくりに合い,森田剛と良い感じになる女の子を.警察の上司で哀れな結末を迎える森本レオ(ショムニ), バーテンダーに伊武雅刀(あずみ),ホテルの支配人に高橋ひとみ(わたしをスキーに連れてって)である. 最初はぬるいテンポで始まり,中盤はおお.盛り上がってきたか?と想わせつつ,キリストがどうの,冷凍人間がどうの亡霊がどうのと後半に行くにしたがって 観客を置き去りにした出演者とスタッフがただ楽しむだけのトンデモ映画に成り下がっていく. この作品がつまらない点は「ストーリー上に見せ場シーンがあるのではなく,こんなシーンを盛り込みたいというのが先にあって,それらを無理矢理 繋げている」ということである.出演者達に特に思い入れがなければ,見られたものではない.特に,蝋人形の館のようにリアルな作品を見た後で, 冷凍人間がグルグル回転するシーンなんて見せられたら,「こんなママゴトに付き合ってられるか!!」と映画館を出たくなる.  ネタバレ→  サンタクロース2人組は大した計画も成しに銀行に強盗に入る.そこで目が合う香椎由宇と井ノ原快彦.お金を持って外に出ると, 逃走用の車はレッカー移動されていた.地下鉄に入り現金をコインロッカーに隠す.300円が無いので浮浪者もどきのミュージシャンに1万円と300円を交換してもらう ように言う.なぜかウホウホ言いながら追っかけてくる岡田准一.木更津キャッツアイそのままのテンションだ.電車に乗り込み逃げ切るが,鍵を落として, それは岡田准一の手に.交番に行くが,殺したくなるほどバカな警察官 古田新太と宮崎吐夢が事件の重大さで困っている人たちを並べて喜んでいる. 交番でのやりとりを見てその鍵が現金を隠したロッカーの鍵だと気づいた岡田准一は交番から猛ダッシュする. すると,長野博の運転するパトカーに弾かれて気を失う.宙を舞う鍵.ちょうど落ちてきたところを岡田准一が飲み込む.人を跳ねたことを黙っていてやるから新しい銃を買う金をくれとせびる坂本昌行. 死体を隠すため車に乗せ移動.スピード狂の長野博は無謀運転でまたもや正面・側面衝突.その衝撃で岡田准一は飛んでいき,池に落ちる. 衝突した車内に乗っていたのは幸運にも連続バット暴行魔.彼を逮捕し署に凱旋.ところ変わって,ミサの途中に飛んでいるハエを捕まえようとし ローソクを倒して境界を燃やしてしまった森田剛は人生に絶望していた.池の周りで黄昏れていると,川に浮かぶ岡田准一を発見. 助けると,水藻が額に付いており,まるでイエスキリスト.神様を助けるんだ!と意気込んで彼をデコトラ(デコレーショントラック)に乗せ病院へ向かう. 着いてみると,荷台の冷凍イカと共に凍り付いていた神様.神様を凍らせ値まった・・と警察へ自首しに行く. サンタの服装をしていたと言うことで拘束されていた井ノ原快彦と三宅健は取り調べを受ける.その相手はなんと香椎由宇で,好意を持っていた 井ノ原は身の上話を始める.互いに電車マニアだと分かった2人は意気投合し,恋人的な約束まで交わす. 金がほしい悪徳警官坂本昌行は,犯人の2人をわざと逃がして強奪した金を頂こうと考える.取り調べを代わろうと坂本が香椎に乱暴すると,起こった 井ノ原は銃で脅して愛の逃避行.警察署前に停めてあったデコトラで逃げ出す.パトカーを奪ってそれを追うクリスチャン森田剛.更にそれを追おうとするが, ここでまたバット暴行魔が逃走を企てており,それを停めようと坂本が隠し拳銃を出そうとすると,失敗して暴発.銃弾は上司の森本レオの脳天を直撃. (おいおい.) 逃げ出して現金を横取りするためにデコトラを追う坂本と長野.デコトラの中では好きな電車で盛り上がりまくる香椎と井ノ原. パトカーで追っていた森田は警官と間違えられ,自転車のひったくり犯を捕まえるように伊藤歩に言われる.敬礼をし,アクセルを上げて追突する森田. 犯人はおそらく数キロメートルほど吹っ飛ばされてデコトラに衝突.そのショックで荷台が開き,神様こと冷凍岡田准一がゴリゴリ滑って森田のもとに戻ってくる. 冷凍神様を暖めるために温泉へ向かうことを決意した森田.デコトラを追い捕まえた坂本らは鍵のありかをサンタクロースから聞き出して,ミュージシャンが鍵を持っていることを知り, 暴走パトカー森田を追う.ここまでは,何とか組まれていたストーリーだが,温泉ホテル銀遊楼から話が破滅する.鍵を追って洋館に集結したV6の面々だが, 伊武雅刀や高橋ひとみは亡霊で,人々に殺し合うことを霊的な力で強要する.6人のバトルシーンを見せたいがためにねじ曲げられたストーリーと言わざるを得ない. (6人といっても岡田准一は模型なの5人の戦い.)香椎由宇が,戦え!とまくし立て,Go to Hell!と言うシーンは,悪寒がするくらいお寒い. 戦いのシーンはそれなりに魅せてくれるのでV6ファンにはたまらないのであろう・・と想ってみる.森田はキリストを屋上に連れて行くが,朝日を浴びたところで, 地面に落下する.下にはバスがありその屋根に着地.(バスが停まっているところの後ろ(背景)にはどう見てもキリストが落ちたような屋上は見あたらなかったが・・) バスにはホテルの亡霊達が乗り込んでおり,天国まで行くという.6人はそれぞれの生活に戻っていき,エンディングとなる. 坂本はバット魔を追いかけ,長野は6人の娘と仲良く暮らし,井ノ原は香椎由宇と憧れのウェディングトレイン(鉄マニたちは新郎新婦ではなく,ヘッドマークの 撮影に忙しいという落ち),そんな中,三宅だけは2人の写真を撮ってあげる.森田はデコトラに.岡田は現金バックを尻に引き,弾き語る.  ←   それにしても,映画館ではこの作品の宣伝ばっかりが目に付く.公開後もだ.ジャニーズの圧力ってすごいんだなぁと感心した.  監督・脚本はこれまたシケ日本映画だったDRIVEのSABU.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  鍵を握るのは誰だ?!



蝋人形の館 HOUSE OF WAX 2005年
★★★★_ 公式サイト128分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  お化け屋敷的に怖がらせるホラーかと思っていたが,スペクタクルとストーリーで客を引き込むサスペンス.
本編感想  主人公エリシャ・カスバート(24シリーズ,ラブ・アクチュアリー,ガール・ネクスト・ドア)と チャド・マイケル・マーレイ(フォーチューン・クッキー)は双子の兄妹で良いところはエリシャに悪いところはチャドに集約した として周囲から扱われている.チャドはムショ上がりという設定だ. パリス・ヒルトン(シンプル・ライフ)はロバート・リチャード(コーチ・カーター)と恋仲でテントの中で甘い夜をすごす.セクシーダンスもありだ. そんな一行は何かの試合を見るために2台の車に分乗し2日くらい掛けて田舎から都会に出る. 夜遅いからとキャンプを張った時,ノリノリの一行に対してヘッドライトを浴びせる怪しいジープ. 彼らはすでに恐怖の町に足を踏み入れることを余儀なくされていたのだ. ブライアン・バン・ホルト(ブラックホーク・ダウン,ウインド・トーカーズ), ジャレッド・パダレッキ(フライト・オブ・フェニックス)も出演していた. 中盤の恐怖はすばらしく,痛みがスクリーン越しに伝わってくる.また,終盤のシーンも「え?こんなにこの映画大作だったの?」 と言いたくなってしまうほどの出来だ.  ネタバレ→  砕け散る蝋人形のドタマからウジ虫やゴキブリがゾロゾロ這い出してくる様は見事.神経感覚は生きているが,目玉以外はピクとも動くことのできない 恐怖をしっかりと映し出しており,怖がらせる事に躍起になっているホラーものよりも確実に怖さを感じることができる. 怖いという点では,人を殺しコレクションとしていくことが当たり前となってしまった犯人達の人に対する接し方が怖い. 幼いときに受けた親からの虐待を引きずる様がスクリーンに表現されており,賞賛に値する. 「蝋」という遠目には美しく華やかだが,近くではどこか不気味で熱に大してとても弱い,しかも容易に修復可能な安易さを 併せ持つ特性が彼らの歪んだ感情や感覚とマッチしており,テーマとしてすばらしい題材となっているところもにくい.  ←   監督はジャウム・コレット=セラ.R-15  Amazon.co.jp「

キャッチコピー  誰にも言えない人形の作り方.ようこそ,蝋人形の館へ.



ソウ2 SAW2 2005年
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  ソリッド・シチュエーション・スリラーの決定版.シリーズ2作目で衰えない恐怖と罠.
本編感想  比較的低予算ながらストーリーと固定状況(ソリッド・シチュエーション)設定で観客を引き込んで引き込んだ末に罠に落とす 前作が大ヒットした.その2作目は多くの人間の思惑が絡み合い,中途半端な作品となって没落するのがシリーズ物の掟であるが, 本作は違った.前作SAW1の監督 ジェームズ・ワンは製作総指揮を行い,徹底的に練り上げられた脚本でスクリーンの前の観客に 攻撃を仕掛けてくる.SAW1も映画史に残るできであったが,本作もどちらが上かと言い難いすばらしいできになっている. 「ゲーム」を考え出したジグゾーことトニー・ウォルバーグが逮捕される「警察vs犯人」のシチュエーションと 出口の無い部屋に閉じこめられ神経ガスを吸わされて徐々に弱っていく8人の「ゲーム」のシチュエーションが 同時進行していく.巧妙に細切れにされて徐々に証されていく真実とゲームの全貌.閉じこめられている8人と共に脱出の 糸口を探す我々観客.翻弄される警察.犯人の真の目的と,人類への救い.哲学の布教と強要. そして結局はお釈迦様の掌の上で暴れていた孫悟空のごとく犯人の掌で踊らされていた警察と8人と観客. もがいてももがいても監督・脚本を務める鬼才 ダーレン・リン・バウズマンの蜘蛛の糸からは逃れられずに,この映画に 捕食されてしまうことは間違いない.R-15指定が掛かっているように,その描写や痛みを観客に伝える技法も巧みだ.  ネタバレ→  ←   監督・脚本は本作が監督デビュー作となるダーレン・リン・バウズマン.ちなみに
キャッチコピー  目覚めると金庫がおいてある部屋.出口の無い館に集められた8人の男女.”さあ,ゲームをしよう”



ドミノ DOMINO 2005年
★★☆__ 公式サイト142分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  ここにもいたか・・・鼻っ柱の強くて自分の力だけで生きていこうとする女.
本編感想  キーラ・ナイトレイ(パイレーツ・オブ・カリビアン,キング・アーサー),ミッキー・ローク(マイ・ボディーガード,シン・シティ), エドガー・ライミス(ハリウッド映画には初出演),この3人が保釈の間にバックレた悪どもを捕まえる賞金稼ぎバウンデッドハンターである. ドミノは実在の人物でこのストーリーはほとんど事実ということらしい.劇終で本物のドミノが少し出演する.見た目はエイリアン3に出てくる シガニー・ウィバーという感じだ.本映画は捜査官であるルーシー・リュー(チャーリーズ・エンジェル)にキーラ・ナイトレイが尋問され, 一連の出来事を回顧していくという形で進められる.パイレーツ・オブ・カリビアンやラブ・アクチュアリー,キングアーサー,ベッカムに恋してと お姫様っぽい役柄から今回は鼻っ柱の強すぎる歌舞伎者を演じており,一皮むけて成長した勘が強い. この映画の今日深いところ(見ていて寒くなるが見入ってしまう点)として「対して確かめたり確認することなくことを実行に移し, 容赦なく人権を蹂躙している」という点を上げる.更に,それらの過ちを補正するために更なる人権蹂躙に邁進していくところもすごい. 怖い!アメリカって怖い国だぁあ.と改めて思った.刹那的にエキサイティングを求める主人公の女にアメリカ人は深い魅力を感じるのだろうか? おそらく,カッコイイ女だという視点なのだろう.さすがは西部劇の国である.あと,しつこいほどマイネイムイズ ドミノーハービーとヘッドズユーリブ,テイルズユーダーイ.が繰り返し連呼される.  ネタバレ→  エドガー・ライミスはキーラに恋をしてもだえ苦しむ.キーラは携帯電話で「男の腕の服を切り落として暗号を読め」という指示を 聞き違え,腕を切り落とさせるのだ.人権なんてくそ食らえ!のガクガクブルブルストーリー.  ←   監督はトップ・ガン,ビバリーヒルズコップ2のトニー・スコット.カメラワークはガクガク揺らして臨場感を醸し出そうとしているシーンが多い. 見ていて疲れはしないが,多用しすぎでどうしたものか・・
キャッチコピー  私だけのスリリングな生きざま



空中庭園 KUUTYUU TEIEN 2005年
★★★★☆ 公式サイト112分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  こんなにもギクシャクした家庭.こんなにも修復能力が備わった家庭.崩壊する家庭の持つ様々な側面を堪能して 小泉今日子と大楠道代に脱帽
本編感想  青い春を手がけた監督 豊田利晃が本作を仕上げたあと覚醒剤容疑で逮捕されたということで さらに一層の注目を浴びた一本.直木賞作家 角田光代の原作で原作のラストになかったシーンを この作品のクライマックスに豊田利晃が付け加えたことにより原作者から次の言葉をもらった. 「家族っていったいなんなのか.それを知りたくてこの小説を書いた.書いても見つけられなかった 答えを,この映画は見せてくれた.」 この言葉に嘘をつかないエンディングが用意されている.  主演は小泉今日子(母親).真夜中の弥次さんに出ていた板尾創路(父親),リターナーの鈴木杏(長女) 本作が芸能界入りでデビュー作となる広田雅祐(長男),愛人その1に永作博美,愛人その2に一軒家プロレスの ソニン,おばあちゃんに座頭市の大楠道代.鈴木杏のセフレ?にサマータイムブルースの瑛太と亡国のイージスの勝地涼.  嘘のない家庭というのがこの家族のモットーだが,それはなかなか難しい. 「今日初めってあった子に難破されてセックスしちゃった.」と娘が言う. そうしたら,母親は「あらそう.良かったわね.どう?気持ちよかった?」といえるだろうか? そういえるとしたら小泉今日子が求めた理想の家庭ではない.相当冷めた,餌を食べるだけの家庭のようだ. そこで母親が娘をしかりつけるとなれば娘はそういうことをあまり口にしなくなる. つまり隠し事がある家族ということになる.ティーン以上の人間には秘密があるのは当然だ. その当然さが本作を通じて明らかになる.「恥」というものに関する解説や「思いこみ」に対する 発見.英語音痴の大楠道代によるギャグの連発.所々においしいところを詰めつつもメインストーリーは進んでいく.  終盤のバースデーケーキのシーンでは「うあー.目も当てられない.でも続きが見たい!!」という 巧妙な脚本が展開されていきソニンの一挙手一投足から目が離せない. テーマソングの「この坂道の途中で」が,感極まったラストに良くマッチしてとてもよい. あまりにハマッてスタッフロールを見るのを忘れてしまうくらいだ. それにしてもラストのあのシーンはすごい.   ネタバレ→ 「フィルムが終わりましたよ.」とスタッフが告げても延々と小泉今日子は演技し続けていたという. 「あーっ!あ”ーっ!あ”ーっ!あ”ーっ!...」 うーん.あのシーンのしつこいくらいの心理描写は演技者が役にはまり尽くしていた結果だったのだ.  ←   監督・脚本は豊田利晃(青い春)(覚醒剤使用につき逮捕され本作の上映中止が危ぶまれた.)
キャッチコピー  あなたたちがいて よかった



モーガン・フリーマン イン 34バレット GUILTY BY ASSOCIATION 2003年
★★___ DVDサイト82分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  渋線刑事役のモーガン・フリーマンを冠に付け餌にして新人を見せるドラマ.
本編感想  2000年初めにアメリカで100万人いたギャング達.その1/3はワシントンD.C.にいた.5秒に1回凶悪事件が起き,34分に1回市民が銃弾に倒れているという.  そんなワシントンD.C.でうだつの上がらない売人達が社会の底辺で活躍する様を描き出す.モーガーン・フリーマンを餌に 新人ギャング映画を見せられる.モーガンを冠に使っておいて,登場したのは最初の数十秒.と終盤での数シーン. シーンとシーンのつなぎ方は黒のフェードアウトからフェードインで全体的な造りの安さを醸し出している反面,ダークな底辺社会の描写には 適していると思った.ハッピーエンドでもなく巧妙なストーリーでもないが,救いは犯罪者の若者達がそれぞれに自責の念や後悔に駆られて 苦悩しながらその都度選択を行っているという様が描き出されていたことだ.富を搾取する一部のアメリカ人と対照的に搾取される側の人間に クローズアップしている点はそれなりにおもしろかった.しかし,映画としての出来はというと・・・2つ星. 邦題よりも原題の方が内容にしっくり来る感じであった.  ネタバレ→  主人公はジェフ・エドワード保護観察期間に売人をやり,友達の薬を預かっている間に 麻薬捜査官が踏み込んできてチクッテしまう.チクられた仲間のデーモン・ムーアはジェフを殺そう9mm拳銃を撃つが, 滑り台にいた恋人ジェイミー・パットンの娘を殺してしまい,人生を後悔してモーガン・フリーマンに自首する. 結局,刑務所の中でジェイミー・パットンの旦那に刺殺される.  ←   監督はポー・ジョーンズ.  Amazon.co.jp「

キャッチコピー  34分に一度,銃弾の雨が降る街−



モンスター 2003年
★★★★_ Amazon.co.jp109分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  美人が醜いモンスターを演じ,墜ちるところまで墜ちていく様を堪能できる.それでいて後半はモンスターの恐ろしさも味わえる.
本編感想  実話に基づくストーリーと言うことが最初に強調される.全米初の女性連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの人生を スイート・ノーベンバーでキアヌ・リーブスと共演したシャーリーズ・セロン(ミニミニ大作戦)が演じる. 本作でシャーリーズ・セロンは2003年度アカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞を手に入れた. 体重も10キロ以上増やし,誰だ?このブス?と思われるメイクと弛みでギリギリの人生を生きる13の時から体を売っている売春婦を 演じている.彼女はレズ気味の子クリスティナ・リッチ(キャスパー主演)と 恋に落ちる.クリスティナ・リッチは右手を骨折しギブスをしながら,居候して生活しているが,互いに引かれ合う2人. クリスティナ・リッチが望む行為をしようとシャーリーズ・セロンは娼婦として男を誘い射殺して車を調達する. そのたびに,罪もないただチョットエッチしたかっただけの男達を殺しまくる. 時に相手を想い時に自分を押しつける2人のせめぎ合いは人生に迷う羊を良く表している.これこそこの映画の魅力である. 愛に飢えた女が絶望の縁に転がり落ちていく様は,観客の心まで貧しく惨めなものにしてくれる. 主人公を理解する老人としてブルース・ダーンが演じている. ネタバレ→  2人が出会って待ち合わせをするときに,モーテル代を稼ぐために男の相手をする. しかし,手を縛られ,頭を殴られ乱暴をされる.置いてあった銃で射殺し,それから彼女の虐殺人生が始まる. 本当に善良で人のことを想うようなおじさんでも,容赦なく射殺してしまうところはまさに「モンスター」.このシーンは かなり寒気がした.だんだん殺すことに対する罪悪感が薄れていく様子が直接的ではなく間接的な表現で描写されていたところが すばらしい.逮捕されたシャーリーズ・セロンは刑務所で愛した女 クリスティナ・リッチからの電話を取る. 殺人犯は愛した女への想いを熱く綴る.電話の向こうでクリスティナを見守る警察の方々. その会話は裁判での証拠に使われ,クリスティナは裁判の証言台でシャーリーズを指さし,普通の女の子に戻りたがっていた. その電話以来2人は二度としゃべらなかったという.連続殺人犯は死刑となり処刑された.  ←   脚本・監督はパティ・ジェンキンス. R-15  Amazon.co.jp「
モンスター プレミアム・エディション
キャッチコピー  



恋愛小説 RENAISYOUSETU 2004年
★★★__ 公式サイト105分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ヒネリがほしいというか,エンディングにもうひと味がない.
本編感想  22歳の金持ち大学生 玉木宏が遺言書を書くために,同級生の池内博之を雇う.奇妙なアルバイトの始まりだった. 池内博之は昔,彼に透明人間というあだ名を付けていた.池内博之の元彼女は平山あやで,玉木の元彼女は小西真奈美だ. 玉木宏と仲良くした者はみんな死んでしまうというジンクスを背負って生きている孤独な男を中心に物語は進む. 玉木が池内に小西真奈美の話をするという回顧録形式で恋愛の成り行きをが展開されていく. 玉木宏の幼少期役として名子役の神木隆之介君が出演している.モスクワ映画祭で市川実日子と共にblueで良い演技をした小西真奈美が見たくて レンタルした一本だ.  ネタバレ→  玉木宏は幼き頃から死に神と呼ばれていた.小西真奈美と付き合いだしたときも,きみが死んでしまうからと,深入りするのを拒否する. 良い感じに愛し合っていくのだが,ある日入院する.私のせいだ!と思いこみ,想い出を全て燃やす玉木.彼女の病状はどんどん悪くなっていき, 結果的には癌で死ぬ.「ひとつだけ約束して.あなたのせいじゃないからね.また閉じこもったりしないでね.」という小西真奈美の言葉が 切なく痛い.その直後,彼と話していた池内博之も,あっさり地下鉄の階段で転げ落ちる.(アホかと・・) 玉木の家に飾られる絵画の裏には小西真奈美からの愛のメッセージが沢山書いてあり,運命に打ち勝つことの重要性を悟る.(役名が久保聡史なだけに) そして運命に打ち勝つと言うことの象徴として池内博之は頭から血を流しつつも蘇り,平山あやと元鞘に収まってこの物語は終わるのであった.  ←   監督は窪塚洋介の「ランドリー」やもうすぐ公開の「同じ月を見ている」の森淳一.原作は「GO」で第123回直木賞を受賞した金城一紀.  Amazon.co.jp「恋愛小説
キャッチコピー  「人を愛すること」を問う,あまりにも純粋で美しいラブストーリー



ヴァイブレータ VIBRATOR 2003年
★★★__ 紹介サイト95分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  寺島しのぶと大森南朋の絡みを覧る!
本編感想  東京国際映画祭のコンペに参加した作品.人生に疲れ気味の女 寺島しのぶ と,長距離トラックドライバーの大森南朋とがコンビニで知り合い 人肌の温もりを求めて愛におよぶ.そんな女の側から描いた作品.寺島しのぶの心理描写が黒字に白の文字で表現される. オープニングにコンビニで寺島しのぶがワインを買いに来たんだ・・・どうのこうのと散々自分の心の中で自問自答を繰り返す シーンがある.この時点でこの作品はただ者ではないなと予感した. 傍目にはそんなにかわいい方ではない寺島しのぶだが,ピンで蝋燭の光を浴びたり,トラックのベットでエッチにおよぶ姿は 魅力的そのもの.この映画で彼女が名を馳せメジャー女優への道を切り開いたという訳がよく分かる. トラック運転手の生活様式などを垣間見ることができるのもこの映画の魅力の一つだ. 「彼を食べて,彼に食べられた.それだけのことだった.ただ,あたしは自分が,いいものになった感じがした.」この言葉が 全てを表しているかのような映画であった.題名のヴァイブレータとは直感のままに揺れ動く気まぐれな女の心の振動と, トラックのアイドリング的な男の振動とを絡ませるキーワードであった.  ネタバレ→ で,結局約72時間を二人は共有し,元のコンビニに来て分かれて終わる.  ←   監督は廣木隆一.原作は赤坂真理.  Amazon.co.jp「ヴァイブレータ スペシャル・エディション
キャッチコピー  あたし,あなたにさわりたい.



ファンタスティポ Fantastipo 2004年
★____ 公式サイト109分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  金持ちのボンボンがのらりくらりとする緩い生活を見せられる.ジャニーズファンのためだけのクソ映画.
本編感想  弟ハイジを堂本剛,兄トラジを国分太一が主人公のナメナメ映画.ミネラルウォーター会社の社長が自社テーマソングを作ったら 売れて音楽活動もしているという設定.ファンタスティポという歌を作りながら過去を回想する形で物語は進む. 堂本剛は幼い頃から悪夢にうなされている.周りに自分と同類の人間がいないために常にどこかしら浮いている. しかし,突然やってきた美女 大河内奈々子に自分と同じ空気を感じ,心情がやや変化していくという物語. いやー.金持ちの生ぬるい 中盤からトムと呼ばれるモンスターも出てきて,この物語がなにをしたいのかいよいよ分からなくなってくる. 堂本剛は私生活そのまんまという演技で,彼独特の軽薄さを臭わす人付き合いが本役柄でも売りとなっている. 宝田明が父親でアルマジロミネラルウォーター社長を,藤岡弘が「次男には変化球がいいかもよ」というキーマンを演じている. その他の出演者は池乃めだか,吉野きみか.主人公の2人に特別思い入れているファンだけが見るに値する映画に成り下がっている.  ネタバレ→  トムは実は草食.(だからどうした.)  ←   監督・脚本は本作が映画初監督の薮内省吾.Amazon.co.jp「ファンタスティポ (初回限定版)
キャッチコピー  わかんなくても,良いと思うよ.



死刑確定II Shikei Kakutei 2 2005年
★★___ 公式サイト90分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  正義の死刑執行人 竹内力が般若の形相で脳天をぶちまける.
本編感想 製作総指揮・主演を竹内力が務める.少女をさらっては声帯を切り取って声を出せなくし, おもちゃとして売り飛ばす.そんな犯罪グループに警察官である竹内力が正義の鉄槌を下すのがこの映画だ. 中盤まではとっても優しい警察官を公演する.しかしヤクザ面の消えない竹内力也はとうとう秘密兵器の  ネタバレ→  白バイを出動させ,修羅となって死刑執行に赴く.人がものに変わる瞬間を見せてやりたいそう言って凶悪犯弟は脳天をぶちまけるのであった.←  激情に揺れ動く竹内力の顔はいい.ただ,成敗する時にはもうチョット山場を準備してほしかった. 成敗が完了したところで,兄貴が殺したヤツの復讐を臭わせるシーンを見せて「続」となる.竹内力の 般若的な演技は好きだが,続編をみるのかどうするのか・・といったところは微妙となるできであった. その他の出演者は 諏訪太朗,小沢和義,本宮泰風,舘昌美,村井美樹,中山弟吾朗. RIKIプロジェクトの製作で竹内力の世界を存分に表現している.  監督は岸和田少年愚連隊シリーズの宮坂武志.R-18ということでどぎつい描写があるかと思ったら,案外控えめ. しかし,のど笛を切り裂いてしゃべれないようにした少女をトランクに詰めて好き放題する内容には心が痛くなる. 「自分が神の子ではなく,自分が自分でしかないことに耐えられなくなるかも知れない.」という先輩からのアドバイスは なかなかいいなぁと思う.これは宗教に依存してきたものが自立する上で普遍的な言葉であると感じた.  Amazon.co.jp「死刑確定II
キャッチコピー  



カナリア canary 2005年
★★★__ 公式サイト132分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ノリは柳楽優弥の誰も知らないだが,テーマはオウム教育を受けた子供の自立.
本編感想  ロンドンで開催された第13回レインダンス映画祭でグランプリを受賞したというオウム真理教の 教育を受けた少年を描く作品.主演は半落ちで寺尾聰の息子を演じた石田法嗣(ほうし).オウム教育を受け母 甲田益也子 が全国指名手配された子供を 演じる.誘拐されるところを偶然助けられ一緒に行動することになった少女を谷村美月が演じる.揺れ動く少女の不安定な心を 表情と声色で見事に演じている. 主人公達に絡むレズ女を りょう が演じているが, 相変わらず不安定な心を持つ女を演じている.りょうは,パッと見で松浦亜弥に似ている つぐみ(贅沢な骨,四月物語)とのキスシーンもある. 教団の信者として西島秀俊(ドールズ),水橋研二(クロスファイア,クイール),戸田昌宏(ヴァイブレータ)がいる. この作品はカルト教団ニルヴァーナという名目で「オウム」とは一切関係ないように作品を構成しているが,使用されている紋章といい, ホーリー・ネームといい,その出で立ちといい,明らかにオウム真理教だ.  ネタバレ→  谷村美月が石田法嗣の祖父 品川徹に会いに行く.12歳の少女にして最もらしいことを言うのはどんなもんか?と思うような 台詞を吐いて祖父を殺そうとする.最後は白髪になった石田法嗣が現れ,振り上げたナイフを止める.  どうする?これから?・・・「生きてく.」の言葉を残して物語は終わる.母親の指名手配で泣きじゃくっていた少年は強くなっていた.  ← スタッフロールが出た後に一幕あるので見逃さないようにしたい.テーマソングはつぐみ と谷村美月の歌う「君のひとみは10000ボルト」. エンディングテーマの「自問自答カナリアミックス」は早口で意味深い曲で興味が沸いた. 監督・脚本は黄泉がえり,害虫の塩田明彦.  Amazon.co.jp「カナリア」  
キャッチコピー  あれから10年,神もいないこの地上を子供たちは走りつづける.



オペレッタ狸御殿 TANUKIGODEN 2004年
☆____ 公式サイト111分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  モロ外国人風味の日本語をしゃべる天下のチャン・ツィイーがどうしても見たいのならレンタルせよ.
本編感想  2005年のカンヌ国際映画祭特別招待作品でオダギリジョーとアジアンビューティー チャン・ツィイーの共演ということだけが話題を呼び,肝心の内容は お寒いことで話題を呼んでしまった作品.狸姫をチャン・ツィイーが雨千代をオダギリが演じる. 姫は狸なので風味の違う日本語をしゃべったり中国語をぺらぺらしゃべるのはとても良いシチュエイションだと思う. この作品は時代を先取りしすぎたのか,観客が監督のスピード感について行けないのか,良い意味でも当然悪い意味でも 既存の映画作品の枠組みには収まっていない.部隊演劇と映画とおふざけと時代劇と絵本とミュージカルと様々な文化の芸術が チャンポンになっている.ある時はHIRO顔負けの美術演出.ある時はドリフの8時だよ全員集合並の舞台セット.ある時はひどく安い CG的映像つなぎである.見ていて疲れる.おそらく監督はニコール・キッドマンのムーラン・ルージュにインスパイアされたということなのだろう. 計算して演出や画面構成を作ったというよりも,いろいろなことをやってみた.というだけのように感じられる.撮影を行うチャン・ツィイーも, お相手がオダギリジョーのような美男子でなかったら怒って帰ってしまうのではないか??というほどのお寒い映画だ. 出演者として,薬師丸ひろ子,由紀さおり,平幹二朗,美空ひばり,山本太郎,市川実和子,パパイヤ鈴木らがいる. この映画と似た雰囲気の映画として同じくニコール・キッドマンのドッグ・ヴィルがあったが,あちらはセットのみが透明で 演技はおふざけ無しの芸術レベルであった.それに対し本作はシーン毎に繋がりがまるで感じられない上に,ストーリーすら 繋がりが無い.結局観客は映像断片を見せられているだけで,チャンが映っていなかったら映画を見ながら腹立たしさがこみ上げてくるのが 自覚できるはずだ.中盤にLoversで鍛えたチャン・ツィイーの舞が見ることができたのは良い.それにしても,  ネタバレ→  チャン・ツィイーが刺されるシーンでの血の描写は寒いだけでなく大いに呆れた. 楽しくお祭り騒ぎをして北野武監督の座頭市の終演間際の宴に近いものを催したつもりだろうが・・・持って行き方がわるい. 衣装にお金掛かってるんだろうなぁ・・程度にしか味わうことはできなかった.残念.  ←   監督はピストルオペラの鈴木清順.  Amazon.co.jp「オペレッタ狸御殿 プレミアム・エディション
キャッチコピー  狸と人は恋におちてはなりませぬ.



恋は五・七・五! 全国高校生俳句甲子園大会 2004年
★★★__ 公式サイト105分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  青春ものとしては少し弱いが,俳句の575の魅力を確認するには良.「映画とは 人生垣間 見る落ち葉」
本編感想  漢字の書けない帰国子女の関めぐみ,不思議ウクレレ少女の蓮沼茜,元野球部補欠の橋爪遼,元チアガールの小林きなこ, 写真部から来た細山田隆人の5人が俳句日本一にチャレンジする青春ムービー. サポートは有名どころの柄本明,杉本哲太(すぎもとてった)(世界の中心で愛をさけぶ,ALIVE), もたいまさこ(タンスにゴン,きけ わだつみの声),嶋田久作(帝都大戦,69), 中村靖日(運命じゃない人で主演,花とアリス,死に花),高岡早紀(たかおかさき)が努めてこの作品の格調を高めている. ラストの戦いで出す俳句はもっともっと味わい深く青春を表現するような歌を厳選することができたのではないか・・という点では 残念さがある.老け気味サラリーマンを演じることもできる中村靖日が高校生役として出ていたのには少し驚いたが・・ それなりに高校生にもなれていたところがまた驚いた.「映画おや 人生垣間 見る落ち葉」と上で呼んでいる俳句の解釈は次のようになっている. 「映画とは自分や他人の人生を2時間で垣間見ることができる存在で,見ると落ち葉のように落ち着くし,降り積もる落ち葉のように 知識や経験が蓄積されていくのだなぁ」と思う心,垣根の間にヒラヒラ舞う落ち葉を見ながらその哀愁を映画のワンシーンとダブらせる様とを 同時に読む歌である.(ほんとかよ!)  ネタバレ→  ←   監督は原著の作者である荻上直子.もたいまさこが主演のバーバー吉野の監督でもある.  Amazon.co.jp「恋は五・七・五! 全国高校生俳句甲子園大会」  
キャッチコピー  俳句なんてジジイのうわ言,ババアのたわ言!? 文化系スポ根ムービー遂に誕生!!



マレーの虎 岸和田少年愚連隊カオルちゃん最強伝説 2005年
_____ 公式サイト91分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  よくもここまでつまらなくできたもんだ.
本編感想  伝説のハリマオになぞらえて日本の知恵遅れ気味ヤンキー竹内力(バトルロアイアル2)がマレーシアに行く 物語.  ネタバレ→  ←  監督は宮坂武志.原作は中場利一. Amazon.co.jp「岸和田少年愚連隊 マレーの虎
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笑ビ! アンガールズ 「ナタリー」2005年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  アンガールズ人気の魅力を探るには適度なお笑いビデオ.見ているうちに2人がいとおしくなる「きも格好良さ」
本編感想  新人お笑い芸人の中でも,きっての成長株として注目されるアンガールズの田中卓志(たなかたくし)と山根良顕(やまねよしあき). 契約CM数の多さでも同級生クラスを大きく引き離している.彼らの魅力はまったりとした「きもかっこよさ」である. のっぺりしているようでも頭の中は高速回転しており,適時適切なネタを繰り出す.この「ナタリー」では西部劇やそのヒロシマベンヴァージョン, 動物捕獲のプロのネタがある.おまけにはアンガールズとのにらめっこもある.ジャンガジャンガというジングルで次々とネタを繰り出す ショートコント.それなりに楽しめる内容であった.しかし,「とびきりのネタビデオか?!」と聞かれればそんなこともないと答えざるを得ない.  ネタバレ→  ←  Amazon.co.jp「笑ビ! アンガールズ ~ナタリー~
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イズ・エー is A 2003年
★★★__ 公式サイト109分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  テーマも配役もいいがパッとはしない.
本編感想  物語の冒頭で爆弾事件に巻き込まれ息子を失う父親を津田寛治(壬生義士伝,座頭市)が演じる.彼は警察官なのだが事件以後,息子の死を嘆き酒浸りの生活となる. その爆破事件の犯人だった小栗旬は4年でシャバに戻ってきたのだった.その父親の内藤剛志とゴミ清掃工場で働くのだが, 津田寛治を始めたった4年で少年が更生したとは考えていない.  この作品は殺された人が(その家族が)つらいのか,殺した方が(客観的にみて)つらいのかというテーマを含んでいる. 津田寛治が「お前にこの気持ち分かるのかよ」というシーンがあるのだが,分かる必要はないと思う.もし,全員がその気持ちを 分かってしまったら,この世は復讐という名の下に殺人の連鎖が起こるからだ.戸田菜穂,水川あさみ も出演してる.  ネタバレ→  ←   監督・脚本は藤原健一. Amazon.co.jp「イズ・エー [is A.]
キャッチコピー  僕らは哀しみを知らない.僕らは痛みを知らない.僕らの静かなる戦場.



サバイブスタイル5+ SURVIVE STYLE5+ 2004年
★★★__ 公式サイト120分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  CMディレクター多田琢と関口現が自分たちが普段思っていることをつなぎ合わせて2時間にした映画.意味不明だが,ハマればハマル.
本編感想  小泉今日子と阿部寛が寝ている.小泉今日子はCMディレクターで早漏の男のCMを空想し,阿部寛はお前にワキガで殺されると笑う. 荒川良々は人間の役割を尋ねる殺し屋ヴィニー・ジョーンズ(スナッチ,ソードフィッシュ)の通訳としてフライトアテンダントの木村多江(花とアリス)に難癖を付ける. 岸部一徳は一見普通の家庭を持っており,チケットを娘のためにゲットする.浅野忠信は謎の女性 橋本麗香と同棲しており, 大量のご飯を平らげ,タバコを吸おうとすると突然橋本麗香がキレだして戦いが始まる. 千葉真一は小泉今日子がCMを担当する頭痛薬の会社社長.阿部寛は有名な催眠術エンターティナーで岸部一得家族はそのステージを見に行ってくる. トリにされる催眠術を掛けられるのだが,その時,ロンドンから来た殺し屋にステージ場で殺される.岸部一得への催眠術は解けないままポッポポッポ言う羽目になる. 津田寛治らは空き巣として岸部一得の家に入る.岸部一得の妻には麻生祐未(Sweet Sweet Ghost).娘には貫地谷(かんじや)しほり(スイングガールズのトランペット).息子には神木隆之介(妖怪大戦争). 津田寛治とつるむホモ役として森下能幸(スイングガールズ,座頭市,キルビル1)とJAI WESTがいる.  ネタバレ→  橋本麗香は何度殺しても蘇り,延々と浅野忠信とのバトルが繰り返され,殺人を請け負ったはずのヴィニー・ジョーンズは仕事をしくじった と思い,再度殺す.  ラストは浅野忠信がビルから飛び降り,空を飛ぶ岸部一得に乗っかって登場人物達とすれ違っていく.結局岸部は最後までポッポ言っていた.  ←   企画・原案・脚本は多田琢.SMAPのミュージッククリップやアコムむじんくん,富士通FMV,サントリーBOSSなどのCMをつくった男.  監督は関口現.多田琢とよく一緒に仕事をする.CMプランナーとディレクターとして互いに仕事をしてきた2人が本作で脚本家と監督として 独自の世界を表現している.作品は短編メッセージ集が編集され1つの映画になったという感じ.この映画を見て人生の得になるようなことは 全くないし,各サブストーリー同士で関連は殆どんど無いが,みんなチョット変態という点では共通のテーマがある.ちなみにDVDのメニュー画面にはバグがある. Amazon.co.jp「SURVIVE STYLE 5+ コレクターズBOX
キャッチコピー  僕らは哀しみを知らない.僕らは痛みを知らない.僕らの静かなる戦場.みんなちょっと変態.



青い春 リボルバー REVOLVER 2003年
★★★__ 紹介サイト93分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  バンジージャンプでも相当躊躇した僕は実際にロシアン・ルーレットはできない.
本編感想  玉木宏(ロッカーズ),森山未來(世界の中心で愛を叫ぶ),佐藤隆太(ローレライ)の3人組が高校生として煮え切らない毎日を 過ごす.口癖は「何かとんでもないことが起きないかなぁ」.そんなある日,少年から手渡された巻物を開くと「ここ掘れワンワン」と 書かれた宝の地図が.その場所を掘り起こすと何と拳銃が.これでエキサイティングな出来事が起こるのかと思いきや. 案外平凡な日々.弾丸を購入するために新宿歌舞伎町へと繰り出すが,少年達は初めて見る大人の世界をそれぞれ経験する. 森山未來はサッカー少年で国立競技場を眺めているうちに大杉連と飲んだくれ,玉木宏はAV女優 前田綾花と一夜を共にし,佐藤隆太はディスコで踊る間に仲間とはぐれる. 撮影地は新宿コマ劇場前や花園神社.  ネタバレ→  要はロシアン・ルーレットをやって高校生だてらに生きているということを実感する映画.  ←   監督は岸和田少年愚連隊 岸和田少年野球団の渡辺武.  Amazon.co.jp「リボルバー 青い春
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ブルー blue 2001年
★★★__ 紹介サイト116分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  市川実日子と小西真奈美が世に出た作品.
本編感想  第24回モスクワ国際映画祭最優秀女優賞を受賞した市川実日子(キューティーハニー)と 小西真奈美(天体観測,いぬの映画)の高校生で女同士の友情を描いている.しかし,いつしか友情は禁断の愛情に・・ っと言うほどでもないか.タイトルのblueは思春期の青と海の青を物語っているものと判断した. 今宿麻美,中村綾乃,高岡蒼佑(コンクリート主演,パッチギ)は市川の男友達として出演しており,若い感じとぶっきらぼうなしゃべり方が良い. それにしても市川実日子の眉毛はこの頃から特徴的で目もつり上がり具合もなかなか魅力的だ.  ネタバレ→  小西真奈美は中絶して救急車を呼ばれ停学となっていた.市川は共通の友人 今宿麻美()を通して飲み会で酔っぱらって吐いたら,男性の服に掛かった. いっしょにトイレに行き,吐くのを手伝ってもらった.その時名刺をもらい,付き合うようになったのだが,男は 結婚していた.そして小西真奈美は妊娠させられたのだった.小西の母親は男の家に怒鳴り込みに行ったのだが, おくさんも妊娠していた.それで冷めた小西だったが,彼女の部屋の大量の洋楽CDは男の趣味のままだった.  ←   監督はdead BEATの安藤尋.  Amazon.co.jp「blue
キャッチコピー  恋人ができるまでは一番の友達が恋人でした.



ドラマ 東京湾景 全4巻 Destiny of Love 2004年
★★★__ ファンサイト全4巻 11話
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  太平洋の架け橋になるのが新渡戸稲造なら,日本海の架け橋になるのが仲間由紀恵.
本編感想  在日韓国人の長女を仲間由紀恵(トリック,ごくせん)が演じるフジテレビのドラマ.次女をソニン(ああ一軒家プロレス)が,父親を石坂浩二が演じている. 日本人との結婚を許してくれない父親に苛立つ仲間由紀恵は出会い系の門を叩く.そして知り合った このドラマのシンデレラボーイは和田聡宏(ホテル・ハイビスカス,バトルロワイアル2)だ.  その他の出演者は,佐藤江利子(キューティーハニー),佐藤隆太(ローレライ,IWGP),哀川翔(ゼブラーマン), 速水もこみち(仮面ライダー555),中村俊介,李麗仙(りれいせん),仲村トオル(海猫),夏八木勲(なつやぎいさお)(宣戦布告). それにしても,果てしもない偶然(あり得ないほと都合の良いストーリー)の上にのみ成り立つ恋愛ドラマだ. こんなドラマばかり見ているから日本人の結婚率が下がっていくのだなぁと想いを馳せずには居られない作品だ. 本作を見て教育された日本女子は,あり得ないほどの偶然や果てしもない男の寛容さ,ドラマティックの連続を経なければ結婚したいとは思わなくなる. こんなドラマを毎日見ていたら,実在の男はどれもこれも満足のいかないものになってしまうのは当然だ!! っと.このドラマに怒りをぶつけつつも.いやー.見応えのあるドラマでしたなぁ.それにしても,第2話目でラストの結末が読めてしまうほど べたべたな構成は気に入った.在日3世の妹の役をソニンがやっているというのもまた見応えがある. 和田聡宏が発見した仲間由紀恵の特長は...  ネタバレ→  たこが嫌い.話し好き.すごく良い友達に恵まれている.真逆の世界で働いている. 実は,佐藤江利子は和田聡宏が好きで仲間由紀恵との仲を裂くために,中村俊介に様々な情報提供をする. 石坂浩二の会社が負債を抱え,仲間由紀恵と中村俊介が結婚しなければ会社がやばい.しかし,仲間の心は和田聡宏に. 愛し合う2人に中村俊介の妨害工作が.書道の道で成功するために仲間と和田は韓国へ旅行に.それを追って空港に行った 中村俊介は薬中に突然刺されて下半身不随になる.(オイオイ!という展開だがそれがまたドラマを呼ぶ.)彼は卑怯な行いについて 謝りたい一心で彼女を追ったのだという. 仲間由紀恵は石坂浩二の子ではなく,和田聡宏の父親 夏八木勲の子であった.2人は姉弟であり許されぬ恋であった. それを石坂浩二から聞かされた和田聡宏は佐藤江利子と寝る演技をする.そうして,単身留学へ出る和田. 中村俊介との結婚を決意した仲間だが,夏八木勲への仲間の母親からの手紙から,結婚式当日に新たな事実が明かされた. 仲間由紀恵は夏八木勲の娘ではなく,小説家 仲村トオルの父親の子であった.それを知った石坂浩二は娘と自分が韓国人になりますと言った 和田の結婚を許す.結婚式場から和田を求めて走り出す仲間由紀恵だが,横断歩道でバイクに跳ねられ記憶喪失になる.(うあ〜べたべた.) 最終回寸前にこのネタを持ってくるとは・・ 仲村トオルが出版した彼らの物語 Destiny of Love を呼んで,記憶を失っても再び引かれ合う二人. 東京湾の景色,レインボーブリッジを背景に2人のキスシーンで物語は閉じていく.  ←   原作は吉岡修一の「東京湾景」.主題歌はWeather Forecastの「君さえいれば」.監督は村上正典.  Amazon.co.jp「東京湾景 DVD-BOX
キャッチコピー  運命の力に勝てるのは,ただ,愛の力だけである.



がんばっていきまっしょい! GANBATTEIKIMASSYOI! 1998年
★★★__ Amazon.co.jp120分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  いっしょに「っしょい!」って言いたくなる.子供の視点を思い出す映画.
本編感想  田中麗奈は高校に入り,ボートをやってみたくなる.男子ボート部があるのに何故女子はないか?と単身ボート部に乗り込み, 女子ボート部を作る.清水真実,葵若菜,真野きりな,久積絵夢の4人が仲間となり大会に出場するため訓練する3年間を描いたのが この映画.最初は自分たちでボートを海に運ぶこともできなかったのが3年後には・・・.ひとえに田中麗奈の若かりし頃の 彼女の入浴シーンやブルマ姿が見たくて見たくてたまらない人はレンタルすべき一本. また,子供が落ち込んだり喜んだり,自己と他者の関係が微妙に形成されていく過程が描かれている.  ネタバレ→  ←   監督は磯村一路.  Amazon.co.jp「がんばっていきまっしょい コレクターズ・エディション
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深夜も踊る大捜査線2 SHINYAMO ODORU 2004年
★★★__ 公式サイト58分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  本作を1本の映画として捉えられるほどの内容ではないが踊るシリーズの回顧録としてはまあまあ.
本編感想  北村総一朗(神田署長),斉藤 暁(秋山副署長),小野武彦(袴田課長)のおとぼけ上司トリオ"スリーアミーゴス" のキャラクターを活かしたコント集のようなものだ.踊るシリーズを何回も見たようなファン(私)にはたまらない 回顧録的な存在でもある.しかし,3人はあまりにもなめきった警察官なので少し不愉快になる人もいるはずだ.  第1話「嘘だらけでの自伝でも伝説の始まり」第2話「取調室は犯人との対決の場」第3話「廊下を歩けば私の記憶を呼び起こす」 第4話「応接室は所轄と本庁の折衝の場」最終話「後悔も誇りも彼という刑事に出会ったこと」の5章立てで構成されている. サブストーリーとして「プロジェクトKができるまで」がある.プロジェクトKは神田所長の自著伝である. 遠山俊也,水野美紀,佐戸井けん太,甲本雅裕,小林すすむが各章の背景代わりに見え隠れする.  ネタバレ→  ←   脚本は踊るシリーズと同じく君塚良一.
キャッチコピー  増やそう検挙.減らそう経費. 日本の歴史を変えたかった.



ウィンブルドン Wimbledon 2005年
★★★__ 公式サイト99分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  撮影技法に感心しながらテニスではなく,ストーリーの都合の良さを見て納得する映画.
本編感想  やり手のテニスプレーヤーとしてキルティン・ダンスト(スパイダーマンシリーズヒロイン), もうすぐ引退を考えるかつての世界ランキング11位の男をポール・ベタニー(ビューティフル・マインド,ドッグヴィル)が演じる. イケテナイ男はキルティンに恋することで運気を呼び寄せテニスの最高峰ウィンブルドンを勝ち進んでいく. この映画はテニスの世界的メッカであるイギリスのウィンブルドンでイギリス人男性が優勝するというストーリーの上で 最高峰テニスプレーヤー達の苦悩を題材にある恋愛の形を描いている.スパイダーマンシリーズでは笑顔が目立たずムスッとした顔が低印象であった キルティンが今回は笑顔を沢山披露し,魅力ある実力派若手を公演している.この映画の引きつけられる点として, 主人公ポール・ベタニーの心の声がブツブツ聞こえてくる演出がある.これはおもしろい.トッププレーヤーってこんなこと考えてるのかな? と思ったり,そうだよなぁと共感したりして,私たちをグゥッと作品の世界へと引き込んでくれる.決勝のシーンではかなり凝った撮影技法も 盛り込んで,現実に見ることのできない勘ぐる変化やボールの動きを表現し,映像マジックとしても高いレベルにある作品でることも注目すべき点だ. 出演する選手はテニスの経験が無く,実際は素振りをしているだけ.そこにCGの合成ボールを乗せて臨場感を出している. テニスをほんの少しやる人間から見て,その映像に臨場感こそあれ,違和感はなかった.テニスのルールなどを知らずともこの映画の 伝えたいところは存分に観客に伝わる造りになっており,その点も評価できると同時にそれにとどまらず,世界中に新たなテニスファンを増やすことに 寄与していることも間違いない.あらゆる麺で良といえる作品であった. その他の出演者としてオースティン・ニコルズ(デイ・アフター・トゥモーロー),サム・ニール(アンドリュー,ジュラシックパーク), ニコライ・コスター=ワルドウ(キングダム・オブ・ヘブン,ブラックホークダウン)らがいる. この作品から学んだ点として,「テニスプレーヤーはあらゆる意味で験担ぎ(げんかつぎ)を重視している.」があった.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  彼女は彗星のように 彼はドラマティックに 偶然の出会いが,恋の始まり



ロスト・イン・トランスレーション Lost In Translation 200年
★★___ 公式サイト102分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  日本という異国に取り残された2人のアメリカ人.エキゾチックな寂しさが2人を引き寄せた.
本編感想  アカデミーオリジナル脚本賞受賞の本作はハリウッド・スターが日本に来て異文化を体験しつつ忘れていた恋する気持ちを手にするというもの. サントリー響のCM撮影をするために来たビル・マーレー(ゴーストバスターズ)と写真家の旦那に着いてきた結婚2年目のスカーレット・ヨハンソン(アイランド)の 2人を軸に物語が進む.2人は退屈なその国からの脱走を試みる. 渋谷や表参道が主な舞台になるのだが,寺院やビル街,日本の特徴的な風景はしこたま使用してくれている.これは何となくうれしい. 愛想笑い何を考えているか分からない人種として日本人が描かれている. しかしその表現に下手な誇張はなく,カラオケや店やパチンコ店やその他の日本は現状とかけ離れることなく描かれているのがかえって新鮮だった. またヨハンソンのカラオケシーンが見られたのはチョットうれしい.テレビタレントとしてマシューこと藤井隆が出ている.  ネタバレ→  ビル・マーレーにとって結局日本の旅は人妻ヨハンソンとの淡い恋をするための旅であった.ラストはタクシーで追いかけ別れを言い,キスしてその淡い恋は終わりエンディングロールとなる. この物語の切なさは幼い私にはやや理解しかねた.  ←   監督はソフィア・コッポラ.
キャッチコピー  幸せなはずなのに,ひとりぼっち.忘れられたハリウッド・スター.ひとときの恋心,永遠の想い出.



レイ Ray 2004年
★★★★_ 公式サイト152分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  本物を知らなくても知った気になれるアカデミー賞映画.
本編感想  アカデミー主演男優賞(2005)を獲得したジェイミー・フォックスがゴスペルとR&Bの融合を図った先駆者でジャズの神様チャールズ・レイの人生を 演じる.子供の頃に弟と鬼ごっこをしていてバケツの中にはまった弟を見殺しにしてしまった過去を持つレイは メジャーになる前から母親と弟の悪夢がフラッシュバックしうなされる.当初ノルマンディー上陸作戦で両目を失明したと言っているが, 実は幼少期に目の病気に掛かり,光を失ったのであった.息子を深い愛と厳しい愛で暖かく育てた母のおかげで両目を失っても力強く生きていくレイ. ピアノと歌声で安酒場から徐々にのし上がっていくレイ・チャールズ.目が見えないことによって報酬をちょろまかされたりするがその都度喧嘩をし, 自分の進むべき道を決めてきた.麻薬が止められないレイは家族に見つかっても止めないという.そんな自分に母親の叱咤が心の中で響き,時折 心の蔵を圧迫される.タバコ,麻薬,女,音楽に陶酔する日々.嫁をおいて浮気を繰り返す男だが実力とヘロイン好きは衰えず.育ててくれたレコード会社をやめ,75%の報酬とマスターテープの所有権 で大手ABCレコードに移る.人気は鰻登りだが,麻薬所持で逮捕される.その後も圧倒的な才能でメジャーになるがそれでも麻薬は止められず,再び捕まり, 密輸の容疑で逮捕.今度はやばい.麻薬を立つ地獄の苦しみと治療が始まり頂点を極めた男レイ・チャールズの苦悩を見る.その後彼は麻薬を完全に断ち切り, 盲学校への支援もしながら,以後40年にわたって音楽会の頂点に居続けた.2004年死去.そして,いつも母親の愛が心の中にあった. それにしてもグラサンを掛けたジェイミー・フォックスは物まねのようにレイ本人と告示していた.主演男優賞を獲得するに値する迫真の演技に涙できる ポイントはいくつもあった.(ちなみに黒人俳優として史上3人目の主演男優賞受賞)  ネタバレ→  ←   PG-12
キャッチコピー  レイ・チャールズ−音楽,恋,そして人生.彼は,生きること全てにおいて<天才>だった.



ラブドガン Loved Gun 2004年
★★☆__ 紹介サイト111分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  宮崎あおい,新井浩文を見ろ!という映画.
本編感想  全体的なストーリーはかなり不明だが,3人の殺し屋がメインでそこに偶然であった少女宮崎あおいが 絡んでくるという感じ.オヤジが不倫してそれが見つかり妻を殺したという仮定でやや不良に走る少女が宮崎あおいである. 殺し屋は永瀬正敏と岸辺一得(いつか読書する日)と新井浩文(恋火,隣人13号)  どうやら作品の中の世界と現実世界で異なる点は,「銃を撃った時の感情によって弾丸の色が変わる」ということらしい. 素人はションベン臭い黄色い弾の色になるらしい.憎しみは黒,悲しみは青らしいのだが,誰も赤の場合は知らない. 永瀬正敏は子供の時からものを飲み込む癖があり,拳銃の弾丸も飲んでいた.それが20年くらい経ってもそのままあって, おえっとするとその弾丸が胃の中から出てくる.野村宏伸が医者として,田辺誠一が永瀬正敏の父として出演している. スピードもキレも今ひとつの殺し屋映画ではあるが,岸部一得の親心でどチンピラが成長するというところは一応描けている. 宮崎あおいがストーリーに絡んでくる必然性をもう少し煮詰めればもっとおもしろい作品になっていたのになぁと感じた. ラブドガンは愛される銃であり,その題名は作品の内容とマッチしている.  ネタバレ→  岸部一得が永瀬正敏を射つ時に赤い弾が出る.アル中で死ぬ間際におっちゃんこと岸部一得は新井浩文に脳天を打ち抜くように頼む. そしてラブドガンは新井浩文に受け継がれる.ラストは二人の殺し屋の死を通して成長したちんぴら新井浩文がヤクザからバックレるところに またもや宮崎あおいが遭遇し,ラブドガンでバイクを明け渡すように要求される.中盤で野村宏伸が変質者となって宮崎あおいの足の指をなめ回すのだが, なぜあのシーンが存在してのかはわからない.しいて言うなら,宮崎あおいのいやがりながらもだえる姿をファンサービスとして披露したかったのでは ないだろうか・・・  ← 
キャッチコピー  痛いほど,愛に撃たれる.



ワタリドリ〜もうひとつの物語〜 WATARIDORI 2001年
★★___ 公式サイト99分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  どんなに貴重で興味深いスペクタクルでも,鳥に興味がないと99分はきつい.
本編感想  フランスでは280万人を動員した渡り鳥を題材とした作品.この手の映画にしては珍しくワンカットが短くパッパとシーンが切り替わる. それにしても,よく鳥たちが飛んでいる真横を一緒になって飛んで撮影したなぁと感心する.  普通に生きていたら一生お目に掛かることができない様々な「鳥たちの行動」を目の当たりにすることができるのがこの映画の醍醐味だ. 求愛の仕方や走り方,飛び方,戦い方.彼らにとっては当然の行為だが人間にとってはどれも興味深く奇妙にも見える行動である. フランス語のナレーションが短い文章で渋い.  ネタバレ→  ←   監督はミクロコスモスのジャック・ペラン.
キャッチコピー  それは,“必ず戻ってくる”という約束の物語.



害虫 GAICHU 2002年
★____ 公式サイト92分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  宮崎あおいと蒼井優がみたい.しかも少女時代でないとやだ!という人だけが見る映画
本編感想  ユリイカでは幼すぎた宮崎あおいが少し大きくなって主演の 2001年ヴェネツィア国際映画出展作品.  揺れ動く13歳中学生の心を描いたといいたいところだが・・ 母 りょう は自殺未遂マニアのダメママ. 花とアリスの蒼井優が宮崎あおいの同級生として出演している. その他の出演者は田辺誠一,伊勢谷友介,沢木哲,石川浩司,天宮良. 悲惨な環境で育った少女宮崎あおいが回りは敵だらけという環境で異性に依存したり,悪行三昧の生活に 身を染めていく様子が描かれている. しかし,私の理解力が足りないためか(念のために2回見たのだが)何が言いたいのかあまり分からない作品であった. 火炎瓶で知らない人の家を焼いて罪悪感にさいなまれるようなワンシーンもあったが,その後また悪行に手を染め出す. ラストシーンは特に意味が分からない.「人間の本来の姿は悪行を積むことで,善とは悪行を積んでいない時のことを指す」という ニワンスの言葉が黒幕に白字で挿入される.それはそれで考えさせられる題材ではあるが,主演の宮崎あおいの行動とどれだけ結びついていたかは 不明.エンドロールは鼻歌がふんふん言っている.1回見て分からなかったので2回見たがそれでも意味不明.  ネタバレ→  ←   監督は黄泉がえりの塩田明彦.
キャッチコピー  思春期のこころの混乱を描いた衝撃の話題作!



ユリイカ eureka 2001年
★★___ 公式サイト217分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  監督は見せたいものが沢山あったのだろうが,とにかく長い.
本編感想  2000年カンヌ出品のモノトーン映画.  ユリイカ(eureka)とは,わかった!という意味でアルキメデスがが王冠の金の純度を測る方法を 見出した時に叫んだ言葉だと言われている.また, 1854年のオーストラリアで採鉱作業員が立てこもって政府りに反抗したユリイカ砦事件もあり, 「立てこもり」と「見つけた!」の両方の意味で本作品はこの題名を採用したのではないか?と勘ぐっていいる.  乗り合わしたバスがバスジャックにあい,運転手の役所広司と小中学生の兄妹:宮崎あおい,宮崎将(まさる,実は実兄)だけが生き残る. その時犯人を射殺した刑事が渋さ満点の松重豊.利重剛(りじゅう ごう) 役所広司は2年間放浪の旅を続け家に戻るが,すぐに家出する. 兄妹の母親は死に父親は消えていた.兄妹とその従兄弟斉藤陽一郎と役所広司は家族のように暮らし始めるのだった. 宮崎あおいの笑顔が見たくて借りたのだが,事故の後遺症でほとんどしゃべらない上に, 終始むすっとしている役柄.その上幼すぎてあまり興深くない.いやはやその点で残念だ. だが,指揮官役がすこぶるハマルかの役所広司がダメ息子っぽい役を演じているのがとても興味深い. 塩見三省にいびられてうつむくシーンはたまらない. ゆーっくりと風景を見せるシーンが多くとにかく長い.その割りにラストは・・. この映画は2回みないと良さが分からんと語る人もいるが・・2回見るのはきつそうだ.  この映画が新たな価値観を与えてくれるとしたら「バスで生活して毎日キャンプ生活(住所不定)」という生活もいいなぁ. ということである.役者達は肺炎(pneumonia)をこじらせた感じでいつも咳をしており,この作品の登場人物の 心理的不安定さを表現しているのでよい.(しかし,聞き苦しいものはある.) 国生さゆりがちょい役で出演している.  ネタバレ→  役所広司の付き合い掛けていた女性が殺害され,通り魔殺人の容疑が掛けられ,刑事と再会する. 役所は兄妹と自分のすさんだ心を再生させるため,中古バスを購入し,みんなで旅に出かける. 旅先でも通り魔事件が.実は兄の宮崎将が事件以来のトラウマで連続殺人を犯していた. 警察に出頭させる役所.「なぜ,人を殺しちゃいけないの?」の宮崎将の言葉がこびりつく. バスの旅を続ける一行.宮崎あおいは依然人形のように無表情でしゃべらない. 最後は阿蘇山大観峰で石を投げながら宮崎あおいがみんなの名前を呼ぶ.  ←   監督は私立探偵 濱マイクの青山真治.
キャッチコピー  バスジャック事件から2年・・・.傷ついた人々の心の再生を描く,世界が絶賛した感動巨編.



頭文字D THE MOVIE INITIAL D 2005年
★★★★_ 公式サイト124分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  実写ドリフトの圧倒的なスピード感.原作ファンがさらに拡大すること間違い無し!
本編感想  主演はジェイ・チョウ(藤原拓海 AE86 スプリンタートレノ).ヒロインは鈴木杏.ライバル達は エディソン・チャン(高橋涼介 FC3S RX-7 ∞III),ショーン・ユー(中里 毅 BNR32 スカイライン GT-R V・spec II ), ジョーダン・チャン(須藤京一 CE9A LANCER GSR EVOLUTION III ).原作は累計3900万部を売り上げた しげの秀一 主人公は豆腐屋の息子でかつての伝説の走り屋 父アンソニー・ウォン(藤原文太)の走り屋英才教育(コップの水をこぼすな!)を受け,知らず知らずのうちに 驚異的な峠のドライビングテクニックを身につけていた.トヨタのレビン86がGT-RやランエボIII,RX-7を打ち負かす. この映画の最大の見所は「実写によるドリフトバトル」だ.すごい!すごいすごい!! 香港映画ということで 香港のカースタントを準備していたが,撮影地日本でのカースタントの腕の方が良かったらしく,そちらのテクが採用されたという. 86が怪物高回転エンジンに載せ替えて勝つところまでの原作を概ね再現する形でストーリーは進行する. だいたい原作通りで(でも高橋啓介(弟)はいない.)映画用にカスタマイズされた要所を掻い摘んだ造りになっているのだが, 最大に違う点は,チャップマン・トウ演じる主人公の友達 立花樹だ.原作ではただの間抜け走り屋憧れ青年だが, 本作では金持ちボンボンバカ丸出し虚勢野郎となり下がっている.原作では武内樹だが,本作ではガソリンスタンドの 店長で文太の友達 ケニー・ビー(立花祐一) の息子 立花樹という設定なので別人と考えてもまあいいだろう.  ネタバレ→  ←   監督はinファナルアフェアシリーズのアンドリュー・ラウ.
キャッチコピー  下り最速の伝説.



ナッティ・プロフェッサー The Nutty Professor 1996年
★★★★_ 公式サイト96分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  誰もが持つ変身願望を叶えてくれる痛快な1.5時間
本編感想  エディ・マーフィが180kgの生物科学者を演じ,巨漢サイドからの世界観を描く.  相手役のヒロインはコラテラル,マトリックス レボリューションズの美しい黒人女性ジェイダ・ピンケット. この映画はあらゆる所に爽快感が表現されている.デブと痩せ,口べたと口達者 様々な対比とギャップがこの作品の魅力だ.もう,エディ・マーフィー絶好調!! またエディの家族役(全員太め)も暖かい味わいを かもしだし,この作品の良い味わいを助長するスパイスとなっている. 時間が来たら効果が切れてしまうやせ薬の存在がこの映画の肝だが,痩せエディは 体だけでなく性格をもアグレッシブにさせてしまい,高級スポーツカーを乗りこなすのも見所の一つ. ラストでの痩せエディの暴走では,いかにもという合成映像になかなか時代を感じさせる面もあるが 内容的には十分おもしろい.この作品,またすごいのはエディの家族のほとんどをエディ自身が 演技している点だ.特殊メイクのおかげでほとんど気づかない.  ネタバレ→  太りすぎのエディーはジェイダ・ピンケットを好きになる.自分が巨大化して 得意の屁をこき,街を大爆発させてしまう夢を見る.2人のデートでバーに行くが そこのDJにデブを散々バカにされてしまう.そこでDNA研究を活かし,自分を やせ薬を開発して本来のエディー・マーフィーの姿に戻る.自分をバカにした口達者DJを エディの口で完膚無きまでに打ちのめすシーンは痛快という言葉につきる.  ←   監督はブルース・オールマイティのトム・シャドヤック.ナッティ・プロフェッサー2も監督している.  終焉のスタッフロールでNG集が収録されているタイプの映画は作品が終わったあとも心温まる.
キャッチコピー  



キャスパー CASPER 1995年
★★☆__ 紹介サイト100分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  こんなかわいいゴーストがいたら・・と途中まで思っていたが,最後のストーリー展開の都合の良すぎさに愕然.
本編感想  10年前(1995)のCG技術を見ようと思ってレンタルした作品.屋敷に住み着いたゴーストのキャスパー君. 友達を見つけて仲良くしたいだけなのだが,みんな怖がる屋敷の持ち主の傲慢マダムは キャシー・モリアーティ(1980年レイジング・ブルでアカデミー助演女優賞を受賞). 屋敷を取り壊そうとするが失敗,そこでゴースト博士のビル・プルマン(The JUONに出演)にゴーストの退治を依頼. その娘クリスティーナ・リッチ(1980年生まれだから今は結構な大人.シャーリーズ・セロンが2003年アカデミー主演女優賞を取ったモンスターにも出演.) とゴーストの友情がこの物語の胆.キャスパー君は白半透明でかわいい.ついでにおしっこもする. ゴーストは思い残すことがなくなるとゴーストでいられなくなるらしい. この映画では,人間にできてゴーストにできないことがない.(ゴーストにできて人間にできないことはたくさんある.飛ぶとかすり抜けるとかパワーがすごく上がるとか老いないとか) そういう意味でゴーストから人間に戻る価値がとても薄い.ゴーストになると顔かたちが妙にアニメになってしまうということを除いては・・(しょうがないか・・昔のCGだから) ストーリーは様々に練り込んであり話題は盛りだくさんだが,最後のオチはあまりに都合が良すぎてとても ハッピーエンドとは認識できない強引さだ.その点は残念.しかし,全般としては子供に夢を与える内容になっている.  ネタバレ→  キャスパー君はパパにねだったソリで遊び過ぎて病気になり死んだ.そしてパパを思ってゴーストになったのだった. ゴーストらはビル・プルマン博士を殺ろして仲間にしよとと目論むが,彼のゴースト思いに感動し殺せなくなる. しかしその矢先,酔ってバーの裏手の道路工事の穴に落ち死去.  屋敷の持ち主だったキャスパー君の父は発明家で息子を生き返らせようと,キャシー・モリアーティは屋敷の地下に隠し部屋があり,人間蘇生機があることを知ると 相棒エリック・アイドルを殺してゴーストにさせ,飛んだりすり抜けたりする力を利用して金品を持ち去りその後人間に戻って 大もうけしようとする.しかし,車でひき殺そうとして海に落ち,自分が死亡.宝を手に入れるが 相棒に裏切られる.蘇生機に入ろうとするが,財宝を得た満足感でこの世に未練が無くなり,消滅. 屋敷の主人が残したとされる財宝はたいそうな宝箱に入っていたが,お決まりのガラクタでボールとグローブだった. 途中で死んだお父さんビル・プルマンが結局蘇生機に入り,1つしかない薬は無くなってしまう. ここの下りは都合が良すぎて意味不明だが, 最後は死んだ妻が現れ,魔法でキャスパー君を蘇生(結構美男子12歳)させて(旦那を救ったご褒美らしい),旦那と再会する. キャスパー君の魔法は夜10時に解ける.  ←   監督はシティー・オブ・エンジェル,レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語のブラッド・シルバーリング.
キャッチコピー  



がんばれベアーズ THE BAD NEWS BEARS 1976年
★★★__ 公式サイト102分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  だらしない登場人物ばっかりで何が魅力化よく分からないんだけど,心が暖かくなれる.
本編感想  この度上映されるがんばれ!ベアーズ ニュー・シーズンを迎える準備としてシリーズ3作をレンタルしてみた.  ダメ監督ウォルター・マッソー(でっかなお鼻が印象的)に技術もやる気もないダメ小学生たちが集まった野球チームベアーズ.  カーブが投げられる路上の地図売り少女テイタム・オニールとバイクに乗る不良少年をチームに引き込んで 彼らのおかげで何とかチームは野球ができるようになる.愚痴を言い合い,相手を罵倒する 汚い野球でとても少年野球とは思えない.ダメ監督に出会って子供たちが成長する.そんなストーリーである. 子供を言うこと聞かすのは大変だなぁ.最後はしっかりと米国国旗がたなびいて終わる.  ネタバレ→  最初は放棄試合となるほどボロまけしたヤンキーズに,ベアーズは決勝戦で勝ちに行く.  しかし,監督の汚いほどの勝ちへの執着がナインに受け入れられず,全員出場作戦に 切り替える.試合は結局負けるのだが,今度は優勝してみせるとチームは盛り上がる. ヤンキースの監督の息子がピッチャーをやっているのだが,危険球を投げて 親父にぶたれると,自棄を起こしてボールを握ったまま話さず,打者にランニングホームランさせるという一幕もある.  ←   映画の監督はマイケル・リッチー.
キャッチコピー  子供たちが奮闘する爽快で,等身大の,絶妙に計算されたおかしさが織りなす傑作



がんばれベアーズ特訓中 1977年
★★★__ 公式サイト99分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  続編だけど主要な登場人物を変えているからこそおもしろい.
本編感想  前回の野球監督ウォルター・マッソーは既にいない.子供たちがは結構あくどい方法で 野球チーム遠征を果たす.一部の選手を除くチームの下手ぶりは,全然変わっていない. 今回のテーマは不良息子とオヤジの関係.この映画の魅力は子供たちの成長にあるのだが, もちろんメインの野球にもある.野球漫画にありがちな1投球時の必要以上の描写が全くなく, イニングはさくさく進む.これが結構心地よい.わざとらしいドラマチックな演出はなく, 本当に少年野球を淡々とやっていて,その合間に各キャラクターの個性を見せているのが このシリーズの魅力と見た.子供たちの笑顔が本当に心地よく観客の心も和ませてくれるのも このシリーズが愛される大きな理由.1作目と同じ少年達が出演している.  ネタバレ→  監督不在のまま,ダミーおじさんを監督に見せかけ親の信頼を得て,盗難ワゴンでテキサスへ向かう.  テキサスではジャッキー・アール・ヘイリーの親父役ウィリアム・ディヴェインがベアーズのピンチを救い, 今回のベアーズの監督を務める.←   映画の監督はミュータント・ニンジャ・タートルズ2(1991) のマイケル・プレスマン.
キャッチコピー  抱腹絶倒のシリーズ第2弾



がんばれベアーズ大旋風-日本遠征- 1978年
★★___ 公式サイト92分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  これは続編で失敗例.日本を取り上げてくれたのはうれしいが,野球よりも日本の紹介映画になっている.
本編感想  今回もいつものメンバーが元気いっぱい暴れ回る.物語の序盤からベアーズは 飛行機で日本に来る.1978年ということもあり,アメリカの日本描写に味があって日本人として興深い. 日本の旅館での生活描写は笑える.それにしてもベアーズは相変わらず弱い. 3作目のベアーズ監督は詐欺師まがいのはったり男をトニー・カーティスが演じる. 若き日のアントニオ猪木がアリと引き分けた男として格闘デモンストレーションを行うシーンもあり 野球そっちのけで日本の紹介映画になっている感が強い作品である.また,若き日の欽ちゃんや家族対抗歌合戦 の面々が出て,全日本野球チームが歌合戦に出演するシーンもある.これらのシーンの背景には 「アメリカが育ててあげて豊かになり大いにアメリカ文化を吸収した日本をアメリカ国内に紹介する」という 思惑がみえる.当時の日米友好にこの映画が大きく寄与したんだろうなぁと見ていてとても思う. スラッガーでチームリーダーのジャッキー・アール・ヘイリーは芸者ライクな日本女性に熱を上げるというサイドストーリーもある. しかし終わり方は第3作目ということもありなんとも締まらない結びとなってしまった. この3作を通じて子供たちは同じだが,毎回監督が違う.異なったタイプの大人にふれあうことで 成長していくベアーズの子供たちを見るのがこのシリーズの楽しみ.  ネタバレ→  ベアーズはみんなで猪木とリングファイとし,勝ってしまうという快挙で一気に有名になり スポンサーも付く.全日本との試合をスタジアムでやることになるが,アメリカ側を勝たせようと 急遽強力な助っ人を3人入れる.しかし,精神的な拒否感からチームワークは荒れ,乱闘試合に. 日本野球連盟はこの不祥事で全日本の監督を解雇.だが,子供たちの友情は強固で全日本と ベアーズは子供たちだけで楽しそうに試合を行うのであった.  ←   監督はジョン・ベリー.
キャッチコピー  今度の相手は何と日本!文化の違いも何のソノ.ゴジラを超える大騒ぎ!



ドッジボール Dodge Ball 2005年
★★★__ 公式サイト93分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  日本のドッヂボール人気のキッカケ.ベン・スティラーのいやらしさに脱帽.
本編感想  スポーツジムを経営する主人公とだめな仲間達.同じくジムを経営する嫌味な男は メリーに首ったけのベン・スティラー.悪徳ジムオーナーとして主人公らのジムをつぶそうと策を巡らせる. 潰されそうになるジムのリーダーはロスト・ワールド,ザ・セルのヴィンス・ヴォーン.  この映画で行き過ぎたいやらしさを存分に発揮しているベン・スティラーが所々に見せる 小細工も魅力だが,中国人という設定の眉毛のベクトル値があまりにも激しくうねっている ミッシー・パイル(チャーリートチョコレート工場で向上に乗り込む娘の母親役)のえぐさもまた大きな魅力である.  ネタバレ→  結成したばっかりのチームで中学生の女の子チームか何かに地区予選で敗北する.しかし, 女の子の一人が男性ホルモン注射のドーピングで失格となり,ラスベガス行きの切符を手にするという落ち. 謎の車いすコーチにドッジボールの指南を受け,飛び交うスパナをよける日々.  ← 
キャッチコピー  だいの大人が人生賭けて大マジでドッジボールに挑む!



ふたりにクギづけ Stuck on You 2003年
★★★__ 公式サイト119分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  体がくっついている兄弟の映画だとは知らなかった.
本編感想  生まれながらにおなかの横がくっついている男の兄弟を弟(右側)マッドデイモン(ボーン・アイデンティティー)と兄(左側)グレック・ギニア(ユー・ガット・メール)が演じる. 結合双生児だが正確はかなり違う.普段はマサチューセッツでハンバーガー店を営み地元からの信頼は熱い. 子供の時から野球やボクシング,フットボールまでやりとてもアクティブな兄弟だ. 兄貴がセックスするときはカーテン越しにパソコンでメールをする.弟は兄のように積極的になれないが 暗い性格でもない.兄貴はハリウッドスターになるべく,上京し,メリルストリープに見初められる. 最後のベンチのシーンにはあっと驚く仕掛けが仕込まれている.  ネタバレ→  兄弟の片方がセックスするときに片方はカーテンの向こうで本を読んでいるというのが かわいそう.プライバシーもなにもあったもんじゃない.2人は体を切断する手術を受けるが,勝手がうまくいかず,お互い調子が出てこない. そこでまた仲良くくっついて兄弟愛を取り戻すってなお話.  ←   監督はメリーに首ったけのファレリー兄弟.
キャッチコピー  あなたにとってかけがえのない存在は誰ですか? 人生は思ったよりハッピー.君が“ピッタリ”横にいるから.



コンクリート Concrete 2004年
★★★★_ 公式サイト90分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  自分の子だけはこんな子にさせてはいけないと心に誓いながらも,日本全体の子供たちにもこんなになってもらいたくないという願いの沸く作品.
本編感想  実話をもとに作られた作品であるというが,本当に心が痛くなる作品だ. 不良の悪事と心のボーダーラインが,様々な行動の度合がどんどんエスカレートしていく様がありありと描かれている. この映画のすばらしいところは,悪事を実行している当事者よりも引いた視点で客観的に彼らのやっていることを見ることができることだ. 世の中のほとんどの人々にとってとても悪いことを映画の中の出演者達は行っている. しかし,現実世界でも,映画の中でも自分がその当事者になっている時は,自分たちの取っている行動の異常さや普通さに気づかないものだ. 日々の行動の価値にインフレが起こり,徐々にエスカレートしていく.破滅に向かい爆進していく少年達. ヤクザが少年犯罪を助長している様や恐怖の連鎖による組織体型,強いものに媚びへつらい弱いものを徹底的に虐げる体系が描かれる. 原作は渥美饒兒の「十七歳,悪の履歴書」  主演の高岡蒼佑(バトルロワイアル,青い春)はイイ役者だ.  ネタバレ→  自転車をわざと倒し,それを助けるフリをして近づいた女子高生はそのまま軟禁され ダメ男達のストレスの捌け口人形へと変貌する.最後には毎日殴られて顔が変形し エスカレートする暴行の末,サウナに行っている間に死亡.コンクリートドラム缶に詰められる.  ←   監督は中村拓.R-18
キャッチコピー  そう,あの事件 -誘拐,強姦,拉致,監禁- そして四十一日間におよぶ暴行がはじまった.



レス -less 2003年
★★★__ 公式サイト85分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  なんかおかしいんだけどそれに気づけない夢の中のあのもどかしさが十分表現されている.
本編感想  監督はジャン=バティスト・アンドレアとファブリス・カネパ.この2人のフランス人が脚本を執筆しアメリカのプロデューサーによって映画化したのが本作. 一言で言うと,パニック型ホラー.何が起こっているのかいっこうに分からないが, 車が止まる度に家族が惨殺されていく.驚喜のあまり発狂していく仲間達.いくら走っても目的地に着かず 警察にも連絡が付かない.悲鳴と混乱がつづくだけで終焉を迎えるシケシケ映画かと思って途中で がっかりしたが,最後にはひと味残してあったので3つ星となった. 父親をレイ・ワイズ,母親をリン・シェイ,娘(姉)をアレクサンドラ・ホールデン,息子(弟)をミック・ケインが 演じている.息子は「へー.アメリカ人の若者ってあんななのかなぁ」と思ってしまうような行為を所々で 見せてくれるのが良かった.グロいシーンの直接的描写が少なく,撮影も夜中の誰もいないシーンばかりなのでとっても低予算で組める映画だろう. その点は見習いたいものだ.  ネタバレ→  物語の最初に,一家を乗せた車は親父さんの居眠り運転により対向車に衝突しそうになるのだが, 実はその時に本当は衝突しており,一家は娘を残して全員死亡.対向車に乗っていた女性とその赤ちゃんも 死亡していたのだ.女は病院のベットで目覚める.延々とたどり着かない街「マーコット」とは娘が助けられる病院の先生の名前で,頻繁に登場する黒い高級車は 事故の第一発見者の男のものであった.というオチ.  ← 
キャッチコピー  パーティーへと急ぐ家族.マーコットへの標識.白いドレスの女.黒いクラシックカー.地図に無い森.なぜ,抜け出せない・・・.



ヒナゴン HINAGON 2005年
★★___ 公式サイト121分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  田舎町政のいい加減さを哀れみつつ童心にも帰れる映画
本編感想  広島県比奈町役場にはには類人猿課なるものが存在する.昔からゴリラのような未確認生命体が住み着いているという噂があるため 比奈町のヒナをとってヒナゴンと呼ばれていた.子供の頃そのヒナゴンにあったというガキ大将が大人になってその町のヤンキー町長になった. そんな彼とヒナゴン騒動を放送するテレビを絡めた子供の夢肯定型映画が本作. 鼻の穴を広げ,息荒くヒナゴン論を語る現町長役に伊原剛志.いい配役だ. もうすぐ選挙があるのだが,町は赤字で潰れかけ,隣町との合併しか道がない状態で,類人猿課を重視する 伊原剛志と合併を推進するいじめられっ子だが町のことを思う柳家花録が町長選挙で闘う.ヒナゴンは 物語の味付けで,実はこの選挙戦が本映画の主な見所. ヒロインは井川遥で都会から帰ってきて類人猿課の職員を勤める.彼女一人の存在でむさいストーリーに花が咲いている. イッチャンの幼なじみで町政の右腕を鶴見辰吾.同じく幼なじみの町役場管理職にダチョウ倶楽部の上島竜平. 幼なじみで事業を興すが赤まむしを売りつけみんなに迷惑を掛ける嶋田久作. ヒナゴンの存在を信じる小学校教師を松岡俊介.伊原剛志の亡くなった父親ホラ健に夏八木勲. 敵対した合併する市長に豊原功補(イントゥー・ザ・サン)  音楽はいい.ユニコーン奥田民生の「すばらしい日々」が今でも耳に残っているし,その音韻ループを再現すると映画のワンシーンがアッサリと蘇ってくる. 原作は重松清の「いとしのヒナゴン」.  ネタバレ→  途中ヒナゴンが町中をうろつくのだが,それは嶋田久作が着ぐるみを着ていたのだった.しかし,山の中には本物のヒナゴンが 居たのではないか?と臭わせたところで終わる.  ←   監督はショムニ,ぷりてぃ・うーまんの渡邊孝好.  Amazon.co.jp「ヒナゴン
キャッチコピー  ヒナゴンが教えてくれたもの.それは「信じる」こと・・・.



皇帝ペンギン A MARCHE DE L EMPEREUR 2005年
★★★__ 公式サイト86分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  南極の地獄と皇帝ペンギンのかわいさ・美しさとの対比.知られざる生態をしり少しだけ大人になる私たち.
本編感想 南極の冬は1日中太陽が当たらない闇と吹雪だけの世界.北へ向かう多くの動物とは反対に真南を目指すペンギン達. 数100kmにおよぶ道のりをあの短い足でチョコチョコと隊列を組んで進む.外敵がいないその地で伴侶を見つけ交尾する. 生まれた卵をまたの間の袋と両足で抱え続けなければたちまち冷凍卵が完成する世界.雌は生まれる子供のための餌を取るために 100kmの道のりを往復し,魚を喉の奥に蓄え行進を行う.1ヶ月くらい何も食べない雄は卵を暖め続ける. ブリザードの吹き荒れる中群れは体を寄せ合って押しくらまんじゅうをし,寒さを凌ぐ.当然凍死するペンギンもいる. こんな映像を何年もかかってよく撮ったものだ・・・と撮影スタッフの苦労が画面の至るところに見え隠れする. 映像も感動的で音声解説がややわざとらしいところを除けば演技をしているわけではないペンギンにでも容易に 感情移入ができるというものだ. WATARIDORIは当たり前だが,ディープ・ブルーの10倍以上のヒットを記録したというのは頷ける. 皇帝ペンギンの普通の一生が生涯に2人程度しか子供を残さなくても種が存続する人間にとってはあまりに過酷すぎるからだ. ナレーションはロマーヌ・ボーランジェとシャルル・ベルリング,ジュール・シトリュック. 日本語吹き替え版は解夏で恋人同士を演じた大沢たかお,石田ひかりが父ペンギン,母ペンギンを,話題の神木隆之介が子ペンギンを演じている. 神木隆之介ペンギンは守って上げたくなるかわいさを十分に表現していた.  ネタバレ→  ←   監督・脚本はリュック・ジャケ.  Amazon.co.jp「皇帝ペンギン プレミアム・エディション
キャッチコピー  南極大陸,マイナス40℃。120日間絶食して子供を育てる,皇帝ペンギンの物語.



いつか読書する日 2005年
★★★__ 公式サイト127分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  何気ない日常の中に,秘められた誰にも知られてはならない灼熱の炎をみせるこの映画はすごい.
本編感想  田中裕子と私の大好きな岸部一徳が激しい交わりを見せる.その一点だけでも価値の高い映画. 仁科亜季子,渡辺美佐子,香川照之が脇を固め,長崎の都会とは違う雰囲気をスクリーンいっぱいに表現している. 毎日長崎の険しい坂道を重い牛乳を抱えて配達する50歳の独身 田中裕子. 昼は香川照之が店長のスーパーでレジのバイト.牛乳配達先の家には同級生の岸部一得が住んでおり,癌で死が近い妻 仁科亜季子がいた.  ネタバレ→  田中裕子と岸部一徳は高校時代付き合っていたが,親族が不埒な付き合い?をしており,自転車事故で死亡.  しかし,今でも実は愛し合っている2人の数十年間隠してきた心を読み取った仁科亜季子は自分の死後に 2人が結ばれることを願う.  ←  どんなに歳をとっても,果たされなかった想い.恋の炎は恥や年甲斐などという小さな閾値を軽々と超え, 燃え上がり,火事だけに心の舵を焼き尽くして行く所までいくものだなぁ・・とつくづく感心した. 監督は独立少年合唱団(2000)の緒方明.  Amazon.co.jp「
キャッチコピー  いままでしたかったこと,全部して.



劇場版NARUTO-ナルト- 大激突!幻の地底遺跡だってばよ NARUTO2 2005年
★★★__ 公式サイト97分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ラピュタに迫るネタだが・・「仲間というイデオロギー」にこだわりすぎて少し寒かった.
本編感想  ナルトは少年ジャンプで連載中の人気アニメ.一昔前は忍者ハットリ君と言うところをいまはナルトと言うようだ. 迷子になったナウシカに出てきそうなペットを探す一行 ナルト,シカマル,サクラの3人はお決まりの展開で戦闘に巻き込まれる. 理想郷を作る目的に邁進し,ロビンマスクのような鎧に身を包むテムジンという子供. この世界にはとてつもない力を秘めた石が存在し,それを封印していた一族がいたのだという.ますます,ラピュタの臭いがしてくる. そして,移動する巨大要塞.うおお!ナウシカだ!主題歌「TUBEのDing!Dong!Dang!」に乗せてテンポ良くあきさせずに主人公達が 忍法を繰り出す.はっきり言っておもしろい.見応えもある.更に幼い子供たちへの教育上の配慮もにくい. 仲間を見捨てないというイデオロギーと理想のためには犠牲も必要だというイデオロギーのぶつかり合いで, 子供達には前者が正しいと教えたいそんな映画.彼は何が何でも仲間を見捨てない.その点がイヤと言うほど強く描かれている. しかし,そのイデオロギーを貫くためには自分が無敵でなければならないという 前提を観客の子供たちには教えていない.ナルト君は主人公であり,まやかしの使い手なので,仲間を見捨てないでもいままで都合の良いように ストーリーが進行し,死なずにすんできたのだろうが,現実はそうはいかない.  ネタバレ→  理想郷の実現を唱えるテムジンの主こそが,テムジンの両親を殺して石の力を求める悪の根源.  ←   監督は川崎博嗣(ひろつぐ),原作は岸本斉史(まさし),ナルトの声は竹内順子.  Amazon.co.jp「地底遺跡」,  Amazon.co.jp「劇場版 NARUTO大活劇 ! 雪姫忍法帖だってばよ !!
キャッチコピー  ゲレルの石に秘められた強大な力,封印された力をめぐり今,戦いが始まる.



ニュースの天才 SHATTERED GLASS 2003年
★★___ 公式サイト94分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  ダークサイドに落ちるジェダイ型新聞記者.
本編感想  写真の男,主人公のヘイデン・クリステンセンはスターウォーズエピソードII・IIIで400名の候補者のなかからアナキン役に抜擢された男. 心が歪んでいて内面にどす黒いものを隠し持ったような男を演じるにはいい役者だ.眼の筋がどことなくアミバ(北斗の拳シリーズ)に似ている.  THE NEW REPUBLICという米国で最も権威のあるニュース雑誌の記者ヘイデン・クリステンセン.若くして有能な 記者の彼は特ダネをものにしても謙虚で控えめ.人柄から編集部での信頼もあつい.だが,ハッカー天国という記事で コンピューター系の雑誌からツッコミが入りトラブルに.記事について取材を受けるが果たしてその真相は・・というストーリー. その他の出演者はピーター・サースガード(24シリーズのキーファー・サザーランドとパットみ見分けの付かない男,キンゼイレポートにも出演), ヘイデン・クリステンセンを信用し彼に同情する同僚の女にクロエ・セヴィニー.スティーブ・ザーン(サハラで愛嬌たっぷりに主人公マシュー・マコノヒーの相棒を演じた男)である. この映画は後味の悪さがおいしさだ.という感じもあるが,良いネタだっただけにもう少し味わい深くできたのではないかと思う.  ネタバレ→  ヘイデン・クリステンセンの繰り出すニュースは社会的で独特の視点だが,後期の彼のネタは全てガセネタであり,創作記事であった. ニュースの裏の取り方(真実であるかどうかの確認の仕方)を熟知していた彼は,架空の会社を存在しているかのように見せかけ同僚達を欺き, スクープと話題をねつ造していたのだ.彼を信じようとする上司やかばう同僚を尻目に徹底して嘘を突き通す筋金入りのガセネタ野郎に あっぱれ!と見るのがこの映画の楽しみ方.いやー.深まる目の隈と一緒にどす黒く歪んでいくヘイデン・クリステンセンのお面が スターウォーズでダークサイドに落ちていくアナキン・スカイウォーカーと被る.この配役はすばらしい!!  ←  製作はトム・クルーズ.監督はボルケーノ,ジャスティス,サスペクトゼロのビリー・レイ. 原題のSHATTERED GLASSはひどく打ち振るわされたグラス(主人公の名前)という意味.  Amazon.co.jp「ニュースの天才
キャッチコピー  ニュースに,本物と,嘘はあるのか?!



パットン大戦車軍団 PATTON 1970年
★★★★_ 公式サイト172分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  野心に満ちた男の魅力を存分に味わえる人間描写の戦争巨編
本編感想  本作と「トラ・トラ・トラ!」と「史上最大の作戦」は戦争映画の名作として今日にDVD化されている. 初っぱなから巨大なアメリカ国旗を背景としたパットン将軍の演説から物語は始まる. 「真のアメリカ国民は常に戦いを求めている」という American, traditionary, love the fight. All real Americans love staying the battle.の言葉が心に残った. パットンという豪快でロマンチストな北アフリカ戦線のアメリカ陸軍指揮官を描いた物語.この男の人間くささ野心の大きさが そのまま映画の魅力となっている.第二次大戦の現場と政治の両サイドから北アフリカ・欧州戦線を描いており, 当時の戦況の流れを掴むには良い映画だ.前半はドイツのロンメル元帥との指揮官バトルを描き,後半は現役引退を 余儀なくされる血の気の多い老人を描いている.波瀾の生涯を描いた戦争巨編となっているのだ. パットン将軍をジョージ・C・スコットが,その後輩のブラッドレー将軍をカール・マルデンが演じている.  戦争や軍隊に対する予備知識が無くこの映画を見たら,パットンの行動にやや疑問を持つ日本人は多いに違いない.  しかし,指揮官たるべきもののなんたるかは,この映画が多くを語っている.  ネタバレ→  連合軍としてドイツを駆逐するアメリカ軍だが,ドイツに占領されメンツを失ったフランス軍などにメンツを回復させる ような作戦内容に対して激怒し,自分の軍隊が攻撃目標に一番乗りすべく躍起になる.北アフリカでは大暴れしたパットンだったが, 弱気な部下に鉄拳制裁で渇を入れたことなどにより,中央部での評判は下がり,ノルマンディー上陸作戦を成功させるための 揺動おとり部隊としてその名を使われることとなった.  ←   監督は猿の惑星のフランクリン・J・シャフナー.
キャッチコピー  真のアメリカ国民は常に戦いを求めている



姑獲鳥の夏 UBUME NO NATSU 2005年
★★★★☆ 公式サイト138分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  妖怪映画ではなく,人間の脳についての考察をするサスペンス.
本編感想  妖怪大戦争のチーム怪の一員であった京極夏彦の原作を映画化.20ヶ月間身ごもり続けているという病院の娘とその夫の失踪事件を 堤真一が解き明かすという内容になっている.ホラーではなく謎解きミステリーだ.全ての知覚は人間の脳が作り出している情報であり, 完全な客観など存在しないという哲学のテーマを根底に据えてストーリー上に浮上する奇怪な現象を説明していく. 関口君こと助手的存在に永瀬正敏,不思議な力のある探偵に阿部寛,堤真一の妹に田中麗奈, 事件を追う刑事に宮迫博之,問題の身ごもり女とその姉の二役を原田知世が演じる. その存在と目の運びだけでも十分に怪しさを醸し出しているのが呪われた家の母親役の いしだあゆみ だ. 特に予告編で見られる奇怪な叫びのシーンは興味を惹かれる.しかし,本編では大した重みを持っていないシーンなのでややゲンナリ. 篠原涼子や荒川良々(よしよし),寺島進,恵俊彰(めぐみ としあき)もちょい役で出演している. 注目すべきは京極堂こと堤真一が爽快に謎を解き,怪しい一家に渇を入れていくその課程である. 彼の巧みな真相究明の手口を,観客がまるで自分の手柄のように共感できるように作られているところがとても好感が持てる.  ネタバレ→  原田知世の旦那である恵俊彰が殺される.妹が寝込む部屋と同じ部屋に死体は置きっぱなしになっているのだが,刃物が光り輝いていて それを死体とは脳が認識しないというのが今回の最大のカラクリ.(ショボイ),一見事件と無関係的に当初描かれていた永瀬正敏がじつは 妊娠騒動の張本人であった.  ←  監督はウルトラマンに長く携わってきた実相寺昭雄(じっそうじ あきお).  Amazon.co.jp「姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション
キャッチコピー  この世には,不思議なことなど何もないのだよ,関口君



マダガスカル MADAGASCAR 2005年
★★★☆_ 公式サイト101分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  キャラクター設定が巧妙.特にペンギン部隊には格別の味わいがある.
本編感想  アニメ映画は往々にしておもしろい.本作はその中でも見応えがある.なぜならば普段人間が動物園で動物を見るという のに対し,見られている動物の視点からストーリーを描いているからだ.アニメなので現実の枠組みでは 捉えにくいポイントに着目して話題を展開するので興味深いのだ.また,同じできごとをそれぞれの動物の視点から描いているのがとても良い. (例えばライオンから見た人間,人間からみたライオンで描き方やえのタッチが違っている.) 肉が好物でヒーロー気質のライオンにベン・スティラー(ドッチボール),早口おしゃべりシマウマにクリス・ロック(9デイズ), 仲を取り持つ女カバにジェイダ・ピンケット・スミス(コラテラル),間抜けなキリンにデイヴィット・シュウィンマー(6デイズ7ナイツ), 日本語吹き替えキャストも興味の沸く顔ぶれでそれぞれ玉木宏,柳沢慎吾,高島礼子,岡田義徳. キツネザルをおぎやはぎ,ペンギンズをアンタッチャブルが演じており,特にペンギンズの出来は最高!  ネタバレ→  都会の動物園でヒーローのライオンはショーをすればおいしいステーキが食べられて毎日大満足.ある日,友達のシマウマと 野生について語り合う.死ぬ前に自由な野生の世界へ行ってみたいとシマウマは思う.ペンギンたちは独力で計画的に穴を掘り, 南極大陸を目指す野望を実行していた.外の世界を見るために仲良し4種はある日動物園を脱走する.しかし,人間に見つかり, 危険動物のレッテルを貼られ,動物園をお払い箱に.船便で輸送される.しかし,賢いペンギンたちはその船で南極を目指していた. すったもんだで,4種の入った木箱は船から放り出され,漂流する羽目に.ついた先は野生の王国マダガスカル. しかし,自由と引き替えに手に入れたのは空腹の毎日だった.ライオンは気を抜くと親友のシマウマが餌に見えてしょうがない. 島のキツネザルたちはコヨーテなどの天敵におびえて暮らしをしていたが,ライオンと仲良くなれば,彼らを追っ払ってくれる ということで,4種を歓迎し,接触を試みてくる.野生を徐々に取り戻していくライオン.ラストはペンギンたちが船で迎えに来る.  ←   Amazon.co.jp「マダガスカル プレミアム・エディション "ペンギン大作戦"ディスク付 (初回限定生産)
キャッチコピー  動物園から逃げ出してはみたものの・・・



ヒトラー 〜最後の12日間〜 2005年
★★★__ 公式サイト142分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  我々はWWIIの歴史を知っているから,ヒットラーとドイツ将校達の行動を利己的で終わってると語ることができるが,当事者であれば かれらの行動は不思議ではない.その点に注意して見ないとこの作品の真意を見失う.
本編感想  最後まで降伏を許さなかったヒットラーは頭がおかしくなっていたのではないか? ドイツの敗北とユダヤ人虐殺の罪は結局 ヒットラーと軍高級将校の私心であっただろう.戦後の人間がそう望み彼らの行動をそう解釈することは容易い. この作品の興味深いのは当時の女性秘書トラウドゥル・ユンゲの証言を基に脚本を書いている点である.  ヒトラーの弱い人間模様が散々と描かれている.敗戦を目の前に,成す術なく酒をかっくらい酔いつぶれ,女と乱交を行う 高級将校達.国民の望んだ結末だ国民を護るよりも,ゲルマニアの思想を貫くことの方が重要だと狩猟するヒムラー. 製作・脚本はベルント・アイヒンガー. 出演はブルーノ・ガンツ,アレクサンドラ・マリア・ララ,コリンナ・ハルフォーフ. ドイツがこの映画を制作するにあたり,欧州からナチス崇拝だ!という声が一部聞かれたというが,そんな印象はみじんも受けなかった. 戦い終盤の軍の意志決定がどのように行われていたかを知る一つの見方としては大変興味深く勉強になりうる映画であった.  ネタバレ→  秘書トラウドゥル・ユンゲはベルリン映画祭でドキュメンタリーが上映されたまさにその当日に天命を全うした.  彼女が秘書に採用された日,候補者は他に4人いた.ヒットラーの面接に合格した自分だけが生き延びることができ, 他の4人は秘密保持のために面接の直後に殺されていたことを知り,たいそう怒ってこのドキュメンタリー作成のモチベーションを上げたらしい.  ←   監督はesのオリヴァー・ヒルシュビーゲル.  Amazon.co.jp「ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション
キャッチコピー  彼の敵は世界.世界震撼.全てを目撃した秘書が今明かす,衝撃の真実.



コーチ・カーター Coach Carter 2005年
★★★★★ 公式サイト136分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  教官役をやらせたら渋みが倍増するサミュエル・L・ジャクソンが,不良高校のバスケコーチを!こいつは見物だ.
本編感想  S.W.A.T.では警察特殊部隊を鍛え上げる教官役を.スターウォーズ エピソードI・II・IIIではジェダイのマスターを演じた サミュエル・L・ジャクソンが演じるコーチ・カーターことトーマス・カーターは不良高校のバスケットボールコーチを引き受けた. バスケ以外に取り柄のない不良高校生達は 反発しながらも次第に彼のバスケに対する愛,自分たちに対する愛に啓蒙され,少年から大人へと成長を遂げていく. ルールNo1.学業に励め! ルールNo2.敬意を払え! ルールNo3.チームを信じろ!  目先のことだけを見ずに,子供達の将来を,真の幸せを考えて指導し,成長を助ける様子には深く胸を打たれ,彼の生き方に強く惹かれる. 子供達を選手として見る前に生徒なのだ!簡単な契約が守れず,生徒である彼らの契約違反を今許してしまっては,大人になって法を 守ることもできない人間になってしまうんだ! 彼の意志と社会に対する思いがサミュエルを通じてスクリーンのみならず劇場を包み込む. 見所は,学校内でサミュエル・L・ジャクソンが弾劾裁判に掛けられる所と,ラストの試合の後に生徒達に語りかける演説をするところだ. ヒトは,他の動物と異なり,理想と言葉によって啓蒙され自らの行動を律することができる崇高な存在であると改めて思い,感動した.  ネタバレ→  カーターのシゴキにより実力を取り戻したチームは連戦連勝.しかし,コーチ就任時に契約した内容である授業はさぼらず平均2.3ポイント 以上取るが果たされていなかった.コーチは心を鬼にしてコートを鎖で封鎖する.それしか楽しみのない町の人や生徒の親はコーチをののしり, 学校でコート封鎖解除の申し立てを行う.カーターの主張は理解してもらえず,コートの封鎖は解除され,辞任を申し入れるカーターだが, 鎖が切られた体育館に行ってみたら,生徒達が体育館の中に机を置いてカーターの言いつけ通り勉強していた.そしてみごと全員カーターとの 契約を履行したのである.チームは更に団結し,州の大会へ.決勝戦では善戦するものの敗北してしまう.試合後の控え室でコーチと選手達は真の絆で 結ばれ,何人かは大学でのプレーという未来を勝ち取ったのであった.  ←   アメリカの田舎における犯罪や市民のレベル,実情を垣間見ることができ,世界を広げることができると同時に,とても熱いものを 映画から受け取ることができる良作であった.  この話は1999年1月に当時不敗を誇っていたリッチモンド高校バスケチームの体育館をコーチ ケン・カーターが封鎖し生徒の学業不振に 渇を入れた実話に基づいて制作されている. 監督はトーマス・カーター.グラミー賞を受賞したアシャンティが映画初出演で幼い考えの少女を演じている.
キャッチコピー  ある一人のコーチが僕たちの未来を変えてくれた.彼は唯一”リスペクト”できる人だった・・・ 熱い感動を呼び起こした真実の物語.



星になった少年 SHINING BOY & LITTLE RANDY 2005年
★★★★_ 公式サイト128分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  柳楽優弥のオーラ,常盤貴子の強さ,象は母→子,子→母の愛を見せるためのカモフラージュに過ぎない.
本編感想  主人公柳楽優弥君は演技がうまいという感じがしないのだが,オーラがある. この映画で真実っぽいなぁと感じたことは,「動物園の子供は動物臭いといわれていじめられていたことだ.」 母を常盤貴子,連れ子の面倒を見る父を高橋克実,プチ恋人を蒼井優,おばあちゃんを倍賞美津子が演じている.  この映画の序盤の見所は,動物園を営む家庭の仮想体験であり,中盤の見所は,「象使い」という日常にない珍しい職業の実態をスクリーン越しに勉強できることである.  タイ王国での象使い学校のシーンは,少年の異国での生活,言葉の壁,動物との触れ合いなどを独特の緊張感で描いており,他の映画にはない魅力で溢れている. (チェンマイなどで2ヶ月以上にわたり撮影)  ネタバレ→  柳楽優弥は象使いのノウハウを体得して帰国.日本初の象使いとなって実家の動物園の象たちを調教する. 武田鉄矢が嫌味な役者の役を演じるシーンで,ジャガイモを食べずに投げ返すという演技が象にはできず, 撮影スタッフを困らせる.父親の高橋克実と象の教育法を巡ってトラブルとなるが,柳楽は彼なりのやり方を突き通し, 次の日,象に芝居を成功させる.動物園で死んだフラミンゴの扱いを目撃し激怒する蒼井優と知り合った柳楽は 彼女に心を許していった.そして終盤にまるで夢オチのような結末が待っている.意味ありげに原付を操作していたので, ま・さ・か・なと思っていたら,案の定,出発して数秒後にトラックと正面衝突.強制的にお涙ちょうだいの空気を 作り出す.映画を鑑賞しながら,なんて卑怯なストーリー構成なんだと呆れるが,実話だったのならしょうがない. 蒼井優だけには打ち明けていた彼の夢と彼が象を愛した理由(母が象を最もかわいがっていたから自分もそれに最も一生懸命になろうという母への愛)を 柳楽優弥が死んだ後に,母常盤貴子は蒼井優から聞かされ,母は深く脳幹を揺さぶられる.結局全ての前フリはこのシーンを見せるための 前座であったと言って良い映画であった.  ←   赤い月の時もそうであったが,一人でも生きていける心の強い母親を常盤貴子に演じさせるとすごい.  原作は息子哲夢の母親であり,市原ぞうの国の園長である坂本小百合(ちび象ランディと星になった少年). 音楽はは巨匠 坂本龍一,監督は人間の証明,きらきらひかるなどを手がけた河毛俊作
キャッチコピー  日本初のゾウ使いの少年・哲夢と子象ランディ,そして家族の物語.実話から生まれた感動の大作.



ハービー:機械じかけのキューピット HERBIE : FULLY LOADED 2005年
★★★__ 公式サイト116分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  人間じみてなくペットに近い感覚でハービーを描いたのがこの映画の魅力.
本編感想  全米熱狂ティーン・セレブ,リンジー・ローハン,メリーに首ったけのマット・ディロン.バットマンのマイケル・キートンが主要キャラを 演じる.レースに出てスターになりたいリンジー・ローハンだが,女という理由で父親から禁止されている.お父さんと一緒に廃車場から5000円で車を 買い,新しい生活を開始しようとしていた.そこに眠っていた意志を持つドイツの車Volkswagen Beetle(フォルクスワーゲンビートル)は 彼女を選び,購入させる.この車がハービーなのだが,ヘッドライトを目に見せて人格を持たせている.しかし言葉は一切しゃべらない. 行動は喜んだり,怖がったり,お節介したり,喜怒哀楽がはっきりしており,主人公にとってまるでペットのような存在だ. 誰かの霊が乗り移っているような感じではなく,下手に人間じみた感じは無い.その点がこの映画の魅力で主人公はあくまでジンジー・ローハンである.  ネタバレ→  ハービーは自動車のイベントに乗り手を連れて行き,サイドミラーをニョキニョキとやく1mくらい伸ばして, モンスターマシンにギリギリ傷を付ける.それが引き金となりレースとなる.レースをしないと誓っていたローハンはマックスと名乗って ハービーに乗り,ただのオンボロ車のはずなのにレーシングドライバーの モンスターマシンを打ち負かしてしまう.その後,ハービーを掛けたレースに参加し,決勝戦で負け,ハービーは車クラッシャーの元へ, クラッシャーバトルロイヤルを勝ち抜き,ローハンのもとへ戻ってきたハービーはレース用にチューンナップされ, 父の運営するレースへと出場する.そして優勝するというストーリー.  ←   主人公と苦楽を共にしながらハッピーエンドに酔いしれるというたぐいの娯楽映画だが,この映画の魅力はティーンセレブと謳われる リンジー・ローハンだ.マット・ディロンとの恋愛をサイドストーリーに据えて彼女を暖かく見守ってあげることができる. 日本語吹き替え版では彼女の声を,下妻物語で主演し深田恭子を喰っていた土屋アンナが行っている.これは興味深い.(ただし,やや棒読み感は強い.)
キャッチコピー  あなたは最高のパートナーよ.



スターウォーズ3 シスの復讐 STAR WARS EPISODE 3 2005年
★★★☆_ 公式サイト156分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  シリーズの内容を全て追えるコアなファンでなくとも,権力闘争の課程と謎の力(フォース)の魅力はおいしい.
本編感想  登場人物が多い.キャラの顔と名前が一致しない.様々な力の原理が不明.シリーズ全部見ていないと分かった気がしない. などの理由からコアなファン以外を遠ざけている傾向が強いスターウォーズシリーズの完結編. 私は,エピソード1・2・3と見たが,一連のストーリーとして内容を覚えているわけではない. では,この映画が過去の流れを追えていないと何にも楽しくない映画なのか?と問われれば50%Yesの50%Noだ. ナタリー・ポートマンが出てきてもエピソード2を見ていなければ,なんだこの女?と思う.かといって, 全DVDを買いそろえるユーザーを想定しているこのシリーズにおいて,回想シーンを盛り込んでストーリーテリングの手助けを するわけにも行かない.結局あまり訳分かんないけど,ダークサイドに落ちたのね・・・と 息つく暇もないアクションを堪能する合間に納得するしかない.多くの鑑賞者にとってそのような作品となっている. 1970年代に登場した初代のころのサイエンス・フィクションならいざしらず,2005年の今となっては, 宇宙での戦争シーンなどに多くの疑問が浮かぶ.1.なぜ,ワープする能力があるのにわざわざ宇宙戦艦同士が近接して ビーム砲を打ち合う必要があるのか? 2.ロボット達が自立制御できるだけの高度な制御能力があるにもかかわらず, なぜ,兵士がビーム砲の照準を行っているのか?(それこそ自律制御しろといいたい.) 3.なぜ,「フォース」と呼ばれる力の 源を研究し兵器に実装しないのか? とりあえず,3つ列挙してみたが,この辺の議論はあちこちのスターウォーズ関連サイトで 日夜繰り広げられていることだろう.  本編のアクションシーンはすごい.金がかかっているし,ますますリアルになるヨーダ(緑の短足化け物)の動きも見逃せない. しかし,本当にすごいのは1970年代に造られた初代スターウォーズ(エピソード4となる)にうまく繋がるようにこのエピソード3上手に構成したということだ. ある調査によると日本人の82%が知っているという「ダース・ベイダー」(アメリカでは80%)が生まれるまでの課程をこの3で壮絶に描いている. 未来戦闘機でのドッグファイトあり,巨大トカゲレースあり,ライトセーバーによるチャンバラあり,議会での演説ありで見所は多い. いつの日か,シリーズを通しで鑑賞し,監督ジョージ・ルーカスの描いた全貌に迫ってみたい.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  シリーズ完結.



ロボッツ ROBOTS 2005年
★★___ 公式サイト105分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  最近のオールCGアニメにしては内容が薄い一本.彼らが「生きている」意義が全然見いだせない.
本編感想  アイスエイジのスタッフが送るガラクタロボットを主人公においたアニメ映画.  主人公ロボ ロドニー・コッパーボトムの声をユアン・マクレガー(草g剛)が,キャッピーをハル・ベリー(矢田亜紀子)が, おしゃべりロボット フェンダーをロビン・ウィリアムズ(山寺宏一)が,ビッグウェルド博士をメル・ブルックス(西田敏行)がそれぞれ,声の出演をしていて 話題となっている. さてまず,ロボットの国がある.子供は生まれるのではなく,部品や製品を買ってきて組み立てる. 親の部品のお古のみを使って構成するのであれば子供と呼べるかも知れないが,そんなこともない.  彼らの人となりに関して,体の部分に関する表現は多い物のロボット達の心(脳みそ)の部分の説明は全くない.  明らかに子供に見せるべき内容の映画であるのに対し,この映画の姿勢はなってない!!  物が集まって人の形をすればそれでしゃべったり意志を持ったりするものができるのか!!  この映画の酷寒部分は子供の健全な成長に悪影響を及ぼす内容であると強く感じた. その点以外にも,ストーリー上なぜ?なぜ?と問いたくなることばかりだ.子供向けに造っているのだから 細かいところの辻褄やスクリーンに出てこない裏の話はどうでも良い.という制作者の声が聞こえてきそうだ.  ストーリーで語りたいテーマは「夢は諦めなければきっと実現する.」というものだが,  ネタバレ→  世界一偉いロボットに会って自分の発明を見てもらうという夢を実現するために都会に行くが, その会社の社長は金の亡者に替わっており,意地悪門番ロボットに門前払いを受ける主人公ロボット. がらくたロボット達と友達になり,金の亡者社長とその母親の「おんぼろロボット一掃エクスターミネーション計画」を たたきつぶす.どんなクズでも生きながらえる権利がありそれを認めることは正当なことであるという制作者側の 主張がこの映画のサブテーマ.  ← 
キャッチコピー  忘れてしまった夢の続き,探しに行きませんか?



ドルフィン・グライド DOLPHIN GLIDE 2005年
☆____ 公式サイト47分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  確かにすばらしい! しかし,映画として見に行くと痛い目に遭う.BGM的存在.
本編感想  40年以上も水中を撮影し続けてきた男,ジョージ・グリノー。その彼が、10年をかけて撮り上げたのは、 人間の視点を超えた、幻想的な海面下の世界。色を変え、形を変えて動き続ける波と、その下で渦巻く気泡、舞い上がる砂。 水のフィールドを泳げば、目の前に広がるクラゲの森。小魚の大群を抜けて、光を目指し浮上すれば、 海面では波のパイプラインに迎えられる。このひと時、人はイルカになって、水の世界と一体となる。  ネタバレ→  いつになったら,オープニングシーンは終わるのかなぁ・・・と待ち続けること20分くらいで,ああ.終わらないんだ・・  これがメインストーリーなんだ・・・と気づき,最後までイルカの視線映像がつづく.  ←   監督はジョージ・グリノー.自作のカメラとこだわりのフィルムで10年間撮り続けた彼の半生とも言える メーキングビデオも同時上映されており,こちらの方が本編といっても良い.
キャッチコピー  イルカと泳ぐ.初めて体験するイルカの視線.いつしか言葉を超えた世界へー.



妖怪大戦争 YOKAI DAISENSO 2005年
★★★☆_ 公式サイト151分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  現代の子供達の妖怪ブームの火付けになってくれ!と願う
本編感想  インストールで上戸彩の乳を揉みたくった神木隆之介君が不思議な魅力を放っている子供向け妖怪エンターテイメントが本作品. 角川60周年記念映画でもある.水木しげる(ゲゲゲの鬼太郎),荒俣宏(帝都物語),京極夏彦(姑獲鳥の夏),宮部みゆき(模倣犯)で構成される「チーム怪」が妖怪ブームを 再び到来させようとあらゆる角度から妖怪のおもしろさを引き出そうとしたプレミア作品. ヒロインの川姫役は最近ノーローンのイメージガールとなった高橋真唯. 神木隆之介のお母さんに南果歩,お姉さんに成海璃子,おじいちゃんに菅原文太という配役で一夏の冒険をつづる. 両親の離婚後,鳥取方面のおじいちゃんの家に東京から越してきたいじめられ気味の小学生が,夏祭りで舞う麒麟(きりん)に噛まれてその年の「麒麟送子」に選ばれて, 大天狗山に伝説の剣を抜きに行く.小さい頃妖怪を一度だけ見たという妖怪雑誌の編集者 宮迫博之がこの映画のアクセント. (予告編の「妖怪大戦争だぁぁ〜〜!」と絶叫する声はキン肉マンや冴羽遼の声優である神谷明だとばかり思っていたら,宮迫氏の発話だったことに驚いた.)  この映画の見所はなんといっても特殊メイクの妖怪たち.赤い仮面の妖怪に近藤正臣.カッパ役に阿部サダヲ.  その他の妖怪として,石橋蓮司,忌野清志郎,蛍原徹,竹中直人らが子供たちを喜ばそうとがんばっている.  有名な役者がその他に演技しているのだが,特殊メイクのすばらしさせいで誰だか分からない人が多い.例えば, 妖怪一の鍛冶屋一本だたらが田口浩正(ちょっと太っていて汗の似合う男)だったり,剣を神木君に授ける大天狗がエンケンこと遠藤憲一だったり, ラストシーンで重要な役を担う小豆洗いが岡村隆史だったり.そして,妖怪大翁に水木しげるといった具合だ. 悪の帝王加藤保憲に豊川悦司,その僕アギに栗山千明.彼らは人間に捨てられた道具たちの怨念「ヨモツガミ」を使って (結局何がやりたかったんだかわからんが)妖怪大戦争を起こそうとする.  気になった点としては,物語が麒麟の話だけに宮迫が飲んでいるのは麒麟ビールの一番搾りということと, バイクと妖怪が合成されるシーンで,ボロボロのバイクなのに,なぜかヨシムラのマフラーのシールだけがピカピカに強調されていた点と, お年頃の栗山千晶の顔が化粧越しにニキビや吹き出物が多量に観察された点である.ありのままの表現が三池流なのか,彼女がちょっとかわいそうだった. ストーリーの方は,道ばたの暗がりに恐怖を覚える小学生向けのため,その場その場に短絡的な山があればよいといった認識で,加藤軍団や 妖怪軍団,主人公たちになにやら目的に沿った戦略があるわけでもない.妖怪に出会う度に見せる神木竜之介の驚き方も明らかに素の驚き方ではなく, 小学生が見た時のために驚きのお裾分けモードにカスタマイズされている.それでも,スクリーンを見ていられるのは,ひとえに天才子役と謳われる 神木隆之介の顔立ちと守ってあげたくなるような惹き付けられる魅力のおかげである.  3000人を超えるエキストラのみなさんで撮影をしたという大戦争(祭り)のシーンはうお!っと思う. ちょい役で,柄本明,徳井優,佐野史郎が出演している.  うああ!ショボッ! っと思った点として,「ゲームセンターのUFOキャッチャーの人形にも劣るような猫もどきこと スネコスリ君(ちょっとハム太郎を意識してそう)が神木隆之介の頭にこびり付いている」のを見たときと,「そのスネコスリ君が明らかに紐で引っ張られるような 不自然な移動をしている」ことだ.角川60周年記念の大作がそれでいいのか?とも思ったりする.その線でいうと, 栗山千晶らが操る金属ロボットはやや古いコマ送り方式で撮影された動きをしており,これもどうかなぁとは思ったが, 案外子供の目にはそちらの方がリアルに響くのかもしれないとも深読みしてみた.  ネタバレ→  神木隆之介はあれだけの偉業を成し遂げたというのに,実際に東京は壊滅しているというのに,町中に機械の悪霊が出現し大暴れしたというのに, 事後の世界は何事もなかったかのように進んでいる.神木隆之介は大人になり,新たに出てきたスネコスリが見えなくなり,平凡な人生を送っている様子. そこに,豊川悦司がニヤリと現れてエンディングに向かう. ←   監督は岸谷五朗と組んで「新・仁義の墓場」を撮った三池崇史,代表作は着信アリ,ゼブラーマン,殺し屋一.
キャッチコピー  妖怪大戦争だぁ〜〜



アイランド THE ISLAND 2005年
★★★☆_ 公式サイト151分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  トラックから積み荷がゴロンゴロンなのは半端でない臨場感.
本編感想  脚本を選ぶスターウォーズシリーズのユアン・マクレガーが主役を,ヒロインにロスト・イン・トランスレーションのスカーレット・ヨハンソンを 据える近未来DNA系SF.主人公を助ける人間に無様な死に役の代名詞スティーヴ・ブシェーミ(コン・エアー,ファーゴ)や 死にたくなぁーいと叫んで引きずられていくフットボール選手にマイケル・クラーク・ダンカン(グリーン・マイル)などの通好み役者が そろっている.近年のDNA関係技術のめざましい発展に伴い,未来で確実に起こるだろう問題に対し,あらかじめ今のうちに釘を打っておくと いった感じのサイエンス・フィクションとなっている.この映画のテーマは命というものの尊厳である.しかし,現時点で「命・生命」とは いったい何であるかの定義付けが科学者の間でもなされていない.その点がこのテーマの論点を曖昧にさせると同時に,鑑賞者の議論を盛り立てる.  この映画の見所は逃亡する主人公らを援護するスティーブ・ブシェミの演技と黒人の傭兵ジャイモン・フンスー(コンスタンティン,サハラに舞う羽) らに追われるチェイスシーンである.特にトラックから積み荷がゴロンゴロンするシーンは半端でない臨場感で,劇場にいながらも思わず, 足下のブレーキペダルを探して踏んでしまいたくなる.  ネタバレ→  現世で臓器や皮膚の自分のスペアを保存しておくために金持ちどもが自分のクローンを会社に依頼して造っていた. それらは完全に意識のない状態で保存されているという約束であったが,それだと臓器などが悪くなってしまうという. しょうがなく開発されたのが今回のコロニーで砂漠の地下に何千人も収容できる施設を造り,真っ白い服を着せ,中学生程度の学力しか与えずに 運動と食事をさせて健康的に生活させていた.商品であるクローンの彼らが逃げ出さないように,世界は汚染されており,その施設内とアイランド と呼ばれる島のみが安全であると教育した.大人の体のまま生まれる彼らは,生まれてからしばらくは洗脳マシーンによって子供の時の記憶や アイランドへの渇望をすり込まれる.しかし,ユアン・マクレガー演じるエコー世代のクローンには教育時の欠陥があり, 好奇心が芽生え,外の世界への興味と,クローン元の人間の記憶が再生されてしまうというアクシデントが起こっていた. 脱出した二人は自分のオリジナルに会いに行く.しかし,それを阻止するために雇われたジャイモン・フンスーに追われる. 空中を浮遊するバイクやカーチェイスを経てオリジナルに会うのだが,オリジナルはずるがしこい男で,エコーを会社に引き渡そうとする. エコーが嘘をつく時の癖を見抜いたスカーレット・ヨハンソンはエコーに助言し,最終的にはエコーとオリジナルが,「自分こそオリジナルだ!」 と口論するシーンとなる.エコーは製品がしているはずのブレスレットをオリジナルの腕に着け,オリジナルはジャイモン・フンスーに射殺される. オリジナルに成り代わったエコーは会社にクレームをいいに行くと見せかけて工場に侵入し,製品全員を幻想から救い,地上へと導くのであった. ←   この作品のテーマであるクローンに関して少し考察する.  ネタバレ→  ただ殺されて食用になるためだけに育てられる牛や豚とこの映画のクローンは何ら変わらない.クローン作成反対の人たちは, クローンが自分たちと同じ人間のように見えるから かわいそうだ.それを殺すのは止めた方が良いというだけだろう.もちろんそう考えるのはその人の自由だが,牛や豚を殺すのはかわいそうだから 野菜しか食べないという人も世の中にいる.結局は,どこで倫理の線を引くかの個人的見解の平均値(人口に占める割合)が社会でものを言っているにすぎない. 映画として成立させるためにこの内容(クローン人間にも人権を認め解放されるべきという内容)が最も多くの人々に共感を得られる 内容だと制作側が判断したのだろうか.いや.この映画はそんなことを語っていない.このストーリーの肝は,コロニー外部の人間の イデオロギーを介することなく,人間が生まれ持った英知である好奇心や知の欲望によってクローン自らが問題を提起し,行動し,解決しようとした という点である.すくなくとも,映画の中では,彼らが動かずにほとんど仮死状態なのであればOKで成人のクローンを造っても良いという法律になっていたようだ. 映画の中で人権活動家がストーリーに大きく絡んでくることもない.←  そういう意味で人間のアイデンティティを浮き彫りにしており,一部の人間の 思想を社会に強要するようなクローン映画に仕上がっていない点がこの作品の偉大なところだ.ただ,娯楽映画としてはクローンという題材をもう少し 興味深くラストに絡ませてほしかったという残念さは残っている.  監督はパールハーバー,アルマゲドン,バッドボーイズのマイケル・ベイ.日米同時公開.マイケル・ベイ監督に「日本人で使ってみたい役者がいたら 教えてください.」というたぐいの質問が出た時に,チャン・ツイィーはいい女優だね.と答えたという逸話がある.
キャッチコピー  まだ「アイランド」信じる?



フライ,ダディ,フライ FLY,DADDY,FLY 2005年
★★★☆_ 公式サイト136分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  私も何かに向かって一生懸命になりたくなる.そんな空気を堤真一・岡田准一が造ってくれる.
本編感想  堤真一・岡田准一主演の若者がオヤジ世代の喧嘩指南を行う映画.  格闘家でありモデルでもある須藤元気が大物政治家の息子でボクシングインターハイチャンピョンのムカツク無法者を, 堤の妻を愛華みれ,3代目なっちゃんこと星井七瀬が堤の娘をそれぞれ演じる.  娘を須藤元気にボコボコにされた堤が病院で愕然とする.その生徒は進学校の学生で父親は大物政治家だというその高校の教頭 塩見三省は冷たく父親に約500万円の見舞金を手渡し,無かったことにするのがお互いのためだという.金のためにいつも問題を起こす生徒の対処を行う 教頭の役を見事に演じている.すばらしい. 堤は娘をめちゃくちゃにされた復讐のために,その学校に乗り込み包丁で殺そうとするが,学校を間違えて不良高校へ. ここで,韓国人という設定の岡田准一に意識を剥奪され, 花とアリス,電車男などで味を見せた坂本真,きょうのできごとで田中玲奈と共演した松尾敏伸,その他 青木崇高,広瀬剛進ら によって企画された堤の「打倒須藤元気計画」という夏休みが始まるのである. 約2ヶ月間会社を休み,ひたすら走って,体重を量り,木に登ったり石段を登ったりする. バスの運転手に温水洋一やバスの乗客に徳井優,浅野和之,大河内浩,田口浩正,神戸浩らが出演しており, 堤の成長をより印象づけるアクセントになっている. サラリーマンが運動を通じて青春を再起させる感じが,青春映画として多くの世代に共感をもたらすだろう.  ネタバレ→  高校生らは堤がいつ根を挙げるのかで賭をし,次に須藤元気に喧嘩で勝てるのかで賭をする. 岡田准一演じる朝鮮人について,リストラされた会社員が外国人労働者を逆恨みし,たまたま通りかかった家のまえで たまたま見かけた岡田准一の親父を刺し殺すというエピソードがある.だから,刃物なんかに頼っちゃいけないし, 自分は強くなくちゃいけないんだと思うようになったとの話しだ. 当初,星井七瀬の方から男をたぶらかしたという話しになっていたが, 国民的美少女コンテストグランプリでデビルマンに出演した渋谷飛鳥が星井七瀬の親友として,暴行の真実を語り, 堤を安心させる一幕がある. ラストで堤はK-1戦士須藤元気に喧嘩で勝つのであるが・・・ そのわざとらしさがスクリーンいっぱいに広がるような須藤元気のやられっぷりには恐れ入った. 映画の見せ場であっただけに,もう少しお互いの辛みについてアクション監督の指導を行き渡らせる必要があったと思われる. ←  なににしても,青春ムービーとして映画館を出た後の満足感は十分にあった. 「GO」で第123回直木賞を受賞した金城一紀の原作&映画発脚本作.Mr.Childrenがこの映画のために書き下ろした主題歌. 監督はT.R.Y.や笑う蛙の脚本を手がけ,油断大敵の監督を務めた成島出.
キャッチコピー  この映画で”飛べ”!



バットマン・ビギンズ BATMAN BEGINS 2005年
★★★★_ 公式サイト155分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  バットマンの製造過程を見ることにより,バットマンに対する興味が生まれる.バットマンって人間だったんだ.
本編感想  主役バットマンはガンカタを創発したリベリオンのクリスチャン・ベール,幼なじみの女性にケイティ・ホームズ,天才科学者で協力的な男をモーガン・フリーマン. 忠実な執事にマイケル・ケイン.バットマンを育て上げる影の同盟に渡辺謙とリーアム・ニーソン. 今回の敵役に精神科の医者キリアン・マーフィ.バットマンと協力する刑事にゲーリー・オールドマン.  両親の死,放浪,出会い,訓練,葛藤,誕生のプロセスにより,大金持ちであるクリスチャン・ベールがいかにして バットマンとなっていったのかを見せる.そのバットマンは,あくまで自己鍛錬と科学の力のみを利用し,一見超人的な 振る舞いを披露する.ここがこの映画のこだわりだ.そこにこだわることによって,この映画がグッと現実的なものに 見えてくる.後半では,クリスチャン・ベールの両親達が愛した街を舞台に,大量虐殺を阻止するバットマンストーリーが 準備されており,バットマン誕生の秘密と相まって楽しませてくれる.元はアメリカンコミックなので,ムチャクチャやりますナー.と 呆れながらも,バットマンを応援できる内容なのはすごい.しっかりと観客を意識した造りになっている.バットマンの始まりという 題名にちなんでしっかりと,バットマン第一話につながるような布石を各地において物語を構成しているのはさすがだ. クリスチャン・ベールが主人公バットマンに抜擢された理由として本人は「自分がそんなに有名でなかったからだ.有名でない人間が 有名になっていく課程がバットマンにかぶるんだ.」と分析している.見所は,バットマンの操るバットカー?が町中を破壊しながら 豪快に立ち回るシーン.焦ったり,失敗したり,敗れたりしながら,それでも懸命にマシンを操作したり目的に邁進するヒーローの 姿がしっかり描かれており「人間が仮面をかぶってがんばっているだけなんだ!」と思わせてくれるのでその点がとても好感を持てるし, 他のアメコミと一線を画した内容になっている.  ネタバレ→ クリスチャン・ベールは幼い頃,井戸に落ちて怪我をする.その時,井戸の中からコウモリが大量に出てきて,彼の恐怖の象徴となる. 両親と見に行ったオペラか何かの際中にそのコウモリを思い出し,怖くなってお父さんに劇場を出ようと言う. 劇場から出た結果,直後に浮浪者に襲われ,両親は殺害される.その街のために鉄道を造り尽くした両親が,その街の浮浪者に殺されるという 皮肉を含んでいる.放浪の旅に出た主人公だが,リーアム・ニーソンに腕を見込まれ,剣術の修行を直接受け,影の軍団とよばれる 忍者組織の構成員となる.最後に罪人を殺して,我々の仲間になれと渡辺謙とリーアム・ニーソンに言われるが, 反逆し,影の軍団のアジトを丸焼けにして本国に戻る.鍛えた己の体と,モーガン・フリーマンの科学力.財団の金を使って 自分にできる正義とはなにか? 恐怖を乗り越える術は何か?と考えた結果,恐怖の象徴であるコウモリに自らがなることが 答えであった. 街ではマッドサイエンティストであるキリアン・マーフィが吸い込むと精神がおかしくなる薬を水道管に混入していた. 財団から盗まれた水を超音波で気化させる装置で街全体を狂人の街にしようというのだ. それを阻止するために,ワクチンを造り,ゲーリー・オールドマンと協力して鉄道を破壊するのが今回のメインミッション. ←   監督はメメント,インソムニアのクリストファー・ノーラン.メメントで見せた時系列パターンの 奇怪でかつ巧妙な紡ぎ方が,今回のバットマン誕生秘話にいかされている.
キャッチコピー  強靱な精神を手に入れ,理想に命を捧げれば,お前は生まれ変わる.



ステップフォード・ワイフ The Stepford Wives 2004年
★★★☆_ 公式サイト155分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  人間らしさと非人間らしさをもとめるのが「人間らしさ」という感動作
本編感想  ニコール・キッドマン,マシュー・ブロデリック,クリストファー・ウォーケン,フェイス・ヒル,グレン・クローズという顔ぶれで 世に出し直す1975年にグライアン・フォーブス監督,キャサリン・ロス主演で映画化された物語のリメイク. テレビ局の長やり手プロデューサーで視聴率を稼ぎまくるニコール・キッドマン.新番組の 発表会で夫婦を離婚に追い込むやりすぎ番組を披露.離婚させられた男が怨みをもって発砲し, プロデューサーであるニコールは首になるという振りで物語はオープンする. 首になった妻を思って自分もテレビ局を辞めた夫のマシュー・ブロデリックは2人の子供と友に コネティカット州の小さな町ステップフォード(実在はしない架空の町)に引っ越す. そこには異常なほど昔ながらで夫のために尽くす自我のない様な妻達がいた. ニコールとその友達で物書きのベット・ミドラーやゲイのロジャー・バートはこの町の異常さについて行けず困惑する. 街のリーダーとして魅力ある男性をクリストファー・ウォーケンが,その妻をグレン・クローズが演じる.  ネタバレ→ 夫たちの陰謀により人間の妻たちが永遠に美しく,ひたすら従順なロボットとなるよう, クリストファー・ウォーケンによって脳にマイクロチップを埋め込まれていた. 傲慢なニコールにやや怒る夫マシューは妻をロボット化するためにクリストファー・ウォーケンの家に誘い込む. そして,従順なロボットになったニコール・・・ と見せかけて実は演技であった. コンピューター室にマシューが忍び込み,町中のステップフォードワイフ達のマイクロチップを無効化する. パーティーの最中にワイフ達は次々と自我を取り戻し,クリストファー・ウォーケンと マシュー・ブロデリックとの対決になる.そこで,ガツン!とドタマをかち割られた クリストファーが実は完全なロボットであったことが判明.神経学の権威であったグレン・クローズは 毎日仕事に追われていた.ある日,自分の助手21歳ブロンドとの夫の浮気を発見して,2人を殺害.最高のパートナーを作ることを決意し, 真実の愛を手に入れたという.そして昔ながらの良妻を量産し,ロボットだらけの街にしても 良さそうなのは・・と選んだのがステップフォードだったというお話. ラストで愛を語るグレン・クローズは主演のニコール・キッドマンを完全に喰い殺す魅力を発していたのは特筆に値する. ←  この作品はグレン・クローズとその夫クリストファー・ウォーケンの演技に注目だ.最高の山場をラストにとっておき, ホロリとこさせる造りは名作と呼べるできである. 監督はフランク・オズ.
キャッチコピー  



あゝ!一軒家プロレス AH! HOUSE COLLAPSES! 2005年
★★☆__ 公式サイト155分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  橋本真也のプロレスよりも,テレビディレクターの根性に焦点が向けられている.
本編感想  いつもお世話になっているSOFT ON DEMANDからのリリース.EE JUMPでブレイクした在日美女のソニンが ワイアーアクションで飛びまくりのプロレス映画.2005年07月11日に破壊王橋本真也氏が脳幹出血のため亡くなられたということで 今回レンタルしてみた.遺作の「クロマティ高校」も原作のファンなだけに見てみたい. 本作で映画発主演となる橋本氏のプロレスファイとはプロレスファンならずとも,その激しさに 深い感銘を受ける.今回のヒロインはソニン.ソニンというとシングル「カレーライスの女」で裸エプロンという偉業を成し遂げた上に 美しい下乳を暴露したことが一時期話題になった.今回R-15指定が掛かっていると同時にがなり氏率いるソフトオンデマンド の提供ということである意味での期待が掛かる. プロレス団体ZEROの社長であり筆頭レスラーの橋本真也の幸せな新居パーティーから物語は始まる. 過去に兄貴を橋本に殺されたという男ニコラス・ペタス(2001K-1JapanGP優勝)に新居パーティーをめちゃめちゃにされ,家を焼かれてしまう. その火事で妻の栗田麗は一酸化炭素中毒になり,さらには,世界に類を見ない人魚病という皮膚が鱗になってしまう病気に 掛かってしまう.それに飛びつくテレビディレクター.そんな展開で物語は進む.本作が映画初出演となるソニンはZEROのマネージャーで筋肉改造と共に 格闘シーン・ワイヤーシーンをこなす.ほどよく筋肉が付いてしなるへそ見せバトルは,かなりのソニン萌えを誘発する. 現に主役は橋本真也であるにもかかわらず,パッケージの表紙やオープニング動画などは全てソニンで引きつけられる. 原案・総合演出テリー伊藤,企画・製作は高橋がなり,冷酷テレビディレクターに佐野史郎がその腰巾着にラーメンズの片桐仁が, 似非医者に浅草キッドの水道橋博士らが出演している.  ネタバレ→ 奥さんのことを約束を破ってテレビ放映した佐野史郎に対し怒りまくる橋本真也の怒りを静めるため,ソニンは 裸になり,本当に橋本の腕を噛み,抱き合ってアドレナリンを沈める. 人間50年の能に合わせてソニンの火打ち石とともに,人を殺したために本国では興業が組めなくなっている 殺人レスラー達と城の中で闘う.最初は獣男と獅子王橋本とのトイレ内での対戦.相手のドタマを便器にたたき込んで ダブルノックアウト.2回戦はアマゾネス対ソニン.電流風呂でぬるぬるソープまみれのタンクトップブラソニンが見られる. 3回戦は痛みを知らないゾンビと仕掛け男との一騎打ち.ゾンビ男はガラスで自分の腹を渇捌き己の小腸で橋本の首を絞める. 次は超能力男との対戦でここではソニンの恋人がバイクに乗って助太刀に入る.そして死ぬ. 全てはディレクター佐野史郎の仕組んだことであった.家を燃やしたのも,嫁さんを医者と共謀して人魚の病気にさせたのも 橋本を怒らせ番組を作るための罠であった.ラストはニコラス・ペタスと橋本の一騎打ちで,言葉もしゃべれなくなった嫁さんが 壺の中でうめいている.放送を打ち切られたが執念でVを回し続ける佐野史郎がこの映画の強力なメッセージとなっている. 母親は結局人魚になって(顔まで鱗だったはずなのに顔は人間になっている.)子供もいて海岸にて親子でたわむれる というエンディング. ←  この映画でテリー伊藤とがなりが見せたかったものは,橋本真也のプロレスよりもむしろ,「回せ!回せ! バカヤロ!びびってんじゃねぇよそれでもテレビ屋か!奴らがプロレスで戦ってるようになぁ,俺たちゃ 数字と闘ってんだよ!」という言葉に集約される視聴率最上主義根性であったに違いない. 監督は久保直樹.
キャッチコピー  これはインディーズ映画の頂点であり,金字塔である!



集団殺人クラブ 2004年
★____ 紹介サイト71分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  ガクガクと激しく震える左手と共に,援交にまみれる汚い女子高生が次々と抹殺されるのを見る映画
本編感想  この物語のキーマンであるタケゾウこと遠藤憲一がハーモニカを吹きながら現れるシーンから映画は始まる.  女子高生と援助交際を背景にあまりに現実離れした恐怖ストーリーを描く. 「愛するってことは求めるだけじゃダメで,与えるってことなんだよ.大人ならわかってよ.」という もっともらしいメッセージがあるが,内容があまりにあやしすぎてまるで説得力がない.  霊の良そうな雰囲気をタバコの煙らしきもので表現するあたりや役者の顔にわざとらしく光を当てる臭さがたまらない.  チャプターは発端,蘇り,最初の犠牲者,連続殺人,タケゾウの左手,エンディングとなっている. 組織的援助交際の仲間に橘実里,栗田梨子,岡田めぐみ,茂呂真紀子,斉木真未. 劇中の女子高生達より,メイキングや舞台挨拶の彼女たちの方がずっと輝いていた.その輝きが 本編で感じられなかったのが,残念.後半になればなるほどおもしろくなくなる. いやー.何が違うと,「怖いホラー」や「つまらない引き込まれないホラー」になるんだろーなー. 題名と内容はかなり関係無い.  ネタバレ→  エンケンこと遠藤憲一が化粧されながら女子高生に写真を撮られる.女子高生がエンケンの鞄をが覗こうとする. エンケンは過剰な拒否を見せるのだが,シャワーを浴びている間に鞄の中身を物色すると, 怪しい巻物が出てくる.もみ合いになり,エンケンの脳髄がコートフックに突き刺さってしまう. 援助交際を組織的に行った. 埋めた死体を掘り起こしに行くが,なぜか動き出す死体.そして,ただ単にヴィジュアルをおもしろくするために 持ってきたと思われるエンジン式草刈機.切り刻まれるエンケンの死体,血まみれ 車で現場を離れる一行だが霊の力で道に迷い妖怪屋敷で休憩.少女らは仲間割れをし,5人中2人が死ぬ.死体は洗濯機の 中でグルグル回る羽目に.あとは,訳の分からない左手が,訳の分からないほど怪しい動きをして,訳の分からないほど追いかけてくる. 殺しても殺しても現れるエンケン.結局巻物にはエンケンが殺してきた女達の名前が書いてある.結局,全員死ぬ. ←  監督は石川均.
キャッチコピー  死にたくないから,コロスだけ・・・



スーパーサイズ・ミー SUPER SIZE ME 2004年
★★☆__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ドキュメンタリーとしては,なかなか,マックに対する「愛着」が湧く.しかし結の部分が弱い.
本編感想  アカデミー主演男優ドキュメンタリー部門2004を獲得した作品.制作・監督・被験者をMorgan Spurlock(モーガン)が 行う.この映画のイントロとして,アメリカの肥満問題が取り上げられる. 成人の60%が肥満で州別には人工の1/4が肥満とされるミシシッピ州がNo.1だとか.肥満が原因の死亡が年間40万件だそうな. また,この25年で若者の糖尿病率が上がっており,20人に1人は糖尿病だそうな. マクドナルドをファースト・ジャンクフードの親玉として徹底的に攻撃するドキュメントだ. マンハッタンには3x20kmの区間に83店舗マックがあり,2.5km2に1店の計算となる.KFCやウェンディーズの合計より多く, バーガーキングの2倍の店舗数だという.毎日,1/4人がファーストフードに行っており,全世界では6大陸100カ国以上に3万店を展開. 1日の客総数はスペインの人口より多い4600万人だという.アメリカではフードマーケットの43%をマクドナルドが握っているらしい. 週に1回以上マックに赴く人をヘビーユーザー,週に4回以上をスーパーヘビーユーザーと呼ぶ.利用者全体の70%はヘビーでそのうち22%はスーパーヘビーだという. CMではマックが10億4000万ドルを,ペプシが10億ドルを,野菜産業は200万ドルだと主張する. そんな中,「誰もが毒だと知っている食品を売って,その性で私たちの体が変になった」と主張する147cm77kg14歳の女の子と168cm122kg19歳の女の子が マクドナルドを訴えた.裁判では「今回は因果関係は認められなかったものの,マクドナルドの食品と病気の強い因果関係が認められれば,今後の裁判も あり得る」とした.そこでモーガンが立ち上がったらしい. 実験は「30日間1日3食マクドナルドの食品のみを食べる」というものでルール1.スーパーサイズを勧められたら,スーパーサイズにする.ルール2. 水も含めて全て全ての食事をマックでとる.ルール3.全メニュー制覇する.ルール4.必ず1日3食言い訳無し.ルール5.実験中は.1日2500〜5000歩とする.運動しない ちなみに,マックのフライドポテトはSサイズで200kcalだが,スーパーサイズでは600kcalとなる. 3人の医者,内科のD.アイザック,心臓・肝臓科のL.カンシュ,心臓科のS.シゲールの助言を聞きながらドキュメンタリーを進める. まずは最初の検査で,タバコもアルコールもやらないモーガンは全くの健康体であることを示す. そして,モーガンは1日2500kcalの生活から1日5000kcalの生活へと変化した.  ネタバレ→ 実験開始時84.3kgであった体重は,5日で88kg,12日で92kg,18日で91.6kg,30日で95.3kgとなった. 体脂肪率は開始時11%→終了時18%,実験開始9日目で全メニューを制覇してしまい,21日目で医者に実験中止を勧められる. ←   ここでマクドナルド側の言い分を見てみる. ●未加工の食品よりも,加工された食品の方が一般常識として有害であるのは間違いない. ●成分は全てネットで公開している.(しかし,50%のアメリカ国民はネットを見られない.店舗には成分表がほとんど置いていない.) ●糖分ゼロの食品もある(チキンナゲット,ハッシュブラウン,ソーゼージ,ダイエットコーク,コーヒー,アイスコーヒー)  モーガンはマクドナルドのジャンクな味わいを,うまいうまいと言って楽しむが,3日目あたりに戻してしまうこともある.  結局マクドナルドを陥れるために制作された映画であることは間違いない.だが,極度の偏りは見られず,あくまで客観的に junk foodに接しようとしているのがこのドキュメンタリーのすばらしさだ.食品の中毒性にも触れており,ヘロイン中毒者に ナロキソン(naloxone)という物質を投与すると脳の受容体を遮断し中毒が治まるという.チョコ中毒も同じらしい.マクドナルドは 子供の遊び場として店舗を解放しており,ピエロやハッピーバースデーセットなどに力を入れて,子供への刷り込みを行っている という言及もあった.過去に私が行った分析と同じだ.さて,すばらしいドキュメンタリーだが,ラストのメッセージが弱い. 結局はジャンクフード好きのモーガンがジャンクフードを叩ききれなかったという印象だ. マクドナルド創始者Ray Kracが唱えた Look after the customer and the business will take care of itself. (お客のことを考えれば,ビジネスは自然とうまくいく.) のとおり,結局はマクドナルドは客の望む者を提供しているだけである. 自分の選択の積み重ねを棚に上げてマクドナルドを訴えることに疑問がある.この映画も今この話題が求められていたから, モーガンらが提供したにすぎない.そんなドキュメンタリーであった.
キャッチコピー  ファーストフードを1日3食1ヶ月間食べ続けると,人間どうなる?



インストール INSTALL 2004年
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  思春期の人間が感じるアイデンティティに対する疑問を描いた作品だが,多くの大人にとって目新しいテーマではない.言い換えると得る物の少ない映画.
本編感想  第38回文藝賞を本作で受賞し,2作目「蹴りたい背中」で第130回芥川賞を1で史上最年少受賞:9歳11ヶ月した 綿矢りさの原作を映画化したもの.性に対する若者っぽい綴り方がなかなかよかった気がします.  上戸彩主演,上戸とドラマ「涙をふいて」で競演した神木隆之介(千と千尋の神隠しでは坊声,ハウルでは魔法使い見習いの マクマル声,踊る大走査線ムービー2など)が物語の鍵を握る小学生を演じる.そのほか中村七之助,菊川怜,村昌平監督「黒い雨」(1989)の田中好子,小島聖 らが出演している.しかし,つまるところ見所は上戸彩と神木隆之介.この2人がおりなす非日常を文藝賞のシナリオで見るのが この映画.この映画を見て「ねかま」というコトバを初めて知った.(ねかまとは,ネット上で女を装う男の総称.) この映画はいったい誰が見る映画なのか?答えは,上戸彩ファンだ.彼女のファンが彼女の発する危ないコトバを 聴いて「え”〜〜」あの清純な彼女がそんなやコトバを!あんなコトバまで! そしてついにそんなことまでしちゃうの?!やだ==!!だれか,映画を止めてくれー!ともだえながら鑑賞するためにカスタマイズされている. それらを餌にして,「大衆の一員」へと大量生産されていく「若者」の反逆と, 「再初期化=インストール」とを絡ませ,「ネット」というツールを使って,繋がりの希薄性みたいなものを表現したのがこの映画. この夏公開の「妖怪大戦争」で主役を張る神木隆之介が  ネタバレ→ 母親の目を盗み,押し入れの中で上戸彩と共に,風俗店へのリピーター確保のためのエロチャットを行う. 上戸のパンチラをちらちら見せたり,上戸のおっぱいを触らしてと序盤で言ったり, 終盤には押し入れの中でしっかり揉ませたり,処女という設定の少女が知ったかぶりをしたり・・  母親しか飲まないコカコーラが連日無くなっているので,神木隆之介の母親役 小島聖が押し入れの秘め事にうすうす感づいており, 上戸のおぱーいをもみもみしているところで押し入れがガラッと開く.物語は終焉へと加速する. ←  上戸彩がなりすましチャットを行う相手のうちの一人は,サバイブスタイル5+でホモ役を好演していた森下能幸である.これは見逃せない. 監督は本作映画監督デビューの片岡K.
キャッチコピー  してみる?する?したい!



アットホーム・ダット スペシャル AT HOME DAD SPECIAL 2004年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  見たかった続きを上手に見せてくれる.続編の作り方のお手本.
本編感想  以前の全12話を軽く振り返ったあと,その後の時間をつづる.  宮迫博之が作る専業主婦のホームページ「アットホームダット」は専業主婦の間で 人気のホームページになっていた.  篠原涼子はチーフに昇任し仕事はうまくいく.しかし,仕事が中心になっていく.これが今回のメインテーマ.  阿部寛は娘の幼稚園の運動会の実行委員長を任される.  それにしても,とってもかわいい安藤咲良ちゃんと吉川史樹くん. この2人がこの作品の格を上げているのは間違いない.吉川史樹が苦手なボール投げを熱心に教える 阿部寛.腰痛に悩む宮迫博之.助産師として野際陽子が出ている.  ネタバレ→ 広告料に関して裏金作りに協力しろとチーフになった篠原涼子に話が持ちかけられる. しかし,正義感からそれを断ってしまった.うまくいっていた話は全ておじゃんとなる. 女の上司は感情で動くとか,あなたのせいでおじゃんになったんだから休日は働きたくない.と 上司としてのつらさを味わう篠原涼子.  カリスマ主婦として講演に出る宮迫だが,自宅出産する中島知子(オセロ) を手伝うためカリスマ講演を阿部託す.中島知子が出産するところで宮迫が「恋のバカンス」を歌い, 阿部が講演を行って物語は終わる.その際,様々な家族に対するメッセージを込める. うまい具合にストーリーが組まれているが,裏金作り(不正)に関して会社の人間がどのように 戦い,または飲み込まれていくのかの部分は十分に描かれていなかった.あと,安藤咲良ちゃんと吉川史樹くんが 元気に走り回るであろう運動会シーンが雨で流れたこと. ← その2点が残念.
キャッチコピー  幸福とは何か,そして新しい時代の日本人の生き方とは何かということを真摯に問いかける,大人のためのホームドラマ.



アットホーム・ダット AT HOME DAD 全6巻 2004年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ビジネスマンの生活を描いた作品が多い中,対する主婦の仕事に焦点を当てたことに価値がある.どっちが大変だとかいうのではなく,助け合って生きていきたい.
本編感想  阿部寛は大手広告会社のヤリテCMデザイナー.篠原涼子と結婚し,笑顔のチャーミングな娘の安藤咲良と幸せな家庭を営んでいる. 念願のマイホームをマークスプリングスに購入し,バリバリ仕事をこなす.男のくせに家事をするのは プライドがないとバカにしているが,数日後リストラされ,職探しをするが以前ほどいい条件のところはない. そうこうしているうちに妻の篠原涼子に雑誌編集の仕事が入り,家のローンも大変なことからとりあえず,以前と役割が逆転する. お隣さんは宮迫博之と中島知子(オセロ)の夫婦でこれまた魅力的な子役の男の子 吉川史樹 と 3人家族.中島知子は人材派遣会社の社長をしており高収入.宮迫は以前から専業主婦となり主婦業の知識が豊富.とそのような設定. 宮迫のことをプライドのない男とバカにする阿部寛だが,主婦業の大変さがわかるに連れて次第に, うち解けていき愚痴を言い合う友達となっていく.町内会を仕切る川島なお美はゴウマンチキで嫌みなセレブもどきババアを演じている. これにスポーツクラブのインストラクター永井大とその恋人 光幼稚園の先生 滝沢沙織 がからんで子育て,家事,仕事,新婚生活 の楽しみや悩みをおもしろおかしく描くホームドラマ.  見ていてほんわかにやっとしてしまい,とっても温かい気持ちにさせてくれる.  妻の仕事,町内フリーマーケット,子供の受験,スーパー カルフールでのアルバイト,娘の病気など様々な 題材を経て男の主婦&家族の絆というテーマを描いていく.  ネタバレ→  嫌味ババアを演じている川島なお美(とはいえ,それはそれでかなりの味わいがある.)は夫との円満を装っているが,実は夫には別の女がいて 生活費だけは振り込まれている哀れな女であることを,息子の小学校受験模擬試験の時に阿部寛らに明かす. 最終話でリストラに遇う前の条件よりいいCMの仕事の話が阿部寛のもとに舞い込んでくるが,上海で5年勤務という ものであった.妻 篠原涼子の正社員採用の話もあってもめる家族だが,結局家族の幸せを取って,上海行きはあきらめる. 永井大と滝沢沙織も指輪を渡してプロポーズし,家族愛を強調してエンディングへと向かっていく.  ← 
キャッチコピー  幸福とは何か,そして新しい時代の日本人の生き方とは何かということを真摯に問いかける,大人のためのホームドラマ.



宇宙戦争 WAR OF THE WORLDS 2005年
★☆___ 公式サイト132分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  宇宙人侵略ものとしてはサイン(メル・ギブソン)並のシケ具合.山崎貴のリターナーのスケールのでかさを見習え!
本編感想  宇宙ものとして,E.T.をこの世に送り出したスティーブン・スピルバーグと世紀のヒーロー トム・クルーズ ,それに加え並はずれた存在感を体現する子役ダコタ・ファニングという顔ぶれで満を持して世界同時公開されたこの映画. タイトルも今までの宇宙ものとは一線を画していますとばかりに,また,スターウォーズ超えていますとばかりに「宇宙戦争」と 名付けている.初日の日本での興行収入は4億円を超え,平日では日本記録となったそうな.(土日も入れるとハリー・ポッターの8億円)  この映画の雰囲気を解説すると,ストーリー・スケール・期待度と名前の付いた風船を序盤の1時間を掛けて急激な勢いで 脹らまし,「もう,これ以上脹らみません!!」と風船が値を上げたところで,「どこに穴を開けるか!」と風船に針を近づけて 驚かすが,結局空気を入れた元栓からまるで「スカシッペ」のように「すぅ〜」と空気が抜け結局風船は爆発もしないし,どこにも飛んでいきませんでした. チャンチャンという内容になっている.特に,ティム・ロビンスと一夜を共にするあたりで,急激に空気が抜け始める. まるで別の映画を見ているかのようだ.そんなヒューマンドラマを描きたかったのか?!スピルバーグさんよ. いやはや.描きたかったんだろーなー.でも,ストーリーと設定が脹らみすぎて,収拾がつかなかったから そっちに持って行ったっていう考えが適切である.結局,宇宙人と人類との戦いを見るという私のような大衆がこの映画に最も期待する テーマを鑑賞するのではなく,かっこよくて憧れるに値するトム・クルーズとダコタの演技を鑑賞する映画に仕上がってしまっていた のはもったいない.この映画最大の文句の付け所は  ネタバレ→  人類を遙かに凌駕する知能を持ち合わせ,科学力が上回る彼らが,大した大気の調査もせずに,乗り込んで来たのか?という点である.  人間でさえ,地球以外の天体に降り立つときは,その大気や微生物の有無などを徹底的に調査する.降り立つ星の大気に酸素が含まれている のが分かった.そんな程度では決して生身を曝したりしないのが普通だ.地表に降り立ったほとんど全ての宇宙人が数日中に死んでしまうような 強力な菌(映像の説明では大腸菌みたいなもの)を見過ごして,何100万年前から計画していた行動を実行するはずがない.彼らが侵略しようとした 最初の星が地球であるならいざ知らず,いままで,数多の星々を家畜農場として扱ってきたであろう彼らがそんな「地球用映画の落ち」を演じる はずがないのだ. そんな間抜けな落ちをこの映画最大の見せ場に持ってくるのは客をおちょくっている以外のなにものでもない.しかも,「様々な種との共存が 人類を救った」みたいなことを言って,エンディングロールへと結んでいくが,本当の地獄はこれからのはずだ! 地球に降り立った 宇宙人はほんの先遣隊にすぎず,「未知の地球という星」で狩りを行うに当たり,とりあえず,犬を放してみて 地球の様子を探ろう.といった程度のことだろう.犬がほとんど死んでしまうことが発見されたので,宇宙に待機する本体は万全の準備を してから,狩りを始めるはずだ.再び攻撃が開始されるまで短くて,1日長くて1週間という感じだろう.その間に,人類が, 灰となりかけているトライポットを解析し,エネルギーの発生原理やバリヤーの張り方を理解して,次の宇宙人の攻撃に備えることは不可能だ. ボストンで家族と再会したトム・クルーズらは,また次の日から圧倒的な攻撃を受けるか,「変な菌がいる星は消滅させてしまえ.」と決断した 宇宙人によって地殻津波を起こされて,原始地球からのやり直しを強要されるのがオチである.なんとも悲しい映画だ.  ←   中盤までのティム・ロビンスとトム・ダコタが出会うところまでは,一気に話しが盛り上がり,こんなに話しが脹らんだら, 後半はどうなるんだ!というくらいに観客の興味を引きつける.まさに,宇宙戦争という邦題を体現する内容のイントロに相応しい. しかし,ここからは一転して「非常時において信用できるのは家族の絆のみ,平時には薄い絆でも,最後にはこれしか残らない.」という テーマを散々見せる.結局はスピルバーグが見せたかったのはこの点だったのだろうなぁと思うしかない.だとすれば,原題・邦題は 的はずれだし,観客をだましている.ほかにいちゃもんをつけるとすれば,  ネタバレ→  トム・クルーズとその息子が分かれるシーンで丘の上が大爆発に包まれたにもかかわらず,息子は 都合良く生きており,先にボストンに着いているというのは,何とも・・ しかも,そのシーン. アメリカが誇るM1A1戦車とトライポットとの対決シーンが,丘に隠れて全然見えない.(観客が見たいのは, 最先端戦車が主砲を発車するにもかかわらずバリアーに遮られるシーンだというのにもかかわらず!) M1A1が主砲を発射しているということは,標的は少なくとも3km以内にいるはず,まして,12.7mmHGMを乱射している 様子を見ると,的は1km以内にいるはずだ.その最大の見せ場を丘で隠して映像化せずに,大爆発の後にCG合成でトライポットを出現させる 技法は観客をなめている.地下室を出たらジェットエンジンとジャンボジェットの破片が散乱していたシーンで すでに予算を使い果たしてしまったためなのか?←   いやー.しかし,やはりトム・クルーズ映画.彼の顔が映っているだけで映画が締まるということもあり,普通であったら 星無し映画とでもなろうが,1.5星にとどまった.今となっては,世界同時公開のマスコミ用試写会無しという意味がよく分かる.
キャッチコピー  地球最後の日.人類は試される,その愛と勇気を・・・.



戦国自衛隊1549 SENGOKU JIEITAI 1549 2005年
★★★★_ 公式サイト134分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  多少のほころびならば,歴史(時の流れ)には修復能力がある.そんな大筋のストーリーにみょうに納得.
本編感想  1970年代に出た戦国自衛隊(千葉真一主演)は自衛隊が戦国時代に飛ばされ歴史の渦に飲み込まれていくという, 飛ばされてしまったこと自体に哀れみを感じる物語であった.しかし,今回の1592は福井晴敏氏(戦場のローレライ,亡国のイージス)の 原作により,一層こった内容になっている.「あらゆる状況下における戦闘力の維持管理」をテーマに 自衛隊が,EMP下における電子機器の機能保全実験をしていたというのだ.(EMP:核爆弾爆発時などに発生する高エネルギー電磁波. 機械の回路内に過度の電流を引き起こすことがあり,それによって回線が焼き切れ電子機器が使えなくなるような電磁波.核爆弾に限らず EMPを発生させることを目的に開発された中性子爆弾などもある.最近の映画ではストーリー展開上良く用いられるので解説.) 実験中に太陽風の影響で何かしら不安定になり,実験中隊がAH1−Sコブラ,90式戦車を始め消えてしまい,代わりに, 戦国の世の斉藤道三(伊武 雅刀)に使える武将 飯沼七兵衛役 北村一輝が関ヶ原のススキと共に姿を現したのである.そうこうしているうちに, 世界には異変が起こるブラックホールのような正体不明の穴(虚数空間とかいっていたが)が世界の各地にあき,この世界が 存在することを許さなくなっているのだという.理由はおそらく,過去に送られた鹿賀丈史率いる中隊が時代を変えようとしているためだという. さてさて.そうなって過去に送られた実験中隊を現代に連れ戻すべく新たな中隊が過去に送られることになった. 鹿賀丈史のかつての部下であり,理想を裏切られたがために現在は退職して,フードチェーンの店長をしている江口洋介に,鹿賀丈史を連れ戻すため 唯一 鹿賀丈史を打ち負かしたことのある男として,作戦に参加する要請が来る.あとは,福井 晴敏氏の練り込まれたストーリーを 役者がどのように演じていくのか?というところに興味が映っていく.それにしても,歴史物には,伊武雅刀,北村一輝,的場浩司らは 欠かせない存在だ.いい顔をしている.ヒロインの鈴木京香も平安的な公家顔をしていていい.大変な任務を任される3佐に生瀬勝久という のはややミスマッチ感が高かったものの,刀一本でサブライ達に立ち向かっていく最後はなかなかのもの.また,島大介が良い味を出した 陸曹を演じている.  ネタバレ→  生瀬隊は昼間にOH−1(ステルス性能有り)を飛ばして,射程2キロと思われる地対空誘導弾にあっさり撃墜される. あれよあれよという間に,隊員と装備を損耗していき,北村一輝の罠にもかかり,全員捕まり,信長こと鹿賀丈史1佐のもと曝される. 全員助かりたくば,刀にて江口洋介v.s. 北村一輝を行い勝てという.しかし,斉藤道三の娘 濃姫役 綾瀬はるか の言葉「己の道を進め」を 旨に,主君斉藤道三(伊武雅刀)の目を覚まさせようと命を投げ出して提案する北村 一輝.そこへ,将来の豊臣秀吉となる 中尾明慶(映画初出演,金八先生第6シリーズ)がタイミング良く装甲車に乗って現れ,その機に乗じて生瀬隊は体勢を立て直す.富士山の噴火を誘発させるという, 誘導弾と何らかのエネルギー発生源をめぐる攻防が,この映画の最大の見せ場となるが,ここは今ひとつ.「自衛隊において理想を追求し, 多くの後輩を育ててきた人徳もある1佐が,私心に駆られ見にくく落ちていき,未来を我がものにしようとした目前で崩れていく様」が 十分に演じられていたとは言い難い.未来の信長も,秀吉も,実は近くにいたというストーリーは巧妙で歴史の修復能力という1つの キーワードがうまく適応されている点だと感心した.←   映画の中で96式装輪装甲車や87式歩兵戦闘車が木でできた城の門を吹き飛ばして前進してくる見せ場がある.  このシーンに関して自衛隊の装備に傷が付くのではないか?といった疑問を唱える方もいる.私も気になったので 自衛隊に問い合わせてみると,木の張りぼてを壊したくらいで装甲に傷は付かない.ということだ.砲爆弾の雨あられの中を前進していく 車両がその程度のことで傷ついていては役に立たないのは事実だ.しかも,映像をよく見ていると,門を破壊して現れる際に, 砲身部分は後方に向けられており,先頭の堅いところのみが接触するようになっている.砲塔後部の装甲は弱いというが,モンロー効果 による炸裂弾頭などない戦国の世においては関係ないことであろう.
キャッチコピー  460年の時を超え,西暦1594年の戦国時代に自衛隊がタイムスリップした.敵は,織田信長.消滅するのは−歴史か,俺たちか?



電車男 A TRUE LOVE STORY DENSHAOTOKO 2005年
★★★★★ 公式サイト115分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  ネットコミュニケーションの負の部分を扱った映画が多い中,正の部分のクローズアップに成功したピュアラブストーリー.
本編感想  1年くらい前だろうか,ネットで電車男の保存スレを読んだ.話題になっていたから,とりあえず,チェックしておこう くらいだった.臨場感があっておもしろかった.ハードカバーの本になって,スレがそのまま本になったのか=と思った. そうしたら,映画になった.しかし,スレが,そのまま本になるのとは異なり,映画として映像化するには,文字やアスキーアートを 画面に表示するだけというわけにはいかず,スレの裏のストーリーを構成しなければならない. 原作のエッセンスをうまく抽出する形でどのように映像化するのか?と興味があった.主演 電車男 山田 孝之(ウォーターボーイズ), ヒロイン エルメス 中谷 美紀(ケイゾクシリーズ)となっており,電車男を応援する2chサポーターとして木村 多江,岡田 義徳らが 起用されている.映画公開後,エルメス(女性)の視点からこの物語を描くドラマシリーズが始まるようで,こちらも気に掛かる. それにしても,この映画,原作通り都合が良い.(原作通りなんだからいいじゃないか.)最も都合がよいのが, 「エルメスはかなりの恋愛上級者であり,自身のない男の心理を熟知している点」である.「電車の中で怖い思いをした(大杉連が酔っぱらって車内の人に暴力を振るう)という 吊り橋効果」があったにせよ,商社に勤めて英語ぺらぺら,男に目的の言葉を言わせるためのすべを熟知している女性が ・・・うーん.映画では,エルメスさんがかなり誇張されていたような・・(そうでなくてはおもしろくないというものだが・・) 個人的に好きだったところは「百式」を胸にプリントしたTシャツをハイローテーションで来ていることと, 2ch語の解説をするような一幕が在ったことである.  この映画がおもしろいのは2chという掲示板を使ったストーリーだからではない.誰しもが1度くらいは経験し,また今でもまだ悩むことがある 「恋愛初心者」としての視点を描いているから,共感を誘うように表現しているからおもしろいのであろう. そこに,近年のIT掲示板による顔の見えない仲間の支援というトピックが加わって,ここまでおいしい果実が実ったのである.  更に,この映画の特筆に値する最大の点は「ネットのポジティブな面を題材にした」ことである.ネットのネガティブな面を題材にした 集団自殺ストーリーや出会い系のスレた内容となる映画はまあまあ世に出てきた.顔も分からない相手がネットの先にいて常に 自分を欺そうとしている.そういった内容になりがちな分野を心躍り,自分も応援したくなるようなストーリーで展開し, 原作を超えうる内容の作品に仕立て上げたのは,全国のデジタル系オタクにもネット界にとっても大きな貢献をした作品といえる. (深津絵里主演の(ハル)やトム・ハンクスのユー・ガット・メールといった作品もあるが,不特定多数のサポートという意味では, 自殺支援サイトや電車男,出会い系などの内容と前述は別のカテゴリーであると考える.) また,この映画のモチーフとなった本物の電車男さんは,「社会に還元したい」と2次使用料(原作料)約1000万円を日本赤十字社へ寄付したとのことで あらゆる意味で社会に貢献なさってすばらしいお方だと思った.  ネタバレ→  とはいえ,この映画の納得いかない点は,やはり,どうしょうもないほどの都合の良さである. ラストでボロボロになりながら,山田孝之が秋葉を目指して走っていき,ナカウラ周辺をうろついて, メガネを落として力尽きるその時に,同じく彼を求めてさまよった中谷美紀と遭遇してしまう. そして,全てを振り絞り告白をする.確かに感動的なのだが・・・・うーむ.無いだろ!!そんなこと! 私も秋葉のあの交差点に行って,誰かを待ってみようと思ってみる.  ← 
キャッチコピー  『電車男』,超特急で映画化! キタ---------(゜∀゜)---------!!!



ミリオンダラー・ベイビー MILLION DOLLAR BABY 2005年
★★★★_ 公式サイト148分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  脳天をえぐられるターニングポイントが中盤に用意されている.前半は前座であり,その後半がアカデミー賞総なめの真骨頂.
本編感想  今年のアカデミー賞を7部門ノミネートされ,主演女優賞,作品賞,監督賞,助演男優賞と総なめにした大作.アビエイターと競り勝った作品ということで ディカプリオ,スコッセシが苦虫を飲まされた所以は?と期待して,プレミア公開を見に行った. 増量して筋肉を作り込んで望んだというアカデミー女優ヒラリー・スワンク(ザ・コア,インソムニア)とダンディーの代名詞モーガン・フリーマンを間近で見ることができた. 小話であるが,私の隣付近のオヤジが撮影禁止と言われているにもかかわらず,ずっとビデオ撮影をしていた.スタッフの女性に止められても, うなずきながら,撮影を続けていた.結局途中で強制停止に追い込まれ,全員が退場した後に,係員に囲まれて,テープの消去で 問答になっていた. ジムを経営するクリント・イースト・ウッド,そこでトレーナーをするかつて栄光を掴み損なった男 モーガン・フリーマン.女はトレーニングしないと冷たくいうイースト・ウッドにしつこくトレーニングを申し込む ヒラリー・スワンク.次第に,男達は彼女の情熱に押されて,いろいろ教えていく.女の武器を使わずに,その情熱だけで その状態を作り出していく過程が,多くの観客に受け入れられることは間違いない.すがすがしく,健全で心地よい. 次第に栄光の階段を駆け上がっていくヒラリー・スワンク.反則などのダーティープレイが売りの対戦相手と戦い名声を上げることができるか? 彼女はミリオンダラーベイビーになれるのだろうか?  ネタバレ→ 大事な対戦のさなか,え!うそ!そんな!と思うスローシーンが流れる.反則打を受けて倒れる際に,彼女の目玉めがけて セコンドが準備した椅子が迫ってくるのだ.その椅子は,頸椎付近を直撃し,彼女は首から下が不随となる. そこからが,この映画の痛々しくも,引き込まれるところだ.前向きな彼女.見舞いに来ると言ってディズニーランドに行き, 遊びほうけたあげく,娘のおいしい権利をもぎ取ろうとする悪徳家族.床ずれで腐っていく体.クリント・イースト・ウッドとの 友情.そして,安楽死.  ← 思い出すだけで背筋が冷房のいらない状態となる.映画としての感動はアビエイターを遙かに凌ぐものであった. ハリウッドのセレブ達はいい目をしているな.アカデミー賞に対する交換が上がった作品となった.監督は,クリント・イースト・ウッド.PG-12
キャッチコピー  愛を,教えて.



サハラ 死の砂漠を脱出せよ SAHARA 2005年
★★★★★ 公式サイト139分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  スケールのドデカイアドベンチャーのてんこ盛り.ミョーに辻褄が合っているから多少の都合良さは気にならない名作エンターテイメント.
本編感想  10日で上手に男を振る方法,U-571のマシュー・マコノヒーとトム・クルーズ製作のヴァニラスカイのヒロイン, ペネロペ・クルスが主役を張る今年度屈指のアドベンチャーエンターテイメント大作. 先行試写会で鑑賞したのに,だいぶ時間が経ってしまった. クライヴ・カッスラー作冒険小説「ダーク・ピット」の映画化.ニコラス・ケイジのナショナル・トレジャーも熱かったが, エンターテイメントはこうでなくっちゃ!!と痛快さをも併せ持つ. インディー・ジョーンズシリーズよりぶっ飛んでいるし,おもしろい!何がおもしろいかって, かっこよくて頭も切れて腕っ節もいい主人公と,それと対照的ではあるが いざとなると心強い相棒 スティーブ・ザーン(ニュースの天才)との絶妙のコンビネーションがおもしろいのだ.原作を読まずに初めて映画を見るにもかかわらず, 10年間贔屓にしてきた夫婦漫才見るかのようなテンポで次々とストーリーを加速させてくれる. ハラハラ・ドキドキのスパイスにこんな味付けもあったのか〜と感動した. ダーク・ピットことマシュー・マコノヒーの上司的な存在にウィリアム・H・メイシー(ファーゴ,シービスケット), サハラ砂漠で悪の向上を営む悪役にランベール・ウィルソン(キャットウーマンの悪役),CIA工作員にデルロイ・リンド(マルコムX)らが 出演.  アメリカ南北戦争時代に作られた特殊艇を追ってアフリカに来るマシューとスティーブ.WHOの職員で水質汚染に関わる調査を するペネロペ・クルス.目的が異なって行動をしていたが,グループだが,やがてアフリカの軍事国家が 絡んでくる.  ネタバレ→  その国は他国から汚染物質の処理を請け負い,地下施設に埋めるだけの工場を持っていた.(太陽エネルギーで分解して無害にする という会社の方針をランベール・ウィルソンは信じていたようだが・・)その施設の存在を暴こうとする一行. ヘリに追われて逃げるさなかに,偶然,砂漠に埋まる特殊艇を発見.その大砲でヘリを撃墜するというエンターテイメントぶり.  ← あっぱれ.  監督は米ディズニー会長マイケル・アイズナーの息子,ブレック・アイズナー.
キャッチコピー  幻の財宝.手がかりは一枚の金貨.



ニューヨークの恋人 Kate & Leopold 2001年
★★★★_ 紹介サイト128分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  紳士たるや何か?と,落ち目のメグ・ライアンと急上昇のヒュー・ジャックマンの色香を対比に注目
本編感想  ケイト役にメグ・ライアン(戦火の勇気,ユー・ガット・メール),レオポルド役にヒュー・ジャックマン(ヴァン・ヘルシング). メグライアン最後のラブストーリーと名高い作品だが,ここに来てDVDで鑑賞した. 大まかなストーリーはこうである.時間の割れ目を発見した科学者リーヴ・シュレイバーは1876年のニューヨークに行ってみる. エレベーターの発明者であり彼の祖先でもある貴族のレオポルド公の写真をとったりして過去に行った証拠を作ろうとするが, レオポルド公ことヒュー・ジャックマンに怪しまれ,追跡される.次元の割れ目に二人して落下し,現代へタイムスリップする. リーヴ・シュレイバーの元妻メグ・ライアン(CM制作会社のエグゼクティブ)とヒュー・ジャックマンはバター牧場という商品の CMを通して親しくなっていき・・・. さて,この映画は女性に好かれる.なぜなら,女性の幻想を余すところ無くカバーした 身のこなしもスタイルも最高.ルックスも最高.知的で教養もあり,礼儀正しい紳士でもある白馬の王子様が現れ, 仕事よりも大切なものを気づかせてくれるからだ.しかし,男性から見てこの映画が嫌味ではない.それは,貴族である ヒュー・ジャックマンが,自分のためだけに良いカッコをしているわけではなく,人々の上に立つ貴族であるからこそ, 公的な立場で育った人間であるからこそ身に付いた品格や人格を演じているからだ.男性から見てもこう在らねばならない.と 共感すると共に考えさせられる.  ネタバレ→  21世紀にてお互い恋に落ちた2人だが,「大衆を欺して商品を売るようなことをして恥ずかしくないのか?君が仕事に行きたくないといった 理由が分かる.」「働くっていうのは大変なことなのよ.」このようなやりとりを通じてヒュー・ジャックマンは 元の時代に戻ってしまう.しかし,過去の写真を見直してみると,1876年の時代に,メグ・ライアンが写っていた. ということは,彼女は彼の後を追って時間の裂け目を通って行ったのではないか? 結局,過去で二人は結ばれ・・ハッピーエンド.  ←   監督はスタローンのコップランドやアンジェリーナ・ジョエリの17歳のカルテを作ったジェームズ・マンゴールド
キャッチコピー  



ホステージ HOSTAGE 2005年
★★★__ 公式サイト153分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  あまりにも手慣れたマフィアの手口.あまりにも無計画な不良少年の手口.家族愛をテーマにするこの映画の手口.
本編感想  ブルース・ウィリス主演.彼の映画のヒットの鉄則「家族愛に重きを置きつつ激しいアクションを魅せる」を忠実に再現する のが今回の「ホステージ」.プレミアム先行試写会(ブルース・ウィリス来日舞台挨拶付!)で見てきた. 歌舞伎町には特設セットと赤絨毯が引かれ物々しい警備.うーん.さすがウィリス.  アメリカのアマゾンで年間ベストスリラー賞に選ばれたロバート・クレイスのベストセラーを原作とし, フランス映画で数少ないおもしろい映画だった正規軍と泥棒,マフィアの三つ巴のバトルを巧妙に描く 「スズメバチ」のフローラン=エミリオ・シリが監督を務める. ネゴシエーターのウィリスが 家族をとるか職務をとるかで揺れ動くのが今回のストーリーで,ふれこみは「5分先の展開を読むことさえ難しいスリル感!」. 期待満点で鑑賞したのですが,ややショボ気味の内容でした.確かにふれこみ通り, 5分先の展開を読むことは困難なのだが,それは,ストーリーの本流が予測不能に展開されるのではなく, 無理に観客の思惑の外に出よう小手先だけが右往左往しており,がんばっていている制作側姿勢が見えてやや痛々しい.  兄貴ジョナサン・タッカー,弟マーシャル・オールマン,狂人ベン・フォスター(2004年のジョン・トラボルタ主演のパニッシャーで非常に味のあるピアスを しこたま引きちぎられても,口を割らなかった少年を演じた役者)の3人が無計画に民家を襲うのがことの始まり.  その不良少年たちがSUV系の車とそれに乗る若い娘ミシェル・ホーンに興味を持ち,家まで追跡する.車を盗もうと銃を持って家に押し入る. 親父ケヴィン・ポラックを銃で殴り,気絶させるが,その親父はマフィアか何かの隠し口座を暗号化したDVDを組織に届けなければならなかった. マフィアの絡む家だから,セキュリティーは完璧.警報を聞きつけ駆けつけた警官を射殺.要塞と化した家に立て籠もり駆け引きを続ける. 弟ジミー・ベネット(チャーリーと14人のキッズ),姉ミシェル・ホーンは安全地帯に隠れて脱出の機会を伺うが・・  犯人少年グループは無計画に警官を銃殺し,金を見ては一喜一憂し,無計画に仲間割れしていく. 犯人を捕まえたい警察.自分の管轄でことを起こしたくなかった所長のブルース・ウィリス.警察に調べられたくないマフィア.マフィアは ブルースを意のままに操り,警察を操作しようと  ネタバレ→ ブルースの家族 妻のセレナ・スコット・トーマスと娘(ブルース・ウィリスの実の娘)を誘拐する.  ←  交渉役を買って出た所長はこの難事件を切り抜けることができるのか?  っとこんなにおもしろそうな題材の割には今ひとつぱっとしなかった.原因は的が絞りきれていないのと,メインとなる少年グループの 浅はかすぎる行動だろう.どんなにストーリーに深みを持たせようとも,全てを帳消しにする彼らの刹那的な行動には意味を感じることができない. (そこが,予測不能たる原因だったりするから,おもしろくないのだろう.)  監督は「スズメバチ」のフローラン=エミリオ・シリ
キャッチコピー  この事件,予測不能!命ギリギリ.



ザ・インタープリター THE INTERPRETER 2005年
★★★☆_ 公式サイト140分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  大作感を出すためストーリーに巧妙さを滲ませようと躍起になり,都合の良さが目立ちすぎてチョットイヤになる.しかし,2大スターの凄みが制作者の見せたいものだけを上手に私たちに見せてくれる.
本編感想  2人のアカデミー俳優ニコール・キッドマン(めぐりあう時間達:アカデミー主演女優賞)とショーン・ペン(ミスティック・リバー:アカデミー主演男優賞) ショーン・ペンの相方捜査官としてキャサリン・キーナー(マルコビッチの穴)が,大統領役にアール・キャメロン.  過去を失った国連通訳と妻を失ったシークレット・サービスという構図で物語を展開し,ストーリーの至る所で 対極や対岸を意識したキーワードが登場する.「銃と言葉」「平和と虐殺」「国連と国家」,徐々に証されていく登場人物の過去 と絡み合い,これらのキーワードが重要な物となっていく.国連の限界や国連の重要性,国連の利用など国連に関する様々なテーマを 考える機会となる意味で見た後と見る前で少し成長できる映画だ.この作品の一番の売りはアカデミー受賞出演者もさることながら, 初めてニューヨークの国連本部をロケ地とした映画であると言うことだ.監督のシドニー・ポラックは国連アナン事務総長に 「力よりも言葉の力で世界平和を勝ち取ろう 本年度最高傑作,非の打ち所がない,ニコールの最高傑作と様々なコピーが並んでいるが, 一言壺焼きでいった都合の良さとは「ドラマでありがちな,偶然彼の浮気を目撃しちゃった系の都合の良さが乱発する.」ということである. ある人物がストーリー上なるべくしてそうなるのであれば,納得がいくが,メインストーリーの遂行を行うために キッカケが準備されつづけるといった感じが鼻につく.具体的には  ネタバレ→  なぜ,わざわざ,ジェネラル・アッセンブリーの翻訳用マイクを用いて,清掃員がこそこそと暗殺の話しをしなければならなかったのか?  なぜ,クワン・クワンと呼ばれたマトボという架空の国の実力者がなぜ,市民が使用するようなあのバスにあの時刻に乗ることを 特定できるのか?(特定できなければ爆弾を仕掛けに出かけられない.)  なぜ,ショーン・ペンは会議中の暗殺未遂が起こった直後にその状況を見て,まるで全てを理解していたかのように「おまえが真犯人だ!」と 言い当てられ,それにそぐう行動を取ることができたのか.  なぜ,その暗殺未遂が起こった後に生き延びた大統領が「あの」部屋に連れてこられて一人になることをニコールは知っていたのか? (でなければ,おそらく前日あたりからあの部屋に潜んでいることはない.)不思議な点がある  ←   監督は「愛と哀しみの果て」アカデミー監督賞を受賞した,シドニー・ポラック.ザ・ファーム,トッツィーなども彼の作品である. 元々俳優志望の彼は,本作ではショーン・ペンの上司として出演しており,キッドマンとはアイズ・ワイズ・シャットで共演している. 最近はプロデューサー業がメインでコールド・マウンテンのプロデューサーである.
キャッチコピー  悲しみは,これで終わりにしたかった.



交渉人 真下正義 NEGOTIATOR MASHITA MASAYOSHI 2005年
★★★★_ 公式サイト142分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  地下鉄が30秒遅れたらなんとなく苛立っていた自分とさようなら!
本編感想  踊る大捜査線シリーズから派生して「The Movie 2 レインボーブリッジを封鎖せよ」の事件後2時間の所から物語が始まる. 意外にもユースケ・サンタマリア映画初主演となる作品.この映画は,内容が列車の暴走であり, JR福知山線の事故の直後に公開されたことでも話題を呼んだ.結果からいうとエンターテイメントに徹した 良作である.「踊るシリーズ」を知っている人にはそっち系で楽しめるネタもしっかり盛り込み,かといってシリーズを まったく見ていなくてもこの一本だけで十分意味が分かるように考えられて作られている.自分の仕事に誇りを持って 打ち込み,プライドを持っている職人達の姿を様々な職業を通して描いている.これだけでも映画として見るべき内容だ. 地下鉄の運行責任者 國村準,ダイヤに命を吹き込む線引屋 金田龍之介,勘を信じる警視庁捜査一課のチンピラ風警視 寺島進, 爆発物処理班の松重豊,SATの隊長 高杉亘,責任は俺が取るの上司 柳葉敏郎,一生懸命広報の石井正則(芸人:アリtoキリギリス). みんな自分の職務に一生懸命だった.もちろん,交渉人のユースケ・サンタマリアも.きっと実際のこの世の中もこんなに 一生懸命な方々が,それぞれの役割を懸命に果たして成り立っているに違いない.そういう方々の努力によってこの日常は 成り立っているに違いない.そう思わせてくれる映画であった. ちなみに,小泉孝太郎はいつ出てくるのかナーと思いながら鑑賞していたが最後まで気付かず,え?あそこで出てたのかとスタッフロールを見ながら やっと分かって少し悲しかった.映画の内容についてはハラハラドキドキを長時間持続させてくれるストーリーと構成で 十分満足するものであったが,いくつかのイチャモンと,厳に改善を要する事項だけは述べておきたい. 厳に改善を要する事項とは,物語後半における観客にとっての興味の焦点である「犯人はだれか?」という疑問についてである.  ネタバレ→  「当然,ユースケ・サンタマリアとその恋人 水野美紀を知っている人物なんだよな.」「ユースケが記者会見を行ってから2時間以内に 彼の行動とその彼女の行動を掌握し,罠に陥れることができるって,だれ?」「全然思いつかないけれど,巧妙に絡み合った ストーリーが用意されているに違いない.」このように脹らんでいく観客の興味を爆破で木っ端みじん誰だか分かりません.という オチで片づけてしまったのはいかんともしがたい.制作者側の言い分はこうだろう.「最近のネット社会・メディア社会においては, テレビやネットで一度見ただけにもかかわらず,相手の素性を散々調べ上げて,あたかも古くからの友人であるかのように錯覚して 粘着する若者が急増しつつあるんだ.今回の作品はそれをテーマにあげたのだ.」と.テーマにあげるのは良いのだが,スッキリとしないのは 間違いない.あと,細かいイチャモンは●ケータイ電話を用いてホーム付近だけならともかく慢性的に列車を操作できるか! ●レールの切換機が中央から操作できるんだったら,クモをどっかに封じ込めてしまえ! ←   監督は本広克行,製作は亀山千広,原案は君塚良一,脚本は十川誠志
キャッチコピー  そこにいていいの?彼女死んじゃうよ.



ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ HIDE AND SEEK 2005年
★★★__ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  シャマランチックな内容だが,ダコタはハーレイ・ジョエル・オスメントを超えきれなかった.
本編感想  この映画の結末は決して人に教えないでください系の映画にハリウッドの名子役ダコタ・ファニング(宇宙戦争,アイアム・サム)と 顔のおでき?が気になりだしたロバート・デニーロがタッグを組んで取り組んだ.ラストにおけるパラダイムシフト(大どんでん返し)が ストーリーの中核を占めるネタバレ禁止映画は,ネタをばらすその寸前まで,徹底的に既存のストーリーを観客に信じさせ, 「え?!本当はこうだったのか!!」という鈍器でドタマをかち割られるかのような衝撃を与えるからこそ映画として感慨深いものとなる. その点でいうとこの暗闇のかくれんぼは中盤からうすうすと真のストーリーが見え隠れし,事実が分かったときの驚きは 「まあそんなところだな.」「そんな事実は最初から分かっていたのだよ.明智君.」と言われてもしょうがない程度となっている. 別の言い方をすると,2時間引っ張るにはきついネタが乗っかっている寿司を食べたような感じだ.この系統の映画の金字塔は ブルース・ウィリス,ハーレイ・ジョエル・オスメント,M・ナイト・シャマラン監督の「シックス・センス」であるが, あの衝撃の根源となった「ハーレイ・ジョエル・オスメント君の演技」とダコタのそれとを比較すると,結果的に 彼女は負けたと言っていいだろう.ディラン・ベイカー(スパイダーマン2)も出演している.  ネタバレ→ 親子であるダコタとデニーロの家に不審者が侵入する.チャーリーというなぞの友達のことを口にする娘を 父親は「よくある子供の空想・妄想」と位置づけるが,事態は次第に深刻になっていく.親父は必死になって娘を守ろうとするが, チャーリーの正体は,幼少期のトラウマから2重人格となっていた父親であった.チャーリーが娘をいたぶり,家族を追い込んでいたのだ. 娘はその事実を知っていたが,チャーリー(異人格の父親)から口止めされており,かくれんぼを強要されていたというのがメインストーリー.  ←  監督は「プール」のジョン・ポルソン.ミッション・インポッシブル2に出演もしている.PG-12
キャッチコピー  もういいかい.まあだだよ.もういいかい.・・・もういいよ.



沈黙の標的 OUT FOR A KILL 2003年
★☆___ 紹介サイト90分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  無敵ぶりを観る.いっさい苦戦しない主人公セガールを観る.あまりのもショボイ悪の組織を観る!
本編感想  シリーズ恒例通り,原題と邦題は関係なく,とりあえず沈黙と銘打っておけ!という日本サイドのプロデューサーの声がここまで 聞こえてくる.沈黙シリーズにおいてはおおかたセガールがコックさんであり,しかし実は特殊訓練を受けたエキスパートで国家の存亡を 掛けるような重大任務を遂行するというのがパターンであるが,今回はそうでもないらしい.本職は考古学者だ.しかし,当然のごとく合気道の達人でもある. 考古学的な積み荷の中に本人の知らぬ間に麻薬が入れられ,役の売人の濡れ衣を着せられてしまう.むかついたセガールが 世界を股に掛ける中国系マフィアをたった一人で壊滅させる.問題は,世界を股に掛けるマフィアのはずなのに,中ボス達がやたらと弱く なんの組織力も感じられないところだ.(最後の大ボスはもっと弱い.)終焉を迎えるに尻つぼみも良いところ. 記憶に残っているシーンとしてセガールとマネーロンダリングの洗濯屋のデブ(中ボス)が闘うシーンで拳と拳を合わせて相手の 拳を砕く場面がある.セガールによって一人一人消されていく組織の幹部達.  ネタバレ→  敗色濃厚なマフィアを見限ってなのか,ラストシーンで 大ボスに攻め寄るセガールに対してマフィア構成員は1人もいない.孤立無援のボスはただただ逃げまどうだけ.屋敷に火を放って 逃げるが,あっさり自分の持っていた斧を投げつけられ,昇天する.←  キャッチ・コピー通り,奴は死なない.のだから,いかにして圧倒的に勝つのか?が焦点となり,ある意味痛快な映画といえる. とはいえ,以前の沈黙シリーズに見られるようなウイットやハラハラ感,ストーリー的なおもしろみは無い.監督はマイケル・オブロウィッツ.
キャッチコピー  奴は死なない.



深呼吸の必要 2005年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  社会的につらいときに見ると,「私も沖縄のキビ畑へ逃げたい!」と思う.でも団体共同生活っていいなっ
本編感想  香里奈が映画初主演.その他の役者は以下の通り,谷原章介,成宮寛貴,金子さやか,久遠さやか,長澤まさみ,大森南朋,北村三郎,吉田妙子.  世界の中心出会いを叫ぶ(劇場版)でヒロインを演じ丸坊主にした長澤まさみが出演していたのでレンタルしてみた.  この手の映画にしては思いのほか良かった.というのが率直な感想である.諸処の事情を抱えて都会から やってきた男女が同じ部屋にカーテン一枚を閾に寝泊まりをし,1ヶ月間ただひたすら一つの目標(サトウキビ畑を刈り続ける)に向かうという 物語.農家の人にとっては毎年のことであり,その都度違ったアルバイトが泊まりに来る年中行事であるが, 日給5000円で常夏の島を夢見て現実逃避にやってきた若者達にとっては未知なる世界だった.年中日本中の農家に泊まり込んでは 様々な作物の収穫を手伝っているベテラン役を大森南朋が演じ,彼と若者達(特に成宮寛貴)との対立構造も描く.文句ばっかりの口先女を金子さやかが, 口数少なめに黙々と作業を行う女の子を長澤まさみが演じる.メンズノンノのモデルからスカイハイ劇場版などを経た谷原章介が 年上の大人役としてチームの緩衝材的な存在となっている. 沖縄の農家のおじいさん役北村三郎が発する沖縄方言「なんくるないさ−」(どうにかなるさ)にキビ刈り隊は何度と無く助けられ, 沖縄自体への愛着や尊敬心が助長されるのもこの映画の見所である.  ネタバレ→  実は谷原章介は都会で医師になろうとし,挫折し諦めてこのキビ刈りにやってきているのだった. 大森が「都会の生活から逃げてきたやつが南の楽園を思い描いてキビを刈りに来る.」とバーベキューの席で いい,「おまえこそ,気楽な生活とか言ってるけど先輩面していい気になりたいだけだろ!」と成宮と喧嘩になる. 金子さやかは耐えきれなくなり,途中で逃げ出すが,仲間とのやりとりで最後までやり遂げることを誓う.  ←  監督は江角マキコと豊川悦司の「命」や「天国の本屋〜恋火」を手がけた篠原哲雄.
キャッチコピー  あたしで,いいんだ.



隣人13号 THE NEIGHBOR NO.13 2005年
★★★__ 公式サイト115分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  奇才という話だったが・・もっとおもしろくできたんじゃないの? 後半の描写はクドイ.
本編感想  幻冬舎コミックスで井上三太が描いた漫画を原作とし映画化.これまで映画化の話は多くあったらしいが, 作品の世界観を表現できる監督に出会わず,井上氏が拒んできたらしい.しかし,CM作成で名をはせた井上靖雄が 監督をするということで井上氏は合意した.脚本:門肇 出演:小栗旬(モー娘。矢口との恋仲が噂される男)と 中村獅童(今会いに行きますで竹内結子と結婚した)の2人が同一人物の別人格を演技するということでとても注目した 作品.一見弱気な小栗は小学校時代に,不良の新井浩文にいじめられる.大人になって工事現場で働く新井浩文 のアパート(2F)の真下に部屋を借りた小栗は狂気的人格の化身である中村獅童の力を借りて,本当の心を実行していく. 69でもそうであったが新井浩文はあまり不良という感じもしないのだが,番長役に抜擢されている. また,彼の女房に吉村由実(パフィー)が配役されており,ヤンママぶりは絶品.そのほか,石井智也,松本実(あずみの猿役), 劇団ひとり,村田充,三池崇史らが出演している.  ネタバレ→  吉村由美らがかわいがる息子を小栗が遊園地に連れて行く.それを心配して見に来たヤクザであり,族時代の 新井浩文の舎弟である狂犬松本実が小栗の不審な行動に気づく.しかし,トイレで小腸大腸をまき散らす羽目に. 吉村由美は子供のいない休日を新井浩文とたのしみ,大胆な尺八シーンを披露する.子供の帰りが遅いのを心配し, 小栗の部屋に侵入するが,血まみれのビニールシートが・・ ショットガンを持ち出し,小栗を狩りに行く新井浩文.小学校時代の校舎で対決となるのだが,ショットガンで撃った 大きなバックの中には,なんと,生きた自分の息子が入っていた.日本刀を振り回し,ショットガンと対決する 中村獅童が盛り上がりどころで感情表現シーンもビンビンのはずなのだが・・・かなり間延びした飽き飽きしたものに 仕上がっている感がつよい.  ←  監督は井上靖雄.
キャッチコピー  世界を震撼させる,ネオ・サイコ・サスペンス・ムービー!



ブレイド3 BLADE:TRINITY 2005年
★★★__ 公式サイト125分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ブレイドシリーズ完結.だけど.やっぱり,1がもっともセンセーショナルだったかな.
本編感想  白色人種の大好きなドラキュラ物の第3弾.劇シブのウィズリー・スナイプス(スナイパー)が銀の弾のショットガンを ぶっ放し,特殊武器やブレイド(刀)で鬼畜どもをメッタ切りにしていくのが爽快なために売れたシリーズ. ドラキュラたちは人間の血を得ないとたとえようもない乾きにおそわれる.日光か銀に触れるとドラキュラの 細胞を持つ者達は忽ち灰となり綺麗さっぱり消滅する.これが人間を殺している残虐さを出さずに爽快感を加速する 秘密だ.日光を受けても灰にならない細胞を持つドラキュラをデイウォーカーと呼ぶ.ドラキュラは血を与えた上位のドラキュラの 所有物であり,必ず体のどこかにそれを表す入れ墨を持つ.世間一般にドラキュラの存在は知られていないが, 世界を動かす至る所に彼らは浸透していたという前提でシリーズは進んでいる.このシリーズのドラキュラはすべて 遺伝子や細胞,タンパク質で説明されており,バイオケミカルな専門家が活躍する.3のストーリーはウィズリー・スナイプスが 夜な夜なドラキュラたちを殲滅させる際に,狂信的な人間をドラキュラに見立てて,殺させるのである.すると,人間の死体は消滅せずに 残ってしまうので,警察からウィズリー・スナイプスはマークされ,動きが取りにくくなるだろう・・・というもの. しかしそれは,究極のドラキュラの復活をスムーズに行うためのプレストーリーでしかなかった.  ネタバレ→  ←  監督・脚本・製作はデヴィッド・S・ゴイヤー.全ブレイドシリーズとフレディ VS ジェイソンの脚本も手がけている.
キャッチコピー  



阿修羅城の瞳 ASHURAJO NO HITOMI 2005年
★☆___ 公式サイト130分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  はっきり言って市川染五郎のプロモーションビデオ.でも,僕らの7日間戦争より魅力的な和の宮沢りえも見られる.
本編感想  劇団の座長として小日向文世,鬼を流行らせる女に樋口可南子,謎のアクセント娘に韓英恵(誰も知らない,クリーンルーム),内藤剛志も例の豪快な笑い声をひっさげて 渡部篤郎の師匠的な存在を演じる.赤い糸で小指と小指が引き合う演出により男と女の惹かれあう関係を描いたところは見事. アクションも本格的で見応えがある.武具の繰法やその芸術性には引き込まれる.アクション指導はあずみの諸鍛冶裕太 氏.すごい. しかし,根幹のストーリーが「だからどうした.」「早く進めろ」「へー.そうですか」と言いたくなる 感じで(それが歌舞伎チックなテイストなのかもしれないし,それがおもしろみだおまえはわかっていないといわれたらそうかもしれないが・・) 一言でおもしろくない.間延びする.だらだら長い.  ネタバレ→  盗賊団の一員である宮沢りえは役者で遊び人の市川染五郎に興味を持たれる.  力に恋いこがれる渡部篤郎と宮沢りえを救いたい市川染五郎の対決がメインストーリー  ←  監督は陰陽師シリーズ,壬生義子伝を作り上げた滝田洋二郎.原作は中島かずき.
キャッチコピー  阿修羅目覚めるとき,逆しまの天空に不洛の城浮かび,現し世は魔界に還る.



渋谷怪談 SHIBUYA KAIDAN
★★★__ 公式サイト140分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  「ほら.もうすぐガクガク震えだして止まらなくなるよ・・あ〜あ.やっぱりガクガク震えだして止まらなくなっちゃった・・・.」という映画
本編感想  「仄暗い水の底から」「ときめきメモリアル」に出演した水川あさみ主演.大学の合コン海辺パーティーで 心霊話をして盛り上がる男女.ふざけがすぎて地蔵の首をへし折り,放置して帰る.すると身の回りで 何かにとりつかれているとしか思えない現象が起こる.地蔵の首を戻してみるが効果無し.  ネタバレ→  ←  監督は百獣戦隊ガオレンジャーのガオイエローだった堀江慶.
キャッチコピー  



渋谷怪談2 SHIBUYA KAIDAN2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  「ほら.もうすぐ引きずり込まれるよ・・あ〜あ.やっぱり引きずり込まれちゃった・・・.」という映画
本編感想  「ケータイ刑事 銭形舞」の堀北真希主演.渋谷のとあるコインロッカーにプレゼントを入れておくと, 望みの男性とうまくいくという迷信が流行っている.しかし,そこは呪いのロッカーで,次々と 登場人物達はロッカーに引きずり込まれていき,髪長少女の餌食に・・  ネタバレ→  ←  監督は渋谷怪談と同じく堀江慶.
キャッチコピー  



ナショナル・トレジャー NATIONAL TREASURE
★★★★_ 公式サイト140分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  いきなり彼らの冒険の中に引きずり込むやいなや,ハラハラどきどきを最後まで途切れなく継続させる演出するジェリー・ブラッカイマーに脱帽.
本編感想  ニコラス・ケイジ主演,ヒロインはミシェル・ヴァイヨン,トロイで存在感を見せたダイアン・クルーガー, ニコラス・ケイジの相棒役天才ハッカーとしてジャスティン・バーサ(ベン・アフレックとジェニファー・ロペスの競演で注目された作品「ジーリ」にて知的障害者 役を熱演し注目),秘宝を追う敵対勢力リーダーとしてパトリオット・ゲームや007で敵役を公演するイギリスのショーン・ビーン(ロード・オブ・ザ・リングのボロミア役), ニコラス・ケイジを追うFBI捜査官としてハーヴェイ・カイテル,主人公の親父にジョン・ボイド,おじいさんにクリストファー・プラマーらが出演している. 監督はブルース・ウィリス主演の「キッド」を監督したジョン・タートルトーブ.
キャッチコピー  暗号は,史上最大のミステリー.



クローサー CLOSER 2005年
★★★__ 公式サイト120分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  大人の恋愛に置ける仕草や間合いを盗借学習するにはイイが「永遠の愛」の軽薄さに作品全体の重みが疑われる結末にダメ1.
本編感想  レオンの子役だったナタリー・ポートマンがストリッパーを,コールドマウンテンのジュード・ロウが 小説家を,出演した映画をヒットに導くジュリア・ロバーツが写真家を,キングアーサーのオーウェン・クラウドが医者を 演じて2対2のホモでもゲイでもないストレートな男女がとっかえひっかえにメイクラブするという映画.魅力的な キャッチ・コピー「カラダを重ねるたび,唇が嘘を重ねる.」がついているが,作品の内容はこれと正反対だ. つまり,カラダを重ねるたび,(悪いことをするが結局)男女は過度に真実を求めて,それにとどまらず,真実を告白し, それによって許し合うことはなく深く傷ついて離れていく.この映画から学ぶことのできる教訓は「嘘をつけ!真実を隠蔽し 幸せに暮らせ!」ということである気がしてならない.人間は本質的にあの手この手で真実を知ろうとするが,知った結果 不幸にしかならないというテーマをひたすら描く.上手に嘘をつき可憐に舵を取り難局を切り抜いていく人生は描かれていない. 生身のカラダを岩の最も堅い部分にゴツゴツぶつけながら川下りをしていく男女の様を見ることができる.  男性陣は適度の軽さと嫉妬心を持ち合わせなかなかのキャスティングだ.しかし,レオンで子猫的な不安定さを演じた ナタリー・ポートマンは重鎮ジュリア・ロバーツと張り合うに当たって求められていたものを引き出せていたのかというと苦しい. キャサリン・ゼタ=ジョーンズやキルティン・ダンスト,ブルース・ウィルスなど彫りの深い濃キャラを蹂躙するキャタピラのような 存在感と鼻の彫りが売りのジュリアに比して刹那的に感情を変化させる演技が得意な子猫(様々な化粧でそれぞれの表情を見せる)ナタリー は奪い奪われのバトルは余りあった.エンドロールでのトップはナタリーであったことから監督以下,彼女をメインで 表現したかったのだということがわかり,さらに,もう一歩という感じが否めない.  ネタバレ→  ジュード・ロウはジュリア・ロバーツが好きなまま,ロンドンにニューヨークから来たアリスことナタリー・ポートマンと ねんごろになる.エロチャットでジュード・ロウに引っかけられたオーウェン・クラウドは水族館に行き,ジュリア・ロバーツをくどく. 程なく2人は結婚.しかし,結婚生活を続けながらも,ジュリアはジュード・ロウと寝ていた.真実の告白を迫り,思いを言葉にすればするほど 結婚に溝(sulci)が入っていく.ジュード・ロウはジュード・ロウでジュリアと寝たことをナタリーに告白し, ストリップバーへ逃げ出すナタリー.ジュードを憎んだクラウドはナタリーをダシに罠にはめようとストリップバーへ行き 彼女の本当の名前を聞き出そうとする.ナタリーはほんとはアリスのはずなのに別の名前を答える.離婚を承諾するかわりに 診察室での最後のセックスをジュリアに要求するクラウド.離婚後にジュード・ロウとくっつきたかったジュリアだが, 最後のセックスに癇癪を起こし,ナタリーに走る.しかし,ナタリーにも手を施していたクラウドがジュード・ロウに揺さぶりを掛ける. ジュード・ロウに永遠の愛を感じくっつきそうになっていたナタリーだが,ジュードの真実を知りたい欲望による尋問に 一瞬にして冷める気持ち.ナタリーはニューヨークへ帰り,4人はバラバラに.  ←  自分のつたない人生の中で他人の人生を垣間見ることができるのが映画の醍醐味ということであれば十分に醍醐味のある 作品ではあったが,ラストの軽薄さとがんばってはいるし応援したいけれども今ひとつのナタリー・ポートマンの演技で プラマイし,3つ星となった. 監督はマイク・ニコルズ.R-15
キャッチコピー  カラダを重ねるたび,唇が嘘を重ねる.



キル・エビル THE MONSTER HUNTER 2000年
★____ 紹介サイト88分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  実弾の入ったショットガンを相方の顔の前でふらふらさせているオープニング近くのシーンでいつ暴発するか不安で不安でしょうがない!そんな意味でハラハラさせられた映画.
本編感想  キル・ビルシリーズのビルことデイビット・キャラダインが出ている.日本ではキル・ビルが流行ったため それよりも前に作成された本作がキル・ビルのややパロディー映画っぽく宣伝(クエンティン・タランティーノも賞賛?!)されている. テキサスで連続殺人事件が起き,FBIのキャラダインがエビル=悪魔が乗り移った人間を分別し抹殺するストーリー. 冷酷非道なキャラダインのショットガンが悪魔達の脳髄をまき散らすといったところが醍醐味のようであるが, 低予算の味を出すこともできず,爽快感も迫力もない.国内ネタだか時事ネタだかを盛り込んでいるようにも思われるが, 日本で見てもおもしろくはない.タランティーノがキャラダインのこのショットガン捌きに惚れてキル・ビルで 起用したんだろーなーという感覚で鑑賞するのが良い楽しみ方なのではないだろうか.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  全世界驚愕! すべての常識をメッタ撃ち!! 俺が“エビル”を殺る!!



ヘレン・オブ・トロイ HELEN OF TROY DESIRE IS WAR 2003年
★★★★☆ 公式サイト175分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  伝説は様々な史観で捉えて,そのプロフィールを脳内に大きくふくらますべきだと,エリック・バナ&オーランド・ブルームのトロイと見比べて感じた一本.
本編感想  オーランド・ブルームのトロイがヒットしたのを受けてレンタルしたUSAネットワークのテレビ番組を映画化した作品.紀元前1100年のトロイの物語を  次男「パリス」のせいでトロイが滅びるという予言に従い,トロイの王は生まれてすぐに山に捨てて殺す. 予知能力があるような娘のカサンドラもおびえるように王に取り入り予言を繰り返す.(長男はヘクトル)  しかし,その子は牛飼いに育てられ成人し,トロイの闘技場に現れる.  闘技を勝ち残り,最後にはトロイの王子ヘクトルと対戦し,真剣勝負で降参をもぎ取り,トロイの王子パリスとして 人生をはじめる.スパルタとの戦争が起こりそうなため,王子のパリスをスパルタに単身送り 書簡を渡すことにする.その際,スパルタでは王子の弟の方の結婚式が行われていた. しかし,メネラウスはヘレンを裸にしてさらし者にする. 王妃ヘレンは呪われた女として扱われ,指輪を壺にほおるクジで結婚相手を決めたのだった. しかし,初対面の2人,望まぬ結婚の王妃とパリスは突如惹かれあう.パリスがトロイを滅ぼすという予言が 現実になりそうな雰囲気が強まっていくのだった. トロイの王子パリスとスパルタの王妃ヘレンに禁断の恋,結婚相手ヘレンを奪われたスパルタの王メネラウス(弟), ヘレンの逃亡を好機に戦争を決意しトロイの財宝の独り占めを狙うミケーネの王アガメムノン(兄).  チョット古めのCGと控えめの迫力で送るトロイ戦争の全貌.ヴィジュアルや戦闘シーンに力を入れない分, 物語の進行とその背景に力が注がれており,大作と呼ぶに相応しいできだ.  また,ブラッド・ピットのトロイとやや違ったストーリー運びで全編を構成しているのもこの作品のおもしろみだ. 戦闘シーンの最中に時間が止まり,ヘレンを愛するメネラウス王とヘレンの見つめ合う一幕を作るのも印象的だ.  また,アキレスの弱点として知られるアキレス腱をしとめるのも,え?このタイミングで?と思われる場面で行われる.  ネタバレ→  王妃の導きにより,スパルタからトロイに逃げるパリス.王妃は自ら海に飛び込んでパリスのもとに歩み寄った.  トロイのヘレンと名乗る誓いをし,10年間の戦争に突入する.戦争に飽きた両軍は,パリスとメネラウスの ヘレンを巡る一騎打ちを行う.槍による戦いを行ったが矛先に塗ってあった毒によりパリスはよろよろに. 土埃の中でふたりは毒のことについて語り合い,腹を割って話しをする. 弟が毒に酔っているので,代わりを名乗る兄ヘクトルはアガメムノンに戦いを挑むが,アキレスが槍での戦いを挑み, 躊躇しているヘクトルを殺す.馬車にくくりつけて犬の餌にすると引きずっていく. 夜中にヘレンがスパルタ陣営に乗り込み,アガメムノンに和平を申し込む.しかし,アガメムノンはそれを拒む. ヘレンは逃げ出すが,アガメムノンはそれを追う.同じく彼女を追ってきた,王子パリスはスパルタ兵の前でアキレスと戦うことに. 何とか逃げるが,アガメムノンに刺されて死ぬ.悲しみに暮れるトロイ王. そして,突如として消滅するスパルタ軍とのこされた巨大木馬.トロイ王は木馬をやや疑うが,「城壁を通れないように大きくした」 という生け贄の男の言葉によって,城壁を壊してまでも木馬を場内に入れ休戦の祭りを開く. 生け贄の男の導きにより,場内でやりたい放題のスパルタ軍は一夜にしてトロイを滅ぼす.そして,玉座の前で アガメムノンはヘレンを犯すのであった.メネラウスの目の前で.王座について風呂場で歓楽中のアガメムノンだが, 以前,スパルタで殺した娘の母親に刺し殺される.  ←   この映画ですごいなと思ったことは,王がちゃんと前線に出て弓矢をかいくぐっていること.  戦争は国家間の争いだが,傷つくのは人間であり,どんなときでも頼れるのは紙からの贈り物である愛だけであると締めくくられて物語は 終わろうとする. ヘレンはSienna Guillory,パリスはMatthew Marsden,アガメムノンはRufus Sewellが演じているが, ハリウッドも驚きの面構えを持つ名役者者ばかりであった.  監督はジョン・ケント・ハリソン
キャッチコピー  ヨーロッパ最恐の怨霊ホラー ついに日本上陸!!



ローレライ LORELEI
★★★★★ 公式サイト140分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  客観性を増長する演出と演技により,ストーリーや設定に関するあら探しに対して抗旦性がある.作戦の裏に織り込まれたメッセージ に原作 福井晴敏の恐ろしさを知る.
本編感想  先行試写会で鑑賞したのに,ここに出てくるのに時間がかかってしまった.  現時点で入場者150万人,興行収入20億円突破だという.12億円という巨額の製作費は回収されたようだ.  平成「ガメラ」シリーズで評価を得ている樋口 真嗣監督.  原作は「亡国のイージス」で賞賛を受けた福井晴敏の「終戦のローレライ」.敵艦隊との戦闘シーンには甲殻機動隊の押井守が絡んでいる. 主演は総理大臣(宣戦布告)や東京都知事(東京原発),検閲官(笑いの大学)など権威ある役では右に出るものがいない 役所 広司で,今回は潜水艦艦長を演じている.回天型特殊兵器の操作手として妻夫木聡と佐藤隆太. ヒロインはドラマウォーターボーイズやポンズダブルホワイトのCMにでていた香椎 由宇. 彼女はホリプロのタレントファイルで見るより劇中の方が数倍かわいい.また,「電気グルーヴ」のピエール瀧が たたき上げ上級海曹を演じいい味を出している.  潜水艦ものがおもしろい要因をいくつか挙げると,閉ざされた密室の空間で数ヶ月の任務に就く. 厳正な規律と上下関係の中に必ず反逆や下克上がつきまとう.大概,世界を揺るがすすごい秘密とか兵器とかを 積んでいる.潜行限界深度まで潜行して圧壊か撃沈かの選択を迫られる.などがあるが, この作品しっかりとこれらを満たした上に,万人受けの要素である恋愛の要素も組み込んでいる. 潜水艦に女は御法度という大前提をどのように覆しているのかは本編を見て頂きたいが, 売り出し中アイドルの香椎由宇にエヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明がデザインした バンカラマントを着せて意味不明の血液チューブを多数連結し,妻夫木との恋愛チックなシーンを盛り込んで オタク層(萌え〜ロボ系)から戦争物に興味が薄い層までを取り込もうとしている. ストーリーの概要はこうだ. 1945年8月,ドイツ降伏後日本海軍に収容された謎のローレライ・システムを搭載した伊507潜水艦が横須賀のドックにある. 広島への原爆投下を受け,軍令部 堤真一 大佐は,特攻作戦を損耗と位置づけ「臆病者」の レッテルを貼られていた役所広司 少佐を艦長に任命し独断のもと「原子爆弾東京直撃阻止」の任務を与え, ドイツ軍によって開発されたローレライ・システムの全貌を知る軍属技師の石黒賢を乗せて出撃させる. 序盤の見所は,人間魚雷回天の部隊にいた19歳の妻夫木聡が用もないのになぜか死に急ぎ反発してみせるのをなだめたり, 寄せ集めの隊員を艦長が統率し507の掌握を図る様である. 原爆を搭載するB-29が南太平洋上テニアン島にいるということでその地を目指すが, 米海軍との交戦に. かくして戦史にはない,日本の存亡を掛けた様々な思いで国を想う男達の戦いが始まった・・・  ローレライ・システムとは何か?  ネタバレ→ パウラこと香椎由宇の超能力を彼女の体液を通して,現在でも反響音以外での知覚が困難な海中を可視化(立体画像)する ソナーを耳とするなら潜水艦の目となるセンサーである.  堤真一 大佐の目論む日本再生とは?  ネタバレ→ ローレライシステムを米国に渡し,3発目の原発を東京に落としてもらうことを目的とした. なぜなら,本当に祖国を想い自分の命をいとわずに尽くす人間は戦争でみんな死んでしまった. 今生きている国内の人間を含め軍や政治の高官はみんな延命や現状維持を求める売国奴. そんな奴らが生き残り,調停をして戦争を終結させたとしても,残るのは「死んだ奴らが かってに引き起こした戦争.」という歴史.「日本の将来を本当に考えて将来の子孫のために 最良の選択をした結果,潔く散っていった人たちに何の感謝もしない未来」が残るのだという確信に基づいて 行動したからだ. それならばいっそのこと東京を焼き払い,アメリカにシステムを渡して,堤真一に近い考え方のものに 日本を掌握させるお膳立てをしようとした.これが日本再生である.海軍大将 の伊武雅刀らは堤らに抹殺される.  ルパン3世など,作品中で極力人を殺さないようにする内容が現在の価値観的に受けたりするが, この作品のすごいところは,「作戦成功の希求から,それが成されている」ところにある.この点は,本作のメインテーマ 「生きることを諦めない」を際だたせるために非常に効果的に効いてくる.特攻を人命戦力の損耗だ!と頑なに信じる艦長が その延長のフェミニズム的な思考の果てに,人の命は重いと捕らえて,  ネタバレ→ 敵船団撃沈の嵐という戦果を放棄する のとは訳が違う.結局は「臆病者」と言われた艦長も, 立派な帝国軍人であったという 点が作家 福井 晴敏の類い希なる恐ろしさを助長する.  ネタバレ→ サッカ妻夫木の相棒N式副搭乗員として,イイ奴ッぽいんだけど,結局のところダメダメというキャラ的にもぴったりな佐藤隆太が 終盤で見せ場を作る.戦争が無ければ甲子園のスターだったという台詞と硬式野球ボールを布石に,N式を一刻も早く切り離さないと 艦が爆雷にやられてしまうというシーンで,ボールを落とし,拾おうとして隙間に手を突っ込むと抜けなくなってしまうのだ. 手は抜けなくても間抜けさは爆発.爆雷が沈んでくる数十秒の間に,彼を助けるために注水中止したり,妻夫木はN式を飛び出したり,戻ったり 艦長役所広司は葛藤したり,結局,507乗組員で死ぬのは哀れな佐藤隆太と,石黒賢のみ.  ←  緊張感を重んじた潜水艦映画としてはかなり痛いエピソードを盛り込んだのだが,興業として万人受けするには すばらしいネタだと感じた.また,もうチョット痛い点として,魔女の歌声として美しく響く「モーツァルトの子守歌(実はモーツアルト作曲ではなくベルンハルト・フリースの作品)」 をパウラこと香椎由宇が歌うシーンにおいて,そのアフレコがあまりにも口パクという点だ. (歌っているのは白い巨塔で「アメイジング・グレイス」でブレイクしたニュージーランドの17歳ヘイリー ウェステンラ)  総じて,2時間の中によく盛りだくさん詰め込んで戦闘シーンや艦内の緊迫感を出したなぁと感動する.  ミニュチュアや特撮が得意の樋口真嗣監督すごい! ガメラシリーズも見てみたくなったと思うと同時に役者のキャスティングと 演技にも感服する.それていて福井晴彦の原作と過去から現在へ向けられたメッセージ性に驚嘆し, 無理してでも人に勧めたい名作としてその名を刻みたい.
キャッチコピー  愛するものを守りたい.



真夜中の弥次さん喜多さん MAYONAKA NO YAJISAN KITASAN
★★★__ 公式サイト135分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  監督・脚本宮藤官九朗の悪のり麻薬ホモ毒キノコ映画.クドカンのファンが彼にどこまでついて行けるかをテストされる映画.
本編感想  TOKIOのボーカル長瀬智也が弥次さんこと弥次郎兵衛として,歌舞伎の中村七之助(ラストサムライで明治天皇役)が喜多さんこと喜多八として, 宮藤官九朗の常識では表現できない世界を映像化するための駒となっている. この作品のテーマは「リアルの追求」であるが,凡人の期待するリアルを求めてこの映画を鑑賞すると, あきれを超えた憤怒に見舞われる.「なぜ,宮藤官九朗という脚本家の世界観を理解するために, わざわざ2時間もふざけた映像を見なければならないのか?!」と. 物語の初期設定はこうだ. 長瀬智也と中村七之助はホモで互いに愛している.七之助は薬中で青と白に印象づけられるカプセルが 手放せない.薬からの脱却を図るため2人はお伊勢参りを決意する.時代背景は一見江戸時代だが, あの世とこの世をも舞台に入れたなんでもあり仮想世界を意図している. 作品は「江戸」「笑の宿」「喜の宿」「歌の宿」「王の宿」「魂の宿」6部構成で, 相手を思う気持ちと相手から思われる気持ちを様々な角度で交錯させ宮藤官九朗が言いたいことを 表現している.前半では「むちゃくちゃすぎる設定に毒を感じ,観客を置き去りにした作り手本意の作品だ.」 と思った.しかし,それらのむちゃくちゃ観は後半で覆される.「既存の概念に依存しなくとも表現したいものが表現できるんだ. いやむしろ,既存の概念を破壊した上でしか表現できない荒川良々を映像化したいんだ!」 という思いが痛烈に伝わってくる.前半がまともで後半にいきなりあれを持ってきたら,それこそ 作品が崩壊している.それほどの強烈なインパクトが後半には準備されており,若者の心をつかむ 名脚本家としての恐ろしさを思い知る.また,話題や場面をコロコロ変えて観客を 飽きさせないようにしているのもさすがだ.とはいえ,トータルで見れば映画としておもしろいというものでもなく 奇抜な試みではあるが,安定感と重みを求める高年層には受けるよしもない作品だろう. 下妻物語の八百屋のお兄ちゃんだった荒川良々が,今回大ブレイクしている.主役を食う勢いで大増殖をしており,  ネタバレ→ 三途の川の源流は,泣きじゃくる巨大 荒川良々の涙だったという落ちだ.死んだ動物の魂が 成仏する前に立ち寄るサウナでは全員が 荒川良々である.この映画の毒を一手に請け負っている. そういえば結構彼って「仏様」的な顔をしているなんて 思えるほどだ.なぜ,三途の川が物語に出てくるのかというと,どこに行っても七之助よりも重視される長瀬智也に, 嫉妬した七之助は彼を自分の手で殺してしまう.殺されても七之助とお伊勢参りに行きたいと思う心.それをどのように 表現するのかがこの映画の見所だ. 実は,長瀬智也の妻である小池栄子は長瀬と中村の不倫で心を妬いており,喧嘩して事故的に死んでしまう.しかし, 小池栄子も長瀬智也のことを(殺されたにもかかわらず)許す.中村七之助→殺→長瀬智也,長瀬智也→殺→小池栄子 という図式で「愛するということは殺されても許すことだ」みたいなメッセージを表現しており,おそらくそれがこの映画の 最大のメッセージだろう.  ←  さて,見所といえば,キノコだらけの麻生久美子が見られるシーンがあるので要注意.偽弥次さんとして妻夫木聡が,笑いの奉行に竹内力が,川の番人として研なお子, 七之助が恋する歌の下手な御茶屋の娘に清水ゆみが出ている. また,クドカン関係作品に良く出てくるオージーこと古田新太,宿屋の女将に森下愛子,生瀬勝久,阿部サダヲ,山口智充,クドカン本人も所々に出演している. その他は阿部サダオの腰巾着として柄本佑,バイクを制止する役人として寺島進,拷問を受ける男で大森南朋など. 原作の漫画を描くしりあがり寿もちょい役で出演している.なぜ,「真夜中」なのかは原作を読まなきゃ分からない.
キャッチコピー  お伊勢参りに行こうぜベイベー



山猫は眠らない2狙撃手の掟 SNIPER 2
★★★★_ 公式サイト91分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  一筋の弾丸が人生50年を断ち切る.その対称として描かれる狙撃手と観測手の愛.
本編感想  スナイパー同士の緊張感ある戦いは,ジュウド・ロー主演の「スターリングラード」に譲る. しかし,見応えはばっちりでこの山猫は引退後の老兵トム・ベレンジャーとその相棒となる 犯罪者の観測員ボキーム・ウッドバインとの人間関係だ.ただの戦争映画ではなく, それに関連する様々なテーマを描いている.映画観賞後に登場人物達との別れがつらくなる 作品は珍しい.それだけ,登場人物達の葛藤や心理状態がスクリーンに繁栄されているということだろう. 前作の山猫は眠らないから11年を 経て世に出た2である.思ったよりもおいていたトム・ベレンジャーが印象的だが. 退役スナイパーの渋みは格別であった.狙撃の任務を与えられ,敵地に乗り込み,ワンショット・ワンキルで 映画開始30分にいきなりミッション達成となる.しかし,物語はここから深まっていくのだ. 戦場に置けるスナイパーの恐ろしさを思い知り,突然襲いかかる死を想像するにはもってこいの作品である. この映画に大きな魅力を感じるのは,主役の2人が「男ならこうでありたい!」と思う行動を取っているからに他ならない.  ネタバレ→  ボキーム・ウッドバインは昔,4人の騎士になぞらえ,麻薬関係の任務に就いたが,発注元の麻薬取り締まり局が裏切り, 2人の仲間が死んだ.そして復習のために局員を殺した.そのせいで服役中だった. 檻の中では死にたくなかった.自由だ.と言って救出されたヘリの中でトム・ベレンジャーに抱かれながら 死んでいく姿は印象的だ.  ←   監督・脚本はクレイグ・R・バクスレー
キャッチコピー  11年の沈黙を破って,伝説の男が帰ってきた.



4人の食卓 THE UNINVITED
★★☆__ 紹介サイト126分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  JJことチョン・ジヒョンが出演しているという点以外には取り立てるところがない映画.
本編感想  猟奇的な彼女,ボクノ彼女を紹介します のJJ ことチョン・ジヒョンがいざなう韓国ホラー映画. ということだが,ホラーという感じではなく世にも不思議な物語チックだ.  主人公パク・シニャンは教会を持つお父さんと妹のいる家庭で,きれいな嫁さんをもらうインテリアデザイナー. しかし,最近ミョーなものが見える.そして,引き寄せられるチョン・ジヒョン.  受け入れられない真実は真実じゃない.耐え難い真実は真実じゃない.という 作品のメーッセージが印象的だ.  ネタバレ→  チョン・ジヒョンには人の過去を思い出させる能力があり, ジヒョンの友人だった殺人犯の奥さんに「あなたは母親の肉を食って生き延びた」と 教えたせいでそのせいで子供恐怖症となり,乳首をかみ切られるという妄想に駆られて 母乳を与えず,次第に精神が病んでいく.  また,主人公のパク・シニャンも,自分は今の父さんの本当の息子ではなく,  自分の父親と妹を殺害して生き延びたのだという事実を教えられる.  クライマックスでは,チョンジヒョンが「飛び降り自殺した女性と目があった」ということを信じてもらうために 瞬きをせずに見ててと電話して自分もパク・シニャンのマンションの屋上から飛び降りをしてみせる. 最後に食卓にチョンジヒョンとパク・シニャンと二人の子供が映るが・・・二人の子供がいったい誰なのか・・  ←   監督・脚本はイ・スヨン
キャッチコピー  たどってはいけない恐怖がある.



誰も知らない Nobody Knows
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  自分の人生の幸せさを改めて感じつつ,少年時代を思い出し,さらに,柳楽のまなざしに惹かれるという一本で三度おいしい映画.
本編感想  カンヌで突然の主演男優賞を取り映画界にデビューした柳楽優弥君が主演する作品.母親(YOU)に 育てられる4人の子供 小学6年生に相当する長男 柳楽 長女の北浦愛(あゆ),次男の木村飛影,次女の清水萌々子. それぞれの子供は全て別の男の子供で,母親は男を信じては捨てられるタイプのようだ. 夫は蒸発しているが,長女以下の父親はタクシー運転手をしていたり,パチンコや定員をしていたり, イケているとは言えないながらも近場で暮らしている.4人は全員学校に行っていない. 長男と母親だけが住んでいると偽ってアパートに暮らしている.引っ越しの時は下の子達を トランクに入れてアパートに越してくる始末.お金を稼ぎ新しい男を見つけるために仕事に 出る母親.その間の料理や全ての子供の世話は柳楽が行う.長男以外は部屋から出ては いけない.育ち盛りの子供が一日中部屋から出ずに,しかも,部屋の中で下の階の人に気づかれないように 生きていくなんて到底不可能だ.そんな設定に長男 柳楽優弥 のただならぬリーダーシップと 兄弟達のただならぬフォロアーシップを感じてしまう.この映画を高めている最大の要因は 妹たちが兄を見上げる視線と 柳楽優弥の自分自身や同年代の友達,妹たち,そして母親,父親達 に向けるそれぞれの目使いだ.カンヌの審査員達の目が節穴でないことを痛感する.主演男優賞 に相応しい目力には今思い出しても作品の世界に引き込んでくれるほどのものがある. そういう目を持っていなければ生きていけない環境に置かれた主人公を演じきっているのだ. すばらしい.しかし,映画自体の評価が4つ星なのは,全体的なテンポとストーリーの切れが 今ひとつであったということが効いている.特に,ラストには物語を終焉を迎えるに相応しい 山場がほしかった.目という点でいうと,柳楽優弥との異性の友達を演じる韓英恵も良い.  ネタバレ→  末っ子の清水萌々子は椅子から落ちて死んでしまう.見たいと言っていた飛行機がよく見える滑走路の 土手に子供を埋葬し,それでも力強く生きていく.  ←   監督・脚本・編集・プロデュースは是枝裕和
キャッチコピー  生きているのは,おとなだけですか.



きょうのできごと a day on the planet
★★★☆_ 公式サイト110分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  田中麗奈を彼女にしたいと思っている男が,妻夫木聡うらやましーなーとさんざん思う映画.  ゲラゲラ笑いながらみられるのもまたおいしい.
本編感想  妻夫木聡と田中麗奈が恋人役ということで興味津々借りてみた一本.京都弁のオープニングで始まる. とにかく軽そうな女の子が描かれている.あんな子達に一度はお目見えしてみたいものだ. 田中麗奈に匹敵するかわいさを持っているのが伊藤歩だ.彼女が興味を持っている大学の若手は 松尾敏伸,その彼女に池脇千鶴,いい味を出していた役者に,もてない先輩 三浦誠己を挙げる. 今日の出来事というタイトルが非常に相応しい一本となっており,相思相愛に関して一日の出来事を 周辺に配置して描く.後半からは前日の事柄を補足し,「今日の出来事」に厚みを持たせている. いろんなキャラクターが登場するわけだが,それぞれの味を短時間しか登場しない人にわたるまで 表現していたと感じられるところに監督の行定勲のすごさを感じる. 北村一輝がサーファーとして,見物人として山本太郎,壁にはまった男として大倉孝二が, 消防隊員として津田寛治が演じている.  ネタバレ→ 終盤にはひき逃げという事件が待っている.しかし,大した問題ではなく,一行はそのまま城崎にカニを食いに行くことに・・  ←  テーマは今ひとつ分かりづらいが,京都の大学生(若者)の生活が伝わってくる.  監督・脚本はGOの行定勲.音楽は矢井田瞳.
キャッチコピー  うまく言われ変けど,思いが伝わるにはどうしたらいいだろう.



ガール・ネクストドア The Girls Next Door
★★★★_ 公式サイト100分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  自分だったらどうしよう!!と有りもしない妄想を掻き立てられつつ,少年達の冒険にエールを送りたくなる青春ムービー
本編感想  人気の24シリーズで一躍名をはせた,エリシャ・カスバートがAV女優という設定の青春映画.  学校では勉強中心でオタクっぽい3人組だが,トライポット(三脚)の友情を見せる.  ストーリーの概略はこうだ.同級生の多くは女の子達と遊びまくり,卒業を間近に控えても ただ授業を受けているだけの3人組.ある日,主人公の隣の家にセクシーな女性が越してくる. 予期せず,彼女の着替えをのぞき見るシチュエーションになるが,目があって,数秒後に 家にその彼女が挨拶に来る.さっきの覗きを親にバラされないために,彼女のいうなりに ヴォルクスワーゲン ビートルに乗るが,さっきのお返しとばかりに素っ裸にされ置いてけぼりに・・ 彼女との仲を深めていく日々だが,友人の一人が,彼女がアダルトビデオに出演しているところを 発見してしまう.彼女に近づくアダルトビデオプロデューサーの男の出現.ラスベガスで開かれる アダルトビデオの祭典など,少年から青年に変わっていく男達の姿がすがすがしく描かれている 青春ムービーの傑作.最後の落ちにはハラハラどきどきの決断と結末が用意されており映画としての 構成も一級品.  ネタバレ→  主人公は学校の生徒会長として謎の天才タイ人を学校に呼ぶための奨学金25000ドルを集めていた. しかし,それはエリシャ・カスバートを巡るトラブルから生徒会顧問を名乗っていたティモシー・オリファントに取られてしまう. それを取り返すために賭に出た3人組は「童貞を捨てる卒業パーティーことフラム」で アダルトビデオ女優3人を引き連れてビデオ撮影を行うことを決意した.もちろん,学校の 許可は得ていない.ことはうまく運んだかのように見えたが,突然無くなってしまう編集済み ビデオテープ.それを盗んでいたのはティモシー・オリファントだった.両親と校長先生の前でそのビデオを放送される か,そのビデオの利益を譲るか? 究極の選択の前に主人公エミール・ハーシュが選んだのは,両親の前での ビデオ上映だった.しかし,それはティモシー・オリファントが昔に企画したフラムでのアダルトビデオではなく, 未来の性教育ビデオだったのだ.アダルトビデオメーカーと手を組んでそのビデオを全米に売りまくり, 一行は大金持ちにそして,ハッピーエンドという物語.  ←   監督はルーク・グリーンフィールド
キャッチコピー  This march is the juice worth the squeeze?



北の零年 YEAR ONE IN THE NORTH
★★★★_ 公式サイト180分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  開拓者精神と米のうまみを吉永小百合の演技で味わう濃厚な一本
本編感想  映画の醍醐味は自分が知り得ない様々な人生を掻い摘んで共感することだ.それにより 何かしら自分の人生を豊かにする糧にするというのが私のテーマである.その観点から, この映画は幕末廃藩置県に戸惑う藩主とその家臣達の人生を十分に見ることができる. 世間の評判は今ひとつだったようだが,開拓民としての北海道の人々のルーツがねっとりと 描かれており,名作の屈指に値する.キャッチ・コピーには同意する. ラストサムライで 話題の渡辺謙が吉永小百合を妻に北海道を新たな国として開拓し,殿を向かい入れ激動の時代を乗り切っていく というのが当初のストーリー.しかし,この映画の真の見所は  ネタバレ→ つらい経験の上に結果として妻子を捨て,役人となってかつての仲間に国家権力を振るうこととなった渡辺謙と その娘 大後寿々花と妻 吉永小百合の心の動揺  ← なのだ.おもしろい映画に必要な「リアリティ」と「パラダイムシフト(最初はこうだったけど実は・・みたいなこと)」 がしっかりと備わっており,結末はどうなるんだ!!のハラハラ感が後半のスクリーンに視線を釘付けにする.
キャッチコピー  日本映画史上最高の感動大作,誕生!!



東京攻略 TOKYO RAIDERS
★★★☆_ 公式サイト100分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  できたストーリー.ほどよいテンポ.魅力的な女性陣.しかし,どこか薄さが感じられる点が残念.
本編感想 新宿駅周辺を舞台のトニー・レオン(インファナル・アフェアI・III)のアクションから物語は始まる. 液体を駆使した接着剤,スタンガン,銃撃戦.ラスベガスでのケリー・チャン(アンア・マデリーナ,平静と情熱の間)の結婚式,香港での武術大会. 借金回収と騒ぐ男.突然の襲撃.なんだなんだ?と始まっていく. 阿部寛が日本広域暴力団神戸組組長.その女が組の機密を持ち逃げして仲村トオルと駆け落ちする.仲村トオル は米国育ちの実業家ということになっており,ケリー・チャンと結婚するはだった. しかし,浮気写真を見せられて探偵であったトニー・レオンらに協力することになる. 借金取りとして仲村トオルを追ってきた自称デザイナーの男 イーキン・チャン(ストームライダーズ). 見所は,トニーとイーキンのカンフー.それに国際がらみのストーリーのこぎみ良い進展である. また,トニーの助手達である4人の女性陣が美女揃いでかつ悪魔的なのも魅力だ.その中には セリシア・チャン(天上の剣 The Legend of ZU,マッスルモンク)や遠藤久美子(久しぶりに見たけどセリシアを喰うほど魅力が高い!), 小沢真珠もいる. この手の映画は「何を信じたらいいのか訳がわからなくなり,ストーリーが崩壊することが多い」が それぞれの真の職業や背景がしっかり定まった上で,それぞれが嘘をついて話しを複雑にしているため 最後には辻褄が合い物語として成り立っている.しかし,総じて大作感に欠けるのも事実だ. その要因として厚みのあるストーリーをテンポ良くこなしすぎて話しがコロコロ進展していく感が強いこと を挙げる.この辺のバランスって難しいなぁと改めて感じる一本.また,人物もそれなりに描き込まれているのだが 主人公周りとくにケリー・チャンにもっと人間味を出してほしかった気がする.ところで,阿部寛に今一歩貫禄がないように 感じたのは最近見たアットホーム・ダットのせいかも・・  ネタバレ→ 実は仲村トオルはCIA工作員で,トニーレオンは日本の警察のスパイ,イーキン・チャンは ケリー・チャンの父親(銀行の頭取)が彼女を守るために雇った私立探偵ボディーガードという設定. 実はCIAが仲村トオル経由で日本の暴力団を利用して偽日本円を流し通過堕落を図るという真相.  ←  監督はレッドブロンクス,酔拳II,ファイナル・プロジェクトのアクション指導をした ジングル・マ.映像の紡ぎ方は明らかに香港映画チックだ.
キャッチコピー  真実は東京だけが知っている



サウンドトラック Soundtrack
★☆___ 公式サイト
 その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  理解できない人は劇場に来なくていいというスタンスの芸術押しつけ映画
本編感想 「置けちゃうどけちゃう」のプリンターのCMで私の中の注目度がドドーンとアップしてきた 柴咲コウのイケイケ具合が見たくて借りた作品. 兄はヴァイオリンを奏で妹の童話が物語る.ということで当初SUGIZO(ロックグループ ルナシーのメンバー)が兄,柴咲コウが妹の役割. 山口小夜子(ピストルオペラ)も出ている.精神世界を物語とバイオリンで表現したモノクロトーンの作品. 試写会では多くの人が泣いたという話しだが・・・サクラか,生粋のファンだけだろう. 意味ありげで不思議な台詞を主体に紡がれる世界は解釈のしようによってありとあらゆる真実を含んでいるし, 同時に何の真実も含んでいない.この映画から伝わったことは,SUGIZOさんが芸術に挑戦しているのね.ということと 柴咲コウはやはり彫りが深い.ということである. 主題歌の製作もSUGIZO自身が勤める.  監督・脚本はラルクアンシェイルなどのミュージッククリップを手がけた二階健. 芸術的感性の高さは認めるが,それだけを2時間弱見せ続けるのは映画としてダメ.
キャッチコピー  そのヴァイオリンの音色が輝くとき悲しみは空に消えるという



エイコ EIKO
★★☆__ 公式サイト108分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  簡単にいうと人を信じやすい女が人を信じなくなるという映画.EIKOの人生の一時を見てこんな生き方もありかもと少し思う.
本編感想  麻生久美子主演 フランス映画 ジャン=ピエール・ジュネ監督のアメリに似た雰囲気の女の子を 演じているということだ.路上で人生の転換期とか何とか言われて怪しい指輪を96万円で購入してしまうような子. 変な男 玉山鉄二に金を貢いでいて,借金地獄.借金取り宇樫剛士に追われる日々.勤めていた会社も給料日を前に夜逃げ. 社長の住所に訪ねると見たこともない初老の惚け老人 沢田健二が出てきた.麻生久美子のことを カヨという女性と勘違いしている.玉山鉄二のところに再び行くと麻薬の容疑で捕まったのこと. それでもそれほど落ち込まず,ふらふら生きている.行く当てのない彼女は沢田健二のところに居候. そして大杉連のカフェで従業員アルバイトをすることに.そんな彼女の物語. カフェの店員としてワイシャツにクロネクタイ,エプロンというルックスはやや萌えで彼女の普段見られない魅力を醸し出す. 10歳は若く見え,(言い過ぎ・・)彼女を別人かと知覚するほどかわいげな吸引力が引き出される. お店に現れ彼女に好意を寄せる袴田吉彦(時をかける少女で内田有紀と共演)と接近するが・・・  ネタバレ→ 実は沢田健二と袴田吉彦はグルで沢田も全然惚けていない.薬を売りつけるために仕組んでいたことだ. 探偵 阿部サダヲを使って彼女の素性を調べさせたりもしている.しかし,彼女の純真さに沢田健二は だますことに罪悪感を感じる.疑問なのは今までに幾度となく人をだましてきただろうに,なぜ麻生久美子にのみ 誠実になれたのか?ということである.麻生の借金を全て払って足長おじさんとなる.そして沢田健二をさがす日々. 阿部サダヲは彼女にホの字.  ← これからおもしろくなるかな?ってところで結局それ以上の進展がなくエンドロールを迎える. また,音楽がステレオで左右交互に聞こえてきて不安定な心理状態を助長するがやや聞き苦しい. 徳井優も警官でちょい役出演.
キャッチコピー  信じてたら,幸せになれるよね.



世界で一番パパが好き! JERSEY GIRL
★★★★_ 公式サイト110分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  何かを捨てて何かを手に入れる.何かが見えなくなることによって何かが見えてくる.
本編感想  第一子の出産時に最愛の妻を失った仕事人間を演じるベン・アフレック(パールハーバー),ヒロインにリヴ・タイラー(アルマゲドンでベン・アフレックと既に競演済み, ロード・オブ・ザ・リングでエルフ姫アルウェンを,ロイストン・ラングドンと結婚), 親父の愛を一身に受けるラッキーガールに ラクエル・カストロ(シンガーソングライターの両親を持ち1994年11月17日米カリフォルニア生まれ), ベン・アフレックを男手一つで育てた酒好き親父をジョージ・カーリンが, ベンの元部下宣伝マンをジェイソン・ビッグスがそれぞれ演じている.更に, ウィル・スミスが本人自身の役で出演していたり,マット・デイモンが映画宣伝マンとしのベン・アフレックの 失敗をあざ笑う記者として出演していたりする.  ネタバレ→ あれだけ宣伝業界に復帰することを望んでいたベンだが,ジェイソン・ビッグスの手配でようやく手に入れた念願の 復帰面接の待ち時間の最中に同じく待たされているウィル・スミスと話し,家族に対する熱い思いを聞くと, 本当に大切なものを確信して,面接を辞退し,車を飛ばして娘のラクエル・カストロのミュージカル発表会へと向かう. 間一髪間に合い,代役のおじいさん ジョージ・カーリンの服を奪って最高のお父さんを演出する.  ←  ニュージャージーの田舎(おじいちゃんの家)とニューヨーク(宣伝マンの仕事場)を言ったり来たりの都会vs田舎の物語でもある. ラクエル・カストロには,ダコタ・ファニングほどのくりくり目玉的な愛らしさはなかったものの, ベン・アフレックの愛を一身に受けるだけの魅力は十分にある.
キャッチコピー  すべての女の子の最初の恋人はパパです



トルク TORQUE
★★★★☆ 公式サイト84分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  ここまで圧倒的なスピード感と映像マジックは既存の作品と一線を画している.
本編感想  この映画のスピード感は圧倒的だ! 作品のダイナミックなエフェクト,ノリノリのサウンド, テンポのいい展開,鑑賞中に座っている椅子から加速度を感じてしまうかのような「トルク」で グイグイ引っ張られる!!  メジャーとはいえない役者達で,キャスティングされそれぞれに役者が 光っているわけではないが,モンスターマシンのエンジンはギラギラと光り輝いている. エンジンの描写.加速の描写,カーアクション・バイクアクションの描き込みは一級品. メジャーな役者を起用しなかった分,一番見せたかったところが際だつ結果となって良好!! 主人公は「ザ・リング」でナオミ・ワッツの恋人役を演じたマーティン・ヘンダーソン. ギャングのボスにラッパーのアイス・キューブ.ヒロインはモーネイ・マザー. 大まかなストーリーは  ネタバレ→ 主人公マーティン・ヘンダーソンはバイクに隠された麻薬を盗んで消えた男とされ,マフィアとFBIから追われている. かつての恋人でメカニック屋を営んでいるモーネイ・マザーは,FBIから取り調べを受け,男を恨んでいた. 事件から6ヶ月後男が現れる.「あれは罠だったんだ」といいながら. マフィアはアイス・キューブ率いるギャングの弟を殺し,殺人犯の濡れ衣を主人公に着せて,追わせる. 3つの組織から追われる主人公の一行は,バイクテクを駆使しながらメキシコに逃げようとするが, 麻薬を警察に渡すと同時に自分の無実も証明したい.ようやくFBIと取引をして万事うまくいくかと思いきや マフィアの方が先にFBIと取引をしていた.罠にはめられさあ大変.しかし,弟を殺したのはマーティン・ヘンダーソンでないと 気づいたアイス・キューブの助けがあって難を逃れ,0-4を9秒台というモンスターバイクに乗って エンディングへと突き進む.  ←  監督は映画初監督のジョセフ・カーン.彼はエミネム,DMX,ブリトニー,U2など多くのアーティストの ミュージッククリップを手がけており,MTVの最優秀監督賞(EMINEM Without Me)を受賞している. ハリウッド注目の新人映画監督.この映像表現を観るに,ジョセフ・カーンの次期作「Invisiblz」は是非とも鑑賞したい!
キャッチコピー  人類未体験スピード!!!!



箪笥(タンス) 生
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  ただ,怖がらせようと必死でパラダイムが2転3転し,何を信じればよいのかわからず,だからどうしたと最後に言いたくなる.
本編感想  ハリウッド・スピルバーグが当時史上最高額でリメイク権を買い取ったという韓国のホラー映画. 姉をイム・スジョン,妹をムン・グニョン,継母に「カル」のヨム・ジョンア.姉妹は継母の家に送られるところから 物語は始まる.家の中の誰かがおかしい.もしくは全員おかしいのだが,みんなただ錯乱しているだけのような気がして, ホラーとしてのおもしろみがない.「恐怖→取り乱す→慰める→逆上→恐怖」を繰り返し,訳わからずの錯乱を延々と 見せられ興醒め.私の理解力が無いのか,物語が飛んでいるのか,ただ怖がらせようとだけ思っていて, ストーリーのつながりなどどうでも良いのか・・・・ 当事者達がただただ錯乱している状態を幻覚(halucination)混じりで 見せられるだけなので,怖そうな画像が出てきてもしらけてしまう.この内容をスピルバーグがリメイクするときに どうやって観客を引き込むようにリコンストラクティングするのか?が楽しみ.  ネタバレ→ 実は妹ムン・グニョンは既に死んでいて,姉イム・スジョンの妄想を前半は見せられていたのだ.という 風にも解釈できる. ←  監督・脚本はキム・ジウン.
キャッチコピー  なぜ,開けたの?



機関車先生
★★☆__ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  ストーリーに十分な厚みが感じられないために坂口憲二のりりしい顔立ちが今ひとつ活きない.
本編感想  坂口憲二映画初主演作品.瀬戸内海に浮かぶ葉名島.そこに全校生徒7人の水見色小学校がある.  そこに話すことのできない教師(坂口憲二)が臨時教師として赴任した.校長先生な先生に堺正章,  島の人間はよそ者を嫌う気質が高い.そんな中,赴任した先生は口がきけないということと 大柄な体という理由から「機関車先生」と呼ばれることになる.やんちゃ坊主達は先生をキカンシャ!呼ばわり. 島の実力者 伊武雅刀 らから口のきけないよそ者ということで嫌がらせを受けたり, 教え子のオヤジさんの漁師が海難事故で亡くなるといったサブストーリーを通して先生の人間性を描写していく. しかし,生徒と先生との関わりのエピソードが若干弱めのため,ラストの盛り上がりにやらせ感を感じてしまう. そんなにおもしろくないわけではないが,どちらかというとやはりおもしろくない部類の映画.  ネタバレ→ 坂口憲二は実は全国に名の知れた剣道の選手だったという設定で瀬戸内海剣道大会という山場を迎える. 剣道で突きを射たれて声が出なくなったという過去が明かされ,島の代表選手となった先生は 決勝戦で右手を痛めるものの,生徒の応援を受け,左手一本で面の一本勝ちという快挙を成し遂げる. 口をきけなくなって教師として自信をなくしていた坂口憲二は,母の過ごしたこの島で最後の教師生活を終える ために臨時教師として赴任した.しかし,ここの生徒とのふれあいを通して, 教職の重要性を悟り,もう一度北海道に戻って教職をやり直すことを決意する.そして,船に乗って島を出る 坂口憲二と生徒達が手話でありがとうを交わ  ← して物語は終わる.共演者は大塚寧々(笑う蛙),倍賞美津子(OUT),佐藤匡美(ちゅらさん)ら.  原作 は第7回(平成6年)で本作で柴田錬三郎賞を受賞した伊集院静,監督は「ゲレンデが溶けるほど恋いしたい」の 廣木隆一.
キャッチコピー  話さなくても,伝えられるものがある.



日本を代表するアクション監督
諸鍛冶裕太 氏 との接触成功!

日本を代表するアクション監督 諸鍛冶 裕太 氏と ドキュソん  ストーリーと表情をどのように組み合わせるのが極上の演技というものなのかを研究するため,とある舞台を 研究しに行きました.休憩時間中に席を立ち,再び席に着こうと戻るさなか,すれ違った「お顔」に急遽足を止めた.

 瞬時に脳内データベースに照合すると,間違いない! 映画「あずみ」(北村 龍平 監督,上戸 彩 主演)のアクション監督を務めた 諸鍛冶 裕太 氏だ!と判明し,無礼は承知の上インタビューというかお話をさせて頂きました.

 諸鍛冶 裕太 氏 プロフィール

 主に以下の作品にてアクション監督等としての活躍
 CASSHERN(2004,監督 紀里谷和明,キャスト:伊勢谷 友介,麻生 久美子,唐沢 寿明)
 陰陽師II(2003,監督:滝田 洋二郎,キャスト:野村萬斎,伊藤 英明)
 あずみ(2003,監督:北村 龍平,キャスト:上戸 彩,成宮 寛貴)
 バトル・ロワイヤルII(2003,監督:深作 欣二・健太 親子,キャスト:藤原 竜也,前田 愛)
 壬生義士伝(2003,監督:滝田 洋二郎,中井 喜一,佐藤 浩市)
 陰陽師(2001,監督:滝田 洋二郎,キャスト:野村萬斎,伊藤 英明)
 その他「新極道の妻たち」への「組員」としての出演などがある.

 「あずみ」の特集で上戸 彩 と肩を組む 諸鍛冶 氏


 映画「あずみ」の中で,上戸 彩 が炎に形容された刀をかっこよく振り回すシーンが在る.実は,このシーン当初の計画にはなく,監督の北村 龍平氏ですら 考えていなかった.しかし,諸鍛冶氏は現場でこのアイディアを思いつき,即座に周囲を説得するやいなや,いやがる上戸彩に熱く滾(たぎ)る 刀を握らせ,物語を勢いづかせる演出を盛り込み,成功させたのである.

 滝田 洋二郎 監督の阿修羅城の瞳(2005年4月16日(土)より公開) でもアクション監督を勤め,七代目 市川 染五郎や渡部 篤郎,宮沢りえに殺陣を仕込む!(ちなみにこの作品は注目の若手 目力の強い韓英恵(Jam Films 2で好演技, カンヌで有名な「誰も知らない」にも出演) が出演.)
 更に,筆者が「最も公開が待ち遠しい日本映画」と豪語する「亡国のイージス」も 現在手がけておられる. アクションの仕込み具合イカンによって,作品のできを左右するため,渦中の人であり,その 一挙手一投足に注目が集まっているのである.

 以下に諸鍛冶 裕太 氏 との対談の内容(思い出しながらだいたいこんな感じ)を記す.

ドキュソん:
 すいません.ファンなんですが,映画「あずみ」でアクション監督をされていた諸鍛冶さんですよね?

諸鍛冶氏:
 あ.はい.そうですけど.

ドキュソん:
 お会いできて光栄です.映画評論家を目指しているドキュソんと申します.邦画ファンとして,「あずみ」炎の剣を編み出した 諸鍛冶さんにお会いできてとてもうれしいです.良かったら握手させて頂けませんか?

諸鍛冶氏:
 いや,こちらこそ,ファンの方から声を掛けてもらってうれしいです.


・・・上記写真・・・


ドキュソん:
 いやぁ.これで思い残すことは在りません. 何てったって「あずみ」のクライマックスで炎の剣を作り出し, 監督やスタッフを即座に説得するやいなや,いやがる アイドル 上戸 彩 に無理矢理刀を握らせて撮影したお方と握手できたのですから・・

諸鍛冶氏:
 いや.あれは成り行きでしたね.

ドキュソん:
 でも「あずみ」の成功はひとえにアクションつまり殺陣(たて)によるものが大きかったように思いますね.
 実は,あの映画を最初に見た時,主役の上戸 彩の剣裁きがショボくて,「あー.この映画2時間見続けられるかな?」と思ってしまったんです.
 でも,おそらく諸鍛冶さんがお鍛えになったんでしょうね.ラストの200人斬りのシーンでは,上戸さんの剣裁きに見とれてしまい, 「かっこいいぃ(´¬`)」と声が漏れてしまうほどのできになっていましたね.そう.半開きになった口元からよだれが垂れてしまいそうに・・
 上戸さんも額を切ってまで剣術に励んだそうですね.その甲斐あって,ただのアイドル映画にならずにすんだと思います.
 一回格好いいと思ってしまったら,上戸さんのルックスと相まってもう,作品全体がよく思えます. DVDのスペシャルエディションを予約を決心するまでに さほど時間は要しませんでしたね.

  
諸鍛冶氏:
 いやー.そういってもらえるとうれしいですね.

ドキュソん:
 今はどんな作品を手がけていらっしゃるんですか?

諸鍛冶氏:
 今は「阿修羅城」とか「亡国のイージス」なんかを手がけてます.

ドキュソん:
 あっ.あの「福井 晴敏 氏」原作の 亡国のイージス ですか? あれは全部読みましたよ. あれを諸鍛冶さんが指導するんですか! 楽しみですね〜. やっぱり,ラストの ネタバレ→ヨンファがグソーを使う← シーンが キモですよね.あのシーンまでにどうやってヴォルテージを高めていけるかが映画成功の鍵ですよね.

諸鍛冶氏:
 実は撮影に当たってスタッフやキャストは自衛隊に軽い体験入隊をして,雰囲気を体感しに行ったんですよ.横須賀の方に.

ドキュソん:
 横須賀ですか?! 実は昔近くに住んでて,基地が開放されてる時に入ったこともあるんですよ.米軍基地内には巨大なドックもあるし, たしか,潜水艦はそっちの方でしたよね.あっ 潜水艦はもうすぐ公開の同じく福井 晴敏作の「ローレライ」か.

諸鍛冶氏:
 はい.自衛隊の部隊に行って,直接雰囲気を味わうことによって,原作の中の自衛隊の雰囲気だけでは理解が足りなかった ような感覚が少し分った気がします.

ドキュソん:
 どうでしたか? 自衛隊の訓練の方は? きつかったですか?

諸鍛冶氏:
 訓練というか研修させてもらいました.でも,背筋に一本通ったような気がします.

ドキュソん:
 今,イラクの問題などで注目を浴びている自衛隊に関する作品を作っていますから,関係者や多くの国民の目も熱く注がれていると 思いますので制作側,特にアクションなんかは大変なんでしょうねぇ. 何の支援もできませんが,これからも影ながら 応援させて頂き,諸鍛冶さんの作品を楽しいみにしています.今日はどうもありがとうございました.( ゜∀゜)






ソウ SAW
★★★★★ 公式サイト140分
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  うーん.なるほど・・・ 私がわるうございました.許してください.(・_・、)
本編感想  SAWとはのこぎりという意味.目覚めたら薄ら汚い部屋に閉じこめられていて足を鎖で拘束されている医者のケアリー・エルウェズ(ツイスターや コレクターに出演).  部屋の反対側にはもう一人同じ状況の男リー・ワネル(マトリックス・リローテッドに出演). そして部屋の中央にはテープレコーダーと拳銃を握りしめて 自殺したと見受けられる血まみれの男の死体が転がっている.そんな日常離れしたシーンから物語は始まり,徐々に情報が明かされていく. 基本は,ジグゾーと呼ばれる狂気殺人者の罠に被害者達がはめられていき,それぞれの人生が狂わされていく経過を眺めるものだ. 主人公ケアリー・エルウェズの妻モニカ・ポッター(コン・エアーやスパイダーに出演)と娘さんも ジグゾーの罠に関与していく.事件を追う警察にはリーサル・ウェポンシリーズの黒人警官ダニー・グローヴァー. しかし,リーサル・ウェポンシリーズのようにおちゃらけた雰囲気は出していない.非力ながらも信条に邁進する男を演じている.  この作品の良いところは,物語の所々にテンポ良く回顧シーンを織り交ぜて,決して観客を置き去りにせずにその世界観を脳に浸透させ, 恐怖の共感を援護射撃する構成にある.「生きていることは当たり前ではない.それを実感することが幸せというものだ.」 というジグゾーのメッセージがこの作品自体のメッセージになっており,「死との対比によってのみ生の重みが実感される」 という意味で生きる希望を学ばせてくれる映画だ.これをターゲット(被害者や観客)に対して徹底的に教え込む.  ネタバレ→ 汚い部屋に閉じこめられた2人だが,お互いに嘘を言う.医者は前日に病院にいたと,もう一人は,そのゴードンの浮気写真を撮るために 付けていた事実を隠しておまえなど知らないと・・ ジグゾーに狙われて生き残った唯一の生存者の女(活きている男の胃袋内から鍵を取り出さないと自分の顎が炸裂する) の話や刑事達がジグゾーを追いつめ,ブービートラップにかかって猟銃の弾丸の雨あられをくらって死んだ若い刑事のエピソード. それ以来少しおかしくなって刑事をやめ復習に燃えるダニー・グローヴァーのエピソード. 途中,犯人かと思われた病院の男も,実はジグゾーのゲームに強制参加させられ操られていた. 最終的に自分の足をタイトルにもなっているノコギリで切り落とすケアリー・エルウェズ. 物語は終わったかのように見せかけ,助けを呼びに行く男・・・しかし,やっと安心したところで 脳天をかち割られる気分になる驚嘆の展開. そう,真のネタバレはここからである. 真ん中の死体は死亡してから数時間経つだろうに,血の気が引いて無くてリアリティーが足りんなぁなどと思っていたら・・・ なんと,真犯人は二人のやりとりを微動だにせずに常に中央の最特等席で傍観していたのだ. 死体を気取っていた犯人ジグゾーがどんなにほくそ笑むのをこらえて息を殺したことか, 2人が自分のしくんだシナリオの中でもがき苦しむ様子を目の当たりにして脳内麻薬エンドルフィンを分泌させたことか, それを想像して脳天をかち割られたような気分になるのがこの映画の至極のうまみだ. 中央の死体の血の気が引いていないことが何よりのリアリティ.いやはや恐れ入った. だがしかし,呼吸による胸の動きを止めるのは相当難しいはずなので,約8時間もの間,2人に築かれずに中央で横たわっているのは不可能だろう.  ←   いやはや,映画を見た!!という満足感は12分の良作.ジェームズ・ワン原案・監督.映画はこうでなくっちゃ!! (ただし,精神の幼い子供には,見せたくない作品.)
キャッチコピー  このノコギリは何に使うのか・・・



みなさん,さようなら. Les Invasions Barbares
★★★★_ 公式サイト99分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  コメディということだが,麻薬を絡めながら様々な角度からの人生哲学を観る映画.
本編感想  フランスとカナダの合作映画.  死が確実な病状だが,口達者であちこちに女を作っている元大学教授の主人公レミ・ジラール.その息子 テファン・ルソーはロンドンの 証券マン(ガイ・ピアーズ似).さんざんな親父だが,いろいろ手配して孝行する.死の苦痛を和らげるためにヘロイン治療を 試みる.友達に囲まれて幸せな時を過ごす親父だが・・ 見所は,親子の仲が決裂した息子がオヤジの死を目の当たりにして最高の死に際を演出してやるところと,憎まれ口を 叩かれながらも息子に心を開いていくオヤジノ姿.麻薬を介して交差する様々な人生哲学. 序盤はとんだ噛ませ映画かと思ったが中盤からこの作品の味わいが醸し出されていく. レミ・ジラールを湖畔の別荘に移し・・そして,別れの時がやってくる.  ネタバレ→  最終的にレミはみんなに愛されながら,薬によって安らかに息を引き取る.←   伊達にたそがれ清兵衛を押さえてアカデミー賞最優秀外国映画賞を受賞(2004)した作品ではない.ドゥニ・アルカン監督・脚本.
キャッチコピー  女とワインと●●を愛した,幸せな終焉.



たまもの TAMAMONO
★★___ 紹介サイト65分
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  一途で不器用な女の行動を傍観をメインにボウリング=たまと賜物,そして玉を味わう.
本編感想  プロボーラーを目指しボウリング場で働く無口な主人公 林由美香は郵便局員の吉岡睦雄と知り合い 次第にボウリングそっちのけで彼を愛していく.のめり込みやすい彼女は次第に彼が全てとなり,ボウリングもやめ異常なまでの愛を示すように なっていく.郵便局員の吉岡睦雄にはそれが次第と重荷になり,心が離れていく. この映画の見所はなんと言っても,今時 いないだろというような不器用で無口でチョットおかしい女の描き込みである.主人公は無口な分,表情や吐息に気持ちがこもっていて なるほど,良い表現技法だし,結構伝わるなぁと感心した.それにしても,  ネタバレ→ 同じ郵便局で働く女性職員 華沢レモンの誘惑のしかたはさすが18禁映画だなぁと思う.しかし,モザイクなどはなく, 見ていて心地よいし,映画を鑑賞している感じがする.主人公は作った弁当の受け取り拒否で 年上の上司らしき男と不倫しその妻と喫茶店で別れの手打ちをする.しかし,その店の代金を無理にでも払おうとするが, 1万円札しかなく,近所のコンビニSPAR銚子愛宕店へ駆け込むが,順番を割り込んで両替を強要し,あげく現金泥棒として捕まってしまう. おかげでボウリング場もやめる羽目に.その後,華沢レモンと結婚する羽目になった吉岡睦雄は,最後に一度だけと林由美香に会いに来て 一仕事することに・・・  劇中で何度か登場する林由美香の空想キャラ「ストラーイク一発!」と叫ぶ「ボウリングのボール型真っ黒人間」がこの映画に味を与える. 結局,彼は彼女の部屋で殺されて,寝袋に包まれて思い出の海岸に埋められる.(そこになぜ結婚を約束した華沢レモンが現れるのかが まったくもってわからないのだが・・)「おなかすいた」の一言と共に間髪をいれずにボーリングに記載された スタッフロールへとつながる. ← 中盤までの彼女の描き方がやや丁寧だったため,この結末は手抜き感がつよく憤慨すると同時に, 残念な気持ちになった.監督はピンク映画界の奇才・いまおかしんじで原題:熟女・発情 タマしゃぶり18禁映画
キャッチコピー  ただ、あなたのそばにいたいの。



いかレスラー The Calamari Wrestler
_____ 公式サイト92分
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画
一言壺焼  この話題についてくるのが当たり前というスタンスで攻められても・・・ 明らかに見せるための映画ではなく,制作者側が何かを作って楽しみたかった映画.
本編感想  上に書いてある「たまもの」の方がよっぽどいい映画だ.えびボクサーに影響されたのは間違いないだろうが,ストーリーなどに関係はない. 見た感じそれなりに予算が付いていそうで,それがとても悲しい.その分の予算を「たまもの」などに回してほしいと 感じてしまった.オープニングにはこの映画のためだけに作られたテーマソングまである. いかレスラーに新日本プロレスの西村修,ヒロインに石田香奈(新人),たこレスラーにAKIRA,ルー大柴,きくち英一,中田博久 電撃ネットワークやテリー伊藤,なべやかん,船越英一郎,レスラーの高山善廣,白石美帆などちょい役でいろいろな人が出演している. こういうのが好きな人もいるからプロレスが好きっていう人もいるんだろーなーと考えてみる.プロレスとその体質が元々好きな上で, 鑑賞しなければとてもつらい時間になる.見ている途中にそのどうでも良さにあらゆる元気が萎える映画.キャッチコピーも内容と関係ない・・・ 企画 叶井俊太郎,監修にウルトラマンの実相寺昭雄(通りで着ぐるみが比較的リアル&関節っぽい動きがリアル), 原作・監督はまいっちんぐマチコ先生の河崎実.  ネタバレ→  いかレスラーとたこレスターとしゃこボクサーが出てくるが,それらは実は親子兄弟だった.という話でスタッフロールにつながる.← 
キャッチコピー  いか臭くてごめんよ!あんた,ノシイカにしちゃうよ!



鉄人28号
★____ 公式サイト125分
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  大人が見れば子供じみており,子供が見れば魅力ない(28号なんて知らない&かっこわるい),かといって思春期の子が見る由もない.誰が見て喜ぶのかわからない映画.
本編感想  鉄人28号という題名と内容から,横山光輝の原作を知るおじさんの方々を相手に映画を作っているものと思われる. だとしたら,メカのすばらしさや,未来への希望である巨大なロボを少年だてらに操る(漫画を見る少年が主人公に共感する)という魅力 つまり,勧善懲悪の疑似体験がメインになっても良かった. しかし,サブタイトルの「鉄+勇気=鉄人」にあるように,やられてもやられても,怖じ気づきながら,たまに 勇気を奮い立たせるというところに重きが置かれている.(メカっぽさの魅力としてはEMPだとかボディー剛性だとか若干出てくるが, 下町の工場の職人の薄汚れた顔つきでかき消されている.) この作品は新世紀エヴァンゲリオンのシンジ君のようになんだかわからないけれども戸惑っているうちに, 「オヤジのコネ」によって自分がたいそうなロボットの操縦者になってしまう.よろめきながらも根拠無く立ち上がり, ダメだよダメだよと嘆きながらもコントローラーを握り続ける. 原作がどうであったのかは知らないが,気に入らないことがある. 「博士を初めとする28号のバックアップチームは,なぜ,シボレーアストロ 品川33つ10-01 に乗り込んでいるんだ!」 確かに広い車内で指揮所にするにはもってこいなのはわかるが,警察官僚が手配した車なら国産車であるべきだし, 鉄人のコンセプトから言って,開発側の皆さんがアメ車を用意しているとは思えない.考えられるのはMIT(Massachusetts Institute of Technology) から連れてこられた蒼井優の付属品ということだ.(専門機材も一式車と一緒のため彼女の手の車という可能性は高い.) 何となく国産車じゃないことが引っかかった.  あと興醒めと同時にやや萌えなのが,蒼井優の装着していたイヤホン兼マイクである.何となくサイバーな感じがするナーと思って, あれと同型のもの(市場価格980円)を以前買ったことがあったが,耳へのフィット感や安定感などが最悪で使い物にならず,今も部屋のどこかでお蔵入りになっている 「あれ」がまさか,蒼井優の耳に装着されていたとは・・何となくうれしいやら悲しいやら.さて,そんなことはどうでも良い. なぜこんな話をしたのかというと,そんなことに気が言ってしまうくらい作品の世界に観客を巻き込んでくれない作品に仕上がっているということが 言いたかった. 蒼井優や主演の池松 壮亮(いけまつ そうすけ)(ラストサムライ,NHK大河ドラマ義経に出演)の演技がショボイために作品が活きていないのではない.むしろ,彼らや出演者達は評価すべき クオリティの演技をしていた.しかし,脚本が勇気に焦点を当てており,「うまくいかない→やっぱり僕には無理だよ→諦めかける→勇気を出して再挑戦→ うまくいかない→飽きるまで繰り返し→最後は偶然の産物的に成功→歓喜」を遂行する羽目となっている.この脚本を完全に否定するものではないが, 小学校2年生くらいまでにしか共感は得られないのではないか.しかし,頼みの綱の小学生は「鉄人28号」を知らないし,他の魅力的なロボ達に比して 注目される要素もない.(第2次世界大戦を絡ませた脚本が既に小学生向きじゃない.) 鉄人28号を懐かしんで見に来た大人の人は 「役者が力を込めて演技をすればするほど寒くて気まずくなる長い長い時間」を過ごさなければならなくなる. 結局,「制作者側にどうしても鉄人28号の映画を作りたいマニアがいて,その人達が満足したいがための映画」になっていると言い切れる.  この映画の最大の見所はエンディングロールを眺めながら,キャストやスタッフの名前を閲覧しつつ, 鉄人28号の歌を聴くところである.「良いも悪いもリモコン次第ッ,鉄人,鉄人,どこへ行くぅ〜.」歌のこの部分が一番好きだという マニアの方々の話を聞いたことがあるが,私も同感で,横山光輝の原画が挿入されるのを見ながらこの歌を聴き入ってしまった. あとは,ベレー帽とMITロゴの入ったガールスカウト的な萌え萌え衣装の蒼井優である.近頃の日本映画はヒロインの萌を全面に出す傾向があり, 時代の流れを感じて,私には好印象だ. 出演者は香川照之,薬師丸ひろ子,伊武雅刀,柄本明,中村嘉つ雄,中澤裕子,川原亜矢子.  ネタバレ→  ブラックオックスはまったくクリーンな道のエネルギーで動いていたという設定.香川照之はそのブラックオックスを死んだ息子のひかると ダブらせている.← 
キャッチコピー  最後に勇気を振り絞ったのは,いつですか?



オーシャンズ12 OCEAN'S TWELVE
★★★__ 公式サイト140分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  至るところにソーダバーグ臭さが立ちこめる後出しジャンケン映画
本編感想  なぜ,後出しジャンケンなのかというと,まさか?と思わせるハラハラ感に欠けており, 見る前から結果が見えている勝負の成り行きを延々と見せられる感が強いからである. はっきり言って,予告編で全てを出し切ってしまって,本編で得られるものはそのストーリーの詳細を読み解く 程度でしかない.全作のオーシャンズ11では11人の仲間をチームに引き込んでいく過程や,各人の特殊能力が どう活かされるのかが未知であり,映画の勝負所であった.しかし,今回は11人が既に確定しており,アンディ・ガルシアに 一人一人追いつめられ,再び一致団結して金を用意するというところから始まる.  一本のストーリーを,断片的に見せていき,観客の脳内にジグゾーパズルを描かせて,謎解きの快感のようなものを 与える作品作りが得意なスティーブン・ソーダバーグ監督だが,映画慣れしすぎた観客を想定した,もしくは, ソーダバーグ映画ファンに特化しすぎた構成になっていたのでは?と感じた.  前作を超えようとあらゆる面で奇抜性や技・ストーリーのグレードを上げようとした結果,現実離れ感やら 納得しずらい現象が多発し,ストーリーについていきずらくなっている.その結果,表現の技法としての ソーダバーグ臭さ(しつこい演出,断片をつなぐ編集など)が強めに臭ってきて,若干の嫌悪感が残る結果となった.(灰汁の強い演出は,引き込まれた観客には効果的に効くが, 世界に入りきれない観客には更に映画ないの世界から遠ざける結果となる.)  ネタバレ→ 11人の身元を前作で恨みを持っているアンディ・ガルシアに教えた犯人は誰なのか? 前作での損害を利子を付けてきっちり返さないと命はない.とアンディ・ガルシアはいい,11人は協力して 悪事を働き金を稼ぐことに.国内ではもう顔が売れたということで外国へ遠征するが,思ったように効率の良い仕事はない. 一発逆転の仕事を紹介されるが,それらは全てフランソワ・テュリュアーが「世界最強の泥棒は誰か?」を明らかにする為にしくんだシナリオだった. 罠にはめられほとんどが捕まった時に,起死回生の一手として12人目のジュリア・ロバーツが本国から呼び寄せられる. ここでの設定は,ジュリア・ロバーツ自身がハリウッド女優ジュリア・ロバーツを嫌々演じるといったもの. ソーダバーグのいやらしさが最大限に発揮されている点である.更に,彼女と(実世界で)離婚した元旦那のブルース・ウィルスが これまたハリウッド俳優ブルース・ウィルス役で登場して彼女に絡んでくる. 事情を知っているハリウッド関係者が自分たちで楽しむ為のストーリーで知らない人は大しておもしろくもない. 彼女の揺動作戦もむなしく全員逮捕となるのだが・・それ自体がフランソワ・テュリュアーを欺くための芝居だった.というストーリー.  ←  聡明なジョージ・クルーニーが指揮を執るオーシャンズ12だけにあっぱれな内容で驚かされることは驚かされるのだが, どうしても,後出しジャンケンの臭いは消えない.
キャッチコピー  今度の11(イレブン)は12人でキメる



タクシー ニューヨーク TAXY NY
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  何気ない普通っぽいオバサン(主人公)の魅力をこれでもかと引き出して,スピードに対するリスペクトを助長する映画.
本編感想  フランス リュック・ベンソンのタクシーシリーズがハリウッド映画として飛び出したのがこのタクシーNY.  メジャーな役者を使わず,スピード感とストーリーだけで喧嘩を売ってここまでおもしろいのだから リュック・ベンソン恐るべし.自転車で郵便を素早く届ける職業「メッセンジャー」.主人公クイーン・ラティファの 度肝を抜かれるような自転車プレーで物語は始まる.彼女は誰よりも速いメッセンジャーで速度に対するリスペクト (尊敬心)は人一倍であった.実はこのクイーン・ラティファは実世界では,女性ラッパーの第一人者.アルバム「ブラック・レイン」 ではグラミー賞のベスト・ソロ・ラップ・パフォーマンス賞を獲得している.そんな彼女が劇中では 念願のタクシー業をはじめる.それに当たり,自転車メッセンジャーの仲間達に惜しまれながら 退社,そしてシリーズおきまりの改造タクシーでニューヨークの街を激走するといった流れの映画である. 主人公に,イケイケだが綺麗系でないラティファーが来ているのでそれと敵対する悪役側に 美女がそろっている.レオナルド・ディカプリオと色恋の噂があったモデル出身のジゼル・ブンチェンらが セクシーな姿でBMWを乗りこなしこの作品に着色を施している.  ネタバレ→  男と思わせて,縦横無尽に銀行強盗を繰り返す美女軍団を敵に回し,ぶっ飛び母さん(クイーン・ラティファ)と刑事のくせに 運転がド下手← という設定のジミー・ファロンのコンビがハッスルするという のがこの映画の見所.主人公夫婦と共に,「やったぜ!」と手と手を合わせたくなる爽快感があり,勧善懲悪的な要素も相まって 娯楽映画を見たなぁという満足感を与えてくれる.
キャッチコピー  この女.ブレーキ知らず!



カンフーハッスル
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  本物のクンフーと高度なギャグがチャウ・シンチーの手のひらの中で踊る娯楽エンターテイメント
本編感想  監督製作脚本主演のチャウ・シンチー(顔立ちに )は,当初ちょい役かのように思われたエセチンピラ として搭乗するが,子供の頃のサイドストーリーや受けた傷によって伝説のカンフー使いとしての 血が目覚め開眼する.実写でありながら,圧倒的な漫画感覚とカンフー至上主義に盲従せざるを得ない造りになっている. 漫F画太郎氏の漫画を実写にした地獄甲子園(坂口 拓,伊藤 敦史)を思い出すような作品だ.しかし,全体的な筋の通り方と ヴィジュアル的な作り込みはこのカンフーハッスルの方が遙かに上で,常軌を逸したクンフー攻防が始まる後半までの 戦いは最近のジャッキー・チェン映画を凌駕する迫力となっている.少林サッカーでゴールキーパーを務めたチャン・クオックワンが マフィアのボスを.同じく少林サッカーのラム・ジーチョンがチャウ・シンチーの相棒を.ネタバレ→ 豚小屋砦の大家を務める夫婦には 燃えよドラゴンでブルー・スリーのスタントマンを務めたユン・ワーとスタント・ウーマンとして現役を退き結婚後28年ぶりのスクリーンとなる ユン・チウが.粥麺屋を営む必殺技:五郎八卦棍(ゴロウハッケコン)のドン・ジーホワ.必殺技:十二路譚大腿(ジュウニロタンタイ)のシン・ユー. 仕立屋で必殺技:洪家鐵線拳(コウケテッセンケン)の香港スタントのベテラン チウ・チーリンが. ← そしてブルー・スリー,ジャッキー・チェンと共に, スリー・リトル・ドラゴンズと称されたブルース・リャンが15年ぶりにクンフーを披露し,必殺技:崑崙派の蛤蟆功(コンロンハノコウバクコウ)を使って 悪役を演じている.本物のクンフーとチャウ・シンチーの持ち味,少林サッカー的なヴィジュアルエフェクトがミクスチャーされてキャッチコピーにある 「ありえねー」バトルを展開してくれる.アクションだけでなくほどよいサイドストーリーと過去のエピソードなどを交え, 映画としての質を高めている.  ネタバレ→ 上記のネタバレで紹介したように豚小屋の住人達がそれぞれにクンフーの達人で,最終的には大家の夫婦が伝説の使い手であったという 内容は作品の世界観に観客を引きつけるパラダイムの変化を持っており,練り込まれた脚本だ.また,チャウ・シンチーが伝説の秘拳に目覚める キッカケとなった似非カンフー本を売りつけるジジイ(漫☆画太郎の漫画にいかにも出てきそうな)のエピソードもいい味になっている.  ← しかし,欠点としては少林サッカーの時もそうであったが,本題にはいるまでの中盤がやや間延びする.その点がなければ, 5つ星となっていた作品だったろう.
キャッチコピー  ありえねー.



Mr.インクレディブル THE INCREDIBLES
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  あまりにもあり得ない世界を描き出すためにはCGアニメはやはり有効な手法だ.
本編感想  映画によって伝えたいものは様々だ.リアリティや迫力を伝えたいものやストーリーを伝えたいもの, キャラクターの個性を伝えようとするもの.その伝えたいものがうまく伝わるのであれば, 実写であろうがアニメであろうが,映画としての魅力にさほど影響はないということが 最近のオールCGのアニメによって明らかになってきている.(内容は多少子供向けであるが,子供向けの実写映画は 多数存在するし,娯楽として大人でも楽しめる.)最近アニメの中で主流となりつつあるオールCGアニメの中で あらゆる世代が楽しめるヒット作品がこのヒーローものだ.テーマは家族愛が中心.「誰もがあこがれるスーパーヒーローであるが 故に苦しむ悩み」を通して,万人の持つであろう煮え切らない現状の打破とダブらせ共感させ,彼らのブレイクスルーとともに 観客に爽快感を味わってもらうという内容だ. インクレディブルとは「途方もない・あり得ないほどの」という意味で,スーパーヒーローを形容するには もってこいの言葉だ.この映画の中の世界観は,Xメンににており,在る程度の割合で,特殊な能力を持つ者達が 存在することが知られており,彼らはそれぞれ,「ヒーロー」として世の悪と戦っていた.というものである.  ネタバレ→  幼い頃,ヒーローに認めてもらおうとすり寄ってきたクソガキが,そのとき冷たくされたのを恨み続け ヒーローに復習するという大まかなストーリーに対し,インクレディブル家族はそれぞれ法律により封印されていた能力を 駆使して世界を救う.いつぞやのクソガキは発明王シンドロームとなって,空を飛んだり,電磁攻撃で好き放題. それに対し,Mr.インクレディブルこと父は怪力.元スーパー・レイディーの母は伸び伸び.娘ヴァイオレットは消える&バリア.息子ダッシュはマッハ走り.そして赤ちゃんダッシュ・ダッシュは子泣きじじい. とそれぞれ特殊能力で戦う.← リターナーで言うところの樹木希林的なばあさんエドナ・モードや氷を操るスケート男フロゾンが出てきて 2時間の間に問題提起からキャラ設定,転結までコミカルにまとめた途中で飽きのこない一本.見所は,特殊能力を持った スーパーヒーローでありながら,一般人の生活に無理して甘んじ,四苦八苦しながら健気に生活している様子.監督はブラッド・バード.
キャッチコピー  どんな家族にも秘密があります.



東京タワー TOKYO TOWER
★★★__ 公式サイト135分
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  年上に恋してみようかな?自分の中で年上層株価上昇を実感せざるを得ない.
本編感想  江國 香織 原作 「このまま死んじゃうのはいや,でもブレーキ壊れそうで怖いの.」 「待つことはそれほど苦痛じゃない.それ以上の価値を他に見つけることが出来ないから.」 「いつかは自分から別れることに決めている.でも今はまだこの関係は失えない.」 などの,コマした台詞が鈍感な私の胸にもバターナイフのごとく突き刺さり,新鮮な感じだった. PG-12 なだけあってそれなりの表現が多い.ただ,エロさではなく,エロスを漂よわせているのが 大女優 黒木 瞳の恐ろしいところ.ドラマ夫婦(田村正和と共演)とは異なったセレブな女性を演じている. 果たしてこの配役,川島尚美だったらどういった形になっていたのだろう.お相手は18〜21歳の期間を トローリ密の中で過ごすという設定の岡田 准一.木更津キャッツアイに比べて頬のこけが顕著で,キャッツのあつい感じと今回のドライな感じが 役柄にぴったりだ.,岸谷 五朗,松本 潤,寺島 しのぶ,宮迫 博之,平山 あや,加藤 ローサ,半田 健人,余 貴美子 が大人の世界を上品にかつ現実的に描く.映画を見た後に原作を読んでみたくなった作品は最近あまりなかったが,その原因は やはり,江國 香織の紡ぐ概念的なメタファーの連鎖によるシナジーだ.(←自分で言っていてよくわからん.) 要するに, にた特性を持つ単語を効果的に使用して,その組み合わせによって味わい深くなっているということを強く感じる.  ネタバレ→  松本 潤が手を出した人妻加藤 ローサは結局分かれるのだが分かれた後に高級車で追突し,心の何かを晴らす.  岸谷 五朗は岡田 准一と妻の黒木 瞳との秘め事を知っていて知らないフリをしている.プールのシーンで 印象的に男2人がぶつかり合い,見ている女性観客は大喜びという設定になっている.← 
キャッチコピー  恋はするものじゃなくて,落ちるものだ.



マッスルモンク MUSCLE MONK
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  アンディー・ラウが筋肉着ぐるみを着たらヴィジュアル的におもしろいだろ!?プラスアルファの作品
本編感想  インファナル・アフェア,ラバーズのアンディーラウが肉厚マッスルダミースーツを着こなして, 前世の業(カルマ)をテーマに修行僧は街にでる.そこでは,自慢の筋肉を生かし,ヌードストリッパーをしている. そこで女性刑事セリシア・チャン(少林サッカー)に出会い,物語は進む.当初は一斗缶の中に身を隠すことのできる軟体男に関する 事件の捜査で警察とアンディ・ラウとのストーリーとなっているが,次第に,前世のカルマ(なぜか戦時中の日本兵による虐殺が悪の象徴として乱発),己のカルマの話になっていき,単なるどたばたアクション映画として見ていると,え?という間でエンディングの スタッフロールへとなだれ込む. この坊主(アンディー・ラウ)はマッスルスーツ(着ぐるみ)を着ているせいか羞恥心がなく,至る所で脱いで見せ, 筋肉をひけらかす.(ボディービルダーとしてのシーンも多くアンディーのイケメンとマッスルスーツの組み合わせはなかなか)  ネタバレ→  中盤からセリシア・チャンとアンディーのラブストーリーもどきが展開される.しかし,結局彼女は前世の日本兵のカルマにより, 無惨な死を遂げる.その死の瞬間のビデオを見たアンディーは彼女を求めて山には入り,首の切り取られた死体を目の当たりにする. 最終的には自分自身との戦いを通して真のカルマを積むというのがテーマだ.ラストの舞台は,巨大な石の仏像の御前で 痛々しい棍棒バトルが繰り広げられる.彼女を殺した軟体男を最終的に許すことによって自分自身のカルマを清算するのかどうだかは わからないが,結局,そういうことが言いたかったんだなぁ← という作品.物語の結末として一つの形を示している点で 新しい映画といえる.見所は,やはりアクション.特にティッシュペーパーを自在に舞わせるシーンはお勧め.
キャッチコピー  アンディー・ラウ最高傑作 坊主,マッスルで業(カルマ)を絶つ!



ケン・パーク KEN PARK
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  いけないことをしているという感覚がEroticさを増長させるが,むしろ悲惨な彼らの人生を傍観する.
本編感想  アメリカ公開延期,フランス・イギリス・ドイツ公開未定,オーストラリア上映禁止! というふれこみがまずめに飛び込む. ケン・パークとはケンの公園という意味.初っぱなから,ケン君の拳銃自殺シーンから始まる. 彼をいじめていた人たちの語り口で物語が始まる.この映画から学べることは,アメリカの思想的にも階層的にも あまり高くないところにいるだろう人々の生活がリアルに描かれているということだ.(舞台はカリフォルニア州) 特に,親から子への愛のなさが 多分に描かれていてその点は鑑賞するに値する.登場する子供たちよりも,その親にことごとく問題がある.そんな親に 育てられて,よくもまあ,まともに成長しているもんだなあと思えるほどだ.  ネタバレ→  終盤では男の子2x女の子1の心の安らぎとしてのセックスがある.サンザンな人生を歩まされた子供たちと親の問題を見せつけておいて, 最後の最後になぜ,ケン君が自殺に至ったか?← の原因となるようなシーンを持ってきてエンディングスタッフロールへと つなぐ.この世に生きること自体の罪のようなものを多少なりとも描いている点は気に入ったが,これといって特に 鑑賞する必要もない映画.異常性欲少年にジェームズ・ランソン,あまり登場しないケン役にアダム・チュバック, イカレおやじの息子にステファン・ジャッソ,母親と関係を持つ子供にジェームズ・フランド, 好奇心の強い女にティファニー・ライモスがそれぞれ配役.当然R-18
キャッチコピー  キッズのラリー・クラークとハーモニー・コリン,アメリカでもっとも危ないクリエイター2人の夢のコラボレーヨンによる21世紀青春映画!



ターミナル TERMINAL
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  ネタもトム・ハンクスもスピルバーグも演出も,どれも一級品だが,モデルになった人の現実を聞いて興ざめ.
本編感想  スピルバーグ監督でトム・ハンクス主演の感動物語となっている.この2人のコラボレーションとしては 「キャッチミー・イフユーキャン」(レオナルド・ディカプリオ主演)があるが,そちらの方が魅力的に感じた.  ストーリーはある約束を果たすためにロシア語圏のクラコウジアという国からニューヨークへやってきた男 トム・ハンクスは,アメリカに入国しようとするが,フライト中に祖国で軍事クーデターが起こりパスポートが 無効になって無国籍状態となり,行くも帰るもできなくなって空港内で生活を始めるというもの.見所は 男運のないスチュアーデスのキャサリン・セタ=ジョーンズ(シカゴ)と空港生活男との恋物語と,空港の入国管理責任者との 様々なせめぎ合いである.自分の昇進に関する査察を控える●は問題を起こしたくなく,トム・ハンクスを罠にはめて 処分したり,いやがられめいたことを繰り返す.一方ある約束を果たすためにどうしてもニューヨーク入りしたい ハンクスは強制退去させられないように言葉の壁と戦いながら賢明に対処していく.空港内に友人を作って 食いつなぎ,彼の願いを聞いて恋のキューピットを演じたり,建築の腕を生かして収入を得るなどし,空港内で 私大に有名になっていく.彼を空港内で最も有名にした事件は  ネタバレ→  ロシア系の祖国に父の病気のために薬を米国から持ち出そうとしたが,法律上禁止されているために空港職員とトラブルを 起こしていた男を説得し,「山羊のための薬」ということにして持ち出しを許可させたという事件であった.それを 空港の掃除係の●が空港中に武勇伝として広めたため一躍トム・ハンクスは空港中の視線を浴びるように.みんなの強力を得て キャサリン・ゼタ=ジョーンズとの夕食をセッティングし,ナポレオンの歴史になぞらえて贈り物をするが,自作の千の噴水は 不発.あげく,キャサリンは妻のいる本野男の下に返ってしまうというオチだ.ここは釈然としないが,父との約束であった ジャズシンガー全員のサインをピーナツ管に納めるということは成功する.空港職員の職務怠慢を突きつけられそのままクラコウジアに 帰らないと,彼らを回顧すると●に脅され,一時は帰国を決意するが,その裏話を聞かされた仲間が身を挺して飛行機を停止させ 危険を冒してニューヨークに繰り出すというのがこの話の最大の山場となっている.(しかし,スピルバーグらしくなく今ひとつの 作り込みであった.●の意地悪が法の範囲を逸脱している感触が強いため,ストーリー上無理があり解釈がきつかったのが原因と思われる.)←   この作品のテーマには「待つ」ということがある.人は何かに・誰かに待たされ,待たし,待ち,待ってもらう.そのテーマを 出会いと別れの象徴である空港にて語るため,待つのが自分の勝手だが,待たされるのは相手次第というジレンマが 制御できるものできないものとして,作品中のあらゆる所にちりばめられていた.ただ,多くの人が「感動」するほどであったかどうかは 疑問である.(私の祖国がとても安定していてありがたいものだとはとても感じたが,) ところで,空港に住む男は 実在し,この作品のために版権のようなものがその方に支払われたようだが,ストーリーはオリジナルである.
キャッチコピー  彼は空港で待ち続けた. 約束を果たすために・・・



マイ・ボディーガード MAN on FIRE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ダコタ・ファニングのクリクリ目玉には軍帰りの傷ついた男でなくとも心を開き,大切なものを捧げてしまう.
本編感想  監督はスパイ・ゲームのトニー・スコット.ジョン・Q,トレーニング・デイズのデンゼル・ワシントン,目がクリッとしていて 実力は桁外れの子役ダコタ・ファニングが送り出す誘拐映画.金目当ての誘拐が6日間に24回も頻発し,その人質の70%は 帰ってこないというアメリカ・メキシコシティ.ここで軍の暗殺任務を16年務めたが心と体に傷を負った男,デンゼル・ワシントンが 少女 ダコタ・ファニングの警護の仕事に就く.最初は「俺の仕事は警護で友達じゃない.」と冷たく言い放つデンゼルだが, 彼女の水泳の練習コーチなどを通じて,次第にかけがえのない心の支えとなっていく.その水泳の練習と誘拐シーンとを巧妙な 形で結びつける演出の後,奮戦するものの彼女が誘拐されてしまい,かくして物語は始まるのである. 見所はダコタ・ファニングの計算され尽してはいるがそれを感じさせない子供の演技(とくにおびえる様子)と誘拐犯達を 完膚無きまでに血祭りに上げていく修羅の男の疾走感であろう.誘拐を生業にする組織に,軍時代の冷酷さを加速させ, 無情な弾丸で脳髄を抉(えぐ)る.デンゼルだからこそなせるアトモスフィアが作品の質を高め,観客を巻き込んでいく.  ネタバレ→  誘拐発生からこれだけ時間が経ってしまったんだから,当然,人質にされたダコダ・ファニングは生きていない.と 思わせておいて,実はまだ生きながらえさせられていた.という設定はあまりにシリアスに進むストーリーの中で 映画臭さを強く感じる点ではあったが,そこは仕方がない.← R-15.
キャッチコピー  レオンから10年,極限の愛,再び. 愛する人を護りたい.せつない願いが日本中を感動で包む!



僕の彼女を紹介します WIND STRUCK
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  監督脚本のねらいすぎた感じが気に入らないが,それでもチョン・ジヒョンはかわいい!
本編感想  猟奇的な彼女のチョン・ジヒョンがその監督クァク・ジェヨンと組んで,とりあえず観客を喜ばすためにあの手この手で チョン・ジヒョンの魅力を引き出そうと躍起になった映画.そんな彼女が総じてチャーミングなのは間違いないが, こうも,角度や雰囲気によってかわいく見えたり,そうでなく見えたり,「同じ人物なのか?」と疑いたくなるようなヒロインは 少ない.この作品の残念なことは,「この映画のおもしろみの多くは,予告編でほとんど暴露されている」ということである. 多くの観客を劇場に引き込むという意味ではよいが,劇場に引きずり込まれた観客に満足感を与えるという意味では いうまでもなく興ざめで,「映画の不満足感」→「役者への不満」につながり,下手をすると役者を殺すことになりかねない. 配給会社の一時的な利益獲得のために予告編において「映画の核心に触れる事項を暴露しまくる」というのは良くないととても 感じる一本となった.上記の暴露のため,それをさらに裏切ろうとする予想外のラストを準備しなければならない状態に 陥り,苦しい苦しいご都合映画に成り下がった感が強いのには,チョン・ジヒョンの笑顔に惹かれた一員として悲しく思う. その苦しい結末とは,  ネタバレ→  チョン・ジヒョンのペースながらも幾多の出来事を乗り越えて徐々に接近していたチャン・ヒョクは,結局,彼女を心配して 現場に駆けつけるも,闇の中で誤射し,愛する人を自らの手で殺してしまう.風=チャン・ヒョクという伏線を 中盤で張りまくり,彼が死んでからはあたりを吹く風が全て彼の化身となる.彼の折った紙飛行機や彼を感じるために量産された 風車が「まだ足りぬか!!」とホラー映画のゾンビのごとく執拗に登場する.結局四十九日目の風で彼に再び会えるというのが クライマックスなのだろう.幾度の自殺未遂を経て,とうとうビルの屋上から 投身自殺.(このシーンはオープニングから,え?結末は投身自殺なんだ・・と臭わせている.) でも,このまま死んじゃうっていうエンディング は,このドラマの筋書き適にも,クァク・ジェヨンの脚本的にも無いだろうなぁ.だとすればいったいどのようにストーリーは転び, 観客の想像も付かない機転が用意されているのだろう? などと「あまりにも長い彼女の落下シーン」を見ながら考えてしまう. しかし,あり得ない偶然でまたもやチョン・ジヒョンは助かってしまい.← はぁ?と私の心と監督のシナリオとは乖離していくばかりだ. ヒロインの周りをカメラがグルングルン回るアングルがやたら多用され,まだか?まだか?もう一回転するのか?と思うほどしつこく回る画面に 灰汁を感じざるを得ない.しかも回るのは画面のみにあらず,風車も回る回る.しかし,画面の中心には笑顔や泣き顔のチョン・ジヒョンを 据えているのでその表情に見とれる時間と考えれば苦にはならない.散々文句を付けたが,「愛を信じるあなただけに・・僕の彼女を紹介します.」 とキャッチコピーで断っているので,本物の愛?が理解できない私などは,対象外の人間なのかもしれない. なにはともあれ,見所はチョン・ジヒョンの警察官コスプレだ.(それかよ!)
キャッチコピー  愛を信じるあなただけに・・僕の彼女を紹介します.



天上の剣 THE LEGEND OF ZU
★★★☆__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  中国版ロード・オブ・ザ・リング.スペクタクルはすごいが・・ストーリーについて行けない.
本編感想  HIRO,ラバーズのチャン・ツィイー,燃えよデブゴンのサモ・ハン・キンポー,少林サッカーのセリシア・チャン, 香港スターのイーキン・チェンとルイス・クーが主な出演者. アクション監督は酔拳,燃えよデブゴン,マトリックス,キル・ビルなどの指導を行った香港のユエン・ウーピン. 監督は男達の挽歌,ブレードのツイ・ハーク.全編はCGバリバリのシーンだけで構成されている.魔王 v.s. 伝説の尊師 とその弟子達の戦いがテーマだ.この尊師,眉毛が10mくらいの長さの割に顔が若いなーと思っていたら,実はサモ・ハン・キンポーであった.  チャン・ツィイーが小汚い兵士の役をやっている.メジャーになりきる前の初々しさが画面ににじみ出していて チャン・ツィイーファンとしては一塩のうれしさを感じる.この映画の世界では剣は振り回すものではなく,投げては飛び, その軌道を操れる武器という位置づけのようだ.ニュータイプ達がモビルスーツに乗り込みファンネルが飛び回る様子を実写の人間が 演じているのだ.(かなり中国的なスパイスで味付けされてはいるが・・)その為,ほとんど全員がドラゴンボール並に浮游し飛び回ることができる. 監督とアクション監督が凄腕なせいもあって,クンフーや殺陣の迫力は満点だが,「ありえねー」世界観が現実との乖離をなかなか忘れさせてくれず, かなりのスペクタクルなのにもかかわらず,映画にのめり込むことができない. それにしても,中国映画は 「夕日の空に師匠の顔を大きく映して,弟子がパワーアップする」という構図がすきだなぁと感心した. キーワードは環月輪,天撃,雷炎  ネタバレ→  終盤は画面中大爆発のオンパレードだ.また,天撃と雷炎は陰と陽らしいが,どちらが陰なのかは不明.  魔王は9999回殺さないとならないとかいってた割に,なぜか,セリシア・チャンが魔王の中に入ったら,魔王が消えて物語は終わる.←   くどい戦いに終止符が打たれた時には「おうおう.ようやく戦いは終わったかね?」と言いたくなる.中国の有名な伝説か何かを モチーフに描いているのか,そちらのストーリーをあらかじめ知っていないと十分に楽しむことができないのかもしれない. 全体としておもしろくないが,スペクタクルがすごいので3.5星
キャッチコピー  ?



ジャスト マリッジ just married
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  これといって山のあるラブコメではないが,彼らのように若くなりたいなぁと思う一本.
本編感想  8マイル(エミネム),アップダウン ガールズ(ダコタ・ファニング)のブリタニー・マーフィーが花嫁を アシュトン・カッチャー(アメリカ版どっきりカメラの司会)が花婿を演じる.タイトルは「ただ結婚しただけ」 という意味で,破局を迎えた2人のいがみ合いシーンから物語は始まり,結婚したのにどうして早々に破局を 迎えることになったのかについて明かされていく.設定は大金持ちの家系の末娘と短気な天気予報ラジオのパーソナリティ だ.直感的にいささか軽いのりで結ばれた2人は結婚へ.家族は表面上は歓迎するが,庶民派のアシュトン・カッチャーを 内面ではよく思っていない.2人はハネムーンに行くが,幾多の災難が襲いかかり2人の傲慢さと相まって散々な結果を招いていく.  ネタバレ→  ハネムーンから帰国後に散々な別れ方をするが,結局2人はお互いを求めており,豪邸の玄関先で求愛しまくり, 家族がそれを認めてハッピーエンドという,釈然とはしないが都合の良いエンディングが待っている.← 
キャッチコピー  甘い新婚生活が始まる?



以蔵 IZO
_____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画
一言壺焼  劇場予告編はなんかおもしろそうだが,全てはったり.ここまで寒い映像羅列はそうそうない.
本編感想  出演者を見ればかなり豪華な顔ぶれで,戦国自衛隊的な乗りで,侍達が現代に現れ,人々を斬って斬って斬りまくるという話 のような感じだったのでレンタルしてみたが・・・・.  初っぱなに精子と卵子の映像から始まり,貼り付けにされた男が槍で刺されるシーンへと つづく.(しかし,一見にして明白に頭と体の位置がずれており,槍が刺さっている体の 部分が作り物で分るところがこの作品全体の痛さを効果的に伝える.)さらに,日本刀で発射された弾丸をまっぷたつにする シーンがあるのだが,これまた,剣がふらついており,かっこよくない上に,切り分かれた 弾丸のCGがしょぼく,この映画の先行きがかなりお寒いということを序盤から教えてくれる. 最初ッからかなりつまらないが,我慢していればおもしろくなるかなぁと我慢して見ているも, カメラワークは「わざとやっているのか?ミスなのか?」というほどひどい.殺陣がメインとなる はずの映画なのに,あからさまに狙って斬りつけていないし(空振りをすることを目的に斬りつけている),下手なワイヤーアクションとの組み合わせで 興ざめに拍車を掛けている. 作品のテーマは生と死の輪廻を無情に描くといったところなのだろう.  「革命とは斬って斬って斬りまくること」とし,時代普遍のIZOは,憎悪の無限地獄を駆け回る. 明治政府かなんかの最終兵器のごとく扱われたり,扱われなかったりしているが,そんなことはどうでも良い.  見所としては銃を持った特殊部隊と以蔵との戦いシーンや都庁前での斬りまくりシーンのようだが,これも大したことない. この世の全ての憎悪を以蔵が受け持つ形でストーリーは進み,友川 かずきがギターで人生の切なさみたいなものを 叫びまくる.メルギブソン監督の 「パッション」の日本版を作りたかったのかなぁなどと思ってみるものの意味不明な斬り合いが延々と続く2時間. 主役は中山 一也,監督 三池 崇史,血糊だらけで撮影するのが大変だったろうなーとしか感心できない作品に仕上がっている. その他の出演者は,及川 光博,ビート・たけし,片岡 鶴太郎,岡田 眞澄,松田 龍平,山本 太郎,樹木 希林,松方 弘樹,ボブサップ,桃井 かおり,寺島 進, 美気 良介,緒形 券,魔裟斗,力也など.ネームヴァリューだけはすごいが,これらの名前に惹かれて劇場に 行ってしまった人たちが哀れで仕方ない.期待して良いのは  ネタバレ→  上記の登場人物がことごとくIZOに斬り殺されるシーンがあるということくらいだろう.← 
キャッチコピー  斬って斬って斬りまくっちゃえ.



ジャムフィルムス2 Jam Films 2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  4人の新人映画監督25分短編映画公開の場.
本編感想  もう既に,次期作 Jam Films S があついのだが,思い出したように2を借りてみた.  本DVDのうち,1作目は,小島 淳二監督(プラウディアCM,キリン豊潤CMなど)による,お笑いコンビラーメンズと 綺麗系でないにもかかわらず輝きを放つ女優 市川 実可子(いま 会いに行きます,キューティーハニー)の出演の お話「机上の空論」だ.日本の文化を外国に知らせるビデオで「日本人の出会いの作り方」を面白おかしく伝える前半と,それを実践し ラーメンズの2人が市川 実日子を取り合う後半とで構成される.お笑いコンビが携わっているだけあって, その演技力に特筆するようなものはないが,ネタや仕込み,引き込みの方は意外性や,共感度,テンポに至るまで 十分なできで,25分という時間を上手に使っている.2話目は高橋 栄樹監督の「Clean Room」で,出演は 麻生 久美子と小学校6年生の韓英恵.韓英恵は引きつける目(目力:めぢから)をあの幼さにして持っており,今後成長が 楽しみな女優である.この子に個人と世界とのつながりをクリーンルームと外の世界とのつながりとを 結びつけたのがこの作品のポイントであった. 3話目は井上 秀憲監督による「Hoops Man Soul」. すほう れいこが借金の形になり,彼女を取り返すために ストリート系Dice-K らが1000万円を盗む. それを金貸し 大森 南朋 に返すというのが大筋のストーリー.ただ,25分という時間を有効に使えていたとは 思えず,終わった後に,へー.それでどうしたの?と言いたくなる作品であった.たぶん, ストリート系の男達の義理堅さなんかを描きたかったのだろう・・. バスケットコート でのカメラ使いやテンポの伝え方は注目に値した.杉本 彩が出演している. 4話目は 丹下 紘希監督の「Fastener」.この作品は第37回WorldFest-Houston International Film Festivalで Grand Remi Awardを受賞した.だが,芸術性が高いせいか意味不明で,主役の子供を演じる 有岡 大貴の子供ながらも思春期に踏み出す 一面をのぞいては,思わせぶりなだけで共感できずおもしろくない.ネタバレ→大人はファスナーの向こう側に 自分の世界を隠し持っている← というメッセージをうまく表現できていたのかどうかは疑問だ. この作品はMr. Children の「Fastener」から生まれた作品ということになっている.  結局,鑑賞するに値した25分は小島 淳二監督の「机上の空論」のみであった.劇場公開時には3,2,1,4 の順番で公開されたにもかかわらず,DVDでは1,2,3,4の順になっている観点からも1話目の「机上の空論」 が掴みとして評価されていることが伺える.
キャッチコピー  2004年ショートフィルムが進化する!



誰にでも秘密がある EVERYBODY HAS A SECRET
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ヒロイン チェ・ジウの乱れ具合に「冬のソナタ」を見てみたくなる相乗効果映画
本編感想  「お前の映画評論は出演している女の子がかわいければそれだけで高得点じゃないか!」というご指導メールを頂いて口も渇ききらない 今日この頃ですが・・. 私は「冬のソナタ」を見ていません.しかし,本作で主演男優イ・ビョンホン(JSA・純愛中毒)の周りに 天使のごとくまとわりつく3人の美女,長女チェ・サンミ(子持ち奥様),次女チェ・ジウ(奥手ガリ勉ロマンティスト),三女キム・ヒョジン (ジャズボーカルでプレーガール)の魅力にはまり,(特にチェ・ジウ),冬のソナタなんてミネーヨ!と言う感じから, 韓流を点検しなおさねばならない.と心変わりをさせられた作品である. ストーリーは今一歩が踏み出せない三姉妹の下に突然白い歯を必要以上にキラつかせるイケメン イ・ビョンホンが現れ, 恋愛のお手本にしなさいと言わんばかりに,女心を弄び,意味深な言葉で引きつけ,キスはおろかあらゆるものを電光石火で 奪っていくというものである.この脚本が私たちの実世界でどれだけ活かせるのかは難しいところだが, 女の子の前では口べたな私にとってメモ帳を取り出すべきシーンは多かった.(オイオイ.) しかし,この映画の本当の 見所は,処女で奥手でロマンティストで文学に堪能な次女のチェ・ジウが,白い歯の男に,調教され,悦びをを教えられ, みだらなセックスマシーンへと変貌していく様を傍観することであろう.特にラストでの変貌ぶりは感心し, 監督のチャン・ヒョンスのセンスを感じる. 韓国は儒教の国であるので,本国におけるピンク映画ですら モザイクが掛かる様な場所はそもそも画面内に映さないくらい規制が厳しい.だのに,なぜ? というくらい乱れたシーンが(しかも,かのジウ姫の) 出てくる出てくる.そういう視点からはすこぶるお買い得感が高い映画だ.物語は,イ・ビョンホンと一人の女とのカップリング で章立てされ,後に「あの場面の時に実はこんな裏舞台があった」ということを観客に紹介する形で時間が前後し,徐々にネタバレを 混入して理解と感心を促す手法で進む.  この作品での最大の疑問は,「イ・ビョンホンはなぜ,三姉妹をあんなやり方で誘惑するの? 誰にでも秘密がある.ってどいういうこと?」 というものである.  ネタバレ→ 実は,死んだおやじさんが娘達の幸せを願って天国から?使いを送り,娘達に幸せを教え力強く生きていく能力を助長した というオチである.誰にでも秘密があるというタイトルやフレーズが今ひとつ有効に機能していると思えないが,←  観客に「なんだろ?」と思わせ興行につなげるといった意味では良いネーミングだったろう.誰にでも秘密があるのだから ちょっとくらい悪いことをしても活力のある行き方をしてみたらどうですか?という提言みたいなものがこの作品のテーマにある. 日本人には受け入れられがちだろうが,韓国人にはどのように映ったのであったろうか?
キャッチコピー  本当の愛を教えてあげる. 美しき三姉妹と一人の完璧な男のロマンティックラブストーリー



ゴジラ FINAL WARS GODZILLA FINAL WARS
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ゴジラの名を餌に使って北村龍平アクションを徹底的に見せつけるためのオレオレ映画
本編感想  今まで怪獣映画ゴジラは私の中で映画とは分類されず,子供向け映像という位置づけであった.しかし, このたび,日本のアクション映画を牽引する北村 龍平監督でゴジラ50年の歴史に幕を閉じるというふれこみであったために, ゴジラに対する事前知識なしにこの映画を鑑賞することとした.私のゴジラシリーズに対するイメージは, 「怪獣が現れて町を壊していると自衛隊が出動し,成果が上げられないまま蹴散らされ,そうこうしていると なぜか ゴジラが現れて自衛隊と町並みもろとも怪獣を粉砕し,満足して帰って行く.」というものであった. 今回は怪獣映画であるところの醍醐味はそのままに,関わる人々の視点からドラマを展開し,北村監督の得意とするところの 人間同士のアクションを取り入れて構成するといったもくろみが見て取れる.そのヒューマンアクションタたるや同監督のくどくどアクション作品 ALIVEのワンシーンを見ているかのようで,背景のセットも戦いのそぶりも大いにかぶっていた.ミュータントと称される特殊な身体能力を 持つTOKIOの松岡 昌宏やケイン・コスギ(マッスルヒート)らがミサイルなどでもピクともしない怪獣立ちを相手に,個人携帯砲のようなもの で応戦し,仕舞いニャ怪獣の体によじ登ってまとわりつき退治してしまうという.インテリめいた生物科学者 菊川 怜と松村との恋仲を描きつつ 世界中にゾクゾクと沸き上がる歴代の怪獣達.怪獣達にもまけない濃い顔でドリル飛行戦艦「轟天号」を操る「K-1」「プライド」などで 活躍するスーパーマリオのような男 ドン・フライ(映画初出演)らの活躍.いったい,この世界はどうなってしまうのか? 地球防衛軍よがんばって! というのが 前半の流れ.このシリーズの醍醐味は間違いなく建物や日常の「豪快な破壊」である.私たちが慣れ親しんだ著名な地形地物(オーストラリアの オペラハウス,上海の上海タワー,シンガポールのマーライオン,東京タワーなど)が気持ちいいように破壊され爆発炎上する. 観客の中に存在する共通の存在に対する概念のディストラクション.日常の崩壊.これらが観客に望まれているのである.その点で 各地に現れる怪獣達は大いにその任務を全うしたといえる.後半の話は展開が変わり出す.  ネタバレ→  あずみで加藤清正腹心の部下 井上勘兵衛を演じた北村 一輝が表向きには平和的友好を求める宇宙人として登場するのである. また同じくあずみに出ていた伊武 雅刀がドタマをそり上げてX星人している.彼らは表向きには友好を装い,家畜としての人間を 収穫するというスタンスだ.映画インディペンデンスデイばりに飛行船で地球防衛軍基地上空に浮かぶX星人の浮遊オブジェに進入し, 防衛軍隊員と雑魚キャラとの戦いを行う.大打撃を受けた防衛軍は,轟天号のみとなり,「南極に埋めたゴジラを起こし,海を渡らせて 怪獣達を各個撃破させ,さらには宇宙人達もやっつけてもらおう!」という作戦に打って出る.←  この展開により,各怪獣とゴジラとの戦いが間延びせず要点を凝縮したものとなっており,映画としての成立を著しく助けている. 例によってモスラも助太刀に入るのだが,それを呼び起こす2人の妖精のうちの一人が,実は「世界の中心で愛を叫ぶ」で主演をはった 長澤 まさみであることは見逃せない.その他脇を固めるのは泉谷 しげる,國村 隼,宝田 明,水野 久美,水野 真紀らである.  記憶に残っている点として,ハリウッド版を意識し,ハリウッド版ゴジラと純正ゴジラとが対決する見所シーンがあるのだが, 北村 一輝が ネタバレ→「やはり,マグロばっかり 食ってる奴はダメだな.」(ハリウッド版のゴジラの食料は大量のマグロということになっており,おそらく,日本というイメージから ハリウッド制作者が設定したもの)← みたいなことをいう.北村 龍平監督のギャグセンスは常人離れしているケースが多いが, ここの見せ方に至っては会場の笑いを見事に誘うできとなっていた.その他,過去のゴジラシリーズを熟知していないと,ニュアンスが 分らないんだろーなーと思うシーンが沢山あったが,総じて観客を喜ばせようという気概に溢れる名作であった.
キャッチコピー  シリーズ50年の集大成 最高峰にして最終作 これが,最後だ.



血と骨 TITOHONE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ウジ虫のわいた肉とたけしのセックス・暴力を味わう一本.
本編感想  夢を持って日本に渡ってきた朝鮮人達.戦中・戦後の日系朝鮮人達の中で,本能のままに生きた男を 映画監督として熟れてきたビートたけしが骨太に無骨に演じる.あんな親に育てたれたら溜まらない!! しかし,そんな男ほどどこか魅力があり,金銭面でもタイミングを逃さずにしっかりと稼ぎ,ヤクザなどをうまく利用して 欲望のままに生きる.そんな男を父親に持ち,虐げられ続けた母親を見て育った息子とその親族がどのような振る舞いを見せるのかが 面白い.戦後生きることに純粋な日本人ですら困窮した時代に朝鮮人達は差別の中どのように力強く生き抜いたのか?という観点から, 登場人物はほぼ朝鮮人である.たけしの演じる「怪物」の傍若無人ぶりを描くのがメインのテーマであるが, 北朝鮮を地上の楽園と信じて渡航し以後手紙が一通も来なかった兄貴の話や破廉恥な親族(隠し子)オダギリジョー, 日本軍との関係などがサイドストーリー的に描かれている.あのような父と母に育てられ,血と骨を受け継いだ息子 新井 浩文が 今後どのように生きていくのか?をテーマに続きが見たい気になる作品であった.  ネタバレ→  たけしは最終的にあれだけ執着した全財産の7000万円を赤に寄付して,最後の妻に生ませた自分の子供を 引き取るという決断をしてエンディングに流れる.← 
キャッチコピー  血は母より,骨は父より受け継ぐ "怪物"と呼ばれた男の鮮烈にして壮絶な生き様



ポーラー・エクスプレス THE POLAR EXPRESS
★★___ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  CGがリアルな分だけ不気味に感じるが子供の感覚に戻ってクリスマスを見つめ直す機会として良い.
本編感想  映画を鑑賞した後に,「そういえば何歳までサンタさんを信じてた?」という質問を仲間でしたくなるような 映画だ.クリスマス前のこの時期に上映される意味が大きい作品である.この映画にはトム・ハンクスが大いに関与している. ポーラー・エクスプレス(北極特急)の車掌らしき男も一目に風貌がトム・ハンクスである.人を煙に巻くように説得する雰囲気の しゃべり方を見て快く思わない人もいるだろうなぁと思いを馳せるが,小学生がこの作品を見て「わぁ〜そうなんだぁすごーい.」 といってほしくて制作していると思われるので,そういう観点からは説得力があって良い.北極は海であるはずだが, そこにサンタクロースが首領を務める謎の島があり,サンタの存在に対して懐疑的だが,まだ存在するとかすかに信じているような 子供達の所にポーラーエキスプレスが巡回して連れて行くといったストーリーだ.ポケットをまさぐるとエキスプレスの往復券が 発見されるあたりから,エンディングのオチが見え隠れしていたが,だいたいその通りになる. 「ほら!良い子にしていないと,サンタさんが見てるわよ!!」と言っている親を後押しするのに何とも都合の良い アメリカ版「日本昔話」となっている.アメリカのガキンチョってこうなんだろーなーなんて要素が 画面の至る所ににじみ出しており,そういう意味でアメリカ文化を勉強するのに役立つ.  ネタバレ→  サンタから直接もらったクリスマスの象徴のベルが,現実世界にもあって,妹か弟と自分にはしっかりと その美しい音色が聞こえるのだが,両親には音の鳴らない壊れたベルに写っているということが 子供に「子供である喜び」を噛みしめさせる.← 
キャッチコピー  2004年.最高の夢を



スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW
☆____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映
一言壺焼  ヒロインが映画の質を著しく下げる何の魅力もない映画.逝って良し.
本編感想  ジュード・ロウがスカイキャプテンというインチキパイロットを演じ,グウィネス・パルトロウがうざい女写真家としていたるところで しゃしゃり出る映画.空中空母の指揮官らしい堅めの片眼の女としてアンジェリーナ・ジョリーが好演している.  見ている途中で吐き気がする映画は久しぶりだ.メル・ギブソン主演M・ナイト・シャマラン監督の「サイン」を 見た時と似たような時間の無駄感を味わった.良いのはアンジェリーナ・ジョエリだけ. ヒーローであるはずのジュード・ロウのシケ具合はアッパレ.しかし,この映画のダメダメ度を指数関数的に上昇させているのは ヒロインであるはずのグイネス・パルトロウ.かわいくないくせに嫌みで強がりな演技を見せる「スパイダーマンシリーズ」の キルティン・ダンストを更に嫌みな感じにして笑顔を抜いたのが今回のヒロインだ.グウィネス・パルトロウとも言う. 彼女の父親は監督・脚本を生業とするブルース・パルトロウ(デュエット2000では娘を出演させている.), 母親は女優ブライス・ダナーという2世議員.ブラッド・ピット主演の「セブン」で一躍脚光を浴びた女優なのだが, 本作においては完全に作品を殺し,息の根を止めるほどの腐った演技を披露している.女優に求められる第1の要素笑顔がダメだ.コケ方,逃げ方,全てのレベルにおいて 吐き気もののレベル.ストーリー上にも無数の突っ込み所が,虫たちが卵を産むかのごとく沸き上がり, よほど途中で退出したくなったが,エンディングにはもっとどうしょもない突っ込み所が用意されているはずだ.と信じてがんばった. 最後には予想を裏切らない一ネタが用意されていた.  ネタバレ→  グイネス・パウトロウは記者であるため,できるだけ多く写真を撮りたいのだが,フィルムの予備をダイナマイトの爆発で失ってしまう.  すごいシーンに出会っても,撮り渋りをして温存する.2枚残されていたうち,1枚は転んだ瞬間にシャッターを切ってしまい,泣くほど悔しがる. 彼らが追っている敵はノアの箱船のロケット版をつくり,地球を破壊しようとしていた.ちなみに,そのボスは20年前に死んでいて機械達が その意志を受け継ぎ任務を遂行しようとしていた.最後の1枚は,目の前のすごいシーンをほっといて,大仕事をなし終えたジュード・ロウの横顔を撮影する決心をしシャッターを押す.  ここで終わりかと思いきや,ジュード・ロウのビックリした顔と共に,「レンズカバーが・・・(付けっぱなしだよ.)」という声で終わる.(後日静止画で確認したがレンズがカバーでふさがっていた様子はなかった.)←  このネタを出すためだけに2時間つまらない映像を続けていたのか!! そうなのか? もしそうだとしたなら,私の負けだよ.ケリー・コンラン(監督・脚本)さんよ. と言いたくなる.それがなければ完全に☆なしになっていたであろうというできばえであった.つまらないと思う映画というよりもむかついて腹立たしくなる映画に久しぶりに出会った. 「出演者以外は全てCGというのが売りで見栄えはそれなりだった作品」だっただけに残念であった.その背景と実写の人間との調和を容易に 図るために背景は全てぼかし効果が入っている.肝心な画像のほうもお粗末なものだ.その上,登場人物に加速度が感じられずお粗末なCG技法が 更に目立つ.
キャッチコピー  ニューヨーク1939年.応答せよ.スカイキャプテン.応答せよ!!



ハウルの動く城 HOWL'S MOVING CASTLE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  テーマはよくわからんが,たいしたスペクタクルを見せられたという印象が残る.
本編感想  なんか登場人物がみんな怖い.魔女の宅急便は「かわいくて弱々しい魔法」と形容するなら本作は「怖くて悪意の籠もった魔法」 が作品全体を包んでいる.この作品から得られた教訓としては以下のことがある.「年を取ると思った以上に体がいうことをきかなくなるらしいから お年寄りを大切にしたくなった.」いくつか書こうと思ったがこれしかない.後はどんな驚くべきことが起こっても,「魔法だから・・残念.」という 言葉以上では説明できず,「オオ!」と驚くこと「すごいなぁ」と感じることはあっても「できたストーリー展開だなぁ」と賞賛することはできない. 上映前から問題視されていた倍賞 千恵子による少女とおばあちゃんの声の出演だが,見た目にマッチしていて,両方のバージョンを1人でこなす ことに対する違和感は無かった.ルックスが良いから声だけの出演はダメダメなのではないか?と批評家から危惧されていた木村 拓哉のハウルについても, クールでいながら,弱いところを持ち合わせていて感情的になる少年をうまい具合に演じていたと思う. 最初は威勢が良かった悪役魔法使い女が  ネタバレ→  中盤から,スライムのようにドロドロに溶けるかのごとく,もうろく赤ちゃんババアに変形してしまうのは,オイオイ.駿夫先生それで良いんですか?  と突っ込みたくなった.かわいらしさと悪魔的要素を持ち合わせた炎のカルしファー君は,実はハウルの心臓であったようだ.←  この映画で,もっとも宮崎駿らしいと思ったポイントは,序盤で万能のように描かれていたハウルの精神的弱さを後半で徹底的にほじくり出し, 醜い部分を強調するかのように変身させているとろこだ.この辺は宮崎駿の原点である「風の谷のナウシカ」のマンガ版5・6・7巻あたりで描かれている ものと類似しているような気がした.つまり,汚いところをリアルに描くことによって人間の二面性を観客に見せつけ,それでもやはり葛藤の末に 正や美を重んじる純粋な部分を表現しようというやり方だ.宮崎アニメの大成により,彼自身の感性を興行的な受けにあまりとらわれずに世に出すことが できるようになってきたことによる弊害であり,魅力である.この「ハウルの動く城」という作品をジブリ以外が出していたら,とてもではないが 世間に受け入れられる代物ではないだろう.しかし,クオリティーに裏付けられる圧倒的なヴィジュアルとしてこのアニメを見ることができるため, 平均的な点数の作品という結論に至った.
キャッチコピー  ふたりが暮らした,動く城.



隠し剣 鬼の爪 KAKUSHIKEN ONINOTSUME
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  幕末の変化を松たか子のかわいらしさと,武士としての永瀬正敏の振るまいでダブらせた良作.
本編感想  たそがれ清兵衛の山田洋次監督とスタッフが,と松たか子をメインキャストに栄光をもう一度!と作った作品. たそがれ清兵衛よりかはおもしろい.ストーリーは,父の失態で評価は低いが藩で一二を争う剣士である永瀬 正敏を中心に 使用人の松 たか子とのラブストーリーを,嫁入り先の虐待や藩の謀反人 小澤 征悦との対決を通じて描くというものである. 主人公 永瀬 正敏は,親友である吉岡 秀隆とその妻 田畑 智子らとの交流を持ちながら,なかなか結婚しない. その理由は当然 松 たか子が心の中にあるからなのだが,身分の違いや世間体からなかなかそれらの感情は表面に出てこない. この辺のもどかしさや,江戸時代の情緒の描き方がいい.さすが山田 洋次監督である.侍が縛られている身分をふりほどいていく 様と,幕末で刀が軽視され,大砲や軍隊的な考え方が台頭してくる様とをダブらせながら,後半の山場である侍同士の対決シーンへとつなげていく. 殺陣には引きつけられる魅力があまり無いものの,その時代と彼らの葛藤は十分表現されていた.しかし,ここのクライマックスでは 題名にもなっている必殺技「鬼の爪」はまだ炸裂しない.何時必殺技がお目見えするのか!? という期待を良い塩梅でふくらませたまま, 制作側が本当に見せたかったものへとつなげていき,「え?ひょっとして鬼の爪?」という具合に,決め所でしっかりと決めてくれる. 突っ込みたくなる気持ちになるシーンも無いことはないが,全てはヒロインである松たか子のほんわか笑顔が吸収している.  ネタバレ→  隠し剣 鬼の爪とは,串のような先端の尖った小刀で,心の臓を肋骨の隙間から一尽きし,体外にはほとんど流血を出すことなく, 身体内を血の海にするという暗殺剣である.鬼の爪っていったい何だ? と期待がふくらんだところでこのネタバレだが, 下手に神憑り的な剛健を設定するよりも妙に納得でき,そのネーミングもフィットしていることから良好な隠しネタであることを納得する. ちなみに,永瀬正敏は武士を捨てて松たか子に求愛し,幸せになる.←  脇役として,緒形 券,小林 稔侍,田中 邦江,田中 泯(たそがれ清兵衛で日本アカデミー最優秀助演男優賞)らが出演している.
キャッチコピー  幕末.愛に生きる侍がいた.



パニッシャー THE PUNISHER 2004年
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも勧めたい映画
一言壺焼  感動・爽快感・突っ込み所を味のある役者達が上手に混ぜ合わせた客を喜ばせる気概に溢れる大作.
本編感想  パニッシャー(制裁者)という映画は今までにいくつかあったが,この作品は主演のトム・ジェーンとマフィアのボス ジョン・トラボルタの好演技とできた脚本によって一線を画したものとなっている.ヒーロー対決という意味で「フェイスオフ(トラボルタ,ニコラス・ケイジ)」 を彷彿する.とても優秀な警官であるトム・ジェーンは武器の密輸に関わる囮捜査で犯人達を罠にはめ自分は銃撃されて死亡するという シナリオでマフィアに取り入るが,予定外の客が現れ,銃撃戦に巻き込まれ,本当に死んでしまう. 実はその男が大ボス ジョン・トラボルタの息子であり,怒ったトラボルタは主人公警官の家族もろとも抹殺することを命ずる. 自分以外の家族を全員殺されたトム・ジェーンはパニッシャーとして生まれ変わり,息子の好きだったどくろマークを トレードマークに制裁しまくる.といった一見在り来たりのストーリーだが,準備シーンやいくつかのサイドストーリー的な 話題との適合が絶妙で作品全体で賞賛するべき仕上がりとなっている.特に,ベン・フォスター(フォーン・ブース), ジョン・ピアネット(アメリカンスタンダップコメディアン オブ・ジ・イヤー受賞),レベッカ・ローミン=ステイモス(ファム・ファタール主演) のダメ人間3人組との物語を盛り込んだのが憎い.これが,この映画を単なる暴力映画から脱却させた大きな要因だ. 様々な疑問と突っ込みを誘発させる原因ともなっているが,総じてエンターテイメント性溢れる観客フレンドリーな作品であった. ここで作品のリアリティーを欠く突っ込み所について解説する.  ネタバレ→  第1に,ロシアの殺し屋ケヴィン・ナッシュがトム・ジェーン(WWFのプロレスラー)を殺そうとするシーンが殺し屋としてぬるすぎる. 成功率100%とも謳われる殺し屋が「生き残って自分を殺してくれ」といわんばかりの隙のある殺しを遂行するのである. そして案の定死体として転がる羽目となるのだが,あの圧倒的パワーに直面した主人公が生きていられることに対して理不尽さを憶える. ロシアン自体の殺しの哲学的になぶりながらじわじわと楽しむという要素があったと好意的に解釈するしかない. ダメ人間3人組との人間関係を描くために必要な脚本であったのかもしれないが,ここで興ざめする人は正常だろう. ついで,ギターを持った殺し屋に関してだが,彼の存在そのものがいらなかったのでは?という疑問が上がる. 歌をわざわざ作詞して本人に聞かせてから仕事に取りかかるのは殺し屋として失格では?とかいかにも物語りめいている だとか,様々な興ざめ要素を入れてまでも彼をストーリーに組み込んだ背景には「せっかく,時間を掛けて準備した 007バリの特殊カーを何とか活躍させるシーンを盛り込まなければならない!」という制作者側の意図があった. その割に一生懸命作った防弾改造車はたいした活躍をするまでもなく破棄されることになっていたのが,いと悲しい. また,ストーリー上の矛盾として,ギター男が来たということは住処がばれていたにもかかわらず,トム・ジェーンは あのアパートに住み続けて酒をあおっていたということなのでどうも納得がいかない.  第3の疑問として,トラボルタの息子を死に導いたせこいチンピラ役は殺されずに最後まで生きている上に,トラボルタの身の回りの世話を 任されるという破格の待遇はなぜなのか?ということが上がる.彼はトラボルタのことを嫌っていることを証言し,そのような 密約をトム・ジェーンと結ぶ.トラボルタともあろう大悪党が何故?とおもうが, 「トラボルタの腹心の部下を演じるウィル・パットン(60セカンズ)と自分の妻であるローラ・ハリングとの不倫をでっち上げ トラボルタ自身の手によって2人を殺害させ,何もかも奪ってから地獄に落とす」という究極のシナリオを遂行するためにどうしても 必要であった内通者として生かしておかなければならなかったという制作者側の意図があるのだった. また, ラストでトラボルタが炎に包まれながら車に引きずられ爆死するシーンがあるのだが,「明らかに」スタントマンなのは これまた悲しい突っ込み所である.  ← 話は変わって,この映画から学んだこととして「権力のある人間はその一言が影響する範囲が広く,気軽な一言を 発することができないものだなぁ」ということがある.総理大臣などは口が重くなりがちだが,何年何月何日にどう発言した という記録が残ってしまうし,その一言で後々取り返しが付かなくなることが多い.その一言をネタに足を引っ張ってやろうという 連中に囲まれて生活しているのだ.この映画ではトラボルタの妻ローラ・ハリングが息子を殺した原因となる警察の囮捜査官 を殺害しろという命令に付け加えて,「その家族も全員」と願い,言いはなったシーンで上記のことを強く思った. 彼女があそこでそういわなかったら,ネタバレ→おそらくマフィアが壊滅することもなかったし,自分が死ぬこともなかった. 感情にまかせて発言する女の恐ろしさをその一言に表現できていると同時に,自分の発言の結果を深く考察せずに権力者が力を振るう ことに対する恐怖感が含まれていて,最後の結末と相まって映画のできを高めるすばらしい効果を生んでいた.
キャッチコピー  愛する人を失って,生まれ変わった正義の体.法に代わって処罰する,裁きは,闇のパニッシャー. 復習ではない,戒(パニッシュ)めだ.



砂と霧の家 HOUSE OF SAND AND FOG
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  この映画のどこにも「華やかなシーン」はない.あるのは悲惨と絶望のみ.なのにめちゃくちゃ映画としての魅力がある!
本編感想  この映画の見所は,「登場人物全員悲惨」という点である.ホームページを見に行っても,早速主演のジェニファー・コネリーが 泣いている.オープニングから「夫に捨てられたけれども,家族にはそれを隠して平和な生活を装う」というシチュエーションで始まり, 彼女と彼女の周りの登場人物の悲惨ぶりが次々と明らかにされていく.そして「貧しき者」が「貧しき者」を更に苦しめ, 糸が絡まり合うかのごとく,さらなる不幸を呼び込んでいく.ジェニファー・コネリーと対決する形で不幸を体現しているのが アラビア系移民を演じるベン・キングスレー(ガンジー,サンダーバード)である.一目で「サンダーバードのオヤジだ!!」と 分るのもつかの間,頑固そうな顔立ちと不幸を呼び込みそうな風貌から彼がはまり役であることが判明する.そして,彼こそがこの 作品を4.5星の評価にまで高めた原因となっている.  ネタバレ→  家を売る・売らないでジェニファー・コネリーと険悪になる中,彼女のことが好きな警官ロン・エルダートとのいざこざのさなか, 生きる目的でもある最愛の息子を失ってしまう.この展開が無かったらこの映画はたいしたことのないものとなっていただろう. ベンは国を失い,名誉を失い,最愛の息子を失い,妻(ショーレ・アグダシュルー)をそして最後には自分を失う.自分の決断の連続において成り立っている「結果」 を悔いながら・・ ← 良好な演技で観客をその世界に引きつけておきながら,予想させないようにしつつ,ドラマティックな事件を盛り込んでいく 手法がこの映画の「グッ」と来るところである.なにも楽しいことが起こってないはずのこの映画にこれほどまでに引きつけられた 理由は出演者全員の上手なキャスティングとナチュラルでかつ味わい深い演技の賜だと感じた. ジェニファー・コネリーはワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカでデビューし,ビューティフル・マインド(ラッセル・クロウ), ハルクで好演する注目の女優であり,次期作の仄暗い水の底からのハリウッドリメイク版「ダーク・ウォーター」が楽しみである.
キャッチコピー  世界中を嗚咽させた,今世紀,最も美しい悲劇が幕を開ける!



いま、会いにゆきます IMA,AINIYUKIMASU
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  死人役の女王「竹内結子」から溢れる魅力のオーラを分けてもらい,心をいい感じにする映画.
本編感想  竹内 結子 主演,妻を亡くした弱気な父親を中村 獅童が演じる家族物語.雨の季節に死んだはずの妻(竹内結子:天国の本屋恋火,黄泉がえり) が現世に帰ってきていっしょに生活し,雨の季節が終わると消えてしまうという物語.息子役の平岡 裕太が子役にありがちな, 「台詞を無理矢理言わされているような興ざめ感」が少なく上手にその立場を演じていてすこぶる好印象である.キューティーハニーで 存在感を見せた市川 実日子(いちかわ みかこ)が中村 獅童にひそかに思いを持つ同僚として出演している.それにしても,竹内 結子は 独特のほんわかオーラをあたりに振りまいていてたまらない.映画のスクリーンを通じてたかだか1時間を共有しただけで,彼女が 消えてしまうととっても悲しくなるほどの親しみ感を浸透させる.女優の資質を感じざる得ない.現世には存在しないのではないだろうかと 暗に思わせるほどの彼女が持っている慈愛の表現力から,竹内 結子=既に死んでいる役柄(主要作品は全て)という キャスティング方程式に対してすこぶる納得してしまう.  ネタバレ→  竹内 結子は昔,交通事故にあって1ヶ月ほど意識不明になっていた.その間に,自分が未来の子供と旦那さんといっしょに 雨の季節を過ごすことを体験する.その体験により,自分の死期を知って未来のために子供への絵本を作り, アーカイブ星という架空の星を設定する.同じ男に2度恋をして好きになるというドラマティックな脚本が 本作成功の鍵になっていることはマチガイナイ.← 土井 裕泰 監督,原作 市川 拓司,脚本 岡田 恵和
キャッチコピー  雨とともに訪れた6週間の奇跡



80デイズ AROUND THE WORLD IN 80 DAYS
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  前評判の低さに比して,かなりおもしろい異色ジャッキー・チェン映画
本編感想  ジャッキー・チェン映画といえば,彼が見せるどたばたしながらも見所満載のアクションが第一の売りである. それが定説であったが,彼自身の体力の衰えからか,最近はムチャなアクションから小細工を見せるアクションへと グレードダウンさせている気配があることはジャッキーファンでなくても感じることだ.かといってこの映画がおもしろくない というわけではない.主演のスティーヴ・クーガンとのコラボレーションによって,ジャッキー映画独特のオトボケ感が 心地よく表現されている上に,様々な大物スター達の出演によりスパイスの効いたエンターテイメントに仕上がっている. (アーノルド・シュワルツェネッガー,オーエン・ウィルソン,ルーク・ウィルソン,カレン・モク,サモハン・キンポー) サモハン(結構年取ったなー)とその仲間達のカンフーアクションが見られるという意味だけでもこの映画はジャッキーファンを十分に喜ばしてくれる. ヒロインのセシル・ド・フランスはハリウッド映画初出演ながらもフランスのセザール賞とリュミエール賞の新人賞を受賞しているだけあり, 堂々たる演技で作品の質を高めるのに貢献している.  ストーリーはイギリスを牛耳る悪徳貴族ジム・ブロードベント(ギャング・オブ・ニューヨーク)との賭けで 主人公スティーヴ・クーガンは80日以内に世界一周をしなくてはならなくなり,その成功を妨げるために様々な罠が 張り巡らされていて,ジャッキー・チェンとの協力によって辛くも旅路を行くというものである.  ネタバレ→  実はジャッキーには自分の故郷で大切にされている謎の仏像をイギリス人から取り返すという使命があり, 自分の国に帰るためにウソをついてスティーヴ・クーガンに協力をしているという設定である.(それにしても,ジャッキーものといい, マッハ(原題:オンバク)といい,アジア系の大作は盗まれた仏像を取り返すという設定が多い.たぶんアメリカ人受けは高いのだろうなぁ) ← 全編を通して均等に小さな山場が配置されており,飽きることなく鑑賞できるが,見所は謎の軍団のボスキャラ的存在である カレン・モクとの対決シーンであろう.
キャッチコピー  何でもアリの世界一周アドベンチャーが始まる!



野獣死すべし
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  赤軍の臭いが枯れそうな頃に,優作の雄叫びにより彼らに元気を与えるような趣旨なのか?という映画.
本編感想  世界各地の戦場を渡り歩いた記者(松田 優作)は戦争の影響で心が野獣となっていた.優作は血に飢えてヤクザを殺したりして 渇きを癒そうとするが,同じ臭いがすると思った切れやすい男 鹿賀 丈史(福井 晴敏原作戦国自衛隊1549 に出演) を仲間に誘い込み, 野獣としてのさらなる欲望を満たそうとする.こういう形の青春もあるという形でセンセーショナルを巻き起こすべく, 松田 優作が精神を切りつめて役に挑んでいる様が見えている観客に心地よい.しかし,その背後にあるものはやはり古くささを感じざるを 得ない.銀行強盗にしても,スマートさは重視されず,ドロドロさ,執念深さ,どん欲さに重きが置かれ時代を反映している感じがする.  ネタバレ→  計画的に銀行を襲撃する.逃走中に警官(室田日出男:仁義なき戦いシリーズの悪役)に嗅ぎつけられるが,電車内で始末する.  鹿賀 丈史に女を与えて犯させているところを戦場カメラマン的に解説を加えて激写するが,切れた松田 優作は鹿賀 丈史を 射殺する.最終的に松田 優作は劇場から出てきたところを何者かに射殺されもだえ苦しみ  ← ながらエンドロールが流れる.といった流れにになっている.テーマは「戦争により心が壊れた男の美学」 . 見所はひとえに松田 優作の「平静を装ったぶち切れ」と「目をカッと見開いたぶち切れ」
キャッチコピー  青春は屍をこえて.



死国 SHIKOKU
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  「そういう気持ち」に自分を追い込んでから鑑賞しないととてもみようという意志を継続できないホラーファンタジー
本編感想  この作品が出た当初から,主演の栗山 千明(キルビルvol1,下弦の月〜ラスト・クォーター )の 目つきがやたらと雰囲気出してるなぁと思っていた.このたび栗山千明の映画初出演(主演)作を点検しておこうと 思い借りた.四国高知を舞台に,幼少のころ死んだはずの栗山 千明を絡めて物語は進む.幼い頃に筒井 道隆と 栗山は仲が良く,自分の死後に親しさを増したヒロイン夏川結衣と筒井道隆との仲を 栗山 千明 が恨む? といった内容が前半で,中盤は黄泉の国の封印について探っていく.前半に栗山 千明はほとんど出てこない. 原作は狗神(いぬがみ)と同じく坂東 眞砂子.監督:長崎 俊一,その他キャストは根岸季衣 大杉漣 佐藤允.  ネタバレ→ 栗山 千明は母と共に幼い頃から霊を体内に呼び込んで霊の声を聞くという霊媒師として活躍しており, 川で溺れて死んだという説と,兇悪な霊を呼び込んで死んだという説とがある.母(根岸 季衣)はお遍路を逆さに回り,16年前に死んだ娘を 蘇らそうとしている.母の努力の甲斐あって,ヘドロの中から栗山 千明は生まれてくる.しかし,彼女が抱きしめると相手はことごとく背骨を 折られて死んでしまう.  ←  この作品の魅力はひとえに栗山 千明の上目遣い.黄泉の国からこの世を見透かすような幼くもセクシーな彼女の視線だけがこの作品を支えており, 将来の出世ぶりを暗示している.
キャッチコピー  その血は決して交わってはならなかった. とてつもなく恐ろしく,エロティックな禁断.



狗神(いぬがみ) NUE
★____ 紹介サイト
バッシングしたくなるような映画
一言壺焼  全然エロくないという以外でもいけてなさが漂う「弱ホラー」
本編感想  奥菜 恵主演の「弟切草」と共に角川冬のホラーシリーズとして繰り出された作品. 監督・脚本 原田 眞人,原作 坂東眞砂子 狗神(いぬがみ)の血筋が村に不幸を呼ぶという前提を信じている村の物語である. 学校の先生としてそんな場所に赴任してくることとなった渡部 篤郎は次第に 村人の中で狗神伝説に反抗的な青年を演じている遊人は原田 眞人監督の実の息子であり,がんばっている.しかし, 悪い意味での素人っぽさがにじみ出しているのは否定できない.エロティシズムにかんしてもホラーに関しても不十分で物足りない. ホラー的要素としては ネタバレ→ 狗神に関するチャットを行っている最中に画面がウイルスに犯されたような状態になりウジムシがムヒョムヒョ わき出してくる所が良い感じだった. ← R-15ベルリン国際映画祭
キャッチコピー  その血は決して交わってはならなかった. とてつもなく恐ろしく,エロティックな禁断. 神に背く女.



南極物語
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  「人間−動物」愛が高倉 健という鎹(かすがい)でつながれた一本.
本編感想  一昔話題になったということと,文部省推奨作品ということで注目した作品.  南極観測隊は犬たちと共に不毛の土地で調査を行っていた.しかし,悪天候のため犬たちを置いていく羽目になる. かくして,犬たちの生き残りストーリーが始まった.高倉 健,渡瀬 恒彦,岡田 英次,夏目 雅子,荻野目 慶子らの キャストで送る.監督・脚本は蔵原 惟繕.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  



海猫 UMINEKO
★★☆__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  海猫の「猫」の獣偏が赤くなっているその辺を見たかったのにという不純さを殺された一本.
本編感想  国内トップアイドル,実力・熟れ具合・気品どれも上位5本指に入るだろう伊東 美咲が女優としての 躍進を図るべく,全裸になって佐藤 浩市とある種の愛の形を描くのが本作品だ. 観客の多くは主演女優の女っぷりを重視したに違いない.その点から言うとこの映画は 不完全燃焼だと言い切れる.ミラ・ジョボ・ビッチが惜しげもなく出していたモノが 巧妙な手口によって完全に隠されている.この映画から「漁師」という普段見ることのできない 職業の生活を表層だけでも学ぶことができたのはプラスであった.メインとなるのは伊東 美咲を 中心とした佐藤 浩市と中村トオル 兄弟の三角関係である.嫁に入った伊東 美咲は体が弱く 十分な働きができない.姑や夫にひどい扱いを受け,病弱になり,実は昔から彼女を愛していた仲村トオルが見るに見かねて 愛の逃避行を・・というストーリー.見所は仲村トオルの表情であり,ビーバップハイスクールで培ったクールでかつ寂しげな視線に対して 配役が仲村トオルである必然性を十分に感じる.また,頑固で不器用で漁師っぽい荒々しさとかっぺぶりを十分に表現しているという点で 佐藤 浩市という配役も納得した.問題はメインの伊東 美咲である.彼女が決心を固めて披露したシーンは上層部(CM関係)の圧力で もみ消されたらしい.目配せとやつれた表情以外に彼女の本気を感じることができなかったのは残念なことだ.  ネタバレ→  雨の中,仲村トオルの手助けで伊東美咲は必死に逃げるが,佐藤 浩市に追いつめられ, 最終的に崖から飛び降り,自殺を図る.←  いろんな人生があるんだなぁと感じる程度に充実した一本.海猫が伊東 美咲の象徴として用いられているのが印象的であった.
キャッチコピー  俺はいやだよ.兄貴があんたを抱いた.



野性の証明 PROOF OF THE WILD
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  巨大な悪に対する「高倉健の怒り」という点以外にテーマが怪しい戦争もどき映画.
本編感想  陸上自衛隊のレンジャー訓練から物語り始まり,超法規的措置による赤テロリストの殲滅を経てタイトルクレジットが始まる. 陸上自衛隊レンジャー部隊の激烈訓練発端とする事件を「人間の証明」の佐藤 純弥が監督する. 訓練隊長を松方 弘樹が演じ担任達をシバキあげる レンジャー訓練のさなか山村は何者かに襲われ,村人は皆殺しにされる.ハイキングをしていた女(中野良子)も殺され, 生き残っていたのは少女 薬師丸 ひろ子のみ.しかし,襲われて両親を失い記憶喪失になったっていた. 高倉 健は自衛隊を除隊し,ハイキングをしていた女の姉妹(同じく中野 良子:新聞記者)を暴走族から救って親しくなる. また,身寄りの亡くなった薬師丸ひろ子を引き取りお父さんと呼ばれる仲になっていた. 優秀レンジャー隊員だったは高倉 健は保険屋として当初行動する.それは,中野良子を守り抜くためなのであった・・・ 事件の真相をかぎ回る刑事はを夏八木 勲が演じる.地元の豪族を三國蓮太郎が,その御曹司で 暴走族のリーダーを舘ひろし,陸上自衛隊陸将を丹波 哲郎,ヤクザの組員を梅宮 辰夫,らがそれぞれ演じている.  ネタバレ→  村を襲って皆殺しにしたのは 薬師丸ひろ子のお父さんであった.それをレンジャー訓練中に目撃し, 民間人に接触してはいけないという命令を破ってお父さんを斧で殺害して薬師丸ひろ子を救っていたのである. 中野 良子を護るために町に入ったが,地元豪族の悪事を暴くために記事を書いて,館 ひろし達に殺されてしまう. 薬師丸ひろ子を必至に護ろうと逃げる高倉 健だが豪族に追いつめられ,御曹司 館 ひろしを殺してしまう. ヤクザどもと交戦中に,高倉健は斧で脳天をカチ割り,薬師丸ひろ子に本当の父親殺しの犯人(自分)を思い出させてしまう. そのまま逃げるが特殊部隊にさらわれ,何故か演習上へ.高倉 健&夏八木 勲は薬師丸ひろ子を連れて松方 弘樹の特殊部隊と戦う羽目になる. 演習場内大バトルとなり,何故か出動する戦車.トラックで夏八木 勲は戦車に突っ込み死亡.ラストはヘリからの 松方 弘樹機銃掃射と高倉 健のM-16の一騎打ちとなる.洞窟から出てきてしまった薬師丸ひろ子は機銃掃射を受け死亡. あげくは,クライマックスを盛り上げるためか,高倉健の拳銃vs戦車2コ小隊基幹の歩戦同時突入との対決という ← 意味不明な構図でエンディングを迎える. 自衛隊が豪族の私兵ばりの活躍をしているが,当時の民間人の自衛隊に対するイメージはこんなモノであったのだろう. この映画は中盤までとラストは全く別のテーマになってしまったようで残念を通り越し,意味不明であった. 角川のプデューサーは「ウソはウソでもリアリティーのあるウソをつきたい」ということでアメリカロケを行い 大兵団を用いての撮影となった.M48パットンIII中戦車に陸上自衛隊のマークと車体番号をプリントしそれらしく61式戦車のように見せて いるのが憎い.1978年の作品.
キャッチコピー  お父さん,こわいよ! 何かが来るよ.大勢でお父さんを殺しに来るよ!



人間の証明 PROOF OF THE MAN
★★★★_ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  松田 優作の演技の渋みと濃厚な脚本のコラボレーション
本編感想  ファッションシーで起こった殺人事件についてアメリカと日本の2つの舞台で繰り広げられる捜査を追っていく 形で物語は進む.主演は松田 優作で渋い顔の刑事を演じる.原作の森村 誠一「野性時代」1975年は500万部超のベストセラーで,この映画は1977年となっている. 大物政治家の父 三船 敏郎 とデザイナーの母 岡田 茉莉子 の間のダメ息子を 岩城 滉一が演じる.  松田優作の相棒デカをハナ肇,アメリカでの相棒をジョージ・ケネディが演じている. 意味ありげに登場するアメリカの刑事の手の甲に描かれた”ボールペンでたった今書いたようなタツノオトシゴの入れ墨?”が印象的だ. 実はこの刺青は  ネタバレ→ 松田 優作扮する刑事の母が米軍占領下の戦後に米兵に殺された時の記憶であった.いっしょに捜査をしなければならない ジョージ・ケネディに対し,怒りを持ちつつの合同捜査となる.  麦わら帽子ストローハットと言い残して,岡田 茉莉子のファッションショー会場で刺されて死んだ黒人ジョー山中. 遺留品は麦わら帽子の詩が書いてある本と年代物の麦わら帽子.捜査は難航するが,殺された黒人は岡田茉莉子の息子. しかし,そのことが表沙汰になってはいけないため,はるばる日本までやってきたジョー・山中に冷たく当たる. 彼は,母の前で胸を刺し,そしてファッションショー会場まで追ってきていたのだった.一方ダメ息子 岩城 滉一は 人を車ではねてしまい,そのもみ消しのためレアな懐中時計の証拠隠しに躍起になる.しかし,母の力で ニューヨークに逃がしてもらい豪遊生活.追ってきた松田優作とカーチェースの末に罪に罪を重ねてジョージ・ケネディに射殺された. ファッションデザイナーとして独り立ちできるようになったら夫の三船 敏郎と分かれて息子岩城 滉一とふたりで 暮らそうと思っていた岡田 茉莉子だが,最愛の息子を2人も失って,それを麦わら帽子に例えながら詩を読む. 松田 優作の母が強姦され殺された時にその原因となったのが岡田 茉莉子なのであったが,あの時に彼女は何もせずにいたのではなく, 優作の母のために努力をしたのだということがわかり,幾ばくか松田 優作の心は和らぐ.最後に残ったのはジョージ・ケネディの 日本人殺しまくりへの怒りだが,何故か,松田優作に裁かれるかのごとく,ジョージ・ケネディは見ず知らずの黒人に日本人びいきということで刺殺され, 物語はエンドロールへ突入するのであった.← 映画の作りは見るからに古く,序盤のスローテンポに見る気をそがれる こともあるが,松田 優作が話の中心になってくる中盤からは魅せる演技によってかなり劇中に吸い込まれていく. やはり,名優と呼ばれる役者の演技は違うなぁと感心する一幕であった. 監督は翌年の1978年に野性の証明を撮る佐藤 純弥.バトルロアイヤルの監督深作 欣二はこれが映画初出演となっている.
キャッチコピー  母さん,僕のあの帽子,どうしたでしょうね? 原作を「読んでから見るか,見てから読むか」



北斗の拳 Fist of The North Stars
★☆___ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画
一言壺焼  実写版での「たわばッ」や「ひでぶ」がどうしても見たいのなら止めはしないというでき
本編感想  武論尊 原作,原 哲夫のコミックスで不滅の名作となった「世紀末救世主伝説」のハリウッドによる実写映画化作品. 最近はパチスロの方が有名で原作や映画に戻ってくる人が多いことを考え,この作品に注目した. 原作を愛している者から言わせれば,どうしようもないできだ.この原作が愛されている理由となる要素が映画では 表現されておらず,埃をかぶった男達が喧嘩をする映画に成り下がっている. 小説を読んでから映画を見るとがっかりという自明の理である. 多くの方が北斗の拳(初期)に惹かれているであろう「拳法が銃などよりも圧倒的に強く,悪の心のみで生きている雑魚兵たちがその拳法によって同情の余地もなく砕け散っていく.」 という要素がとても少ない.しかし,「原作」を知らない普通の客を対象に配給することを考えたら仕方のない設定だとも分析できる.  2000人のオーデションから大役を手に入れたアクションスタント出身のゲーリー・ダニエルズが主役,悪くはないのだが, ケンシロウのもつ心の強さとクールさ,雑魚兵に対する余裕が描かれていない. 南斗正拳の使い手でサザンクロスを牛耳る男シンをコステス・マンデロアが,ゲーリーを愛しながらもコステスに連れ去られたユリア役を鷲尾 いさ子が 演じている. ショーン・ペンの弟,クリス・ペンがコステスの部下「ジャッカル」を演じている. 経絡秘孔による肉体破裂は特殊メイクの下に風船を入れてふくらませている.あまり魅力はない. スティーブン・スピルバーグ監督,ロビン・ウィリアムズ主演の「フック」でネバーランドのリーダー役を演じたタンテ・バスコがケンシロウと親しい 少年バットを演じている.タンテ・バスコは原作の雰囲気をかなり表していた. ケンシロウの父,リュウケンを演じる重鎮マルコム・マクダウェルが「アイリーン!」と叫んでいたので誰のことか?とおもったが, 字幕で「ケンシロー!!」となっていたのでああそうだったのか?と思った.  この作品で最も残念なのは,この作品の世界観特有の薄暗さやほこりっぽさを雰囲気作りに使うのではなく, ディテールとアクションの不備を隠蔽するために使用されていることだ. ついで,「登場人物にスマートさが足りず,全員【アミバ】に見えること.」そして, 監督トニー・ランデルはこの作品依頼表舞台にはあまり出てこなくなってしまったようだ.  ネタバレ→ 雑魚兵が町を襲い,井戸を選挙する. ケンシロウを銃で狙撃しようとするジャッカルと戦ってバットは死ぬ.リンに死んだリュウケンの霊がやどり,お告げをする. 改装モードになり,ケンシロウはシンにユリアを奪われ,胸に7つの傷を付けられる.ケンシロウは数名の護衛兵をやっつけ, シンと一騎打ちする.ジャッカルは頭が爆発しないように封じ込めている拘束具を機械に巻き込まれて取られてしまい,脳爆死する. シンを倒したケンシロウの前に,シンの部下どもはひれ伏し,ユリアと結ばれる.  ← 
キャッチコピー  You are already daed.(お前は既に死んでいる.)



問題のない私たち
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作
一言壺焼  久しぶりに2回見直してしまった「純粋な思春期の精神と普遍的な正義」を描いた名作
本編感想  原作:牛田 麻希で木村 文がコミックスとした作品の映画化. 勝村 政信演じる父親の父子家庭で育つ主演:黒川 芽以(クラヤミノレクイエムも主演)がイジメをし,そして自分がされるその中で 成長する思春期の子供の女子学校を舞台にした物語.黒川 芽以 の心の変化と成長が その表情が この映画のダイヤモンドとなっている.共演の女学生 沢尻 エリカ(ドラマ 無名)と美波(バトルロアイアル)の演技もすごい. 登場人物の真剣なまなざしと顔面筋肉の微妙な調整がこの映画に圧倒的なリアリティーを呼び込んでいる.  イジメて,そしてイジメられ,大塚 寧々という新しい母親を迎えるという局面で多感な少女は何を考え,成長し, 仲間に影響を与えていくのか? 良好なカメラワーク,心理描写,登場人物の豊かな表情のストーリーへのねじり込み. 効果的な手法が多用され,見ている観客に先の展開をワクワクさせながらしっかりとあるべき姿を描き出している. 思春期の少女に対してこんなに「格好いい」と思うことはなかった.このテーマからこんなに「爽快感」を得られる とは思わなかった. この映画の本当にすごいところは「ここで終わっても良い.」と十分思えるところまでやっておいて, 第2話のような続きがあるということだ.しかもその続きは第1話をネタ振りにしてこの作品のテーマを更に 高次元なステージでより普遍的なものに拡張しているところだ.蛇足になるか?と最初思ったが,この味わいたるや 「キリスト教の聖書か?」と思えるできばえ.  ネタバレ→  「そこで見ていて.私にはやらなきゃ行けないことがあるの.」「自分の番が来るまでそのくだらないゲームを続ければ 良いんじゃない? 私は加わらないけどね.」などの名文句を残し,恐怖ではなく人徳でリーダーに上り詰めていく黒川 芽以. いじめられることによりそのつらさを知って,いじめている者への嫌悪感を強める.ころころと逆転するクラス内の 権力王座を再び手に入れた彼女はイジメ連鎖ゲームに終止符を打つべく屋上にみんなを集めて一芝居打つ.その後,クラスの みんなは団結し,さわやかな音楽と共に海辺での旅行シーン.ここでスタッフロールが流れてきても何の問題もないほどの 完成度であったが,ここからドラマ「大奥」で活躍する教師 野波麻帆 と生徒との戦いが始まる.これにより,作品の問題・テーマは は「イジメ」から一気に普遍的なモノへと拡張される.「権力と不正」「数の暴力」「被害者としての加害者」様々な問題を 誰にでも共感できる「汚い教師」と「真実の少女」という構図を使って,しかも,生徒側の視点から描き正当性を持たせていることに 「制作者のエンターテイメント感覚」と「効果的なテーマ伝達能力」の高さを思い知る.教師の万引きの目撃という「キッカケ」から 父親の再婚に絡めて,教師の強請,教師暴行ビデオの撮影(編集による事実の改ざん),テストの問題フロッピー盗難事件の 罠と執拗な野波 麻帆の陰謀をスクリーンに投入する.そして,ラストの「許し」.生徒から大切なモノを学ぶ教師という エンディングで終わりにせず,両親に全てを打ち明けるところで終わりにする真のハッピーエンドを理解した脚本.←  できた道徳ストーリーだけではなく,映画としてしっかりと成り立っているところに監督・脚本 森岡 利行のたぐいまれなる才能を感じる. 監督の次期作に目を光らせたい.また,黒川 芽以,沢尻 エリカ(映画「忍」2005),美波らの今後の演技にもアテンションしていきたい. この映画は当初三流映画という印象で,飛ばし見をする予定であったが,総合的な完成度の高さを身に染みるやいなや, 作品をじっくり見直すために「延長料金を払ってビデオレンタル期限を延期してしまう」という不覚を取らされた一本.
キャッチコピー  これはイジメなんかじゃない,潮崎マリアが私たちに与える不快感からの正当防衛である.  死ぬくらい勇気があるなら刃向かっていけばいいのに・・・そう思っていた・・・・自分がイジメにあう前は・・・.



2046
★★☆__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  トニー・レオンの油を少々でチャン・ツィイーの美貌を魅力召し上がる一本.
本編感想  未来におけるアンドロイドの恋物語というふれこみで,ここ日本では木村拓哉の主演作とばかりに宣伝されていたが, 主役は完全にトニー・レオン(インファナル・アフェア),ヒロインはチャン・ツィー(LOVERS),マギー・チャン(HIRO), ケリー・チャン(平静と情熱の間)である.木村 拓哉はスタッフロールで2番目に名前が挙がるほどの待遇であったが, トニー・レオンの書く小説の中に登場する彼の化身にすぎない.時は1967年前後であり,2046とは西暦を表すわけではなく, 彼が好きだった女チャン・ツィーの住む部屋の番号だった.それをネタに彼は小説を2本書く.それこそがストーリーだ. この映画から学ばせてもらったのは,様々な女の扱い方だ.映画の通りに行けば苦労はないと思われるが, 少なくとも今の私のレベルでは見習わせて頂きたいテクニックが5万とあった.そういう意味で何となく現実的な トニー・レオンの魅力を十二分に味わうことができた.さらに,チャン・ツィーの強気な女柄は前々からではあるものの「拒絶」と「要求」を オルタネイティブに使う彼女の演技を見て,美しいと思う女性度が私の中で急上昇し,かなり満足の一本となった.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  その不思議な未来では,ミステリートレインが動き出し,アンドロイドが恋におちる.



キャットウーマン CATWOMAN
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  もっといやらしい目つきがほしかった黒猫NONヤマト
本編感想  この映画で主演し,アカデミー賞受賞「チョコレート」のハル・ベリーは全米最もお寒い有名人第2位に 選ばれたそうな・・ それだけこの映画の評価が低かったからと言うことらしいが,私は「バットマンシリーズ」よりかは 楽しめたと思っている.ちなみに,お寒い芸能人ナンバーワンは華氏911のマイケル・ムーア氏だ.それはさておき, バットマンのサブキャラクターが主人公としてやっていけるのか?という疑問もよそに,アメリカンコミックものも マンガはおもしろそうではないが,映画はなかなか良作が多いと感じる.「ハルク」「スパイダーマン」がその例だ. ハル・ベリーは物語の当初から死んでいるが,助けた猫の恩返しによって猫人間として魅力あふれる女性に変身する. 刑事との恋愛を主軸に,その刑事と犯人という関係性の中でストーリーが展開する.猫女は世間の悪役として 扱われたり,実はヒーローだったり2時間の間に盛りだくさんな内容でなかなか満足できた.足技主体の格闘シーンも なかなかで,エロティックなボディコン猫スーツと相まって,夜の黒とハルベリーの黒が画面にさえる一本となっていた. しかし,名作と呼ぶには今ひとつインパクトがほしかったというのも真実である.
キャッチコピー  すべての女には,野性の猫が棲む.



あの頃ペニー・レインと Almost Famous
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  易きに流れる心とそれに刃向かう心.焦点はロックする(揺れ動く)少年の心
本編感想  厳格な母親(フランシス・マックドーマン)に育てられる15歳の少年(主人公 パトリック・フージット)が母に耐えられずに飛び出していった 姉の影響でロックにはまり,ロック記事のライターになる課程を描いた物語.最近メジャーになったロックバンドの同行取材を通して パトリックがひそかに恋心を抱くペニー・レインことケイト・ハドソン.この恋と同行取材,そして母からの愛.それらを通して 15歳の少年が自立し本物の男になっていく課程がロックの世界という一般人から比較的遠い世界の雰囲気を通して描かれているのが 本作最大の魅力だ.当初ケイト・ハドソン目当てで借りた一本であったが,すっかりパトリック・フージェットの魅力にとりつかれてしまった. 私も彼のように様々な空気と戦いながら青春時代を過ごしたかったものだ・・としんみり回顧してしまうほど,彼は 一生懸命に戦っていた.また,「繁栄・金・名声・堕落」を考える意味でも興味深い一本であった.
キャッチコピー  One day, you'll be cool.



Dr.Tと女たち Dr.T & The Women
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  女達の予測不可な部分に振り回されるリチャード・ギアに乾杯?完敗?
本編感想  「ザ・プレーヤー」「クッキー・フォーチュン」のロバート・アルトマン監督作品.リチャード・ギア,「ペイ・フォワード」「キャスト・アウェイ」のアカデミー女優ヘレン・ハント, ローラ・ダーン,ケイト・ハドソン. 産婦人科医としてダラスの女を一番理解している男をリチャード・ギアが演じている.彼の周りは妻,3人の娘.職場の同僚,お客 全てに至って女性だ.妻の精神的な病気をキッカケに新しいゴルフの恋人ヘレン・ハントも現れて彼の周りではありとあらゆるタイプの女がミンナして 問題を起こす.公私にわたる嵐のような忙しさの中に身を置くことを余儀なくされ,そんなリチャード・ギアの困惑ぶりを見て 男なら「共感?!」しながら見るのがこの映画の楽しみ方.妻の精神病,娘同士のいがみ合い,ケイト・ハドソンの結婚とレズ疑惑,お客の わがままや客同士のいがみ合い,最愛の女性への告白と拒絶. 心の安らぎは男の仲間と休日に出かけるハンティング. 最も女性を理解している はずの男でさえ「女」というものが全く分らなくなり,ネタバレ→ 嵐の中車に突っ込んでいく.行き着いた言葉も通じない 町で赤ん坊を取り上げることとなり,生まれたのは男の子.← そこでざんざんな喜びを見せて物語が終わる.この終わり方が無かったら どたばたしただけの何のおもしろみもない映画となっていたことだろうが,このエンディングのおかげでこの映画の価値がかなり上がった. とはいってもそれでも三ツ星. 他人の人生や自分が経験し得ないことを疑似体験することができるのが映画の醍醐味だと毎回言っているが, その意味で「産婦人科医ってあんなかんじなのかなぁ」とか「娘を持つと大変だなぁ」とかいろいろとかいま見ることができたのはそれなりに 有意義であった.
キャッチコピー  すべての女は聖なる存在である.



あなたにも書ける恋愛小説 ALEX&EMMA
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
一言壺焼  ケイトなだけに編み物のような暖かさをもつ共同作業からのラブストーリー
本編感想  「10日間で男を上手にフル方法」「サハラに舞う羽根」のケイト・ハドソン主演で オーエン・ウィルソンの弟,ルーク・ウィルソンとのロマンスを描く作品.監督は「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」のロブ・ライナー. 30日以内に小説を書き上げないと,マフィアの借金取りに殺されてしまう作家を演じるルーク・ウィルソンは弱気な感じが配役にぴったりだ. そんな彼が雇った速記者がケイト・ハドソン.最初はウィルソンの失礼な態度にアイソを尽かすが,バイトと割り切って速記を始める. 作家である彼にいろいろと意見をしたりして怒られたりもする.2人の共同作業によってよりよい作品が仕上がっていき, そうしていくうちに2人の中も深まり・・.距離を近づけたり遠ざけたり,離れてしまったりしながら進んでいく2人の関係を眺めるのが楽しい映画. ケイト・ハドソンのかわいいことかわいいこと.仕草や笑い顔.今まで見た彼女の中で最も輝いて見えたのは笑顔のシーンが多いからであろうか? 小説の結末になぞらえてウィルソンはケイト・ハドソンに認められハッピーエンドというのがとても気持ちよい.見て幸せになれた気のする一本.
キャッチコピー  最高傑作,今こそ.



けっこう仮面/マングリフォンの逆襲
_____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画
一言壺焼  原作に対して失礼なのか,原作通りなのか・・
本編感想  原作 永井 豪の作品の映画化は必ずチェックしないと気が済まないという方以外は 見ようという気すら起こすことをお勧めしないシケ映画.色気ものが見たいのなら アダルトコーナーに行かずにこの作品を手に取るような小細工はするな. してもそんな気持ちは満たされない.出演陣がそれなりに豪華なだけに, 寒さを通り越して完全に哀れむ気持ちでイッパイになる.  ネタバレ→  セレブを目指す秘密学校か何かで,下品な言葉の発声練習を繰り返し,呼んでもないのに けっこう仮面が現れ,教官達を御開口で倒していく.だからどうした?←  月光仮面の替え歌とバイク乗車の合成映像が寒さを氷点下から絶対零度方面に加速させる.
キャッチコピー  けっこう仮面は誰でしょう.恥は承知の正義道



繁 -しげみ-
_____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画
一言壺焼  一番表現したいものですら表現されていない.
本編感想  学校の教師が性的虐待によって監禁され,飼い慣らされ,人格崩壊していく. そこにエロチシズムを織り交ぜて見せる.ということをしたかったんだろうが・・ こういうテーマであるならば,最高にプライオリティを高くしなければならないのは リアリティーだろう.(エロチシズムという噂もあるが・・) リアリティーに 一点のうそでも盛り込まれている時点で「飼い慣らされ」まではうまくいっても, 「人格崩壊」がドッチラケになってしまう.主演女優の征服者からの解放への もって行き方の強引さ.最後のオチのひねりのなさにはがっかり.  ネタバレ→  女は監禁され,責めを受け,精神は征服された.現実と責めの区別が付かなくなり,最後には 生徒の前で全裸大開脚.← 広田樹里主演.R−15指定.
キャッチコピー  ?



シルミド SILMIDO
★★★☆_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  北朝鮮主席金日成(キム・イルソン)を暗殺するために結成された南朝鮮の虎の子 シルミド684部隊の物語. 1968年ソウルでの彼らの反乱シーンから映画は始まる.前評判では「ここで泣け!,そしてここのでも泣け!!この音楽が流れても泣け!!」 という様な映画であるという話であった. 死刑執行が確定したような極悪人だけが送られるシルミド(ドは島と書く).そこに向かう途中の船の中で早速教官からの銃撃と手榴弾の洗礼を受ける. 死刑を免れる唯一の手段として,最大の負のリワードを避けるため,国家一崇高な目的の下に, 達成後は英雄として迎えられることが約束され,非合法で極限の訓練を受けた.短期集中で崇高な達成目標 が明確であったからこそできたに違いない.そんな状況に置かれた方々に対し,敬意を表したくなる映画であった.  ネタバレ→  打倒金日成に出撃した← 
キャッチコピー  男達の運命が,切なく痛い.



イン・ザ・カット IN THE CUT
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

本編感想  ラブコメの女王,戦果の勇気でブレイクしたメグ・ライアンが全てをさらけ出すという点で 有名な映画.そして,そのたるみきったボディーで客を幻滅させることで更に有名な映画.である. 噂通り,しっかりとぼかしが入っている.モザイクではなくボカシだ.暗い部屋で見たらそれがぼかしとわから無いくらいである. ニコール・キッドマンが製作し,あの役をメグ・ライアンにさせたというのが新旧交代の刻印をしっかりと押したがる アメリカ流の様な気がして,ニコール・キッドマンへの悪意の肥大を感づく.教師であるメグ・ライアンは 行きずりのひげ刑事と戯れる.なぜか友人の死体が彼女の周りで転がっている.あやしい.あいつがあやしい.とおもいつつ, 最後まで訳わからん展開.私にはこの映画で何を表現したかったのか全く何も分りませんでした. この映画を見て感じることは,メグ・ライアン可哀想・・ あんなにたるんだほっぺになっちゃって・・ と言うことだけであった.監督・脚本は「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン.in the cutとは「割れ目」「秘密の部分」「隠れ家」などの意味.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  触れて.そして壊して.



恋人はスナイパー 劇場版 MY LOVER IS A SNIPER The Movie
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バッシングしたくなるような映画

本編感想 脚本は「踊る大捜査線」の君塚 良一,原作は「華麗なる誘拐」の西村 京太郎.主演 内村 光良.ヒロイン水野 美紀.  なんか,結構無理ある感じで,のめり込んでみることができなかった.見所は大きく2つ. 1つは題名にもあるスナイパーの狙撃,もう一つは内村が出ているだけあってこだわっていると 見受けられるカンフーチックな格闘シーン.ストーリーの大筋は犯罪グループが国民全員を人質に取ったと 宣言し,無差別に狙撃する.そのさい,5000円のバッチを付けていると狙撃されない.といったもので なかなかおもしろそうだ.しかし,狙撃シーンに緊張感は皆無である.その原因はリアリティーの欠如である. 銃を完全に「おもちゃ」として扱っているのが見え見えで,どの役者にも狙撃のプロという硝煙のように「ツン」とした 臭いが感じられない.そのくせ台詞ではかなり本格的なことを言って見せているだけに台本と内容の乖離が著しく, 見るに堪えない.カンフーのような戦闘シーンは日本映画の中では迫力十分な方であるが, 女刑事水野美紀が3発ほど被弾して体を切り刻まれているにもかかわらず,縦横無尽に動き回る姿や 構えの所々にかいま見せる素人的なそぶりを抜き切れていないところが見受けられ,痛い. ぶち切れた破廉恥スナイパーを演じているはずの中村獅童も吹っ切れ方が今ひとつと言った感じで 物語の懐疑性を高める一因となっている.
キャッチコピー  天才スナイパーと呼ばれた男.その名はウォン・カイコー



死に花 SHINIBANA
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  原作 太田 蘭三,山崎 努,宇津井 健,青島 幸男,谷 啓らが,余生を老人ホームで過ごしている. 自分の葬式をあらかじめ計画しておき,ピアノの演奏やパーティーでパアッと参列者を喜ばせるスタイルや 骨壺,棺にこだわる最新の老人事情を前半で紹介し,後半では老人パワーを炸裂させるといった感じで 金と時間を費やし,銀行強盗をたくらむ.老人の恋心やいくつかのサブエピソードを交えながら, 最後には ネタバレ→  ビルを根こそぎ倒して金庫内の17億円を強奪する← というストーリー.  物語のアクセントに,老人に好意を抱くサバサバ系の老人ホーム女職員を金八シリーズの 金パチの娘役「乙女」を演じている星野真里が務める.  ネタバレ→  川の土手から一生懸命金庫を目指して掘っていたまでは良かったが,大雨で地盤がゆるんで ビルそのものが傾く← という設定に「ありえない!」爆薬仕掛けても無理だ!と 急に冷めさせられた.さらに,がんばって横から掘っている姿に「映画としての成り行き」に絶望して 後半はやたらと興ざめ.最後に手に入れたものの処置に関しても一切のひねりが無く拍子抜け. おもしろそうな題材なだけに残念であった.
キャッチコピー  人生の華を再び咲かせる作戦 それは史上最長老の金庫泥棒



オールド・ボーイ Old Boy
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

本編感想  韓国映画の金字塔「シュリ」にて北鮮の第8軍団の教官役で圧倒的な存在感を世界に知らしめたチェ・ミンシクの主演映画. 今までにない奇抜なストーリーで観客の想像力をかき立てる展開になっているのがすばらしい.想像力によってかき立てられた ヴィジョンが徐々に解き明かされ箱のヒモがするりと解けるように衝撃のラストまで持って行く. 「結末については他言無用!」とうお知らせが至るところで明示され,それこそがこの映画のキモであることが 容易に想像できるが,うまい構成によって「ハメラレタ〜!」とうめくと同時に自分とその結末をだぶらせて 思わずトランクケースの中に身を隠したくなること請け合い.名作と呼ぶにふさわしい作品となっている. ヒロイン的存在を果たすのは,男を優しく抱擁する貫禄と弱々しさを併せ持つユ・ジテが, 一見さわやかげなフェイスの下にしっかりとどす黒いモノを見え隠れさせる演技で物語のキーとなる役をカン・ヘジョン がそれぞれ演じている.映画の中では30分ほどで展開される15年という月日が,現実世界と照らし合わせると どれほどの憎しみを生むものなのか・・・その想像をたぎらせながら,チェ・ミンシクの行動を観察することによって とても深い共感が得られる.  ネタバレ→  さて,この映画は「ネタバレ」こそが肝心である.チェ・ミンシクは今は企業の社長かなんかになっている金持ちのカン・ヘジョン の恨みをかって,幼い娘がいるにもかかわらず,15年間も監禁生活を送る羽目になる.人間をさらって監禁し食事を与えて指定された期間 閉じこめておくという韓国マフィアのビジネスに,カン・ヘジョンは依頼した. 監禁が解かれ,スーツケースの中から出てきたチェ・ミンシクは 自分を閉じこめた奴への復習のために生きる.長年食べ続けた餃子の味を頼りに自分が監禁されていたビルを探す.しかし,カン・ヘジョンの復習は 15年の時を経た時にようやく始まったともいえた.催眠術を掛けて父親チェ・ミンシクとその娘ユ・ジテがお互いに引かれ合うようにお膳立てされていたのだ. (2人と観客はこの事実を知らない!) そして禁断の愛を稔らせた後に,完全な絶望へと突き落とし,チェ・ミンシクへの復習を遂げようというのが 作品の全貌である.なぜ,カン・ヘジョンはチェ・ミンシクに恨みを持ったのかというと,幼少の頃にカン・ヘジョンの姉はサセコだという 噂を広めたためだという.← こんな些細なことでネタバレ→舌を切り落とす← ほどの償いを受けなくてはならないとは いやはや何とも,恐ろしい物語であった.
キャッチコピー  何のための復習か.誰のための愛なのか.憎しみに終わりはあるのか.



ドラマ 彼女が死んじゃった 全4巻
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  主演は長瀬 智也,死んじゃったと称さる彼女とは木村 佳乃. ドラマに大切な最初の出会いと初っぱなの展開をラブホテルでの偶然の出会いから,クルーザーに持って行く. 金魚と携帯電話を残して死んでしまう木村佳乃.木村佳乃の妹だったという深田 恭子,木村佳乃を好きだった香川 照之が 長瀬のクルーザーまで訪ねてきて,携帯電話のメモリー登録されている人々を巡るという.旅の中で様々な人と出会い, ドラマに厚みが出ている.赤坂七恵,いしのようこ,西村 雅彦が物語のアクセント程度に出演している. それにしても.木村佳乃は頭がやや病気気味の狂気じみた雰囲気の女を演じさせると最高だ.唐沢寿明,反町隆史主演の ラブ・ジェネレーションでもそうであった.木村佳乃の様々な女としての顔が携帯メモリーの相手を追う毎にそれぞれ明らかに なっていくのがとても面白い.自由奔放に生きた姉と対照的に自分を押さえて我慢して生きてきた妹深田恭子との対比が描かれており, 肉体は死んで消えても,人の記憶に残って生き続けている姉の方が,自分よりもずっと「生きている」という感触に打ちのめされている. 奔放な魅力を持つ彼女を死んでから理解し,好きになっていく長瀬 智也の演技に注目.
キャッチコピー  たった一晩,毛布代わりにした女。 なんと彼女が死んじゃった!?



ドラマ ブラックジャックによろしく 全6巻
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画


本編感想  妻夫木聡が斉藤栄二郎研修医として織りなす病院ものドラマ。看護婦に鈴木京香、相棒に極楽とんぼの 加藤浩次となっている。医者の世界=未知の世界をかいま見ることができるのは 新鮮で楽しい。初っぱなは最悪の医師見習いを妻夫木が演じ、それを見て反吐が出る一時間となっているが、。 全般的には「新米医師の正義観と現実との葛藤」を描いている.後半ではダウン症の子供に対する手術に対しての 親権停止問題やを扱っている. 主人公があまりにも患者に感情移入する様を延々と見せられその点に現実との乖離を感じざるを得なく どうしても皆さんの演技が大げさに見えてしまう.だがしかし! しっかり泣ける.



ドラマ 顔 全4巻
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  仲間由紀恵の整った顔がPRポイントの似顔絵に焦点を当てた警察ドラマ.  様々な事件を彼女の描く似顔絵をキーに解決していく.仲間由紀恵の持ち味である綺麗顔とボケ味をこの作品でも上手に臭わせ, 人々の内面にある真相「顔」を各話毎に暴きあげていく.オダギリジョーが心の深くに傷をもつ警察官として各話重要な役割を演じ, 最終的にはオダギリジョーの心の顔を覗き,彼の過去を明らかにするお話になっている.それにしても,目撃者の証言だけから 写真ほど精巧な似顔絵が作成できるものか?と各話疑問に思うのだが,一見して明白に「あいつだ」と思わせられられるほど似ていないと, 見ている観客が「はて?」と言うことになるのでしょうがないかぁ.とも思う.凛々しい顔が立ち並ぶ黒のポスターが印象的であったが そのポスターほどの精悍な内容ではなかった.しかし,仲間由紀恵への制服萌えはマチガイナイ.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  人相に人生あり



史上最大の作戦 The Longest Day
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  白黒映画.ドイツ軍と連合軍の両サイドからノルマンディー上陸作戦を描いた作品.日本語吹き替えもあるが, 日本語訳されているのは将校の会話の部分だけで列兵の会話部分はドイツ語および英語のままとなっている. お粗末というよりかは憎い演出というべきか? ベートーベンの第9のサビの部分と同時に タイトルの「The Longest Day」がドドーンと出てくるのところが名作たる貫禄を感じる. ノルマンディー上陸がほぼ成功し,連合軍が物資を上陸させるところで最も長い一日とされるD dayを描くこの映画は 終焉を迎える.プライベートライアンほどの視覚的効果はないが,いかにもねらってます.というような ストーリーを感じさせずに淡々と戦争を描いているだけに,大きなリアリティーを感じる. 兵士は倒れても倒れても,ひたすら前任者の任務を継続するためにその意図と行動を脈々と受け継ぐ様子が 描かれており,学ぶべきことが多くあった.右も左も後ろも前の敵味方が入り乱れ,混沌と確率過程に支配される戦場で いかに味方を掌握し,任務を達成するか.
キャッチコピー  身に染みてひたぶるに うら悲し



トラ・トラ・トラ! TORA,TORA,TORA!
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

本編感想  20century FOX が送る史実に基づいた真珠湾攻撃に関するスペクタクル.この映画が作られた時代を考えると リアリティーへのこだわりは相当なものだ.日本のキャストをふんだんに使うのはもちろんのこと,大日本帝国海軍の 実情や内部の様子をとてもよく表現している.映画の途中にはIntermissionが入るような長さであるが, スクリーンに集中して長さは感じない.ベン・アフレック主演の「パールハーバー」よりも圧倒的に戦争を双方の立場から描いており, 日本軍奇襲のシーンは長い.日本軍の弾倉は尽きないのか?と思うほどである.日本陣営が移っている時の琴らしき効果音や太鼓の音には やや違和感のあるものの,すばらしい映画であった.山本五十六が「眠れる巨人を起こし奮い立たせる結果となった.」と言ってこの映画は幕を閉じる. 「1208ニイタカヤマノボレ」や原題にもなっている「トラ・トラ・トラ」もドラマティックに用いられている. アメリカ国内の大統領周辺や陸海軍情報部・日本外交筋の情報戦も描かれており,その真偽は疑わしい所もあるが,総じて史実に 忠実に描こうとしている.ただ,アメリカ国内での興行と言うことを考えると,真珠湾奇襲後のアメリカの反撃が無くそのまま終わってしまう. この映画を見てリアリティーと迫力の追求という点以外にこの映画が喜ばれたのかどうかは疑問が大きい.
キャッチコピー  The Incredible Attach on Pearl Harbor... As Told From Both The United States and Japanese Sides!



彼女は最高 She's the One
★★☆__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  制作・監督・脚本は「ブロンド・ライフ」「15ミニッツ」のエドワード・バーンズ.ちなみに監督は本作で2作目. 1作目は「マクマレン兄弟」.出演者は 「チャーリーズエンジェル」のキャメロン・ディアス,「陽だまりのグラウンド」のマイク・マッグローン, 「ブルース・オールマイティ」のジェニファー・アニストン. 兄エドワード・バーンズはタクシー運転手.弟マイク・マッグローンは運転手付きの のエリート.対称的な兄弟がキャメロン・ディアスに翻弄されながら幸せ求めてうろうろするラブコメディ. まあまあ.それなり.キャメロンディアスの演技が少し鼻についたかな?
キャッチコピー  ?



愛しのローズマリー Shallow Hal
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

本編感想  最高級のコメディー.製作・監督・脚本ボビー&ピーター・ファレリー兄弟ローズマリーを演じるのは ブラッド・ピット,モーガン・フリーマンのセブンのヒロインでもあったグィネス・パルトロウ.子供の頃に父の遺言でおしりが大きくておっぱいも大きい女性を選べと言われる 主人公ジャック・ブラック(スクール・オブ・ロック).女性を外見だけでしか判断しない男 ジャック・ブラックはあるカウンセラー (本物)アンソニー・J・ロビンスとエレベーターで同席した.よくあるエレベーターのトラブルによって小一時間話し込むことになる. 「外見よりも心の内面の美しさをとらえる」ように暗示を掛けられ,心が比較的綺麗なオカマやフトッチョが美人に見えてしまう. 美人達が親しくしてくれる日々が続くが,病気かと思った親友のジェイソン・アレクサンダーは心理カウンセラーに元に戻す暗示の キーワードを聞き出して,ジャック・ブラックに聞かせる.すると,世界の見え方は元に戻り,ローズマリー(特殊メイク4時間のグィネス・パルトロウ) は136Kであることがわかり,彼女かどうかも判別できない.果たして,彼の恋の結末は? グィネス・パルトロウは恋に落ちたシェイクスピア1998 でアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞している.このオスカー女優の起用は脚本段階から 決まっていたが,相手役はナイスルックスの俳優というジンセンもあったが,そこそこのジャック・ブラックを起用し,現実味を出したということらしい. また,グィネス・パルトロウは「セブン」でブラピと付き合い1996年に婚約して翌年婚約解消していることでも有名である.  ネタバレ→  後半で,ローズマリーの姿が分らなくなった後に,以前からジャックが言い寄っていた美女スーザン・ウォードから誘われるが, それを断り,(そのデートのシーンをグィネス・パルトロウに目撃される)ボランティアのために(ジャックを忘れるために)国外に出発することを決意した グィネス・パルトロウについていくとパーティー会場で告白し,2人は結ばれる.← 
キャッチコピー  ウワッツラハル・目は節穴.



リング2 RING2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  前作の「リング」や「仄暗い水の底から」の監督である中田秀夫が本作も監督する. 完全に前作の直後という設定で,前作の数学者 真田 広之 の弟子という設定だった中谷 美紀が 本作の主人公となっている.前作に井戸の中から発見された貞子の死体は30年前に井戸にぶち込まれ, 29年間生き続けていたということになっている.深田 恭子が女子高生呪いのビデオ証言者として出演している. 中谷 美紀はは妄想や幻覚と戦いながら,死んだ真田博之の声を聴く.松島菜々子とその子供 大高 力也は生きていて 渦中の存在となる.釈然としないといえば釈然としないが,無理矢理落ちを付けようと右往左往するとあのようになるのかな というような流れとストーリーになっている.特に科学を持ち込もうとして失敗している点は らせんに通じるものがある.  ネタバレ→  深田 恭子は悶絶絶叫の形相で死亡する.しかし,その激死顔を静止画像で点検しても, 深田恭子に似せてはいるが,おそらく本人ではない替え玉にすり替えられてる.深田恭子の大胆な演技が見たかった だけに残念だ.松島菜々子は子供を逃がすためにダンプにひかれて死ぬ.大高力也には貞子のような怨念パワー が身に付いていた.← 子役の男の子がハーレイ・ジョエル・オスメント君だったらいったいどんな映画になって いたのだろうかと想像する.この映画で最も気に入らないことは,「貞」という文字がわざとらしく念写されたり ポスターに使用されている点である.
キャッチコピー  



リング0 〜バースデイ〜 RING 0 Birthday
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  今をときめくトップアイドルに上り詰めた仲間 由紀恵のメジャーデビュー作ともいえるのがこの作品.  日本のホラーをトップにのし上げたリングの第3作.鶴田 法男 監督.素人っぽい顔が残る仲間由紀恵が 演じるのはシリーズ兇悪の根源「貞子」.その他,アイデン&ティティ(2003)でヒロインを務める麻生 久美子 田辺 誠一,田中 好子,若松 武史らが出ている.リングが現代の物語であるのに対し,本作は貞子の 出生の秘密を探るため,30年前という設定で貞子が所属する劇団を舞台に繰り広げられる.  ネタバレ→  貞子は最初は一人だったが,途中で2人に分かれた.片方は父親に似ており,母親はそれを見て気が狂った という.劇団員は全員貞子に呪われて,写真を撮ると顔が崩れていた.主役が呪い殺され, 仲間由紀恵が劇の主役に抜擢される.その舞台のさなかで音響とか証明とか周りの人とかがやばいことになり, 恐怖に駆られた劇団員は仲間由紀恵をよってたかって追いつめて撲殺する.もう一人の貞子を抹殺するため 人々は貞子の実家へ.しかし,あっさり生き返った貞子は田辺 誠一の力を借りて森の中へ.森で片割れと合体?姿を見せるだけでバタバタと 人を殺していく.例によって貞子は下を向き長い黒髪で顔を隠しながら呪怨並みの奇怪な動きで接近してくる. たまらず自害する田中 好子ら.もう貞子の能力で惨事を起こしたくない父親は仲間由紀恵を毒殺し, 例の井戸まで追いつめて斧で脳天を2回カチ割る.そして井戸に投げ捨てる.しかし,治癒能力が異常に 優れている貞子は井戸の中で無傷で目覚め・・そして初代リングの時代へと怨念を残す・・・← 
キャッチコピー  遂に明かされる貞子出生の秘密.



シークレット・ウィンドウ SECRET WINDOW
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  ジョニーディップが離婚問題を抱える売れっ子作家として主演.N.Y.式ハッピー・セラピーで切れやすい男を演じた ジョン・タトゥーロが謎のキーマンを.ジェリー・ブラッカイマーのコヨーテ・アグリーでクラブのママを務めた マリア・ベロが奥さん役を務める.再婚相手にティモシー・ハットン.ボディーガードにチャールズ・S・ダットン. 監督・脚本は「スパイダーマン」の脚本を務めたデビット・コープ.原作はスティーヴン・キング. しかし,デビット・コープはキングとは異なる後半の展開と結末を用意した.パラダイムの撲殺・再産出という 手法を用いる映画は見る者に衝撃を与えるが,「だったら,前半に見たあれはいったい何だったんだよ!」と 観客を怒らせる羽目にもなりかねない.しかし,本作品はつじつまを合わせたまま,さらに奇怪な結末へと 導いていく.また,主演がジョニーディップでなかったら,この映画は果たして見れた者になったであろうか? という疑問がわく.それほど,堀深げな彼の顔がこの映画を占めている.ストーリーは妻であるマリア・ベロの 浮気現場を目撃し,彼女は離婚したがっているが,ジョニー・ディップは別居しつつもハンコを押さない(サインしない). 再婚相手であるティモシー・ハットンにムカツキつつもある日,謎の男シューター(ジョン・タトゥーロ)が 「お前の作品シークレット・ウィンドウは私の盗作だ!」と犬を殺したり,あれやこれやの嫌がらせを行う. 盗作ではないはずなのだが,彼は執拗に・・・というもの.  ネタバレ→  シューターという名前はシュート・ハーつまり「彼女を撃て」という己の精神状態から生み出された 多重人格的幻影であり,一連の行動(犬殺し・放火・殺人)は自分自身が行っていたと言うことが判明する. 更に,女と再婚相手を窓の下の花壇付近で殺害し,作品の行(くだり)に在る通り,「湯気が立ち上るトウモロコシ」 となるように畑に埋める.← 
キャッチコピー  この結末は最高だ 完璧だよ. 何もかもが,狂っていく.



笑の大学 WARAI NO DAIGAKU
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  昭和15年の浅草を舞台に喜劇作家 稲垣 吾郎 と 検閲官 役所 広司 が7日間のバトル(協力)を経て 最高の喜劇を作り上げるという物語.原作・脚本は「古畑任三郎」「みんなのいえ」の三谷 幸喜.監督 星 護. 前半の言葉のやりとり,テンポは歴代映画で最高クラス.一重にも二重にも役所広司の名演技が 観客をストーリー上の世界に導いてくれる.後半は,映画が伝えようとしたものと,観客が求めたものとの 間にややズレがあったのかもしれないと思われる.しかし,人間ドラマとしては良い脚本であった.  ネタバレ→  1日目,全部ダメとダメだし.2日目,「お国のため」という言葉を3回入れろと指導. 3日目,「お肉のため」とはけしからん! 4日目「あくびのためなんてセンスがない,お肉に戻せ」と指導.「警察官を入れろ」と指導. 5日目,「警察官の登場の仕方に必然性が無い」と指導.6日目,本心を打ち明けた稲垣 吾郎に役所 広司ぶち切れ.「笑いのない喜劇を書いてこい」と無理難題. 7日目,最高のコメディーを書き上げ,役所 広司を笑わせまくる.しかし,そのため不許可に.帰ろうとする稲垣. 本当に帰るのか?と役所.稲垣 吾郎は事情が変わったからもういいという.赤紙が届いて歩兵連隊へ出頭しなければならなかった. その知らせを知ってから,上演されることがないと分った上で,稲垣吾郎は最高の脚本を書き上げたのだった. ここまでは良かったのだが,このラストの衝撃の後のテンポがすこぶる悪く,前半の機転に比べて格段に落ちる 内容となっていた.赤紙以降の話がテンポ良く機転を利かして進む← のであったら,5つ星間違いない 作品であった.
キャッチコピー  「笑」がタブーだった時代.「笑」を憎む男と「笑」を愛する男.二人の友情が完璧な「コメディー」を創り上げる.



マルサ!! 東京国税局査察部
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  江角 マキコ主演,東 幹久,渡 哲也の東京国税局査察部奮闘ストーリー. 連続ドラマはテンポが良い!! 映画よりもドラマの方が平均的なクオリティーは圧倒的に高い. 回を追ってキャラクターや世界観を表現できるのも強みだが,チャンネルを回されないように テンポ良く話を回して客を飽きさせず,それでいて「どうなるんだ?」という山を随所に盛り込んでいる からであろう.強きを挫き弱きを助ける痛快さにおいて江角 マキコは天晴れである.また,従来は 竹中直人が演じていたであろう役柄を方々で才能を燦めかせている香川 照之が演じており注目に値する. 一癖も二癖もあるが,しっかりと一般庶民であり公僕である査察部第三課のメンバーを V6の三宅 健,「リング」「守ってあげたい!」に出ていた池田 真紀,筋肉系イケメン永井 大, 佐藤 二朗,猫背 椿らが演じる.特に注目すべきは佐藤 二朗,猫背 椿の2人である. 第三課の統括を務めるのは東 幹久でかっこいい.威張っている様にも見えるが,上司たるものの威厳や 強制力を醸し出しており,だてに顔が黒いわけではない.序盤では重鎮の大門を課のみんなが小馬鹿にする ようなシーンが多く,不愉快に感じる方も多いことだと思うが,その布石は後半になって生きてくる. 決め台詞やお決まりのパターンになぞらえて毎回進むがそれが痛快さを加速させる秘訣だった.  ネタバレ→  実は渡哲也が政治家の犬で,江角の父親をはめたのも彼だった.という事実がラストの2話で明らかになる.← 
キャッチコピー  ガッポリ稼いだ人からは,ガッポリ税金いただきます!!



武士 MUSA
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  見た目がペ・ヨンジュンに似ていなくもないキム・ソンス監督は「歴史の大半は,記述されることのない人たちで前進しているんだよ」 と述べている.使命は当初,高麗から南京への特使となることであったが,南京に入ることもできずに砂漠への流刑となる. 蒙古軍,明軍のにらみ合う砂漠を横断し祖国高麗へ帰ろうと死の行軍をする中,「蒙古の姫君」を守ることとなり,中国大陸1万km横断の旅をする 砂漠での戦闘シーンや矢尻が飛び交うシーンはなかなかのもの.高麗将軍役のチュ・ジンモ,副使のの奴隷役チョン・ウソン, 明の姫役チャン・ツィイーが主立ったキャラクターだ.この映画に出てくる兵士を含め全ての役者は,とても顔立ちが良い. 「武士」を名乗るにふさわしい方々のみが出演している.  ネタバレ→  最終的には砦に立てこもり,蒙古軍と戦うことになる.幾度の戦いを経ていくうちに重要人物はどんどん死んでいき, 最終的には漢の民とチャン・ツィイー姫は明に渡り,隊正が単身,イカダで海を渡り祖国へ戻るという話になっている.← 
キャッチコピー  アジアで革命を起こし,ハリウッドに挑む空前のアクション超大作!



コラテラル Collateral
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  主演トム・クルーズ.コラテラル(巻き添え)となるのはウィル・スミス主演の「アリ」で モハメド・アリのセコンド役を務めたジェイミー・フォックス.監督はラッセル・クロウ,アル・パチーノ 主演の「インサイダー」や前述の「アリ」を手がけたマイケル・マン. スクリーンをトム・クルーズのフェイスが埋め尽くすだけで名作っぽく見える.さすがは ハリウッド最高の役者.貫禄というかにじみ出てくるものが違う. たまたま出会ってしまった殺し屋と夢を持つタクシードライバー.トム・クルーズは 検察側に有利な証言をする5人の人物を殺害する依頼を受けた殺し屋だったが,その目的地を回るために 嘘をついてタクシーを借り切り道中を開始する.しかし,最初の殺しで死体は窓を突き破りジェイミーの タクシーへと落下する.トムは計画を変更し,ジェイミーを運転手として銃で脅し拘束して依頼を遂行しようとする. はたして,2たりの未来は? 相手への痛みは自分への痛みとなる「コラテラル」ぶりがたまらない. この映画のテーマとして夢を夢のままにおわらせずに大きな最初の一歩を踏み出すことが大切だ.というメッセージがある. それを殺し屋という立場のトムがリムジン会社設立を夢見るジェイミーに吹き込んでいき, 未来を自分の手で決めていく様を描いている.この監督の手法として重要人物を要所ですれ違わせているのでストーリー を追いやすく,因果関係を把握しやすい.  ネタバレ→  5人目の標的が最初のタクシーの客であった検事のジェイダ・ピンケット=スミス(マトリックスのナイオビ役)だったのは お決まりの展開だが,ストーリーはよく練り込まれており,定番の設定であっても,←  緊張感は最後まで保たれ,ラストの銃撃戦では「え?そうなるの?」と思うところもあったが, 客をスクリーンに注視させる総合的な面で,映画としての価値は名作に値するものであった.
キャッチコピー  その夜は,いつものように始まった・・・ こんなに危険なトムを見たこと無い.



デビルマン DEVIL MAN
★★☆__ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

予告編インプレッション  第一印象は「すげえ!」「おもしろそう!」だった.しかし,主役の伊崎央登(いざき ひさと) と伊崎右典(いざき ゆうすけ)がお互いに威圧し合う見せ場らしきシーンの台詞が棒読み以下の シケ具合で,この映画に関する期待値は大失速.それでも,富永愛(マクドナルドフィッシュディッパー「来たかも!」のモデル) の肢体美とボブサップのデーモンへの乗っ取られ具合が気になっている.また,最近ヴァン・ヘルシングと見比べて,見劣りするだろーなー という感触も否めない.
本編感想  マジンガーゼットの作者:永井 豪原作.監督はビーバップハイスクールシリーズの那須博之.脚本はその妻の那須 真知子. 事前に,クソつまらない映画であるという噂が蔓延していたが,その蔓延ぶりに勝らずとも劣るできの映画であった. 主演の男の子達(双子)はガンパッているのだろうが,一見にして明白に「棒読み」である.役者の力不足に遙かにましてダメダメなのは ストーリーを観客に伝えるテクニックや,カットとカットとをスムーズにつなぎ合わせてストーリーを構成するテクニックである. 「壮大なスケールのために2時間では収まらなかったので,意味がつながりにくい所もある」という説明では とうてい説明が付かないほどシーン毎に話が飛躍しており,「監督・・このシーン撮影するの忘れましたけどどうしましょう?」 「編集で何とかそれらしくつないどけ!」という会話が聞こえてきそうなくらいだ.これでは,役者がどんなに熱演しようとも 熱演するだけお寒い映画となってしまう.伊崎兄弟(音楽ユニットFLAMEの4人中の2人)はヴィジュアル的に受けそうなので,この先明るい未来が待っていたのかもしれないのに,早速芽を摘まれてしまったようで かわいそうだ.最も注目していた富永 愛(最近 結婚妊娠報道)についても,最初に少しでただけで後半に絡んでくるか?と期待を持たせながら 出てこない.しかも,ポスターでの露出に比べ,出演時間の約90%は「オイオイ.なんでそんな服来てるんだよ!」というようなアヒルスーツを 身にまとっており,一部のファンからは誇大広告として公共広告機構に訴えられそうな勢いだ.とはいえ,この映画の最大の魅力は デーモン同士のVFXバリバリの戦闘シーンに他ならない.1コマを作成するのに膨大な金と時間がつぎ込まれているのは容易に想像が付くような できばえで,全体に比するVFX+アニメ(ハニメーションのVFX寄り)の割合は極度に少ないものの,十分に見応えのあるものとなっている. 特に,都会のビルの谷間を富永 愛と 怖い顔のデビルマンが飛び回り,ビルに激突し合うシーンは圧巻である. 重力に関する設定がとてもよくリアリティーを感じ,空想と重なって観客をI Can fly.の世界に導いてくれる. その点が救いとなって,何とか2.5星となったわけだ.この映画を見て考えさせられることが無かったわけでもない. 「恐怖と疑心暗鬼と村人根性が相まって魔女狩りを始める住人の行動」などを見て感じることはあった.しかし, ネタバレ→ あの生首(酒井 彩名)は,かなりくさかった.教会の伏線を張ってまでわざわざあの生首に意味を持たせ PG-12を食らってまでストーリーに乗せたのに← 重みが伝わってこなかった.また,宇崎 竜堂が酒井 彩名の優しくて寛大なお父さん役(農業検査のお仕事) として出演していたが,顔が渋すぎて配役を間違えたかな?という感じがあった.第8回 全日本国民的美少女コンテスト グランプリ受賞の渋谷 飛鳥はデーモンに体の一部を乗っ取られ,肩にフジツボみたいなのが こびりつき,クラスメートから迫害と責めを負う.しかし,後半はネタバレ→天女のようなオーラと共に魅力を発揮し美少女芸能人としての 美しさを←存分に発揮していた.特に華奢な印象の前半から成長していく様をうまく演じていたと思う. 今後最も注目すべき役者として 両親をデーモンに乗っ取られた子役の男の子をあげる.彼の大きな目は鈴木 杏と同じ資質を持っており,目力が強い. あんな脇役でホームページにはキャストとして名前すら乗っていなかったにもかかわらず,抜群の存在感を見せていた.
キャッチコピー  人間は庇護るにたるべき存在か? 愚かな生き物よ神はいたか?



沙羅双樹(しゃらそうじゅ) デラックス版
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

本編感想  カンヌ国際映画祭でカメラドールを最年少で受賞した河瀬 直美が監督脚本.  主人公の福永 幸平は幼少の時に追いかけっこをしていると,双子の兄は突然消えた. 作品は中学校時代に移り,女の子 兵頭 祐香と親しげに・・ 生瀬 勝久がオヤジ役として,母役は監督の河瀬 直美自信が出演している.バサラ祭りにて,黄色い衣装に身を包んで赤い紅を塗り祭りで威勢良く踊るシーンは 魅力的で息づかいの伝わり具合が心地よく引きつけられる.生き生きしている女の子っていいなぁと思う作品. 全体的な印象としては 登場人物を延々と追い続ける形の間の長いカメラワークにかなり飽き飽き. 生に対する感動はそれなりに伝わってきたが,退屈さと比較した場合に比較にならないほどのものでしかなかった.  ネタバレ→  生瀬 勝久が祭りの実行委員長で祭りを成功させ,嫁さんが産気づいてそれをみんなで見ながら, 赤ちゃんが生まれて終わる.その間にカット割りなしでカメラが延々と歩いて何かを撮影するシーンが続く. というだけの作品.← 
キャッチコピー  双子の兄が「神隠し」にあった,5年前の夏−.河瀬直美が描く,鮮やかな命の輝き



安倍 桔梗(あべのききょう) 闇からの招待状ミステリーファイル
_____ 紹介サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画

本編感想  滑舌の悪さに魅力を感じるアイドル 小倉 優子が主演.出演者全員滑舌悪ろし. 明らかに3流映画なことは間違いないが,その分,小倉 優子が際だつというもの. 小倉優子の水着姿やサンタクロース姿など様々なコスプレを楽しむことができる. 演技は全般に見るに値しない.片方が台詞を読み終わってからもう片方が動き出す様などは 3流映画の醍醐味の一つだ.ストーリーは在ってないようなもので,小倉優子をみる.3流映画の味わいを見る. 所々に出てくるくさい台詞と,くさい動作を見る.これにつきます.ビューティークリニックが舞台となっており, 北斗七星になぞらえて起こる謎の死を追うという形で進む.姫の演技を見ることができた点で価値はあるが, 映画としては最低ランク
キャッチコピー  小倉優子主演 美少女ミステリー



ホテル ハイビスカス
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  3100人のオーディションで美恵子役を手に入れた蔵下穂波の小学3年生的な元気さを見るのがこの映画の趣旨. とっともかわいくないんだけどとってもかわいい彼女の魅力が作品全編を通じてあふれ出している.  多国籍な家族で営むホテルハイビスカスには客室が1つしかない.沖縄的な文化を通して家族の 様々な人生の側面を描いている.しかし,どのサイドストーリーも中途半端という感じで, 作品全体としてのメッセージ性は薄い.自分が小学生であったら,共感できる面が多々あったのかもしれないと 思うことはできるが,小学生ってあんなモンだったかなぁ?と思う程度に収まっているのが残念だ. しかし,不思議なことに観賞後,蔵下 穂波の歌っていた下品な歌詞が頭にこびりつきついつい 口ずさんでしまうという効果もあり,侮れない映画であったことを後から知ることになる.
キャッチコピー  インタァナソナル・ファミリーホテル! 古くてもボロくても,人は上等! 泊ってみたい,三ツ星ホテル



トレジャー・プラネット Treasure Planet
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  父を亡くしたやんちゃな少年ジミーが伝説の宝が眠るトレジャープラネットの宇宙地図を不時着した宇宙船から手に入れる. 「サイボーグに気を付けろ」という最後の言葉を残して宇宙船の持ち主は死亡する. 信用と友情・裏切りを未来宇宙探検タッチで描き,最後にはそれなりのハッピーエンドが用意されているといった 王道アニメとして成立している.  ネタバレ→  美女と野獣の野獣の方を思い出させる肩幅のやたら広い腕利き一等航海士は命綱を切られて,宇宙に 放り出されてしまうが,あのシーンほど目に焼き付き悲しい気分になったシーンは無かった. 伝説のハンターはトレジャープラネットの地中に金銀財宝をため込んだテリトリーを創っていたが, 侵入者が検知されると全て消滅する仕掛けがしてあった.その場所が知られないように,部下であった がらくたロボットの記憶部分を抜き取っていたという落ち.ボール状の地図は大型どこでもドアの鍵にも なっており,その扉を使って伝説のハンターは宇宙中の宝を集めていたものと思われる.← 
キャッチコピー  新しいヒーローが,誕生する!!



蛇イチゴ
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

本編感想 監督・脚本 西川美和 の映画デビュー作.いい加減で口達者な兄の宮迫 博之と真面目で 正しいことを言う妹 つみき みほ との関係を破産したオヤジ平泉 成とその妻 大谷 直子,ぼけた おじいちゃん笑福亭 松之助という家族の中で描いた物語.ボケおじいちゃんの死をキッカケに様々な事実が 明らかになり,家庭は崩壊に向かう.勘当された息子の宮迫が久しぶりに帰省して家庭を助けるが・・ というストーリー.それをカリフラワーズというバンドの音楽に乗せて送るのがどうやら趣旨のようだ. 手塚 とおる,絵沢 萠子,寺島 進などが主なキャストとしている. 注目したのは役者としてのコメディアン宮迫 博之の台頭と,母役の大谷 直子の安定よりもむしろ 不確定な未来を暗に期待する演技であろう.人間は得が確定していればその利益が少なくても得をより確実に 決定する選択を行うが,逆に損が確定している場合はなるべく損する額を小さくする確実な方法を選ぶより, 一気にその損が帳消しになるような賭けを好むという傾向がある.(プロスペクト理論:ノーベル賞) そのディシジョンメイキングを忠実に再現するような彼女の演技には引かれた.
キャッチコピー  家がお終いになっちゃう前に,お兄ちゃんに出てってもらおうよ.



ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  2を見てから1を見るという体裁をとって鑑賞したのが本作.2と比べて圧倒的に若者らしさが映画のおもしろみとマッチして 嵐のみんなの魅力が出ている.  ネタバレ→  屋形船に乗ってネクタイを鉢巻きにしているオヤジ達を見て,「俺たちは絶対ああはならない」という 誓いを立てる5人.工業団地「八塩」の意地に掛けてそれぞれの道に一生懸命邁進する5人組は,ついに屋形船沈没作戦を決行.←  ピカ☆☆ンチの続編は作れない・・と思っていたが,ピカ☆ンチの続編なら作りたくなる気が分った.ジャニーズファンならずとも 彼ら「嵐」に好意を持とうとするには十分なできばえである.この物語のテーマを発展させたのがドラマ「Stand Up↑」となっているのだろうと 感じずにはおれなかった.(二宮 和也主演,鈴木杏ヒロイン)
キャッチコピー  青春とは,誰にとっともピカイチで,そしてハレンチなものである.



ピカ☆☆ンチ LIFE IS HARD だから HAPPY
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

本編感想  ジャニーズの「嵐」の5人組大野 智,櫻井 翔,相葉 雅紀,二宮 和也,松本 潤が前作 ピカ☆ンチ(星一個)の続編として高校生から大人になりかけた時代を描く. それぞれに職を持ったり夢に向かったりしている中,彼らの愛した町,八塩に情報発信都市八塩ヒルズを建てる計画があり それに反対する地元民をメンバー達が応援し,陰謀を暴くというのがメインストーリー.そのストーリーに そって,5人の友情をぎこちなく描いているようだ.嵐のみんなのファンでなければあまり,見る気もしないが, ダチョウ倶楽部の上島 竜平がほんのちょい役で2回だけ出てくる.エンディングは彼らの格好いいダンス付きのプロモーション ビデオと共にスタッフロールが流れるのでそこが最大の見所と言って良い.テーマには「LIFE IS HARD だけど HAPPY」ではなく 「LIFE IS HARD だから HAPPY」なんだというところがある.櫻井 淳子が陰謀の華として裏表のあるキャラを演じているが, コントラストの強いマスクが「美しい!」と思った.監督はケイゾク,池袋ウエストゲートパーク,TRICKなどの堤 幸彦.  ネタバレ→  中盤から分ることではあるが,都市計画を反対し,地元住民を団結させ講義していた中心人物である櫻井 淳子 は裏でそのプロジェクトを進める政治家とつながっており,大野 智をそそのかしてロケットランチャーを打ち込ませ 反対派を一掃しようという計画を進めていた.← 
キャッチコピー  帰る場所は,ここにある.



バティニョールおじさん Monsieur Batignole
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  パリからスイスへ自由を求めて子供達を助けて肉屋のおじさんががんばるというフランス映画.文部科学省推奨映画というレッテルが 張られていたので注目した作品.ジェラール・ジュニョが監督・主演を務める. ジュール・シュトリック  ネタバレ→  おじさんを含め4人は終戦までスイスに残ったが,その後子供達が両親に会うことは無かった.← 
キャッチコピー  1942年,夏.パリはドイツ軍の手に落ちていた.ドイツ軍によるユダヤ人の一斉検挙が進む中,子供たちを救ったのは,さえない肉屋のおじさんだった.



ブラック・スコルピオン Direct Action
★★★☆_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  軍隊ものの印象がつよいドルフ・ラングレン(ロッキー4のスタローンの相手役としてブレイク)が肉体派麻薬捜査官を演じる.スティーブン・セガールやドルフ・ラングレン, ジャン・クロウド・ヴァンダムなどの映画がハリウッドから締め出しを食らい日本の大きな映画館に配給されることがないため ビデオでしか見ることができないのは非常に残念だ.正義感の強いラングレンは昇進と退職金の増加を餌に汚れた汚職警官になれと 上司から誘いを受ける.しかし,内部の不正や殺人を黙ってられないラングレンは連邦地裁に告訴することを決意するが汚職警官達に 追われて・・・ というストーリー.その日に入ってきた警官になりたくてなりたくてしょうがなかった新人女警官ポリー・シャノンが ラングレンの新しいバディーとして互いに命を救い合いながら関係を深めていく.ストーリーはありがちで,主人公の無敵ッぷりが ありえねーとおもうような作品だが,それでこそ「映画」というもの.カット・シーンのつなぎを小刻みに行うことによって流れがわかりやすくなっている. 赤サソリレッド・スコルピオンのラングレンノ印象を大切にするため,邦題に付けられたのはブラック・スコルピオン.ちなみにスコーピオンではない.セガール映画になぜか「沈黙」という 言葉が付くのと同じだ.この作品は所々にナイフアクションを入れているのは,さすがラングレン・・と感心する.  ネタバレ→  最終的には汚職警官を全員抹殺し.← 
キャッチコピー  



キル・ビル vol2 KILL BILL vol2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  前作からの続きで6章から始まる.そもそもユマ・サーマンが殺された結婚式(予行)のシーン.殺してやるリストに入っている 日本刀の剣豪であるビルの弟との対決シーン.殺し屋家業の 師匠であるパイ・メイといううさんくさい中国人の下での修行.お互いビル(デイビット・キャラダイン)を好きであったエル・ドライバーことダリル・ハンナとのバトルシーン. そして最終章のビルとの対決シーン.以上で構成されている.そもそも,なぜ,ユマ・サーマンは殺されたのか? などの謎が多い映画であったが一通りの謎は解けた.最強の見所は「ユマ・サーマンとダリル・ハンナの女同士のバトル」である. 一応アクション映画を銘打っているだけに,臨場感や互いの殺気,執念みたいなものはありありとスクリーンに描かれていた. とくに暴れ回り方にはリアリティがあふれていた.  ネタバレ→  訳がわからないが,キャラダインの家に行くとユマ・サーマンの娘と一緒に住んでいて拳銃ごっこで戯れる. 寝かしつけた後,「ラブ・ストーリー」と謳われる部分がタランティーノ風に描かれていく. キャラダインはユマ・サーマンのことを死んだと思い,3ヶ月間嘆き悲しんだが,結婚式の予行の現場を見て 嫉妬し,その結果が惨殺であったという愛の物語.ということになっている.キャラダインは経絡秘孔を付かれ, 死亡する.ラストは子供とユマのツーショットで終わる.← 
キャッチコピー  Kill is Love.



感染
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  リング,呪怨,着信アリなど日本のホラーはハリウッドを凌駕しつつある.この勢いを助長すべく リングのプロデューサー 一瀬 隆重らを中心に立ち上げた「Jホラーシアター」全6本の内,先陣を切って後悔されたのが 「感染」と「予言」の2本である.主演:佐藤 浩市.医者と看護士の視点から病院の問題をとらえていく形で始まり, 中盤まではなるべくつじつまを合わせながらストーリーを進行させ,後半に一気に支離滅裂の渦に巻き込まれていく. 人間の体内詰まるところ「脳」からわき上がる誰しも逃れることのできない恐怖を,ウイルスの感染と関連づけて 描いている.監督・脚本は「世にも奇妙な物語」「パラサイト・イヴ」「催眠」の落合 正幸. 意味もなく入院している子供が狐の面を被っているのが「にくい・・」というか「くさい・・」.  この映画の世界に最も入り込み,恐怖を共感することができるのは10分の7くらいの所である. その正体はなにか? どういう論理構成でさらなる恐怖がかき立てられるのか? 人間関係は? 死に様は? と良い感じで話がふくらんでいく.その点はさすが佐野四郎.そのフェイスがしっかりと閉鎖的な病院の中に我々を 引き込んでくれます.また,綺麗系の看護婦陣.「花とアリス」でバレエの先生を演じていた木村多江の 美しさが微妙な不安定さを含んでおり,困惑するシチュエイションの緊張感を十分に伝えていたことは すばらしい.残念なのは全体の10分の7くらいの所までで作り上げた恐怖を  ネタバレ→  根底から覆すためのロジック.つまり実は佐藤浩市が夢を見てみんなを斬りつけていただけなんだ.そして, その血が緑に見えていたんだ.という事実を導入した後の蛇足的に繰り返される感染の連鎖である. 「結局何が本当なのか」「全て妄想の中なのか」を明かさぬまま終わっているので別につじつまが合っているかどうかは 関係ない.ともいえる.が,「まだ終わらない,まだまだ終わらない・・」という恐怖.「何が現(うつつ)か幻かが解らなくなることが 真の恐怖」という感触を,監督は伝えたくて伝えたくてたまらなかったんだろうなぁとは思うものの,結局自分自身がロッカーの中で どろどろ腐っていくシーンを見せるなど足りない脚本を小ネタの恐怖を連発することによって補おうとした← という域を出ていない. かなり背筋に電撃を走らせて頂いた作品なだけに,もう一歩練り込んでほしかったという思いが強いが,基本的には良作であった.  ドラマ天体観測で活躍した山崎 樹範は定番の「できない君」を演じており,それなりの存在感を見せるが,明らかに本編と平行に走る サイドストーリーでしかなく,しかも平行線なだけに交わらないままであった.バトルロワイアルIIの真木 よう子,後藤真希によく似ている 星野 真里,婦長役の南 果歩が看護士を演じている.その他のキャストはサラリーマン金太郎の羽田 美智子が精神科医で,患者を愛せない 医師として高嶋 政伸,仮眠していて起きたら大変なことになっている医者をモロ 師岡が演じている.
キャッチコピー  恐怖の限界 世界記録級 恐怖は感染し,死を予言する.



予言
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  つのだじろう原作の「恐怖新聞」を母体とし「ほんとにあった怖い話」「リング0 バースデイ」「案山子」の鶴田 法男がある種の無限地獄を 映像化したのが本作品.主演は「催眠」と同じく三上 博史.恐怖にゆがみつつも何とかしようとする表情が 作品の質を上げていた.妻である酒井 法子とその子供の井上 花菜.幸せな家族旅行は一変して 取り返しの付かないことに・・ そして,その時から三上の周りにちらつく未来を予言した新聞. 一生懸命,怖くしよう怖くしようという意気込みだけはスクリーンから伝わってくるが,ストーリーと 関係の薄い小ネタに踏襲すると心が離れていってしまうのが残念だ.吉行 和子がうさんくさいところを バリバリ発揮しながら霊能力者を好演していたので,はまり役のような気もした.  のりピーが離婚後に住んでいる設定となっているマンションが私の住んでいるところの 近くにあったので,行ってみた.あの顔なしが出てきた廊下に行ってみた.誰もいなかったが 何となく怖かった.その場所で顔面を削り取られたのりピーが出てくるのだが,その瞬間にビビって情けない声を 大声で出してしまった.そのため,私の後ろの席の女の子から笑われてしまったが,それもまた ホラー映画の醍醐味であろう.今回,事前に特に注目していた出演者としてアコムガールの小野 真弓 がいたが,ポスターにでている名前が主役と同等にでかいにもかかわらず,偉くショボイ配役という感じが 否めない.彼女がその自慢の笑顔を振りまくシーンは一切無いし,  ネタバレ→  笑顔は死亡後の白黒写真のみ← ネームバリューの割にホントちょい役で, 観客動員のための撒き餌である公算がすこぶる高い.ともあれ,この映画もホラーとしてそこそこ楽しめた. 「感染」とはある種異なった種類の「恐怖」を描くことをテーマとしている.  恐怖のつまみ食いであり食べても食べてもどんなにお腹が一杯になっても,気が付くとまた「最悪」の状態の始まりへと 移動させられる.もがいてももがいても振り出しに戻る双六に迷い込み,六道輪廻の無間地獄を思わせる恐怖の連続を 主人公といっしょに体感することができる.それを克服しようとする主人公 三上 博史の熱演と最後の機転が相まって「映画を見た!」と満足する 作品になっていることは賞賛に値する.終わりよければすべてよしな作品. しかし,「感染」と比べておもしろくなかった.その理由は あの新聞達の飛んでき方と現れ方である!とくに自動車と平行して飛んでくる新聞には「お前は一反木綿か!」 と突っ込みたくてしょうがなかった.
キャッチコピー  その新聞を読んではいけない.恐怖は感染し,死を予言する.



ドッグヴィル DOGVILLE
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  ドッグヴィルとは犬の町という意味であり,177分の全編は床に家や道を示す線だけが描かれた抽象的なセット の上だけで撮影されている.監督脚本は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の ラース・フォン・トリアー,主演ニコール・キッドマンという映画ファンからの 視線が熱い新しい挑戦の映画.ゴッド・ファーザーのジェームズ・カーンもでている.プロローグと9つの章から構成されまるで舞台を見ているようだ. カンヌでは無冠ながらもかなりの賞賛を受けた作品だが,正直言って退屈だ.ヴィジュアル的な変化に乏しい. よっぽど「ラース・フォン・トリアーの技法を根掘り葉掘り見てやろう!」という意気込みにあふれていなければ, 画面を見続けるというモチベーションを維持するのは困難だ.しかし,この見解は後半になって突如として変わる.  豹変?する村人に対しニコールキッドマンはどのように心を推移させていくのか? そして最後の選択とは? この映画の見所はまさにこの後半であり,それに伴うニコール・キッドマンの演技である.壁や風景が無く, 筒抜けとなった町の様子が人々の演技を強調させる.狭い田舎町が持つであろう気質や特徴を実写ではない白線のセットで 浮き彫りにし,誰もが経験したであろうおそらく普遍的なのプロセス(出会い→恐れ→遠慮→親しみ→依存→失望→嫌がらせ→拒絶→別れ)に なぞらえることにより,恐ろしくすぅっと身に染み込ませる.それでいて人間と犬の境界線を明確に定義した作品.  ネタバレ→ ギャングから逃げてきたニコール・キッドマンはこの町の住人が精神的に犬であることが次第にわかり, 最終的にギャングのボスである父の元に帰ることを決意する.そして,父の権力を使って,地球上から この汚らしい村が消滅することが人類の利益であると判断して,皆殺しにすることを望む. ストーリーの詳細な流れはこうだ.ニコールギャングから逃げて銀廃坑の町ドックヴィルにくる.→ ポール・ベタニーは彼女を町でかくまってあげようと人々を説得.2週間後に投票をして15人の全員一致が得られれば 彼女をかくまうということになる→2週間の間に各家を巡って1時間づつ何か手伝いをする→ほとんど全員に断られる→ 投票の時は1人の投票につき1回鐘を鳴らし15回ならなければ町を出て行くことにした→ニコールは受け入れられ,みんなと親しげになっていきいく→ 警察が来て尋ね人のビラを貼っていく.郡全体に配布されたらしい.→独立記念日を祝っているとまた警察が来て 銀行強盗に関与する女だといって懸賞金付きのビラを貼っていく→町では危険な女というふれこみに動揺が広がる→みんなの家を回って 働く時間と回数を増やし報酬も少なくなるようにする.→ニコールが逆らえない立場なのを良いことに人々の要求は日に日に高まっていく→ ドッグヴィルの人々が牙を剥き出す→まず,警察に証拠品を出すぞ!と脅され見返りとして老人に犯される→ニコールが誘惑したとの噂が広まる→朝方ポール・ベタニーが部屋から出てきた所を 見られる.(悩みを聴いていただけ)→子供がニコールに殴られたと訴えその母が怒る→町の女達の反感を買う→自分の労働が形となっていた人形をたたき割られる→ ついに嫌気がさし町を出るために10ドル借りる→それを払ってリンゴを他の町に届ける時に逃がしてもらう約束をする→追加料金として犯される→ついたと思ったら またドッグヴィルだった→10ドルは借りたものではなく盗まれた物だった→疑いがニコールに掛かる→犬のように首輪を付けられる→町の男どもは ことある毎に彼女を性のはけ口とするのが常識となる→その行為が行われるたびに子供達はおもしろがって鐘を鳴らす→民は集会を開いて彼女を 追い出すことを決める→力になってあげられなかったことについてポール・ベタニーは嘆きニコールと関係する→男は2人で逃げようと提案する→ ニコールはポールの心を見透かす→ポールは夜風に当たって考えた彼は哲学者として彼女の言っていたことが正しくそれが自分の怒りの基であると 悟る→そしてギャングからもらった名刺を手に取る→町の会合でニコールを2日間休養させることとなった→町の周りにはギャングの気配が漂う→ ニコールの心が町から離れていく→実はもうギャングに引き渡すことになっていた→彼女を監禁する→ ギャングが来る→父親と傲慢さについて語り合う→月の光に照らされて町を改めて見ると彼らと同じ視点で在れば自分も彼らと同じことを しただろうが,彼らと同じ視点では彼らを非難できない.一トムことポール・ベタニーと話して決断する→人の人間として自分自身のために「正しい行い」をすべきだと決断する→ 町の人を皆殺しにし,焼き払うことを決める→以前人形を壊した子だくさんの家の母に復習するため,「泣くのをやめたら子供を殺すのをやめる」と言って 目の前で子供を殺すことを指示→最後は自分の手で「君のことを小説に書く」といっているポール・ベタニーを殺す→町には犬だけが奇跡的に生き残り その犬が白線から実物に昇華して物語は終わる.  プロローグ:町とそこに住む人々の紹介 第1章:トムが銃声を聞きグレースと出会う  第2章:グレースはトムの計画に従い肉体労働を始める 第3章:グレースが挑発的な試みに喜びを見いだす 第4章:ドッグヴィルの幸せな日々  第5章:とにかく独立記念日 第6章:ドッグヴィルが牙をむく 第7章:ついに嫌気がさしたグレースはドッグヴィルを去り再び新たな日を迎える  第8章:集会で真実が語られトムが退席する(だが後で戻る) 第9章:ドッグヴィルに待ち望んだ訪問者が現れ映画は終わる ここにわざわざ物語の流れを書いたのは「この作品は物事の流れが明確にわかっていないと何故最後の9章でああなるのかがよくわからない」からである この映画は9章を最初に見ないと(結果の意外性を知っていないと),8章までを見ようとするモチベーションが著しく低下する. (この映画を見終わった時に得られる報酬が最初にわかっていないと途中で寝てしまう.)  ←そういう意味で前半からもっと一般人が食いつきやすい構成を多く盛り込むべきだが,そこは良質な客の視点に 任されてしまっている.その点は残念だ.しかし,全般を通じて名作と呼ぶにふさわしいものである. ちなみに, ニコールの魅力は大人の女性としての顔とその中に時折見せる子供のような顔の両方が混在していることであると思った. ラース・フォン・トリアー監督の3部作の1作目ということなので次に期待を掛ける.
キャッチコピー  チョークで描かれた「極限にして無限」の世界.ドッグヴィルは彼女で満たされていく.



元祖! アホでマヌケなアメリカ白人 vol.2 The Awrul Truth I with Michael Moore
★★___ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  マイケル・ムーアがthe awful TRUTH という番組の司会をやりながら,様々な映像を見せて観客と対話しながら 進めていく番組を何話かつなぎ合わせたビデオになっている.クリントン大統領の時代で「ボウリング・・・」よりも前に 作成された.ムーアのやっていることは毒があって, それなりに痛快だが,あまりに自分勝手な感じも強く,単純に笑えないものも多い.よほどのムーア好きは この作品を見てすばらしいと思うが,華氏911でムーアに興味を持った私には,かなり非道な気がした. また,日本に置いては,通常ニュースで手に入れる以上のアメリカに関する知識を背景として持ち合わせていないと 笑えないことも多い.「個人的わがまま,主張」の域を超えて,メディアのイカズチを振るうムーアの恐ろしさを味わう作品.  チャプターは以下の通り,「精力的な汚染活動にビックな賞を!」「無保険者4300万人に救いの手を!」「マイケルに接近禁止命令だ」 「24時間ウェブサイトで"ルーシー"を見張れ」「これでいいのか国防長官?!」「犯罪者をなくせ!山小屋を破壊せよ」 「マ○パワー社の"秘密文書"を探れ」「"続・ルーシーを見張れ"直接対決だ!」
キャッチコピー  



ボウリング・フォー・コロンバイン Booling for Columbine
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  マイケル・ムーアがコロンバインの高校で起きた銃の乱射事件を題材に,アメリカはメディアが恐怖を煽り立てて あらゆる購買意欲の根源とさせており,無用な恐怖が新たな恐怖を呼んでいるということを主張している. 証拠として,米国と同じくらい銃大国であるカナダを例にして米国民がいかにメディアに踊らされ,恐怖を感じているかを 示している.コロンバインの事件の時に使われたとされる大手Kマートの弾丸の販売について事件の被害者と共に乗り込み 90日以内の販売中止を約束させるという成果を強調しているが自己満的なものであるという印象が強かった. アメリカ国民に受けそうなドキュメンタリーであった.  ネタバレ→  キャッチコピーではカメラ片手に・・だったが,ムーア氏がカメラを担いでいるシーンは少なく取材班を同行させて自分がインタビュアーになっている ケースがほとんど全てであった.← 
キャッチコピー  カメラ片手に突撃アポなし取材!!



光の旅人 K-PAX
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  ケビン・スペイシーは自らをK-PAXという星から来た宇宙人だという.ただの精神異常者か 本当に宇宙人なのか.彼を精神病患者として扱う医者のジェフ・ブリッジスとの友情物語として ストーリーは進んでいく.この映画の見所は「徹底的に信じて疑わない様子を続けることによって不安な人々は それを信じる.」「どんな信念でも貫けば信じる人も出てくる」という心理学的な現象をどのように実現しているかを 眺めることであり,本当にその星からやってきたかどうかなどどうでも良い.  ネタバレ→ 結局結論は宇宙人ではなく精神異常者だっとということで,そうすると前半にこと座の星の起動を 詳細に説明した事実を説明できない.本当に宇宙人がケビン・スペイシーの体に乗り移っていたと 解釈できないこともないが今ひとつの結末.(わかりやすい結末を求める立場としてはということ.) ← 
キャッチコピー  K-パックスからやって来たという謎の男 彼には人の心を癒す不思議な魅力があった・・



ヒッチ・ハイク 溺れる箱舟 HITCH HIKE
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

本編感想  寺島 進,竹内 ゆう紀,山本 浩司,小沢 和義,  北海道で恋人 竹内 ゆう紀とドライブをする主人公 寺島 進.道路を走っていると車を故障したという男 小沢 和義(本作脚本も担当) がヒッチハイクをしていた.いきなり飛び出してきて弾きそうになるが,近くの町まで車に乗せていくことにする. ところが,男は豹変し,ショットガンを取りだして2人を人質にカージャックを行って・・というストーリー. この映画を見た人は「親切心から他人を車に乗せてあげることがなくなるであろう.」という世の中の ヒッチハイク愛好者には多大な損害を与える作品である.結論として,「ヒッチハイクは怖いよ.」ということしかいっていないような 気がした.何が言いたいんだかよくわからなかった作品.  ネタバレ→  小沢 和義は2人の携帯を取り上げて2人の真実を暴いていく.夫は愛人を作っており,何故かそれを知っていた犯人はあらかじめ その愛人を殺害しており,妻の方は,「不倫夫殺害計画」というサイトで夫を殺す計画を練っていた.←  うまくいっていない夫婦を襲った狂気じみた「愛?」の形を描いている.
キャッチコピー  人間は,堕落して強くなる.



コヨーテ・アグリー COYOTE UGLY
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  ジェリー・ブラッカイマーが仕掛けるダンスあり,ミュージック有りのバー「コヨーテ・アグリー」における少女のサクセスストーリー. ジェリー・ブラッカイマー制作だけあってテンポはよい.バーでのシーンはどのカットをとってもノリノリだ. 主役のパイパー・ペラーボはこの作品の主役に抜擢し,ブレイクした.笑顔の後の照れ隠し顔がとてもキュートだ. 彼女が歌手デビューを目指しながらコヨーテ・アグリーで働き最初は,要領がわからず失敗してばかりだが,次第に,バーの 顔へと成長していく.彼氏役のアダム・ガルシアとのロマンスもうまく描かれていた.がんがんに盛り上がったテンションが バーの中では続き見ていてすこぶる心地よい.
キャッチコピー  ここまで過激なのには,理由(わけ)がある!



N.Y.式 ハッピー・セラピー ANGER MANAGEMENT
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  まともな精神のサンドラーは,異常者のレッテルを貼らる. 周囲の悪意に満ちた行動特に精神科医のジャック・ニコルソンのいじめに耐えて耐えて その辺を哀れみながら見るのがこの映画の楽しみ方.そんな仕打ちを受けたら誰でも怒るよ! と深くサンドラーに共感すること請け合い.  ネタバレ→  最初の飛行機内のシーンから裁判所を含めほとんど全てがジャック・ニコルソンの仕込んだ 芝居であり,その上でサンドラーは踊らせられていた.最終的には自己の中に閉じこめて様々なものを解放すること ができなかったサンドラーをどうにかしたいと思った彼女の依頼だったということが明かされる. 中盤まではむかむかするようなもどかしさを観客は感じながら映画を見ることとなるが,最後のネタ晴らしで最後は←  ハッピーな気分になってスタッフロールを迎えることができる.
キャッチコピー  キレる門(かど)には福来たる.



ロスト・メモリーズ LOST MEMORIES
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  チャン・ドンゴン(友へ チング,ブラザーフッド)と仲村トオル(ビーバップ・ハイスクール)の ツートップで送る韓国発近未来SFアクション.警察学校以来の固い友情で結ばれたテロ対策隊員という 設定.安重根が初代内閣総理大臣 伊藤博文を暗殺しようとするシーンから始まる.「もし,伊藤博文が 暗殺されておらずに歴史が進んでいたら」という観点で物語は構成されており,日本はアメリカと組んで WWIIに参戦しベルリンに原爆投下,朝鮮半島も満州も日本の領土というシナリオである.ソウルは 京城府となっている.韓国映画にしては珍しい設定だが,地下で蠢く挑戦独立のシナリオがメイン. 時代背景の作り込みやそれに付随する様々な設定が細かくつじつまがあうように考えられており, とても好感が持てる.最後は「やはり,韓国イデオロギー満載だなぁ」と思う感じになっている.  ネタバレ→  チャン・ドンゴンと仲村トオルは時空を越えて過去に行き,(何故かまた伊藤博文暗殺の時期) そして暗殺を 阻止して,韓国は独立し,今の歴史ができました.(ノ^o^)ノというストーリー← 
キャッチコピー  真実を求め続けた男たちの戦いが,今,はじまる!!



シェイド SHADE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  シルヴェスター・スタローン主演.クイーン・オブ・ザ・バンパイアで美貌を見せたスチュアート・タウンゼント,ガブリエル・バーン, ミッション・インポッシブル2のサンディ・ニュートン,「ウィル・スミス主演のアリ」でボクサーを演じたジェイミー・フォックス,メラニー・グリフィス,らが共演する. 一通りのカードのだましテクニックを疲労した後に,伝説のいかさま師を演じるスタローンが登場し物語の本題に入ってくる. 基本的にはスタローンとシュチュワート・タウンゼントの戦いとなる.要所に挿入される夜景がとても綺麗だった.  ネタバレ→  2人の戦いで,視点をぼかすと裏から数字が見えるカードを使用していることを見破ったタウンゼントが勝負を仕掛けるが, 一枚上手なスタローンが勝つ.絶望する一味だが,実はスタローンとタウンゼントが事前に組んでおり,はめられたのは ガブリエル・バーンとサンディ・ニュートンであったという.終わり方だ.しかし,視聴者としては勝負に負けたタウンゼントが 次なる勝負を仕掛け,スタローンを倒すという筋書きが見たかった.もう一山あるだろうと思ったところで,エンディング・ロールが出てきてしまい,←  少し寂しさが残ってしまった.
キャッチコピー  ギャンブルに成功する方法は2つだけ.幸運を呼び込むか,イカサマをやるか,最後に残るもの(シェイド)は誰だ?



ディープラブ 劇場版 アユの物語 Deep Love
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

本編感想  重泉 充香,古屋 敬多(Leadのボーカル,風見 章子,藤谷 祥子(ライオン先生でデビュー),本田 博太郎でおくる. ライオン先生こと竹中 直人が友情出演で1人2役をこなしている. 「アユ?神様っていると思う?」というフレーズで物語は切り出される.生きることに空虚を感じ,売春を繰り替えす少女「アユ」 がおばあちゃん,犬,心臓病の男の子に影響されながら,感情を変化させていくストーリー.心臓病を治す治療のために 元々は,携帯サイトでYoshi氏によって書かれたものが多くの感動を呼び,伝説となって映画化されたということで,監督脚本Yoshiとなっている. 心の中に彼女らと同じ悩みや心像を保持していなければ,なかなか共感することが難しい.この原作が多くの人の共感を呼んだ ということは,そのような境遇で孤独と戦っていた人たちが思いの外多かったということを表しているのだろう. この作品から読み取ったメッセージは,自分より弱い存在を愛することによって安心し,愛することに邁進する自分に充実感を 得る.そんな充実感でも十分だ.というものであったととらえた.役者は皆熱演しており,物語の世界観に入りやすい.  ネタバレ→  アユは心臓病の古屋 敬多よりも早くにエイズで死ぬ.愛されることで愛することができるのだろうか?「ほしければ与えろ」の 言葉を思い出すような作品であった.← 
キャッチコピー  どうして愛がほしいの? 幸せってなに? ならなきゃいけないの?体を売るって悪いの? それ以外なら売ってもいいの?」



下弦の月〜ラスト・クォーター
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  主演,栗山 千明(キル・ビルvol1,バトル・ロワイアル),HYDE(ラルク・アン・シエイルのボーカル ハイドと読む.), 成宮 寛貴,黒川 智花,落合 扶樹,伊藤 歩らが出ている.マンガで人気を博した矢沢 あいの原作を映画化.HYDEが出演しているだけあって,作品の雰囲気は ムーンチャイルド(Gackt,HYDE)と似ているが,この物語は栗山千明の怪しい美貌に裏付けされた彼女を主軸とした 物語になっている.この映画を見て思う見所は,明るく無邪気に振る舞う栗山千明ともう一つの役目を演じる影のある栗山千明 (スカイハイを思い出すような・・)の両者のギャップを見ながら,その整った顔を堪能することに他ならない. 海岸で成宮 寛貴とたわむれる彼女を見て,はー.かわいいなぁと3回はため息をつくことだろう・・それにしても,彼女は 鼻が高い.横から見るととても顕著である.さすがニューリョークにて「今年のベストパフォーマー19」に選ばれただけはある. これまで栗山千明は死人もしくは死亡確定の狂気じみた役ばかりをこなしてきたが,この映画は,彼女自身と同じ等身大の19歳を演じる 機会であったということも注目すべき所だ.  ネタバレ→  HYDEが「アダム」と名乗り,「Evil Eye」とか言っていることに関して,やや鳥肌が立つが,作品中では何から何まで こじつけて,とりあえず神秘的で不可思議な感じを醸し出そうと躍起になっているので「アダム」も許せる. というか「何でもあり!」という世界観なので,幽霊だろうとどんなに都合の良い設定もありということになるのだろう. 特に,この物語の因縁として強調される「下弦の月」だが,月である必然性は薄く,20年くらいの周期で起こる現象なら何でも良いのではないかと突っ込みが入る. それを題名にして何にでも因縁めいた風を吹かしているところに魅力を 感じる人もいるのだろうが,私はその風のおかげで鳥肌が立ち,風を引きそうになった.←  今後ブレイクしそうな役者として黒川 智花をあげる.
キャッチコピー  19年の月の周期が織りなす悲しき恋.ずっとそばにいるって約束したのに,ごめんね.



ツイステッド TWISTED
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  ハイ・クライムズのアシュレイ・ジャドがエリートでも阿婆擦れでもない独特の雰囲気を持つ女刑事役を演じ, 相方としてゴッド・ファーザーIIIのアンディ・ガルシア,S.W.A.T.のサミュエル・L・ジャクソンが好演する. とても殺人課の刑事に昇進するような人材には見えない女アシュレイ・ジャドは夜な夜なクラブに行き男をあさって 関係を持つ.ワインを飲むと何故か急に眠くなり,倒れるように寝てしまう.自分と寝た男が次々と死体となって 現れる.自分はやっていない.自分は捜査官だ.と思っているが,次第に記憶が曖昧になり,ひょっとしたら 自分が父親のトラウマから精神的に病んでいて犯してしまったことなのかも・・と自己不信に陥り,第一容疑者へと・・ 観客にあれこれ思わせながらストーリーを進行させ,次第に事実を明らかにしていく切り口は実に映画らしい. ただ,後半が急転買いすぎて,着いていくの心の猶予がもう少しほしかった.それにしても,サミュエル・L・ジャクソンには 味がある.  ネタバレ→  やや納得できないが,犯人はサミュエル・L・ジャクソン.ちなみにアシュレイ・ジャドの父親を殺したのもその友人であった ジャクソン.アンディ・ガルシアを犯人に仕立ててアシュレイ・ジャドを納得させようとするが,失敗し,川に浮かぶ羽目となる.← 
キャッチコピー  寝た男達が次々と殺されていく−犯人は“私”?



さとうきび畑の唄
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  明石家 さんま(主人公・父),黒木 瞳(妻),坂口 憲二(長男),仲間 由紀恵(その妻),上戸 彩(長女),勝地 涼(次男), 大平 奈津美(次女),我妻 泰熙(三男),オダギリ ジョー(学徒日本兵),森山 良子 といったかなり豪華な顔ぶれ.TBSのテレビ50周年ドラマ特別企画である.太平洋戦争の開始から沖縄戦までを 沖縄の写真屋である家族に焦点を当ててドラマ化した作品.中盤から出てくる学徒出陣の日本兵オダギリ ジョーと 長女役の上戸 彩の関係が「あずみ」で見せた敵対関係と対比してどのように描かれているかが注目だ. 映画仕立てでなくドラマ仕立てなので,ススの付け方や,爆弾の爆発具合がかなりショボイ.合成が見え見えの場所もかなりあるが ドラマは感情移入しやすく上手にできている.(普通のドラマに比べれば圧倒的なリアリティーである.) 沖縄県民の声を代表したような声を仲間由紀恵が叫ぶシーンがあるが, 沖縄出身の役者だけに独特の訛りも交えて訴えるシーンには迫力があり影響を受ける.軍人的立場から考えると とても甘っちょろい作品であるが,とても共感して涙を流すことを禁じ得ないシーンが沢山見られた.3代前の先祖達の 歩んだ苦行の道のりの上に,私たちの幸せ余る生活が成り立っているということを噛みしめるに良い作品であった. 現在,世界中のどこの国よりも戦争から遠い国であると考えられる日本を戦後築いてきた指導者達と先輩方に感謝したい.  ネタバレ→  坂口憲二は途中からサイパンに行ってあまり出てこない.オダギリジョーと上戸彩のロマンスをもう少し期待したが, それもあまり無い.結局家族のうち三男以外の男は戦死する.← 
キャッチコピー  平和な風景がありました.平凡な家族がいました.



星に願いを
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  竹内結子主演,相手役は吉沢 悠,冨樫 森監督,視覚障害者のための副音声も用意されている.  ノリは「黄泉がえり」で結末の居心地も何となく似ている.看護婦の竹内結子は事故で盲目になった 吉沢 悠の介護をし,お互いの間には心が芽生えていく.手術のためにアメリカに渡ろうかという話をする やさきに,ハーモニカを落とした吉沢はまた事故に合い・・というストーリー. 「そんなこと有り得ねー!」と叫びながら見る映画ではない.それなりにじーん.とさせてくれるのが 竹内結子のすごいところだ.  ネタバレ→ 吉沢は最後にすぅっと消えていってしまうのは切ない. ← 
キャッチコピー  彼は数日間だけ別の人間として生きることを許された.伝えたい・・・.どうしても.あなたの探している恋はきっとここにある.



ロッカーズ ROCKERS
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  中村 俊介,塚本 高史,岡田 義徳,佐藤 隆太,玉木 宏,玉山 鉄二,上原 美佐が出ている. 乗りの良いロックは元気があふれオイオイ.と思うところもある反面.爽快に感じ,好感を持てる 作品となっている.上原 美佐はかわいいが,当初,ニキビメガねキモ系女として出場している.(結構かわいいが) これからの日本映画を担う若い俳優が沢山でているだけに,注目してみたが,ストーリー展開の方は・・・ この物語は陣内孝則監督の実体験を基にしており,本作が長編映画監督デビューとなる.  ネタバレ→ 玉木宏が目の手術後に安静を破って大会にロッカーズが出場し,優勝するというのが この映画の見せ場.お守りが落ちていたのをみて,ああ.玉木 宏死ぬな・・とおもうが,案の定そうなった. ← 
キャッチコピー  好きなのは,女.徳井なのは,けんか.でも愛しているのは,ロックンロール.



花と蛇
★____ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  一世を風靡した杉本彩の主演作品.監督脚本 石井 隆.18禁の作品となっているだけあってそれらしい内容となっている.  未向(みさき)がボディガードとして出ている.内容は,学校の怪談2 の野村 宏伸が会社社長で その妻として世界的に有名なタンゴ・ダンサー 杉本 彩 がいるという設定.社長は賄賂贈賄の 現場の証拠を自分が切り捨てた部下に録画されてしまう.それをネタにヤクザが揺すってきて, 妻をヤクザの経営する秘密パーティーの材料として差し出すことになる.人殺しや, 非道なプレイをショーとして年会費5000万円の会員制セレブクラブに提供するヤクザ. そこでサンザンなSMの境地を疲労するのがこの映画の趣旨.
キャッチコピー  悪魔的な映像が見るものの臓腑を抉り,視線を突き刺す.女優杉本彩が限界に挑んで曝すその全て.SM文学の金字塔「花と蛇」  おぞましきかな「花と蛇」おぞましきかな「杉本彩」その美貌,その裸体.



パルコフィクション
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

本編感想  ウォーターボーイズ,スイングガールズの矢口 史靖監督がウォーターボーイズの次に世に送り出した作品. クエンティン・タランティーノ監督のパルプ・フィクションと間違えそうな色遣いだ. 渋谷のパルコをネタにしょうとストーリーを4本「パルコ誕生」「入社試験」「はるこ」「バーゲン」「見上げてごらん」 で構成される.強いて言えば「パルコ誕生」が一番おもしろかったが,全体的にしけた内容となっている.  ネタバレ→  開けてはいけないといわれた入社面接の時の封筒を開けると・・・PARCOのPとRの穴の部分に 顔を突っ込んでいた.というところまでは良かったが,あとはだからどうしたという感じで時間の無駄観が 強かった.← 
キャッチコピー  矢口 史靖監督がライバル鈴木卓雨とタッグを組んでパルコを舞台に思いっきり遊んだら5つのストーリーになりました.



殺人の追憶 MEMORIES OF MURDER
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  JSAのソン・ガンホとキム・サンギョン,ポン・ジュノ監督作品.韓国で実際に起きて未だに解決されていない事件を 題材にフィクションとして描いたのが本作品.ゲシュタポのような手口で真犯人をでっち上げとりあえず一件落着 似させようとするソン・ガンホ.頭をつかい真犯人へと向かおうとするキム・サンギョン.犯人とおぼしき男を好演している パク・ヘイル.彼の澄んで純粋そうな瞳の奥に隠された悪魔のような魔性がとても役柄にマッチしていて,好印象であった. 今後の活躍に期待が掛かる役者とにらんだ.  ネタバレ→  犯人はパク・ヘイルか?と思いきや,最後でもやはり犯人はわからずじまい.というところにフラストレーションが残る仕上がりである.  しかし,それが故に,ソン・ガンホが田んぼの隣の水路のなかを覗き込み,少女から聴く言葉に対する彼の顔に価値が出てくるという ものなので← その辺は納得したい.しかし,韓国ではあんな捜査が許されているのか?と思うと恐ろしくなる.
キャッチコピー  おまえが殺ったことを憶えているのか?



油断大敵
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

本編感想  長な娘を一人で育てる新米刑事 役所広司 とベテラン泥棒 榎本明.娘の自転車パンクを直してもらったところで その道具を不審に思い,職質を掛けると・・一途な性格から榎本明は役所広司に落とされ,ムショに入る. 100歳まで現役の泥棒を豪語し,毎回ご丁寧に思い出の品を残していく.泥棒と刑事の友情というか因縁を描いた作品. 私の大好きな両役者がライバルとして描かれていると思い,借りた一本. しかし・・最後までついて行けなかったというか,感情移入できなかったというか, 最後に,泣き出した2人の関係と同等に近いところまで自分の心を持っていくことはできなかった.そこまで持って行くことが できないと,しらけてしまう.そんな映画であった.  ネタバレ→  川原の達小便のシーンで突然終わるのは・・え?ッという感じであった.← 
キャッチコピー  泣いて笑って元気になれる,人生応援映画.



福耳
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  福耳を持った工藤官九郎に既に死んだ田中邦江が乗り移り,思い残したことを達成するという 浅草を舞台に繰り広げられるファンタスティックコメディー. 池袋ウエストゲートパーク,木更津キャッツアイ,ピンポン,GO,ドラッグストアガールなど,脚本家として不動の地位を持つ工藤官九郎の主演作品.入院時代に好きになった看護婦 高野志穂を追ってその子の働く老人ホーム の調理係になった.やはり,自分が出演するだけあってそれなりの脚本を用意してきたとおもうが, 名作と言うほどではなかった.とはいえ,十分におもしろく,心温まる内容となっている. 鏡のなかに田中邦江がいて工藤官九郎の本体と話をする様は,滑稽でおもしろい. 作品中では数々の詩人の詩を引用しているので,詩でも勉強してみようかと思わせられる一本.  ネタバレ→  福耳「耳を澄ませば聞こえてくる.それは生きてきた証.それは生きていく証.」作者不詳 ネパール  田中邦江が思い残したことは2つあり,一つは,老人ホームで好きだった女性 司 葉子を他の男から守ること. もう一つは,自分が話し相手になってあげられなかったことで死んでしまった息子のこと.← 
キャッチコピー  「幸福」宿る「福耳」ある日,突然,邦江に!



ドラッグストアガール DRUG STORE GIRL
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

本編感想  町に新しく,ドラッグストアの大型店舗ができた.町の商店街は不買い運動で対抗する. 元彼の浮気でむしゃくしゃしていたことから,なぜかそのドラッグストアでバイトすることとなった 主演の1980年福岡県生まれ田中麗奈.とっても元気でな理系の女を演じている. 商店街の男達は,彼女に心奪われ,ストーカー状態に.そして,彼女の学校をのぞきに行くと, ラクロスをやっていた.柄本 明,三宅 裕司,伊武 雅刀,六平 直政,徳井 優,荒川 良々,らが田中麗奈に熱を上げてラクロスに挑戦する. ラクロスには,男ルールと女ルールがある.男ラクロスはかなり激しいスポーツでアメフト的な要素がある. 脚本は工藤官九郎.クドカンの脚本の良いところは必ず地域に密着しており,その映画などの放映の後に,その地域が活性化するような 物語になっていることである.また,中高年へのエールであふれる作品となっている.しかし,田中麗奈のかわいさに引かれるものの そんなにおもしろいわけではない作品.  ネタバレ→  ジェロニモと呼ばれる徳井 優の存在と町興しのテレビ取材などにより,ネイティブアメリカン(インディアン=ラクロス発祥)の怒りを買い ドラッグストア社長三田佳子の支援を得て,来日させ,対戦することに.あまりの実力差に哀れになるが,インディアンオーラによって 何とか1点だけ入れる.← 
キャッチコピー  元気 足りてる? 毎日に不足がちな笑いと涙と元気を補うサプリメント+コメディ



プルート・ナッシュ THE ADVENTURE OF PLUTO NASH
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  SFアドベンチャー.2087年人類が月に住めるようになった頃,その世界では密輸商として有名なエディ・マーフィー演じるプルート・ナッシュが 主人公.彼の経営するダンスバーが狙われる.追っ手から逃れるために,お抱えサーボーグと共に ハッスルしながら逃げ回る.そのラストで出くわす的のボスとは・・ ヒラリー夫人の1万ドル札が出てくる. また,首からしただけマッチョにしたりする肉体改造が可能な未来を想定している.  ネタバレ→  ラストの的はエディ・マフィー自身であり,彼のクローンを野放しにしていたのがプルート・ナッシュであったという設定. どたばたでお粗末なエンディングにがっかり.← 
キャッチコピー  







弟切草 特別版
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  主演 奥菜恵(人妻),ゲームで人気を博したチュンソフトのマルチエンディング小説「弟切草」のリメイクホラー映画.  序盤から,怖がらせよう,怖がらせようという雰囲気たっぷりの見せ方と音楽で  長坂秀佳監督原作で,坂東真眞砂子原作「狗神(いぬがみ)」とセットで上映されていた作品.斉藤 陽一郎, 大倉 孝二,松尾 れい子らが,ゲームを作る課程となぞらえて物語を作っている.中盤はそれなりにゾクゾクさせてくれたが, エンディングには問題があると感じた.ポスターの印象的な絵はあまり効果的に使われていない.  ネタバレ→  訳もわからず,屋敷を探検していると,奥菜恵には実は妹(本当は弟)がいたことがわかり,  訳も割らず,土砂崩れと,何故か倒れてきた木に車を壊されたために,屋敷に泊まる. シャワーを浴びていた隙に手首に痣があった管理人に犯されそうになるが,何とか助かる. 屋敷内が監視され手いたことに気づき,また,ミイラ死体7体を発見する. 管理人は首つり自殺したと見せかけていたが,実は双子の弟だった.という話だ.しかし, 一人二役をこなしている奥菜恵の弟バージョンの方は,幼少に虐待を受けていて,手首に痣が 在るはずであったが,ない.炎の光が美しく生える綺麗な肢体をしていた.うーん.納得いかない. ← 
キャッチコピー  花言葉は「復習」.この館からは逃げられない.



新・仁義の墓場
★★★★_ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  岸谷五朗の凶暴そうな吹っ切れ顔がパッケージの全面に押し出されており,前々から気になっていたヤクザ映画. 深作欣二x渡哲也の仁義の墓場から三池崇史x岸谷五朗で「新」を付けた題名になっている.  岸谷五朗はこの映画がヤクザ映画初挑戦ということだが,この迫力はすごい.  三池監督もそれを見抜いていたという. 名作「リターナー」(山崎貴監督)で見せたあのぶち切れ顔がよみがえる一本.  その内容たるや・・・本当に,「仁義の墓場」と呼ぶにふさわしい. 元々,「ヤクザにも成れる素質のない男(岸谷五朗)が突然,ヤクザの親分との杯を交わす. そして,オヤジ(ヤクザの親分)が歯医者に20分いっているすきに,地獄に転がり落ちていった. ヒロインは東京ラブストーリーや部屋とYシャツと私(1993)の有森也実が,ダメ男と麻薬と共に地獄に堕ちていく様を演じる.  ネタバレ→ 自分のわがままから,勝手に短気と勘違いを起こし,世話になったオヤジ(山城新吾)をハジき, ムショ奉公中に知り合ったサンザン世話になった兄弟分まで疑って,容赦なく刺し,さらには,また舞い戻ってきて拳銃で あの世に送る. ← R指定
キャッチコピー  戦後暴力史上最も凶暴な男,実在した伝説の狂犬 石川力夫 ヤクザに生きて,ヤクザ全てを敵にした,破天荒な生き様!



マッスルヒート Matchl Heat
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  一言で言うとケイン・コスギが燃えている背景のなかで金網チェーンデスマッチをしている絵を撮りたかった から存在しているという作品.相棒的な存在の刑事 相川 翔が地下組織の賭けコロシアムで麻薬で筋肉増強された 殺人マシーンに殺される.新型麻薬を作るために誘拐される科学者.誘拐される母親と娘.その娘を守るマッスルヒート. ドブネズミと呼ばれる子供達だけのハッカー集団.これらがそれぞれに関わり合いながら,物語は「金網デスマッチ」 の方向へと導かれていく.ストーリーはそれなりによい.良くできている.ケイン・コスギも格好いい. もっとブレイクしても良いはずの映画だと思った.しかし,よくよく考えると,映画を見た後の満足感に 掛けていることに気づく.その理由は,作品の所々に見え隠れする嘘っぽさであろう.
キャッチコピー  Are you ready to fight?



五条霊戦記 GOJOE
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

本編感想  武蔵坊 弁慶役 の隆大介,遮那王役の浅野忠信(殺し屋1),永瀬正敏,船木誠勝,細山田隆人をメインキャストに石井聰亙(いしい そーご)監督が送る 構想10年のサイバーアクションだ.平安時代から武士の時代へと移り変わるさなか,平氏と源氏の戦いが終わり,京の都には 鬼が迫っていた.不吉な星が2つ地球に閉まりかつて無い災いが降りかかるという.隆大介が五条の鬼を退治するというのがメインストーリー. 國村隼,岸辺一徳など,日本映画に不可欠なメンツが脇を固める.作品の舞台は京都のあの「五条橋」 月夜に浮かぶ血しぶきは美しい.隆大介には申し訳ないが,私たちが一般的に描く弁慶像と比べて,小さい.もっと糞でかくて 豪傑な雰囲気を求めたかったが・・・これが監督の求めたものならしかたがない.テーマは弁慶・義経の五条橋の戦の 真相を新たに暴く!ッといったものであるので,こういったオプションもありかと・・  ネタバレ→  紗那王が京の夜に現れる鬼であり,元服の義を執り行うための修行として,京の平家を切りまくっていた.  源九郎義経を名乗る男となる.← 中盤まではかっこよく進んでいたストーリーも,後半ではほとんど 皆殺し状態となり,訳わから図のまま,ああそうだったのね.という感じで終わってしまう.
キャッチコピー  義経と弁慶は本当に悲劇のヒーローだったのか?」



探偵物語
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  松田優作,薬師丸ひろ子,主演.お嬢様である薬師丸ひろ子が数日でアメリカに行くため,ボディーガードと 尾行をまかされていた探偵の松田優作.別れた妻と,売春クラブのヤクザの刺殺事件が主人公達を事件に巻き込んでいく. 大人未満の女性を演じる薬師丸ひろ子のチャーミングさと,微妙な関係を気まずそうにも等身大で描いてみせる松田優作の 演技が見所である.  ネタバレ→  薬師丸ひろ子は学校の先輩に気があった.その彼女はヤクザの営む売春クラブでバイトをしていたが, そのことを親にばらすと脅されていた女は,ヤクザがホテルで女と会うことを知っており,シャワー室の 通気口から進入してヤクザを刺殺した.ヤクザ殺しの容疑をヤクザと警察から掛けられ追われる元妻.それをかくまって ← 2人が事件解決に奔走するのがこのストーリーの全貌.松田優作と薬師丸ひろ子のロマンスも含まれている.
キャッチコピー  ???



純愛中毒 Addicted
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  JSAで韓国兵を演じたイ・ビョンホン主演.ヒロインは韓国映画界を代表する実力派イ・ミヨン.  兄(イ・オル)と弟(イ・ビョンホン)は良い兄弟であったが,兄と弟はほとんど同時に事故に合い,兄は意識不明のまま 植物人間になってしまう.弟は回復したが,記憶は兄と入れ替わり,結婚していたイ・ミヨンへの愛情はそのままに, 体だけが入れ替わる.思い出すだけでも泣けるような物語の始まりであった.  ネタバレ→  この物語の結末を周りの人に言わないでください.という映画だけあって,私はかなりの衝撃を受け,このネタバレコーナーに  結末を書くのも心苦しいが,その結末とは,実は弟は前からイ・ミヨンのことが好きで,兄から婚約者として紹介を受けた時には とてもショックを受けていた.彼女の心を受けるために,事故をきっかけに自分が兄を装い,兄を演じ続けることによって おのが野望を実現しよういうあまりに非日常的で残酷な愛の形に← 大きな衝撃を受けた.邦題が「純愛中毒」 となっていることにも深く肯ける・
キャッチコピー  愛しい人を守るために兄の魂が弟に宿った− ふたりは失われた愛の時間を取り戻すことができるのか・・・



トゥー・ブラザー Two Brother
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  20世紀のフランス領インドシナを舞台に流れる虎物語. 主演はタイムマシン,メメントのガイ・ピアーズ.この映画の見せ所は引き裂かれた幼き虎の子供が 子役のフレディー・ハイモア君にかわいがられ,愛情を深めていくところに在るのかもしれない. しかし,フレディー・ハイモア君よりも現地の村長の娘役,ベトナム系で,パリ生まれのファッションモデル  マイ・アン・レーに目を奪われてしまった. この映画の「すごい!」所は, あの虎たちを間近で撮影して,しっかりと思った絵を撮影していると言うところだ. 犬猫ならばある程度思い通りの動きをするまで待って撮影も継続できるであろうが, 何匹もの虎を広そうなジャングルで思い通りの絵がとれるまで待つわけにはいかない. 「いったいどのように撮影したのだろう?」「まさかCGでは?」と疑わざるを得なかった. 撮影に使われた虎は30頭に達すると言われ,うち18頭は生後7〜12周の子虎であったという. 世界的に定評のあるアニマルトレーナーのティエリー・ル・ポルティエがトラのトレーニングを務めた.  ネタバレ→  ← 
キャッチコピー  「ボクが守ってあげる」



テイキング・ライブス TAKING LIVES
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  アンジェリーナ・ジョリー主演.トレーニング デイのイサン・ホークが重要な役柄を演じる.  人の人生を乗っ取ってはその人間になりすまし,生活をして 都合が悪くなったら次の殺人を犯し,新たな宿主を捜すという狂気犯.FIB腕利き捜査官を演じる アンジェリーナ・ジョエリーは,デンゼル・ワシントンと共演したボーンコレクターを思わせる 捜査官ッぷりだ.勝ち気な女っぷりを演じさせるとたまらない女優である.スタンド・バイ・ミーの キファー・サザーランドもちょい役で出ている.作品中盤からそれらしい 雰囲気は漂っていたが,  ネタバレ→  絵描きの男がテイキング・ライブス(人生乗っ取り犯)であり,キファー・サザーランドを真犯人に 見立てて殺し,事件解決と見せかけた.それに伴い気を許して 恋仲となったアンジーを裏切り,真犯人として自らを暴露する.しかし,ここで終わらないのが, この映画の奥深さだ.さらにもう一仕掛けでアンジーは私たちを欺す.アンジーが倒れた時の 倒れ方で感づいてはおったが・・← というお話になっている.
キャッチコピー  キミノカワリニイキテアゲル



アラモ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  アメリカは1800年代メキシコ領であったテキサスを自由を守る戦いと称して,自分たちのものにした というお話.領土の略奪によって,広大な土地を配当として与えられることを約束されて民兵に志願した 200名足らずの者達が1000のメキシコ正規軍と対峙するのがメインのお話.元は寺院だったアラモを 砦として立てこもり,大砲と火縄銃で戦いをする.アメリカ民兵を主人公として描き,伝説の英雄クロケットの 素顔や,古手の部隊指揮官から若き部隊指揮官への指揮権の委譲,兵から徐々に信頼を受けていく有様を ドラマチックに描いているのが見所となっている.キャッチ・コピーと映画の内容が大いに乖離しており, なんか欺された気分にもなるほどだが,当時の戦争のやり方をかいま見るには良い作品であったと思う.  ネタバレ→ この物語のなかでは,アラモの砦は陥落し,めぼしい主人公達は皆死んでしまう.  ← 
キャッチコピー  愛する人がいた.守るべき家族があった.戦う理由など他にはなかった・・ 1836年テキサス,アラモ砦. 数千の軍勢を相手に立ち向かったのはわずか200名足らずの民衆だった.



スクールウォーズ HIRO
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  名作は今も名作.1980年代にテレビドラマとして人気を博したストーリーのリメイク版.この内容を よくぞ2時間のなかにこれだけ納めた!話を飛ばしすぎると流れを紹介しているだけの作品になりやすく 感情移入しづらいが,大いに泣かせて頂きました.山下真司主演の方がいい!という感想も多そうですが, 照英さんの演技に見せられました.高校の先生なんてやりがいがあるだろーなーと思う反面. 凶暴な高校生に囲まれてコエーなーとも思う.人間は中学・高校・大学のいずれかにスポーツに これ以上ない!ってほど打ち込まなくてはならないんだなぁ.そうでなければなかなかまともな 人間にはならないのかもしれない.と思わせられた作品である.尾上 寛之の演技と,SAYAKAのマネージャー ぶりが見所.
キャッチコピー  おれは今から,おまえ達を,殴る!



ホテル ビーナス THE HOTEL VENUS
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

本編感想  日本人が日本人メインキャストで取りたかったオール韓国語の映画.ウラジオストックあたりの 様々な文化が入り交じる外国における異国情緒をふんだんに表現しているのがホテル ヴィーナスであり,そこで 共生する人間関係を描いている.奇妙な人間関係を理解するのに最初は 苦労するが,心理描写をいろいろな形でしようと試みられているのが好印象だ.画面は白黒だが,頻繁に切り替わるカット構成 によって観客を飽きさせない. 主演の草なぎ剛が韓国大統領 盧武鉉(ノムヒョン)来日の歳にテレビで通訳を行い,日本でオール韓国語の映画を作りたい. と言ったことを実現したという位置づけの映画となっている.水谷美紀と香川照之の夫婦の不安定さが この映画の方向性を物語り,イントロダクション的な役割を果たしている. タップダンス人気に油を注ぐような作品となっており,その辺が見所.でも,全体的には共感できない面が多く, おもしろくない.
キャッチコピー  そのドアを開ける時,やさしさがあふれ,そのドアを閉じる時,涙があふれる.



東京原発
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

本編感想  カリスマ都知事(役所 広司)が都庁裏に原発を誘致するという案を思いつき,都庁の裏に原発を建てると局長クラスの会議で 発言.「最も電気を使っている東京が原発を他県に押しつけるのはおかしい! 原発が嫌なら電気など使うな!!」と豪語する. 局長クラスには段田 安則,平田 満,田山 涼成,菅原 大吉,岸部 一徳,吉田 日出子らの重鎮をそろえ, 徳井 優,益岡 徹,塩見 三省らと繰り広げられるパニック風エンターテイメントは痛快きわまりない. 物語は会議室内で繰り広げられるお役所チックな雰囲気の前半と,どたばたアクション的にプルトニウム輸送に関わる後半とに 分けられる.後半はかなりお粗末な所もあるが,前半の議論に何とか現実味を持たせようと苦心した結果であると見受けることができる. 都知事役の役所広司が出演している映画には,はずれがない!と感じる今日この頃.  ネタバレ→  都知事が原発東京誘致の話をマスコミに発表するのは,東京に原発を誘致するためではなく,それから 巻き起こる議論を通じて国の原発政策に関する国民の関心を高めようとの戦略であり,それはまさしく,この映画が 公表される意義とねらいに等しい.← その意味でこの映画は多くの人の目に触れてほしいし,すばらしいものとなっている.
キャッチコピー  猛毒のパニック・サスペンス・エンタテイメント!東京には原発が必要だ!!



レオン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  あちこちで名作と語り継がれているので,見ておかなければならないと感じ借りた一本.ジャン・レノ主演.当時13歳の ナタリー・ポートマンが大人と子供の愛を描いている作品のようだ.舞台はニューヨーク.少女のオヤジはイケテないチンピラで 麻薬をちょろまかして,一家皆殺しになる.マフィアの幹部には警察の捜査官(ゲイリー・オールドマン)もいて,一家を殺したのはそいつだ. そいつを殺すために殺し屋ジャン・レノのもとに弟子入りする.未成年の無邪気さや無鉄砲さを絡めながら,少女の人生を 描いていくところがこの映画の主幹となっている. ゲイリー・オールドマンは映画シュリで第8軍団の教官役を務めたチェ・ミンシクとすこぶる雰囲気が似ていて役柄がマッチしている. この映画のすごいところは,カット毎の描写のすごさだ.常人には忘れられがちなところを強調して雰囲気を崩すことなく観客に 印象を伝えようとしている.監督:「ニキータ」のリュック・ベッソン.彼がが初めてアメリカで製作した映画ということでも価値がある.  ネタバレ→  最後に少女を逃がしてジャン・レノはゲイリー・オールドマンとやり合って死ぬわけだが,彼が肌身離さずに持っていた観葉植物 を少女の学校の校庭に埋めて物語が終わる.そこが,乙女心の迷いというか本当の恋ではなかったんだ・・みたいなところを表現していたのかもしれない.← 
キャッチコピー  ???



エリン・ブロコビッチ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  アメリカの水質汚染の実態について,企業が住民を欺し続けていたことに対し,弁護士事務所とエリン・ブロコビッチが 戦い,米国史上最高額の和解金を手にした実話の映画.主演はジュリア・ロバーツ.法的な知識はないが,やる気と勝ち気が旺盛な 役を十分に演じきっている.弁護士の自信満々な女の鼻をあかす活躍を見せるシーンがあるが,実に痛快だ. 多少下品だったりお色気攻撃なども織り交ぜながら,目的達成にむかって,最低の生活から 最高の生活に成り上がっていく様.住民からの反感に苦悩しながらも説得して回る様. 弁護士のアルバート・フィニーとぶつかり合いながらも前に進んでいく様.物語の全編を通じて 人間的な魅力を感じ,元気を分けてもらえるのはこの映画の特筆すべき所である. キーワードは有害な六価クロム.
キャッチコピー  全米史上最高額の和解金を手に入した女



アイデン&ティティ IDEN&TITY
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

本編感想  「君の立場になれば,君が正しい.僕の立場になれば,僕が正しい.」など様々な名文句が登場する作品.  映画初出演 峯田 和伸主演.中村 獅童,大森 南朋,マギーらで作るバンドの物語.主人公の峯田が アメリカのシンガー ボブ・ディラン(Bob dylan)の亡霊を見ながらいろいろなことを考えて, メジャーデビュー後にブームが去って沈んでいく様を描いている.浮き沈みのある峯田を支えてくれるのは 自分の世界をしっかりと持ち,紀里谷監督のキャシャーンに出演していた麻生 久美子である. ブームと共に沈んでいくロックミュージシャンの心を体験する機会が得られるという点では有意義な映画であるが, 一般人が映画に求めるものを多く含んでいたかというとそのような気はしない.
キャッチコピー  やらなきゃならないことをやるだけさ.だからうまくいくんだよ.



バリスティック Ballistic: Ecks vs. Sever
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  アントニオ・バンデラス,ルーシー・リューのアクション作品.  タイの超新星カオス監督が放つ「爆破美学」の極致!と謳っているだけあって爆発はすごい!というより多い! 一言で言うと,電車とコンテナの間に爆弾を仕掛けまくって爆発させながら銃撃戦を行うアクション映画. 国防情報局(DIA)という組織の表と裏で思惑は揺れ動き複雑なストーリーを背景に爆発をこれでもか!と見せつける. 火薬許可量スレスレの爆破総計は60回。90秒に1度の炎の狂宴。ということであるが,逆に言うと爆発しまくり!ということ以外に 何も残っていない映画であった.リューシー・リューとバンデラスだからこそできるストーリーと脚本がほしかった!と思わせる一本.
キャッチコピー  狙われたが最後,壊滅必至.バリスティック=弾道.交差する銃弾の幾何学.究極の爆破美学がここに!!



フル・フロンタル FULL FRONTAL
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

本編感想  「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ監督が「エリン・ブロコビッチ」 「オーシャンズ11」に続いてジュリア・ロバーツと組み,低予算で創る映画.  ジュリア・ロバーツ,ブレア・アンダーウッドが出演する. 物語は,断片的に様々なキャラクターの生活を描写する形で進む.一番最初に各キャラクターの紹介が行われ, 彼らの性格や素性を断片的に読み取っていき再構成して,最後のパーティーで絡み合うというようになっているのだろうが・・ 映画を見る前にホームページでも見て,人物相関図や,この映画の見所などを徹底的に研究していないと,かなり意味不明で わけわからん.(HPでチェックしていてもわからん.)この映画のテーマがなんだったのかもわからん. 強いて言うなら,「こんなに低予算でもこんな映画が作れたぞ!」と言うことが言いたいのかもしれないが・・ カットが次から次へと移り変わるため,画面に引きつけられ,2時間飽きることなく最後まで見ることができるのだが・・ 飽きずに見ていた割に,最後まで意味不明なところが2時間無駄にした!という印象を強くする.たいしておもしろい内容でもない 人々の人生をフラグメンタルに無理矢理見せられたという感じ.ソダーバーグがこの映画を撮影するに当たり出演者に課した10の掟というものが あるが,いかにも内輪映画という印象がさらに強くなる.「撮影現場まで自分で運転してこい.」「メークは自分でやれ」「撮影現場に 個室はありません.」「食事は自分で用意」など.
キャッチコピー  ロサンゼルス ハリウッド 8人の男女 24時間の物語 裸の心を抱えて誰もが少し誰かとつながっている



フルタイム・キラー FULLTIME KILLER
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  松嶋菜々子の夫,反町隆史とアジアのヒーロー,アンディ・ラウのコラボレーション.インファナル・アフェア, LOVERSとみせるアンディ・ラウの演技をもっと見たくて借りた作品. アジアNo.1の殺し屋“Oオー”(反町隆史)の座を狙う新人トク(アンディ・ラウ)はオーの仕事を横取りし, 派手な殺しでオーを挑発する.狂気に満ちたアンディ・ラウが殺し屋という裏の世界で何かを満たそうとしているのが この映画の見所.オーは自分の寝床の向かいのビルに陣取って自分の部屋は家政婦さん(ケリー・リン)に掃除をさせてそれを見張る. アンディ・ラウはその女に近づきオーを狙う.作品中には日本語が登場するが,日本人が話している外国語もこのように下手に 聞こえるのか?と言う疑問が抱かれる.  ネタバレ→  警官が2人を追い,途中で気がおかしくなって警察を辞め,2人のバトルを書きつづるためのライターとなる. このライターが物語を綴るという形式で本編は始まり,そして終わる.← 
キャッチコピー  ???



スウィング・ガールズ SWING GIRLS
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

本編感想  映画ウォーターボーイズの矢口 史靖(やぐち しのぶ)が監督・脚本を務めた若者がみんなで力を合わせて何かを達成するというテーマの作品. 監督は,映画館を出たら音楽ができなくても何か楽器を始めたくなるような気分になるように創ったという.すばらしい! まさに,そんな気持ちに させて頂きました. 青春時代を回顧し甘酸っぱくなると同時に,大量のすがすがしさが,彼女たちの笑顔と共に吹き抜けていくそんな作品. この映画のすばらしいところは,若者のすがすがしさと達成感を共感させてくれるだけにとどまらず,エンターテイメントとしてしっかり, 笑わせてくれるところだ.下手にねらった笑いを求めていない観客達が自然に笑みをこぼし,ついでに声もこぼす,そしてそれは,留まらずに 劇場全体の笑いのうねりとなって共感できるようになっている.今までにあまり無い,静止画的な手法を用いてモーメントを上手に 表現した技法.矢口監督すばらしい! この映画のさらにすばらしいところは,本当に,出演者達がジャズを全然 知らないところから訓練して,物語のクライマックスにおける見せ場の演奏では,本当に本人達の演奏であそこまで聴かせている と言う点だ.オーディションで選ばれたメンバーはジャズに関しては全員が全くの素人,吹奏楽部経験者なども含むものの, 楽器に関して真の初心者が5人もいたそうな・・ そういうところにこだわってこそ,こみ上げてくるものがある!  それでいて出演者達は萎縮せずに生き生きとスクリーンで活躍し,好感度も一塩だ.特にまばゆい光を放っていた今後注目の役者は, 以下の4人.主演の上野 樹里(うえの じゅり),豊島由佳梨(とよしま ゆかり)貫地谷しほり,本仮屋(もとかりや) ユイカ, 水田 芙美子(みずた ふみこ),何しろ笑顔が印象的だった.「だず」「だべ」を語尾にくっつける米沢弁にも好感が持てた. ビッグバンド“スウィングガールズ アンド ア ボーイ”平岡 祐太(ひらおか ゆうた) らは,町の皆さんに迷惑を掛けつつも, 愛されて助けられながら目標に向かっていく. 脇役は竹中直人、白石美帆、小日向文世、渡辺えり子、谷啓らが務め,抜かりもない.  ネタバレ→  弁当腐らせて30何人も病院送りにしといてそれですむんか? と言うところと,上野 樹里がコンクール〆切に間に合わず, そのことをみんなに打ち明けずに(しかし,それが,彼女の役柄をうまく表すような行動となっている点がにくい.),当日電車に乗って, 雪だから1バンド欠席というシナリオは都合良すぎ! ← と言うところを除くなら,大満足のシナリオとなっている. 矢口 史靖監督は,山崎 貴監督(リターナー)と並んで,今後特に注目していきたい日本の監督である.
キャッチコピー  ジャズやるべ!



バイオハザードII アポカリプス RESIDENT EVIL:APOCALYPSE
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

本編感想  前作の衝撃と感動をもう一度!! ということで,期待度大にて見に行った作品であるが,前作よりもやや下に位置する.  カプコンの人気ゲームバイオハザード(生物汚染・ウイルスなどによる危険や害)シリーズの映画化で前作と同じく, 映画ジャンヌ・ダルクで活躍したミラ・ミカエル・ジョボビッチが主役,前作のヒットで気をよくし,少々高飛車な 態度が画面のあちこちににじみ出しているのに対し,今回の見所は相棒役のシエンナ・ギロリー. ハリウッド随一のヴィジュアリストとおそれられるアレクサンダー・ウィットが監督となり,はたして,どのような世界観を映し出してくれるのかが 気になるところであった.前作に続き,今回もミラ・ジョボビッチのおっぱいを拝むことができる.ナンマイダブナンマイダブ. しかし,ミラ・ミカエル・ジョボビッチのパワーは増大したものの,魅力は激減といった感じで,やや残念.やはり,2が1を越えるのは 難しいというのが一般的だ. この映画の中でどうしても納得できない点がある.それはネタバレ→ 死者達が墓場からはい出してきて一行を襲うという設定だ.Tウイルスが細胞を復活させて脳内から電気信号を送り,ごく基本的な行動が 行えるようになるという大筋の設定を飲み込んだとしても,一斉に墓の下からわき上がってくるだけの栄養素が死体にあったのか? 多くは土に反ってんじゃないのか? そもそも,地中にそれだけまんべんなくTウイルスが浸透しているなら,一般人は あっという間に全員ゾンビになっているはずだ! 少なくとも空気感染しないってことは土の中にいる奴らに感染し得ない.←  この点がもっとも冷めた部分だった.ホラーの名作「ブレインデット」なら許されるが・・ 本作品では「ホラー」や「感染もの」としての 緊張感よりも,「実はこうだったんだ・・なるほど」を楽しむ面が多くなっている.そして,大局的に,どこまで行っても逃れることのできない 「悪」に対して,レジデントエビルという言葉を使い,表現しているところもおもしろい.こういう終わり方がこのシリーズには似合っている. アポカリプスの意味は究極的な悪の破滅と神の国の出現による善の勝利を説く啓示のことで,ヨハネの黙示録などが該当する.果たして, ミカエルはアポカリプスたり得るのか? ありそうでなさそうな3に期待.
キャッチコピー  タイムリミットは4時間.泣かない,全てが終わるまで.



アイ,ロボット I ROBOT
期待度★★★★_ 公式サイト
評価★★★★_
なんとなくロボットに覇気がないがその分冷酷さが伝わりそうな映画

予告編インプレッション  人間とロボットの関係を倫理的に考えるような議論がなされる時に話題にあがること必至という印象を受けた. メンインブラックシリーズでビックなウィル・スミスよりもロボット:サニーを演じる(声も)アラン・テュディックの寂しげながらも冷徹さが伝わる動きに注目したい.  概念的なロボットの心ではなく,どれだけ「実装」に近い話を打ち出して,ロボットの心を論じているかが,この映画に 命が吹き込まれているか否かの最重要ポイントと見た.
本編感想  ロボットの3原則は過去の作品の焼き直しだとか,ロボットものとしては在り来たりなストーリーだとか言われているが,それでもいい. 単純にすごい.ロボットはオールCGではなく,実際にアラン・テュディックがそれらの動き(声優も)を演じている.役者達は 空間を相手に演技するのではなく,「彼」に対して「ロボット」への演技をしているので,特に終盤にはその辺の効果が顕著に出ていた. ネタバレ→3原則の論理的な帰結として,人間が危険であるという結論が導かれ,そのため,人類抹殺の方向へ 中央コンピューターヴィキがロボット達を導く← といったストーリーはおもしろく,過去のコンセプトにはない. また,自分はロボの恩恵に与っているのにロボを信じない頑固デカ,ウィル・スミスとロボを過信する頑固めな心理学者,ブリジット・モイナハン (コリン・ファレル主演リクルートに出演)の対比的なやりとり,もおもしろい.ところで,「陽電子脳」と呼ばれるものが最近よく出てくるが, 是非とも,基本原理を知りたいものだ.あと,博士(ジェームズ・クロムウェル)は本当にああするしか道がなかったのかを問いつめたい.
キャッチコピー  ルールは破られた.未来は守れるか.



ヴィレッジ VILLAGE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

本編感想  ブルース・ウィルス,ハーレイ・ジョエル・オスメント出演のシックスセンスでブレイクし,上り詰めた監督 M.ナイト.シャラマンの最新作.メル・ギブソン主演のサインは相当駄作で,怒りを感じたが, 今回のヴィレッジ(村の意)はシックスセンスのような視点のパラダイムシフトを盛り込むことができて 満足していると,来日したシャラマン監督は言っていた.予告編を見る限りでは今回もシケてそうな雰囲気だったが・・ 今回この作品にとても好感をもったのは,本編のどこにもうそや妄想・空想・絵空事を  ネタバレ→  含まない,現実にあり得る(保護区の森林の中で何十年も定住することができるのか?という点を除いて)← ストーリーとなっていることだ. これこそがまさに,シャマラン監督のいう視点パラダイムのシフトと言うことであったが,この仕掛け,今ひとつ,衝撃力に欠ける. (ふつうの映画であれば十分な仕掛けだが,「シャラマンが皆さんをまた欺す!!」と銘打っているからには,もう一拳ガツンとほしい.)  本作品もシャマランシリーズの掟として,「監督自らがちょい役として作品内に出演する」というセオリーを貫いていたことは 何となくうれしかった.(M・ナイト・シャマラン氏はMR.ビーンでおなじみのローワン・アトキンソンに似ている.) そろそろ出てくることかなぁと思っていたら,案の定,「この男まさか!?」と目をこらしていたら,一瞬だけ横顔が写った.(シャラマン通は彼の 声だけで解る.) しかも,一瞬の横顔だけでは満足せず,その後,薬の格納されたキャビネットのガラス扉に,約5秒間に渡って,じっくりと 自分の顔をアピールしまくるという演出には恐れ入った.悲しみを背負った人たちの最後の逃げ道として一つの選択肢を提示したことになるが, ネタバレ→ よく考えると,その子供達の知る権利などは剥奪され,ある意味人権侵害← 甚だしい. 前作のサインでメル・ギブソンの弟役をこなしたホアキン・フェニックスが今回の中心人物だ.本作が本格的なデビューとなるブライス・ダラス・ ハワード(目の見えない主人公.)はがんばってはいるものの,「おいおい!目が見えないのに,そんなに走り回るなよ!とか ネタバレ→  ましてや森の中を方向が解るヨシもないのに1晩かけて踏破し,さらにはおそってきた赤い魔物(エイドリアン・ブロディ=戦場のピアニスト主演,今回は知恵遅れ気味の役)までも 自分は何とか這い上がって助かった穴に落とし込めて抹殺する← という活躍ぶりには恐れ入った.
キャッチコピー  森に住む「彼ら」との和解は,崩れ去った・・ 何故?



NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  テーマは「香取慎吾が自分のファンのために自分が知ってる漫画をマンガチックに実写で見せる」といった感じだ.とても, 自己満的な雰囲気が観客に伝わってきて,香取慎吾ファンで無ければ好意的には受け取ることができないだろう.観客の中に, 主人公香取慎吾に関する事前知識があることを前提とした脚本となっており,知名度を利用して客を呼び込み,邦画の地位を 貶めるような作品となっている. 外国の「忍者映画コレクター」のコレクションの一つに加われば上出来だ.ハットリ君の宿敵ケムマキケムゾウはお笑い芸人ゴリが 演じているがとってもマッチしていた.劇場ドデカクリーンのアップに耐えられる田中 麗奈とジャニーズジュニアの知念 侑李(ちねん ゆうり) くんの絡みがなんとかこの映画を救っている.ハットリ君の主(あるじ)こと知念 侑李は序盤は棒読みであった台詞も終盤ではそれなりに 人を引きつける自信なさげな小学生をしっかりと演じている.この映画の良いところは盛り上がりを所々に挟んで, だらだらしないようにしていることだ.特に中盤の見せ場となる  ネタバレ→  知念君のブリーフ一枚での缶蹴りシーン&空蝉の術は← 「おいおい!」と突っ込みを入れたくなるものの,小学生なら それなりの感動や共感が得られるはずだ.しかし,この映画のホームページをのぞきに行くと,明らかに絵が少なく, 小学生向けに作られているとは考えられない構成になっている.しかも,今の小学生は忍者と言えばハットリ君ではなく, ナルト(少年ジャンプ)だ.ハットリ君世代に見てもらおうと作っている割には内容があまりに小学生向きなので, 香取慎吾の自己満作品という感触が強く残った.伊東 四朗,東 幹久,戸田 恵子,宇梶 剛士,升 毅(ます たけし)らが出演している.
キャッチコピー  



コール TRAPPED 2002年
★★★☆_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  ダコタ・ファニング主演.というくらいシャリーズ・セロン(スウィート・ノベンバー,モンスター)を食っている.ダコタは ショーン・ペン主演のアイアムサムで親と子の知能が逆転していく物語の子役を演じた 注目の女の子である.今回は特にストーリーにリンクした重要な役割を演じているとは言い難いものの キューティーな顔立ちと,ギョッと開く目ン玉,存在感にはうなずく.今回はいつもの役柄よりも, 弱々しく幼い女の子を演じている.泣きそうな顔の演技などは演技がリアルを越えるという印象を与えるほどのものだ. 物語の展開は序盤から核心に入っていき,ほとんど前置きなしに,いきなりダコタ・ファニングが自分の家の中で誘拐される.(一応前置きはある) そして,綿密に計算された犯人ケヴィン・ベーコン(アポロ13,インビジブル,ミスティック・リバー)のおもちゃにされていく ダコタの母シャリーズ・セロンとエリート麻酔下界の父スチュアート・タウンゼント(クイーン・オブ・ザ・バンパイアでトムクルーズの後を継いだ男) .際限なく深い親の娘を思う気持ちを大きなテーマとして太い柱を打ち立てた骨のある映画に仕上がっている. 邦題がコールになっているのは,「携帯電話が多用されるから」なのか?最後までわからなかった. アイデンティティーで悪役を好演したプルイット・テイラー・ヴィンスも出ている.  ネタバレ→  じつは犯人夫婦は自分の娘を病院側のミスで殺され,そのミスはダコタの父シュチュアート・タウンゼントであったと 聴かされて,シュチュアートを恨んだ.今回の犯行の前に4件もの誘拐を練習し,ことに望んでいたということがわかる.しかしそう考えた時, ケヴィン・ベーコンの女房役コートニー・ラブ(安っぽい女を見事に演じている.)の行動に不可解な点が多く ← もっと難解な脚本であったのか・・・とも思う.  監督は男が女を愛するとき,メッセージ・イン・ア・ボトル のルイス・マンドキー(マンドーキ).  Amazon.co.jp「コール
キャッチコピー  3つの場所,3人の誘拐犯,3人の人質



ゲロッパ! Get Up!
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  テレビで「こちとら自腹じゃ!」という人の映画を貶しまくる番組の井筒和幸監督作品. 西田敏行(釣りバカ日誌),常盤貴子(赤い月),山本太郎(バトル・ロワイアル),岸部一徳らが出演する物語. 2日後に刑務所でおつとめするヤクザの親分西田敏行へのはなむけとして,大好きだったソウルミュージックの王様ジェームス・ブラウン に合わせてあげようと,部下達山本太郎,桐谷健太,吉田康平らが奔走する.そして,なぜか25年間ずっと音信不通だった娘に会いに行き・・ という物語.全編を通じ本当にそういう人がいて,本気でそういうことをやってるんだなぁという視点で見るのが マッチする映画となっている.この作品で一際目を引く役者は常盤貴子の娘役の太田琴音である.1000人のオーデションから 選び抜かれた素材は,あたかも昔から子役をこなしてきたかのように堂々とそして,しっかりと焼くどころをこなし,終盤では 観客を引きつけるなど今後の活躍がとても期待される.  ネタバレ→  ジェームス・ブラウンのそっくりさんの靴底に隠された総理大臣の赤ちゃんプレイ写真のフィルムを国が1億円でヤクザから買い取り, 超法規的措置を持ち出して最後までなぜ刑務所に入らなければならないのかを明かされなかった刑期5年の西田敏行を無罪放免にして, さらには太田琴音の小学校に乗り込むという結末には・・むちゃくちゃすぎて恐れ入った.細かいところでのストーリーのつながりは皆無.←  脇を固めるその他の役者にはラサール石井,田中哲司,塩見三省,小宮孝泰,徳井優,トータス松本,岡村隆史,益岡徹らがいる.
キャッチコピー  痛快娯楽ムービー爆笑→感涙! おもしろいってこういうこと.



ドラムライン DRUM LINE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  アメリカンフットボールの休憩時間に各校が威信をかけてその優劣を競うバンド.そのバンドの名門校に 焦点をあて,実力はあるがナマイキで上級生から目を付けられる主人公ニック・キャノン(本作初主演:メン・イン・ブラック2にて映画デビュー) とバンドの骨幹,ドラムパート通称ドラムラインのリーダー,レナード・ロバーツとの対立を軸にみんなの成長を描いた作品. 見所は,前半の軍隊張りのバンドマン教育課程と後半の激しいバンドバトル.バンドと言っても3・4人の演奏とは訳が違い チームで見せる隊列やフォーメーションによる統制美・迫力は圧巻.ばらつくバンドをまとめ上げる監督役にはオーランド・ジョーンズ (エボリューション・タイムマシンに出演)が就きかっこよく統率する.  ネタバレ→ リズムを目と耳で盗めるほどのドラムの達人である主人公は実は楽譜が読めないという設定. 最後のドラムラインバトルでは,是非ともソロでやってほしかったが,団体美を強調したかったのだろう.  ← 
キャッチコピー  未体験のビート,驚異のマーチング・バトル!



ヴァン・ヘルシング VAN HELSING
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  さすがは全世界41カ国でNo1を記録し,ユニバーサル史上最強の興行収入を得て大旋風を巻き起こしたVFXアドベンチャー! おもしろい! ありがちなバンパイアストーリーに 新風を吹き込むことに成功したと思う.そのキーとなるのはVFXもさることながら,各役者のかっこよさにあるだろう. 主役のヒュー・ジャックマン(Xmenシリーズの爪男役,ソードフィッシュ),ヒロインのケイト・ベッキンセール(パールハーバー,アンダーワールド), クールながらも野心を狂気を感じさせるニュータイプのドラキュラ=リチャード・ロクスバーグ(リーグ・オブ・レジェンド,ムーラン ルージュ)らがVFX変身と交互に見せるスクリーン映えするマスクこそがこの映画を高めている.この映画のCGがあまりに スムーズでスピーディーで臨場感があるので,この手の次回作はかわいそうだ.例として「デビルマン」などは この映画とかなりかぶる感じがするのでよほどのリアリティを追求しなければならないだろう. ヒュー・ジャックマンの知恵袋というか付き人というかいい味を出して主人公を引き立てているのがデヴィッド・ウェンハムで どこかで見たなぁと思っていたら,ロード・オブ・ザ・リングの2・3に出演している. この映画の世界観で気に入ったのが,「ハーピーのようなドラキュラの下部,その美貌と醜さの共存」「ナウシカに出てくる ドルイド系のドラキュラの下部」そして,  ネタバレ→ 「グレムリンシリーズのアレがエイリアンシリーズの卵からわんさか生まれるというコンセプト」「なぜか,電気の導通部品 として大活躍しているフランケンシュタイン」「ドラキュラを倒すことのできる唯一の種族ウルフマン」 ← ということであうる.
キャッチコピー  世界が待ち望んだアドベンチャー,戦いが彼の記憶を呼び覚ます.冒険が始まる.



LOVERS
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  「HIRO 英雄」の制作スタッフとそれに出てトニー・ジャーと共演していたチャン・ツィー, 金城武(リターナー),アンディ・ラウ(インファナル・アフェア)が おくる「原色系ワイヤーバトルお色気大河ドラマ」である.この映画には「おおっ!」といわせる驚きどころが2つある. 1つは,主演女優チャン・ツィーの舞だ.「スローモーションは使いません!」という映画もあったが,スローモーションによって, 美しい舞をより,堪能することができる.しかし,そのスローモーションによって気付いたことは,「舞があまりにも美しく, そして人間離れした曲芸的な振る舞いの最中は,一切,チャン・ツィーの顔が写っていない.後ろ姿や,顔が画面から切り取られた 状態になっている.しかも,よくよく見るとなんか男っぽい.」ということである.たぶん舞のスタントマン?だな. もう一つの「おおっ!」は  ネタバレ→  欺しているのは金城の方ではなく,チャン・ツィーの方であり,(実は目が見えていた.そうすると,なかなか よいストーリー.序盤では,オイオイ目が見えないのに,森の中を一人で走ったり,できねーだろ!という突っ込みが できなくなる.) さらには,アンディ・ラウが3年前からチャン・ツィーのことを惚れていて朝廷側への内偵であった ということだ.(金城に対して,心配で一睡もしていないとか,一線を越えるなと言っていた意味がとてもよくわかる.) このストーリー上の罠が題名をLOVER ではなく, LOVERS にたらしめている訳だが,意味ありげな「謀」の字からもある程度は 推測できた.← というわけで,後半になれば,突っ込み所は激減する.しかし,それでも,「おいおい!」 と声を上げてつっこみたくなりつつも,「このオーバーさが見せ場なんだろ!!」と自分で突っ込み返しをしたくなるのが 後半の竹藪シーン.朝廷の兵士が「泳ぎまくる泳ぎまくる」.考えてみれば反乱軍もほとんど全員,正確無比のナイフ使いだし, 追っ手の皆さんは,とても芸術的な戦い方をして日本の忍者顔負けだし,音もなく忍び寄る技術は半端じゃねーし, ネタバレ→なにより,ごく短時間のうちに,逃げ道を封鎖するための竹の罠を張り巡らしているし,一人何本 竹槍ミサイルを隠し持ってるんだ!!← と言いたくなるし.有り得ねー!と言いながら感動するという見方が最適だ. 後半の直前に山場が来てしまったような観があり,終盤はそれなりに激しいのだが,少し拍子抜け.うーん.そんなもんだろーなー という終わり方に,納得せざるを得ないのではないでしょうか.ヴィジュアルとストーリーはかなりハイレベルだが, なぜか,全体的な印象は今ひとつであった.最後に,この映画はチャン・ツィーの魅力を味わい尽くすための映画となっている. (検索する時はチャン・ツィイーらしい.)彼女の面構えや精神的強さが表れているような顔立ちが鼻に掛かるという人には 鼻持ちならない時間になるかもしれない.監督はHIROのチャン・イーモウ.
キャッチコピー  世界はもう,彼らの謀(はかりごと)の中



釣りバカ日誌15/ハマちゃんに明日はない!? TSURIBAKANISSHI 15
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  建設会社社長 スーさんこと三國連太朗とその会社のダメ社員営業三課の浜ちゃんこと西田敏行のコンビが 「釣り」というラインを背景に据えながら絶妙のコンビネーションで人生ドラマを展開する人気シリーズ. 劇場公開1,000円という破格を今回も実施して,レイトショーじゃなくても,やすく見ることができる. 今回のゲストは江角マキコ,筧利明(岩手の漁業を支える魚バカ・魚博士).いわてのべっぴんな女性(江角マキコ)を軸に鈴木建設と,リストラ問題, 浜ちゃん,結婚,女の幸せなどなどを絡み合わせて,愉快にほのぼのと練り上げられていくストーリーは, 都合のいい映画ならではの展開もあるものの起承転結・エンターテイメント精神満点に進められていく. 前回,谷啓演じる佐々木課長が次長に昇進し,新しい配役となった益岡徹演じる舟木課長をまんまとだまし, 早速1年間の有給を使い果たし岩手に旅に出るところから物語は始まる.だめっぽいんだけど人間味があふれ, 誰からも愛される魅力にあふれる浜ちゃんのオーラこそがこの映画の最大の魅力であり,それを感じて ほのぼのと心を温めるために,この映画を見に行くのであろう.そういった意味では,日本人に最高の 「エンターテイメント」を与えてくれる作品であるといえる.  ネタバレ→  昔の名作白黒ビデオで女と男の母親とのやりとりを映しておいて,間髪を入れずに,同じ手を江角マキコに 使わせるところが,誰が見てもわかりやすくてよい.(べたべたではあるが・・)← 
キャッチコピー  来た,来た,来たぁ!!“バカ”が輝く夏が来た! ハマちゃんに明日はない!?



リディック THE CHRONICLES OF RIDDICK
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

感想  主人公のヴィン・ディーゼルと彼がどうしても共演したかったというジュディ・ディンチの2枚看板で世に送り出す全くの オリジナル宇宙神話がこのクロニクルである.ヴィンはジュディに出演してもらうため,ロンドンの舞台を見に行き, 楽屋のドアが開かなくなるほどの花を贈ってこの作品に引き込んだという.この作品に関する最初からのファンはいなく, この映画を見てもらってこの世界観のファンになってもらうという冒険をした結果.このような点数となってしまった. まず,物語の土台となる様々な前提条件が,現実世界では受け入れられないことでありながら,その世界では当たり前のようで, それをなんとか理解しながら,ストーリーを読み解いていく.  ネタバレ→  ジュディがなぜ以前はジャックという男の子で今は女なのか? ネクロモンガーのボスだけがもっているあの力は何なのか? そんな力を持っているんだったら,文句なしに最強で,リディックごときに倒される ← ゆわれは無いのではないか?などと 思ってしまう.だいたい,「銀河最強」とうふれこみでリディックを表現しているが,その「銀河」がなんか狭い!! その最強たるゆえんは「目が白内障になっているだけ」 (別に白内障と言うわけではないが,かっこよくはないし,仮面舞踏会での エロおやじを連想せざるを得ない.)ネタバレ→フューリア族の生き残りという宿命らしいが,消えたり出てきたりする あのおばさんも意味ありげで意味無い.← スターウォーズを超える宇宙SFを作りたかったという意図は随所に見受けられるが 残念無念.みているこっちが痛い. この映画の見所としては,リディックの戦いぶりである.近年の戦闘シーンのあり方に 一石を投じようと,「戦闘シーンを細切りにし,カメラをやたらと上下左右に振って臨場感を出しつつ,所々はスローにして 心理描写などを入れ,一撃一撃にやたらと激しくぶっ飛んでみせる.」という手法が使われている.この手法には斬新さという面では 高く評価したいが,はっきり言って,アクション指導の弱さを隠すためであり臨場感の押しつけである感触が強い.そこもまたマイナス ポイントであった.エンディングには少しの驚きが用意されているが,それが本作品のメインではないはずだ.ネタバレ→  結構見せ場であったはずの刑務所内での宇宙猛獣とのバトルシーンもシケシケ.固い鱗らしきものに包まれた猛獣の着ぐるみ具合から 映画全体のショボサがなんかにじみ出ていて,悲しい上に,なぜ猛獣を放すのかが訳わかんねー.しかも, そんなことを勝手にやっていいような権限が看守に与えられているなら,看守があんな孤立無援の星に好きこのんで 生活している理由がわかんねー.(囚人をいじめたい人が給料もらって集まっているだけなのか?) さらに,看守らが ドンパチやってリディックが紐を伝って上ってきた後に,ゾクゾクと,囚人の仲間が彼について脱走しようとしていたが, どうやって上ってきたんだ? 訳わからん. さらに,朝日に当たると,一瞬のうちに燃えて死ぬくせに,そのわずか 数メートル脇にいても,直射日光を浴びなければ,常温同然というあの星の設定がさらに分けわからん.←  まあ,私の文章の方が分けわからんという話もありますが,映画を見てかなりさめてしまった作品でした.
キャッチコピー  これが宿命なら,戦うしかない.



華氏911 FAHRENHEIT 9/11
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  ジョージ・W・ブッシュ vs アル・ゴアのアメリカ大統領選挙から始まり,どのような手を使って選挙をものにしたか から,その後,9.11のテロまでいかに大統領業務を遊んでいたか,そして,テロの報告を受けても小学生といっしょに絵本を読み続けていた こと,その間にいったいどのようなことが頭をよぎっていたのか? アルカイダやアラブの石油利権とブッシュ家のつながり, オサマ・ヴィン・ラディンとブッシュ家のつながり,そして,どのようにブッシュ家が恩恵を受け,利権を手にし,アメリカ国民を だまして操って,不安をあおり,うそを付いて,貧乏な者を戦争に送り,大儀のない戦争を行ったのかを解説するドキュメンタリーである. 監督であり,ナレーターでもあるマイケル・ムーアの徹底的な取材と検証能力,情熱とエンターテイメント構成能力には恐れ入った.  映画としてみるためには,あまりにもアメリカのシステムや当時の選挙の情報,国際感覚やポリティカル・ミリタリーバランスに関する 知識が必要で,あまりに知識を持たずにこの映画を見ると,ムーアの主張を鵜呑みにする結果となる.ブッシュの再選を阻止するために この映画を作ったと公言しているムーアの思惑を最高の形で世の中に浸透させる作りになっていると思う.特に映画の最終的な メッセージになっている「命を犠牲にしてなお護るべき価値のあるものにしか,兵士は命をかけられない.」「ブッシュの利権のために 大儀なき戦いを強いられているイラク国民や米兵は被害者で加害者はブッシュ一味だ.」がとてもよく現れていた. この戦争と対比して,日本の大東亜戦争は,あそこまでたたきのめされても,そこまでして護るべきものがあったのだなぁと 思うに,国民・家族・あらゆる面で大儀があった戦争ではなかったのだろうかと思いを馳せる.日本の礎となられた方々に 感謝したい.映画としては中盤からの間延び感は多少あった.  ネタバレ→  「米国が攻められてます」と報告を受けたあと,7分間にわたって,小学生と絵本を読んでいる顔にアンチブッシュがつっこんでいく 姿がとても印象的.しかし,「まずいなーオサマの所からブッシュ家の利権が侵される・・」などと推測しているかもしれず, ムーアの主張が正しい者だとすれば,アメリカは腐りきっているということになる.一連の行動を支持した日本国民である 私もブッシュ大統領や小泉総理大臣のせいにして思考を停止してはならないと思った.← 
キャッチコピー  



ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ ONCE UPON A TIME IN AMERICA
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ロバート・デ・ニーロ, ジェームズ・ウッズ(ジョンQ−最後の決断−で心臓外科医など)が1920年代禁酒法時代アメリカニューヨークで 成長し,マフィアとして富をなしていく姿が描かれたマフィアものの名作.3時間を超える上映時間はかなりつらい感じがする. 主人公達の顔を数秒間写し続けて心理描写を表現する手法がかなり使用されており,特に後半はテンポが悪い.テンポよく, 展開を見せていく映画ではなく,様々な葛藤の中でやくざな人生を生きていく所をみるための映画だし,俳優は皆注視に値する フェイスを持っているのでそこまで退屈ではなかった.  ネタバレ→  幼い頃から心の中に秘めていたデボラとの関わりを不器用に不器用に描かれていたことがヌードルスの生き方を とてもよく表していてそこがこの映画の見所であったのかもしれない.  ← 
キャッチコピー  あの日,彼らは何を欲し,何に生きようとしていたのか.アメリカ,激動の時代を生きた男達の壮大なポートレート.



モナリザ・スマイル MONA LISA SMILE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ジュリア・ロバーツ演じる芸術教師を主人公に伝統あるお嬢様学校を舞台として繰り広げられる生意気な生徒とのバトルや 1960年代の時代背景をかいま見る映画に仕上がっている.日本的な常識では「そんなのありなの?」と感じるような 設定や人間関係が当たり前のように描かれているのが印象的で古いアメリカを勉強するにはよい教材だ. 当時は「夫の力を最大限に引き出すのが最高の妻」として考えられており(現在でもよい妻は自然とそうするだろうが・・) 男尊女卑の傾向が強かった.そんな中でも,ハイソサエティーな女達は,結婚しながらも教養を身につけていた. 生徒役はキルティン・ダンスト(スパイダーマンシリーズのヒロイン)でとても冷ややかなその目つきはその役柄に ベストマッチであった.いや,それどころか,あまりに冷たく他人を見下すような視線は彼女への好感度をいやおなしに 下げるほどであった.また,ニコラス・ケイジ主演のアダプテーションでいい味をだしたマギー・ギレンホールの 醸し出す切なさ混じりの笑顔は何ともいえず,この作品の格を上げていた.笑顔がどことなく,ドリュー・バリモアに似ている とも感じた.それと,残念なことにお年の割には結構おばさんだな.とも感じてしまった.女を手玉に取り, 嫌みな役柄になりやすいイタリア語教師役をドミニク・ウェストが演じていたが,ジュリア・ロバーツを引き立てるのに 好都合な演技をこなしており,役者だなぁと感心した.この作品の中には様々なテーマがちりばめられていたが, 女性の地位向上がアメリカで今ほどなされる前の時代に,少し進んだ感覚を持った女教師がいい意味で学生に 影響を与え,相互作用によって自分も成長していく.そんな姿をモナリザの笑顔になぞらえて語っていた. ジュリア・ロバーツというと,なんとなく,もう終わった女優という印象が無いわけではなかったが, なかなかさわやかな演技は好印象であった.彼女の次回作「オーシャンズ12」(11の続編)も楽しみになった.
キャッチコピー  ジュリア・ロバーツが全ての女性に贈る“愛”の物語 誰もがみんな愛に迷っていたあの頃− 輝きをくれたのはあなたでした.



サンダーバード THUNDER BIRD
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  この映画を見てつまらないと思うということは,私が少年の夢を見る気持ちを忘れかけているとか,  結局は,ハゲおやじ(「ガンジー」でアカデミー主演男優賞を取ったベン・キングズレー)がネタバレ→  訳もわからず使いこなす超能力(遺伝的という説明になっていたが・・)とおふざけカンフーもどき(柔道という表現もあったが), ヤンチャ餓鬼どものセコセコバトル ← に終始していて,多くのファンがこの映画に求めているであろうサンダーバードマシーンのかっこいい特殊機能 炸裂!ハイテクのオンパレード!という映画には仕上がっていない.(それどころか,恐ろしくアナログ的というか手動というか,マンパワーそのものというような 内容が見受けられる.) オープニングから70年代を彷彿するような原色アニメでスタッフ紹介をして,子供から見れば 自分たちの気持ちを代弁する主人公,大人から見れば,実力もないのに糞生意気な餓鬼である主人公のブラディ・コルベットの 学校のシーンに飛ぶ.のっけからショボサが随所に見られるのは,超大作スペクタクルのCGなどに目が慣れてしまったせいなのだろうか? 隊長ジェフ・トレイシー役のビル・バクストンの子供がブラディ・コルベットという設定だが,作品中盤から「この2人本当の親子なのでは?」 と思わせる表情をかいま見せるのが,すごいと思った. 作品のテーマに「どんなに愛する人で,自分が助けたいと願っていても, 助けることができないことがある.」という国際秘密救助隊サンダーバードにふさわしいものがあり,ビル・バクストンの過去と ブラディ・コルベットの現在とを対比しながら描いていた. それなりの味わいを出して作品に人間味を持たせていたキャラとして ソフィア・マイルズ(フロムヘル,アンダーワールドに出演していた)と執事のパーカーことロン・クックのコンビをあげる. お嬢様・執事のコンビはそれだけでネタになると感じた.作品中最高のダメ顔キャラとしてローズ・キーガンはなかなかの味を 醸していた.
キャッチコピー  THUNDER BIRDS ARE GO! 世界の危機と戦う 伝説の≪国際救助隊≫が 今,出動する!



シュレック2 SHREK 2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  オーガの醜い主人公をドリームワークスが美しくオールCGで描き出すアニメ作品.綺麗系のキャラが少なく, のっけから,オーガ(化け物系)同士のキスシーンが多発し,リアルな描写と相まってややきもい.ストーリーもアニメなだけに 何でもありで,内容は低年齢向き.しかし,この映画の見所は豪華な声優陣にある.主人公シュレックをマイク・マイヤーズが,日本語吹き替えを 浜田雅功がつとめ,フィオナ姫をキャメロン・ディアス,藤原紀香,ロバのドンキーをエディ・マーフィー,山寺宏一,癖付きキャラの 長靴猫をアントニオ・バンデラス,竹中直人が演じる.長靴猫は怪傑ゾロをモチーフにしているだけに,バンデラス(ゾロを演じた)との ハーモニーも見所であった.声優キャストのお披露目会ではキャメロン・ディアスを美しさの面で日本の藤原紀香が完全に凌駕していた という伝説もあり,日本語版の方のできも気になるがまだ見ていない.  ネタバレ→  オーガ専門の殺し屋はあまりに弱すぎてダメダメ.魔法使いの家系はあんなすごいことができるんだったら, その魔法だけですべてを思い通りにして,王様の力なんか借りなきゃいいのにと思う.王様が蛙でもいいけど, フィオナ姫はいったいどこから来たのか?まあ,あまりに適当なおとぎ話設定なので気にしてもしょうがない.←  終盤のダンスシーンはマアマア迫力があってよかった.音楽は日本人に馴染みの深い曲が多く,楽しめた.スタッフロールが始まってから途中で1カットあるので,早々に 立ち去らない方がよいのかもしれない.
キャッチコピー  あの「シュレック」は始まりにすぎなかった.



マッハ! ONG-BAK
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

感想  1.CGを使いません.2.ワイヤーを使いません.3.スタントマンを使いません.4.早回し 編集を使いません.5.最強の格闘技ムエタイを使います.ということで,タイのトニー・ジャーが 主演・アクション指導をつとめるアクション超大作.ジャン・クロード・ヴァンダムが,スティーブン・セガールが そのアクションを披露しようとも,唸ることの無かったという香港映画界は本物志向生身アクションに渇望していた. その香港をうならせまくったという本作には,なるほど納得.電撃が走る感触を覚えた.ハリウッド契約でジャッキーアクションがつまらなくなって きた穴をトニーが埋め,そして飛び越す! 世代交代の瞬間を目の当たりにする快感を味わうことができるというのも, この映画の特典だ.町裏路地での逃走シーン.オート3輪によるカーチェイスシーン.炎の蹴りのシーン. 各登場でのムエタイシーン.最終決戦場での激闘シーン.すべてに本物のアクションであるが故のリアルさが にじみ出しており,本当にやってるんだ!!と思うだけでもメンタマが一際剥き出され,スクリーンに釘付けとなる. また,共演者のベットターイ・ウォンカムラオ(TVチャンピョンの司会者 中村 有二にそっくり)と そのコンビ役で現在理系大学生のブマワーリー・ヨートガモンがいい味を出している.トニーの誠実っぽい 役柄が強調され,典型的なダメキャラを演じきっているところがすごい.ブマワーリーはWebページの キャスト紹介からでは理解できないほどかわいい!この映画を通してファンになってしまった.次期作が 楽しみだ.1にひじ鉄,2にひじ鉄,3・4に膝蹴り,5にバーニング回し蹴り.まったく,すごいものを 見せていただいたぜ!  ネタバレ→  この作品に文句をつけるとしたら,1.師匠からムエタイの封印について念を押されるシーンが序盤に 登場するが,その伏線はむなしく,その後あまり生きてくることはなく,バシバシとムエタイが炸裂する. (それを反省するために,トニー・ジャーが出家するシーンが最後にでているのかもしれないが・・) 2.終わり方が・・ダメダメ.終わりよければ全てよしとはよく言われるが,「終わり方がかなりはずしているが, トニーのアクションに脱帽なので,全てよし.」という言葉がこの映画には似合う.3.ベットターイ・ ウォンカムラオが最後に死ぬときの,ブマワーリー・ヨートガモンの泣き叫び方が少々しつっこく,間延び感が 強かった.←  監督はブラッチャー・ピンゲーオでトニー・ジャーとともに,2005年公開「トム・ヤム・クン」の撮影を 行っており,こいつは楽しみだ.
キャッチコピー  トニーがジャッキーを飛び越える! アクション映画の原点にして,頂点.トニーが新しい伝説を生み出す!



キング・アーサー KING ARTHUR
★★☆__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  はずれなしの異名をとるハリウッドの映画制作第一人者ジェリー・ブラッカイマーのパイレーツオブカリビアン,  バッドボーイズ2に続く作品.西洋史に燦然と輝くアーサー王伝説の序章となる王になるまえの時期を 円卓の騎士とともに描いた作品となっている.歴史に深くない私は,アーサー王の生い立ちから絶命までの 波瀾万丈な物語を言い伝えに沿って学習できるいい機会だと思っていた.しかし,内容は戦闘シーンと アーサー役のクライヴ・オーウェン(ボーンアイデンティティー(マッド・デイモン),全ては愛のために( アンジェリーナ・ジョエリー))とヒロインのキーラ・ナイトレイ(パイレーツオブカリビアン),最強の騎士 ランスロット役のヨアン・グリフィスとのプチ三角関係などに焦点が置かれており,トロイやロードオブザ などで目が肥えてきて久しい私には「十分なできだがどうも今ひとつ,もう一声!」といった感触を 押し殺すことはできなかった.あまりに壮大すぎる伝説の主人公なため,そのストーリーの ほんの一部を映画化することすら大変な困難であるだろうことは感じるが,予言者マーリンに育てられ, ローマに忠誠を尽し,今回の事件を経て,王になり,そして・・というストーリーがみたかった. 肝心の戦闘シーンについてはなかなかよいものの,さすがに伝説となっているだけあって,おいおい. この人数で?不可能だろ.え?可能なの?というように「不可能を可能にするところ」がやや興ざめでもある. キーラ・ナイトレイがさらし姿で大暴れというのも見所だが,どちらかといえば,アーサーの魅力をそいでいるような気もして,  ネタバレ→  両者の結婚からブリテンの発展という「その後」への← 布石ではあるが,どちらかといえば目障りであった. ジェリー・ブラッカイマーにしては,明らかに「はずれ」の部類であっただろう.
キャッチコピー  全ての伝説はこの戦いから生まれた.



スパイダーマン2 SPIDERMAN 2
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  最初っからフィクションだとわかりきっている映画作品にのめり込むにはよっぽどのモチベーション(たとえば 見る前からそれについて興味があるなど)がなければ、興ざめしてしまうものだが、この映画は、『爽快感』がたまらない。 アメコミもいい、恋愛ストーリーもいい、ヒーローvs悪玉もいい、CGもいい、しかし、この映画の見所は、 なんといっても、ビルとビルの谷間を、車と車の間を爽快にすり抜けていくスピード感である!! 夢の中で、 誰しも1度はビルから飛び降りたことがあるはずだ!(勝手に決め付けてみる)その感触を体験できる上に、 うまく立ち回り、うまく飛び回る疑似体験をさせてくれる。これと似た爽快感は同じくアメコミのハルクにおいて体験した。 前作の1から2への進化が、爽快感・前作の上にうまく成り立つストーリー・スケール・ヴィジュアル・どれをとっても 一枚上手であったことは賞賛に値する。トビー・マグワイアは前作終了から「シービスケット」の撮影に入り、やせまくって 2の撮影時にはスパイダーマンの衣装がダボついていたとの裏話があるが、ストーリー前半ではやせていた印象のトビーも 物語中盤からは無理して太ったという努力の甲斐があって、「あごの周辺が妙にタポタポしている。」その辺も見所かもしれない。 あと、評価が分かれるところかもしれないが、ヒロインのキルスティン・ダンストは、ストーリーの中でも役者をやっているが、 そこまで綺麗な人か?と思う。(宇宙飛行士からもスパイダーマンからも愛されるほどか?と) そのほか、ストーリー上の や設定の無理はもともとコミックなのだからしょうがない。それにしては、ずいぶんがんばって現実にそぐうように 表現したものである。  ネタバレ→  最後に、トビー・マグワイアとキルスティン・ダンストが夜景を前にくもの巣の上で語り合うが・・その際の アップのシーンで顔の脇に映るスパイダーマンのくもの巣の糸にとても太いピアノ線とそれに巻きつけてある白い 紐みたいなものが気になって、ストーリーへの集中力をそがれた。(明らかに針金が見えており、とても、スパイダーマンが 一瞬のうちに出したくもの巣の糸だとは思えない太さ。) あと、アルフレッド・モリーナは核融合を成功させずとも、 十分にすごい人工知能とその制御装置および金属の伸縮自在デバイス、さらには人間の神経制御&リンク装置まで開発している のでそっちのほうがすごいと思った。←  しかし、総じてよくできた作品であった。
キャッチコピー  A man will face his destiny. A hero will be revealed.



スチームボーイ STEAM BOY
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  この作品の見るべき所は「こざかしいアニメの技法」でもなければ「声優陣の白熱の演技」でもない. 監督 大友克洋 の思想を見るのである.彼の『科学』という力に対する思想は親子であり天才科学者である [じいさん=ロイド] 声:中村嘉葎雄と[主人公レイの父=エディ] 声:津嘉山正種 のインタラクションによって表現されている. 天空の城ラピュタにおける「ムスカ大佐 = ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」に似たテイストが作品全体においてプンプンするのが この映画の4つ星たる所以である.AKIRAの世界観は直接的にではないが,確実にこの映画に注入されていたことに 驚きと感動を禁じ得ない.ちなみに声優陣について触れると, 主人公レイ は私の大好きな 鈴木 杏 様が御声を発せられておられ,それなりにマッチしているところもあったが,全体的には 棒読み的印象が強かった.残念.レイがしゃべっているのに,「ああ!杏ちゃんの声だぁ(萌え)」と思ったりしていた私の バイアスが問題であったのかも知れないが・・ やはり,杏様の圧倒的な演技力を表現するためにはその表情と御声,四肢から エマージされるアトモスフィアのコラボレーションが重要であると感じた.さて,次にことの本質をとらえずに,自分の視点から のみの解釈をつけて回るこざかしい金持ちお嬢様としてスカーレットが設定されており,ドラマ天体観測や,一太郎シリーズの ジャストシステムの宣伝に出演している小西真奈美 が声を務める.イギリス側の科学軍事顧問ロバートとして 「アタックヂャ〜ンス!」(クイズ番組アタック25司会者) の 児玉 清,ロイドの付き人科学者デイビッドとしてショムニシリーズで印象的な警備員の役を務めた沢村一樹, スカーレットに従事する商売人サイモンとして踊る大捜査線シリーズで副所長を務める斉藤 暁がいる. この声優陣を見てもわかるように,声優一筋のプロ集団というわけではなく,役者が揃えられている. 中村嘉葎雄 扮するロイドじいさんは呆けかける寸前の様な老いぼれ具合と,頑固じじいの雰囲気を同時に醸し出しているのが 好印象であったが,聞き取り辛さがあったのは確かだ.この映画に対して欠点を挙げればいくつかあるが,大友監督が AKIRAで見せたものを別の形で感じたいと願っている人たちにとっては十分な大作となっている. 欠点1.キャラの動きがぶつ切れで飛んでる.(アップルシードやイノセンス・千と千尋などを見て目が肥えてきた 観客を前に,これだけのネームバリュー作品としてはやや,雑だ.)他はネタバレ→  欠点2.終わりよければすべてよしというが,ラストのスタッフロールへ切り替わるシーンはあれでよかったのか?  欠点3.ラストのスチーム城の爆発はスチームの貯蔵庫であるスチームボールが爆発したことによる圧力解法で 放射冷却が起こりああなったものと見積もられるが・・超高密度の上記を格納することが出来るボールが城の外壁や 周辺が爆発を起こしたごときで,破損するとは考えられない.つまり,興醒め. 欠点4.主人公のレイ君はスチームボールを 連結した椅子みたいなもので自由に空を飛び回っているが,どう見ても体を支えているのは両手だけであるので, 普通にあれに乗っかっているだけでも困難だと思うし,ましてや逆噴射による加速度の変化にはついて行けず,体を たたきつけられて即死というのがふさわしい.燃焼系のCMに出ている人ですら到底耐えられない. 欠点5.スチームボール なんていういかがわしいものに超高密度を蓄えられるわけがない! という突っ込みはもっともだが,それは良しと認めた上で, スチーム城から出ている蒸気は多すぎ.あれだけのものを浮かすには全てのパーツがアルミで出来ていたとしても, 地上が跡形も無くなるほどのエネルギーを噴射しなくては無理. 欠点6.例えスチームによって動力が得られても, ロボット兵を自由自在に動かすのは無理.っと思っていたら,中に人が入っていたので,かわいそうに・・と思いながらも 納得.(・_・、) ←  アニメとしてのヴィジュアル的見所としてはネタバレ→ スチーム城内でクレーンの手がアルフレッドによって操作され,レイと格闘するシーン ← が見所! ネタバレ→あと,メリーゴーランドや観覧車が出るところが,思想的にとても良かった.← 
キャッチコピー  僕は未来を諦めない. 少年は「未来」を発明する.



69 sixty−nine
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  妻夫木聡(ドラゴンヘッド),安藤政信(バトルロワイアル) 「半落ち」で裁判官を務めた吉岡秀隆に似ている金井勇太(さよなら、クロ), 柴咲コウ似で番長の女役=水川あさみ,ロシア系ヒロイン=太田莉菜 「天国の本屋 恋火」で存在感を見せた新井浩文などが注目のキャスト. それらを著名人,井川遥,村上淳,岸部一徳,國村隼,柴田恭兵らが囲い込んでいる. 長崎県佐世保育ちで自身の体験をもとに書いてベストセラーとなった村上龍の原作を 工藤官九郎の脚本でBORDER LINEのリ・サンイル監督が撮った作品.PG-12指定が掛かっている映画だけあって, 子供の教育上にはよくない内容だ.舞台は1969の佐世保で爆発のしどころを求めている高校生 を,学生左翼運動や性になぞらえて表現している.妻夫木・安藤・クドカンファンがみればよいという映画に 仕上がっているが,これからの日本映画を担っていく原石がちりばめられている映画としてみるのも またよい.ストーリーの内容上,全般を通じて軽薄な印象を受けるが,69年を知らない世代にとっては 新鮮な印象を受けるのもまた事実.  ネタバレ→  マスゲームなどは,団体の中での自分の役割を幼いうちに認識するよい機会と感じるので, 学校教育に取り入れるべきなのでは? という時代に逆行するような考え方を肯定したくなった.← 
キャッチコピー  青春とはロックとエロスとハッタリである.



ウォルター少年と、夏の休日 SECONDHAND LIONS
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  全体的なノリは,ユアン・マクレガーの近作「ビック・フィッシュ」という感じであった.老い先短いが,莫大な富を抱えている じいさん達,ゴットファーザー,地獄の黙示録でアカデミーノミネートされているロバート・デュヴァル(兄役)と 「ハンナとその姉妹」と「サイダーハウス・ルール」で2度のオスカーに輝いているマイケル・ケイン(弟役)と 近年子役の星「シックスセンス」,「A.I.」のハーレイ・ジョエル・オスメントの物語.じいさま達の遺産を狙って,親戚や セールスマンが押しかけてくる.オスメント君も,ダメ母に見限られて,おじさんの所へ捨てられていった. 最初はおどおどしているオスメント君だが,次第に心が成長し・・・というのがストーリー.作品のメッセージとして 「世の中には真実であるかどうかではなく,信じるかどうかである」「そして,信じるに値することがあるのだ!」という ことが語られており,キーとなっている.ちょっと都合のよい設定もかなりあるが,まあ良いであろう. 原題の Secondhand Lions は Lion に s が付いて複数形になっているところがポイント.(セカンドハンドとは,中古の,いったん人手を介した,古手のという意味.)  ネタバレ→  終盤で,オスメント君が母と決別し,2人の元へ戻ってくるが,あまりにも突然に 精神的成長を遂げていたようで,そのギャップにやや興醒めした.また,オスメント君が大学を卒業するまで,飛行機に乗れない約束だったので,そのあとに,無鉄砲に無免許運転を していたという設定はいいが,納屋に突っ込んで死亡というのは・・・うーん. 大人になって,うそかも知れないと思っていた 2人のお話が,ラストのアラブの石油王の子孫の登場によりにわかに現実味を帯びてくるところが映画として都合がいいなぁ と思う反面.この物語のキモとなっている.← ちなみに,100万回も「ありがとう」を言うほどではないかも・・・なんて思ったりもした.
キャッチコピー  「さようなら」は言わない.かわりに100万回の「ありがとう」を−.



ブラザーフッド BROTHERHOOD
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

感想  どこぞの映画批評サイトで同じ韓国映画「シルミド」とともにぼろくそ言われている映画.「シュリ」のカン・ジェギュ監督作品. 韓国の最高観客動員数を塗り替え1300万人が見たという.朝鮮戦争を舞台に兄と弟の物語を描いた.が 戦争映画の中ではかなりの大作に仕上がっている.さすがはカン・ジェギュ作品.幸せな家族が突然の朝鮮戦争勃発に 巻き込まれ,影響されていく姿がフェクションとしてではあるが見応え十分のストーリーと映像で展開される. 弟 ウォンビン,兄 チャン・ドンゴンのそれぞれのイヤなところやイイところをスクリーンに映し出し,観客を 映画の世界に誘い込む. 戦争の流れは実際の朝鮮戦争に沿って組まれており,朝鮮戦争の第1期・第2期・第3期までが描かれており, 戦史と併せて見るとさらに深く見ることが出来る.戦時下の混乱と人々の心理の推移をおそらく明確に表現していたのには あっぱれと重うと同時に,さすが常時戦時体制に置かれている国だと思った.プライベートライアン以降,やたらと画面を 振るわせる見難い戦闘シーンが主流となりつつあるが,臨場感があってよいし,些細なあらが目に付かなくて映画に集中 できる.「さすがにフィクションだなぁ!ありえねえ!」と思った設定や行動も多々あるが,物語としては素晴らしい仕上がりだ.  こんな愛国万歳お涙激烈アクション映画は1300万人に愛されたというのは納得だ.そんな一本.  ネタバレ→  醒め1:弟が味方に殺されたからと言って,北鮮に亡命したところで,韓国軍の英雄がいきなり 部隊長になれるとは思わない. 醒め2:韓国軍の制服を着たまま北鮮の陣地の中でうろうろ出来るとは 到底思えない. 醒め3:韓国軍の攻撃が始まり両軍入り乱れた状況で,兄を捜しながら,闘う弟は やたらと強くなっていてその辺の兵隊と連戦連勝なのはどうか・・ 醒め4:その戦場で部隊長である兄と一騎打ちが出来るチャンスが到来するのは 都合が良すぎる. 醒め5:いくら怒りで我を失っているとはいえ弟を目の前にして5分間戦い続けて全然気付かないとは思えない.←   ところで,チャン・ドンゴンは,チョウ・ユンファに通じたルックスと雰囲気がある.また,「シュリ」で北鮮 第8軍団の教官役を務めたチェ・ミンシクが,今回も「兄に生け捕りにされる北鮮大佐」ということで出演しており, 微妙な雰囲気を醸し出していた.
キャッチコピー  魂がふるえ,熱い涙がとまらない・・・ 一緒に帰ろう・・・



ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 HARRY POTTER AND THE PRIZONER OF AZKABAN
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ハリー・ポッター自体に特別な興味はない.むしろ,飽き飽きという感じだが,話題の作品と言うことで 目を通した.ダニエル・ラドクリフが大人びてきてもう4はちょっとな・・・というのが率直な感想. 物語はポッター君の大冒険といった感じで,どう展開しようと「ああ.勝手にやってくれ」と言う感じで 受け身にならざるを得ないが,CG技術は前作から更に磨きが掛かり,観客を魔法が土台の世界に引きずり込むことに 大きく寄与している.日本にも萌えファンが急増しているエマ・ワトソンは,第1作目の12歳から, 大きく成長しそっち系のファンを喜ばせるような輝きが増している.ルパート・グリント君は 不安そうな顔の演技がとても良いが,そう言うシーンしか無かった気もする.  アズカバンの囚人がラドクリフを殺しに来るという設定だが・・  ネタバレ→  実はその囚人はラドクリフの死んだ父親の見方敵存在で,ルパート・グリントが飼っていたネズミが 父親を裏切った犯人であったという落ちがある.会うまでは相当な悪役と思わせておいて,会ってみると途端に いい奴だった・・という展開にはやや拍子抜けした.  後半はかなりの序盤から布石をしいておいた時間のパラドクスを用いた巧妙なストーリーが展開されるが, その後の展開はかなり「先読み」することが出来,興醒めか?と思わせておきながら,←  なかなかのスペクタクルで楽しませてもらった.内容的・ネタ的には今ひとつという感じもあるが, 大作であることには間違いなく,総合した出来としては良作であった.
キャッチコピー  エクスペクト・パトローナム!!(あってないかも)



メダリオン THE MEDALLION
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ジャッキー生誕50年日本公開50作品記念大作と言うことで・・(かどうかはわからないが)  今までのジャッキー・チェン映画とは一線を画した仕上がりになっているやや異色の作品. ストーリーは完全におとぎ話で,演出もそのおとぎ話にしっかりと追従しコミカルでオーバーなものに 仕上がっている.それがこの作品とマッチしていて,大幅な違和感や不快感を感じにくい. 異色と表現したのは,ジャッキーの本物志向カンフー映画というこだわりが,ハリウッドプロデュースという ことで,徹底的にいじり回され,不自然なワイヤーアクションが多用されているということだ. ジャッキーの年齢的な衰えを感じざるを得ない.ファンにはやや悲しい作品となっている. 作品のテンポをよくするために,やたらと展開が早く,説明なしにぶっ飛ぶ都合のよいストーリーには やや不快感を感じるものの,それを感じさせまいとする編集によってスムーズな理解を得られるように構成されている. 魚とドラゴンの2つのシンボルが刻まれた2枚のメダルが合わさって少年が扱うときに,不老不死の魂が与えられるという 伝説を突き止めた蛇頭のボスvs香港警察のジャッキー&インターポールのヘボ警官(メリーに首ったけにでていた)リー・エヴァンス &ジャッキーの昔の恋人クレア・フォラーニというのが 大まかな構図.おいおい.それでいいのか?というエンディングと,近頃のヴァンパイアバトルものと非常にかぶるバトルシーンが 印象的であったが,さすがはジャッキー映画.総じておもしろいといえるできになっている.  ネタバレ→ ホーリーチャイルドをクレア・フォラーニの自宅からヘリに乗ったマッチョマンがさらう際に,ジャッキーが かっこよく釣りハシゴに飛び移ろうというシーンで,届かなくそのまま地上に落下していくシーンは爆笑であった. あと,ダメ警官リー・エヴァンスの嫁さんはどこぞのエージェントばりの戦闘能力を発揮し,本編では説明がなかったが, 夫と同様に本当の職業を隠した工作員なのではないか?と思った.  ← 
キャッチコピー  このメダルには謎がある.このメダルには敵がいる.だから,このメダルには命を賭ける.



海猿 UMIZARU
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  さわやか伊藤英明がJapan Coast Guard 海上保安官として主演し,その中でも精鋭で知られる潜水士に焦点を当てて その訓練課程をメインに描くドラマ風映画である。すがすがしくも厳しい男の世界を一般人にもわかりやすい形で 表現しているのが好印象な仕上がりになっている.また,ヒロイン役の加藤あいのストーリーへの絡み具合がいい感じで 作品全体を盛り上げている.ロボコンでダメキャプテンを演じた伊藤 淳史(ちびノリダー)が今回もイケテナイ訓練生として熱演している. (えんせいさんのつっこみにより訂正.) 海上保安庁全面協力ということで各種装備品・船舶はリアリティにあふれる.この映画の影響で海上保安庁への 就職希望者も増えること請け合い!というできだ.男達が公のために身を粉にして自分を鍛えるという姿は美しい. 映画として万人受けする要素を多分に含んだエンターテイメントとしてすばらしい一本に仕上がっている. 踊る大捜査線ザムービー2のスタッフが撮影を行ったということであるが,  ネタバレ→ それらしいシーンが作品後半の査問会議に見られたのは,かれらの介入のせいなのか? その辺の疑問が残る. また,重要な登場人物がしっかりと死ぬことによって,物語内の仲間の団結や,観客の注意を引くという手法が 用いられていた.  ← 
キャッチコピー  カッコつけてちゃ,命は救えない.



下妻物語 SHIMOTSUMA STORY
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  おもしろい.行ったこともない下妻というあまり魅力のなさそうな町にこんなに興味を持たせるようなこの映画は凄い! 主演は深田恭子と土屋アンナ(モデルで映画のお仕事は初挑戦となる.今後の注目株.しかし,最近結婚を表明.).この手の映画は,映画の中だけでストーリーが進行し,観客が付いていくのがしんどい 感じがする(こてこてのシーンやあまりに漫画チックな描写・例リーゼントなどがあるにもかかわらずという意味)が, 中島哲也(監督・脚本)の腕により,随所に「共感の誘発」を促進する効果が盛り込まれており, ミョーに納得してしまったり,感情移入しやすいように作られている.普通の人と全く違った境遇の主人公2人にここまで 共感を誘発させる作品構成は賞賛に値する.それと相まって,自分と異なった世界を垣間見ることが出来るという映画特有の 醍醐味も加速され,さらに,テンポの悪さも感じさせずに素晴らしい作品に仕上がっている.ストーリーはヨーロッパ中世ロココ時代 に憧れ,ロリータファッション 好きで友達を作らないタイプの深田恭子はチンピラ宮迫 博之の娘.彼女はませた考えで1人で生きていく友達なんて要らないと 思っている.地元の大阪を負われて,やってきたのは実家の茨城県下妻そこは田んぼしか無く,ジャスコが最先端.ヤンキー が幅をきかす土地であった.ロリータファッションのためにお金が必要な深田恭子はベル○ーチのバッタモンを売るため 雑誌に広告をだす.やってきたのはヤンキー土屋アンナであった.そして2人で織りなす青春物語が熱い. 「会いたいよ.イチゴ.」「いくぜ.どこでも行ってやる.」「負ける気がしねぇ」など台詞も多数耳に付く. 邦画を代表する面々が適材適所でキャスティングされ作品を盛り立てる. 阿部 サダヲ,小池 栄子,荒川 良々,本田 博太郎,篠原 涼子,岡田 義徳,矢沢 心,生瀬 勝久,樹木 希林  矢沢心はお気に入りの役者だが,「へー.ここで出したか.」と思った.テーマ曲はトミーフェブラリー. 見所は,土屋アンナの88バストを締め付けるサラシのシーン.
キャッチコピー  桃子とイチゴの,あまくない友情!? 史上最低の友情.2人揃えば誰にも負けない.



21g
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  予告編はうまく作られている.本編は,ストーリーを断片化し,時系列を様々にずらしながら,物語を観客に明かしていく. 始まって直ぐの段階で物語の結末はある程度明かされるので,この映画にストーリーの結末を推測する楽しみはない. この映画の本質はその結末へと向かう運命の過程を役者達の演技によって味わうという点である.主演はアイアムサム, ミスティックリバーのショーン・ペン,トラフィック,ハンテッドのベニチオ・デル・トロ.ナオミ・ワッツ.  それぞれに熱演しており,それなりに受け取る物もあったが,  ネタバレ→  交通事故を起こした男と心臓移植を受けて一時は喜んだが,それでも長くは生きられないとわかった男が一人の女を通して 知り合って,それぞれの環境で絶望し,家族がいるのに自殺を志す.← という内容を断片的に見せられるだけで 夢も希望もない.肝心の21gはラストに出演者達の激情との対比で儚さの象徴として扱われる程度で物語の核心とは 関係が浅いし,神様や人の善意の心が自分勝手な生き方にもみ消されていくというストーリーなので,よほど感情移入 しないと,彼らに親身になっていっしょに悩むことは出来ない.そんな映画に仕上がっている. ただ,音楽は 少しいい.
キャッチコピー  誰もがいつかは失う重さ.



クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち CRIMSON RIVER 2 ANGELS OF THE APOCALYPSE
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  リュック・ベッソンxジャン・レノということで期待が掛かっていたフランス映画.ロード・オブ・ザ・リングシリーズで ガンダルフを演じるクリストファー・リーもキーマンを演じている.マジノ線付近を部隊に キリストと12使徒をなぞらえた殺人事件がフランス・ドイツの背後関係を見え隠れさせながら進んでいく. いっけんそれなりに練られたストーリーのようだが・・,神がかったものを演出しようとするあまりの現実感の 喪失の割りに,やっていることは普通の殺人ということで今ひとつの臨場感.唯一これは!と思ったのは 黒装束の男とジャン・レノのダッシュ・チェイスシーン.リュック・ベッソン特異のスピード感が出ていた. 物語の終盤では ネタバレ→  インディージョーンズを彷彿せざるを得ない全体の流れ(それが見せ場だったんだろうが・・)と当然状況から行って 殺されるのが妥当なはずの主人公コンビがわざわざ生きたままつるされているあたり,そして水が流れてきた時に, 身軽な敵兵は流されているのに縛られていた2人だけが何故か助かるという点.それらがかなりの興醒めポイントだ. また,興味の行き所である肝心の財宝については,本だったということだけしか明かされず,そこに何が書いてあったのか や価値などは放置されたまま消えていく.ドイツ軍元将校を演じるクリストファー・リーも自殺するが,その理由は 「窒息して苦しかったから自害したのか」「神の言葉を読んで悔い改めたのか」今ひとつわけわからん.←  それでいいのか! という突っ込み心がクライマックスで打ち消されるまもなくスタッフロールが流れ出す.ストーリーを 一生懸命理解しようと努力をしても,理解したところで報われないような内容の作品となっている.ちなみにHPは無駄に重い. (このHPもそうだが・・) キャッチコピーがこの映画の内容のなさを一番物語っている.(顔ぶれだけという意味,ちなみに 最大と呼べるような謎ではないと思った.)
キャッチコピー  「レオン」のジャン・レノxチュック・ベッソンが挑む最大の謎



天国の本屋〜恋火
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  竹内結子主演,玉山鉄二,香川照之,原田芳雄が出ている.この映画の世界には天国がある.(比喩でない天国) その天国と私たちの住む現世があって,その2つの場所で同時に明かされていく1つのストーリーを第3者の観客として 見ることができるのがこの映画の醍醐味だ.この全容の明し方と伏線の張り方,テンポ・アイディアなどは なかなか見事なものであった.竹内結子は天国では耳を悪くした天才ピアニストとして,現世では そのピアニストの姪として登場し,一つの恋の物語に関わっていく. 香川照之は最近の日本映画には欠かせない 重要な役割を担う役者へと成長してきていて最近は目が離せない.今回もいい味をだしている.一般的なこの映画の 楽しみ所は,玉山鉄二のかっこよさをピアノを通じて味わうといったところだが,いくつかのサブストーリーを通して この映画のような天国・輪廻観を味わったり,夏には一足早い花火を大画面で楽しむのもよい. 率直でかつ新鮮な 印象については,「へー.音楽家(特にピアニスト)ってメロディーさえあればその場でいかようにもアレンジして 様々に編曲し,ほんの少しの音の違いにでも,それじゃ全然ダメだとかいいとかいえるものすごい能力を保有しているんだなぁ すごいなぁ」ということを感じた.  ネタバレ→  最後に,玉山鉄二を現世に返したあと,グランドピアノが野原に置いてあるのはやりすぎだ!!と 思った.(そこがドラマチックであるのだが・・)← 
キャッチコピー  願いはかなう.想いは伝わる.



デイ・アフター・トゥモロー THE DAY AFTER TOMORROW
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  京都議定書に調印しないアメリカ自体がこういう「京都議定書に調印しないと地球は大変なことになるぞ!(特にアメリカが)」 みたいな内容の映画を作るところに,アメリカのリベラルさとすごさを感じる.インディペンデンスデイのローランド・エメリッヒが 監督・脚本を務め,メインの気象学者をデニス・クエイド,その息子をジェイク・ギレンホーク(ムーンライトマイル)が演じ, 家族愛をこの映画の主要なテーマに設置してストーリーを織りなしている.大筋のストーリーはこうだ.地球温暖化>南極の 氷が溶ける>海の温度が下がり塩分濃度が変化する>海流に変化が起きる>異常気象が起こる>極寒の嵐が吹き荒れる>デイアフターツモーロー!!っと言う感じだ.  ネタバレ→  途中で伏線として張られた「オオカミが逃げ出したぞ!!」がいつ生きてくるのか?そろそろだよな.と思っていたら, 船に乗り込むところでやってきました.すっかり忘れていた頃に,ようやくオオカミたちがものすごい勢いでやっています. この手の映画には「時限爆弾のタイムリミット」のようなものが含まれることによって臨場感が増し,観客をドキドキさせる ことが出来るが,この映画の中ではマイナス100度クラスの低気圧が降下してくることがその役割を果たしている. 古代のマンモスが草を食べていた次の瞬間に冷凍されたという例を引き合いに出し,更に臨場感を高めてもいた. また,南に向かうか図書館に残るかの選択においてどちらの意見を聞くべきか判断を迫られるシーンがあり,ハメルーンの 笛吹とモーゼを彷彿させた.← 
キャッチコピー  あなたはその時どこにいますか



キューティー・ハニー CUTIE HONEY
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
キューティー・ハニー
感想  主演の 佐藤 江梨子(イエローキャブ所属 通称サトエリ 現在ジョージアのコーヒーのCMが有名)の知名度を2倍にし,人気を3倍にするための映画. 監督はエヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明.彼の考え出した「ハニメーション」がこの映画の出来を 高めていた.ハニメーションとは実写をアニメのコマ撮りのように撮影して繋げてエフェクトを掛ける 見せ方で,思っていたよりも奇麗だし伝えたいものを伝えられていると感じた.こういう現実的でない 作品はオープニングでの客の引き込みに失敗すると,冷めた目で作品を見なければならず,つらい2時間と なってしまうが,サトエリの決めのポーズがばっちり決まっているところと,オープニングアニメーションへの つなぎ方がすこぶる良いことから,勢いに流されて,ゴールドクローを演じる片桐はいりの濃い顔と濃い演技で 「え゛〜」と思っていた心を作品の世界へと導くことが出来た.女刑事役の市川実日子は雰囲気が宝生 舞(ショムニ)と 江角マキコ(ショムニ)を合わせたような雰囲気で,雑誌「Olive」の専属モデルをやっていた ということもあり,眼鏡を取ると美しい.JAM FILM 2にも出演しているらしいので是非見てみたい. ジョージアのCMでは米倉涼子,矢田亜希子と共に出演しているが,あまり「かわいい」とは思わなかった. しかし,この作品中では見所たっぷり,顔だけにとどまらず,仕草やシルエットも含めてそうとう可愛いということに 気付きました.(モーニング娘。の石川梨華にも見違えるシーンも存在した.)下着シーンや泡風呂シーン,半透明のゴミ袋だけを身につけて町中を走っていくシーンは ファン必見.
キャッチコピー  日本のハートをチュクチュクしちゃう.



スキャンダル UNTOLD SCANDAL
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ペ・ヨンジュン初主演映画.全編韓国語.冬のソナタという韓国ドラマの主人公を演じていたぺは その眼鏡も髪型もイメージも捨てて今回の役柄に没頭しており,よく見ても同一人物とは気づかないほど の変貌ぶりだ.この映画の醍醐味は,貴族を演じるぺの鬼畜ぶりを「ふーん.なるほど.勉強になるなぁ〜 メモメモ..」 と楽しむことだ.ストーリーは,政府高官の妻(イ・ミスク)が子宝に恵まれないため,側室を迎え入れられたことに 腹を立て,その子を事前に妊娠させるように従兄弟のプレーボーイ主人公(ペ・ヨンジュン)に依頼する.(従兄弟であ りながら初恋の相手なので,旦那の高官への復習になる.) しかし,それでは簡単すぎておもしろくないと,結婚前に旦那に先立たれて以来,頑なに純潔を通しているチョン・ドヨン を落とすことになった.しかし,嘘か誠か自分でもわからなくなり,惚れてしまう.・・・・ 作品はテンポが良く, 見ていて飽きないし,複雑な人間関係が比較的わかりやすく描かれている.平安時代の貴族とかってこんな感じだったんだろーなー と思いながら,ため息をつくR−18作品.あの手この手で獲物を囲い込んでいくところは, わたくしごときに出来るものなら見習いたい.(・_・、) 音楽はマッチしている.スタッフロールの後には1カットある.
キャッチコピー  一途な恋か? 禁断の誘惑か?



ビック・フィッシュ BIG FISH
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  過去は奇麗であるべきもの.大げさな話ほど後に残って人々の為になる. 大げさな話ばかりをする父親を息子は信用していなかった.自分が父親になる 前に本当の父親の心を知りたがる子供.ッというストーリー.作品のパッと見の印象は あまり,おもしろくなさそうだが,この作品かなり深い気が私にはした.映画を見終わった後に, 父の偉大さみたいなものがこみ上げてきて,思わず,自分の父親の人生をどれだけ自分が知っているのかを 自分に問いつめたくなり,もっと,父親の話を聞いてみたくなる.人生に何かプラスになるような 影響を与えてくれる一本でした.どんな人間にも人には恥ずかしくて 自分から語り出すことはしがたいが,最も輝いていて「自分はこんなに生きたんだ!」と 誇れる時があり,その時の話をその人が死ぬまでに絶対聞いてあげたい!そんな気持ちが どばどばこみ上げてきました.主演はユアン・マクレガー.  ネタバレ→  父親は病気になり,死期に近づくにつれ,離れていた2人の心は接近. ホントは自分が思っていたよりもずっと大きな存在だったことに気付き,見下していた 自分に何かを感じる← ところがこの映画の最大のポイント.監督はシザー・ハンズの ティム・バートン.ミスティック・リバーに出ていたのはティム・ロビンスなので間違いないように.
キャッチコピー  人生なんてまるでおとぎ話さ.



レディー・キラーズ The Lady killers
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  トム・ハンクス主演.ミシシッピー川沿いのカジノの金庫室から金を奪うため, 言葉を巧みに操る博士の役をトム・ハンクスが演じる.おバカな仲間達と, おバカな作戦で目的を達成し,頑ななキリスト教徒の黒人おばあさんを9デイズにでていた イルマ・P・ホールが演じており,いい味だ. ジョエル・コーエン,イーサン・コーエン(コーエン兄弟)が監督脚本を務めるということで 話題だが,まあまあのできと言わざるを得ない.人の命がコミカルに描かれており,ネタバレ→ サクサク死んでいく← のだが, そのあたりが軽薄で気に入らないという人には,つまらない映画だろう.そこを映画だから といって笑えるか,どうかがこの映画のおもしろいおもしろくないに非常に関わってくる. コーエン兄弟は,腹を抱えながら笑い死ぬほどの作品だと自負しているようだが, 肝心のコメディーも今ひとつ笑えない.  ネタバレ→  壁に掛けてある旦那の肖像がは印象的に扱われているが,ときどき違った顔をしているので それを見つけるのは← 通好みの楽しみ方かも知れない.
キャッチコピー  今度のトム・ハンクスは大悪党!! 史上最強の犯罪エキスパート集団.彼らの火事の強奪計画は 完璧なはずだった.ひとりの老婦人さえ,現れなければ・・.



トロイ TROY
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  コイツは凄い!!歴史物だ! 史実に基づいて作られており,日本人でも名前やストーリーの 概略を知っているギリシャ時代の大戦が舞台だ.ギリシャ最強の戦士アキレスをブラッドピットが. トロイ最強の戦士ヘクトルをエリック・バナが,その恋多き弟パリスをオーランド・ブルームが, ギリシャの王妃ヘレンをダイアン・クルーガーが演じ,ギリシャで3000年前にホメロスによって作られた 「イリアス」を原作としてウォルフガング・ペーターゼン監督がまとめ上げる.うーん.大作だ! 大群と大群同士がぶつかり合う映画は,迫力が違う!それがCGであっても凄いものは凄い. 人間の歴史に敬意を表したくなるような作品であり,また,人間の本質は3000年ごときでは 変わっていない.と感じることの出来る作品.この映画において女性の存在は大きく描かれているが, ブラッド・ピッドとエリック・バナの魅力に圧倒され,ストーリー上の布石くらいにしかなっていない.  ネタバレ→  作品終盤で印象的に登場する巨大な木馬には圧倒されトロイの勝利を象徴するかのように 描かれるが,中からアキレス達が飛び出してきてトロイを滅ぼすので, 嗚呼!トロイの木馬という言葉が現在でも使われているが,本当にその通りの意味だなぁ!! と感心した.← 
キャッチコピー  それは史上最大の「愛」のための戦い



コールド マウンテン COLD MOUNTAIN
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  風と共に去りぬ以来の大作という触れ込みで,A.I.・スターリングラードのジュード・ロウとめぐりあう時間達 のニコール・キッドマンが激しく引き寄せられる一本.ブリジットジョーンズの日記・ダウンウィズラブの レニー・セルヴィガーが好演して作品にアクセントを与えている.ハリウッドを代表する女優No1.の座は ニコール・キッドマンである.という名声と征服感がこの映画から読み取れる.風と共に去りぬのヴィヴィアン・リー ほどの自信と猫のような世界の中心観(自分が一番という感じ)をこの映画のニコール・キッドマンから 感じるほどではないが,すごい.男優ジュード・ロウもすごいが,ニコールに喰われている. この映画は恋愛大作であると同時に,南北戦争当時のアメリカ国内の社会が描かれており, こうゆう風土の上にアメリカが成り立っているのだから,銃や戦争に対する日本人の感覚とは 違っていて当然だなぁと思う.さて,この映画をみてつくづく凄いと思うのはレニー・セルヴィガーの オーラである.一見顔はそこまで可愛くないものの,人を引きつける役者の天性を備えていることが 各カットの演技からにじみ出ている.コールドマウンテンというキーワードが作品の随所で出てくるが, どうも抽象的で,その辺がしっかりと具体的にイメージできる方が,作品としての角は上がったと思う.  ネタバレ→  ラストは悪役を倒して終わり・ハッピー結婚生活というストーリーにして欲しかったが ジュード・ロウがいない方が,エンディングの画面は映えていたのかもしれない.← 
キャッチコピー  もう,あなたの他に命を捧げはしない.



世界の中心で、愛をさけぶ Crying out love, in the center of the world
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  ある恋の物語を現在と,過去とを同時進行させながら観客にうまく見せていく作品. 現在のキャストは「解夏」の大沢たかおと「着信アリ!」の柴咲コウが,過去のキャストはウォーターボーイズ」の 森山未來,「ロボコン」の長澤まさみである.この映画は,プロモーション予告などで柴咲コウが出まくっているため, 柴咲コウと大沢たかおの恋愛ストーリーかと勘違いしてしまうが,「長澤まさみ」の魅力を存分に味わい,観客自身の 過去とダブらせてあ〜あ.長澤まさみみたいな子とあんな経験があったらなぁーと感慨にふける為の映画となっている. 映画への客寄せのために,メジャー看板である柴咲コウを多用しているプロデューサー側の気持ちが伝わってくるが, ハッキリ言って,噛ませ犬に終わっている彼女目当てで鑑賞すると,つまらない映画になっているかも知れない. 大沢たかおの子供時代の配役に森山未來を持ってきたのはすごく正解だ.と思う顔も似ているし雰囲気も出ていた.  ネタバレ→  世界の中心という言葉を遂行するためにわざわざオーストラリアに行くところが,後半の山場だが・・ 長澤まさみと森山未來の2人で是非とも行って欲しかった.柴咲コウがかなり足を引きずっているのが 序盤からかなり目立っていたが,後半で物語に大きく絡む形で,その怪我の理由が明かされるという 脚本には「うーん.納得.」← 
キャッチコピー  愛する人の死。未来を紡ぐ愛―― 愛する人の「死」と生きていくために渇望する「愛」が織りなす、純愛タペストリーの誕生。



スクール・オブ・ロック School of Rock
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  この映画を見て,主役のジャック・ブラックのファンになった方も多いはず.私もその一人,以前から ネバー・エンディング・ストーリー3やジャッカルにも出演していた.前半では,なんだ!コイツが 教師か?世も末だな.という感じでストーリーが進行するが,徐々に,ジャック・ブラックの魅力に引き込まれていく. 彼の演技か素かわからないほどのナチュラルな身のこなしに,見ている観客は彼と,彼の企画する ロックバンドの成功を祈るようになり,お決まりではあるがテンポの良い脚本に載っかって, ハラハラと揺さぶられることとなる.スタッフロールが終わった後の「嗚呼.映画を見たなぁ」という 満足感は他の作品と比べてすこぶる高い.ロックというジャンルの音楽にさほど興味を持っていなかった 私も,本作品に感化されて興味を持ち始めた.こんな先生に教わりたかった.とは思わないが,それにしても, 何か一つを周りの人に伝導させられるだけ,とことん愛している姿は「美しい」.校長役の女性ジョーン・キューザック もその役所を見事に演じ,作品に味を持たせるのに貢献していた. ストーリーは,お金のないロックギターリストであるジャック・ブラックはアパート立ち退きを迫られていた. 自分の勝手な行動のため,所属バンドも首になり,金策に困っていたところに,友人の臨時教師宛に 講師採用の電話がとどく.彼になりすまして,名門校で教師をすることに・・毎日自習という いい加減ぶりであったが,生徒達の音楽の授業を見て,彼の中に燃えるものが・・ みんなで協力し合い, 補い合って何かを達成するというテーマに「ありきたりだが,熱くなれる」一本.  メリーに首ったけ,エヴォリューションに出演しているサラ・シルバーマンは  ネタバレ→ 観客をしっかりとむかつかせるべきところで,むかつかせてくれて,実にその役所を全うしており,← 気に入った.
キャッチコピー  日本の教育をつぶせ! 全米No1教師にまかせろ!!



ドーン・オブ・ザ・デッド Dawn of the Dead
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  「死ぬまでにしたい10のこと」で主演したサラ・ポリーが1970年代の「ゾンビ」のリメイクである本作品の メインキャラクターを演じる.スピード感溢れるゾンビストーリーで話題を呼び,全米では,リング,シックスセンス を凌ぐ興行収益のようだ.見所は,この映画のために,骨組みから作り直されたという疑似ショッピングモール内での やりとりにある.また,「死ぬまでに・・」では見られなかったサラ・ポリーのかっこよさが良く出ている. また,序盤からサラ・ポリーがんばってるなーというシーンが連続して,この映画を真剣に見よう!という気概が 高まる.ホラーの脚本にはつきものの「オイオイ!そうじゃなくて,こうしろよ!!そんなことだれでもわかるだろ!」 という要素が沢山盛り込まれていて大変よろしい. だが,全体的な盛り上がりに欠けるとともに,主人公達を窮地に追い込むための 無理なストーリー展開はやめとけ.というくらいの数々の罠にやや現実に引き戻されて映画の世界にのめり込めないのは 難あり. ネタバレ→  感染者1・・からドンドン感染者が増えていくプロモーションビデオがさんざん流れているが, 最初とされていた少女の前から,感染者がいないと,外に出た時には既にあの状態・・ということには ならないだろ.ッという突っ込み.  見事にキャッチコピーを全うするエンディングには驚きつつも納得.気に入った.← 
キャッチコピー  感染するまで,終わらない.



ゴッド・ディーバ GOD*DIVA
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  ブレードランナーやフィフスエレメントで名を馳せた近未来SFの祖エンキ・ビラルが描く作品の世界. 常識的な起承転結の整った作品とは異なり,監督のオリジナルストーリーと感性をひたすら2時間押しつけられるのが 強いて言えば醍醐味.神と人間の愛の世界を描いているらしいが・・ 主要キャラクター以外は登場人物が 全員CGといった試みが新鮮に感じた.エジプトの神々がピラミットを引き連れて何故かニューヨークの中央に. 秩序なんてあるのか?という世界観の上に,意味不明なことだけで構成された理屈がまかり通る. 登場する全ての人々は,それらを当たり前だと思っているようだ.ふーん.そうなってるんだ.と そのたびに納得して見るしかない映画であるため,予測なんて一切不要.どんな予測を立てようと, 新しい原理・通りの登場で組み立てた推論は一瞬にして粉砕される.ストーリーはぶつ切りワープ状態で もう,どうでもいいよ.結果はどうなったの?と途中で観客が怒ってもいい感じ.と率直な不快感を表したが, それでも,青を基調としたアーティスティックなヴィジュアルには引きつけられるものがあった. 神をテーマにするだけに,理屈なんか考えることが無意味なのかも知れないが,それを好む人でないと, つらいと感じた.今考えてみるとフィフスエレメントがおもしろくなかった理由も同じような感じだったかな. とおもう.主役のリンダ・アルディの  ネタバレ→  スケスケ衣装とえちーなシーンと,CGの女刑事ミョーな衣装でチラチラさせるの← がミョーに気になった.
キャッチコピー  神が憧れたのは,月よりも青い彼女の涙.



ピーター・パン Peter Pan/
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  昔見た別のピーター・パンの方がおもしろかった.作品が凝っているのは伝わってくるが, いかんせんおもしろくない.なぜか? 役者はがんばっているようだし,ストーリーもアクションもよさげだ・・ 分析した結果,「ピーター・パンのキャラクターが何となくむかつく.」これです.ピーター・パンに あるべき爽快感がなんかない.鑑賞していて,「子供のくせに生意気な!」と思わず感じてしまう. (それが自分が大人になって子供の心を忘れてしまったということである.そう思わせてくれるのが この映画の真の目的であるのかも知れない.そうであれば,私はまんまと引っかかってしまったわけだ.) ピーター・パンを見ていて,なんて計画性がないんだ!なんて自分勝手なんだ!人のことなんか考えてない. おもちゃ売り場の前で買って買って〜と泣き叫ぶ子供よりも,腕力や能力が高いだけたちが悪い! などと鑑賞しながら思っている自分にかなり自己嫌悪した.「子供に戻ってネバーランドで大爆発したいな!」 という心を観賞後に抱いて映画館を脱出できる作品であると期待していただけに・・残念であった.  ピーター・パンはジェレミー・サンプター君でくらい一面を持つこの役を見事にこなしていたと思う.  本作がデビュー作になるレイチェル・ハード=ウッド(女の子ウェンディー役)も 冒険に憧れる幼い女の子の視点を良く表現していた.フック船長役のジェイソン・アイザックスは タキシード,ウィンドトーカーズ,ハリーポッターなどにも出ている.妖精役のリュディヴィーヌ・サニエ の演技は無言で気ままで少し意地悪な役をがんばっていたが,やや鼻についた.
キャッチコピー  ボクを残して,君は大人になる.



オーシャン・オブ・ファイアー HIDALGO
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ロード・オブ・ザ・リングシリーズで活躍する戦士で有名なヴィゴ・モーテンセンが主演している. 実在の冒険家・マスタング(馬の種類)保護主義第一人者のフランク・ホプキンスの人生に基づいて 作られた冒険物.アメリカの乗馬レースを制覇しまくるヴィゴは愛馬ヒタルゴ(マスタング:スペイン語で飼い慣らせぬもの の意)と共に世界で最も過酷なアラブのレース「オーシャン・オブ・ファイアー」に出場する. その賞金や名誉のため,幾多の妨害を受けながら,愛馬と共にアドベンチャーを繰り広げるのが, この物語の筋.当初,このあらすじを聞いていた段階では,おもしろくなさそうだな.と思っていたが, 意外にも予想より遙かに観客を飽きさせない出来となっていた.時代背景を理解するのにやや苦労したが, レースのほかにも,人種に関するトピックなどを含んでおり,深く語ることはないけれども, 1つの人種で統一されている日本に住んでいる私にとっては,それなりに得るものはあった. おいおい,本当かよ?と思えるような場面としては,  ネタバレ→  槍が刺さって傷ついた愛馬の回復ぶりや ラストに介錯しようかどうか?というほど死にかけたのに,突然,馬力全開に復活するところであるが, そのくらいの映画チックなところもないと盛り上がらないというものなので よし.←  ほんとうに,このような冒険を経験なさった方が実在しているのですから, 人間何事もやらねばならないなぁと思わせられるところが,この映画の醍醐味.
キャッチコピー  生き残れるか!? それは,史上最も過酷なサバイバルレース.



フォーチュン・クッキー FREAKY FRIDAY
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  この映画の魅力は,親子を演じる2人の女性のとびきりの演技に他ならない.年上を演じるのは トゥルーライズのジェイミー・リー・カーチス.年下はリンゼイ・ローハンである. 性格の異なる親子が不思議な力で入れ替わり,互いの視点に立つというストーリーに2人の 恋が絡み合っていくストーリーはありがちだが,そのありがちなところでこの映画は凄い!と 言わせるだけのものを2人は表現した.入れ替わる前と後で,外見はそのままなのに,人格だけは 確実に入れ替わっている様がありありとスクリーンににじみ出し,観客もその一挙手一投足に 納得しながら「あり得ない世界」を疑似体験できる.聞けば,2人は入れ替わりの演技について 実際にジェイミー・リー・カーチスが母親として演技してみてそれをリンゼイ・ローハンが アレンジし,母親役を表現したという.その逆もまたしかりであったそうな.  見せるべき所を見せて,どうでも良いところは割愛する.そしてなにより多くの人が共感できるという 素晴らしい脚本の存在が,彼女たちの魅力溢れる演技をスムーズに際だたせている.  ネタバレ→  フォーチュン・クッキーを与える未知の存在として,「中国のお茶目なおばあさん」が クローズアップされていたが,白人のアジア文化に対する理解不能的な印象がこのキャスティングに 影響を与えていたことは間違いない.← 
キャッチコピー  未来を予測するクッキーが未来を変えることもあるのです.



パッション The Passion of The Christ
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  メルギブソン監督.ブレイブハートでアカデミー賞監督となったメル・ギブソンが30億円の資材と12年の構想を経て 完成させたというオールラテン語、アラム語で,英語字幕が入っているという,ハリウッドにしてはめずらしい作品だ. この作品の売りは,誰も見たことのないキリストの受難(The Passion)を徹底的にリアリティーにこだわって 再現したということである.そのこだわりようはスクリーンの随所に現れているし,聞けば,脚本まで全てラテン語、アラム語で 書かれているらしい.この映画を見ていて唯一ああ.映画臭い(作り物っぽい)と思ったことは,  ネタバレ→  キリストが痛めつけられて体中血だらけになっている際に,本当の体に傷を付けるのは 役者にどんなに気合いが入っていても,難しいので体の回りに特殊メイクでたぶん皮を貼り付けている のだが,その皮がやや寄って体の全体的なシルエットがやや不自然に見える←  ところである.この作品中で不自然に感じたのはこの点のみで,それ以外は,この映画の中の世界に ドップリと浸かることができる. ストーリーは最後の晩餐から,ユダの裏切り,連行,虐待,ゴルゴダの丘, 処刑,復活というキリスト教圏内では誰もが知っている定説を描いている.軽薄ないい方をすれば, キリストが虐待される.周りの兵士が笑う.悪魔も笑う.の繰り返しという一見 残虐極まりない映画(R-15)(日本ではPG12).なのになぜ,見ている者にこんなにも 何かをこみ上げさせるのであろう. ストレス解消のはけ口として勢いに身を任せる大衆の残虐さ, 息子のあまりに変わり果てた姿を目の当たりにする母マリアの姿.キリスト教徒でもない私が, ぼろぼろ涙を流してしまうこの作品には,単純なストーリーからは分析できない制作者や役者の意気込みや, キリスト自身がやったことに対する普遍的な何かが十分に込められていた.この映画を見るまで, 「十字架を背負う」ということの意味がここまで熾烈を極め,ここまで重々しく,苦しいことであるということを 知らなかった. 日本人の私でさえ,驚異的な衝撃を 受けることとなった作品であるから,アメリカ本土では2人が映画鑑賞中にショック死したというのもうなずける. 昨今の戦争から,キリスト教=悪魔説がささやかれるなか,この映画が公開される意義は大きい. キリストを演じるのはジム・カヴィーゼル(G.I.ジェーン,シン・レッド・ライン).マグダラのマリア にモニカ・ベルッチ(マトリクス2・3).聖母マリアにマヤ・モルゲンステルンというキャスティング
キャッチコピー  誰も描けなかった,真実ゆえの衝撃.



キャシャーン CASSHERN
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

感想  監督・撮影・編集・脚本を宇多田ヒカルのPVをしきる紀里谷和明が行い,エンディングテーマに宇多田ヒカルが 歌う.という点がクローズアップされた映画キャシャーン.漫画の実写化という点はあまり気にせずに見たのだが, この映画・・・テンポが悪い!&ストーリーがつながってねえ! 途切れては飛ぶストーリーや矛盾を観客の 頭の中で補って,一つの映画に完成させて各人毎楽しんでください.というスタンスなのか,監督の紀里谷さんが 頭良すぎるんだか・・ なんでそうゆう流れになるの?と突っ込みを入れてもらうためにそうしているのかは定かではないが, 作品の世界にはとうてい入れない.作品のなかに入っていっしょに楽しむことが出来ないくせに,役者達はやたらと,よろめいては 膝をつき,力尽きそうになっては立ち上がる.そして,思いっきり感情的な雄叫びを上げる.そうすればするほど, 感情移入できていない観客は,作品の世界から更に隔離されて遠のいていく. 役者が気合いを入れれば入れるほど 虚無感が漂い,見ているこっちが寒くなるといった悲しい作品に仕上がっていた.また,宇多田ヒカルのプロモーションビデオ PVを飽きるほど見ている人なら,ああ.この表現は!と思うのがバシバシ使われている.芸術的な描写として1シーン1シーン ぶつ切りにして見るのであれば素晴らしいとも思えるが,映画としてみたら,ストーリー無視の過度な演出に温度計の値は下がる一方.  主人公キャシャーンは赤い月で常盤貴子と共演した伊勢谷 友介.ヒロインは麻生 久美子.ライバルとして唐沢 寿明. その他,寺尾聡,樋口 可南子,要 潤(仮面ライダーアギド) 及川 光博,大滝 秀治,小日向 文世.宮迫博之.などが熱演している.今回特に輝きを感じた役者として,佐田 真由美をあげる. 予告編がやたらとおもしろそうだっただけに残念な一本となった.
キャッチコピー  地を治る新たな新造人間と称し,人間を皆殺しにする.
たった一つの命を捨てて,生まれ変わった不死身の体,鉄の悪魔を叩いて砕く,キャシャーンがやらねば誰がやる.



ホーンテッド・マンション THE HAUNTED MANSION
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  エディー・マーフィー主演.パイレーツ・オブ・カリビアンに続いてディズニーアトラクションのハリウッド 映画化.内容はやや子供向けだが,テンポはいい.ゴールデンウィークに家族で見に来ることを 徹底的に意識して作られている感じがした.(ハリウッドではゴールデンウィークなど関係ないだろうが・・)  ストーリーは不動産屋であるエディー・マーフィーがいわく付きの豪邸を売るために,家族旅行の最中に 交渉に乗り込む.妖しい執事にマンションの中に通され,交渉を早くすませて,湖に早く出かけるはずであったが, 突然嵐になり,マンションに泊まる羽目に・・ ここで家族は奇妙な体験をし,互いの絆を深めながらアドベンチャー を繰り広げていく.パイレーツ・オブ・カリビアンとは異なったコミカルなノリでディズニーアトラクションを 映画鑑賞することが出来,その完成度も高い.子供向けの内容に終わらず,最後には善玉悪玉がハッキリする形で のエンディングが用意されており,だれでも楽しめる一本となっている.しかし,良くできた物語の域を出ておらず, 物語は所詮物語り,映画の中の世界にドップリはまりこめるようなものではなかった.作品から読み取れるメッセージは 沢山あり,どれも大切なことだ.子供にみせるには最適な映画.
キャッチコピー  1000人目のゴーストはあなたかも知れない...



タイムリミット OUT OF TIME
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  デンゼル・ワシントン主演.クレバーな役の多い彼が,この映画のなかではイッパイイッパイになっている .そんなデンゼルを見ることの出来るのがこの映画の最大の売り.田舎の警察署の署長であるデンゼル・ワシントンは 誰にもばれないはずの人助け心から,次第に歯車が崩れていき,うまく回っていたはずの彼の人生は,最悪の方向へと 転がっていく.タイムリミットを表現する映画にはスピードや48時間など,様々あるが,このようなタイムリミットの 追い込み方もとても楽しいということを教わった.最近ハリウッドでヒットしているドハデな映画ではないものの, タイムリミットと綱渡り,そしてデンゼル・ワシントンの演技の組み合わせにより,緊張感のある良い仕上がりとなっている. デンゼルの代表作トレーニングデイに引き続きヒロイン的な役割を務めるのはエヴァ・メンデス.デンゼルの部下でありながら, 事件を暴くために本走.追いつめられていくデンゼル.デンゼルの親友検死官として登場するジョン・ビリングスリーが とってもいい味を出してこの映画にいいアクセントを与えているのは見逃せない.「私もこんな友人が欲しいものだ.」と 思いたくなる存在である.
キャッチコピー  すべての証拠が彼を犯人にしていく 残された時間はわずか



デアデビル
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  2の公開に備えて見た.私の嫌いなベン・アフレックがでている. 目が見えないがクレバーな弁護士(ベン・アフレック)は昼の姿.夜は血を求めて 自分が悪者だと信じた奴らを片っ端から血祭りに上げて生き血をすするやや疑問型ヒーロー. アメリカンコミックの実写としてはなかなかリアルで,夜空を飛び回る描写は 爽快だ.また,ジェニファー・ガーナーとのロマンスも臭わせている. しかし,もともと,原作が好きな人でないと,おいおい.と突っ込みを入れたくなる. とくに,作品の世界観に一回疑問を持ってしまうと,あまりに現実離れした内容に 寒ささえ感じる.(アメコミなんだから現実離れは当然だが・・) デビルと名前が付いているので ひょっとしたら正義のヒーローじゃないのかも知れない.コリン・ファレルが悪役ブルズアイとして出ている. また,キングピンという悪役をミッシェル・クラーク・ダンカンがえんじており,こういう冷たい目の役も いいなぁーとおもった.



運転手の恋 運転手之戀
★★☆__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  日本映画かと思っていたら,台湾映画,宮沢りえ以外のキャストも全員タイワニーズ. 特につまらないというわけでもなく,上映中に早く終わらないかなぁ!と思うこともないが, 宮沢りえが出演していると言うこと以外は,おしどころのない作品.タッチとしては 猟奇的な彼女にもにているが,全然届いていない.主人公がナレーションを勧めるというかたちで 物語は進行する.  ネタバレ→  主人公の男が警察官の宮沢りえに一目惚れ,印象に残るために,何度も何度も 交通違反を犯し,彼女に覚えてもらって最後には結婚するというもの.前半は家族紹介.後半は結婚生活← 
キャッチコピー  ひ・と・め・ぼ・れ



アップル シード Apple Seed
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

感想  こんな,激しく身震いし,脳幹(brain stem)を揺さぶられた作品には久しぶりに出会った!! ラピュタ以来の 感動を禁じ得ない.この作品は「アニメ」というフィルターが掛かっているために,一般人には近寄りがたい 印象が大きいが,良くこの壮大なストーリーを2時間で納めた!偉い!といいたいし,良くこのリアルさを, ヴィジュアル的美しさをここまで出した!凄い!と思う. この作品は,実写では絶対に出来ないアニメだからこそ出来ること, 実写よりも現実感を観客に伝えていると感じるすさまじさ,この2つを見事に実現してくれた. ハッキリ言って主人公の女は美しすぎる上に,欠点がなく,鼻につく.だが・・そんなことはどうでも良い. アニメオタクでなくても,登場するキャラクターに恋するくらいのビジュアル.躍動感. セル画ではとうてい辿り着くことが出来ないと感じるVFXとCGの世界.初っぱなから,ガッツリと 作品の世界に引きずり込んでくれる.そしてそこから,世界観を説明し,徐々に明かされるストーリー と深まる謎.機械フィギュアバトル好きでなくとも引き込まれる戦闘シーン.現実世界に無い設定を 無理なく受け入れさせてくれる解説.なんだかわけわからんうちに感動させられている終盤. それでいて,何か普遍的なメッセージを含んでいるところが,またにくい.終わり方も アッサリハッピーエンド.万事オーライとくれば,観客は満足してスタッフロールを最後まで 眺めてしまうというものだ. 全世界での公開が決定したようだが,そりゃもう当然!といいたくなる. 正直,一番最初に,フルCGの背景が沢山流れ,所々に,明らかにアニメのキャラクターが映る際に, やや違和感を感じたが,次第に,とても良くマッチしてくる.それどころか,実写よりも,美しくまた 愛おしくさえ思えてくるのは監督の荒牧伸志の力なのだろうか? ここまでの力作だと,この映画を 2時間で終わらせないで,10話くらい作って頂きたいと思ってしまう.押井守のイノセンスも 良かったが,その比ではないすばらしさがこの映画にはあった.無理をしてでも人に勧めたいと思う名作である.  ネタバレ→  私にとっての一番の鳥肌どころは,のっけの戦闘シーンもさることながら,ラストの多脚砲台が メキメキ動き出すところだ.近づくE.S.W.A.T.の機体を虫けらのごとく,粉砕する.「圧倒的・究極の攻撃力」 を象徴するにふさわしい力.いくつもの目玉が,正確無比に外界を捉えて目的を達成しようとする姿がとても 印象的だった.この映画の魅力を高めた要素にハデスの存在をあげる.個人的にはハデスにデュナンの眉間を ぶち抜いて欲しかったが,実際は逆の結果となった.← この映画の設定の中には今後,実世界で, しっかりと話し合っていかなければならないような問題が沢山含まれているような気がした.制作者の皆様 には感謝の言葉を申し上げたいものです.
キャッチコピー  2004年、この一本から“映画の未来”が始まる。



恋愛適齢期 Something's Gotta Give
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  63歳にして独身プレイボーイを演じるのはアバウトシュミットでくたびれた老人役を熱演したジャック・ニコルソン. お相手の女性は目元が優しいダイアン・キートン.恋敵にキアヌ・リーブスといったキャストで繰り広げられる. 熟年層の恋愛ストーリー.この映画の見所は,50・60でもまだまだ恋愛できるよ!という気にさせてくれるところで, ほんわかと心が温まる.ジャック・ニコルソンの甘いささやきには,男でもしびれてしまうし,ダイアン・キートンの 演技は素晴らしく,この映画の質を2倍にも3倍にもしている.物語に決着が付き書けた時に,蛇足気味に だらだらと話が続く印象を途中に持つが,そこで物語は2転3転するので目が離せない.あまりに都合のいい設定は 多々あるものの,間髪を入れずに進むストーリーがそのことを忘れさせてくれる.若い私にはまだわからないが, でもとても共感できるような展開が用意されており,非常に楽しめた作品となった.ニコルソンの当初の恋人として 出ていたアマンダ・ピートはチェンジング・レーンにも出ていた女だ.私も年を取ったら,作品中のダイアン・キートン のように,心を解放できるような人間でいたいと・・そう思った.
キャッチコピー  世代を超えた全ての女性へ−自分らしく生きている時が「恋愛適齢期」



ディボース・ショウ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ディボースとは離婚のこと.腕利き弁護士を演じるジョージ・クルーニーと,シカゴのキャサリン・セタ・ ジョーンズが描く恋愛・結婚ゲーム.結婚した男女が別れる時にその資産を2分する. 結婚してから,浮気の決定的証拠を突きつけて離婚し,金を儲けるという悪女をキャサリン・セタ・ジョーンズが いったいどのように演じるのか? アメリカの大富豪がこのような結婚詐欺のような手口で財産をもぎ取られないように あるのが,婚前離婚契約.この制度が作品中でどのように扱われ,機能するのかが見所. 見事な騙し合いが観客を作品の世界に吸い込む・・・しかし,一部では,かなりお寒い話もあり, 映画の世界から一気に放り出される展開もある.これは残念.その点,つまり  ネタバレ→  殺し屋が出てきてお寒い死に方をするあたりが,急に現実離れしていて,ウィットに富んだ 法律vs騙しのバトルに大きな水を差している.また,死にかけ人造人間のような法律事務所の 会長らしき人の存在も,このドラマをお寒い方向にぐいぐい引っ張っている.← これらさえなくて ストーリーが締まっていれば,おもしろい映画になったものを・・・残念である.
キャッチコピー  結婚−この世で最も危険な約束.



ノイズ
☆____ gooサイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画

感想  ネタがないのにプロデューサーが無理矢理映画化した.という感じの映画. 引っ張って引っ張って,肝心のブツは出てこない.私たちの心の中で勝手に作ってください.という ユーザーフレンドリーでないホラー映画.パッケージにはリングやボイスを意識したコメントが書いてあるくせに, 比較に値しない出来.想像力を駆使することによってそれなりにCoolさを感じることもできるが, まさか!ここでスタッフロールが出てくるんじゃないだろーな・・・と思ったら, やっぱり出てきてしまった・・ブレアフィッチをやや意識していたような雰囲気もある. 韓国映画を見なければ気が済まない!という人でなければ・・きつい映画だ・・
キャッチコピー  見たな.死ぬぞ・・



青春バカチン料理塾
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  最近久しく出会っていなかった気がする.こういうタイプの映画に・・・ こういうタイプとは, 「見ているこっちが恥ずかしくなる.ムズかゆくなる.自分はその映画の制作者でもないのに, 観客にごめんなさいと謝りたくなる.」というタイプの映画だ. 主演の後藤真希もしくは,武田鉄矢が 好きで好きでたまらないという人以外は,あまりの息苦しさに,途中で席を立たずには,窒息死してしまいかねない. 特に後半では,明らかに,台本のページを飛ばしてしまったかのような話の飛躍や,その言葉をしゃべるなら, 事前にその言葉をしゃべるに値する映像を見せてからにしてくれ!と言いたくなるような脚本にはまいりました. 後藤真希のプロモーションビデオの域を出ていないのは武田鉄矢さんに失礼というものだ! しかし,何はともあれ 後藤真希は可愛い!!
キャッチコピー  



テキサス・チェーンソー THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  見ているだけなのにこっちまで痛くなるような映画は本物だ! ということにすると,この映画は「本物」 と言うことになる.痛い映画と一口に言っても,劇場にいるのが気まずい痛さとか,監督の自己マンが痛い 映画とか色々あるが,この映画は脳内の痛覚を視覚経由で刺激する「バリバリチェーンソー&狂気ドキュメントホラー」に仕上がっている.映画の始まり方や終わり方が,「斬新」というわけでもないが,すこぶる良い. 初っぱなのネタで最後の展開が読める.ホラーに必ずある「ああ!なんでそこでそうするんだよ!! こうすれば,解決するじゃないか!!」と観客を焦れったくさせる演出も盛りだくさん.せいぜい, いらつきながら見るのが吉.  ネタバレ→  最初の女がバンの中で口走った「お家に帰りたい」などの言葉を主人公達も,後々口ずさむ羽目になるんだろーなー という推測は,その通りになった.でも,すこし状況に合わない感じがしていらついた.(さっきまで,冷静な 判断で逃げていた主人公のジェシカ・ビールが突如として放心状態になり思考停止して,運転手のハンドルを取るあたりが興醒め.)← 
キャッチコピー   お願い、あの音を止めて・・・・・。恐怖はリアル(真実)になる。



A.Q. Antwone Fisher
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  デンゼル・ワシントンが軍の精神科医かセラピストを務める実話を基にしたアメリカの子供虐待事情を テーマにした作品.題名のA.Q.とは I.Q. 知能指数とか E.Q. 感情指数などを想像して関係あるものか? と思ってしまうが,原題にもなっている主人公の Antwone Q. Fisher の頭文字にすぎない.(当然, 邦題を付けた制作者側はそのような誤解を意図的に誘い認知度アップに利用したのだと思うが・・)  両親を知らない子供 Fisher (デリク・ルーク)は海軍で水平として勤務しているが,短期で問題ばかり起こすセラピーを受けるよう命令され デンゼル・ワシントンの指導を受けることになる.次第にあかされていく デリク・ルークの過去・虐待の真実.それと同時進行で進む恋.デンゼルの家庭問題も絡んで物語は おもしろい方向へ. こういう映画を見ていると,つくづく,幼少期の虐待は人格形成に重要な影響を 与えるのだなぁーと愛されて育ったという自覚のある私はつくづく幸せに思う.どんな小さな子供で 何も覚えていないだろうと思っても,一人の人格を持った人間として接することがどんなに重要なこと なのかと思い知る.そう言う意味でとてもおもしろい映画であった.また,どんな虐待を受け,ひどい待遇 を受けてきたとしても,それにくじけずに,生き続けている!そして前に向かッて進んでいる!! と言うメッセージがこの映画のキモである.ところで,デンゼルが出演している とどんな映画でもシリアスにおもしろみが増して見ることができるように感じる.全くデンゼル・ワシントン 恐ろしい男だ.脚本はAntwone Fisher本人.事実に基づいて書かれている.



8人の女達 8 femmes
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  フランス映画.金持ちの男とその家族ら8人の女達の物語.事件は男が殺されるところから始まる. ミュージカルと謎解きサスペンスが混合したような形で,女という魔性を描き出す試みだ. 8人それぞれが謎と秘密を持っている.それらが徐々に暴露されていくのがこの作品のおもしろさで 「この映画の秘密をまだ見ていない人に絶対に教えないで下さい.」という字幕が出るほどの ストーリーが用意されている.そんな文句を用意されていたら,サスペンス好きとしては 見ないわけにはいかない!! フランス映画なので,例によって,センスが合わない場面も 多々あるが,全体的にはおもしろい無いようになっているのではないかと思った.女性の奇麗なところも, 汚いところも見ることができる一本.  ネタバレ→  最後の大どんでん返しは・・本当は男が・・・← 
キャッチコピー  映画というより、もはや事件! 8人のフランス大女優が一堂に会す<奇跡の舞台>、ついに開幕!



クイール Quill
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  左腹にブチ(模様)がある犬の盲導犬としての一生を描いた作品.親子ずれが多かったのが印象的で 序盤は子犬たちのかわいらしいヴィジュアルにまたーりすること請け合い.幸いにして,両目とも正常な わたくしは盲導犬などの生涯をこの映画を見るまで知るよしもなかった.こういう映画を見たらば, 必ず,帰り際に「もし目が見えなかったら・・」なんてことを試してみたくなる.ほんの1分間でも 目を瞑って行動して見れば,私たちが以下に視力の恩恵に預かっているのかということがよくわかる. 盲目の方々の気持ちもほんの少しだけでもわかることができる作品だ.そして,何より,わかろうとしてみる と言う機会を与えられる映画として良いと思った.犬にしろ,人間にしろ,溢れんばかりの愛情を 注がれて育って行かなければならないのだなぁと余計な想像もできる一本でした.
キャッチコピー  遂にめぐり逢ったパートナー.1人と1匹を待っていたのは,思いもかけない運命でした.



ローニン Ronin
★★★★_ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  ロバート・デニーロとジャン・レノの雇われ殺し屋物語.2人の渋さもさることながら,この映画の 見所は,対向車線逆走カーチェイスバトル!! オイオイ,いったい何台の車をつぶすつもりで 撮影しているんだ??というほどのハラハラ感は度肝を抜かれる.初っぱなに英語で使える主君のいない 日本の侍を浪人(Ronin)と呼ぶ.(それは昔の主君に対する忠誠心でもある)という説明を入れておき, 世界各国の凄腕殺し屋達が集結し,物語は深まっていく.謎解きサスペンスという感じはなく,ストーリーを 追っていけという感じの内容に仕上がっており,また,そのストーリーに厚みのなさがかなり感じられるが, アクションシーンと雰囲気だけで十分見せてくれる.ロバート・デニーロとジャン・レノの2人の コンビが見られるだけでもありがたい映画である.しかも,その2人の息が合っていて,お互いの いいところを相乗効果で高めていると言った点も見逃せない.物語の中では,何回かのレッスン(教訓)が 披露され,キーワードとなっいる.



28日後・・・ 28 Days Later・・・
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  バイオハザード(生物細菌汚染)アクションでイギリス映画.画面全体はいかにもイギリスっていう 感触に埋め尽くされた形で終始するのがこだわりがあって良い.のっけからしっかりと, 映画の世界に引きずり込んでくれるのがこの映画の好印象の要員の一つだ.驚異的なウイルスによる 近未来人類滅亡のシナリオの例を呈示してくれるという意味でおもしろい映画.「違うだろ!! 生き残りたいんなら,こうしろよ!!」という突っ込みを見ている観客が入れたくて入れたくて しょうがなくなるようなストーリーを織り交ぜているのがにくいところ.しかし,後半は  ネタバレ→  落ちぶれたイギリス兵の生き残りが主体となって,女の奪い合いという,少し冷めた視点 からバイオハザードの弊害を描いている.この辺は賛否の分かれるところだが, 私はおもしろくないと思った.10数秒で理性を奪い,脳内の神経機構を変化させることのできるウイルスは 考えがたいが,まあ,そう言うのがあったら・・ということで,同意.← 
キャッチコピー  わずかな未来は始まっている.



ロボコン
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  本作が初主演作品となる東宝シンデレラの長澤まさみのかわいさが引き立つ作品.「可愛い!!」というかわいさではないが,青春時代の 明るさやからっとした感覚が「かわいさ」として表現されている.ストーリーは,何に対しても やる気のない少女(長澤まさみ)が単位の為に第2ロボット部へ入る.最初はやる気がなかったが, 次第に,物作りに目覚め,全国のロボット大会へと流れていく.3つの土台の上にブロックを積み重ねて 得点を競う争いだ. この映画の凄いところは,ロボットを操縦し,ブロックを積み重ねて得点を競う そのゲームがあまりに巧妙で,映画を見ていることを忘れ,その大会の会場の観客となり,いっしょに 応援することができると言うことだ.特に,全国大会での各チームの戦略には驚嘆させられ, 下手な推理小説を読むよりも,先の展開が気になる.この辺は大変上手にまとめられており, この映画のポイントを高めている.しかし,登場人物は,これからの邦画をになう若手をそろえているにもかかわらず, 長澤まさみ以外は,今ひとつ,映画の世界に引き込ませるパワーを感じられない. その点が残念で「名作」には一歩及ばなかった.
キャッチコピー  青春はいつだってコントロール不能だ!僕たちに足りない部品はなんだろう.



ペイチェック 消された記憶 PAY CHECK
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  キル・ビルのユマ・サーマンとザ・コアのアーロン・エッカートと私の嫌いなベン・アフレックが出ていたので 点検した作品.監督はジョン・ウー.サスペンスであるこの作品のポイントはストーリーであるが,そのストーリーについて ,これは良くあるパターンであるとののしる人もいるかも知れないが,私は好感を持ったしゃべるとネタバレとなってしまうのでやめる. ジョン・ウーならではのカンフーチックアクション,カースタント(バイクスタント),爆発スタント,銃撃vs素手格闘シーン が随所に散りばめられており,映画としての完成度は高い.ストーリーも一本筋が通っており,オイオイ!と突っ込みを入れたくなる シーンが無いわけではないが,ことが終わった後にスムーズにエンディングに流れていくところまで含めてレベルの高い娯楽 作品に仕上がっている.ユマ・サーマンは「美しいとは思わないが頭にこびりつく印象的な顔」をしているのが魅力だ. アーロン・エッカートはネタバレ→ 今回悪役で登場しているが,今ひとつ憎める悪役=悪の帝王という 感触が伝わってこない.死に方を含めて爽快さが足り← ない気がした.19個のガラクタと初期設定だけから いろいろな可能性を考えさせて,中盤からはそれらをどうやって活用するのかを考えさせるのがこの映画の狙ったところだろう. この映画の突っ込み所は,何百発の的の弾丸に主人公達はお約束通りに無傷で,それなのに,素手や棒で敵をバッタバッタと なぎ倒していくという点であるが,その点もジョン・ウーはナチュラルにカモフラージュしているので,さほど気にならない.  ネタバレ→ 20個のアイテムを自分自身に送ることができたということは,これから危機を乗り越える 自分の姿が見えたと言うことであり,機械の破壊までを含めた一連の自分の行動を機械が予測していたということになる. 宝くじを残していたと事実がこの推論を裏付けている.しかし,同時に,機械が未来の戦争を予期してそれが先制攻撃の 引き金になると言う未来も予測している.機械が壊される未来を見たにもかかわらずだ.これはパラドクスである.このパラドクスを 解消するロジックとしては,「ベンアフレックらが機械を壊したにもかかわらず,それが誰かの手によって再生され, もう少し先の未来には『未来を予測する機械』が存在する.」ということである.ということは,ペイチェック2が 製作されるための布石が早くもしかれていたということか? しかし,もし2が出ても,結局,未来予測機の出現は 阻止できないという結論がわかっているために,トリッキーなストーリーを作るのは難しいだろう.← ターミネーター 3のように・・・・
キャッチコピー  記憶を売った報酬=19個のガラクタ.全てのカギはここにある−



ベティ・サイズモア NURSE BETTY
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  シカゴのレニー・セルヴィガーと殺し屋のモーガン・フリーマン,その息子の頭の足りないワル役でクリス・タッカー という取り合わせ.この映画の楽しみ方は,モーガンの渋みよりも,レニー・セルヴィガーの天然っぽい 役作りと表情を堪能することだろう.テレビの中の登場人物に憧れ,恋をし,夫であるアーロン・エッカートが 頭皮をむしり取られるのを間近で見てもうろたえずに,テレビを見続け,翌日からは死んだ夫を捨てて,本当の 愛を捜すために旅に出るというとんでもない話.しかし,この作品を見てセルヴィガーの人を引きつける とんでもない魅力を改めて感じることになった.自分勝手な雰囲気を醸しつつ,周囲の人間の反感を かいつつ,それでいて最後には助けてあげたくなる彼女の魅力に乾杯.



ピノッキオ
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

感想  絵本だからおもしろい奇想天外・支離滅裂なストーリーをイタリアの名優ロベルト・ベニーニが実写で再現. ふざけているのか本気なのか見ている方がよほど,ピノキオのお話に興味を持っていないと,興味は 続かない.アニメでリメイクではなく,誰もが知っているだろうあのストーリーを人間の表情で再現し, その微妙な演技で人間と人情の区別やその他の動物との区別を 謀ろうというのが今回の作品のキーになっているのだが,つらい.オリジナルのストーリーを おぼろげにしか覚えていないため,何処がどう違うとはいえないが,おおむね原作を忠実に 再現しているように思えた. ピノッキオがあまりにわがままで,刹那的な行動ばかり取るので (原作通りだからそれでよいのだが・・)見ている私は主人公に腹が立ってしまい, 感情移入できないと言うのがおもしろくなかった重要ポイントであるかも知れない.
キャッチコピー  ピノッキオ誕生120周年記念



暗殺者
★★★__ 批評サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  レジェント・オブ・メキシコ デスペラード でアントニオ・バンデラスの魅力にはまり,スタローンと共演する 殺し屋作品の本作が見たくなって,借りてきた1995年の作品.テレビ放送かなんかで断片的に見た記憶が蘇ってきたが, 全体を通して,良い作品であった.バンデラスの必至さ(演じているキャラの必至さと,役者としてのバンデラスの必至さが伝わってよい. )と,脂ぎった汗がとても良い作品である.あの女はジュリアン・ムーアであったと言うことに後から気付いた.  ネタバレ→  15年前にスタローンと同じ場所から命を狙うという歴史的なことにこだわった点が現実的には不条理だが, 映画的にはOKということでとても気に入った.← 



the EYE
★★___ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  ホラーは集中してこっちからその世界に入って上げないと,全然恐くない.  その意味で,映画の中に引き込ませる努力を制作者側はその映画のイントロにおいて 行わなくてはならない.それさえできていれば,観客は勝手に怖がってくれるというものだ. その点で今ひとつ.トムクルーズがリメイク権を買ったと言うことで,どのようにリメイクされるのかが楽しみである.
キャッチコピー  世界最高に恐い.



デッドマン・ウォーキング DEAD MAN WALKING
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  以前から見てみたかったが,なかなか機械がなかったので,ショーン・ペンのオスカーゲットを 記念して借りた.この映画の主人公は明らかに,スーザン・サランドンで,彼女のあまさんとして 死刑囚(ショーン・ペン)に付くか,被害者側に付くかで揺れ動く心がみどころ.キリスト教に関して もっと深い見識があればより理解が深まり,たのしく鑑賞ができたのではないか?と思える作品. 死刑の是非を「殺人は悪だが,死刑も同様に悪だ」という立場から,微妙なニワンスで演出する 作品.死刑囚の人生を垣間見ることができるという点でとても有意義に2時間を過ごすことのできる一本  ネタバレ→ 最初は,1人も殺していないと言い張っているが,しだいに,処刑が近づくにつれ真実を話し,神に受け入れられる 心の準備を進めていく様は人間のとても基本的な部位への脳内投射の発火を禁じ得ない.← 



猫の恩返し/ギブリーズ
★★___ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  以前に絵本で読んでいたが,全くその通りのストーリー(あたりまえ).ビデオを再生すると,変な アニメが再生され,ビデオカセットを間違えたか?と思うが,それが,同時上映のギブリーズであったらしい. 最初はCMかと思って早送り再生していたが,あまりに長いので,それに気づいた.  人間の住む世界はごく限られた範囲内であり、私たちの知らないアウターワールドがそこには存在していた。 というストーリーで、シャーロックホームズチックな猫男爵と主人公の女の子が繰り広げるアドベンチャーを 描いている。「んなばかな。」といいたくなるところも多々あるが、その世界観を丸ごと認めてしまえばそれなりに 納得でき、楽しめる。ネタバレ→少女がアウターワールド=猫の世界で徐々に人間であることを わすれ、ネコ耳が生えてくるところあたりは、千と千尋の神隠しで自分の名前を忘れてしまう=それぞれの世界で最も大切な ものは変化してしまう。というテーマとだぶっていた感があった。 猫の国の王様が相当な悪人だというのがこの作品のポイント.感想として,アニメの技法とか云々は置いておいて, 作品から受ける教訓というかメッセージが感じられなかった.ただ単なるおとぎ話. 風の谷やラピュタのようにその世界に引き込んでくれるほど壮大でもなく.なんか, 片手間の(実際に作るのは大変だろうが)作品を見せられたと言う感触でがっかり. それ自体はおもしろくなくもない内容であるが,映画として見るアニメにしてはテレビ放映の 域をでていない.強いていうなら主人公のハルという女の子のあれでもない,これでもないと揺れ動く 少女の心を見て共感するかどうかといったところがこの作品の売り.



花とアリス HANA & ALICE
★★★☆_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  演技派女優 鈴木杏(花) と三井リハウスガール出のバレエが上手い蒼井優(アリス) が主人公. 本映画が上映される1年くらい前からブレイクタウンシネマにて 本作品をかいつまんで,重要な部分を語らずに,もう一つのストーリーを思わせていたような作品3部作が 上映されていた.鈴木杏ファンの私としては当然,それらもチェックしていたので,そのストーリープラス 後編がこの映画で上映されるものだと思っていた.しかし!! ブレイクタウンシネマで既に放送されていた 内容は,上でも述べたように,ダイジェストにもあらすじにもなっていない.重要な部分をひたすら隠したまま 無理矢理フィルムをつないでいたような作品であったのだ!!(それは本編をみればわかる)どうりで, ネット配信されていた花とアリスはとっても支離滅裂な印象を受けていた.岩井俊二監督.いまひとつだなぁ という印象だ.しかし,本編を見れば,支離滅裂であるのは仕方ない(重要な部分を隠しているから)という ことがわかり,全てはこの映画に引きずり込むための前宣伝でしかなかったのか!ということがわかる.  また,本編中ではしっかりとキットカットの宣伝が行われており,好感であった.(なぜ?) 高校生の 純粋さや,やや今時の感覚がしっかり,スクリーンに出ていたと思う.そしてその結果,自分の高校時代 と対比させて「そんなことあるかい!!」と突っ込みをいれつつも,胸が熱くなりほんわかと妄想を 巡らせる結果となることは請け合いである.監督!素晴らしいですなぁ.ただ,中盤にやや中だるみの観が あるのと,後半はトピックが分散してメッセージが弱くなっているのでは?という2点が気になった. (高校生という何に関してもトキメキ,エネルギッシュな時期は,様々なことが同時多発的に発生し,大人の世界のようにそれを仕上げたら終わりでエンディングに行こうね. という安易な日常ではない.というメッセージだったのかも知れない.) この作品には続編が出そうな雰囲気を醸し出しながら終わっているので更なるチェックが必要だ. 作品中にはWinkの相田翔子,大沢たかお,広末涼子,阿部寛,木村多江,平泉成,叶姉妹の片方が出ており, 作品のゴージャスさを高めていた.郭智博(かく ともひろ)に関してはまあ,そうゆう役だからしょうがない・・ といえばしょうがないのだが,今ひとつぱっとしなかった.あと,実際はそうじゃないのかもしれないが, 雨のシーンが異様にやらせ雨(スタッフが降らせている雨)に見えてしょうがなかった. 総合して, 名作と呼ぶにふさわしい感動を私は得たが,それが鈴木杏のバイアスによるものではないとは断言できない.  ネタバレ→  その雨のシーンで,幾らなんでも両手の石けんの泡がいつまでもそんなにくっついているわけが ねーだろ!! というのは誰しも思うことですが,ナメクジを連想させるための布石ということでニントモカントモ.← 
キャッチコピー  君.だれ?



イノセンス
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  押井 守監督のアニメーションスペクタクル.甲殻機動隊の続編としてのストーリーが色濃いため, 事情通でないと完全にはついて行けない.また,基本知識以上の軍事的・近未来的キーワードを直感的に 理解していないと,次々と出現するカタカナの攻撃に耐えられないかも知れない.しかし,この作品の 見所はあまりに美しく,極みに到達した描き込みである.アジア情緒の様々な風景が独特の音楽と共に 幻想の世界にいざなってくれる.今回のテーマは人間と人形との境界線を外延とする心的内面との対比を 未来人(甲殻機動隊の世界観)に託して観客に読み取ってもらおうとする試み.ただ,そんな崇高なことを 考えていなくても楽しめるようなリアルでモーメントな描写が盛りだくさんなのでよい.声優として 竹中直人が出演しているのでその点のはまり具合をチェックするのもこの映画の楽しみ方.
キャッチコピー  イノセンス それは,いのち



レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード ONCE UPON A TIME IN MEXICO
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  うひょひょ!! と叫びながら銃撃シーンを楽しみ. お約束通りの展開を 「待ってましたー!!」と楽しむ映画.愛のためだけに銃を抜くアントニオ・バンデラスと 正義なんて,創ってみせるというジョニー・ディップの熱き共演が 見所.しかし,バンデラスの濃さにジョニー・ディップは食われていた! バンデラスは スパイキッズでイケてないパパ役を演じている場合ではない! バンデラスの顔からにじみ出る油をメキシコの タコスに挟んでいただきま〜す.といった雰囲気の激しい映画に仕上がっている. 全体的に意味不明な感じが否めないストーリーでありながら,2人のパワー(特にアントニオ・バンデラス)によって 最後まで押し切られている.盛り上がりに合わせて炸裂する音楽が臨場感をかき立て,映画の世界に 無理矢理引き込んでくれるのが魅力だ.女優はサルマ・ハエックとエヴァ・メンデスが出ているが, バンデラスの油のおかげで存在感はない.ウィレム・デフォー,ミッキーロークが味を出して この作品に雰囲気を醸し出している.当初重要キャラに思われた片眼のオヤジが,  ネタバレ→  ジョニー・ディップのネタがばれた途端にアッサリ殺されるところが,壺.更にギターケースが,火炎放射器だったり, ラジコン自動車爆弾だったりするところも壺.軍が攻めてきても市民が雄叫びを上げて軍を撃破しているところも壺.←  アントニオ・バンデラスとサルマ・ハエックは前作のデスペラードにも出演.
キャッチコピー  やけどするほど,危険な2人.愛だけがただ一つの正義だった.



マスター・アンド・コマンダー MASTER AND COMMANDER
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  下士官と幹部(将校)の違いが一般人にもよくわかる映画.海の男たちに敬意を表さずに見ることができない 一本となっており,あまりに過酷な海上の生活にリアリティーを感じまることができる.英国と仏国の戦争を 題材に伝説の艦長ジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)が指揮下部隊をして任務完遂に邁進する様を 興味深く描ききっている.ストーリーのアクセントとして,若干12歳の士官候補生ブレイクニー(マックス・パーキス)ら 少年達の純粋な心意気や博学な医師ベタニー(ビューディフルマインドでは架空のルームメイト役を演じており,再びラッセル・クロウと タッグを組む)がガラパゴス諸島にて学問的発見の魅力にとりつかれる所などがあり,この作品の懐を広げている. 先頭シーンの迫力はすこぶる良く,良質の作品に目が肥えてきてしまった人でも十分に興奮できる.
キャッチコピー  1805年−強大なナポレオン軍に立ち向かうため,戦火の大海原にまだ幼い少年たちはいた.伝説の艦長を信じて・・・



モンスターズ・インク Monsters Inc.
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  トイ・ストーリーシリーズのPIXARが贈ったCGアニメのくせに 細かいリアルさに驚く傑作.別にインクとは墨汁のことではなく,Incorporationの略で 会社という意味である.モンスターの世界から人間界をとらえた 視点が映画としても十分おもしろい.さらに「ブー」という子供の仕草や 表情がとてもかわいい.その魅力に引き込まれて時間を忘れて映画を楽しむことが できるはずだ.多少急で,都合のいい展開も,モンスター達のキャラクターや ややグロながらもかわいらしい見てくれのおかげでそれなりに受け入れることができる. ラストのスタッフロールではおきまりのCGによるNGシーンが披露されており,本編と 同等におもしろい.



アイ・スパイ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  オーウェン・ウィルソンがアメリカのエージェントスパイ.ボクシングで57連勝する 伝説のボクサーをエディー・マーフィーが演じる.米国の可視的にもステルス性能を備えた 最新鋭核攻撃戦闘機が盗まれ,それを取り返すというミッションが今回ものもの語りである. 負け知らずのエディーは傲慢で自分中心,自分が主人公でなくては気が済まない. しかし,米国大統領からの依頼によって2人は組んでミッションに挑むことになる. SPY初体験のボクサーがエージェント達に鍛えられてSPYの世界を知っていくところ とエディーがおちゃらけながらも活躍したり失敗したりすることろが見所である. この映画は,スパイ映画として見てはいけない.当初からあまりにも無理な設定が 多すぎる.スパイっぽくかつふざけた感じでややドキドキという(意味不明)感じで見るのが よい.アメリカ60年代に人気を博したTVシリーズのリメイク.



ザ・ニンジャ
_____ 公式サイト
金は返さなくてもいいがその駄作ぶりを解説したくなるような映画

感想  ここまでの完成度の映画は考えられない!!という映画.この映画はたぶんこれから先も テレビ放映されることはない.この作品の完成度を確認するためにはビデオをレンタルする以外無いだろう. 映画の内容は,主人公が敵組織を壊滅させる.敵組織の傭兵は全員ニンジャ.(しかもコテコテの 黒装束)この映画の最大の見所はそのあまりにも訓練されていないエセ忍者達のアクションにある. そして,主人公は無敵なのに,忍者達はほんの少しの攻撃を受けたら,ばったばったと倒れていき, そして,一度倒れた者は「絶対に」起きあがらない.もっと,注目すべきポイントはまだまだある. ネタバレ→ 原因不明に飲み水が塩酸並の酸性になっているという前提は 無理矢理納得するとする.敵のアジトらしき場所はどうみても,遊園地のウォータースライダー. そこを最もらしく,巡回する忍者達.そして,1950年代サンダーバードにも負けないほどの秘密基地の 内装.何かの工場というわけでもないのに,あたかも工場に見立ててそのウォータースライダーの中を ニンジャ達が歩き回っている.外から見ると,その哀れな姿が,半透明で見える.そんな忍者達にも活躍の日の目はあった. 主人公達を囲んでの室内ローラースケートバトル.ローラースケートの横からシャキーン!とブレード を出して,忍者達は主人公を中心に円を描いて回ってみせる.そして,主人公に襲いかかる忍者達. 機動力を阻害するローラーと,主人公に触れられるだけで死んでいく忍者と全く活躍していないブレード達が みどころ.そしてラストには, 意味もなく,高台の上に逃げていく敵のボス.明らかに希望のない逃げ道に逃げていく敵のボス. そして,どこからともなくわき上がる能力がある忍者達.そんな能力があるにもかかわらず, ふがいなく,キック一発で再起不能になる忍者達.映画のタイトルなのに全く活躍しないそして,かっこよくもない 忍者達. ← それを堪能するための映画.



The Truth of Charlie
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  フランス語と映画の入り交じる作品.それなりのネタとサスペンスを盛り込んでいるのだが,今ひとつ盛り上がらない. 出演者全員の顔立ちがぱっとしていない印象が強い.みんなそれぞれに役柄をこなしているのだが,キレがない. ミニミニ大作戦のマーク・ウォールバーグが重要な役をになっている.



アバウト・シュミット
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  定年後の老人のある生き方をあのジャック・ニコルソンが熱演する.老けたニコルソンがおそらく メイクではなく素であろうメイクで熱演するのがまたにくい.というか,悲しい.アメリカ本土の 一般的な老後を垣間見ることができるという点で文化を学ぶことができ有意義な時間を過ごせる. ホゲーーーっとする顔や,ラストの感涙などは老人であることを非常に上手く表現している気がした.



完全なる飼育 女理髪師の恋
_____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画

感想  久しぶりに,こんな点数の映画に出会った.序盤は,竹中直人と北村一輝の演技の絡みがいったいどうなることか と注目していた.(「あずみ」では加藤清正と井上勘兵衛という設定で殿と部下という役柄を演じていただけに, 今回の関係が気になった.)今回は  ネタバレ→  兄弟という関係← で出演していたが,大した魅力はない.ストーリーがこれでいいんか? と 問いたくなるほどで,ラストは「やっと終わったか」という思いと,「これでオワッテいいんか?」という思いと 「無駄な時間を過ごしてしまった.」という思いと,「意味不明だ」という思いに嘖まれる.映像も変だし, ネタバレ→ラストのシーンで事故る時に止まってる車でハンドル回してるのが 映像停止しなくても余裕で見えて,意味あるのかなぁと巻き戻してもう一度見たけど,意味なさそうだし.←  シリーズを通してみないとわからないネタなのかも知れないが・・・. 竹中直人と北村一輝の演技には問題ないし,ヒロインの荻野目慶子もがんばっているだけに 実に痛い一本となった. 第56回ロカルノ国際映画祭特別大賞を受賞した注目の一作ということらしいが,信じられない.



SSU シップ・サルベージ・ユニット
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  日本に届いてくる韓国映画は素晴らしい! と.韓国映画の評価を上げる作品となった.わざとらしい あか抜け具合を体現する主人公シン・ヒョンジュンが気質に合わない!という人以外は大変おもしろく見ることができると思う. 日本では軍隊に携わる人が少ないために,この映画の中の雰囲気は少しわかりずらいかも知れないが, 幹部や下士官,公の心と私の心をよく表していると思う.海軍の潜水救難隊SSUに焦点を当て,昇進に腐心する 上司と部下を思って自らを投げ出す男を,勝ちたいと思う心と友を思う心を,中間管理職として上司としての心と 女心とを,様々に対比させて描いている上にしっかりとストーリーに載せて,随所に見せ場を作っている. ヒロインは韓国版「リング」で松嶋菜々子役を演じたシン・ウンギョン.彼女の魅力を堪能するだけでも よさげな映画に仕上がっている.製作総指揮はシュリのカン・ジェギュ
キャッチコピー  愛か,友情か.



シュレック Shrek
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  子供用アニメではなく,(子供用でもいいけど)大人のちょっとマニア向けのアニメであることはオープニングの シュレックの日常を表すシーンで読み取れる.ハッキリ言って汚い.汚れている.しかし,それを前面に出して, そう言う汚れキャラがこれから大冒険をしヒーローと成っていくのだ!というストーリーの全体的なメッセージを 暗示している.主要キャラはオーガのシュレックとしゃべるロバのドンキー,そしてフォリナ姫である.ドンキーは あのエディ・マーフィーが声優をやっているのでその点が,実は最大の注目点であった.ドリームワークスが手がける アニメということであったが,愛着のもてるキャラ達とその映像表現のなめらかさ,表情といった点ではすこぶる 高得点であったが,ストーリーとわざとらしさのテイストがアメリカ人好みというような感触が今ひとつであった.



ゴシカ GOTHIKA
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  十分に怖がらせてくれた.リング・呪怨に続いてハリウッドもここまでやった!と言う触れ込みであったので, どの程度のホラーに仕上がっているのか?という点に注目した.ハリウッドらしい思わせぶりな演出とカメラワークが 気になる人にはとても気になりすぎて,作品の世界へダイブすることを妨げるが,一回入ってしまえばビビリまくること必至. この映画の見方のコツは「ここで出る.ここで出るんだ・・嗚呼!!!やっぱり出たー!」と思うこと.単なるホラーではなく, サスペンスとしての要素もそれなりにしっかりしている.注意深く本編を見ていると,中盤において,結末が読めるものの, ストーリーとしては良い.しかし,サスペンスものとして見るには,数多くの矛盾に苛まれるので,やはり,ホラーとして見るのが 正しいであろう.チョコレートでアカデミー主演女優賞を撮ったハル・ベリーと奇麗系女優ペネロペ・ルクスの共演というのも 注目のしどころであったが・・・ハル・ベリーの独壇場でペネロペ・ルクスはハッキリ言ってちょい役&醜いメイクを施され, よく見ないと,それが かのペネロペ・ルクスであると言うことにも気付かないくらいになっており,かわいそう. 最後に,「人の話は親身になって聞こう」という教訓めいたことがメッセージとして込められている点が,この映画に ひと味付け加えたと言うことで好印象であった. ところで, ネタバレ→  最後に謎か解けて「悪いのは旦那と警官」という事実が判明したところで,ハル・ベリーが旦那を殺したと言う事実は 変わらず,出所するのはおかしい.← 
キャッチコピー  それを,見てはいけない.



アップタウンガール
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  注目の超若手女優ダコタ・ファニングが出ているから見た作品.子どもっぽいベビーシッター(ブリタニー・マーフィー) とませた子ども(ダコタ・ファニング)が互いに影響しあって成長していく物語.ダコタには父親がいなく,母は事業に 夢中で子どもに目を向けない.そんな環境の中,ダコタは過度の潔癖性で理屈っぽく他人を受け入れないような正確になってしまった. そこがダコタ・ファニングが演じる最大の魅力!,また,両親を亡くし,伝説のロックシンガーの娘として金持ち暮らしをしていたが, 一夜にして文無しになってしまったブリタニー・マーフィーは職を求めてベビーシッターに.お互いに毛嫌いし・反発するが, 次第にうち解けて・・・最後にはほろり・・・・と言うストーリー.強さと弱さを持つ少女をダコタがどこまで演じるかが この映画の魅力となった. 前半は2人の関係を際だたせるためのイントロであるべきなのに,だらだらとブリタニーの生活を 表現しており,やや伸びぎみ.その分を2人のバトルや意思疎通・愛情拡大のシーンに当てていればもっと良い作品になったと 思う.作品のもう一つのテーマとして,「お金は大切だよ.」という1本筋の通ったものが在ったのだったら,前半はあのまま でも良いが,たぶんそう言うメッセージは重要じゃないと思ったので・・
キャッチコピー  今度のベビーシッターは子供ッぽすぎる!



ヘブン・アンド・アース
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  クローサーで輝いていたヴィッキー・チャオととぼけた役からシリアスな役までこなす中井貴一の のコラボレーションが見たかったため劇場に足を運んだ.雰囲気的にはショボそうな大作という感じで 遣唐使の描き方がポイントだと思っていたが・・・遣唐使なんて言うのは最初と最後の意味づけ程度にしか 出てこない.この映画のポイントは古き中国の武術を徹底的に観客に見せて魅了させることにあった! そのアクションは細かいことを抜きにしてとにかくかっこいい! ワイヤーチックな動きも多少見られるが, バカっぽいかっこよさ(バレットモンクなど)ではなく,本当に闘っている感触がする.中井貴一は中国語も さることながら,あのアクションには恐れ入った.ここまでアクションがかっこいいと,「戦場に女は不要」と いうことで,メインと思われたヴィッキー・チャオはやや蛇足気味になっているが,砂漠でほこりくさい全編において 唯一のヴィジュアル的なオアシスになっている.登場人物はそれぞれに個性的でそれぞれにストーリーに関わる ポイントを押さえているのが良い.ロード・オブ・ザ・リングを見た後では,どうしても,ショボ目に見える 籠城戦も,多少の突っ込み所はあるものの,かなりのスペクタクルとなっていて素晴らしい.  結末に納得がいくかどうかは本人次第だが,題名のヘブン・アンド・アースという意味は何となく理解できる 神秘性と神話性を醸し出している点に妙に納得ができた.
ストーリー  紀元700年,遣唐使として日本から中国に派遣された男,中井貴一は軍務に背いたチアン・ウェンを暗殺すれば日本に帰ることができる. チアン・ウェンはあるものを運ぶ坊さんを護衛してシルクロードを渡る.2人は出会い,果たし合いをするが,その坊さんを 都の長安まで送り届けることとなった.旅路は険しく,トルコ民族などとの戦いも激しい.中井貴一とチアン・ウェンの両剣豪は 共に闘うにつれてしだいに,信頼と友情を認めていった・・・・
キャッチコピー  日本に帰りたくば,友を暗殺せよ.



赤い月 RED MOON
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  絵・音楽・主演女優・時代背景の再現度・どれをとっても名作にふさわしいこだわり具合であり, 映画を通じて主張したい内容が,オープニングからエンディングにいたるまで1本筋金を入れて通っている 珍しく素晴らしい作品.テーマは「国のために満州に来たんじゃない自分のために自分の責任で満州に来たんだ」 「生きることが・生き抜くことがご奉公だ」,戦後だから描けるし,それを良しとできる視点で描かれている と言えばそれまでであるが,美しくそして強い女性を演じきったのは常盤貴子.彼女を取り巻く3人の男, 伊勢谷友介,香川照之,布袋寅泰,が彼女の魅力とこの映画のキレを上手に引き立てる.常盤貴子の日本的な 美と相まって森田波子という主人公の世界観が観客の脳内に押し寄せる.え?もう終わったの?ここで終わり? と続きが見たくなる映画と久しぶりにであった.満州での出来事が客観的に・リアルに描かれている.監督の 降旗康男は凄い男だと思った.無き祖父に満州での出来事を聞いてみたくなるそんな作品.
キャッチコピー  かつてない壮大なスケールで贈る,感動の一大叙事詩



ゼブラーマン ZEBRAMAN
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  現実世界に,仮面ライダーのようなヒーローがいたら,せいぜいこんな感じだろ?って言うテーマを 一生懸命描こうとしたのがこの映画.子どもにも大人にも注目してもらうっていうプロデューサー側の 配慮が見え隠れする様な内容と観客に「笑ってあげなきゃかわいそうかな?」とえも言えぬ気まずい心地に させられるぬるい脚本(宮藤官九郎・そのイージーさが脚本の良さなんじゃないか!!と言う話もあるが・・). 哀川翔以外に全然一生懸命じゃない登場人物の皆様に興醒め.ヒーローもの「ゼブラーマン」 が7話打ち切りなんじゃなくて,この映画が上映打ち切りだろ!と突っ込みながらの鑑賞となった.映画たるもの, 見ている最中に,現実世界の時間を気にさせてはならないものであるが,上映中に,「後何分あるんだ?!」と 何回時計をみたことかわからない.ラストが良ければ全て良し!という映画の大原則だけは満たされているものの それがなかったら,メル.ギブソンの「サイン」を超える駄作になるところだった.
キャスト  哀川翔はとてもいい演技だ.(しかし,異様に間を取って登場人物の心理を描写しようというシーンがあったが, 長すぎ! ちょっと読み違えているなぁと現実世界に引き戻された.) 柄本明は相変わらず,邦画という邦画に 出まくって,その映画を引き締めている.どんな役でもこなすことのできる素晴らしい役者だ.
ネタバレ→  緑の液体の宇宙人はラストで巨大になるが,あれだけの体積になるには体育館何百杯分の量が必要なので 納得できない.ゼブラーマンにあれだけの未知の力を与えたのは何者なのか? Anything Goes とだけ言われても 敵対する宇宙人の力というわけではないだろうし,原理がわからない.巨大な宇宙人がビームでヤキを入れられて 大爆発するが,小学校の校舎が半壊するほどの空中爆発であったのだから,周囲の木造建造物は余裕で吹き飛ばされ, 近くで見物していた人たちも相当死ぬはずなのに火事の見物のごとく見守っている.せっかくバイクを買ったのに あまり活躍していない.陸上自衛官らしき人たちが出てくるが,2尉が1佐に向かってあんな態度を取ることはあり得ない. あんなアホでは絶対に1佐になれない.制服のボタンを外しているのが気になる.同じ舞台が服装バラバラ(新迷彩・旧迷彩) 鈴木保奈美が「あなたってゼブラーマンなの?」とわかる根拠がない!のに聞いている.(実は私はゼブラーナースなのと 来るのであったら話はわかるが・・) 乗り移られた子ども達は海の家を襲った後,どうなったのか?
← とムカムカするほどの疑問がわき上がる.その他,ありとあらゆる人の中に矛盾が入っており, 「それがいいんだよ!!」という人でなければ,腹が立ってくる映画だ. 
キャッチコピー  白黒つけるぜ.



アダプテーション
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  なんて退屈な作品だ!!と普通なら早送りしてしまうところだが・・・1人2役のニコラス・ケイジ!! 凄い男だ.彼の表情だけで観客をスクリーンに向けさせてくれる.そういう天性のものを持った役者が出ていると 映画は救われる.
ストーリー  マルコビッチの穴の脚本を手がけ有名になった脚本家チャーリー(ニコラス・ケイジ)と同じく脚本家を目指す 双子の弟の行けてない男ドナウド(ニコラス・ケイジ)が主人公で,次の脚本は蘭に関するものにしたいが 思ったように書けない.でも,そうこうしているうちに弟は脚本家のセミナーを受け,その通りに書いて 脚本を仕上げ,高い評価を得る.チャーリーはインテリライター(メリル・ストリープ)を追い,メリル・ストリープは 蘭の専門家のラテン系の男を追う.しかし,そこには運命の悪戯が・・
キャッチコピー  「マルコビッチの穴」の驚きを凌ぐはずが・・・困った.書けない.



トーク・トゥ・ハー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  アカデミー賞脚本賞受賞と言うことで期待してみたが,前半は,「ハァ?」借りてきた映画を間違えたか? と思ってビデオデッキの中のカセットを覗いて題名を確認してしまうようなでき.中盤の終わりから後半に掛けては それなりのものが用意されていたので,何とか3つ星になった.究極の愛の形をテーマにかなり考えられているようだが どこまで「あれ」を究極の愛の形と取るかは本人次第で微妙なところ.ハビエル・カマラのハイレベルでかつ自然な演技が 本作品の見所.
ストーリー  昏睡状態になるバレリーナと闘牛士の2人の女.それぞれには彼女らを愛する男がいた. お互いに好きな女が昏睡状態という境遇から生まれる友情.看病一筋の看護士ベニグノを演じるハビエル・カマラ とダリオ・グランディネッティの男の友情とそれぞれの愛の形を描く.
ネタバレ→  中盤で登場するサイレント映画で,小さくなる薬を飲んで男が女性の秘部に入り込むという描写は 模型ながらも・・・な感じがした.また,いくら脳が神秘的だと言っても,大脳皮質(cerebral cortex)が無くなっている と言う設定だったのに,常人と変わらぬくらいに復活するというのはおかしい.でも,「理解できなくても話しかけ続ける 」という今回の題名にもなっているアプローチには共感し,ある種の愛の形を十分に表現できていたと思う. ← 
キャッチコピー  深い眠りの中でも女は女であり続ける.



嗤う伊右衛門
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  今が旬の役者 唐沢寿明と小雪の共演となれば,邦画フリークとして興味をそそられるというもの.四谷怪談の有名な 「お岩さん」について,それを怪談的なタッチではなく,やや恋愛ものとして描いた点が今回のポイントであると見ていた. しかし,肝心の興味はそっちの方には向けられないできであったような木がする.2人の演技に問題は無かったし,椎名桔平も 熱演していた.素晴らしい.しかし!!!おもしろくない.興味が向いたのは,江戸時代における夫婦の関係,厳格な関係 で一見,男尊女卑であるかのように見えて実はそうではない深い関係が当時は普通であったと言うことがよくわかる.その点が この映画の最も注目した点となってしまった.ネタバレ→岩は小雪なので相当美しい.顔半分は ただれているが,それでも,左半分だけの顔を意識すれば普通に美しいし,右半分だけを意識すれば,目が青くてそれまた 美しい. この映画の最大のメッセージが込められていると思うラストの桐箱の中のシーンの作り方がもっと良ければ, この映画の評価ももっと高まったのかも知れない.← 全般的に,江戸時代の美しいしゃべり方や奥ゆかしく遠慮しつつも 意志を伝える言い回しがとても好印象名作品であった.ただ,作品のテンポはわる目.
キャッチコピー  むごいほど,そなたは美しい.



ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 The Load of The Rings -The Return of The King-
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  超大作3部作の完結編.この映画の売りは,オーク群 v.s. 人間に近いもの達の度肝をぶち抜かれる先頭シーン.これに尽きる. (根っからのファンタジーもしくはLOTRファンでない人の場合)もう一つの売りは上映時間3時間半!という内容にも匹敵する獣ぶり. この映画の上映前にはトイレにも行列ができるという噂は本当であった・・・ 体力を温存するために前半は寝ててもいいが. 後半に大群がぶつかり合うシーンが近づいてくれば,カフェインなくとも眼球をこじ開けられる羽目となる.ガッツンガッツン. グッチャグチャ.さすが,名作ホラー「ブレインデッド」を世に送り出したピーター・ジャクソン監督だ.映画だから心地よい演出も 実際にそこにいたら腰が抜けるぜ!と思わせる取り方が上手い! 大群同士の先頭を描く映画は昨今のCG技術の向上により増えてきたが, (スターウォーズシリーズ,HIRO英雄など)その迫力たるや,脳幹(brain stem)から中脳(midbrain)にかけて電撃の走ること間違い無し! 原作を読んでからこの映画にチャレンジするというのがマニアの道たるものであろうが,後半の2時間はこの映画だけ見ても 劇場に来た会はある.(もちろん,1部,2部を見てから本映画を見ることが望ましい.そうでないと意味がわからない.) 監督のコメントによると,この映画は普遍的な人間本質である熱いものを描いており,何十年後かに現在の映像技術が陳腐に見える時代が来ても, この映画の価値は変わらない.といっている.確かにその通りであり,その核心となっているのが主人公のイライジャ・ウッドと その相棒ショーン・アスティン,そして主役を食っている(あらゆる意味で)スメアゴル=アンディー・サーキス=ゴラム君だ. マイプレイシャスを連呼するゴラムの咳と過去の秘密が本作で明かされる.彼の存在感は同じCGでもファイナルファンタジー の比ではない.感情を持った本物の役者が,心理描写から仕草,しわの挙動にいたるまで,神経をとがらせて魂を吹き込んだ 芸術品の域である.あの面構えながら上映終了後に「愛おしい」.ゴラム君のヴィジュアライゼイションもこの映画の 大きな魅力の一つだ.その3人を通して,指輪の魔力と神秘性がそして熱い物と 冷たいものがオルタネイティブに描かれているところは見事である.しかし,ネタバレ→今回,フロドは いったい何をやったんだ?結局お前がいなくても,サムさえいればそれで良かったんじゃないのか?むしろフロドは足手まといでしかなかった んじゃないか?と思わざるを得ない3時間であった.なぜなら,食料やその他の装備を運んでいるのはサムであり,フロドが 沢山寝ている間に心配しているのもサム.ゴラムの魔の手から指輪を守るのもサム.なのにフロドはだまされて食料を 食べた卑怯者とサムを軽蔑し,ヤンキーゴーホームと言う.そのくせ,ゴラムにだまされて,蜘蛛の餌になる. 大事なところで指輪を守っていたのはサムである.そのくせ,返せ!と怒る.途中で力尽きて,指輪だけを運べば 楽なのに,サムはわざわざフロドを背負って山道を歩かざるを得ない.さらに,ゴラムに襲われてその時もサムに助けてもらう. あげく,サムをおいて洞窟に入り,指輪を捨てろというのに,魅力に負けてあっさりはめてしまう.一人で透明人間に なって喜んでいる.指を囓られる.最後は結局,サムに命を救ってもらう.殆どサムの功績なのに,布団から目覚めてみんなから 祝福されるのはフロドである.結局,フロドは足手まといだったわけだ.サムに申し訳ないからか,エンディングの スタッフロールにつなぐ最後のカットはサムの子どもと家族のカットからサムの家のドアが閉まるところである.← おお!!かわいそうなサム.この対偶の違いはイライジャ・ウッドの顔がイケメン だからか? 私は終始ショーン・アスティンに同情を禁じ得なかった.他の役者に目を向けると,2からこの3の間に, 何本も映画を見てしまってもそのイメージはそのままなオーランド・ブルーム.彼の独壇場となるような先頭シーンは 「あり得ない!」と思いながらもうなってしまうような素晴らしい戦いッぷりを発揮する.ガンダルフことイアン・マッケランは 決してじいさん呼ばわりできないバイタリティーで戦場を駆けめぐり,「おとなしく魔法だけ使ってろよ」というドラゴンクエスト方式の 常識は全く通用しない.役者の皆さんには申し訳ないが,評価できるのは一部の方だけで,その他はどうしても,オークだとか デカオーク,ドラゴン,イーグル,巨大象などのクリーチャー関係に圧倒されてしまう. ではここで,欠点を上げるが,3部作は 完全に物語がつながっており,前作の一部やストーリーを忘れていると,話が見えない.(DVDなどで一気に見るのが良いでしょう.) また,都市の名前や人の名前が相当なマニアでないと全て覚えられず,話について行けない.(字幕がカタカナだらけ) ドワーフ?ホビット?エルフ? 何じゃそりゃ!という人には受け入れがたい.(たぶんエルフの耳当たりが・・)  まあ,本当に神髄まで楽しむためには小説(しかも英語版)を読まなければ成らないのだろうが,そこまで 求められるのもきついので,そう言った観点から,☆5つには到達しなかった.しかし,名作であることは間違いない. あと,ハワード・ショア作曲の音楽は半端じゃない臨場感を与えてくれる.予告編が聞こえてくるだけで鳥肌ものだ.それと, 最後のネタバレ→ 死人の戦士達がオークどもを駆逐していくビジュアルが,いかにもコミカルで 狙ったのかどうかはわからないが,LOTRの世界観に合っていなかったような気がした.← 
キャッチコピー  The ring is mine. ついに完結.



この世の外へ クラブ進駐軍 Out of the World
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

感想  オダギリジョーと萩原聖人の共演が見物の映画であったが,今ひとつの盛り上がりと,見せ方であった気がする. 戦後にジャズだけで生きていく男たちを米軍との関係で描いていく作品なのだが,上映の最中に,これほどまでに, 途中退場していく人の多い映画は初めて見た.盛り上がりがいつ来るか・・・いつ来るか・・と待っても待っても 待ちぼうけ.しかも,敗戦直後であるにもかかわらず,代車をリアカーと呼ぶなど,興醒めのシーンが続出.さらに, 路地裏の孤児達が貧相に見えるようにいたるところに化粧しているにもかかわらず,案外,食に満足しているような 太り具合でこれまた興醒め.(演技はなかなか良かったが・・) シェー・ウィガムが日本を憎む米兵として 重要なキーマンであり,この映画のタイトルを握っている.この役者なんか見たことあるなーと思っていたら, コリン・ファレル主演のタイガーランドでもキーマンだった男だ.シェー・ウィガムが心を開いてきた当たりから やっと物語がおもしろくなるが,それでも煮え切っていない.もっともっとジャズだけに狂う様な人生を描ききることは 難しいと思うが,それを期待していただけにつらい映画となった.松岡俊介はイイ演技をしていた.
キャッチコピー  1947年.何にもない時代の,何でもありの男たちのストーリー.ニッポンブギウギGHQ



ラブ・アクチュアリー Love Actually
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  噂ほど引き込まれなかったのが残念な作品であるが,同時指針こうする様々な愛を描き,それらがほんの少しずつ 絡み合うというハイセンスな構成になっている.中盤,ややたるみ時間が気になってしまったものの,後半には納得のいく ストーリーが用意されている.怨みや憎しみの時代と呼ばれる現代でも世の中を包み込んでいるのは結局「愛」なんだ! Love actually is all around.というメッセージがとても印象的で,オープニングとエンディングは登場人物に関わらない 全世界の愛をテーマにしている. 英国を中心とした19人の様々な愛の形を描いている本作品の中で取り分け際だったのは,キーラ・ナイトレイ( パイレーツオブカリビアンのヒロイン)の他の登場人物と一線を画す美しさと,マセガキを演じるトーマス・サングスター君 のかわいらしい表情である.コリン・ファースがポルトガルの女性役のルシア・モニスにレストランで告白をするシーンは是非とも,一度は実演してみたいと 思った.また,Mr.ビーンことローワン・アトキンソンは今回もおとぼけキャラとして活躍.そして,ヒュー・グラント(アバウト・ア・ボーイ) が英国首相として演技をし,作品全体の切れを向上させていた. この映画の凄いところは,あまりにも多い登場人物が 出演しているため,通常なら,誰が誰だかわからなくなってしまうものだが,見事な演出とキャラクター作りで,恋愛相関図が 自動的に頭の中に出来ていくところである.その点は素晴らしい. アンダーワールドで無敵のヴァンパイアを演じたビル・ナイが 老いぼれロックスターを熱演してる.脚本・監督はビーン・ノッティングヒルの恋人・ブリジットジョーンズの日記を手がけたリチャード・カーティス
キャッチコピー  この冬,世界中を愛で包みます



ニューオリンズ・トライアル Runaway Jury
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  ジョン・キューザック,ジーン・ハックマン,ダスティン・ホフマン.渋めの役者が銃器メーカーの銃製造責任と 殺人事件との因果関係をあらそう裁判を舞台に火花を散らす裁判サスペンス.アメリカの裁判物映画が多いせいで, 日本の裁判制度はよく知らないくせに,アメリカの裁判制度には何故か詳しくなってしまう.陪審員の評決を金で 買えるというのが今回のサスペンスのキー.陪審員を売りに出す女をレイチェル・ワイズが演じるが,ミラジョボ・ビッチ似の 彼女,どこかで見たと思っていたら,ハムナプトラ・スターリングラードのヒロインであった. 映画を鑑賞する醍醐味の 一つは普段立ち入ることの出来ない世界を垣間見ることにある.その点で,この映画は十分なスリルを提供してくれる. ジーン・ハックマンが率いる陪審員分析チームや裁判の裏舞台を見せつけてくれるのが一般人には心地よい.しかし, 陪審員は市民の義務だということであっても,あそこまで立ち入られてしまうのは例え映画の中とはいえ恐い. また,映画だから可能なのかも知れないが,陪審員にランダム性が失われるのは裁判制度の骨幹に関わることであり, あってはならないことだ.などと頼まれもしない正義感を燃やしながら見ることが出来たのもまた良い.裁判官役には キューティ・ブロンド/ハッピーMAXで印象的であったブルース・マッギルが出ている.原題直訳「逃げる陪審員」は なかなか,内容を的確に表しており,好きだ.
キャッチコピー  この審判(トライアル)は−−−−−−プライドの殴り合い.



シービスケット Seabiscuit
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  なんだ?そのビスケットは?おいしいのか?というくらいの感覚で見に行った映画ですが,疲弊した1930年代のアメリカ を舞台に伝説の競走馬となったシービスケットの半生を描いた感動映画だったのです.一度や二度のつまづきは誰にでもある. そこからチャンスを与えられるかが,本物のオーナーだ.(そんなことは言っていませんが)そのようなメッセージ性が 心に残る作品となっています.恐慌ですさむ人々の心に勇気と感動を,自分たちで立ち直っていこうという心を後押ししたのが 競馬であり,シービスケットであった.その馬に乗るのは両親に売られた貧しい男トビーマグワイア(スパイダーマン) この物語の馬でない主人公はオーナーであるチャールズ・ハワーズを演じるジェフ・ブリッジスである.彼の威厳があり, 雄弁で徳を兼ね備える演技がこの作品を締め上げている.そこに,調教師役でクリス・クーパーが入りベテランのコンビネーションが 見ている者を1930年代に引きずり込む. 競馬に興味のない人でも競馬の世界に,サラブレットの走りに見入ってしまうように 上手く作られている.決してマニアだけのための映画に仕上がっていないところがポイントだ.
キャッチコピー  傷ついた3人の男と,一頭のサラブレットが出会い,生まれた奇跡−−−やがてその足跡は,≪伝説≫となった. 一度や二度のつまづきはだれにでもある.



リクルート RECRUIT
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  コリン・ファレル アル・パチーノ主演,CIA新入社員テスト受験者がコリン・ファレルでその教官がアル・パチーノだ. 入社テストは騙し合い.何がテストで何が本当かわからなくなってくる.「父親の死」「CIAからのリクルート」 「恋人との騙し合い」そしてそれら全てに絡む陰謀とは?陰謀とテストが入り交じり, 見ている人たちもわけわからず,本人達もわけわからずというのがこの映画の見所.のはずだった・・・がややしょんぼりの 結末.危険な恋の相手はブリジット・モイナハン(トータル・フィアーズ)仕事に一生懸命な感じのがんばってるぞ! という雰囲気のおんなのことを見事に演じています.その相棒役のザックは,むなしく悲しく,あっさり 死んでしまい.何となく悲しい.CIAからのリクルートは実際問題ここまでするのかなーと疑う反面. あり得るだろう.とも思い,裏の世界へのイマジネーションが高まる作品でした.
キャッチコピー  信じるな.自分の≪五感≫でさえも.



メイドインマンハッタン
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

感想  大物政治家レイフ・ファインズ(レッドドラゴン)とホテルのメイドであるジェニファーロペスが恋に落ちていく物語. あるお客が服を全部洋服屋に返しておいてくれと言う.もったいないなーと思いつつ,値札は超高級品ばかり. 友人の強引な薦めでちょっと来てみることにしたジェニファー・ロペスだが,ちょうどその時,息子のレオがレイフ・ファインズを つれてくる.勘違いしたレイフとちょっとしたデートを・・・その後,嘘を嘘で固め見ている者には楽しいストーリーへと流れていく. ホテルの仲間の厚い人情がこの映画を苦しいものにしていないところがポイントである. スタッフロール寸前では登場人物達のその後の生活が雑誌に紹介される形で暴露されており,最後は納得!というのも言い終わり方.



ムーンライトマイル Moonlight Mile
★★___ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  女がレストランで事件に巻き込まれ志望する.その婚約者 ジェイク・ギレンホールと亡き娘の父ダスティン・ホフマン. 二人はその悲しみを乗り越えて不動産会社をつくり,心機一転仕事に励むが・・・じつは,彼女が殺される二日前に, ジェイク・ギレンホークと彼女は既に破局を迎えていた! というのが一番のポイント.地上げをする彼の前に, そのお店の女が・・・ 後半は裁判を通して物語が進む.果たして,家族の運命は?恋の行方は?  理想的な花婿を演じようとするギレンホークの演技が見所.
キャッチコピー  彼女が死んで,一つの嘘が生まれた.



えびボクサー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  以前から噂には聞いていた作品であったが,近くの劇場で公開されていなかったためビデオリリースまで待たざるを得なかった 作品.二一世紀だからって何故か巨大化したえび君にボクシングをさせて一攫千金を狙うボクシング ジムトレーナーとその取り巻きのお話.そのタイトルからはちょっと遠いような気のするお寒いストーリーが やはりメジャー作品ではないことを見ている者にしっかりと感じさせる.最初はえびを見せ物にしようと していたが,餌を与えたり,体中に保湿クリームを塗ったり,間接を動かして上げているうちに 愛着がどんどん出てきて最後には,テレビの収録中に・・というのが大筋の話. 並み居る強豪ボクサーをえびが爽快にばったばったとなぎ倒していくような内容を想像していたが, そんな爽快感はなく,えびの晴れ舞台もたったの一回という話である.もっと上手くやればおもしろそうな 題材なのになーとがっかりする反面.それなりに口コミで広がり,ロングラン??をしているところをみると, それなりの魅力もある.この映画の見所は,ケヴィン・マクナリーとえびとの深い愛情である.HHPの トップに出ている赤いえびは完全に偽物.だまされるな! 映画鑑賞した後に,レッドロブスターに駆け込みたくなった 一本.
ネタバレ  テレビをぶっ飛ばして壁に穴を開けるほどの破壊力のパンチを持っているのならとても人間と やって人間が勝てるとは思わない.それをあのたるんだ腹で戦おうというのだから,ばかげている. テレビへの売り込み方も下手で見ていて歯がゆいがそう言うところを映画にしたかったのだろう.
キャッチコピー  もう海には帰れない!



イン・アメリカ 三つの小さな願いごと In America
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  この映画の見所は家族愛とか,貧乏生活の中にも幸せはあるだとか,死んだ子供の悲しみを乗り越えるだとか いろいろあると思うが,ずばり,サラとエマの天使のようなとびきりのかわいさであるだろう.物語の中でも 姉妹を演じているが実世界でも姉妹であり,その愛らしさを見るためにこの映画を見ていると言っても過言ではない. 物語の中で天使のコスチュームを纏うシーンがあるが,コスチュームを纏わずとも天使のようなオーラに魅了されてしまった. ジャイモン・フンスーが心を開いていく気持ちはよくわかった.アメリカでの公開は2002なので,エマちゃんはもう,9歳になってるのかな?
ストーリー  アイルランド?カナダ?から引っ越してきたある家族は,マンハッタンの麻薬中毒者の巣窟とされる安アパートで 新しい生活を始めることとした.父親バディ・コンシダインは俳優を目指すがなかなうまくいかない. 母親役はマイノリティーリポートで超能力を遺憾なく発揮したサマンサ・モートン.お姉さん役はサラ・ポルジャー, 妹はエマ・ポルジャー(7歳・映画初出演)の貧乏ながらも愛のある生活に焦点を当て描かれていく物語.サラが 心の中でストーリーを少しませた視点から解説し,3つの願いを行うという展開で物語は進む.グラディエイターで ラッセルクロウの友達役だったジャイモン・フンスーと,幼くして無くなった弟フランキーの存在が重要なキーとなって ストーリーにアクセントを加えている.
キャッチコピー  忘れられない傷も,やがて家族の大切な思い出になる.



アイスエイジ Ice Age
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  直訳すると氷河期というタイトルである.アンツ・トイストーリー・バグズライフなどと比べるとやや 劣っているような感触の否めない作品であるが,動物たちの動きや表情が良くできている作品である.
ストーリー  氷河期を迎え生物は南下を余儀なくされていたが,マンモスとコトバの達者なイタチ?君だけは北へと向かう. 方や北の土地では人間とサーベルタイガーが縄張り争い?を繰り広げていた.タイガーは人間の赤ちゃんを 誘拐し復習するという高度な知能を有している.そんなこんなで赤ちゃんはマンモスたちの手に渡り, 大切に育てられることに・・・サーベルタイガー陣営から送り込まれた赤ちゃん捕獲要員とマンモス・イタチ は互いに冒険をしていく中で友情が芽生えていった・・・赤ちゃんを両親のところへ返そうとするが・・・ という物語.Foxが贈るアニメ映画.



マルコビッチの穴 Being John Malkovich
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ジョン・マルコビッチは本物・本名,キャメロンディアス,ジョン・キューザックが出演し,奇怪なストーリーに 乗せて人間らしさを演出した監督スパイク.The Cell とは少し違った切り口から人間の深層心理に迫ったタッチが 新しい印象を受ける.さらに,当初意味無しと思っていた仕掛けが後にリンクしてくるなど,なかなか出来た作品である.
ストーリー  あるビルの7と1/2階にジョン・キューザックは穴を見つける.その穴に入ってみると, 大俳優であるジョン・マルコビッチを彼の視点から疑似体験することが出来,15分ほどでハイウェイ沿いの草むらに 放り出されることを発見した.売れない人形師であった彼は会社を立ち上げて一人200ドルでその疑似体験を 多くの人に提供した.キューザックはマルコビッチの深層心理に入り込み,次第に操るすべを体得していった・・・
キャッチコピー  こんな映画見たことない!



ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  ハリソン・フォードとジョッシュ・ハーネットが刑事のコンビとしてハリウッドを中心にロサンゼルスを 暴れ回るといったストーリー.13デイズでJ.F.ケネディを演したブルース・グリーンウッドが嫌らしい 内務調査の警官で出演している.この映画の見所は,まだ見ぬアメリカ西海岸のあらゆる有名スポットを 映画内で巡り見ることが出来,ちょっとした旅行気分を味わいながら,ジョッシュとともに警官気分を楽しめる ところだ.そして,作品の核(core)ともなっているのが副業を持っている公務員としての微妙さである. ハリソン・フォードは不動産や,ジョッシュ・ハーネットはヨガの先生でもうける傍ら俳優への夢を追っている. この副業の話と,題名にもある殺人事件が平行して走ることがこの映画の最大のポイントだ.この映画をみて 率直に感じたことは,やはり公務員は副業を持つべきでないな.お金のためにではなく国家や共同体のために 私たちのために尽くして頂きたいものだ.そしてそれに対して敬意を払うべきだな.ということであった. 最後には,なんだかんだいっても副業より公務だ!というメッセージのようなものが含まれていたのがにくい. この映画は序盤はおもしろくないが,中盤から途端に盛り上がってくる.
キャッチコピー  ハリウッド−それは全ての≪夢≫をかなえる街・・・



解夏 MILK WHITE
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

感想  この映画は「おもしろい!」というものではない.ただし,自分を含めた五体満足な人に,違った人生を考えさせてくれる という意味では興味深い映画であった.ベーチェット病(目や体に膿ができ,失明する可能性の高い病気)に犯されて 次第に目の見えなくなっていく男を大沢たかおが熱演しているのであるが・・ 今ひとつドライな感じがして,解夏 を伝えきれていないのではないかと思う.石田ゆり子は大沢たかおに恋する女として十分にやっていたと思う. 禅宗の修行僧達は荒行を開始する日を結夏(けつげ 5月27日)といい,その荒行が終わる日を解夏(げげ 8月23日) と呼んだ.目が見えなくなる過程はつらく苦しいものであるが,目が完全に見えなくなった時こそその苦しみと恐怖から 開放される.つまりそれは修行が終わった時なのである.というメッセージがこの作品の骨幹となる.柄本明が非常に重要な キーマンとしてこの作品でも出演しており,作品をピッと締めていたのが印象的であった.また,長崎の特有の文化に触れることが できるという点で有意義な映画であった.また,長崎県出身のさだまさしの主題歌はしっくり来ていた.監督・脚本は磯村一路.
キャッチコピー  その日,全てが消える.そして,始まる.



バレットモンク BULLET PROOF MONK
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画
 M:I-2,フェイスオフ,ジョン・ウー監督とゴッドギャンブラーのチョウ・ユンファが男達の挽歌シリーズのように 手を組んだ!!ユンファは少し老けた感があるが, 今回はまだまだ暴れん坊というところを見せてくれる弾丸ぶり.テレビCMではガンガンボウズガンガンボウズと 連呼していて(ダンガンといっているのかも知れないがどうも聞き取れない.)魅力的なシーンがエディットされている. 優しい顔と拳銃の乱れ射ちの組み合わせと言えばチョウ・ユンファしかいなく今回もデザートイーグルの2丁拳銃で 暴れ回るという姿が,プロモーションでは映っているが,この作品の趣旨として銃はあくまで敵のアイテムという位置づけ になっている.しかし,ジョンウーのアクションシーンはつなぎが上手い!臨場感を出すためにバトルの間に, 一見関係ないシーンなどを織り交ぜて,見る者の脳内で画像を再構築するように構成されている. 要望として,もっと圧倒的に強いキャッチコピーに見合うようなチョウユンファを見たかったなーと思いました.
ネタバレ  さて,ラストでは予想通り,おじいさんになってしまったチョウユンファですが,そこからのひねりがもう一つ欲しかった. ソーセージ8本,パン10個の解答は呈示されているためすっきりしたが,最後の呪文や,ナチスの残党の散り方,スタッフロール へのつなぎ方などは今ひとつであった・・・ また,序盤で登場した地下不良グループがあまり意味無かった感じが強く, うーん.といわざるを得ない.
キャッチコピー  そこの坊主,まるで弾丸!



タイムライン Time Line
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 歴史と科学を織り交ぜたジュラシックパークのマイケル・クライトン原作の作品.2003年から1374年に教授であり父である 男を助け出すために主人公達がタイムマシンで乗り込む.しかし,そこは英国と仏国の戦争のまっただ中であった.その戦争に 関して研究を行う歴史学者達がその地に乗り込んで歴史を遂行し,逆らい,そして飲み込まれていく様が見所である. ハリウッド映画にしては珍しく,イギリス系が負けてフランス系が勝つという内容で(史実だからしょうがない.それともアメリカが 負けなければいいのかな?)物語も,フランス側を中心に描いていた.過去に争いがあれば,現在にも,タイムマシンの 発明にからむ名誉と汚名のせめぎ合いの争いがあり,そちらもそれなりにおもしろい.キャッチコピーは「それは14世紀からのSOS」



着信アリ
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 柴咲コウ初主演映画,堤真一との「ドラマ Good Luck!」とは違った関係が楽しみな一本. 日本映画も強力になってきたなーと感じるホラー作品.その恐怖感たるやかのリングに勝るとも 劣らないできでした.例によって,上映中に大声で絶叫してしまい,(150dB)周りの観客を よりビビらせてしまいました.ホラーの基本は自ら,その世界観のベースに入って行って いっしょに楽しむことだと思います.今回の作品はその手助けとなるような上手い演出で作られていました. 柴咲コウはバトルロワイアル1に出演し,注目されていましたが,女優としてはなかなか素晴らしい ものです.人気投票などではあまり目立った上位には入ってきませんが,出演したドラマはことご とく視聴率を上昇させるという影の魅力があり,ほんとにイイ表情をしています.当然,かわいい! (その反対が上戸彩で,人気投票などでは上位だが 彼女の関わったドラマなどは視聴率が芳しくない.)映画のストーリーの方はというと, 自分の携帯番号から電話が掛かってきて着信アリとなる.その伝言メッセージには死ぬ時の自分の 声が録音されている.柴咲コウの友人関係がゴシュゴシュ引きずり込まれていく. 次々と殺されていくうちに,テレビ局が呪われた女の子をテーマに特番を組む.この事件に警察は 関与してくれない.そこにこの事件のことを知っていそうな男 堤真一が・・ 呪いの正体は?柴咲コウと堤真一の関係は?あの音の正体は?非常に良くできていました. 内容面ではホラーなだけに, 「なんで?」「原理は?」と思うことだらけですが,そこは「霊の力!」ということで納得しなければなりません. 前振りや布石が序盤で登場し,最後の方にしっかりと重要な重みを持って効いてくる.というところが 名作たる重要なポイントです.ですが,この映画の最も良いところは ネタバレ→ おわった・・・ヽ(´▽`)ノと思わせてからまだまだ,観客を揺さぶるとことです.最後の最後まで揺さぶりつつけ, ← 徐々に明かされる真実と相まって「ああ!映画をみたなぁ=」という気にさせてくれます.  少し思ったところを挙げてみると,ネタバレ→ テレビ放送中に首がぶっちぎれて しまった後,あのプロデューサーはどうなったのか? 放送中はお茶の間にあの亡霊は映っていたのか?  さすがにテレビであそこまでなったら,国家的な大問題になるのでないか? 堤真一の妹がラストで出てきて 人の数だけ空があると意味深にいったのは柴咲コウの主題歌シングルの売り上げを伸ばすためだけなのではないか?  最後,柴咲コウの部屋で堤真一が指される時に本物の柴咲コウはどこへいっていたのか? ラストシーンで 柴咲コウが例の赤玉を口移しで入れて,果物ナイフを持ち,しかも,病院にいるというのは結末がどっちに転んだとしても, つじつまが合わないのではないか?← いやー.何はともあれ.延髄(medulla)に電撃が走りまくる素晴らしい 映画でした.ヽ(´▽`)ノ キャッチコピーは「来る.」



ミスティック・リバー MYSTIC RIVER
★★___ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 クリントイーストウッド監督 アイアムサムのショーン・ペン主演.死体は川に消えていく・・・そんな意味からこの題名. 少年時代に思い出を共有した3人が大人になって再会する.一人は警官,一人は殺された娘の父親,もう一人は容疑者. 心に残ったシーンは少女の死体から旋回し空を映し出すシーンだった.それ以外は後味の悪い内容になっている. この作品のテーマには「幼少期の虐待」というものもある.もっとスタンドバイミー的なところを押し出して, それがどのように裏切られていくのかってところに重点を置いて深く突っ込んで欲しかったと思う.その点が 残念な作品であった.作品全体として灰色の曇り空的な印象が強く.見終わった後に,少し落ち込むような しあがりとなっている.( ゚Д゚) ネタバレ→単刀直入に言うと,主人公は悪人.犯人を間違って殺す. でも,おとがめなし.それで終わっていいんか?という作品.← キャッチコピーは「もうひとつのスタンド・バイ・ミーを 見るために,あなたは大人になった.」



チャーリーと14人のキッズ DADDY DAY CARE
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 エディーマーフィー キューティー・ブロンド2(リース・ウィザースプーン主演)で意地悪秘書役をやっていた レジーナ・キングも出ている.ストーリーはエリートサラリーマン(エディー・マーフィー)がリストラをくらい, 自分の息子の養育費すら危うくなるが,この街にはバカ高いエリート保育園か,保育園と呼べないような ひどい有様の施設しかない.そこで,自分たちだけで保育園を経営しよう!と思い立ちいっしょにリストラになった 友人と男達だけで起業.保育園を経営する.男ではうまくいくはず無い!という業界であるが「男であるがゆえに苦労し, 成功させる」というハートフル・コメディー 子どもの一番大切な時期の一番大切な魂を育てるという大役を担う 保育園.本当に愛情イッパイに育てて上げたいなーと思わせられる一本で,観賞後に心がポカポカする. 個性豊かな子ども達と,愉快な先生達.忙しさの中に,事件や陰謀がコミカルに詰め込まれたおすすめの一本.



半落ち
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 寺尾聰主演.周りからも尊敬されるベテラン刑事は妻を殺害し,自首した. 殺害については自供を行ったが,殺害後の2日間何をしていたのかについては黙秘していた. この状態を警察用語で「半落ち」という.(これに対して完全に自称することを 「全落ち」という.警察用語)裁判とマスコミの目を通して,事件の全貌を明らかにする形で物語はすすみ, 尊厳死と命と魂のあり方について考え直す機会を与えてくれる映画に仕上がっている.鶴田真由 ,樹木希林,柴田恭兵や邦画おなじみの面子がドラマに臨場感を与え,また,しっかりと組み立て られた脚本がこの映画に魂を吹き込んでいる. この映画の見所は,警察と検察の内部事情を少 し知ることができるということと,寺尾聰の演技 である.しかし,アルツハイマー病の方と接 したことのある人がこの映画を見た場合のツボは,自分の体験と寺尾らの体験をだぶらせて見る ことができるという点である.例によって私はまた,鑑賞中に泣いてしまったが,(周りの人も 泣いていたので,少し安心) 自分や自分の大切な人が,生きながらにして死んでいく,壊れて いく,アルツハイマーに蝕まれていくということを想像し,その時の状況からこの映画への強い 共感を得た.その結果として,多くの涙を流していたのだと思う.激しいアクションなどを見る 映画もよいが,想像力をかき立てるこうゆう邦画も大切なエンターテイメントであると思った. ネタバレ→ 判決の主文が検察の求刑通りであった.その理由について は読み上げられる最中にフェードアウトする形で終わってしまい少し残念であった.(小説の方 を読めばわかるのであろうし,何年間服役するかということはこの映画の本質ではないのでカッ トされても当然である.しかし,裁判という形を物語の中心に持ってきたのであったのだから,そ こは是非とも聞いてみたい感じが強かった.)← 寺尾聰のほかの作品も見てみたくな る刺激を受けることの出来た良い作品であった.



トイ・ストーリー2 Toy Story 2
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 続編だけあってCGのレベルは1よりも上がっていた.前作のメッセージが「オモチャを大切に」と 子供達に問いかけるものであったのに対し,本作では「仲間の大切さ,窮地に追い込まれている 仲間のためなら自分の身も顧みず助けるのが友達だ.」というものである.この映画を見て育った子供は 幸せだろうなーと思える作品.もし,私が幼少の頃にこの作品を見ていたなら,オモチャに対する敬愛の念が とても高まっていただろうに・・・と思える.(オモチャ達とは親しみを持って接してきたが, それでも捨てられたものは沢山ある.それは大人になることへの大切なプロセスでもあるが,より, 私を育ててくれたオモチャ達を敬うことができたのではないか?という意味)子供の楽しみを奪う金持ちコレクターの いる土地として日本が名前にあがっているのが,何ともアメリカの日本観らしい.巻末にはおもしろいNG集がついており, それも必見だ.



トイ・ストーリー Toy Story
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 はっきり言ってとんでもなくおもしろい.子供用に作られているストーリーであるのは間違いないが, 下手なハリウッド映画よりも筋が通っており,起承転結ありの,間延びしない展開で大人も楽しませて くれるのがすごい所だ.おもちゃ達の立場からこの世界を描いているという点でとてもおもしろい映画. おもちゃ達の世界観では,持ち主である子供(アンディ)にいかに気に入られ捨てられてしまわないかが重 要なことである.これまでアンディのお気に入りであったウッディー(保安官)は,新しいオモチャである 銀河を守るヒーロー バズ・ライヤーの登場により,お気に入りのナンバー1の座を奪われ,嫉妬する.・・バズ が窓から落ちてしまい,仲間達から「オモチャ殺し」の容疑をかけられ,ボスの座から一転して嫌われ者と なったウッディーはバズとともアンディーの元に帰る大冒険を繰り広げる.ゲームセンターや,オモチャを 壊して遊ぶ子供シドの住む隣の家,庭,道路などオモチャ達が暴れる舞台は次々と変化し,それぞ れの場所ではその特性に合わせたのアドベンチャーが用意されている.人間の前ではピクとも動かないというのがオモチ ャのルールだが,時にはそれを破って動きまくったりしてい るのがまたおもしろい.「オモチャを大切に.」という基本的なメッセージがこの作品のコンセプトとしてある. 大人であっても自分の幼少の時期に一度はオモチャらしきものを壊したことがあるはずであるから,その観点 から,過去を思い出すことができ,映画の重要要素である「共感」を持つことができるように構成されている . オールCG(コンピューターグラフィックス)の作品として有名になったが,おもしろい映画はCGである とか実写であるとかにかかわらず,内容が勝負であるなーと痛感した作品であった. ちなみに,日本語版の声の出演はバズ=所ジョージ,ウッディー=唐沢寿明ということでこちらのほうも見逃せない.



アンドリュー
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 ロビン・ウィリアムズの作品.近未来に製産される家事手伝いロボットが人格を持ち, 創造性を持ち,感性を持ち,人間へと成長していくストーリーを,人間の尊厳とはなにか ?というテーマとともに描いているのがこの作品.物語の前半はまるでロビン・ウィリア ムズは出てこない.この映画は私に多くの共感を与えてくれた.成れないものに成ろうと する切なさ.愛したものが消えていく切なさ,自分だけが残る切なさ,永遠という切なさ ,この映画を通してとても多くの切なさを味わうことができました.スティーブンスピル バーグ監督のA.I.を見たときの感動と似たものを感じました.この映画を見てある種の残 酷さを感じました.それは永遠という残酷さで,たとえば「死んでも許さない」という言 葉を発するということは,「自分の死・相手の死をもってしても償えない罪=許されない 」である.と相手に意思表明することであり,なんて残酷な言葉なんだろうと感じました .(一生許さない.なら,死んだら許されるという可能性があるので残酷さの度合いは低 いと思います.)



ミシェル・ヴァイヨン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 リュック・ベンソン監督のル・マン24時間耐久レースに関する物語. レースにこだわる男,ミシェル・ヴァイヨンと, 勝敗にこだわる女がレースの表舞台と裏舞台で戦いを繰り広げる. ヴァイヨン家は 由緒正しきレーシングドライバーの家計で,かつては ヴァイヨンとリーダーと呼ばれる2大チームがレースを争っていた. リーダー側はヴァイヨン側に苦湯を飲まされる形でレースの世界を退いていたが リーダーの娘が新たに社長となって,ル・マンに出場することとなった. あの手やこの手でヴゥイヨンの出場を妨害し「おいおい!ル・マンってそんなに 適当なレースだったんかよ!!」とつっこみを入れざるを得ないようなことも 起こっているが,(レースファンとしてはもっと,厳格にスピードを競って頂きたいとい う意味)そういう裏事情と,なまのレースが融合してエンターテイメントとなっていると いう点でおもしろい映画.レースシーンだけを見ても, とてもスピード感があり,単純にすごいと思え,楽しめる.下手にレーシングマニア向け に作られていないのがみそだ.オープニングはヴゥイヨンの母が息子が事故って死ぬ所から 始まっており,のっけから激しいシーンで観客を世界に引きずり込む.この映画の見所はリ ュック・ベンソン監督の得意技であるスピード感の疑似体験と,レーシングマシーンの美しさであろう.



8マイル 8Mile
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 アメリカ・デトロイト自動車工場で発展した町を思わせるそこで世界を代表するヒップホッパー 「エミネム」は育った.彼の生い立ちを実際に彼自身が出演して映像化している映画がこの8マイル. デトロイトの町には8マイルと呼ばれる道があり,そこを境に黒人街と白人街が分かれている.裕福と はいえない階層の人々がそこでは生活しており,日々,食いっぱぐれる心配をする傍ら,アメリカンド リーム・成功の願望も持っている.「バトル」と呼ばれるヒップポップで対戦相手を打ち負かすという 大会が夜な夜な行われている.エミネムは仲間の間では認められるhip-hopの使い手であった.しかし ,バトルでは怖じ気づいて思うようにはいっていなかった.いつかはラジオに出て,そこで認められ, ビックになる.バトルに出場する者はにはそうゆう野望があった.バトルのポイントは,韻を踏む( ライム)相手を罵倒するばかりではなく,機転を利かせた言葉で対抗する(スキル)が重要であった. 家族やお金の問題を抱えた底辺に近い生活の中で,若いエミネムはもがくように日々を生きる. そして成功への階段を・・・  エミネムファンであれば,どうしてもチェックしたい作品で あり,hip-hopの世界をかいま見ることのできる作品でもある.しかし,どちらかというと汚い言葉や 道徳の低い世界での常識が成り立っている物語であり,そういうものを不快に思う人にとっては耐え 難い映画になっているのではないだろうか.しかし,そういう世界を見ることによってアメリカ映画 やアメリカンドリームのよりリアルな部分が見えてくるという意味では,おもしろい一本であった. 本編はデトロイトの地下シェルターの大会でエミネムが優勝し,成功への階段を一段上った所までを描いている.



ネメシス S.T.X.(スタートレック)
★☆___ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 圧倒的に不利な状況でもなぜか死なない主人公.こっちの弾は当たるが敵の弾は当たらないの典型 例.任意の場所に物体を転送できる能力があるのに,わざわざレーザー銃で戦いを挑みに行く理不尽さ. (爆弾を転送しろよ!という突っ込み)宇宙規模の平和を議論する割に小さい世界観. 気持ち悪い目のロボットやエイリアン.これらがこのスタートレックの持ち味です.都合のいい所 は思いっきり都合よくできる科学技術を持っているくせに,肝心な所でその機能を使用しなかった り,そのあたりがとても納得のいかない作品.根っからのスタートレックファンが楽しむための 映画になっているのではないか?という印象が強かった.主人公はX-Menのマグネフォースと対立する 超能力者オヤジを演じるパトリック・スチュワート.敵ボス役としてブラックホークダウンにも出ていた 注目のトム・ハーディーが出ている.



元カレ 全5巻
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 映画やドラマの醍醐味は、自分の経験できないもしくは経験する機会が少ないと思われる状況を疑似体験できるということである と思う。その観点から、おもしろい疑似体験をさせて頂いたドラマでした。主人公を自分と置き換えて 楽しめるといった観点から良く作られていた作品であると思います。主演はキンキキッズの堂本剛、広末涼子、内山理名 サイドストーリーとしてキャイーンの天野ひろゆきとソニンが出ています。作品全体のメッセージとしては、「ハッキリしなさい!」 ということと「積極的に行きなさい!」というものが込められていたように感じます。贅沢な恋愛の悩みの疑似体験と デパートの食品売り場で働く方々の苦労を垣間見ることの出来るという意味で為になった作品です。ただ、後半はだらだらと 続いた感じがあり、終わり方もうーむ。という感じだったため三つ星。ソニンちゃんはぴったりの役柄という印象。 広末涼子は演技が上手いと思った作品でした。



リベリオン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 何ともあり得ない世界を描くことにチャレンジしている。それは凄い映画。めちゃくちゃだが、前提をかたくなに 飲み込めんで納得しながら見ることによって味わいが2度も3度もおいしくなる。見所はガン=カタ、空手の 型のように、銃の型というものを射ちやすく射たれにくく統計的に計算して形にした武術。 ハッキリ言ってむちゃくちゃ だが、だがしかし!かっこいい!! マトリクスのパクリなんていうのは野暮。もはや新境地を切り開くガン=カタに 今後も期待。リベリオンとは反逆者の意味。第3次世界大戦を終えた人類は第4次には確実なる滅亡ということを予期し、 全ての紛争の種となりうる「感情」そのものを薬により封印した。(全国民は厳しい管理下に置かれている世界・・だけど、 首脳陣には感情が・・)あまりのかっこよさと、支離滅裂さが相殺して3つ星評価。残念。(゚д゚ )



奪還
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 スティーブン・セガール主演。謎の囚人を演じる。以前に自分が盗んだ黄金の財宝の在処を誰にも言わずに処刑される 男をさらって金を手に入れるために犯罪集団が、難攻不落極悪囚人達の終着駅アルカトラズに乗り込んだ。 死刑執行に立ち会う元裁判官が人質に取られ、セガールは・・・ 超大物ヒップホップシンガー ジャルールが 共演し、いつもながらのクレバーなセガールアクションが楽しめる一本。



12人の怒れる男
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 主演ヘンリー・フォンダ。スラムに育つ少年の死刑判決を巡り12人の陪審員が有罪か無罪かを議論する。 裁判の上ではどう見ても有罪とされていた。あとは陪審員が12人一致で死刑判決の確定を言い渡すだけだった。 夕方に野球観戦を控える者もいる。早く帰りたいひともいる。話し合いの必要もない。そんな空気の中で8番陪審員(ヘンリー・ フォンダ)だけが本当に話し合わずに、有罪としてそれで一人の人間が処刑されていいのか?と問いかけた。 空調もない蒸し暑い部屋での夏の昼下がりの熱い熱い怒れる男達の物語。 物語は狭い限られた空間の中だけで進み、 ストーリーと出演者達の些細な表情仕草だけでみせる。みせるみせる見せまくる。明らかに低予算。しかし、ここまで、 画面から目が離せない・引きつけられる映画があるだろうか? やはり、人間こそがエンターテイメントの主体なのだな。 と思い知る作品。次々と明かされる・検証される事実。揺れ動く陪審員の心。映画を鑑賞している観客を意識した展開。 そして、最後まで見た時にしっかりと満たされている満足感。まったく素晴らしい作品です。



ブルースオールマイティ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ジム・キャリー主演。モーガンフリーマンが神様。売れないテレビキャスター(ジムキャリー)は、何をやっても不幸続きで、 テレビ局の花形アンカーマンの座も同僚に取られてしまう。そして、情緒不安定になり、怒って神様に不公平だと怒鳴りつける。 すると、ポケベルに神様からの呼び出しが、妖しげなビルにて神(モーガン・フリーマン)から神の力をもらった。そして、 私利私欲のために使い放題。重なる不幸の原因は殆ど自分にあるくせに、他人のせいにしているのが腹立たしく、また、 不幸だ!!とわめき散らしている割には、裕福な暮らしに彼女付き、客観的にかなり幸せな生活。それにもかかわらず、 神に対して文句を言っているのがむかつく作品。しかし、マトリクスリローテッドの公開を押しのけての全米ナンバーワン という作品だけあって、神の力のもてあそび具合は痛快でおもしろい。観客がそうして欲しいと思うことをしっかりと 実行してくれるのがうれしいところ。中途半端な演出をせず、徹底的に見せているところがいい。見所は ジムキャリーとワル達とのバトルシーン。



すべては愛のために BEYOND BORDERS
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 原題のビヨンド ボーダーズ(数多の国境を越えてという意味)よりも、邦題の全ては愛のためにの方が 内容とマッチする作品であった。現実の世界でもUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使を務める アンジェリーナ・ジョエリーが主演で精神的に幼く、衝動的にエチオピアの難民キャンプに食料を寄付する女を 演じる。題名から推測される内容としては、裕福な者が貧しいものに心を使い、愛を与えて「全ては愛のために というスローガンで戦争反対・貧富の差の拡大阻止」を訴える映画だと思っていたら、国境を越えてまでも、 家族を捨ててまでも、エチオピアで会った医者のことが忘れられずに、愛し続けて、彼女自身の愛を貫くために みんなに迷惑を掛けるというストーリーであったのには驚いた。 日本という国に生まれて当たり前に生活を させて頂いている自分がいかに幸せなのかということを実感できるのでその点では、多くのことを学ぶことの出来た 映画でありました。しかし、ストーリー的には、自分の本能の赴くままに行動し、結果として可愛い家族を見捨ててしまう。 という内容なのでそこには共感できず、イヤな映画だな。と思いました。



Xメン 2
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それなりに楽しい普通の映画

 この地球は人間だけのものではない。というメッセージをXmenというミュータント達を通して、伝えようとしている アメリカンコミックから生まれた映画。この2を見るために以前、Xmen1を借りたが、そうこうしているうちに 劇場公開が終わってしまい、ビデオまで待った作品。個人的に興味は薄かったが、それなりに話題になった作品だから 見ておこうと思って借りたが、Xmen一人一人が強すぎて夢も希望もない。といった印象。同じアメコミでも、 映画化に関してハルクなどは苦悩する主人公と徐々に明らかになる自分の力に対する発見などが見所となっており、 感情移入できたが、強大すぎる超能力を保持するミュータント達が当たり前のように、その能力を使いこなし、 そういうモンなんですね。と納得するほかなく、そのくせ、それらの能力は物語の重要な局面で抑制されていたり、 使わなかったりで、「おい!あれを使えばこの局面を簡単に乗り越えられるんじゃないのか?」と突っ込みを入れたくて しょうがなくなる。アクションは全編に渡って見応えがありよい。人間達はお決まりのように銃を構えてそして、構えたまま 何も出来ずにやられていくのはかわいそうだ。中でも、手榴弾を胸に着けた部隊の隊員達に対して、磁石の力で手榴弾のピンを外し、 ぼこぼこと爆発していくシーンは兵士達がかわいそうでたまらない。



サウンドオブサイレンス
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 良くできたサスペンスになっている。主演マイケル・ダグラス。10年前の宝石強盗で巨万の富を手に入れるはずだった一味は ある男の裏切りにより、その石を手に入れることが出来なかった。その宝石の在処は裏切った男の娘だけが知っている。 娘は父親が殺されるところを目の当たりにし、重度の精神病と診断され、施設に入っていた。精神科医マイケル・ダグラスは 1人の娘と家族で幸せに暮らしていた。しかし、精神病の女からある数字を聞き出すために、最愛の娘をさらわれ、 大変な役目を演じることとなっていく。というストーリー。精神病の女も、マイケル・ダグラスも、犯人も、娘もみんな頭がいい。 謎解きにはうってつけのサスペンス。ラストの墓場で悪党が土に埋もれる様子が見物。



ギャングオブニューヨーク Gangs Of New York
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 レオナルド・ディカプリオ、キャメロンディアス、ダニエル・デイ・ルイスが出ている。  マーティン・スコセッシ監督作品。ものすごいディテールまでこだわることで有名な監督。 莫大な制作費を捻出するためにレオナルド・ディカプリオを引っ張ってきたというのがもっぱらの噂。 ニューヨークの歴史に相当通じている人でないとおもしろいと感じないのかも知れない。 女は平和を求め、男は自分の中の正義を求める。そんな印象を与える作品、初っぱなの大乱闘から、 棍棒・ナイフ・なたで切り刻み合うぐちょぐちょシーンの連発。トレンドのニューヨークという町にも こんな時代があり、その時代を経て今があるんだよ。と語りかけたいのかなぁーと思う作品。 もっとも、記憶に残ったシーンとしては、ラストの墓が次第に風化していき、現在のニューヨークのビル群が 立てられていくという時代を感じさせるというものがあった。そこ以外はディカプリオとキャメロンディアスのファン以外は みなくてもいいかもという作品。



ゴーストシップ Ghost Ship
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 もっとしけた映画だろーなーと思っていたが、予想を裏切ってまあまあおもしろいホラーサスペンス。 中盤は、おいおい。もっと怖がらせてくれよ。という感じもあったが、ホラーというよりも、サスペンスとしてみると、 ある程度の矛盾は置いておいて、結構楽しめる。缶詰を食べていたら、お約束通り、それが ネタバレ→ ウジ虫であった← というのはとてもいい。初っぱなのオープニングのシーンで少女がたった一人だけ生き残るシーンは すさまじい。あのシーンがこの映画の全てといってもいいほどの衝撃を受ける。あのシーンが凄すぎて、後に出てくるシーンは 何となく引け目を感じているような印象で、それがこの作品が4坪死に至らなかった理由。 物語の終盤で一気に謎が解けるタイプの作品で、再帰的なエンディングを用意しているのがまたにくい。 結局「サタン」かよ。ってところが、西洋ぽくって良かった。(゚д゚ )



ファインディング ニモ Finding NEMO
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 アニメの方がそれぞれのキャラクターを色濃く表現できるのかモナーと思った作品。魚なのに、目と口と声だけですさまじく 強烈なキャラクターの特性が伝わってくる。子供に、「お魚さん達もいっぱいいろんなこと考えてるんだから、 大切に扱わなくちゃいけないのよ。」とか、「やっぱりお父さんのいうことは聞かないとねー」などと教えるにはとても良い作品となっている。この作品の見所は、ディデールの 細かさと、あまりに美しい海の中の世界の表現であろう。珊瑚礁の中を沢山の魚たちが泳ぐシーンはあまりに 美しく、目を奪われる。鯨の歯や、鮫の歯、クラゲ・・リアルだ。また、ペリカンがニモの父親マーリンを口に入れて運ぶ時に、 わざわざ、海水を口内に補給してから進むところなどは矛盾点を少しでも無くそうという制作者の意図が感じられてとても良い。 歯医者での人間達の仕草や海猫かカモメたちとペリカンたちとのバトルもとても笑えるように作られており、アニメの名門 PIXARのすばらしさを感じることが出来る。下手な実写映画よりもずっと映画らしい。エンターテイメントに溢れ、見ているものを 楽しませて上げようという意気込みが感じられるそんな作品。



彼女たちの時代 全4巻
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 深津絵里・水野美紀・中山 忍の3人が大人になってから出来た友達というコンセプトでそれぞれの (主に仕事)悩みを分かち合い共有し、乗り越えていく物語、深津絵里のお姉さん奥貫 薫の旦那役で、 主役といってもいい存在なのが椎名桔平。すばらしい演技力だ。エリートとして進んできた人生に置いて、 自分から退職を申し出るように、出向させられ、それでもやめないので、本社に戻され、人間開発室(通称独房)に ぶち込まれる。壊れていく精神を描写し、それを支えていくものはなにか? 自分以外の人生をのぞき見るのが ドラマや映画の醍醐味であると私は思っているが、そういう観点から最高に楽しく、為になって勉強になった 作品となった。深津絵里・水野美紀のコンビはすばらしい。特に深津絵里の演技はすこぶる良い。彼女の作品を また一段と借りたくなる作品である。女優は顔も大事だが、やはり人を引き込む演技力だなぁと感じさせられたドラマ。  最終話の終わり方が今ひとつという印象もあるが、日常の大切さ・重要さを訴えたい作品であったので、 あれが適切であったのかも・・・ 主題歌のHappy Tomorrowはフジテレビの他のドラマに比べて、やや印象に 欠ける弱いイメージであったのが残念だ。



アンツ ANTS
★★★☆_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ディズニーアニメ。蟻たちが言葉をしゃべり、かなり高度な知能を持っている。それは別にいい。 だが、顔かたちはありのまま、表情が豊かで、その容姿はアリというよりも、むしろE.T.にちかい。 E.T.同士がキスをしたりするアニメは果たしてどういったものか?とその評価に悩むところだが、 作品の趣向はバグズライフとはうってかわり、縦社会。コロニー(集団)あってプライベート無し(自分は集団の一部として 存在)というまさにアリの社会というものに疑問を呈する一匹の若者Z(ズィー)が蟻たちを 個人主義へと引き込んでいく。次期女王を誘拐し、インセクトピア(虫の楽園)を目指して冒険する。 ネタバレ→インセクトピアは単なるゴミ箱周辺← しかし、それが、 虫の世界観をコミカルに映し出し、笑いを誘う。また、蟻たちが知能を駆使して、結構凄いことをやったりするのが みどころであるが、最大の見所は、人間の靴の裏のガムに張り付いて、長距離を一気に移動するシーン。 日頃から、足の裏の蟻たちに注意したくなること請け合い。ややぎこちないCGがその臨場感を何杯にも盛り立てている。



バグズライフ a bug's life
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 おもしろい。子供用アニメと思って舐めていたら、はまってしまう。彼らのがんばりに経緯を表したくなる作品。 彼らはなんて小さな世界で生きているんだろう。と最後に思わせてくれるような作りになっているが、翻って 人間はどうなんだ?結局人間もごく小さい世界だけで生きているにすぎないのではないか?と思わせてくれるところが この作品の凄いところ。様々な種類の虫が共通の言葉をしゃべり、コミュニティーを形成している。主役は湖の中に浮かぶ 島に住んでいるアリ達で、その中でも発明心と好奇心の旺盛なフリック。毎年襲いに来て貢ぎ物を要求するバッタ達。 フリックのミスでせっかく集めた貢ぎ物が無くなってしまった。怒ったバッタ達は更に多くの貢ぎ物を要求する。 フリックが邪魔なために、蟻たちは彼を旅に出させる。それはバッタ達を退治できる強い虫たちを探しに行くたびだった。 「たのしかったね。」だけで終わる映画とは違い、しっかりと、子供達に何か大切なメッセージを託すようになっている ところに、この映画が普通のアニメと違い、大人が子供に見せたくなるといったものになっているのが凄い。



木更津キャッツアイ 日本シリーズ
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 別にバッシングしなくてもいいけれども、はー。まあ、たまにはこういった映画もあっていいか。という作品。 宮藤官九郎のシナリオでTBSに連載していた木更津キャッツアイシリーズの映画版。テレビ放映では今ひとつの 評判であったが、宮藤官九郎の作品と言うこともあり、放映終了後に徐々に人気が出てきてファンの多い作品。 この映画は、ドラマを全て見た人がその世界観を保ったままの続きを見たい。という人のために作られた映画で、 一般の映画ファンは全くターゲットになっていないという印象を強く受ける。木更津キャッツアイ?なにそれ?という 人が見に行ったら、金返せ!と怒りたくなるような作品だ。テレビシリーズを通して各キャラクターの特性を すでに理解していないと、身の毛もよだつほど寒いシーンの連続で構成されており、時間と金の無駄を通り越して むかついてしまう人もいるに違いないというようなできだ。だたし、ファンならば、納得のいくいかにも 宮藤官九郎チックな物語となっているだろう。テレビ版のおいしいところはしっかりと継承しており、発展させている。 支離滅裂なストーリー。現実離れした普通。真剣ないいかげん。岡田 准一、櫻井 翔、岡田 義徳、佐藤 隆太、塚本 高史の 5人と酒井 若菜がテレビシリーズのキャストとあの空気を織りなしていく。テレビ版のキャストはオール出演という感じで ファンにはとてもうれしい。今回はゲストで、ユンソナと ウッチャンナンチャンの内村光良が出演しており、ストーリー上重要な人物を演じている。ネタバレ→  オジー(古田 新太)が復活するのはファンにとってうれしいことであるが、内村が整形をしたと思わせた後に、 オジーが出てきて、その行動から、かなり早い段階でオジーの正体を推測できたことは何となくうれしかった。しかし、 顔は特殊メイクで良くても、体は違いすぎだと思った。← キャッチコピーは「最高で最低の夏」



フォーンブース The Phone Booth
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 監督ジョエル・シューマカー(バットマンフォーエバー・9デイズ)とコリン・ファレル(ジャスティス・マイノリティ・リポート・S.W.A.T.)がアメリカで高い評価を受けたタイガーランドに続いて組んだ作品。この作品は見る前からおもしろいなぁ(正確にはおもしろそうだなぁ)と 思っていた作品で、実際に見たらやはりおもしろかった。なぜ、おもしろそうと思っていたかというと、「いきがった男が、 ライフルで狙われて、とある電話ボックスから動けなくなり、犯人のいいなりになる」というストーリーで、たったそれだけのこと(つまり、映画の殆ど全編は電話ボックスの中で繰り広げられることとなる)でどうやって、1時間30分の上映時間を 保たせるのか? よほどの表情や描写・台詞・背景が用意されていなければなせる映画ではない。と見る前から想像していたからだ。 一言で言うと、コリン・ファレルの演技力一つで成り立っている映画である。すばらしい! タイガーランドでは酷評したが 現在、最も注目すべきハリウッド俳優であると思う。アル・パチーノと組む次期作リクルートも非常に楽しみだ。  コリン・ファレルの細かい仕草と、細かい心理描写を映像化してストーリーに織り交ぜ、見ている人の 推測欲求を刺激する作り、非常に良く仕組まれた犯人の計画性、それらがストーリーの臨場感を向上させ 作品の世界に引きずり込む。また、最後にはしっかりと自分の推測は当たっていたのかどうか?という疑問に対して、 答えを呈示してくれ、観客の気持ちを満たしてくれる。それでいて、しっかりと、新たな謎を残しておいてくれるのが、 またにくいところだ。コリン・ファレルの英語は早口で聞き取れないが、電話の相手の英語は聞き取りやすく、 生の臨場感が味わえた。また、挿絵を挿入するような技法でストーリーを展開するやり方はこの作品に非常にマッチしており、 好感であった。コリン・ファレルの魅力を周りの人にも伝えたい!そう思った映画。



ハンテッド THE HUNTED
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 戦争帰りの男が、戦場での衝撃に心にトラウマをつくり、祖国に帰っても、狩り(人間)を行う。というストーリー。 トミー・リー・ジョーンズとベニチオ・デル・トロ(トラフィック、スナッチ)のバトルが見所。この映画の公開時期がポイントなのであるが、 イラク・アメリカ戦争のさなかに公開されたことに意味のある作品。感想として、Killingマシーン ベニチオ・デル・トロは つえーなー。トミー・リー・ジョーンズ・・・老いたな・・でも、すごくがんばっているな。 という作品。コニー・ニールセンはかっこいいなー。



アンダーワールド Underworld
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ヴァンパイア=吸血鬼とライカン=狼男の因縁のバトルを描く銃打ちまくり刀振り回しの物語。ヴァンパイアや ライカンは特殊ウイルスによる人間の変化系であるというスタンスは多くのヴァンパイアものと同じだ。 しかし、いがみ合う2つの種は実は同型のウイルスからの派生であるとし、互いは互いを排他的に受け入れることが出来ない という設定であるのはおもしろい。しかし、その両方の血を受け入れることの出来る人間がいるとしたら・・ 因縁の抗争に終止符を打つために日本人のHYDEに激似の主役ケイト・ベッキンセールはかっこいい!! また、老ヴァンパイアのビクターことビル・ナイはおじいさんっぽいのにこれまたイカしている。 吸血鬼シリーズとしては「ブレイドシリーズ」とかなり似ているが、微妙に違う。そんな雰囲気が作品の世界を包み込む。 各種設定やアクションシーン、とくに最後の超人vs超人のバトルはすこぶる良い。欧米人はなぜか、 ヴァンパイアものがとっても好きみたいですが、この作品は通常のヴァンパイアものにないような 爽快感があって私も大好き!という感じでした。印象的なシーンでヴァンパイアが猫のようにおびえるシーンがあり、 人間ではないなにかを現すのにとても良い技法だなぁと思った。



ALIVE
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それなりに楽しい普通の映画

 北村龍平監督作品。スカイハイの作者でもある高橋ツトム原作のALIVEを映像化。龍平先生の恐ろしさが光る作品。  あずみのブレイクでより注目されてきた北村監督の眠っていた作品が市場に放出されてきた。出演者はVersusの顔ぶれ が目立つ。主役は死刑囚 榊 英雄。ヒロインにりょう。その妹の研究者に小雪。前半のライバルに杉本 哲太。黒幕に、國村 隼・ベンガル。榊の昔の恋人に小田エリカ。そして、宿敵にはVersusの再来 坂口 拓という面子。豪華な顔ぶれだ。 野外でのシーンはほとんど無く、独特の世界観を持つ刑務所や実験室というセットのなかで ストーリーは進む。死刑を執行されるはずだった榊英雄は経歴上は処刑されたということにされて、実は生きていた。 しかし、ある程度の自由を与えられつつ、監禁されて、ある実験をさせられていた。 見所は、中盤の異次物に対して「殺すぞ」と言うシーンと、ラストの榊英雄と坂口拓の激しいバトルアクションということに なっている。非常に監督の北村龍平に対して興味を持てる作品であるが、映画オタク向けの映画マニア作品である・・ということは付け加えておきたい。



Versus
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 北村龍平監督作品 北村監督が有名になった作品。日本でよりも、世界の映画祭で先にブレイクし、世界が認めた アクション作品。2人の主人公 坂口 拓と榊 英雄の対決のストーリー。よって題名はversusという作品。 ヒロインに三坂 知絵子(このお方、宇多田ヒカルととても似ていらっしゃいます!) この映画を見ての感想は 自主製作映画の臭いがぷんぷんしているのに!!かっこいい!!ということです。さすが、世界が認めるだけのことはある。 北村監督おそるべし。物語の中盤ではおいおいもういいよ!と言いたくなるほどのしことさがありますが、序盤と終盤は 感服するようなできばえです。さらに、物語のラストでは、一般の映画ファンも納得の引き締まったラストが用意されており、 この映画の評価を2倍にも3倍にもしています。そのまま終わるのかと思いきや・・じつはこうだったのかーみたいなところが すばらしい!!  おどおどと逃げ回るシーンが多い 松本 実はどこかで見たことが・・・と思ったら、映画「あずみ」の忍猿として大活躍して おられた方だ!うーん。北村作品。つながってますなぁ。



ブロンド・ライフ Life or Something Like it
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 アンジェリーナ・ジョエリーが主演で、ちょっと嫌みなテレビレポーターを演じる。金髪のブロンドヘヤーが トレードマークで邦題にもなっている。共演のエドワーズ・バーンと喧嘩しているさなか予言者に出会い、 もうすぐ死ぬということを予言される。最初は信じていなかったが、予言者のいった他のことが当たっているので 次第に不安になる。アンジェリーナ・ジョエリーのそんな顔を見るのもなかなかおもしろい。



シカゴ CHICAGO
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 この名作を劇場で見たかったものですが、見よう見ようと思っていたうちに、劇場公開が終了してしまって、 DVDで鑑賞することとなった。ブリジットジョーンズの日記のレニー・セルヴィガー、トラフィックに出ていた キャサリン・セタ・ジョーンズ(ちなみに夫はマイケル・ダグラス)が刑務所において、お互い殺人者という境遇で、ぶつかり合い また接近し合うというストーリーをミュージカル風に見せているのがこの作品の売り。この映画を見て、 ミュージカルというものに興味が持てた。(ユアン・マクレガーのムーランルージュでは興味を持てなかった。) レニー・セルヴィガーは初めて挑戦したこのミュージカル作品で、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞に 選ばれており、Down with Loveでも虜になったが、更に注目しなければならない女優だと感じた。 2人のミュージカルと美しい動きだけの映画にならずに、ストーリーに命を吹き込んでいるのは 腕利き弁護士の役として出演しているリチャード・ギアである。役柄にマッチしていた上に、タップダンスまで 見せてくれて大満足であった。しかし、ストーリーは ネタバレ→結局自分の 不倫で招いた事件・しかも、自分が逆上して銃を乱射し、ちょっと不倫してしまった妻子のある男を 殺しておきながら、当初自分は旦那に罪をかぶってもらおうという隠蔽工作までしておいて、最後には 弁護士に入れ知恵されたでっち上げウソを裁判で堂々としゃべり、演技を決め込んで、無罪になったあとも、 夫に感謝することなく、名声を求めて、自分だけがハッピーになり世間を手玉にとって名声を得て大成功!!← という ものであるが、これでいいのか!!と言いたくなる。まあ、エンターテイメントであり、世の中はそういうものだ。という メッセージ性ととらえたが、やはり、許せないものがある。  現実ストーリーとミュージカル表現がくるくる入れ替わるこの作品の表現方法は当初私には楽しめないと思って いたが、なかなか良く、考えを変えるキッカケとなった。  DVDでは未公開のミュージカル画像「Class」が収録されており、CHICAGOファンは楽しめる。しかし、もうすこし、特典映像が欲しかった。 ちなみに、リューシーリューも微妙に出演



バットボーイズ2バッド Bad Boys 2 Bad
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 流石、ヒットメーカー ジェリー・ブラッカイマープロデュース。ド派手な演出と、観客にあくびをさせないストーリー進行には脱帽。 マイケル・ベイ監督のアクション、ウィル・スミスのしゃべり。マーチン・ローレンスの濃い顔。楽しませて頂きました。 KKKの白装束から黒人が2人出てくるところは 颯爽として気持ちよく、そのあと、射たれるシーンのスローモーションも斬新な感じで好印象。  もっとも興奮するシーンはやはり、高速道路でのカーチェイスでしょう。 スリルとスピード感、緊張感がしっかりと伝わってきました。まったく、ジェリー・ブラッカイマーは恐ろしい男です。  しかし、重要なアクションと大筋のストーリーは予告編に全部含まれていたという印象が 強く、予告編以上の感動が得られなかったような気がして、その点は残念でした。また、偶然がいくつも つながらないと成り立たないような作戦がとてもうまくいきすぎているとところはやや不満が残りました。  この映画に限らず、麻薬マフィアの映画を見ると、アメリカはあんなに汚染されている国なのか? と恐ろしくなってしまいます。(日本でも私の周りだけ平和なのかも知れませんが・・)



ラストサムライ The Last SAMURAI
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 渡辺謙主演 しぶい!!いい!! 新渡戸稲造「BUSHIDO」以来、日本の古き良き魂を世界に 知らしめる最高のメディアになっていると思いました。  時は明治維新、廃刀令のさなか、西洋化を進める日本において 最後のサムライを見たアメリカ人=トムクルーズの視点から物語は描かれています。  この映画は、サムライの戦争観・本音と建て前・価値観・礼儀、現在の日本人が 学ばなければ成らないことも沢山描かれていて、世界に、サムライブームを起こさせるキッカケとしては十分であると感じました。  あの映画を見てその節々が「美しい」と感じたことに対し、「私は日本人なのかも知れない。」 と再確認することが出来る作品でした。  外国の方が、あの映画を見て、「美しい」と感じることが出来るのかどうかは 疑問でしたが、「トムクルーズよ。そんなに日本の文化を気に入って下さってありがとう!」と言いたくなる作品と出来にとてもうれしくなりました。  私も、サムライを目指して、日々生活をしていかなければならない。と自分を戒める良いチャンスになった気がするでござる。  映画は、渡辺謙・真田弘幸・小雪がこれ以上ない!という演技でその世界観を もり立てていたのがとても印象的で、いやはや感服致しました。



バッドボーイズ Bad Boys
★★★★_ goo紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 2の公開に備えて、鑑賞した。ウィル・スミス、マーチン・ローレンスの警察コンビが麻薬を追いかける物語。黒人2人のトークが楽しい。 警察署内から押収したヘロインの山が消える。そのヘロインの密売を巡り関係証人は次々に消されていく。 ストーリー上、金持ちの息子というウィルと妻子持ちというマーカスが入れ替わり、互いが相手を演じるというシーンがあり、おもしろい。 監督はマイケル・ベイでバットボーイズ2も手がける。緊張感がある上に、スピード感もあり、ストーリーの展開・ テンポ共に素晴らしい。夫の仕事を理解できない女房に対して怒りを覚えるシーンも用意されているが、 それがストーリーをもり立てていて良い。バッボーイズバッボーイズというあの歌は耳のこりがよい。( ´∀` )



キューティーブロンド2 LEGALLY BLONDE 2
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 キューティーブロンド1の続編で、自分勝手な演技という印象の強いリース・ウィザー・スプーン主演の法律もの。 リースは法律事務所に勤めているが会社の方針と自分の方針が異なるために、代謝する羽目に。法律が自分に合わないのであれば 法律を変えてしまえばいい。と思い立ち、知り合いの政治家の下へ行き、法律作りの仕事をする。法律の作成と、自分の結婚式 という2つを同時にかなえようという欲張りな設定で物語はすすみ、リースの自分勝手さに周囲の人々はあきれつつも、 次第に彼女のペースに乗せられて・・・ お金や裏取引という汚い政治の世界を知り、リースは自分の力で法律を成立させようとする。 偶然に次ぐ偶然。全ての出来事がリースに追い風を与えるように起こるストーリーには疑問だらけだが、最も意味不明なのが Nの紋章を掲げる謎の宗教?団体の関与である。(ひょっとしたらアメリカではメジャーな団体なのかも知れないが・・) 結局わけわからずのまま、アメリカの議員立法制度をコケにするような形で、リースの思い通りにエンディングを迎える といった内容である。リース・ウィザースプーンが好きならチェックしなければならない作品であるとはおもうが・・・



シャンハイ・ナイト SHANGHAI KNIGHT
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ジャッキー・チェンの最新作。アメリカ西部の保安官ジャッキーと少し下品なアメリカ人冒険家?オーウェン・ウィルソンのコンビで送る。 時代は18世紀頃だろうか? 中国の紫禁城に伝わる中国皇帝を象徴する印鑑とイギリスの王位継承権を巡る物語として全体的に構成されている。 ジャッキーの父は紫禁城の印鑑を護る番人として、代々皇帝に仕えてきた。イギリスからの盗賊団が、その印を奪う。 中国皇帝の座を狙う男(ブレイド2・HEROに出演のドニー・イェン)と王位継承権10位のエイダン・ギレン(部隊実績は高いが映画初出演) が手を組んでバルカン砲なんかを用いて悪いことをする。シンガポール最優秀女優賞のファン・ウォンがジャッキーの妹役で この映画にとても大きな貢献をしている。今後注目し定期大役者である。アルマゲドンやエネミーラインで好演したオーウェン・ウィルソン であるが、今回はなんとも嫌らしい男という印象が否めない。ジャッキーのハシゴや椅子・机を用いた定番アクションも極まって 来ており、ジャッキー映画を見に来たものにとって十分なアクションの内容に毎回驚かされる。注目はドニー・イェンとジャッキーの 一騎打ち。



ブルドック A Man Apart
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 キャッチコピーは「噛みついたら、離さない」 麻薬捜査官の髭を蓄えたヴィンディーゼルが家族を殺され、復習に燃える 作品。麻薬組織のドンを逮捕したことから、家族が殺された。その後、ディアブロという勢力が麻薬マフィアとしてのし上がっていく 難しい役所を演じかつ渋く占めているヴィンディーゼルが最大の見所。



ロイヤル・セブンティーン What a girl wants
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 騒がしいアメリカの価値観を静的なイギリスに押しつけて次第にアメリカ色に染めていく。っといった印象の強い映画。 しかし、この映画の見所はなんと言っても主人公ダフネを演じるアマンダ・バインズ。彼女の魅力に尽きる。ポスターなどでは 彼女の魅力を殺すように撮影されており、スクリーンの中の魅力とは別の印象を受けるので残念だ。配給元も日本でそんなにヒットするとは 考えていないようで、公式日本語HPは存在しない。しかし!今後の出演が楽しみな女優を発見した!という感激を受けた作品であった。 ストーリーはイギリスの政治家でそのまま行けば首相に成れるほどの男には過去があり、結婚していた女性を周囲の策により 別れさせられてしまった。しかし、すでに、その女性には赤ん坊がいて、17年後のいま、その子が大きくなって、父親探しの 旅に出た。ひょんなことから、彼女はイギリス社交界にデビューを果たす。政治家のスキャンダルを隠そうと最初は画策する 家族だが・・やはり、血は争えなかった。そんな作品。アメリカの価値観押しつけもこの程度なら楽しく終わるっといった 内容となっている心温まる作品。



スカイハイ SKY HIGH
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 やはり映画は、見た後に何かしらの幸福感や感動・利益がなくてはならない。この映画。そこまで駄作というわけではないが、 映画が私を楽しませてくれるというレベルまでには行っていなかった。私が無理矢理楽しめば、それなりに楽しい。といった 作品である。なぜ、このようなことを書くのかというと、こっちから歩み寄らなければ楽しめない映画の部類に入っているからである。 釈由美子は可愛い。かっこいい。大沢たかしも成長してきている。引きつけられる。狂気じみた演出もいい。心臓がどくどく成っているのもいい。 矛盾点も多々あっていい。(良くない)しかし、作品全体のバランスとしては・・ ちなみにこの作品は PG-12 それなりの小学生にはよろしくないような 描写があったと思う。



g@me
★★★★☆ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 藤木直人と仲間由紀恵、日本を代表する美形が織りなすラブゲーム・誘拐ゲーム。裏には観衆を欺くシナリオがしっかりと 用意されており、近年まれに見る高度な出来。しかし、観衆がそれに取り残されることなく、しっかりとついて行けて、 ストーリーを追うことが出来、かつ感心させられるというのがこの映画のすごいところ。仲間由紀恵が映画の中でやたらと スポンサーのAUの宣伝をしまくっているのが気になったが、エンターテイメントとして感動した一本



阿修羅のごとく
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 原作:向田邦子、監督は「失楽園」「模倣犯」の森田芳光、4人姉妹上から大竹 しのぶ、黒木 瞳、深津 絵里、深田 恭子、プロモーションは おもしろそうだし、この4人の血みどろ兄弟愛が見られるのかと思うと楽しみでした。 注目の俳優は中村 獅童。一見バカっぽく見せておりますが、かなりの切れ者。それと小林 薫。キーマンとして 物語を要所で絞めている。 この映画、殆どのシーンに置いて出演者が 何かを食べています。とてもおなかの空く作品でした。そして、ストーリーは全体的に山無し谷無しで2時間が結構長く感じる。 4人姉妹やそれを取り巻く人々の順風満帆といえない人生を観客が垣間見る。それがこの映画の魅力であるが2時間という時間の中で 起承転結をつけるにはネタ的に少し難しい気がした。とはいえ、最後にはそれなりの仕掛けが用意してあり、終わりよければ 全て良しといった雰囲気で終わってくれるのは好印象。見所は大竹しのぶ vs 桃井かおり と 黒木瞳 vs 木村佳乃。特に、 この作品の出演者全体がやや大げさな演技でオーバーに感じさせる中、目の演技に好感と驚異を感じさせた木村佳乃の思わせぶりな 仕草には注目したい。この映画の最大のポイントであると私は感じた。キャッチコピーは「女は微笑む顔で鬼になる。」であったが、 鬼になっている感じがしない。姉妹で愛し合っていなさそうな人間関係。寂しい姉妹関係。そんなところが多々感じられ、 やや興醒めの一本となっしまった。



ハードキャッシュ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 クリスチャン・スレーター主演の現金強奪知能犯?ストーリー。この映画を見たからと言って、何か得をしたり、 感動したり、知識が付いたりする訳ではない映画。見なくてもいいけど、強盗の心境を多少なりとも味わうことが できるのがこの映画の魅力。裏切り裏切り、同僚は金金金で善良な人はかなり気分が悪くなりながら鑑賞する羽目に なることは覚悟しなければならない。見所は、競馬場から現金を強奪するその手口。



至福のとき
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 中国映画。監督はチャン・イーモウ。主演はドン・ジエ。目の見えない女の子を演じる。おじさんがその子を育てるに当たって の様々な物語を詰めた一本。演技が下手という訳ではないが、今ひとつ、主人公のかわいさとストーリー脚本が同時に伝わって 来なかった気がする。何が至福であったのかよくわからなかった。



スターリングラード
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ここにも出てきました。エド・ハリス渋いドイツのスナイパーケーニッヒ少佐を演じています。主人公はソ連の 25歳スナイパー ヴァシリを演じるジュード・ロウ。この顔どこかで・・と思っていたら、スティーブンスピルバーグ監督 ハーレイジョエルオスメント主演 A.I.のセクシャルロボットとしてカクカク動いていたあの男である。今回もカクカク 動くシーンがあるが、それは本編とはあまり関係ない。ソ連の指導者スターリンの名を持つ都市スターリングラード(現在はボルゴグラード) をドイツが攻め落としたい!最新鋭の兵器と火力で攻め入るドイツに人海戦術で対抗気味のソ連はその士気高揚のために英雄を 求めていた。スナイパー同士のスコープ越しの心理戦。幾度にも渡る裏のかき合い一瞬の判断の先には生か死か? 部隊や兵器の視点から戦争を描いた作品は多いが、ものすごいスリリングなスナイパーのスコープの視点から、描かれた 戦争映画ではこのスターリングラードが絶妙であろう。自分が小隊長であったら、真っ先にドタマを吹っ飛ばされてしまう。 そんな緊張感を常に持ちながら鑑賞することが出来、おすすめの一本。



ドラマ きらきらひかる
★★★★_ ファンサイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 98年1月からフジテレビで放送されたドラマ。出演:深津絵里・柳葉敏郎・松雪泰子・小林聡美・鈴木京香で 新米医師ひかる=深津絵里が脳外科になろうとしていた時に、監察医(検案や検死を行う公務員の医者)の鈴木京香に 出会い、様々な事件を経て一人前の監察医になっていくというストーリー。死人はしゃべることが出来ない。だから、 死体から最後の言葉を聞いてやる。潜入間にとらわれずに、事実だけから言えることだけを言う。思いや直感を重視する 深津絵里と事実だけから確かなことを求める鈴木京香との対決?が魅力。そこに とても かっこよく、クールに魅力を放つキャリア女デカ松雪泰子と重鎮小林聡美が加わり、女同士の友情でパッケージしたのが 本作品。様々な人間ドラマを織りなす脚本のできは半端じゃなくすばらしい。医者的なさまざまな知識が字幕として 下に流れるので、多少のことなら勉強になるのもうれしい。



インタヴューウィズヴァンパイア INTERVIEW WITH THE VAMPIRE
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 トムクルーズのレスタトと、それに犯されるブラッドピット。友人が、名作中の名作と強く勧めてくださったため 見ました。クリスチャンスレーターがヴァンパイアとして300年くらい生きているブラッドピットにインタヴューを行う。 というストーリー。インタヴューの中で自分は何者で何故ヴァンパイアになったか、レスタト=トムクルーズとの関係 ヴァンパイアになりきれなかった当初の信条を語る。欧米人はヴァンパイアストーリーが大好きなんだナーと思う作品。 ヴァンパイアストーリーの中では、「なぜ、そんなに毎日毎日殺しまくっていても事件にならないの?」「ヴァンパイア は強いの?」「なんで一般人にばれないの?」など多数の解けない疑問に囲まれて不可解なままストーリー進行に 身を任せなければならない。もっとすっきり矛盾のないような形でヴァンパイアが語られているのかと思っていたが、 「ブレイド」シリーズの方がスムーズに世界へ引き込んでくれたような気がする。ブラピがなぜ、記者に自分のことを話す ことになったのか?という疑問も最後まで払拭されない。終わり方も??な感じ。ヴァンパイアの世界観が大好きなら 見なくてはならない作品だろうが、トムクルーズとブラッドピットファン以外でヴァンパイア?という方にはどうでも良い作品。



ビューティフルマインド
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 グラディエーターで寂しい筋肉拳闘士を演じたラッセルクロウが、ちょっとマッドな数学者を演じるというだけで 興味津々。変わり者堅物数学者が、同僚の論文を「画期的なアイディアが微塵も含まれていないと断言できる」などと 言いのけてひたすら我が道をいく。その研究者の名前はジョン・ナッシュ。ナッシュの名を聞いて数学・経済学の分野で 知らないという人はいないあのナッシュ均衡の生みの親である。この均衡理論を出すところから、ノーベル賞をもらうまでの 天才の心をヴィジュアル化し映画として出したのが本作品。アカデミー賞作品だけあってとても興味深く、 彼の一生を魅せてくれる。アポロ13でゴールデングローブノミネートのエド・ハリスがスパイ役として登場。作品にアクセントを与えている。ナッシュの心が ビューティフルかどうかは見た人の印象次第だが、凡人があこがれる「天才」はそれなりに限界を超えたところに存在して いるものだという恐ろしさも感じることが出来る。



最‘新’絶叫計画
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 元ネタを知っていても、ちょーつまんない。制作者の皆様には申し訳ありませんが、 私には全然笑えませんでした。映画の内容は、多くの方が知っていると思われるいろいろな映画 のシーンをパクッてパロディーにし、それをオリジナルのストーリーに乗せて見ている人に、 何のパロディーかをわかってもらいながら笑ってもらおうというもの。キャッチは、「 エクソシストよりコワい。チャーリーズエンジェルよりエロい。」だが・・こういう映画も 悪くないかなー。案外おもしろかったりして・・と思って借りたが、だめ。久しぶりに、時間の 無駄だと強く感じてしまった作品。バッシングのしどころは、パロディが汚くて下品でしつこいところ。



マトリックスレボリューションズ MATRIX REVOLUTIONS
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 マトリックスシリーズ3部作の最終章がレボリューションズ。1がその世界観を明かしたという点で最もセンセーショナルであった。 リローテッドで謎を深め、レボリューションズで発散した。という感じ。殆どのお客さんは、「エンディングそれでいいのか?」 と問いたくなる。(私もそうだが)もう、そうなるしかないほど、広がってしまった世界観と観客の期待にストーリーが押しつぶされた感じ。 マトリックスとそれを実現する現実世界についての存在に関する言及や説明はいっさい無いままに終わってしまった。(私が 最も知りたかったところ)肝心のアクションシーンも敵役として徐々に地位を高めていったスミスに関してのバトルも今ひとつ。 見応えのあるVFXもスターウォーズチックなマシンに乗り込んだ男達が「リロード!!」と叫びまくるシーンに集中という感じ。 ごつい飛行船がヴュンヴュン飛んでいる割りに、旧式のロケットランチャーもどき(自作)がやたらと強いというとこも かんに障る。世界初全世界同時上映という企画も、名前負けしたそのストーリーを隠蔽するための小細工に見えてくる。  っと。さんざん、避難したが、それでも莫大なお金がかかっているだけあって、ヴィジュアルだけで相当楽しめる作品に なっており、予言者だとか細かい設定は忘れて、主人公達が重力を無視してグルグル戦うのをみるのもそれなりに楽しくできている。 作品中で最も残念だったのは1ではボス的存在だったモーフィアスが3では雑魚キャラに落ちてしまっている点であった。



スパイキッズ 3D ゲームオーバー SPY KIDS 3D Game Over
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 本作はスパイキッズシリーズの3作目と立体眼鏡を使用した3D作品という意味で3Dとなっている。子供をターゲットとして 作られているため、ストーリーは短絡的すぎて、大人には物足りない。しかし、子供にはあれくらいの描写でないと 理解不能なのかな〜と思うのでそれはよし。(大人には逆に理解できない面が多い。)だが、それを補うほどのCGヴィジュアルで 「おお!良くやるよボウズ。」と肩をたたいてやりたくなる。この作品のテーマはゲームばっかりやっていないで家族の絆を 大切にしろよ。ってことと、どんなことでも最後には許してやりなさい。という説教じみた教訓である。しかし、それが 小学生か幼稚園生とその親しかいない劇場においてとても効果的に教育を刷り込まれており、家族で見に来る意義は十分に ある作品であろう。悪役はシュルベスター・スタローン。シリーズの主人公は一貫してダリル・サバラとアレクサ・ヴェガが務め、 キッズの成長がうれしいながらもやや悲しい。スタッフロールを最後まで見ると、2人のオーディション時代のクリップを 見ることが出来、ファンは必見。父親はアントニオ・バンデラス(今回はちょい役)日本語吹き替えは格闘家角田信明、MEGUMI、小堺一樹らが 行っており、それぞれ、思い浮かべながら聞くとおもしろい。3Dはおもしろい企画で、実際、ものが飛び出して見えて とても楽しいのだが、緑と赤のフィルムが貼ってある 専用眼鏡を掛けるため、どうしても、カラーな画像を楽しめなくなる。3D表示が始まる時と終わる時には眼鏡を着用・はずせ とどでかい英語で指示を出してくれるので、普通の映画を見ているというよりも、何かのアトラクションに参加しているような気になった。



ティアーズ・オブ・ザ・サン TEARS OF THE SUN
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ブルース・ウィリスとモニカ・ベルッチ。ストーリーはアフリカのある国で内戦が始まり、その国にいるアメリカ国民を 脱出させる任務でアメリカ海軍特殊部隊シールが出動する。任務はボランティアの医者モニカ・ベルッチを救い出すことだ。 しかし、彼女は現地の患者達とそのまま分かれることは出来ないといい、彼らを安全な国まで連れて行って欲しいという。 大尉ブルース・ウィリスはいったん約束をするが、ヘリのランディングポイントで約束を破り、任務を忠実に遂行する。 しかし、突然彼は任務を放棄し、原住民を助ける判断を・・ネタバレ→ 一見ハッピーエンドのようだが、 多大なる犠牲を払って得たものは指揮官の自己満足と助かった難民からの感謝。助けた部族の王の息子の子孫による戦争の火種と 戦死した部下達へ償い、軍法会議、国家間の内政干渉問題がこの後に残る。← 時間が進むに従ってブルースウィルスの 髭がどんどん伸びていくのにはリアルさを感じた。が指揮官の状況判断は見ていてとてもいらついた。(映画のストーリーに 合うようにつくられているのでしょうがないだろう。)いっしょになっていろんなことを考えることが出来たということで この映画は価値多きものであった。



フレディ VS ジェイソン FREDDY VS. JASON
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 エルム街の悪夢「フレディ・クルーガー」と13日の金曜日「ジェイソン・ボーヒーズ」がお互いに死なない壮絶すぎる殺し合い を周りを巻き込みながら繰り広げるというチョー迷惑だが、おもしろい趣向。この映画の見所は、エルム街の悪夢と、13日の金曜日 という不滅にも近い名作シリーズをしっかり継承しながら、それなりに納得のいく、脚本に載せて、大バトルを遂行していることにある。 この題名から、当初、見るもの全てを殺しながら、全身血みどろのぐちゃぐちゃバトル(ピーター・ジャクソン監督のブレインデッドを超えるような ミンチホラー)が繰り広げられることを想像していたが、脚本にはミョーに納得させられた。シリーズを見ているとよけいに 今回の話は飲み込みやすく(特にエルム街シリーズの設定が重要)描写の細部まで読み取ることが出来るであろう。 この作品は怖がりながら見るホラーではない。劇場でジェイソン達といっしょになって「ヒヤッホーイ!!」と叫びながら 笑ってみるホラーなのである。ネタバレ→フレディーは人々から忘れ去られると己の力が弱くなる。 自分を怖がる人の夢の中に出てきて夢の中で危害を加えると、それが現実のものとなる。フレディーは自分の能力を 高めるために、眠っていたジェイソンをジェイソンの母に化けて呼び起こす。起きたジェイソンは手当たり次第に 殺しまくり、それによって何故か、フレディーもパワーアップする。フレディーのことを知る人間は情報の遮断のために、 正常でも精神病院にぶち込まれていて、そのうちの2人が事件を見て脱走する。フレディーの悪夢に うなされる女を助けるため、寝ても夢を見ない薬を得るために、精神病院に乗り込むが、なぜかジェイソンが・・ マリファナかなんかでラリッた少年がフレディーに操られ、ジェイソンに鎮静剤をぶち込んで眠らせる。 フレディはジェイソンの力を借りて自らの能力を取り戻そうとしたが、能力が戻ってくると、人間が自分のことを恐怖せず、 ジェイソンのことを恐怖するようになっているのを見て、ジェイソンが目障りになり、ジェイソンの夢の中で壮絶な バトルとなる。フレディの恐ろしさを知る一味は、ジェイソンにフレディを殺してもらおうと、ジェイソンの力が 増すように、ジェイソンの死んだ湖に連れて行く。しかし、鎮静剤が切れて、ジェイソンは現実に戻ってきた。女がわざと眠り、フレディーを捕まえたまま 起きることにより、フレディを夢の世界から現実の世界に連れてきて、ジェイソンと殺し合いをさせる。そんなストーリー。←  人間はあっさり死ぬのに、奴らは相当死なない。これでもかこれでもか!という激しさが見所!  監督はチャイルドプレイ4を手がけたロニー・ユー。サミュエル・L・ジャクソンのケミカル51も手がけている。



アイデンティティー IDENTITY
★★★★☆ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 ここに集まったのではない。ここに集められたのだ。 うーん。見終わった後ではこのキャッチコピーが絶妙に胸に刺さる。 この映画、やってくれる。キル・ビルを見て、「ヤッチマイナー」と叫びたくなるのなら、この映画は、 「やられたー!」と叫びたくなるってもの。主人公はアメリカンスウィートハートでジュリアロバーツと共演した ジョン・キューザック。 この映画を見る前に、でかでかと字幕が入り、「まだ見てない方へこの映画の真実を話すことは ご遠慮下さい。」みたいなのが入る。ハーレイジョエルオスメントのシックスセンス的だな。と思いつつ、そんなことを 言われたら、何が何でも、見ている最中に結末を当ててやるぜ!!という気になるというもの。序盤から隠されている 布石達に目をやることも忘れ、ひたすら犯人捜しを繰り広げていた。話が進むにしたがって、「おお!どうやら 私の推論もまんざらじゃねーナー」なんて余裕をかましていたら、「ヤッチマイナー!」じゃなくて・・「やられたー!!」 と叫ぶ羽目になった。(・_・、) 文句なしのストーリーと設定に感服です。ヽ(´▽`)ノ さて、この映画、よく見ると、 一流の誰でも知っている役者は出演していないものの、それぞれ、かなりの役者が出そろっています。ナチュラルボーンキラーズの プルイット・テイラー・ヴィンス、スターシップ・トゥルーパーズで目を引く兵士を演じたジェイク・ビュシー。60セカンズに 出ていたウィリアム・リー・スコット、プラトーンに出ていたジョン・C・マッギンレイ、バックドラフトのレベッカ・デモーネイ、 ジョンQ・ハンニバルで活躍したレイ・リオッタ、チェンジングレーンのアマンダ・ピートなど。がんばって、犯人を当ててください。ちなみにPG-12作品



キル・ビル KILL BILL Vol.1
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 タランティーノが映画を殺す。というふれこみで、チョー日本贔屓な作品となっている。作品の初っぱなには、 「深作欣二監督に捧ぐ」と出てきて、タランティーノがどれだけ深作作品から影響を受けているのかがわかる。 ストーリーはリンチを受けて殺された主人公のユマ・サーマンが脳天ぶち抜かれたにもかかわらず、生きていて、 殺した奴ら、特に、そのボスであるBillに復習するというもの。Billはソニー・千葉こと 千葉真一の扮するハットリ・ハンゾウ ネタバレ→の弟子であり、師匠は弟子の始末を付ける責任があるということとから、ユマの頼みで 封印した刀鍛冶の腕を再び振るう。1ヶ月間かかって作った最高の刀をユマに預ける。← 「殺すリスト」の1番目に名前が上がっている 東京のキングオブマフィアに育ったリューシーリュー(チャーリーズエンジェル・カンパニーマン)とその用心棒のゴーゴー夕張 こと19歳になって、大人っぽくなったが、ニキビのためにアップはつらい栗山千明(死国、バトルロワイアル、6番目の小夜子)と 死闘を繰り広げることに。この作品は章立てで構成させており、必ずしも、物語の時系列と、編集の時系列が一致していないので、 今はどういった状況なのか?ということに注意して画面を見なければならない。見所はなんと言っても上戸彩の「あずみ」を グログロにしたような切りまくりの殺陣であろう。「ありえねー」と叫びながら見るよりも、ロードオブザリングの監督として 有名なピーター・ジャクソンの作品である「ブレインデッド」ばりの切られ方としぶきに、悪のりしながら楽しむのがこの映画の 見方であろう。殺陣については全面的にソニー・千葉が指導を入れたことにより、「おいおい。刀ってそんなに軽いのかよ。」という 突っ込み以外は合格点になっているように思える。最後まで見て、最も印象に残ったのは、「クエンティン・タランティーノさん ほんとーに日本がすきなんだなー。ありがとう。」ということである。字幕が入らないシーン。つまり、役者達が日本語で会話している シーンがとても多い。主人公ユマも「どうも」と「ありがとう」しか知らなさそうなフリをしておきながら、しっかり、しゃべりまくる。 ただし、とても聞きづらいので後で思い直すと、ああ言っていたんだろうなぁという台詞が多い。リューシーリューもかなり、 あねさん言葉をしゃべっている。日本人の英語もあんなふうに聞こえてるんだろーなーと悲しくなる反面、世界に日本語を流行らせるには かなり貢献している作品だなぁと思った。ヤクザ集団の兵隊達が、みんな黒のパーティーマスクみたいなやつを装着していて、 おいおい。それでいいのか?とも思ったが、今までの、アメリカ映画の日本観で言うと、兵隊が全員、ちょんまげで出てきそうな 気がして、それよりかはいいかな?と突っ込むのを思いとどまった。これだけ大目に見ても、どうしても許せないことがいくつかあったので、 ここに記す。ネタバレ→ユマが日本刀を持ったまま、ジャンボジェットで移動している!!しかも、よく見ていると、 ユマだけじゃなさそうだ! しかも、そのジャンボジェットはあまりにもミニチュアの実写版っぽい! ユマが沖縄で着ている あの「オキナワ」Tシャツはあれでいいのか?! もっと疑問なのが、オキナワでソニー・千葉が営んでいる寿司屋のコントは 本当にあれでいいのか?あれが外国人から見た日本のイントロダクションでいいのか?! リューシーリューのドアップシーンは あれでいいのか?!アニメにしておいた方が観客に優しいんじゃないのか? ユマが脳天をぶち抜かれたのは明らかに視床(thalamus)及び 辺縁系・大脳基底核(basal ganglia)周辺であるから、生きているのはおかしいんじゃないのか?(リューシーリューのように もう少し上の方だったら生きていられる。) 病院を脱走してから2年半もの間、プッシーワゴンに乗っていて捕まらないのか?← と。さんざん言ってしまったが、映画を壊すという衝撃力 に比べればどれも取るに足らないいちゃもんばかりだ。役者の中で、明らかに光を放っていたのは、栗山千明だろう。 目の輝きがたの役者とは完全に違っていた。もっと活躍させたかったキャラであったが、彼女のラストはあまりにもかわいそうで、 「タランティーノさん。あなたはそういうふうに使いたかったのですか?」と問いかけながら、こっちが血涙を流したくなる。劇場を出た後で、 他のお客さんが「栗山千明がかわいそうすぎるよ。」と言っていたのを聞いて私も心痛かった。この作品を見るに当たって、 是非とも心に留めておきたいキーワードは「ヤッチマイナー」と「獅子脅し」、「シリアルスナック」なので出てくるのを心待ちにして頂きたい。 ラストでは、Vol.2につながる 大きな事実が明らかになり、Vol.1が終了する。タランティーノの映画オタクとしての 脳内ワールドがしかと展開され、彼が巨匠と謳われる今日だからこそ実現された映画であり、もしこれが彼の1作目であったなら 映画界から消えていたであろうというようなアクとクセの強い作品である。また、作品中では四角(スクウェア)が意味ありげに 引用され使われているので、そこもチェックしておきたい。。 長いスタッフロールの後にはKILL BILL Vol.2の予告が数秒ほど入っており 2003春ということで、楽しみだ。当然のR-15作品。



大逆転 Trading Plages
★★★★_ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ゴーストバスターズのダン・エイクロイドとエディ・マーフィーが送る痛快先物取引マネーゲーム。  ストーリーは先物取引で財をなしている金持ち兄弟が、有望な部下でフィアンセもいるダン・エイクロイドと 下層階級的庶民で無実の罪で豚箱にぶち込まれたエディーマーフィーを見て、ある賭けをする。「エディーでも、 地位とチャンスを与えれば、ビジネスマンとしても成功でき、ダン・エイクロイドでも、全てを失い、路頭に迷えば、 犯罪に走るだろう。」というわけで、本当にそうなるかどうかを兄はそうなる方に、弟はそうならない方に「いつもの金額」 を賭けたのであった。人の人生を思いつきでコロッと変えることができる階層に住む人間がいるということがこの映画の 興深い所であり、はめられたエディーとダンがどのように、その兄弟をはめ直すか(逆転するか)が見所である。痛快! ところで、先物取引の原理がわかっていないと、なぜ、儲かっているのかがよくわからない可能性がある。



死ぬまでにしたい10のこと my life without me
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 とてもしょぼくれた映画。普通に暮らす23歳の女性(2児の母)がガンだと告知され、死とのコントラストとして 突然、生が輝き出すといったストーリー。この設定から、もっと興味深い内容の展開を期待していたのであるが、 物語は淡々と、「罪悪感のない不倫」「髪型とネイルを変える」「刑務所の父親と初めて会う」それらから、若きかわいそうな女の心を皆さん読み取ってください。という感じの 映画で、何の盛り上がりもない。突っ込みとして、ネタバレ→マニフィストの6番目に挙げられていた思っていることを話す Say what I'm thinking.は達成されていないような 気がした。また、注目はやはり、マニフィスト8番目の誰かが私と恋に落ちるように誘惑する Make someone fall in lave with me.であると 思っていたのだが、ぜんぜん、誘惑していない!! 誘惑されただけ? ここがもっとも、観客が食いつくポイントであるはずだと 私は思っていたのに、全然そこんところが← 描かれていない!! おもしろそうな題名(おもしろいとは語弊があるが、 他人の生き方なりをのぞき見るのが映画の醍醐味の一つであるならば、その醍醐味がありそうな題名という意味)であるにもかかわらず、 残念な一本であった。



恋は邪魔者 Down with love
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 2大役者が恋愛ゲームを繰り広げる大作と言い切れる作品。主役は「ブリジットジョーンズの日記」「シカゴ」 で名を馳せたレニー・セルヴィガー、お相手は「スターウォーズ」でオビワンケノービを演じ、「ムーランルージュ」でミュージカルも 経験したユアン・マクレガー。演出はテンポ良く、伝えたいことをしっかり伝えていて好感。巧妙に仕組まれた布石が 物語の後になって効いてくるまるで囲碁のようなストーリー展開が見所。Down with Love という題名で男女平等、 恋なんて要らない。女の独立を推奨する内容の本をセルヴィガーが書き、それを出版社に売り込む過程で 超Playboyのマクレガーに接触を図るが、再三すっぽかされ、セルヴィガーは切れる。その後に本は爆発的に売れ、 今度はマクレガーの方から接触を図ろうとするが、断られ、あげくテレビで最悪の男の名前としてマクレガーが上がる。 マクレガーは宇宙飛行士になりすまして、セルヴィガーを誘惑して、作者であるセルヴィガー自身が恋を求めていて、 本の内容と矛盾するということを示し、陥れようとたくらむ。しかし、だまされているのは・・・ というストーリー。華やかに変わる衣装や、ストーリーになぞらえた言葉のタイミングなども映画の世界へと 引き込んでくれる良質なアクセントとなっている。



インプラント
_____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画

 主人公が勝手に妄想を見ていてそれに観客がつきあわされるだけの映画という印象。 見ている最中も「だからどうした」とつっこみを入れたくなってしょうがない。 かってに女がヒステリーを起こしているだけ。突然音が鳴ってびっくりさせるだけ。 思わせぶりにタイミングよく壊れる周囲の物など。飽き飽き。怖がる、叫ぶ、電気が消える、 妄想が襲う、逃げる、怖がる、叫ぶの繰り返し。こんな映画でも、最後くらいは なんかあるかと思って見ていたが、最後にもまた、がっかり、見ることによってストレスがたまった 数少ない映画。脳の不思議さなんかを描きたかったのかもしれないが、麻薬中毒患者の 体感世界かなんかを映像化した方がずっとおもしろそう。映画 サイン(メルギブソン)を超える怒りを感じた。 キャッチコピーは「それは呪いの刻印。決して逃げられない。」主演はMナイト・シャラマン監督のアンブレイカブル に出ていたローラ・レーガン。



マッチスティック メン
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 最高峰の逸品。キャッチコピーは「その男、潔癖性の詐欺師。2003年秋絶対キレイにだまされる。」であり、 ニコラス・ケイジが私の中で最高の役者として輝いた作品となった。未だかつて ここまで先が読めない。ここまでできた仕込みと脚本があったであろうか? その仕込みを完璧な物へさせたのがなんと言ってもニコラスケイジの演技である。 「潔癖症の詐欺師」このキャッチを見ただけで、おもしろそうな作品だと、前々からチェックしていたが、 内容は多めにしていた期待を遙かに超える物であった。詐欺師の相棒役はコンフェッションオブデンジャラスマインドの サム・ロックウェル。物語は後半に進めば進むほど、のめり込み、そして、ネタバレ→のめり込めば のめり込むほど、脚本家の罠にはめられる。ちなみに私はその罠にしっかりとはまった。そしてまた、エンディングが すこぶるよい!! そんなにうまくいくかよ。とつっこみたくなる気も忘れるほど巧妙に仕組まれた 脚本を是非とも体験していただきたい。監督は「ブレードランナー」「エイリアン」「ハンニバル」を送り出した リドリー・スコット。脇を固めるのは顔が濃いブールス・マッギルとブルース・アルトマンである。2人の好演も好印象だ。 だが、この映画のレベルを更に高めている注目の役者は少女アンジェラを演じるアリソン・ローマンに他ならない。 容姿は優れないものの彼女の演技は素晴らしく、素なのか、演技なのか、 演技における演技なのか?その区別が付けがたい。今後の作品に注目したい。ところで、オープニングの英語がやたらと読みにくくて気持ち悪くなるのと、 ニコラス・ケイジがやたらとたばこを吸いすぎるのが、少し嫌だった。



MR. ディーズ
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 こんなに素朴でマイペースで腕っ節もあるそんな魅力あふれる人はいない!そんな感じの主人公ディーズが 一夜にして大金持ちになることに。そんなはたから見てラッキーな ディーズをスクープするためにゴシップテレビがつけ回す。最初から仕組まれた出会いではあったが、 そんなことは知らずに、ディーズは恋をする。が、彼女はゴシップレポーターだった。最初は彼女も ディーズをネタとしか考えていなかったが、その卓越した人柄に触れるに連れ引きつけられていく。 そんな人はいないッてくらいディーズが純粋だからこそ 彼の魅力が際だってくる。のめり込みづらいお馬鹿な設定はいくつかあるものの、ほのぼのと、 ディーズの魅力を堪能し、最後にはハッピーエンドをいっしょに楽しめる作品となっている。 主演・製作総指揮ディーズ役はアダム・サンドラー、ヒロインはシザーハンズでジョニー・ディップと競演した ウィノナ・ライダー。彼女は昔ッからのサンドラーの大ファンであったらしい。本作はサンドラーの7本目 主演全米No1作品となる。サンドラーは学生時代からコメディアンとして活躍し、「サタデーナイトライブ(米)」 のレギュラー出演で一気にブレイク。主な作品に「ウォーターボーイ」「ウェディング・シンガー」「ビッグ・ダディ」 などがある。 日本語版の声を担当するのはお笑いタレントの中川家。せりふは棒読みっぽいが それなりに雰囲気は伝わってくる。すごいという形容詞の代わりに「鬼みたいな」を連発しすぎていたのは 気になった。



スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 意味不明。時間の無駄。主役は「メイドインマンハッタン」でジェニファーロペスと共演するレイフ・ファインズ。 イメージ通りの役柄を演じているものの、映画の中の世界に 引きづりこんではくれない。監督は「ザ・フライ」のデイヴィッド・クローネンバーグ



ベッカムに恋して
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 題名と内容が異なる作品。この映画の見所は、「インド系の家庭の状況をのぞき見ることができること」である。 イギリスに住むインド系の家族が様々なインド系の制約の中で「自分の道」を模索していく。 主人公はサッカーが大好きで部屋にはベッカムの写真ばかり、サッカーの才能もある美人のインド人。キッカケがあり、女子サッカーチームの選手に なることができたが、家族は大反対。サッカーチームの監督との恋、姉の結婚式、チームメイトとの関係、 などを通して、乙女心と女同士の友情、インド系のしきたりをかいま見ることができ、とても新鮮で心がリフレッシュされる映画となっている。 監督はケニア生まれでジャーナリストの経験もある女性グリンダ・チャーダ。制作と脚本も勤めている。 主演はパーミンダ・ナーグラ。実は本作品が映画初出演作品となる。監督のチャーダから眼を付けられ、サッカー経験が無いにもかかわらず、 「サッカー経験あり」とウソを付き、練習しまくったという裏話がある。親友役を務めるのは後に、パイレーツオブカリビアンで ヒロインを務めるキーラ・ナイトレイ。その他の配役についても総じてかみ合っており、作品をもり立てている。



ビロウ
★★★☆_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 時は第2次対戦中、ドイツの潜水艦を撃沈したアメリカの潜水艦での奇妙な事件に焦点を当てている。 潜水艦に女を乗せることは不吉とされているが、救助した3人の内の1人は女だった。 既に事故で艦長を失っていた潜水艦は更に任務を続行しようとするが、様々な不運がつづき、乗組員は 「呪い」ではないかと懐疑心にさいなまれる。物語の前半は、ホラーもどきのびびらせ映画かと思ったが、 話が進むにしたがって、徐々におもしろさを増していく。最後まで見てストーリーを振り返ると、なかなかよくできた 内容になっていたことに感心させられる。亡霊という話に必要以上に絡めておいて、実は科学的だったり、 様々な因縁めいた設定は好感が持てて好きだ。2次大戦当時の潜水艦に関する知識も詰まっており、 潜水艦もの独特の状況判断や指揮権の推移など、その辺でもしっかり見せてくれているのがすごい。 主演はキューバ危機ものの「13Days」で大統領ケネディー役を務めたブルース・グリーンウッド。 コリンファレルの「タイガーランド」やジェリーブラッカイマーの「パールハーバー」で戦闘機乗りを演じた マシュー・デイビスが潜水艦幹部を、M.ナイト・シャマランの「シックス・センス」のオリビア・ウィリアムズが 助けられた女性を演じている。



花村大介 スペシャル
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ドラマ 花村大介シリーズを見てからこのスペシャルを見なければ、細部までは読み取れない。 病院の医療ミスを正義感の強い看護婦が罪悪感にさいなまれて訴えを起こすが、悪いのは その看護婦のミスと病院側がトカゲの尻尾切りを行う。看護婦に非は無かったことを証明するために 花村は立ち上がる。といったストーリーだが、あまりにも作られすぎていて先が読め、序盤の布石で ラストの仕掛けまで読めてしまう作りには感心できない。花村の18番「気合いとはったり」も炸裂せずに、 ドラマシリーズほどのパワーもない。しかし、シリーズのファンであれば、見ていて損はないでき。ヒロインは 石田ひかり。また、がヤクザの親分として出ているが、ややミスマッチ。それ以外の配役はレギュラーシリーズに同じ。



ドラマ 花村大介 全4巻
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ユースケサンタマリアが、人生は気合いとハッタリをモットーとする花村大作を演じる痛快弁護士ドラマ。 なんと言っても見所は、踊る大捜査線と意図的にかぶらせているキャスティングだろう。 ヒロインは水野美紀で今回も、ユースケが水野美紀を好きに成るという構図。エリートではないが不思議な魅力で 周囲を引きつける弁護士花村大介。スマートではないが、一生懸命に、しかも最後は問題を解決指定舞うところが 魅力だ。また、上司役はこれも「踊る」のままの味役者 佐戸井けん太。パートナー的な役のエリート弁護士 いしだ壱成のさりげない演技があまり鼻につかない。



パルプ・フィクション
★★★☆_ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 パルプ・フィクションとは読み捨て三文小説のこと。今度キル・ビルを公開するクエンティンタランティーノ監督の 第2作目の作品。原案・脚本もタランティーノ。メメントを思わせる前後入れ替えの編集で物語が進めば進むほど楽しめる編集となっている。 ジョントラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ブルースウィルス、ユマ・サーマン、ピアノ・レッスンのハーヴェイ・カイテル など、ビックな役者がそろっている。また、タランティーノ自身も、突然死体を運び込まれたサミュエル・L・ジャクソンの 友人役として出演している。ストーリーの大筋はネタバレ→大きく3つ、拳闘家(ブルースウィルス)が マフィアのボスから八百長を仕組まれたが、相手を殺して逃走、しかし、父の形見の大切な時計(ハノイの収容所にいた時に お尻の穴に隠してまで息子に渡したかった)をアパートに忘れ、取り返して逃亡するというもの。第2に、マフィアのボスに 従うサミュエル・L・ジャクソンとトラボルタがブツを取り返し、ボスの女をの面倒を頼まれて付き合っていたら薬の やりすぎて心臓停止、アドレナリンの心臓注射。第3に、レストラン強盗のストーリー。これらの3つのストーリーが それぞれに絡み合い、← 全体としてのストーリーが進む。途中では日本刀らしきものを扱うシーンもあり、 その辺がタランティーノ臭い。あらゆる臭いをこの1本に封じ込めたという感想の一本。しかし、3時間に及ぶ作品は 中盤やや中だるみ感がある。



インファナル・アフェア
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ハリウッドが史上最高のリメイク権買い取り額を支払ったという香港映画。そのストーリーたるや すさまじい。布石の置き方、ヒントの見せ方、ストーリー展開。どれをとっても超一級品。 主役はHIROで剣を振るったトニー・レオン。ゴッドギャンブラー、酔拳2に出ているアンディー・ラウ この2人が「マフィアに潜入する警察官」と「警察に潜入するマフィア構成員」を演じ、興味深く、そして 人情深くストーリーが進む。インファナル・アフェアとは地獄のような事象という意味。組織に潜入した 男が当初の志を保持していくことがいかに難しいのか?といった問題について考えさせてくれる。物語の見所は スリリングに進むマフィアと警察の情報戦、互いに潜入したスパイ=犬がリアルタイムに情報をやりとりする様、 そして、指揮官同士のハイレベルな心理戦。それぞれのスパイに付く女との生活。トニー・レオンの恋人役として、 平静と情熱のあいだのケーリーチャンが出ていて、目の保養になる。



リーグ オブ レジェンド 時空を超えた戦い
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 とにかく何から何までめちゃくちゃな映画で、各場面のアクションだけしか取り柄のない映画。 主役はショーンコネリーで伝説の冒険家の役、クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイアで吸血鬼レスタト を演じたスチュワート・タウンゼントが今回も(ドラキュラではないが)似たような役を演じている。 ジキルとハイドも登場しているが、今回は2重人格者を現すのではなく、薬を飲むと超人ハルクのようになってしまう 人(ジェイソン・フレミング)で使用前=科学者、使用後=ハルクといった設定になっているところは おもしろい。他の構成員はトムソーヤ(シェーン・ウエスト)がアメリカのスパイだったり、透明人間(パールハーバー・ グラディエーター・ブレイド2などに出演のトニー・カラン)がいたり、海賊モネ船長(ナサーラディン・シャー)が やたらとでかい潜水艦ノーチラス号を率い、女ヴァンパイア(ベータ・ウィルソン)が予想以上の活躍をしたりといった 具合になっている。 これらの構成員がいるだけで、映画はおもしろくなりそうなのだが、どうも絞り切れておらず、 軽薄なストーリーとなっている。各役者は決して悪い演技をしている訳ではなく場面場面を見るとなかなか良いのに、 不思議なくらいに全体としてはつまらない。設定段階でかなりの無理があるが、設定は設定で受け入れた後でも この映画の矛盾ッぷりは加速され、見ている方は突っ込みの連発でとうてい映画の中の世界に入り込むことは出来ない。 CG連発なのはいいが、明らかにバレバレのCGにはもうウンザリ飽き飽き、爆発しても、近くの人の髪の毛すらなびかないところとか 視界が20mも届かないくらいの大雪なのに、数キロ先の山が奇麗に見えるだとか、登場人物に雪が積もる気配がないとか、 雪山の中を靴も履かずに裸で移動しているとか、19世紀なのに、弾道ミサイルらしきものがあるとか、ぶっとい石の柱に 車で体当たりしたら、普通車がお釈迦になるはずなのに、柱の方がガンガン壊れていき、しかも、車は減速のしないだとか、 水素を満たした飛行船が燃えているのにやたらあっさりしているだとか、作るのが簡単に出来そうもない薬品なのに、 サンプルを入手してわずか数日のうちに大量生産しているだとか、ネタバレ→なぜ、ミサイルを撃ち込むと、崩壊の連鎖反応が進むのではなく、 とまるのか?(偶然ではなくその確証があるのか?)崩壊の連鎖は1方向に進むのではなく、同心円上に進むから、例え 一カ所止めても意味無いのではないか? しかも何故、崩壊の連鎖をわざわざ来るまで追い越した後に、ミサイルを撃たねばならないのか? 最初に予想を付けてこのあたりということではだめなのか?(信号団がミサイルの誘導装置にでもなっていたのか?)←  登場人物の一部が何故死なないのか?などの基本的疑問は設定だから飲み込んだとしても、あまりのリアリティーのなさに、 もはや「冒険」とは言えず、「どうせ助かるんでしょ。はいはい。」といった冷めた目で見ざるを得ない状況に追い込まれる。  更にエンディングは納得できない。ネタバレ→世代交代のようなものを表現したかったのだと思うが、 最後の最後に何かある!と思わせて置きながらスタッフロールを最後まで見ても、何もない!← とはいったいどういうことか!!  映画は基本的に楽しいものだが、久しぶりに怒りを覚えた映画に出会った。見る前からあまり、おもしろそうではないということは  思っていたが、2館同時上映(つまり、客が沢山はいる見込みで上映している)だったので、ひょっとしたら?と思い、  拝見させて頂いたが、予想を遙かに下回るできであった。



トゥームレイダー2 TOMB RAIDER 2 THE CRADLE OF LIFE
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 売れた前作の煎じ直しで、続編はつまらないの代表作。っとはよく言うが、前作があまりに眠たかったのに対して、(なのに あんなに有名になったのはなぜだかわからないけど)やって下さいました ヤン・デボン監督、スピード、ウィンドトーカーを 仕上げ、今度はトゥームレイダーを前回の駄作から名作へと引き上げました。2時間、ちゃんと途中で飽きることなく、 楽しませてくれます。自分には出来ないけれどララクラフト=アンジェリーナにならできる!というような痛快シーンを バンバン見せてくれます。それを見て、自分も強くなったような、自分も大空を飛び回っているような、そんな気にさせてくれるのが たまりませんね。そんなことあるかいな!というような内容の設定がバンバン出てくるのですが、それはそれで、 ああ。昔は本当にパンドラの箱があって、古代の王はそれをちゃんと封印したんだなぁと納得するしかない。  トゥームレイダーはやはり、現実の話ではなく、完全なゲームの中のストーリーなんだなぁと痛感したシーンは ラスト周辺で出てくる森の兵隊のシーンであった。あの時点で、この映画に対していっさいのリアリティを感じなくなったが、 ある種のおとぎ話としてこの物語全般を見ている分には楽しめるものに仕上がっている。



陰陽師2
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 売れた前作の煎じ直しで、続編はつまらないの代表作。とののしられているのは知っているが、そんなことはない! 現代、特に自分から好きこのんで調べなければ知る機会もない、日本の太古にまつわる様々なエピソードがそのまま ストーリーとなっており、その真偽は置いておいて、それらについて興味を持たせるような映画となっており、 日本人の魂を後世に伝える良策といえる。台本としている筋書きそのものがすでにおとぎ話であるのだから、 どんなあり得ない変化や物理現象が起きようが、それはそれで納得できるのが、この物語のすごいところ。 話としては、やや陳腐な臭いもするものの、琵琶と笛のハーモニーなどに対して敬意を払っており、この映画によって、 日本の文化を改めて学びなおしたいと多くの若者達を刺激しうるところが素晴らしい。  野村萬斎の妖しいほほえみと演技は見物。ネタバレ→最後のアメノウズメを演じる踊りは やや気持ち悪いが・・芸術の域なのかも・・・← サブ主役の伊藤英明も徐々にランクを上げてきている様が 見て取れる。しかし、個人的には「YASHA」で見せた彼が一番好きであるが・・ そして、最近、ただのアイドルではない 活躍ぶりを見せているのが、深田恭子今回も若干なじんでない一面をもみせるが、ネタバレ→天照大神←  という役柄をこなしており、女性として日本を極めた感がある。それに対する市川隼人(偶然にも最悪な少年)は、ろれつが回っていない 印象が強く、ありきたりの演技で今ひとつであった。作品を壊している印象が強いキャラとして、密虫役の今井絵里子(元スピード)がいる。 しかし、現在も、スピードファンということで暖かく見ることが出来た。脇を固めるベテラン役者としては中井貴一、伊部雅刀 が出ており、実にいい。キャッチコピーは「千年の闇を断て」ということであるが、ネタバレ→スサノオがアメノムラクモで ← 都にヤキを入れるシーンなどはかなり激しく、見応えがある。何でそうなルン!!と突っ込みたくなるシーンも 多々あるが、ある意味全てが神の思し召し的にストーリーが進んでいるのだというふうに解釈することも出来、いい日本映画を見た。



キリングミーソフトリー Killing me softly
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ジョセフ・ファインズ フロムヘルでジョニー・ディップと競演したヘザー・グラハムが妻役。熱烈な絡みが前半の見所。 それはどう見てもR-18のポワゾン以上なのだが・・・ 助演女優として、メリル・ストリープが出ている!と思ったら、 ナターシャ・マケルホーン(ソラリスで何回捨ててもジョージクルーニーの前に現れる妻役)であった。。物語の中では 重要なキーパーソンを占めているので、彼女の一挙手一投足には注意が必要だ。 ストーリーは伝説的な登山家ジョセフ・ファインズとヘザーグラハムが都会の信号待ちで偶然出会い、運命的な結婚を遂げる。 しかし、結婚の後にお互いを知っていく2人は・・・というもの。サスペンスであるのだが、今ひとつその世界へのめり込ませてくれずに、 残念であった。がそれなりのストーリーにはなっている。



ポワゾン Original sin
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 ちなみに原題は Original sinということで、原罪(Adam と Eve の堕落に基づく人類固有の罪業)ということです。 その罪にふさわしいかどうかは見る人の眼で確かめて欲しいが、R-18指定。うーん。 主演はトゥームレイダーのアンジェリーナ・ジョエリー が魅惑の女ということでさっぱりと悪女?を演じる。そして、その彼女を追う男はアントニオ・バンデラス。(ファム・ファタールやスパイキッズシリーズ) サスペンスは今ひとつであるが、アンジェリーナ・ジョエリーの美しさとと濃い系のバンデラスの顔を見るための映画としては なかなか良い。背景となるストーリーは今ひとつぴんと来ないが逆にそれが原罪を現しているのかも知れないと深読みしてみる。 舞台は主に、キューバでコーヒー農園経営や大富豪の生活を垣間見ることが出来、ヴィジュアル的には相当良い。しかし、作品全体としては おすすめしたくないような感じである。



スパイダー along come a spider
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 モーガン・フリーマンの魅力!! これにつきる。キャッチコピーは「解けるか、この糸−」とあるように、 事件は様々な糸=意図が絡み合い徐々に証されていくが、当初予想もしなかったエンディングに迎えられることとなる。 ヒロインのモニカ・ポッターは見事にその役を演じ、モーガンの渋さをにじみ出させる引き立て役となっている。 FBI CIA シークレットエージェントが入り乱れて、誘拐犯を追う。ベテラン捜査官モーガンのとモニカ・ポッターの 冴え渡る捜査。観客を引き込む。なかなか出来る犯人。しかし、蜘蛛の糸はそんなに簡単に解けなかった。 知らないうちに蜘蛛の巣にかかっていたのは、他でもない観客であった。そんなストーリーとモーガンの渋い顔。 考えなくてもわかりやすく謎を明かしてくれるストーリーは観客に優しい一本。 この作品は前作コレクターの2作目に当たるような位置づけとなっている。



カバチタレ 全4巻
★★★★☆ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 法律関係のフジテレビ系ドラマ。主演:常盤貴子と深津絵里。この2人のコンビネーションがこんなに いいものだとは思っていませんでしたが、2人とも、いつも通りのキャラという感じでそれぞれの役柄(両方ともはまり役)を演じており、 それが、本作品の見所でもあるのですが、いい!!どらまです。踊る大捜査線でもそうですが、自己完結型のキャラクターを演じて頂くと、 深津絵里さんの魅力は輝きますね。見た目よりも、よく見えます。(なんのこっちゃ?)さて、ストーリーは、ある行政書士の 事務所を中心に、戦う女(深津絵里)と感性で生きる女(常盤貴子)がお互いに自分にないところを引かれ愛ながら、 周りで起こる法律関係事件や恋愛関係を見ていくというもの。この物語のいいところは、1話終わる毎に何かしら賢くなっている というところにある。法律関係のことで言えば、親権と養護監督権の違いだとか、詭弁行為、労働基準法、内容証明、心理留保などが わかりやすくストーリーに組み込まれているので勉強になる。(この辺を楽しみたいのであれば、漫画 カバチタレの方が手っ取り早い)  また、ちょっとした一般常識なんかも、画面下に字幕で流れるのも間違った知識を獲得しないですむのでありがたい。 ドラマをサイドからサポートし、しっかり締め上げているのが鉄人28号を愛する事務所所長 陣内孝則、篠原涼子(警察官役。名助演女優だと思います。) であり、作品の質を著しく向上させている。また、 ジャニーズの山下智久、ナースのお仕事の岡田浩暉、木更津キャッツアイの岡田義徳、もいい。でも、何となく、ポテンシャルを 感じたのは山下智久の恋人役を務めた香里奈Karinaである。今後の活躍に期待したい。 漫画とはちがうオリジナルストーリーで、 女の友情を見るならもう、絶対これ!と思う作品。



スカイハイ 全4巻
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それなりに楽しい普通の映画

 ネタ不足に悩むハリウッドがそのリメイク権を買ったと言うことで、いったいどんな内容の作品なのか?ということを 探るために、見た。また、最近密かに注目している釈由美子がどんな味を見せているのかも興味の一つであった。(前回の作品 修羅雪姫では今ひとつの盛り上がりであったが・・最近、ガンダムの連邦軍の制服に身を包む釈由美子の等身大ポスターをよく見かけるため。)  映画より、続きが見たくなるという点では、やはり、ドラマの方が客を引きつけるできばえは高い!と再認識できた。 しかし、この4本を見たからと言って、新しく何か知識を得られるという訳でなく、完全な娯楽暇つぶしとしてしか役に立たない と思ったのがやや残念。ストーリーについては、不慮の事故で死んだり殺された人が来る「怨みの門番」の番人を務めるイズコ(釈由美子) は、門に来た魂が3つの選択のうち一つを選べるように導く?のが仕事である。「再生の準備をするため天国へ行くか、現世をさまようか、誰か一人を呪い殺し、 永遠の地獄へ行くか?」を死者は選択することとなる。イズコは死者と共に、現世を行ったり来たりし、何故死んだのか?真相は どうだったのか?などを霊の視点からのぞき見て、物語のが進んでいくところがおもしろい。当事者として事件を見るよりも、 自分の存在しない世界を見ながら、過去現在を行き来して、真相を追求する様子は見るものを引き込ませる。最終章では、 イズコの存在についてもある程度謎が解明され、ドラマを締めくくるに適したラストが用意されている。



13階段
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それなりに楽しい普通の映画

 死刑囚を題材にした日本映画。死刑執行の様子がわかるという意味で、知識の増える映画。しかし、 やはり見所は、仕事として死刑を執行しなければならない刑務官という職業を山崎努が演じているところ。 人を殺すのに、罪にならないどころかそれが任務という点について、その境遇から自分の職業についても考えることが 多い作品であった。故意ではないが殺人を犯して、受刑した後に出所した男として、反町隆史が中心となって 話が進む。被害者と加害者、警察と弁護人、受刑者とその家族、殺害されたものとその家族らに焦点を当てて 日本を代表するキャストが脇を固めながらストーリーを展開する。登場人物の人間関係は複雑でしっかり関係を追っていないと、 後半で訳がわからなりやすい。どんな人間にもつながりがあり、恨んだり恨まれたり。正義と悪の2つでは 割り切れないような人間の深さが作品のテーマとなっている。田中麗奈も娘役として出てきており、作品に深みを持たせている。



ムーン・チャイルド MOON CHILD
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バッシングしたくなるような映画

 劇場で見たかったが、気がついたら、レイトショーが無くなっていて、見ることが出来なかった作品。 ラルク・アン・シェイルのボーカルHYDE と Gackt が主演し、鈴木杏が出ているのでチェックしておきたかった。 Gackt曰く HYDE が女だったら絶対惚れているというほど、かっこいい人らしい。HYDEがドラキュラ?を、Gacktが アジアの少年を演じる。やはり、2人はかっこいい。そこが最大の見所である。ストーリーは、HYDEがドラキュラを、 Gacktがアジアンマフィアをそれぞれ演じたかっただけ。と形容するのがふさわしいような内容。映画が楽しませてくれる ように仕上がっている訳でなく、客が制作者に歩み寄ることによって成り立っている作品。山本太郎もさっぱり役として 作品を盛り上げるが・・また、豊川悦司も出ている。 「僕たちはいつも笑いながら泣いていた。」というキャッチコピーは、わかるような気もするが・・・結局わからなかった。(・_・、) 細かい突っ込みとしては、その距離で、銃口そんなにぶれてたら、当たっても1発だけだよ。とか。 局地的に雨が降っているのが見え見えで、背景はモロ晴れてるよ。とか。 鈴木杏は最後の最後で、Gacktの娘、hanaが大きくなった ときの姿として登場している。ネスレの花とアリスでも、鈴木杏は花という名前の役を演じている。



ジョニー・イングリッシュ
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ユナイテットキングダムの王位を巡る一騒動に、シークレットエージェントが大活躍する。という内容の、 本格的アクション映画・・・・しかし、その主役は「MR.ビーン」のローワン・アトキンソンだ!! この映画の素晴らしいところは、3流のストーリーにギャグを詰め込んだどたばたコメディーに終わらせていないところだ。 どんな逆境にも負けずに、しっかりと任務を遂行し、結果として、大英帝国の前途を安泰に導いたエイジェントを中心に、 ローワン・アトキンソンのこだわりをしっかり映画に乗せている。カーチェイスなども、ギャグなしでもそれなりに 見所だ。そこに、彼のギャグが嫌みにならずストーリーにしっかり乗って組み込まれている。 一部、日本語や回転寿司バーなども登場するシーンがあり、(ややはずしている)字幕と、言っていることの違いを見るのが おもしろい。ジョニーがどんなにとぼけても、助手役のボフ(ベン・ミラー)が見事にフォローし、ストーリーはスムーズに展開する。 若干あり得ないストーリー設定もあるが、その辺は許せるのが、ローワンの魅力。数々の悪役をこなしてきたジョン・マルコビッチ(コン・エアー)が が黒幕を務めこの物語を絞めている。印象的には、ビーンのややくどいギャグが洗練され、また、アトキンソンの意外なかっこいい 一面も見られ、お買い得な作品であった。



カルマ
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その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 韓国版、中途半端ラブ・ホラー。脳科学者の男と、精神病気味の可愛い女の子の物語。ホラーなところでは、 それなりに、背筋が寒くなる。恐ろしき過去=業=カルマを背負った人間の物語。全ては脳が勝手に作り出す 幻想であるとは・・・いったい誰の言葉だったろうか? 最後のキスシーンだけは、元の姿にもどしてやれよ。と突っ込みを 入れたくなる。終わり方にももう一ひねりほしい。



マジェスティック
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 素晴らしきかな。ジムキャリーは大げさな役所が多く、あまり好きな役者とは言えなかったが、 やはり、素晴らしき役者であることはまちがいない!!この作品はジムの魅力がたっぷり伝わってくる一本だった。 第2次世界大戦直後のアメリカハリウッドに映画脚本家としてジムキャリーはいた。しかし、他愛もないことから、コミュニスト (共産党員)の疑いを掛けられ、アメリカの赤化防止のために、連邦政府の役人が調査を始める。 むしゃくしゃして、車を飛ばしていると・・あらあら、事故って記憶喪失に・・・ 流れ着いた川岸で助けられ、戦争で行方不明になった別人と間違われ、記憶がないままに、 第2の人生を歩き始める。その生活の中で、重要なキーを握るのがThe Majesticという映画館であった。 そして失われた記憶がもどり・・・・というストーリー。 クライマックスはコミュニストを魔女のように 狩りあげる連邦のやり方にアメリカ合衆国憲法を取り出して名演説を振るう。一度信用を失ったジムキャリーは その演説によってマチの英雄として再び迎え入れられる。 自分たちの国の誇りを護るために命を賭けた 兵士達に対するリスペクトが今の日本人にはわかりにくいが、そういういかにもアメリカ的なところが とてもよく。共感できるものにはとても共感できる内容。また、ストーリーを忘れた頃に見直してみたい一品。



オールド・ルーキー (The Rookie)
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 全米で100億円突破のロングセラーになったというので見てみた。ストーリーは、テキサスで教え子の野球の監督を している主人公デニス・クエイドが、「夢を追い求めろ!」と教え子を鼓舞する。しかし、本当に夢を あきらめていたのは自分自身だった。それを叶えるために、マイナーリーグにはいる。それを支えてくれたのは 家族という奇跡だった。という話であるが・・・よほど、野球好きな人が多くなければ、ロングセラーにならなさそうな できばえであった。物語の訴える「今、決心した時がスタート地点だ。」というメッセージには誰しも共感し、 夢をあきらめずに実現するところにロマンがあるが、実際、デニス・クエイドが投げる球が、見るからにそんなに 速くない。しかし、球速は156km/hとかなっている。球が移動するシーンを上手い具合にカットして繋げていることに 努力が見られ、やや悲しい。キャッチコピーは「家族という奇跡」となっているが・・それほどとは思えなかった。 題名がよさげなだけに残念であった。



S.W.A.T.
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 サミュエル・L・ジャクソンがまた渋さを決め込む作品で主役はタイガーランドのコリン・ファレル(次回作 フォーンブース) アクセントヒロインとしてミシェル・ロドリゲス、また、ディープブルーでシェフを演じたLL.クール.Jが脇を固める。 メインはこれらの役者であるが、その他のキャストも渋めで作品の雰囲気が伝わりやすい。  実は、この映画を見た最大の理由は、バイオハザードでミラジョボビッチと競演し、私の中では トゥームレイダーのアンジェリーナ・ジョエリーを超える存在となりつつあるミシェル・ロドリゲスを見るためであった。 ロドリゲスとサミュエル・L・ジャクソンのコラボレイションを堪能する。これがこの映画の注目点であった。 S.W.A.T.とはスペシャル・ウェポン(武器)・アンド・タクティクス(戦術)の略で、警察内最優秀部隊というような 感じだ。古株のリーダーであるジャクソンが昔組んでいた部下と新たに上記の登場人物を自分のチームに入れ、 訓練する。そして、とあるショボイ理由で捕まった麻薬王を刑務所まで護送するのだが、そいつが、「逃亡させたら1億ドルやる!」と メディアに吠える。護送警察官はあらゆる所から攻撃を受ける羽目となり、ついには・・・ というストーリー。ネタバレ→排水溝内を追うシーンでクレイモア(対人地雷)が仕掛けられているのを コリンファレルが察知して助かるという設定だが、それに気付く理由がない!!罠線を知っている人ならわかるが、 まず、誰かが引っかからなければ絶対に気づかない。(蛍光塗料の布石はあったが・・)まして、あんな暗いところでは。しかも、一つ罠線を見つけたら、 追跡速度は極めて遅くなるはず。← 後半のストーリーは多少無理のあるものの良くできていて、見ているものを 納得させる。(でも、たかが一般市民が良くあそこまで下準備をしたなぁとは思うが・・ネタバレ→しかももと警察官が悪党どもを掌握しているというのはすごい。←  安月給であそこまでぼこぼこ攻撃されて警察官は、国民の鏡である!と思えるような映画に仕上がっている。それは素晴らしい。が、アメリカ政府の意図が見え隠れしているのかな?



サハラに舞う羽根 THE FOUR FEATHERS
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 大英帝国が世界中に植民地を作り、栄えていた時代。一人の英国軍将校に焦点を当て、スーダン出兵に関して揺さぶられる 様をダイナミックに描いた作品。何もかもうまくいっていたハリー役ヒース・レジャー(ハル・ベリーをオスカーに導いたチョコレートで 父親から認めてもらえず自殺してしまう息子を演じた)中尉はエスネ役ケイト・ハドソン(10日間で男を上手にフル方法で観客を引きつける キュートな演技を見せた)と婚約宣言をし、その翌日出兵の知らせを聞き、他の同期将校が闘志を燃やす中、一人除隊を申し出る。 その言いぐさにケイト・ハドソンを含む誰もが幻滅。ヒース・レジャーと親友のジャック役ウェス・ベントリーだけは 彼を擁護したが・・出兵まで彼は現れなかった。そして、ヒース・レジャーの元に送られた臆病者を意味する4枚の白い羽。 何もかも失ったことに気付いたヒースは単身サハラに乗り込む。生死の境をさまよっている時にであったのが 彼の守護神的役割を果たすアブー役のジャイモン・ハンスゥ(スターゲート、グラディエーター、ル・ブレ、トゥームレイダー2などで活躍) であった。中盤から後半にかけては彼らの友情が中心に描かれている。  本当の戦争が起きた時にいかに私を捨てて公のために一途になれるか?砂漠の戦闘は?捕虜の運命は?様々な未体験 ゾーンをダイナミックに描き、映画の中で疑似体験させてくれる。そのリアルな描写はドラゴンヘッドとは大違い。 大英帝国繁栄の裏を深く考察させてくれる作品として青年将校が見ておくべき一本。



シモーヌ S1M0NE
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 何がおもしろいかって?人に勧めたくなるような作品なのだから仕方ない。シモーヌとはSimulation One というシミュレーション プログラムの最初の3文字と後の3文字をくっつけたもので、売れない映画監督アルパチーノに、彼の作品を心から愛していた 天才プログラマーが送った究極のCG(コンピューターグラフィックス)作成ソフトなのであった。 かつて、ここまでアルパチーノをいとおしく思い、共感し、いっしょに悩んだことがあっただろうか?  映画の撮影の最中に監督は大物女優から出演を断られてしまう。途中まで撮影したその作品で大物女優の 役を誰かに替えなければならなかった。その代役をCGアクトレスであるシモーヌが。 そして映画は大ヒットに。シモーヌの人気は爆発的に広がっていくが、その存在を知るのはアルパチーノのみ。 マスコミはその存在を追う。アルパチーノは隠す。そして、それを作った監督自身も手が付けられないほど、 シモーヌの存在は巨大化していき、シモーヌに育てられた監督という構図ができあがってくる。 そして物語はどんどんおもしろい方向へ。こんなに人間らしい役柄をアルパチーノが演じている。最高の作品の一つ。 余談だが、英語のIが1にOが0に変換されていてスタッフロールはすこぶる読みにくい。



偶然にも最悪な少年
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 主演:市原隼人、ヒロイン:中島美嘉で、近年のヤリテ 矢沢心、池内博之が出ている邦画フリークは 押さえておかなくてはならない映画。市原隼人はジャニーズかと思いきや、ジャニーズではなく、大手プロダクションスターダスト でした。これから注目したくなるような演技で在日韓国人を演じていました。そして、これが映画デビュー作品となる 歌手としては不動の地位を築いた中島美佳(なかしま)はその唄と同様の妖しい光で作品をともしております。 そして、注目は 矢沢心。今回、惜しげもなく、その姿をスクリーンに映しております。矢沢心ファンはDVDを買わなければ ならないほどの作品に仕上がっております。今回彼女が演じるのは死体役ですが、全演技の最中、息を止めて、とあるシーンでは 本当に死にそうになったとか・・また、さりげない演技で作品全体を高めていたのが池内博之でした。 ストーリーは、やることのない若者が姉の自殺をキッカケにまだ一度も行ったことのない韓国へ その死体を運び込むというもの。おもしろくなりそうなんだけど、今ひとつおもしろくならない。 作品は全体的に、未成年の犯罪を助長しているようで好きになれないし、これを見た子供は 軽くなりそうで嫌だ。監督・原作のグ・スーヨンはこの映画を見て、親子での会話のキッカケにして欲しい と言っているが、確かにそれもそうだが、この映画からの会話で親子の関係を更に良好にできる技量を持った 親ならば、わざわざこの映画を見せないだろう。と思うようなものであった。 とはいえ、中島美紀の演技は見物。



ファム・ファタール Femme Fatale
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 ここまで、ああ!私は映画を見たんだ!!と感動する映画に久しぶりに出会った。全体の10分の8までは、 まあ、こんなもんだね。この映画は・・と思っていたら、残りの10分の2でこの映画がとてつもなく輝きだした。 あんな手に引っかかるとはまだまだだね。お客さん。と皆さんから笑われてしまうかも知れないが、 それほどまでに激烈なエンディングであった。ファム・ファタールとは、魔性の女という意味。 ブライアン・デ・パルマ監督恐るべし!! この映画のテーマは「淑女」・「悪女」であったが、どこまで悪女の極めつけを演じられるか? がポイントであった。スーパーモデルとして名を馳せた主役のレベッカ・ローミンステイモスは見事にその役を演じていた。 その存在感はすさまじく、他の共演者をしっかりと脇役に押し込めている。彼女の独壇場である。キャッチコピーは「欲しいもの− 私は総てを手に入れる。」であった。がガンガン手に入れてくれ!!という感じ。 また、スパイキッズシリーズでキッズの父親スパイ役を務めているアントニオ・バンデラスがパパラッチ役として 重要な位置を演じている。ゴージャスさと人生のどん底が、英語とフランス語が、淑女と悪女が、オルタネイティブに現れ、 この作品を高めている。  超高価ダイヤモンドブラジャーは意味なし。見えてるよ。と突っ込みが殺到。あと、この映画、ご家族で 見ないことをおすすめします。汗



閉ざされた森 Basic
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ジョントラボルタ。(最近また太ってきたな・・)が熱演するサスペンス。謎が謎を呼び、2転3転する ストーリーがこの映画のキモ。パナマに駐留する米軍レンジャー部隊の育成プロジェクトと麻薬売買の 関係を女刑務官のコニー・ニールセン(ロビンウィリアムズ ストーカー・トミーリージョーンズ ハンテッド) とトラボルタが追求する。この女なかなかいい演技です。そして、作品に味を加えているのがここにも 出ていたのか!!と最近どの映画にも出まくりの サムエル L ジャクソン。すごい味です。 肝心のストーリーと謎の方は、今ひとつできすぎ、仕込まれすぎ、という感じで、現実味はなしでしたが、 予想不能という点ではそれもまた良し。と思います。字幕版は「戸田奈津子」大先生でした。 大先生の良いところは、英語のキーワードをなぜ、そこでその言葉が使われているのかを わかりやすいように、字幕の中に散りばめてくれるところです。今回も、原題「Basic」が どのポイントで使用されていたのかをわかりやすく散りばめて下さっていたので、邦題「閉ざされた森」 ではわからなかった制作者の意図などが理解できてより楽しく、映画を見ることができました。 しかし、そこまで人に勧めるような内容にもなっていなかった気がしたので、厳しいようですが、三星。 キャッチコピーは真実ほど、疑わしきものはない。



シェフと素顔とおいしい時間
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 フランス映画。このようなタイトルを見ると、部屋とYシャツと私を思いだしてしまう。  ジャン・レノとジュリエット・ビノシュの二人しか殆ど出てこない映画。 空港のストでパリに取り残され、空港で立ち往生する人々、携帯電話をトイレに誤って流してしまったことから 見知らぬ男Jean Renoに携帯を借りたのが恋の始まり。実はその男有名なシェフで雑誌にも載るほどであったが、 現在は活動していない。お互いに過去の恋を持っている中、ギクシャクしながらも、 二人だけのよるの晩餐会へ・・ 見ていて、「やっぱりそうならなくっちゃ!」と思うシーンがいっぱいあるのは すばらしい。題名がとっても内容にマッチするようなフランス風よくある恋愛映画。



チョコレート
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 アカデミー賞受賞作品!なのにR-18。人種問題、死刑問題、家庭内暴力、今アメリカが抱える様々な問題を チョコレートになぞらえて表現した作品。ストーリーは、似顔絵描きが得意の死刑囚。世話する刑務所職員。 死刑囚の妻はアカデミー賞の歴史を塗り替え、黒人で初の最優秀主演女優賞を受賞したハル・ベリー。とやや 虐待され気味のチョコレート大好きふとっちょ子供。 親子で刑務官を務めるビリー・ボブ・ソーントンと ヒース・レジャーは白人至上主義の家庭に育つ。それがなんだかんだと、ハル・ベリーとの関係に・・・ 死刑執行シーンからSexシーンまでバンバンと出してくる作品でさすが R-18 しかし、今ひとつ作品に観客をのめり込ませる魅力に欠けていたような気もして、 今ひとつの点数となった。



容疑者 City by the sea
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 優秀なニューヨーク市警の刑事(ロバート・デニーロ)には子供がいた。しかし、その母親とは 既に分かれており、疎遠になっていた。息子は薬中で、らりっている間に売人を刺し殺してしまう。 そんなこんなで事件に巻き込まれていき、デニーロの相棒は捜査中に犯人に射殺された。現場に残っていた 拳銃からは息子の諮問が・・警察内で孤立していくデニーロ。過去に息子を捨てたという負い目から、 今度こそは息子と信じないと・・そして、息子の彼女のおなかの中には息子の子供つまり、自分の孫が・・ 過去の過ちを二度と繰り返したくない。見捨てたくない。そんなデニーロの演技が激しくスクリーンを かき乱す。熱い作品。愛情に飢える哀れな息子役を熱演し素晴らしい存在感を見せているのはドリュー・バリモア 主演の「25年目のキス」やトビー・マグワイア主演「スパイダーマン」で好印象のジェームズ・フランコである。 自信なさげな瞳の中に役者としての魂を感じられる。



ドラゴンヘッド
★☆___ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 途中で帰りたくてしかたなくなったのだが、あれだけのばしてのばして ラストがどうなるのかそれだけが見たくて帰れなかった。 最近ヤリテの妻夫木聡と 話題のSAYAKA 藤木直人 が出ているし、 話題のコミックの映画化とあって気になっていた。 妻夫木聡 と SAYAKAの演技には それほどまでに問題はない。 よくやっていた。しかし!!妻夫木のかっこよさと対比してSAYAKAの かわいくなさが際だつカメラワークでした。また、映画の半分は妻夫木聡がよろよろ歩いている シーンで埋められているのでないかい!とつっこみたくなるほど、 よろつくシーンばかりでもう飽き飽き。何日も歩いたという設定なのに、 妻夫木が全然やせていないし、さっきまで灰だらけで全身汚れていたのに、 次のシーンでは2人ともまるで風呂上がりのようになっている。 目を開けたまま死んでいて何時間か経っているのに、その目のところだけ 灰が積もっていない。など、細かいところを気にするファンには もう耐えられない内容でした。 「人間の尊厳は感情の表現である。」というようなメッセージ性はいい。が、 そういうものを感じることができないほど飽き飽きしてしまいました。 前提の背景が大きすぎて収集がつかなくなった 映画という感がとても強いものでした。 とけなしてばかりですが、最初の洞窟しーんとラストの破壊的なシーンは バッッチリCGでしたが、圧巻。それだけ見て終わってもいいような印象の 映画でした。さて、妻夫木聡といえば映画ウォーターボーイズですが、 ドラマウォーターボーイズの主役である山田孝之との競演は意味ありげで、 撮影の合間などに交わされた言葉などを勝手に推測してしまいました。  東海沖大地震が在りそうだ!と叫ばれる今日この頃、この映画、まんざら絵空事でもないと思いながら見るのが 良いのかも知れませんでした・・・



カンパニーマン
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 会社のために世界中のシンポジュウムに飛び、そこでスパイ行為を働くように 命令された主人公ジェレミー・ノーザムはそれまでの平凡な仕事から スパイ業への転換にとまどいつつもほのかなやり甲斐を感じていた。 ネタバレ→ しかし、シンポジウム会場へ集まっている聴講者は全員その会社から依頼を受けたスパイだったのだ!!  スパイをしているというふうに勘違いした実験代達は実際には何の価値もない情報を写真で取って 転送していただけで、実はその会場に集まってもらうことが会社のねらいだった。意識が無くなる 薬を飲まされて、全員が一斉に意識を失う。すると、専門の医師がいっぱい出てきて、洗脳マシーンを 一人一人に取り付けていくのだ。そして、洗脳された者達は自分の本当の名前や過去を忘れ、 新しく植え付けられた人格を信じるようになっていく。 そのような計画を阻止しようともくろむ謎のエージェント リューシー・リューがこの物語のキーマンだ。 企業間の利害関係や会社への忠誠心が覗かれる作品となっている。そこまでおもしろくなかったという訳ではないが、 三つ星には辿り着かず。



座頭市(北野武)
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 強い! その強さがこの映画の魅力。北野映画に見られる独特のテンポの遅さもこの映画では若干見られるものの、 そこまで間延びしていない。逆に、切るシーンが早過ぎて、「今のもう一度みたいよ。」などと思うことはしばしば。 従来の映画ならばボスクラスの戦い「浅野忠信vsたけし」が何分も続くような死闘になるはずだが、 「真剣勝負」ということを加味し、若干の妄想の後に一瞬について片が付くのは、北野映画的な印象を とても強く感じこの映画がより本物に見えてくる一つの要因・見所であった。  この映画は刀と博打の映画であると同時に、日本人の民族性が出ているような印象を強く受け、 そこがまた、この映画の味だとも思った。江戸時代からディスコはあった。そんなメッセージを読み取ったのは 私だけではないだろう。「爽快感120%」・「もはや最強」のキャッチコピーに違わぬ作品であった。 たけしと浅野忠信の渋さ・かっこよさが満喫できる作品。



天使の牙 B.A.T.
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 フィラメントの大沢たかおと萩原健一が戦う警察vs麻薬武装集団を描いた作品。 物語の前提としてネタバレ→脳は移植できる臓器であるというのがあり、脳だけが傷ついた女と 体が死んだ女が一つになるというのがあるが、それには眼球もいっしょに取り替えないとダメだろ。とか、全身の全ての筋肉に 投射している神経をどうやって殆ど間違いなくつなぎ合わせられるのか!などと思う。← その点はおいておいても 今ひとつ現実味の無い映画に仕上がっている。まるで仮面ライダーの敵兵隊のようなやたらと訓練されていて忠誠度の高い 組織はいったい何処で育成されているのか? 日本の何処に銃を持った兵士が警備している麻薬工場が存在できるのか? ネタバレ→なぜ、女はピアノが引けたのか? p100を測定する機械はそんなもんでいいのか?また、 1回くらいエラーが出たくらいで、違う人間だと決めつけて良いのか?← と脳に関する不合理もあり、役者の皆さんには 悪いですがドッチラケでした。ストーリー的には自分のことを愛していた相手が今の自分を愛していた相手だと気付いていないという ものなのでとても魅力を感じたのだが・・・残念であった。



パイレーツオブカリビアン
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 いやー!!映画はやっぱり項でなくっちゃ!!おとぎ話の延長をジェリーブラッカイマーが プロデュースして、主人公オーランドブルーム(ロードオブザリングのエルフ役)・ サブ主役ジョニー・ディップ(フロムヘル・シザーハンズ・ブロウ)・ヒロイン役キーラ・ナイトレイ どなたも、すばらしい振る舞いであった。さわやか青年オーランドブルームが随所で好演をみせる。 見所は熱演とCGの融合。月明かりとそうでないところを行ったり来たりしながらバルバロッサとジョニー・ディップ が戦うところは名シーンと呼べる。全体的なストーリーは貴族と結婚する予定のナイトレイ。彼女のことを好きな オーランドブルーム。一匹狼海賊船長ジョニー・ディップ。アステカゴールドを盗んだために呪いを掛けられて死ぬことも 生きることも許されなくなったバルバロッサ率いるブラックパールの海賊達。ナイトレイは呪いを解くキーマンと間違われて バルバロッサにさらわれる。それを助け出すためにオーランドブルームとジョニー・ディップは手を組んで 愛の大海原へと旅立つ。「どういう原理で呪いが成り立つんだ?」という突っ込みは野暮ったい。そんなことはおいておいて、 ストーリー・テンポ・ヴィジュアル・役者の輝き具合。すばらしい! 爽快感溢れ、最後にはハッピーエンド?が 待っている。満足の一品。



世にも奇妙な物語 劇場版
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 テレビ版は幼少期より好んでみていた。久しぶりに見ると、対して奇妙でもないような気もするが、 決して、作品がおもしろくない訳ではない。ストーリーテラー タモリ が言っていた 話し手が最も恐怖する聞き手の言葉は「もっと。」である。というメッセージがとても印象的だった。 ストーリーは短編に分かれており、「雪山」「携帯忠臣蔵」「チェス」「結婚シュミレーション」 があり、特に携帯忠臣蔵はおすすめやる気のない大石内蔵助に未来から携帯電話がかかってきて・・という内容。 結婚シュミレーションも私の友達が「泣いた!マジ泣いた!」と絶賛。(私は泣かなかったけど・・)



呪怨2
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 こりもせずに、劇場にて絶叫しまくり。呪怨1よりも怖い。 気に入らなかった点を挙げると、1ではなぜ呪われて殺されるのかが やや説明されていたような気がするが、2ではそういった説明はいっさい無い。 のろい殺されたものは思考停止し、新たに誰かを殺す。ネタバレ→ お母さんだけは京子が「あれ」に襲われるのを助けるというシーンがる  物語はストーリーに関わる様々な人にそれぞれスポットを当てて章だてるという形で すすむ。各人の体験で物語は区切られるが、それらはすべてがつながっておりそれぞれの章が 関わり合って全貌が見えてくるというのがおもしろい。そういう見せ方をしているために、 物語内の時間が必ずしもシーケンシャルに進んでいるわけではない。 主演:酒井法子



ドラマ TRICK
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

話題の堤 幸彦が手がける人気シリーズ。 主役の仲間由紀恵(職業マジシャン)と阿部寛(職業エリート物理学者)が織りなす物語 TRICKが至る所に仕掛けられていて、それを金田一とは少し違ったノリで解いていくのが 醍醐味。仲間由紀恵のさっぱりとしたところがテンポのよいストーリーとあっている。 霊能力者と語る相手のトリックを暴いて警察に突き出すというのが毎度のパターンでその過程でみせる 2人のボケ・突っ込みも見所の一つ仲間由紀恵のお父さん岡田真澄が物語を通してのキーマンとなっている。 ただ、少し現実離れした各話の設定にウンザリするのは確かかも知れない。2に期待。 ただ、仲間由紀恵と阿部寛の存在感・引き込み力はすごい。



多重人格探偵サイコ 全3巻
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それなりに楽しい普通の映画

 今ひとつテーマの見えないシリーズ。話が断片・ぶつ切りになっていて、伝わってこない。 一種の残酷さや映像表現ギリギリの描写は画像から伝わってくるが、モザイクが多すぎる。  映画ムルデカや最近の炊飯器のCMで注目の保坂尚輝の演技を見ようと借りたが、残念。 私の理解力が足りなかったのか、ストーリーにまとまりが感じられなかった。



ショムニ フォーエバー
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ショムニファンは必見。ドラマ版ショムニがおわってから、数年後という設定で、それぞれに成長した 各キャラクターがみどころ。実際に撮影されたのも、ドラマ版の数年後ということもあり、懐かしさと 相まって、「今はどんな生活をおくっているのかな?」というファンの欲求に答えてくれる。 ショムニシリーズの完結編。たぶん、もう二度と続編は出てこない。ストーリーはそれぞれに自分の将来について ショムニ各メンバーが夢を見て、それらが全てつながっているというもの。



ショムニ スペシャル2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 今までのシリーズと比べると2時間ということもありやや間延び感がつよい。見ていて焦れったくなる映画。  と前のと同じコメントがふさわしい一本。ショムニファンでなければ借りない一本。もちろん ショムニのおもしろさはしっかりと反映されている。



ショムニ スペシャル
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 今までのシリーズと比べると2時間ということもありやや間延び感がつよい。見ていて焦れったくなる映画。 しかし、ショムニのおもしろさはしっかりと反映されている。



ショムニ2 全8巻
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 一作目ショムニが大ヒットのため2が作られた。内容は殆ど同じだが、各話ごとの短編になっているため その都度楽しめる。個性的なキャラと、ネタの痛快さは前作を凌いでおり、我が社でも庶務二課を増設せねば? と思った会社も多いはず・・・んなわけないか。・・



ショムニ 全8巻
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ずっと前に見ていたがとりあえず記す。江角マキコの切れ味が他のドラマと比べて新鮮。このシリーズを通して 江角マキコファンとなった。ストーリーはいかにも漫画であるが、登場人物が生き生きしており、まるで同じ会社にいるように 一喜一憂できる。サラリーマン社会をおちこぼれOL庶務2課通称ショムニがそれぞれの価値観で前向きに日々を営み 様々な物語を織りなしていく。男にも共感できる女達のOL生活をかいま見ることができる。



魔界転生(沢田研二 )
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それなりに楽しい普通の映画

 1981年製作でかの深作欣二監督作品。沢田研二(天草四郎時貞)が怪しい主役を演じる。窪塚版魔界転生を見たあとに気になって借りた作品。 作品全体がとても薄暗い印象で作られている。ストーリーはやや難解で一昔前の映画であるという雰囲気が強い。 千葉真一(柳生十兵衛)緒形拳(官本武蔵)も出てきて戦う。



ムーラン・ルージュ
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それなりに楽しい普通の映画

 トビーマグワイアが主役だと思っていたら、それは、ユアン・マクレガーであった。また、女優は、ニコールキッドマン (最近ではThe hours めぐり合う時間達)というわけで、チェックしておこうと思い、借りた。2人には申し訳ないが おもしろくない。ミュージカルの経営を見ていくストーリーなのだが、ストーリー自体も、ミュージカルとなって 観客に伝えている。華やかにきらめく、踊り子や飾り達がめくるめくエンターテイメントの世界。それに自身に興味があり、 そういう世界を好きでないと、ストーリー自体が、現実離れしているように見え、持続的に映画の中に入っていることが出来ない。 不滅のエンターティナー作品であると評する人がいる一方、私には、ちょっと大人の作品だったのかも知れない。 脚本家ユアン・マクレガーとカリスマダンサーニコールキッドマンとの熱い熱い愛の物語を描いている。 ムーランルージュとは19 世紀末にフランスモンマルトルにできたミュージックホールで、それを題材にしているらしい。 ミュージカル映画だけあって様々なサウンドトラックとそれらのハーモニーは素晴らしい。  ジドラー役のジム・ブロードペント(ギャングオブニューヨーク)は何とも濃いが人を引きつけるいい味を持っていた。



明日があるさ 劇場版
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ドラマシリーズを見てから鑑賞すればまた違ったキャラの印象を持てたのかも知れない。ストーリーは 本物の航空博士が自分の力と財産だけで有人宇宙飛行を行う。それを浜田が手伝う。というもの。 それなりに魅入られて、飛んだ時にはいっしょにそれを喜ぶことができる。なんかすごいことにチャレンジして 自分も感動を味わいたい!と思いたくさせる一品。ダウンタウンが嫌いな人でもそれなりにいっしょに盛り上がる ことができる内容になっている。



ヨイショの男 全4巻
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ヨイショしまくっているのに全然嫌みでない。それがこの作品の最大のポイント。稲垣吾郎はその配役を見事にこなしている。 また、パートナー役の矢田亜希子も自然でいい。浅野温子・小林稔侍・市川染五郎が脇を固め素晴らしい作品たらしめている。 サラリーマンの生活がかいま見られる上に日本式と外資系の違いみたいなものをテーマにしており興味深い。また、 作品全般を通して下品な場面が無いのは近年の作品の中では珍しく、好感を持つと同時にスタッフ一同の努力を感じることができる。



池袋ウェストゲートパーク スープの回
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それなりに楽しい普通の映画

 全作となるシリーズから3年後という設定で当時のメンバーが惜しげもなく集まり続編がつくられたという作品。 個人的にはヒカル(加藤あい)とマコト(長瀬智也)の関係の続きが見たかったのだけれども、実在するバンド RIZEとスープのだし汁との関係がメインとなっている。このスープの回だけを見たら、この映画はなんてつまらないんだ!! と激怒したくなるだろうが、続編としてみるとなかなか楽しめる。脚本の宮藤官九郎が手がけた木更津キャッツアイなんかも 飛び出して、やや内輪ネタにもなっているが、ストーリーは総じて良い。しかし、 前作で膨らんだ話を維持したままたった1話でまとめてかつ新しい話題も取り込んでいるため、 一つ一つの話がやや軽薄におわらせられていたのは、前作のファンとしてはやや満足のあるものの、 寂しい気もした。演出はもはやTBS系には欠かせない 存在となった堤幸彦が手がけ全体的にそれらしい絵が多用されている。テンポが良いのが特徴だ。



10日間で男を上手にフル方法 How to Lose a Guy in 10 Days
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 おもしろい!中盤から会場では笑いが絶えなかった。(私が率先して笑っていたのでみんながその後に付いてきて 笑っていたという感じもありましたが・・)それでいてラストはそれなりに納得がいく。ただし、ネタバレ→ パーティー会場で互いにネタをバラし合い、喧嘩して分かれてしまうシーンはダイヤモンドのネックレスを もっとストーリーに有効に絡めてかつ、激しくののしり合って分かれて欲しかった。というのが私の 希望です。ベンを演じるマシュー・マコノヒーはいい男だ。役は健気なところがあり、Playboyっぽいがそこに謙虚さが見られる。 彼にはなんとしても10日間は彼女と付き合っていたいという賭けがあり、アンディ役のケイン・ハドソンにはなんとしても10日以内に 相手から別れを告げさせなくてはならないという雑誌の企画を成功させる 任務を持っている。最初はとても魅力的にマシューを誘惑するが、相手から別れを切り出させるためにあの手この手のタブーを連発 最初は大好きなバスケットの試合のクライマックスにジュースを買わせたり、 ペアルックを送ったり、映画館で大声で話しかけたりというものだが、徐々に奇怪な行動を目立たせ、最後には 2重人格障害(personality disorder)か?とみんなから思われるほどの演技をみせる。このストーリーが かなりおもしろい。でも、お互い露骨にその事情を見せることなく、関係を育んでいく。見ていて どちらの側からも応援したくなるような脚本が観客を引きつけるおすすめの逸品。



英雄HERO
★★★☆_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ひっさしぶりに「すごい」映画に出会ったなぁーという感じです。物語は紀元前、秦の始皇帝を暗殺しようとする 刺客達を退治した漢(おとこ)=ジェット・リーが始皇帝にその詳細を話し、その回顧録として ヴィジュアルが流れるというスタイルで進む。この映画の見所は、ワイヤーを惜しげもなくというか、 飽きるほど使いまくったアクションシーンではない。監督チャン・イーモウが作り出す画面とそのアクションの コラボレーションによる芸術である。赤は激情と嫉妬、藍色はロマン、白は真実、緑は回想、黒は神秘・秦国・死を 意味している。物理法則に対してあまりに不自然な決闘シーンばかりが目にかかり、気に入らない人にはとても気に入らない と思われるが、それらは、ジェット・リーが回顧して始皇帝に話していたりする想像のシーンなので もしくは想像したことを更に回顧するシーンなのでどんなにぐるぐる回ろうと筋は通る。(ラスト付近を除いては。あと、 ワイヤーが消し切れていなかったところがあったのはやや興醒め。残念)  アクションシーンに続いて印象深いのはVFXを駆使した兵の大群や弓矢である。圧巻だ!!指輪物語の2でもそうだったが、 大群が一斉に動いたりするのは相当迫力がある。かなりディテールまで再現されていたようでうれしかった。 この映画は歴史に残る大作となることは間違いない。しかし、★が今ひとつ少ないのは、そのエンディングから 英雄HERO「この国はまだ本当の英雄HEROを知らない・・・」というコピーに結びつくのが私の中で何となく引っかかっている からである。他の方はいったいどう感じるのであろうか?



アンドロメディア
★★☆__ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 ずっと前に見たのだが、テレビでたまたまやっていたので見てしまった。当時はSPEEDに熱を上げていたので とてもおもしろかった印象があるが、今回見てがっかり。諸行無常というか、私自身も日々変化するものだと感じた一本。 内容は高校1年の男女が愛し合って、女の方(島袋寛子:SPEED)が死ぬが、その父が作っていたコンピュータソフトA.I.で デジタル世界に死ぬ前の記憶で再現されており、そのプログラムを求めて裏の組織がそのプログラムを持つ男の方(原田健二) を追い回す。というもの。当時としてはアンチウイルスソフトや電脳世界の描写、原理説明不可能な様々な システム、これらが新鮮に見えたものだと思うが、今見ると・・・どうも・・・ 注目すべきはSPEEDの映画初出演作品であるということ。やや台詞が棒読みのように聞こえてしまう面もあるが、 4人ともなかなかがんばっていてまた可愛く移っている。SPEEDやDA PUMPが歌う曲が要所に 配置されていてToys Factoryのファンにはたまらない。竹中直人はこの映画にも出演しており、 ちょっと合わないんじゃないか?っていう役を演じていた。この映画は竹中直人の働き次第で もっと違った印象になっていたのでは?と思えるくらいのキーマンを演じている。何はともあれ島袋寛子が好きなら絶対に 見なくてはならない作品である。



金八先生シリーズ第6 全10巻
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 この番組は中学生だけが見ていればいいというような柔いドラマではない。むしろ、これから 私たちの共同体へ子供達を排出していく大人達が見るべきドラマだと思いました。それにしても、 次から次へと金八先生の周りには事件が起きて、ドラマとはいえ教師とは大変な仕事だと 改めて考え直しました。さらに、卒業生達が全国へ散らばっていくことを考えると、 教師という崇高は職業の地位をもっと上げるべきではないかとも思いました。  なぜ、いきなり、第6シリーズから借りて見たのか?といいますと、もちろん。 鶴本直役として上戸彩さんが出ていたからです。難しい役柄をこなしていて、 今後の活躍が楽しみになるシリーズでした。ちなみに、上戸彩はTBSが大事に大事に、卵から 育てていま、雛から白鳥へと芸能界に飛び出している実力と、タレントを兼ね備えた 注目の役者(歌手・アイドル)です。このシリーズは様々な筋のシナリオが1話完結になっているのではなく、 パラレルに各話に渡って進行しているので、最初ッから見ていかないと訳わかりません。  半端なぶつかり方ではまともな子供は育たないということが、よくわかります。  出る杭は上から横から時には下から「ガチンコ」ぶったたいていかないとならない。いろんなことを考えさせられる 非常に為になり、かつとてもおもしろい映画でした。この映画をみて、まだ、未成熟な脳内投射関係のまま、 その教育の仕方いかんによって黄金にもプルトニウムにもなりうるシリーズ第1からはや20年たっており、計算によると 3年に1回は金八新シリーズが出ていることになっておりますが、武田鉄矢さんの演技には感服致します。 これを機に全シリーズをなめ回して見たいとも思いました。



グラディエーター
★★★★_ 情報サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ラッセルクロウ話題の一本。ローマ帝国の超有力将軍が権力争いのため、その家族もろとも処刑されることに、 何とか逃げた将軍ラッセルクロウはスパニッシュ系の奴隷として売り買いされ、地方の健闘士グラディエーターとなる。 父を殺してローマの皇帝の権力を手に入れた新皇帝は先代が禁止していた健闘を復活させた。 グラディエーターとして有名になった 通称スパニッシュ(ラッセルクロウ)はローマのコロシアムで戦うこととなり、見事生き残って新皇帝と顔を合わす。 殺したはずのラッセルクロウが生きていたことがわかり、新皇帝は・・ というストーリー。 紀元前400年頃から1400年まで 栄えたローマ帝国初期の物語。前半の戦争シーンは恐ろしく組織化された軍隊同士がぶつかり合い、そのヴィジュアルには 圧巻。ラッセルクロウの悲しげな顔がとてもマッチするのが印象的な名作。



猟奇的な彼女
★★★★_ 情報サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 韓国映画。人並み外れた感覚(感性・価値観・個性?)をもつ彼女チョン・ジヒョン。口癖は「ぶっ殺す。」  言うことも半端ではないがやることもすごい。ぱっとこれだけ聞くと、そんな奴が主人公の映画なんて おもしろくない。と思われがちだが、実は悪気がない。しかもその言動は憎めず、逆に愛らしい。 ストーリーはひょんなことから出会った彼女と男チャ・テヒョンの日々をテヒョンがナレーションを入れながら 進むといった感じになっている。終盤にはほのかな切なさが待っている。見所は、チョン・ジヒョンのかわいさと その行動のギャップそしてそれが憎めないところにある。おすすめの一本。



(ハル)
★★___ 情報サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 おもしろくなさめ。だが、斬新な作品。深津絵里やザ・ブームの宮沢和史 がでている。 1996年の作品でまだ、出会い系はおろか、電子メールも普及していない 時代に、パソコン通信を通しての最新の愛の形を描いた一本。その意味で当時としては斬新。物語の大半は 画面に文字が表示されていき、それを字幕のように読む。といった感じで進んでいく。20際くらいの深津絵里を堪能したければ 見なければならない作品。顔はぱっと見て「え?深津絵里?」と思ってしまうところが多々あるが、仕草は今の深津絵里と 全く変わっていないのがとても印象的。



稲川淳二の超怖い話2巻
★★★__ 稲川淳二公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 警告。稲川淳二の語りっぷりを見くびっては行けない。ホラー映画を見て怖がったとしても、鳥肌が立つことは 少ないだろう。最初の何話かは稲川ワールドに引きずり込むためのジャブにすぎない。彼の語りを真剣に聞き、 その世界へ自ら足を踏み入れようと聞き手が体制を整えたならば、なぜこのシリーズ「稲川淳二の怖い話」が レンタルビデオ屋にあれほど並んでいるのかがよくわかる。私は何巻か見ているが、この巻は比較的 怖くなかった。一夏に一本。な作品



ボーン・アイデンティティー
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 かなり前に劇場で見たが、下の方に無かったので記入します。マッドデイモンが後援するスパイエージェントもの。 ボーン・コレクターの焼き直しかと思っていたら、ボーンとは主人公(マッドデイモン)の名前。記憶喪失に かかった彼がそのアイデンティティーを徐々に取り戻していくという内容。そこには3000万ドルを掛けて作り上げられた プロ中のプロがその体にしみこんだ習性を惜しみなく発揮するさまが、描かれており、エージェントという特異な世界を スクリーン越しにかいま見ることができる。また、CIAの「巨大すぎる組織ぶり」が怖いくらいに描かれており、 見応えがある。物語のキーワードとなるのは「トレッドストーン(踏み石)作戦」だ。



ハルク
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 緑色が似合う映画でした。見終わった後に「これぞ映画!!」と言いたくなるような爽快感が ありました。映画には細かいうんちくも必要ですが、単純に「ああなったらいいなぁ」とか「こうだったらなぁ」 なんて思うことを、理屈抜きでガンガン疑似体験させてくれるのがこの映画の魅力です。 アメリカンコミックスの色が思ったほど濃くはなく、終わり方も納得できました。この手の映画は つっこみどころが満載で、見ている最中に   ネタバレ→天上が抜けるのに床が抜けないのはおかしいとか、 爆発したら、ハルクの細胞が周囲に吹き飛んで大変なバイオハザードになるだろ!とか、何でハルクを攻撃する 最終手段がRH-66コマンチなんだ!とか、なんでハルクのパンツだけが破けないんだ!とか、 各シーンに 1つくらいづつつっこみどころはありましたが、そもそも、変身して巨大化するのはおかしい。といってしまえば 元も子もない話なので、様々な矛盾を受け入れて見てみるのが得策でしょう。 鳥になりたい。と思う方は 結構いらっしゃると思いますが、私は「ハルクになりたい」と思いました。そんな映画です。



ドライブ(邦画)
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 映画の序盤はいい感じに仕上がっており、期待が膨らんだが、中盤から、精神的なものを 特異な形で描こうという姿勢が見受けられ、それ自体は良いことだと思うのだが、描き方が 私には合わなかったようで、間が抜けてしまった。最近まじめな人柄の役ばかりのような感じがする 堤真一とバトルロワイアルIでブレイクした柴咲コウが恋仲に落ちるようなストーリーなのでとても 興味があったが、(2人が出演しているグッドラック!を見たので)2人の中は思ったほど進まなかった。 安藤政信や筧利夫など注目の役者がそろっていた割りに残念だった。ちなみに、公式サイトの筧利夫の 名前が「かん としお」となっている。その間違いについてメールを送ろうかと思ったが宛先がわからないのでやめた。



呪怨 劇場版
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 呪怨2 劇場版に備えてとりあえず1を見ておこうと思い、借りた。頭に残ったのは 奥菜恵のがんばりと伊藤美咲の怖がる顔、とあの男の子 尾関優哉くんだ。 何が怖いのかはよくわからないが、喉をつぶされた獣の声のような「ケタケタケタケタ」 という断続音は斬新だ。そして全身の骨をバラバラにされながらも近づいてくるような印象の あの接近の仕方。やりますな。呪いが呪いを呼ぶ。タダそれだけ。だからいい。見えるものと見えないもの。 霊感が強い。とか言っている人はわかるわかる。とかいいたくなってしまうんじゃないかなぁという作品。 DVD版は出演者の霊感話などが乗っていた。結構怖いのに総評すると、普通の映画となってしまったが、 その理由としては、「怖さ」の原因が知的な意味での怖さではなく、ドロドロ系の怖さのみであった てんであろう。



火山高
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 気の力を描いた作品でここまでそれっぽく見せていた作品は初めてであった。  しかし、設定が不良高校生と教師の戦いで、それに学生の恋を織り交ぜた物となっている。 いままで相当数の退学を繰り返してきた主人公は火山高に辿り着いた。 相当の気の使い手だが、それをむやみに使ってはならないといわれているらしく、 最後まで故意には使わない。物語の中では様々なキーワードが出てきて何のことをいっているのか よくわからなくなることもあると思うが、DVD番では用語集解説が付いているので参照できるのがうれしい。 ラストの教師5人集と主人公の戦いはまるでドラゴンボールの実写版のように爽快でかっこよく、 外れた「波動拳?」が地面に当たって炸裂する様子は見応えあり。



es(エス)
★★★★☆ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 被験者求む。模範刑務所で2週間の心理実験。報酬は4000マルク。このような新聞広告を見て 集まってきたいろいろな境遇を持つ人々に対して、実験を行った。裏には軍もついている。 初日の心理実験結果によって囚人と刑務官とに分類され、本物と全く同じほどのセットの中で 2週間の実験が行われた。ルールは「刑務官のいうことは聞かなければならない。」「出されたものは 全て食べなければならない。」「暴力行為は禁止で破ったものは実験を降りてもらい、お金ももらえない。」 「いつでも、希望により実験を降りることができる。」だった。 この映画は1971年にスタンフォード大学心理学部で実際に行われた実験を元にドイツで作られている。 ドイツの映画は見たことがなかったが、気に入った。 スタンフォードの実験は2週間の予定だったのが7日間で打ち切られ、以後この実験は実施禁止となった。 別に元々凶暴だったり、危険な人間でなくても与えられた役割によって人間はどうにでもなるということを 描き出している。なにも、ドイツ人であるから成立するような映画ではなく思えた。もし、自分があれだったら どうしよう!?という場面が要所にあり、非常に見応えのある映画であった。その次のシーンが見たくて 画面に食い入る映画に久しぶりに出会った。ネタバレ→無音無光の狭い部屋に閉じこめられたら 何時間耐えることができるのだろう。実際に死人がごろごろ出る結末よりも、そこに至る過程に恐怖を覚えた。



ストーカー(原題:One Hour Photo)
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ロビン・ウィリアムズの演技がひかる一本。誰からも愛されずに老いていくプロ意識を持った男。 スーパーの写真カウンター(One Hour Photo)に勤めるロビンは、いつも写真を出しに来てくれる家族にとても興味を示し、いつしか自分もその家族の一員であるという 錯覚に陥る。そんな気持ちがとても伝わってきて私には痛かった。物語はロビンが逮捕されているところから 始まるので、焦点はいったいどのようなストーカー行為を行って逮捕されるのか?というところになる。 スピード写真店の店員の仕事をかいま見られるという点に置いて利得がある映画であった。



Good Luck!!全5本
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 木村拓哉主演、柴咲コウの関係がとっても気になるパイロットものドラマ。一般人が その素性をかいま見ることさえできないジャンボジェットのパイロットの日常業務を 様々な角度から見ている。堤 真一や竹中直人黒木瞳が味を出し合って物語を引き締めている。 柴咲コウはぱっと見てもよく見てもあまり可愛くないが、何故か惹かれる。そんな存在。 パイロットは海を女に例え、各フライトを夜に例えるのだという。新米パイロット木村拓哉が、 空の厳しさや、先輩達からの洗礼、整備の気持ち、いろいろなものを通して徐々に成長していくさまを 2人の関係を主軸に描いた。やっぱり、キムタクはかっこいい。ストーリー全体を見てそこまで「いい!」って 感じがしなかったにもかかわらず、高視聴率であったそうな。やはりキムタクはすごいですな。  私心を捨てて、会社の人としていっさいを冷徹に割り切っている堤 真一はすばらしい 仕事人である。と思うのに、社内での彼に対する印象が悪すぎるのが気に入らない。



ワイルドスピード The Fast and the Furious 2001年
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 トリプルXでヴィン・ディーゼルが名を馳せる前の作品。このたび、ワイルドスピード2の上映が控えており、その プレリュードということで、借りてきた。車の改造マニア達がドラッグレースをやるだけかと思いきや、 警察のおとり捜査や銃撃シーンもあり、物語のスピード感を加速している感がある。敵のボス役を演じるのは 韓国生まれワシントン育ちのリック・ユーン。既に公開された007ダイアナザーデイでダイヤが顔面に散りばめられてしまった 敵役ザオも演じている。いい役者だ。ディーゼルの妹役であるミシェル・ロドリゲスはこの後のバイオハザードでも 好演技をみせている目元が印象深い役者だ。ストーリーはいまいちのような気がするが、 ワイルドなスピード感は十分の作品である。



アメリ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 フランス映画。ナレーターがいて、物語を側面から解説しまくっているのが印象的な 映画。アメリは人付き合いが苦手で喫茶店で働いている。様々な偶然から、破れた証明写真ばかり が貼られているアルバムを入手。その持ち主にまるでスパイ映画のような演出をプレゼント、 お互いにあったことはないのに、引かれ合うことになる。様々なサイドストーリーを通じて メアリなりの恋愛ストーリーが描かれている点がおもしろい。独特のテンポとタッチで進む映画に かなりの好感は持てるが、名作と呼ぶには何か足りないような気もした。フランス映画のノリはどうも ついて行けない。という日本人は比較的多いが、そんな感じの強い一本。 監督はジャン=ピエール・ジュネ



ケミカル51
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 薬剤師サミュエル・L・ジャクソンが30年前の人生の過ちにより、道を踏み外してドラッグ職人となる。 合法の薬物から究極のドラッグpos51を調合し、イングランド・アメリカと薬を売り、2000万ドルを 得るために取引を持ちかけるが、殺したはずの男に追われて取引をつぶされる。途中で知り合った男と、 そのもの彼女で殺し屋の女。追って取引をつぶすスナイパー女、取引を成功させたい男。 この映画から何が得られるというわけではないが、サミュエルの豪快な演技がにじみ出る一本。



踊る大捜査線 The Movie 2 レインボーブリッジを封鎖せよ
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 映画を見た後に、DVDが欲しくなる映画は数少ない。そんな作品の一つがこれだ。  いつも通りの湾岸署のノリはそのままに、そしてかつシリアスに仕上げてある。 まったく、オープニングからシャープな作りでしびれました。物語は序盤から様々な伏線を張るかたちで すすみ、いかにも切れ者の女性警察官僚キャリア沖田管理官を演じるのは宝塚出身の真矢みき。 役とはいえ、あまりの精神力と自己を保つ力にあこがれるほど魅了された。 警察の世界に限らず、上に立って権限を握る人には下々の方が想像することも許されないほどの 重圧がかかると思う。どんな決断も、英断も、その課程はほどほどに重要であるが、 結果が成功したかどうかが全てなのだという結果責任の重さをあらためて痛感させられた作品である。 警察をある意味で、官僚組織、癒着組織、リストラがないなどと風刺している一方、 しっかりとした尊敬の念と苦労へのいたわりが作品全体ににじんでいるのが この映画の見所と見た。 また、クライマックスでの音の効果的な使い方がしびれさせてくれた。 そして、シリアスに閉めたラストの後に、思わず頬をほころばすのがこのシリーズの にくいところだ。ちなみに、初日3日間の興行売り上げ日本記録は いままで、千と千尋の神隠しが16億円ということだったが、この作品が18億円という新記録を 樹立した。興行的には絶対3も作るべきであるが、内容的には「これで終わり」というメッセージが たぶんに含まれていたような気がする。 ネタバレ→恩田刑事が打たれた後、青島が、「射たれた弾丸で、ペンダント作るんだって言ってましたよ。」 と言っているが、ラスト恩田刑事が元気になって画面中央に現れる1・2秒の間に、その弾丸で作られたペンダントを 確認することができる。しかし、一時停止などのテクニックを駆使しなければ、それを確認することは難しい。



T.R.Y.
★★★__ 織田裕二公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 織田裕二主演の映画は必ず、高興行となるというジンクスを破ってしまった作品。 打倒清国の旗を掲げるレジスタンスに日本軍の武器弾薬を流すために大ばくちを打つというストーリー。 織田裕二演じる伊沢修は様々に策を懲らし、職業ペテン師としての本文を全うする。 見ている最中は何が本当なのかわからずに、易々と喜んだり、ホッとしたりできない。 相変わらず、織田裕二はかっこよく、いかした演技をしている。



壬生義士伝
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 中井喜一と佐藤浩市が味を出す新撰組のストーリー。 新撰組というと吉良上野介を殿中で斬りつけた主の無念を晴らすという物語が思い浮かぶが、 剣に生き、幕末に死に場を求めた男、盛岡の南部藩出身の吉村貫一郎の生き様を恋愛模様なども含めて、昭和の時代に生きる その子孫が回顧するといった流れで語っている。このあたりの時代の流れに明るくなければ 読み取れないようなストーリーとなっていて、不勉強な私にはその全貌を理解することはできなかった。 刀さばきはかなり研究されているようだった。



ドラマ 高校教師 全5巻
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 女学生を今最もオタクたちの中で萌えている上戸彩が、高校教師を藤木直人が演じる。 この映画を見て思ったことは、上戸彩はだてに、国民的美少女に選ばれていないということだ。 歌ってよし、演じてよし、笑っている顔はかわいく、笑っていない顔はかっこいい。 しかし、視聴率は前作の高校教師と比べ、圧倒的に悪かったらしい。 上戸彩が好きならば見て、どうでも良いならば見なくても良い作品。 私は好きだから見た。( ´ー` ) 見所は成宮 寛貴さんと京本 政樹さんの演技です。すごい。その演技だけでもかなり魅入られました。 ふたりの辛みはとても印象的で、お互いにすれ違っているのかぶつかり合っているのかわからない ああいう人間関係もあるのか・・・と感動に近いものを感じました。そして、 成宮 寛貴が私の中で大ブレイクした作品となりまして、今後の作品にも注目していきたいと思います。



チェーンリアクション
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 キアヌリーブスとモーガンフリーマンが石油エネルギーの代替としての水素エネルギー に関する大発明を巡り、追ったり追われたり。天才科学者を演じるキアヌと、 国の特殊機関幹部のフリーマン。純粋な科学の発展はときとして、世の中を狂わす。 いきなり、石油がいらなくなってしまったら、世界経済は破綻する。博士は殺され、 その弟子であったキアヌも追われる羽目に、しかし、キアヌは逃げるだけではなかった。 最後にはそれなりのものが残されいて、相変わらずモーガンフリーマンは渋い。と思った映画。



仄暗い水の底から
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 黒木瞳主演。ホラーということになっているが、下手をすると、ヒステリーな人が幻覚を見ているだけの映画となってしまう。 どろどろしたホラーにはなっていないが、さっぱりとしているわけでもない。強いて言うなら ベチャベチャしている。最後にはそれなりのエンディングが用意されており、その点は好印象。



踊る大捜査線 番外編 婦警物語
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 この物語には青島こと織田裕二はほとんど出てこない。湾岸署のあのメンバーに加え、 交通課に配属された新任婦警 内田有紀 とその教育係でおつぼねさん的な が味を出す 映画。公務員。ルール(規則)。決断。様々な問題を短い時間の中にうまく納めて 最後にはほろっとくるような仕上がり、新人を育てるということの崇高さを再確認できる。 シリーズを通して見ていないとわからないところがかなりあるので、この作品だけ見るのは 注意が必要。



JAM FILM
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 日本を今後背負って立つような映像作家達が、それぞれ、15分間くらいづつ時間を与えられて、 何かを訴える機会を与えられるという企画。7人の表現者が自分たちの感性一つで見る人を引きつける。 しかし、時間が短いせいか、独特の個性を出し過ぎたのか。それなりに引き込まれるところはあるものの、 起承転結が弱く、お買い得感の少ないいんしょうでした。2がでるらしいのでそっちに期待。



モーニング娘。サスペンスドラマスペシャル(仮)/「三毛猫ホームズの犯罪学講座」「おれがあいつであいつがおれで」
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 それなりにドラマになっていたので驚き。モー娘。の中では、なっちが一番演技力が あるなー。と思いました。どちらの作品もモー娘。好きはかなり楽しめるないようになっています。 NG集や、ミュージッククリップもいっしょに収録されているので、そっちが目当ての人の方が おおいかも。ホームズの方は学園犯罪を猫と女アレルギーの刑事が暴くというもの。おれが・・・の方は 雷によって、男女の体と心が入れ替わってしまうというもの。両方とも、内容的にも楽しめた。



仔犬ダンの物語
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 モーニング娘。のファンでなければ、とてもじゃないけど、10分も画面を見続けることができないような映画に仕上がっています。 そのできは、前作、ピンチランナーを遙かに超えていました。 棒読みのアフレコ。耐えられん。しかも、主人公はモー娘。ではなく無名の小学生女の子。 ウーダメだ。というわけで、早送りしてはあらすじをつかんで、早送りする ということを繰り返してしまうような作品。と思いきや 物語の中盤にはいると、変わってきたのです。 なんとその女の子。とってもいいことを言っている出はありませんか? しかも、熟年の本物の役者達が雰囲気をもり立てる。 柄本 明。すごい役者だ。たった一人でこの開きっぱなしの口のような作品を 締め上げている。そ・し・て・・・・ さっきまで、ぼろくそに言っていたはずなのに・・・・ 泣いてしまいました。あの子。半端じゃねー。将来はすごい役者になりますね。 ストーリーは捨てられていた目の見えない子犬をペット禁止の団地でどうにか飼えないかと 模索する少女達の物語。



マイビックファットウェディング(原題My Big Fat Greek Wedding)
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 いい!  アメリカで上映され、当初は期待されていなかったが、 口コミでそこおもしろさが広がり、結果的に8ヶ月間のロングランを達成し、 大きな興行収入をえて、「私の好きな映画」No1に選ばれたという 作品。 制作費はわずか5億ドルで、その割には儲かりすぎて、現在、その利権を巡る 裁判がアメリカで行われているというおまけも付くほどの映画。 有名な出演者を使うことなく、ストーリーと出演者の演技力で、 鑑賞者を魅了している。特に、お父さん役のマイケルコンスタンチンの 演技には注目。劇場ではあちらこちらから、笑いが聞こえてきて、 見終わった後には「映画を見たという満足感」が得られるような作品です。 主役のトゥーラを演じるニア・ヴァルダロスの実体験を元にトムハンクスが 気に入って映画化されたらしいです。 題名はThe Wedding にビックファット(大げさなという意味)と邦題では削除されていましたが、 Greek(ギリシャ式の)という修飾語がついたものとなっておりましたが、 ビックファットよりも、むしろ、グリークのほうが、物語に深い関係をもたら していたような気がします。ギリシャ系の文化をのぞき見るいい機会です。



ブルークラッシュ
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 サーフィンに青春を賭けるハワイの女の子のストーリー この映画は、劇場で見ないと、その作品の伝えたいものの、1/10も、 伝えられない作品です。 ビデオで見たら、さぞかしつまらない作品でしょう。 その神髄はがぞうよりも、音にあります。 あたかも、自分が波の中(パイプ)にいるような感覚を体験できる すさまじい音と映像。こんなに衝撃を受けた映像と音のコンビネーションは 久しぶりでした。ストーリーだけ見ると、全然ダメだと思いますが、 音と映像とのコンビネーションですさまじい作品に仕上がっています。 サーフィン好きはもちろんのこと、サーフィンなんてやろうとも思わない と思っている人こそ、見て頂きたいような作品です。



ターミネーター3
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

監督は全2作のジェームズキャメロンとはことなり、U-571のジョナサンモストウ。 シュワルツェネッガーと、クリスタナローケンの魅力を どこまで引き出してくれるかが鑑賞前の焦点であった。今回、モストウは「自分が前作の 大ファンである以上、自分が見たい3を作ることに専念した。」と言っている。 最大の見所はT-850がT-Xをゴリゴリ便器に押しつけるあのシーンだ。あれは満足いった。モストウ先生は ああいう肉体派のゴリゴリシーンが好きらしいです。クレーン車での暴走シーンも前半の見所。 残念だったのは後半のストーリーとシュワルツェネッガー演じるターミネーターが主人公に 冷たいこと。機械だから冷たいのは当たり前であるが、その割に、最後の方ではなんか人間っぽいところを 強調して見せているような気がして、うーん。自己進化型のウイルスに逆ハックされてスカイネットが世界の覇権を握り、 制御不能になるところはぞくぞくしましたが、そのあと、サンダーバードの世界へ連れて行かれたのはなんとも、 予想外でした。それも後味の悪い予想外で、既に決まった未来に向かって使命を遂行しなければ ならない2人を少しかわいそうに思い、劇場を後にするのでした。



修羅雪姫
★☆___ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 白雪姫にかけている題名がにくい作品。 釈由美子主演。江戸時代からの暗殺一家が今でもその血統を守っていて、刀を使って暗殺を 行っているというストーリー。主人公雪(釈由美子)の母の死を巡って釈由美子は一族に反逆をする。 オープニングのバトルシーンに「おお!!」っと思い、かっこいいゾー!と思ったのも つかの間、それは最初だけであったことが判明。刀を使って、銃などに立ち向かうシーンはそれなりに見所があるが、 刀対刀のバトルがショボすぎる。アクションシーンでスタントマンを使用しているときは 顔が写りにくくしてはいるものの、バレバレで超興ざめ。様々な役者が物語を絞めようと努力してはいるが、 肝心の刀バトルアクションがショボくてどうしても、中にのめり込めない作品でした。



OUT
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 映画の予告編で4人の中年女性が振り返るシーンがとても印象的だったので見てみたかった作品。 それぞれに終わっている家庭を持っていたり、自分自身が終わっているという弁当成作会社に勤める 4人の中年女性が主人公。それぞれ、「こんな家庭には生まれたくないな。」とか「こういう 負の循環にはまっている人って抜け出せないんだろうな。」とか思えるように作られている。 それぞれの終わっている人生を死体処理という仕事で解消しようというストーリー。4人の熟女の演技が 決め手の映画に仕上がっているが、ストーリー終盤に行くにしたがって、期待通りに行ってくれない 現実に対して、見ているこちらもややいらいら感が。世の中悪いことをやってそのまま逃げ切ることは難しい んだなと思う映画。



デッドコースター
★★☆__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

出演者全員死亡というキャッチコピーでLine Picturesが配給するサスペンス。 予告編を見た感じだと、斬新な演出とストーリーが売りのような感じであった。 前半はかなりのペースで映像を放出する。初っぱなの事故シーンは かなりの見応えがあるだろう。「最初の5分でこのざまじゃ、出演者全員死亡 というふれ込みはかなりのものだな」と納得した。  しかし、前半でとばしすぎたのか?後半では、かなり、勢いが落ちている。 死に神=Deathという概念に固執しすぎて、死ぬ順番リストを更新するだとか、普通信じられない ようなことが、映画の中で「常識」となっていたことに対して、不信感を覚えた。 キーワードの中で、「サイン(兆候)を見逃すな」だとか、必然だとか出てきて、 その辺がM・ナイト・シャラマンの映画サインに何か強い影響を受けているような気がした。 もっと、豪快に散りまくってくださった方が、映画としての完成度は高かったのではないだろうかと 思う。R指定。



バトルロワイアルII
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

日本の巨匠、深作欣二が撮影の途中で逝ってしまわれるというハプニングが この映画の知名度を引き上げる結果となっている作品。バトルロワイアル とはバトルロイアルの表記がやや違うもので、生き残りゲームというような 意味である。しかし、監督自らが、生き残りきれなかったという皮肉を残している。 その後は、息子である深作健太が脚本・監督を務めた。前作ではそれなりの評価を 得て、その勢いでIIを作りたかったのだろうが、1作目ですでに広がった作品の枠組みを 更に超越する枠組みでIIを構成しなければいけないという制作上の制約が 至る所で無理をきたしていて、それがスクリーンにも現れる結果になっていた というような作品であった。 なめきった子供たちに試練を課し、大人になることの意味を 考えさせるという前作のBR法(たしか、新世紀教育改革法)はよかった。 しかし、今回のBRII法(新世紀対テロ何とか法)は、20歳未満の調教悪テロ組織 ワイルドセブンからの宣戦布告に対して、国家がそれを受けることはしない。という 考えから、子供たちに対しては子供たちをもって、戦争をさせ、テロ組織のボスを 殺せば、釈放されるという法律であり、うーん。なぜ、特殊部隊で制圧しないで、 全く素人の学生に銃を与えて、そこに攻め込ませなければならないんだ?というところ がとっても納得いかない。その前に、そんな法律が国会を通るか!!という点で 納得がいかない方のほうが多いと思いますが、設定上では、一応、日本によく似た どこともわからない、そうゆう法律が通過する国ということになっていますので、 許してやってください。(全員日本語を話し、見るからに日本で、映画の中では、 日本という言葉も多々出てきますし、軍隊は見るからに自衛隊ですが・・・(ただ、 使用している銃はM16シリーズかM117系))  物語の前半は現実からBRIIに引き込まれていく学生たちが、教師リキ(竹内リキ) を中心に描かれていて、それなりによい。中盤は、実際に戦争が始まり、 和製プライベートライアン、ノルマンディー上陸作戦をかなり思わせる映像に、 「パクリ感はかなり強いが、深作親子かなりやるな!」と思わせられる。 また、前田愛(姉の方)のドライ感漂う冷静ぶりにはややしびれる。 この調子で、進んでいってほしいのだが、役者たちはがんばっているものの ストーリーの破綻があちこちにつっこみを入れたくなるほころびを量産することによって、 次第に、その世界観にはまれなくなっていってしまう。ネタバレ→ 特に、おいおい、何で無人島に陸地までつながっている炭坑があるんだ!!とか、 そんなんで、EMPを発生できるか!!とか、EMP炸裂後に携帯無線機が使えるんだ!などと 半ばぶち切れ気味につっこみを入れたくなる。← バトルロワイアルIよりもおもしろさの加減は落ちていると判定できる作品。



タイガーランド
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

アメリカのベトナムと呼ばれるアメリカ陸軍の訓練地タイガーランド 兵士たちはそこでの訓練が終わると一人前として、ベトナムに送られる。 新兵たちの生活を通して、反戦、大きな流れに巻き込まれることなく 自分の価値観を貫いて判断する主人公を描く。  まあ、そういう人も必要なんだと思いますが、映画を見ているこっちののフラストレーションが たまる映画でした。「いいからおまえはいわれたとおり、訓練してろ!!」と いいたくなります。主演のコリン・ファレルはこれがデビュー作で、この映画の後、いろんな作品に 引っ張りだこのようです。また、あえてそういう風に見せることによって反戦をあおっているのでしょうが、 アメリカの訓練はずさんすぎて、簡単に人が事故死するんだなぁ と思わせる場面が多々ありました。  教官などにさんざん反発する主人公ですが、なぜか、同僚の信頼を徐々に 得ていき、まだ、訓練地なのに最後には、「お前のことを本に書くよ。」といわれる英雄っぷりです。 しかし、アメリカの一国民として訓練中の兵の視点からベトナム戦争を描いた点では 訴えるものがかなりあったと思います。  アメリカの徴兵制を否定的に描いた作品。



REM
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 REMとはRapid Eye Movement の略で、比較的浅い眠りのとされており、眼球が高速に動き、筋緊張が解かれ、 脱力状態になっているような状態である。また、このときに起こすと、夢を見ていたと答えるケースが多い。 映画自体は、不眠症の主人公が強力な睡眠薬を飲んで、夢か現かわからなくなって悲惨な末路を歩むといった もの。なぜか、指が床に転がっていたり、教え子とたわむれていたり、妻がいなくなったり、警察が来たり、 起きているのか夢なのかわからないようにストーリーを作っているのだから、普通に見ていると、 ストーリーが意味不明だ。私には理解力が無く、完全にはその全容を理解できなかった。題名につられて 借りてみたが、いまひとつ。



MASK
★★★☆_ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ジョジョの奇妙な冒険の第1章を思わせる不思議なマスクにより、主役のジムキャリーがスーパーアクティブな 「マスク」に変身。この映画が出た当初(1994)は「こんなアメリカンジョークの塊みたいな映画絶対に見るか!」と 思っていましたが、話題のキャメロンディアスのデビュー作とあれば、見ておこうと思いました。このころから キャメロンディアスはダンスが上手だったのね。マスクをかぶった時のジムキャリーのチョーオーバーなアメリカンテイストは 思っていたほどは嫌みではなく、映画ファンなら押さえておきたい一本。



木更津キャッツアイ全5巻
_____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画

 人気ドラマコーナーの5・6位にあったから借りた。おもしろくない。内容は非現実的で見ていて あきれる。それがおもしろいのかといえばそうではなく、おもしろいどころだややむかつく。やきゅーをテーマに 煮え切らない男達を題材としたドラマであるが、下品で、吹っ切れていない。池袋ウェストゲートパークに 出演していた面々が出演しているし、脚本も同じ宮藤官九郎で、演出も同じ堤幸彦。最強コンビの はずであったが、主人公以下、てんで魅力がない。全てのキャラについて大げさすぎたとことが 私は好きになれなかったのでしょう。ごめんなさい。



ミニミニ大作戦 The Italian Job 2003年
★★★★_ 公式サイト111分
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品
一言壺焼  様々な高級外車やモーターサイクルの展示会のようなスクリーンにできたストーリーが乗る.
本編感想  舞台は水の都ヴェニスから始まり、軽快な彼らの手口を見せつけるところから始まる。 戦略のプロ、爆弾のプロ、コンピューターのプロ、金庫破りのプロ、運転のプロ、改造のプロ。 これらがチームを組んで悪役エドワード・ノートンから金塊50億円をせしめるのがメインストーリー。主役のマーク・ウォールバークは なかなかのスマイルの持ち主だ。ヒロイン役の金庫破りシャーリーズ・セロンは目が似ているために、ついつい、ターミネーター3の T-X役のクリスタナ・ローケンと間違えてしまう。運転のプロ役のザ・ワンやトランスポーターでブレイクした ジェイスン・ステイサムは実に渋い。今回はミニクーパに乗って大暴れ。  最近、この手の映画には必ず凄腕のハッカーが登場し、やりたい放題何でも自由に操作しているが、 うーん。あまりに何でもできすぎる気がしてしまう。しかし、おもしろいので良し。ハッカーは信号を操作し,金塊輸送車を誘導する. 爆弾を使って豪快に、あらゆる情報を駆使して痛快に金塊をモノにする手口は見応えばっちり!! ミニクーパーという車を世界的に有名にしたこの映画の功績はすばらしいと思う.その他,車好きにはたまらない映画となっている. ネタバレ→当時ピアツーピアソフトの作成で名を馳せたナップスター氏が本作戦のハッカーなのであったというオチ.←  監督はF・ゲーリー・グレイ.



メリーに首ったけ There's something about Mary
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 いろいろなことをかなりストレートに表現している映画。キャメロンディアスの魅力を味わいたいなら、チャーリーズエンジェル 映画版よりも、こちらが良い。巨匠ベン・スティラーが自ら健気なメリーに首ったけ君の役を演じている。  そこら中、至る所にメリー(キャメロンディアス)のことを思う者達がいて、そんな人たちの メアリー争奪バトルをおもしろおかしく描いたコメディー。どぎつい描写や演出もあるが、 まあ許せる。キーパーソン?となる犬のパフィーちゃんがこの作品を適度に閉めている。飽きることなく、 鑑賞できるストーリーと展開はなかなかのもの。



ごくせん全4巻
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 漫画「ごくせん」のドラマ化。主人公山口久美子役の仲間由紀恵はなかなかのものだ。英語教師役の伊藤美咲 よりも可愛いかもしれまい。漫画であった雰囲気をかなりいい感じでドラマ化している。やや臭いところもあるものの、 さっぱり。していて好印象。松本潤、沢村一樹、内山君、教頭役の生瀬勝久などがそれぞれ、いい演技でドラマをもり立てている。 ごくせんとは極道の先生の意味。原作の漫画は友人お嫁さんが本を持っていて、遊びに行った時に全部読んだ。  漫画とは違い、ドラマの方は金八先生的な面が多々見られる。熱血教師が次第に荒れ果てた学校を改善していく それを目の当たりにするのが心地よい。あんな先生に担任をやってもらいたいなー。と思ってしまった。ネタバレ→ ラストでは、あの教頭がヤンクミの辞職を取り消すという一幕があり、今までの教頭の教育思想に対する徹底ぶりはこの 一幕を盛り上げるための布石だったのかーと。視聴者は納得してしまう構成に脱帽。← ということで仲間由紀恵の 次回作に大いに期待。



ソラリス
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 「人類はまだその領域に足を踏み入れてはならない。」というキャッチの映画で、ジョージクルーニー主演。 ヒロインのナターシャ・マケルホーンはメリル・ストリープに激似。(ほお骨のあたり) キャストで 名前が違っていたのでびっくり。ストーリーと関係ないところで感想をいうと、こんなに登場人物の少ない映画も珍しい。  SFという間隔で見に行ったが、それは間違いでした。人間の尊厳を訴える映画です。私はそれなりにこの映画から 受け取るものがあったと思います。ラストでは、何が現実だかよくわからないが、宇宙の神秘と生命の神秘を 感じることができ、良い映画です。黒人の物理学者は、強い人間だと感心しました。序盤から急速に展開する ストーリーにはすすみの早さにやや驚きましたが、全般的に山と谷の起伏が激しくなかったのが残念でした。



マトリックスリローテッド
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 期待が大きすぎたわけではない。CGとアクションは超1級だが、ストーリーで相殺され、普通の映画になってしまった。 シリーズで2の位置づけとなるリローテッドは3となるレボリューションと不可分な物語となっている。 前作はアクションとCGが1級品であることもさることながらそのおもしろさの神髄はストーリーであった。 前作のストーリーには大どんでん返し的な内容が含まれており、それを想像し膨らませることによってその映画を 見た真の快感を得られるようになっていたと思う。しかし、今回は、いわくありげに3への期待を持たせるための テクニックはふんだんに使われているものの、2の中で謎が解けたり、納得できる要素が含まれておらず、 かなり、欲求不満のまま終わる結果となっている。レボリューションズまで見ないと適正な評価はできない。というのは 正確であると思うが、2だけ見たら、おもしろくない!! ★レベルだ!! しかし、先にも述べたように、 エージェントとネロのバトルや、行列世界内でのネロのスーパーマンぶりはすばらしいし、高速でのチェイスシーン、 「ありえねー!」を連発したくなるアクションシーンは超一級なのでそれだけを見るなら十分1800円の作品となっている。 また、エージェントや予言者とマトリックスサーバーの関係などを完全に理解するにはコンピュータープログラミングを 理解していないと難解な状況が多々あり、優しくない映画に仕上がっているところもマイナスだと思いました。



クリスティーナの好きなこと The Sweetest Thing
★☆___ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 女性の心の声を映画にした初の試みの映画というふれ込みだ。 鑑賞したあとに何も残らないような映画。  キャメロンディアスが旬なので借りてみた。あそこまで「何」「なに」と言いまくる映画も珍しい。  主人公の女性3人は3人ともヴィジュアル的に合格でそれだけ見ている分には普通の映画だが、  監督とストーリーがダメだ。ってかんじの映画。キャメロンディアスをチェックしなきゃ 気が済まない!という人以外はとても耐えられない2時間となる映画。でも、私はそういう人なのでしっかりと、 全部見た。



池袋ウェストゲートパーク全6巻
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 ケイゾク・トリックシリーズ堤幸彦作品。人気ドラマコーナーの1位を常にキープしているだけあって、 かなりのドラマに仕上がっている。 ブクロの若者の生活がありありと描かれていて、日常に埋没しがちな一般人の私にとって、新鮮な映像と情報を 提供してくれるソースとして飽きずに最後まで鑑賞できる。登場人物は殆ど全てがぴったりはまり、終盤に進むほど、 この配役以外あり得ん。と思うほどに。 各回毎にキーマンが設定され、それぞれにいい味を出している。 それに加え、堤流の演出が光り物語を引き立てる。最終話へ向かう展開は途中から予想できるものの、 そこへ至る様々な布石とそのストーリーはすばらしい。脚本の宮藤官九郎(最終回は侍役で出演)は天才だ!  主人公マコト(長瀬智也)の演技は「ソウル」で受けた 印象よりも格段によい。周りの役者とくに窪塚洋介とストーリーのすばらしさのせいであろうと分析した。 窪塚はやっぱりああゆうキャラが合ってるな。この作品を見たあとは、池袋と何の関係もないのに、 「ブクロサイコー!!」と叫びたくなってしまうし、IWGPに行ってしまいたくなる。そんな自分の 影響の受けやすさを痛感しながら。嗚呼。いいドラマをみたなぁーと思える作品。こんな作品に出会えたこと自体が 感動ナリ。この作品を通じて新たにファンになった役者を上げると、矢沢心(シン)男のような名前ですが、 ドラマオヤジぃ。のすみか役でも気になっていたのですが、今回更に惚れました。また、 加藤あいが可愛い。といっている方々の気持ちがよ〜くわかりました。加藤あいの演技力にも びっくりさせられました。レギュラー出演者全員に好感をもった初めての映像作品としてびっくりする次第です。 この作品をお薦めせずにはいられない心境ですね。(゚д゚ )



スズメバチ
★★★★☆ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 フランス映画で初めて「本物だ!」と思った作品。 オープニングは大きな蜘蛛をスズメバチが刺し動けなくして、巣まで運んでいき、 毒が徐々に回るのを待って、体内に卵を産み付けて、幼虫に生きたまま体を浸食される というシーンから始まる。タクシーシリーズのサミー・ナセリがおとぼけキャラっぽくかつ シリアスに出演しており、いい役所だ。 フランス軍つえー!!思うような場面が多々あり、軍事関係者として かなり影響を受けた。正規軍と泥棒、マフィアの三つどもえの戦いがおもしろい。  自分が現場の部隊指揮官であったらいったいどうするか?といった要素が多分に盛り込まれて おり、心底熱くなれる映画に仕上がっている。同時に進行する様々な要素がうまく絡み合っているのが、 また憎い。見方もなかなかやるが、敵もなかなかやりやがってこれまたいい。エンディングに もうひと味あれば間違いなく五つ星であった。ちなみに、フランス映画だと、原題を読んでも 意味がわからないし、字幕を読まないと訳わからないのが辛い。



たそがれ清兵衛
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 真田弘幸、宮沢りえが主役ででている。ぼけた母親と幼い娘たちために定時退庁を重ねる 清兵衛のことを同僚たちはたそがれ清兵衛と呼んでいた。(たそがれ時に帰るから) 50石という 貧しい下級侍の清兵衛はとてもみすぼらしい生活をしていたが、本人は娘の成長を見守るだけで 幸せと思っていた。嫁さんとはすでに死別していた。幼なじみの朋江(宮沢りえ)はたまに娘たちの 相手をしてくれる娘であり、周りの者は清兵衛に新しい結婚をさせようとしていた。    久しぶりになんかよい映画を見たような気がした。幕末という時代をいち侍から見てその たそがれ具合を描いている。野外でのシーンはとてもきれいで、この手の作品にありがちな、 写っている山をよく見ると、電柱が写っているなどということはない。  今年の日本アカデミー賞受賞作品ということで期待してみたが・・・たしかに それなりの作品であった。しかし、



チャーリーズエンジェルフルスロットル
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 監督マックGの才能が光る作品であった。極秘の仕事を遂行する探偵チャーリーとその手足となって任務を遂行する エンジェルたち。しかし、エンジェルたちはスピーカーからチャーリーの指示を聞くだけで 未だかつてチャーリーを見たことはない。全作はそのチャーリーの素顔を暴こう。という方向でストーリーが 進んだが、今回はエンジェル同士の強固な絆・結びつきがテーマとなって作品のバックボーンとなっている。 日本語で言うと、背骨となっている。この作品では驚くほど全作の顔ぶれがそろっている。 主役の3人キャメロンディアス、ドリューバリモア、リューシーリューはもちろんのこと ローバートパトリック(T2のT-1000役)やルークウィルソン、監督のMcG、アクション指導ユエンチョウヤン(マトリックス指導) である。全作での魅力は新鮮みのある画面の色遣いとテンポよく走るアクションシーンとカメラワーク。 ストーリーではなく、シーンシーンを一つの作品のように見せるテクニックであった。今回はその色が より鮮明になって画面に現れていた気がする。とくに、数多くのダンスシーンはそれぞれにミュージックビデオクリップを 見ているような構成になっており、映画全体を通して同じ音楽が使われていない。などのこだわりも見せられており、 この作品のエンターテイメント性を高めている。それもそのはず、McGは全作のチャーリーズエンジェルが映画監督デビュー作 ではあるが、かのMTVで名をはせたクリエイターであったのだ。その観点からこの作品を見ると、上記のこだわりに加えて、 エンジェルたちのめまぐるしい衣装チェンジ・コスプレ・化粧・ヘヤスタイルの変化は納得できる。 そして、この作品の見所はずばりそこだ! はっきり言ってストーリーは破綻し、アクションは 「あり得ない」ことの連続。重力を無視するのはもちろんのこと、幸運の連続に次ぐ連続で、生きている としか思えないのにそれが当たり前であるという感覚に疑問を抱かずに入れない。SPYアクション映画として みると、反吐がでるくらいつまらないだろう。しかし、それを「エンターテイメント」という枠組みで 納得しながら見ることによってこの作品のレベルの高さが伝わってくる気がする。 加えて、「友情」という今回のテーマと相まってキーになっているのが「笑顔」だ。すばらしい! 3人のエンジェルはよく見ると3人とも「美人」というには少し違う気がする。しかし、それでも魅力いっぱいなのは 笑顔がこの作品のキーであるからだと分析した。顔という話になると、敵役のデミムーアを始め、3人とも 映画館の大画面アップに耐えられるものは持っていない。特にデミムーアとキャメロンディアスは かなり「おばさん」が入っていることを否定しきれず、顔のアップではおばさんじわがかなり目立つ。 そんなことを考えているとやや興ざめだが、それは、この作品のマイナス面でもあった。  巧妙だなぁと思ったセッティングの一つに、過去のエンジェル=デミムーアにちょい役で出演している ブルースウィルスが殺されるといったシーンがあるが、実はこのふたり、昔に結婚していて、現在は離婚している という事実がある。その辺を知りつつ見ていると、妙でおもしろい。総じてよくできたエンターテイメントであると認める。



ああっ女神さまっ劇場版
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 アニメ界では有名な女神さまっの劇場版ということでとりあえずチェックしようと思い、 元の漫画の設定や内容を知らないまま、突然劇場版を見ました。女神さまこと一級神ヴェルダンディと男もりさとけいいちの物語。 アニメ作品であるが、背景の絵が着込みも丁寧で、セル画数も多いように思えた。ウルドとスクルドという女神もいる。 どうやら、当初は恵まれないけいいちの願いを1つだけ叶えに地上界に降りてきたらしい。天使とコンピューターを融合 させたような天界があり、そことのアクセスで法術が使えるという設定だ。 そういう世界観と、あの絵が好きでなければとても2時間見ることはできない。途中で、そんなことどうでも良くなってしまう のが普通の人の感想というものであろうが、幸い?私はああいう絵が好きなので、ほのぼのと鑑賞できました。



免許がない!
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 渋い役柄が似合う映画スター40歳南条(館ひろし)は運転免許を持っていない。撮影中に馬鹿にされ、 そんな気持ちで撮影を継続することはできないと、合宿免許に入る。といったストーリー。途中までは 身分を隠して潜入するが、教官との口論により、身分を明かして教習をする。わがままな南条ではあるが、 映画スタッフとの人情に支えられ徐々に運転を習得していく。個性豊かな教官とのやりとりが見所。 免許を持っている人なら誰でも自分の教習時代を思い出し、それなりにホットになれる映画に仕上がっている。



ローラーボール
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金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画

 ジャンレノがでているから借りてみたが、彼の渋い顔を何回か見ること以外に楽しめる点がない作品。  ところで、このローラーボールという競技。競技として成り立つのか? バイクがすぐに正面衝突して死者多数で競技が終わってしまいそうな気がする。そして案外、スピード感がない。 オープニングのボブスレーの方が遙かにスピード感があった。 主人公のマネージャー役の黒人はチャーリーズエンジェル映画版の(フルスロットルじゃない)のオープニングに出てきた 飛行機の中でナタリーが変装していた男と同一人物だ。とにかくおもしろくない。ジャンレノが出ていなければ 誰も借りないかも知れない・・・とはいいすぎかな。



フィラメント
★☆___ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 邦画で井川遥がでていたので見てみたが、おもしろくない。ちなみに、監督は辻仁成、で井川遥初ヒロイン映画(2002) 遥の兄(大沢たかお)はキレまくりで有名な男。父は女装が趣味の変態。母は蒸発中。 遥を追っかける昔の男(ヤクザもの)。兄は最近やや落ちつてきたが昔の連れは兄が落ち着くことに苛ついていていろいろ ふっかけてキレさせようとする。フィラメントとは電球の中に入っている芯で電気を流すと光るが、流しすぎると切れて 二度と使うことができなくなる。この映画は最近の「キレる」という現象をテーマにしているように思えたが、 ぶち切れるというところが表現されていても作品自体にシャープな意味での「きれる」ところが無い。 ゲームはコントローラーを持っているものが支配できるし、気に入らなかったらリセットすればよい。 リアルは神様がコントローラーを握っていてリセットができないから、せめて反抗する。そんなメッセージもあった。 辻仁成の作品では「冷静と情熱のあいだ」があるが映画の印象としてはかなり違った印象があった。原文は読んでいないので 脚本レベルでの比較はできない。



ドメスティック・フィアー
★★☆__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 題名にあるように家庭内の問題について描いた作品。ジョントラボルタと女は結婚しており、小学校の男の子が いたが、離婚し女は新しい男と結婚式を挙げることに。息子は母親の再婚に大きな違和感を感じており、 情緒不安定で反抗する。再婚相手は金持ちでその町の顔役の大物だった。しかしその男には 隠したい過去が・・・ネタバレ→車に隠れていると、再婚相手が 自分を嫌っていることや、昔の仲間に渡すはずの金をもって逃げていることや、金を取りに来た仲間を 殺すところを目撃してしまう。それを警察にいうが、以前からの嘘付き具合に信じてくれない しかし、トラボルタは「いままで自分にだけは嘘をついたことがない。」といって、警察が取り合ってくれなかった 事件の真相を単独で調べる。ついに、しっぽをつかんだが、殴られて気を失っているうちに 火をつけられて←ドメスティック・ファイアーとなってしまう。 トラボルタは木製ヨット職人だが、どんな役柄でもしっくりくるすごい役者だと思った。 物語への率直な感想としては、「こんな家庭でそだったら、まともな大人に成り得ないんだろうなぁ」 ということである。



ブロウ BLOW
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ホップはマリファナの意味。コーク、ブロウはコカインの意味。実際にあった話を元にして作られている映画で、 1980年代に西海岸でコカインを使用した人の80%は主人公ジョージ(ジョニーディップ)のお世話になったことになる。 最初はマリファナを自分で捌いていたが、あまりの儲け具合に手を広げる。 捕まってムショに行ってもマリファナ学士がコカイン博士になっただけであった。仮釈中に逃げて コロンビアからブツを空輸し、捌くことにする。ネタバレ→ルートができるにしたがって、3000万ドルを稼ぎ出す。 ジョージは幼年期に父が社長だったが倒産し、崩壊する家庭で過ごしてきた。父は愛情を注いでくれたが 母からの愛情は無かった。貧乏に対しての反発心はそのころに養われていた。麻薬王になっていく課程で スペイン系のペネロペクルスと結婚し、最愛の娘ができる。羽振りのいいときはうまくいっていたが、 娘の誕生日パーティーに州警が踏み込んだことと、 金を預けていたパナマ銀行で政変により、預金は政府に没収されていたことで破産し、 娘の養育権はクルスにうつり、ムショ暮らし。娘の幸せを思って最後の運び屋大勝負にでるが、実は それが囮捜査であって、懲役60年を食らう。景気は2015までで現在も服役中←という実話だ。 また、映画の中の話によると、純度の高いコカインは180度から190度で融解する。混じりっけの多い粗悪品は 140度くらいで、コカインの質を表す指標になっているらしい。また、普通の人間の1日の限界摂取量は1.5グラム だそうだが、ジョージは10分で10グラムやったこともあったらしい。この映画を見ると、運び屋をやったら 儲かるんだろーなーと思ってしまうが、まだ、アメリカが麻薬に本腰を入れるまえの時代であり、現在はそんなにうまくいく はずはないと思う。また、麻薬が蔓延したことによって、人生を破滅させられた人々についての描写がいっさい無い。 3000万ドルの陰では何万人の人生が狂ったことかと思うとこの映画の痛快さをそのまま受け取ることはできない。 しかし、映画としてはよくできていて、かなり引き込まれた。さすが、ジョニーディップ。グラサン姿は超かっこいい。 あと、この映画に限った ことではないが、子供の前で、親同士がののしりあうことは絶対にやってはいけないことなんだなとつくづく思う。 親も人間で生きているのだからしょうがないと思う反面、その程度の自制心もない者が親になるべきではないとも思う。 そんな印象を受けた映画。



自殺サークル
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 なかなか斬新。最初の10分でドップリ作品の世界に浸かることができる。血しぶきやその他の演出に かなりのショボさを感じるもののそれを遙かに超える「衝撃」がこの作品を構成している。中盤までは謎がどんどん深まっていき、 このネタをどうやって後半で明らかにし、解決していくのか?!というところが見何処となり、ボルテージは上昇していく。 しかし、途中、狂気弾帯のヘッドのような変な男が現れてから、こんなオチでいいんか?とボルテージは かなりの落差で落ち込む。しかし・・・・
 物語はやや収集がつかない感じで、謎も殆ど明かされないまま終わるのであるが、ああいう終わり方が また、良かったのかも知れない。と思い返してみる。特に、「自分と他人との関係」 「自分と自分の関係」について問いかけるあたりが興味深い。何はともあれ、この作品から 多くの衝撃を私は受け取った。あとから気づいたが、やはりこの作品はR-15指定だった。 監督・脚本 園 子温だが、これから注目していきたい。



ル・ブレ
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 フランスのおふざけ痛快アクションと一言にまとめたいところであるが、痛快でない。  脱獄犯役ジェラール・ランヴァンと刑務所看守役ブノワ・ポールブールドがふたりで大冒険という内容だが、 くどすぎて、ついて行きにくい。キャッチフレーズは「超フレンチ流」ということだが、  ギャグで人を殺しているフシがあり、どうしても好感が持てない。 ストーリーはある程度テンポ良く進むが、「今ひとつ煮え切らない目的=宝くじ探し」のために 軽薄な旅をしているという感が強い。次々と出てくる困難をその都度その都度乗り越えていくのを 見るのはそれなりの見応えはあるが、知的なひねりがあるような場面はない。ちなみに、ル・ブレとは フランス語で愚か者とか弾丸という意味。



チェンジングレーン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 私の嫌いな俳優ベンアフレックが主役で、対抗役としてサミュエルLジャクソンが出ている。ほんの一瞬の車線変更 =チェンジングレーンが、2人の人生をとんでもない方向へ導いていくというストーリー。弁護士=ベンと トラブル続きで妻から見放され子供の養育権を取り上げられる裁判の日に車をつぶされ、周囲に争い毎の絶えない男=サミュエル との小競り合いから殺人劇までどんどんエスカレートしていく人間模様が興味深い映画。サミュエルはいろんな役柄ができる すさまじい男だとこの映画で再認識。また、物語は全体的に裁判を通して進んでいくので、裁判ものが好きなら 見応えもひとしお。しかし、特に新しい知識が入るようには作られていない。



メラニーは行く SWEET HOME ALABAMA
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 リースウィザースプーンが演じるメラニーのために地球は回るというふれこみの映画。女性共感度200%  男性共感度−100%というキャッチだったので、どれほど共感できないのかを体験するために見てきました。  その通り、いいキャッチコピーだと思いました。共感できませんでした。それどころか劇場で ウトウトしてしまいました。ビデオでウトウトならわかりますが、劇場でウトウトしてしまうとは相当なものです。 メラニーもポスターほど可愛くないのが印象的で、私には「何でそうなるの?」と言いたいストーリーなのですが、 そこがまさに女性共感度200%というところなのでしょう。私はまだ、女心を全然理解できないようです。 リースのトラブルについてはわかるのですが、なぜ、最後そうなるのかがやはり最高の謎でした。 キャンディスバーゲン扮するニューヨーク市長には悪印象を抱き、見事にその役柄を演じているな。と感じました。 メラニー=リースについてはやや演技不足的な面が見受けられたのがこの映画がいけていない一つの理由にも なっていたような気がします。



The CORE
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 出ました!!5つ星!! いやー。見ている最中にずっと力が入って 力を抜くのを忘れて、そういう意味で最後に疲労感の残る映画に久しぶりに出会った。 ストーリーは世界の破滅をアメリカ人がその英知で打開するというもの。 インディペンデンスデイ、アルマゲドン、ディープインパクトと同じ路線だ。 その中でも特に熱くなるのがこのCoreだ。 作品の中で登場する科学技術はどれも、アリエネー。説明ツカネー。というような 突拍子もないものばかりでオイオイ矛盾してまっせとつっこみを入れたくなるが、 そのところは納得してみると、非常にエキサイティングで「自分がその場にいたら どうしよーーー」っていうような内容となっている。さすがに金のかかっている映画で、 VFXは半端でなく、それだけでも見応えのある映画となっているが、 役者がいい! 見ている人がオイオイそうじゃねーだろ。と作品の 世界観から逸脱しそうになった時に、役者の迫真の演技に引きつけられ、 みょうにその設定に納得できたりするものだ。コア派遣組に選ばれた 全員は見事にその大役を果たしていた。 ただ、作品の中のキーワードとして 「核爆弾の平和利用」「アメリカ軍の絶対性」「世界を救えるのはアメリカしかいない。」 というものが盛り込まれていて、非常にアメリカ人には見心地の良いものとなっている。 また、死を前にした者達が非常に潔く描かれていて作品を後味の良いものに 仕上げている。この臨場感。音。これは映画館で見るべき作品のうちの1本だ。



二重スパイ
★★☆__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 韓国映画会が満を持して送り出す作品ということで、
 シュリ・JSAにつづく 作品として大いに期待した。
 さらに主演はシュリのハンソッキュ(島田紳助似 )ということで、
 彼の出た映画は必ずミリオンになるというお墨付きがあり、
 マトリクスリローテッドを差し置いて見るべき作品であろうという結論に至 った。
 序盤は北鮮のマスゲームから始まり、勢いもあってかなりの好感触で あった。
 しかし、中盤から「ヒロインがいまいち可愛くない。」「1級の情 報というが
 その内容が明かされない。」「どういう背景の元で各エージェン ト達が
 動いているのか説明が無く深いストーリーが読めない。または、 無い。」
 ッといった理由から、今ひとつ、感情移入および、世界観への浸透 が図れず、
 ダメでした。極めつけはラストがどうしてそうなるのか説明がつ かない。
 こじつけで ネタバレ→このままでは
作品が締まって終わらないからとりあえず殺しておけ。
←という
 終 わり方なので、納得いかない!!という、お粗末な作品に見えました。



スパイゾルゲ
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 正義がその男を怪物にした。というコピーの作品。 こいつはどえらい映画です。映画というより、歴史と戦争の勉強です。 私が見たところは、かなり忠実に歴史を再現していたように思えます。 3時間10分の超巨編ですが、戦争や2次大戦、スパイに興味があれば、 全然長くない驚きと発見、ため息の絶えない映画でした。 優秀な1人のエージェントは100万の軍隊よりも活躍するとは まさにこうゆうことだ。ということを思い知らされました。 映画としては人間ゾルゲを描いており、007のようなスパイアクションを 売りにする仕上がりにはなってませんが、あらゆるところに見受けられる ディテールのリアルさが作品の世界に引き込みます。 細かいところまでセットはリアルに作られており、さらにVFXでしっかりと 仕上げてあるので、各場面のスタッフには脱帽です。 ゾルゲに情報を提供し続けた尾崎を俳優本木が演じていますが。 しぶい。いい役者だ。だてにギャッツビーの宣伝に出ているわけではない。(゜д゜ ) また、本編終了後のスタッフロールの中で表示される 映画を制作する際に用いた参考文献の量に結構驚きました。 ただし、アクションの派手さや何も考えずに「ただ楽しい」映画ではないので 興味がない人にはつらい3時間となるであろう。



トゥーウィークスノーティス
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ヒューグラント、サンドラブロックのコラボレーションを見てきました。ヽ(´▽`)ノ コメディーものをやらせると右に出るものがいないというサンドラは いつも通りの演技で飽き飽き。という方もいらっしゃるでしょうが、 そこがいい!!んですよ。 あと、ヒューグラントは金持ち天然系が合いますね。ぴったりです。 (アバウト・ア・ボーイ参照)。ストーリー的には結構ありきたりなのに、 「あー映画を見たなっ。あしたからもがんばるぞー」という気分にさせてくれるのは やはり、2人の役者としての腕なのでしょう。それにしても、サンドラは あの手の役がおおいなー。おすすめの一本です。



X-men
★★★__ 2の公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 思ったよりもつまらなくなかった。私は当初、相当、つまらなさそうでどうでもいいむちゃくちゃな設定に 嫌気がさすはずだ。と思っていたが、スパイダーマン同様。映画への引き込み方次第で、 「ありえねー」と連呼したくなるような設定でも飲み込めて納得できるものだ。と感心した。 漫画のX-MEN自身を知らなかったのだが、それが故に、各キャラクターの能力を注意深く観察でき、 それらの能力を堪能することができた。映画は前提条件を飲み込めば、理路整然と展開する。 例えば、磁力を操れる能力マグネフォースが存在するということを認めれば、それだけで説明がつくような 能力しかそのキャラクターは持っていない。こうゆうところにこの映画の完成度の高さを感じた。 また、この作品の売りであるVFXとアクションは、何も考えなくても見所満点。 細かい人間関係についても、各キャラクターの性格が反映されていて良かった。しかし、やはり、ストーリーが 漫画なので、最後まで今ひとつの印象であった。しかし、X-MEN2を見てみようかなという気を起こさせる のに十分なエネルギーを持っていた作品であった。



アクシデンタルスパイ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 強くないジャッキーチェン。銃を使わない。殺さない。正義のヒーロー。っといった感じの作品です。  数あるジャッキー映画の中ではややパワー不足を感じざるを得ないもののやはりすばらしいできの部類に入る映画だ。  中盤ではやや盛り上がりに欠けた感が強いものの、終盤に差し掛かるにつれ中盤の盛り下がりをカバーすかのような 大アクションが連発!! おお!ジャッキーすごい!! まだまだ、現役なんだ! と感動するほどのシーンが 押し寄せてくるので良かった。しかし、エンディングのNG集やメイキングビデオで「なんだ!あのシーンワイヤーアクションで 何回か取り直ししてたのカー」ということがわかり、やや醒めるも、それでも大アクションであることは変わりなかった。  物語は孤児として育ったSPYにあこがれる人(ジャッキー)が謎の探偵と出会い、両親の記憶を頼りにそれを追う。 そこへSPYやらCIAやがら・・というもの。  終盤での探偵とジャッキーとの関係は見物だ。



アウトライブ
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 少林サッカーのアクションチームが手がけたという韓国の秘伝剣術の物語。一言。主人公の男がかっこよくない。  これに尽きます。秘伝の剣術により、ザックザックと敵をなぎ倒し、韓国・中国を制覇しようというストーリーである 一見、中国ものに見えるが韓国もので、それなりにかっこいいシーンもあるのだが、秘伝の剣術が・・・どうしても、納得いかない。  CGもそれなら使うな!!といいたくなるようなレベルで作品の「安さ」を助長している。  今度上映するジェットリーの英雄HEROと似たようなイメージの映画であるが、HEROもこんなんだったらどうしよう。 という感じでした。



タイムマシン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 天才物理学者(ガイピアーズ)が、デート中に賊に襲われ恋人を失う。 その気持ちを研究にぶつけ1800年代に タイムマシーンを完成させる。そのマシーンを使って過去に戻り、彼女を助けた。ネタバレ→ ・・・はずなのに? 未来は変えることはできないのか? その答えを見つけるために未来へ行き、他のタイムマシン研究者の 知見を探る。が、その時代(2030年くらい)ではタイムマシンは不可能だとされていた。さらに未来に行って 確かめようとするが、事故が起こり、遙か未来へ行ってしまう。そこには もはや文明は存在せず、原始時代のようなもので、さらに人間は他の種の食料とされていた。←  という壮大なストーリーである。主役のガイピアーズはクリストファーノーラン監督のメメント(自分の記憶を 数分しか維持できない病気の人の映画)で主役を張って注目された男である。顔からは渋さがにじみ出ていてなかなかの 役者だ。この映画に対して文句を付けるなら2つ。「タイムマシンがショボイ。」ほんとにそれでいけるのか?未来へ? といった感じである。そして、遙か未来がショボイ。そのゴリラたちちょっと違うんでないかい?ということである。 しかし、それなりに楽しめる1本であった。



クイーンオブザバンパイア
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 インタヴュー・ウィズ・バンパイアの続編で現代はQUEEN OF THE DAMNED。トムクルーズでないレスタト(主役バンパイア)はダメだ。などと酷評されるケースも  多いですが、「ロックミュージックに揺さぶられて200年の目を覚ますドラキュラ」「自分で自分をドラキュラというドラキュラ」 「人間の前にロックスターとして出るドラキュラ」と今までのマンネリ化したドラキュラ映画を打破するために 出した苦肉の設定がやはりいけていない。という印象を強く受けました。 そして、ストーリー上、敵に相当するクイーンバンパイアの強いこと強いこと。1人で簡単に世界を征服できそうなくらい 強すぎて誰もかないません。しかし、それなのに、レスタトを仲間にしようとして殺されるあたりが、なんとも納得のできない ストーリーです。バンパイアもので意表をついて成功した作品ではブレイドシリーズがありますが、アクションでもストーリーでも かなり見劣りする作品となっていました。インタヴュー・ウィズ・バンパイアは最高傑作である。という友人の評価を聞いているので 今度見てみようと思います。



バニラスカイ
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 こいつは!マトリックス以来の衝撃だ!! バニラスカイ噂ほどおもしろくないよ。という声を聞いてはいたが、 かなり長い間、レンタル人気ランキングで50位以内に入っていた訳がわかった。トムクルーズのコマシッぷりが 売りの映画だとばかり思っていたら、メインはそんなところにない。人間の脳と尊厳に関わるテーマを掲げる作品であった。 物語は、当初、現実と回顧シーンで公正さる ネタバレ→のかと思いきや、その現実世界と 思わせていた監禁シーンそのものが夢だったなんて。どちらが夢で現実かなんてことはもはやわからない。 見ている者と主人公が同時に謎を明かされ、ここまで映画の世界に後半になってから吸い込まれる作品も珍しい。 マイノリティーリポートなんかより格段にミステリー&サスペンスを感じることが出来た。これをつまらなかったといって いる人は恋愛映画のハッピーエンドを期待したのではないだろうか?ネタバレ→夢オチと言えば そうなんだけれども、この映画は作品のほとんど全体が夢であったということが真のストーリーであり、永遠の命と 永遠の快楽を近未来の科学技術で実現するということにたいしてのメッセージがおもしろい。それをバニラスカイという シロだか灰色だか青だかよくわからない微妙な色合いの空にたとえたところがいい!のである。 このストーリーと出会い、すぐさま、制作プロデュースに動き出したトムクルーズの気持ちがわかる。 トムクルーズを囲むのはコネリ大尉のマンドリンのペネロペ・クルスとチャーリーズエンジェルのキャメロンディアス。 キャメロンは彼女らしさがもろに出ていて少しうれしくなった。 リメイクする前の作品はオープンユアアイズというスペインの映画で、その時の配役と全く同じペネロペクルス。 同じ役者を使って題名も主人公も変えてリメイクしちゃうところがハリウッドすごいね。アメリカ魂というのかね。 とにかく2人ともスクリーン映えする女優でした。ネタバレ→最後の選択で、つらいかも知れない 現実の世界へ行くのかこのまま、夢の世界で理想の人と過ごす夢を見続けるのか?というシーンで私はいったいどちらを 選ぶのだろうと問いかけてみたが・・トムクルーズが選んだ方向に私は行かなかったかも知れない。などと 思ってみたり、久しぶりに本気でドキドキできた映画でした。



マーシャル・ロー THE SIEGE
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 マーシャル・ローとは戒厳令の意味。原題のシージは立てこもりとか,包囲攻撃,苦しい長期間などを表す言葉。  アメリカニューヨークがアラブ系のテログループの標的となり、爆弾テロが 乱発して軍を国内に出動させる戒厳令状態になってしまうという9.11対処のエスカレートストーリーに デンゼルワシントンとブルースウィルスを乗っけたという作品。この作品は9.11の前に作成されているという点が すごい. デンゼルのFBIとブルースウィルスの陸軍、 アネット・ベニングのCIAといった三つ巴の権力抗争とバックグラウンド.それらからにじみ出す現実の話もやや交えた 国際政治がらみのストーリーが私好み。でも結局最後は ネタバレ→軍が悪者でFBIが ジェネラルブルースウィルスを逮捕してめでたしめでたし。っというところがやや不満が残った。 監督はラスト・サムライのエドワード・ズウィック.



ボーン・コレクター
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 デンゼルワシントンが引退した腕利きプロファイラーとして、女警官(アンジェリーナジョエリー)を無線で操り、  犯罪現場に骨を残していくという殺人犯を追いつめていくストーリー。デンゼルは首から下が  動かずかろうじて指先を動かすことができ、ベットで1日中過ごす介護者なしには生きていられない状態。  指でマウスなどを操作し、コンピューターや車いすを操作することもある。  女刑事には鑑識捜査官顔負けの洞察力とセンスがあり、殺人現場にのこされた次の犯行へのメッセージと  遺留品(骨など)を追っていく。デンゼル独特の魅力は十分には引き出されていなかったものの、  ストーリーはサスペンスで、素人には予測不能。現場(アンジェリーナジョエリー)と指揮所(デンゼルワシントン)との  やりとりはむずがゆく、それがまたいい。正義感と任務遂行それに対比し、初めての経験・恐怖などと葛藤する  アンジェリーナジョエリーはトゥームレイダーなどで見せる彼女の印象とはまた別物だ。



戦火の勇気
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 戦場における真実とは何か? 米大統領から贈られる戦争の名誉勲章受賞者候補としてあげられる  後方ヘリ部隊のパイロットメグライアンは勇敢で、危険な戦地に仲間を救出するために 飛び込んでいったが、撃墜され、孤立無援敵のど真ん中に取り残される。先任者として その部隊の指揮を取るが、部下は指揮官の命令に背いたのか?従ったのか? しかし、彼女の死には 謎が多く、同僚や部下の証言にも食い違いが見られる。 敵に囲まれる極限状態下での 人間の本心と本心のぶつかり合いについて調査を依頼されたデンゼルワシントン(陸軍将校調査官)が暴く。といった感じで ストーリーが進む。調査を進めるにしたがって名誉勲章どころかメグライアンはとんでもないくわせものであるという 事実が浮かび上がってくるが・・・。 軍内部の指揮系統に興味がある人はもちろんのことそうでない人でも 楽しめる2転3転のストーリーが魅力。事件の真相が明らかになるについてデンゼルに圧力がかかってくる そこもまた見所の作品。



ペリカン文書
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンのノンストップサスペンス。ワシントンDCで起こった最高裁判所判事暗殺事件 と裏で動く巨大な陰謀についてある法学生(ジュリアロバーツ)の書いた とある推測(水鳥に関する利権を巡る推測=ペリカン文書)が、一夜のうちに大統領の手元に届き、 CIA・FBIを巻き込んでの情報操作・情報源消去の大キャンペーンへと展開する。法律関係のサスペンスはおもしろい。 FBIと州警察とのやりとりや裏で動くCIA、まるで自分が国家存亡のキーマンであるかのような視点から この世界を楽しむことができ、凡人の私には十分楽しむことができた。「プリティ・ウーマン」では名演技を見せた ジュリア・ロバーツであったが、その役所からか、今回はあまり魅力を出していない。



千と千尋の神隠し
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 いいね。内容もさることながら、アニメであそこまで描き込むスタジオジブリの執念がいい。もののけの時もすごい と思ったけれども、あじさいの花畑の中を千尋が駆け抜けていくシーンの描き混みはアニメの域を超えて かなり芸術身がかったものが感じられる。描き混みで以前にすごいと思ったのは甲殻機動隊ゴーストインザシェルであったが 今回はそれを超えていた。



耳をすませば
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 プロデューサーが宮崎駿で カントリーローーーード。このみーちー。という歌がとっても頭に残る作品。 この歌の原題はTake Me Home,Countory Roadsというらしい。なーんだ。日本の歌じゃないのか。 と思った.自分はまだ若いが,それでも,小さい頃に感じた情景を微かに思いだし,何となく胸をくすぐられるような 感触に浸ることができる.そんな作品.



紅の豚
★★☆__ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 原作脚本監督宮崎駿.豚に渋さと貫禄を持たせてアニメにしたらどうなるのか? 本来かっこよくないものを 自分たちのテクニックでかっこよくみせる.そんな挑戦が込められた作品.見た目ではなく心で感じるかっこよさが, 大切だよ.いまの日本の若者達よ.というメッセージを感じることができそれなりに熱い映画であった.



魔女の宅急便
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

宮崎アニメは「可愛い女の子」と「ちょっと不細工な男の子」という関係がその作品の構造の中で重要な位置を占めてくる。 例外はあるものの、だいたいこの構造に当てはまる。飛べそうで飛べない!この映画の感触と似たような感覚を 夢の中で味わった方も多いはず,私もそのうちの一人で,そう言う意味でこの映画には見所がある.(どういう意味やねん.)



となりのトトロ
★____ 紹介サイト
バッシングしたくなるような映画

 うーん。何がおもしろいんだか。やはり、主人公が人間からかけ離れすぎているところが問題だったのか? 子供用という印象が強すぎた.単に私の好き嫌いの問題ですが、このような結果に。



天空の城ラピュタ
★★★★★ 紹介サイト
究極の逸品

 最初は小学生の時に見ました。高校生の時には、台詞を暗記して暗唱しました。社会人になって DVDを買いました。「ラピュタは滅びぬ!何度でも蘇るさ! それが人類の夢だからだ!!」という言葉にあるように まさに私にとってそういう存在です。オープニングからびりびりと背筋に電撃が走りまくりです.



風の谷のナウシカ
★★★★☆ 紹介サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 この勢い!このストーリー!この世界観!!。宮崎駿原作・脚本・監督。アニメージュに連載されていた漫画が ついにトップクラフトによって映画化! この映画のヒットのために宮崎駿の名は天下にとどろいた。そして、スタジオ ジブリの結成資金を稼ぎ出した。やや荒廃した世界であるものの、過去の文明人の残してくれた科学の力で原理はわからないものの いろんなモノが空を飛んでいる。腐海やオーム、巨神兵、様々な存在が絶妙に絡み合い、多くの人を「無理のある世界」へ無理なく 引き込んでいく。予言になぞらえ、伝説の少女になるナウシカに淡い恋心を描くようにし向けられたこの作品。 谷で暮らすのどかな雰囲気と腐海のダークな感じ、巨神兵の圧倒的な力、様々な側面が相互作用して作品全体に パワーを与えているところがすごい。 映画を見てから、「アニメージュ」に連載していた漫画のナウシカを見たが、原作よりも、映画の方が臨場感があふれ、 よりよい印象を受ける珍しい作品でもあった。ちなみに,全7巻のうち映画は1巻と2巻の途中までを映像化したものである.



ルパン三世 カリオストロの城
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 宮崎駿脚本・監督。このころまだ、スタジオジブリは存在せず、テレコムによって製作された。テレビ版のモンキー・パンチ 的な絵のルパン三世に慣れ親しんでいたために、カリオストロの城のルパンや銭形の絵になじめず、「こんなのルパンじゃないやい!! 」とだだをこねながら見たことを覚えています。他人の評価では名作名高い作品のようですが、 私には、ややリアルに描写される漫画チックでないルパンにがっかりというところでした。



マトリックス
★★★★☆ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 遙か昔に見た映画ではあるが、リローテッドに備えてコメントしておく。この映画の神髄はアクションやVFXと 取られがちであり、それらはこの作品の中でかなり重要な位置を占めていることに異論は無いが、やはり、ストーリー=世界観 。これが神髄であろうと見た。つまり、この世の中はサーバーに脳からの電極が指されたヴァーチャル空間そのものであって、 現実はカプセルの中に入っているとかいないとかが、死ぬまで、死んでも影響しない。感知しない。そう言う世界なんだ。 その全てがデータ化され、サーバープログラムの中で動いている電子情報=数列=マトリックスがこの世の全てであるんだ。 という世界観。これがセンセーショナルであり、他のアクションなどを引き立てる下地になっているということに最も 深く感銘を受けた。この世界観は以前から私は少し考えていただけに、この映画が出た時に「来た!」という感じが強く とても共感できた。究極の拷問の一つに、脳と神経系(入力系)だけを取り出してそれを生命維持の液体の中に漬け、 毎日毎日、殺さずに、延々といやなものを見せ続けるというものが考えられる。そいつは、目玉を動かそうにも、筋肉が(・_・、)動かせない。 呼吸もする必要もないが、自分では動くことはおろか死ぬこともできない。半永久の地獄。そんなことを考えさせられる映画である。



A.I.
★★★★☆ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ハーレージョエルオスメント扮するロボットA.I.を通して愛の意味や人類の意義までも語っていると読み取れるスティーブン スピルバーグの作品。実の子供を失ってその悲しみを紛らわすために、子供のアンドロイド(オスメント)の試作品を 手に入れ、母親は「自分を母親として一生愛し続けること」を義務付けるプログラミングを行う。この行為により、 オスメントのこの世に生存する全ての理由は母親を愛し、愛されることとなってしまった。にもかかわらず、 最新の医療の進歩により、冷凍保存しておいた実の息子を蘇らせることができるようになった。 しばらくはオスメントと息子は一緒に暮らすが、息子は自分が人間であり、イミテーションの作り物であるオスメントを 嫌う。いくつかの事故を通じて、信頼を失ったオスメントは捨てられることに・・・というストーリー。  中盤におけるストーリーの描写はやや、作品の本質的なテーマから外れるところもあり、作品の質を下げているような 気もするが、後半に行けば行くほど、スピルバーグがこの作品に対して、E.T.のような効果を狙っていることがわかり、 無限の愛というものの残酷さを見事に表現している。何事も有限でなくてはならないのでないか?人工知能などを 作り出すことはいいことなのであろうか?という問いかけを見事に表現した作品だ。私は人工知能の作成を目指している 立場の人間としてこの点をより深く感じることができ、非常に感銘を受けた作品となった。余談ではあるが、スピルバーグは E.T.の時と同様に、この映画に関しての宣伝を最小限にとどめ、口コミによる大ヒットを目論んだらしいのであるが、 E.T.の時のようにはいかず、その作戦は失敗だったということである。その原因としてはこの作品が、見る人が 何処を見るかによっておもしろい。おもしろくないが極端に分かれるという性質を持っていたからであろう。



張り込み
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それなりに楽しい普通の映画

 ビートたけしドラマシリーズ。たけしの映画はテンポが遅くて意味不明感があるけれど・・  役者として出てるとやっぱり、貫禄と味がありますね。たけしは問題デカでひょっとしてこれが最後の仕事になるかも知れない 張り込み・いっしょに組むのはキャリアで初張り込みの若者。人のプライバシーを好きであろうが嫌いであろうが「仕事」として のぞかなくてはならない刑事という仕事について考えさせられました。そして、やはり映画の醍醐味は自分の人生以外を かいま見ることだなぁと思いました。おきまりのエンディングではありましたが。水戸黄門と同じようにだからこそいい!のでしょう。



笑う蛙
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それなりに楽しい普通の映画

 直木賞作家・藤田宜永の傑作を映画化したもの。準主役大塚寧々の魅力が大爆発。やはり、ちょっと冷たげな大人の 女性の役がとっても似合いますね。主役の長塚京三もいい味を出していた。やや昔気質の日本の家庭・家族を半未亡人の 大塚寧々を取り巻く環境で描いた作品。「ああ!おもしろかった!」と。見た後に感動するような映画ではないが、 独特のタッチが心に残る作品に仕上がっている。ストーリーの大筋は、会社での使い込みがばれ、 警察に追われて失踪した夫(長塚京三)との離婚が成立するには7年かかる。その間、 再婚もできずにいる女性(寧々)には結婚を前提として付き合う石職人脂ののった中年(三田村周三)がいた。 ある時夫が帰ってきてしばらくかくまってくれというが・・ その家の物置に閉じこもるような形で数日を過ごす。 しかし、その物置には穴が開いており、寧々と周三のことをみてしまう。ああ。おそろしい。 利害関係の絡む親戚関係や夫と妻のあり方をコミカルにかつ斬新に描く一品。大塚寧々ファンであれば必見。



ぼくの神様
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 ハーレージョエルオスメントくんの作品。第2次大戦時のポーランドでドイツ占領下。ユダヤ人の子供オスメント君は ナチスの手から逃れるため、両親の元を離れ田舎へ。人見知りのオスメント君は疎開先になかなかなじめず、同年代の 子供達にいじめられるが、次第にうち解けていく。神父さんからの教育でやることになった「なりきりゲーム」でキリストの 役をやることになった疎開先の子供の弟君リアム・ヘス(トロ役)。彼は不思議な行動を取り、キリストを演じきろうとする。 彼は可愛い!すばらしい瞳だ。。ネタバレ→ ラストは以前から気に入らなかったグループと敵対し、喧嘩のやり合いを経て、殺し合いへ。列車から飛び降りて田舎へ 来たユダヤ人を脅して略奪をしている奴(名前不明)をトロのアニが射殺する。その時、ドイツ兵がやってきてオスメント君は 犯人にされた。それを助けるため?にトロが身代わりになる?らしいが、私には理解力が無くて何でそうなるのか 意味がわかりませんでした。エイリアン2で胴体チョンパされたアンドロイド役を演じたウィレム・デフォーが 神父を演じているのは良かった。ユダヤ人がキリスト教に触れた。そんな物語。



ダークエンジェル2 全11巻
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 膨らんだ謎が解消されずにエンディングに行ってしまった感がつよい作品。せめて、カルト教団とファーザーのつながり、 そしてジェネティックとの関係だけでも明らかにして終わって欲しかった。3への臭いを残しつつ、膨ら見過ぎたストーリーに 収拾がつかなくなっている雰囲気が強い終わり方であった。アイズオンリーことローガンと452ことマックスの中も すっきりとしないままエンディングへ。だたし、作品全体としてのメッセージは強烈で、遺伝子操作などに関する、 倫理問題を感じずにはおれない作品。さすがジェームズキャメロン。シンディをはじめとするマックスの仲間達との 絆もいい感じでホッとする。ノーマルも最後ではキーパーソンとして働く。うーん。全体として長かった。でも楽しめた。(*´▽`*)



プロフェシー
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 意味不明。プロフェッシーとは予言の意味。リチャードギアの作品であるが、おもしろくなし。怖くない。  眠くなる作品。



明智小五郎対怪人二十面相
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 田村正和(明智小五郎)・ビートたけし(怪人二十面相)・江戸川乱歩とくればおもしろくないはずは無い!と思いレンタルしました。  明智先生の演技は田村正和の味が十分に出ていて良かったのですが、ビートたけしは役に縛られている感があってやや残念。  宮沢りえの演技は微妙。気に入ったのは明智小五郎の助手小林芳雄を演じる中尾明慶くんでした。ストーリー全体としては 今ひとつ。という感触から最後まで脱出できない印象が強い作品でした。



ハリーポッターと秘密の部屋
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 劇場で見なくてもいい。と思っていた作品。ビデオでレンタルが開始されたので借りてみた。作品的には魅力を感じていなかったが、  とりあえず話題的に押さえておいた。今回注目で、プーチン大統領に似ていると噂されている「ドビー」君も ロードオブザリング2のゴラム君に表情でもCG技術でも味でも負けていると思った。残念。(指輪物語2の方が後なので当然かも知れません。) ハリーポッターが1作目よりもかなり大人になっていてその意味で衝撃を受ける作品。シリーズ第3弾をこのSecret Chamberと 同時に撮影したという理由がよくわかる。ネタバレ→バシリスクとの戦いは、バシリスクの ごっつさに比べてハリーの魔法が炸裂せず、バトルもショボかったのが印象的 本の方を読まないと、映画を 見ているだけでは不明な話が結構多く、入り込みずらい感触がある。



アバウト・ア・ボーイ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 映画トゥーウィークスノーティス(サンドラブロック・ヒューグラント)の上映を控え、ヒューグラントの代表作を 見ておこうと思い、レンタルした。ブリジットジョーンズはそれなりに映画になっていたがフラストレーションのたまる 作品でもあった。それの男版とうたわれるアバウト・ア・ボーイはどんなもんかな。と興味を持ってみた。  映画の醍醐味はいろいろな人生をかいま見ることが出来ることだ。その意味で、この映画は有意義であった。  ヒューグラントのこましぶりもなかなか気に入った。しかし、注目すべきは、少年マーカス役のニコラスホルト である。マコーレカルキンやハーレージョエルオスメントなみのインパクトはないものの、かなり 魅入られるキャラクターを醸し出している。ただ者ではない。プロデューサーが求めた「観客が恋に落ちるような少年」を 見事に演じていた。これからの活躍が期待できる少年だ。この映画は鬱が絡んでおり、見ている人にもやや移る。?



サラマンダー
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 生き残りたいなら空だらけ見てろ。というキャッチでSPY GLASSが配給する異色アルマゲドンタイプの映画。  実は恐竜を滅ぼしたのも人類を滅亡させたのもサラマンダーという火を噴くドラゴンであった。という設定 は良いが、斧や矢で倒せるドラゴンに果たして人類が滅亡させられたのか?という疑問が最後までつきまとう。  ストーリーや背景は北斗の拳を思いっきり彷彿させられる。序盤での竜との格闘シーンはなかなかいい。ヘリを 使って竜と戦うのには惹かれる。しかし、せっかくあるのに全然活躍しない戦車とその他の兵器にはがっかり、 あと、どうしても兵站と整備が気になって「そんな部隊継続できるか!!」とつっこみを入れたくてしょうがなくなってしまう。  監督はロブ・ボウマン(Xファイルシリーズ・冒険野郎マクガイバーなど)ということで期待したが、今ひとつであった。



あずみ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 広告や予告CMを見ていた段階では、「なんてショボそうな映画なんだ。こんな邦画があるから邦画の地位が上がらないんだ!」  などと決めつけ、冷ややかな目で見ていたのですが、注目のオダギリジョーと名優竹中直人が出ているということで、 一応見ておこうと思い、劇場(レイトショー)に足を運んだ。最初にあずみこと上戸彩の剣さばきを見たときに、「ダメだこりゃー」 と思わずつぶやいてしまいました。が、しかし、なぜか、見ているうちにその世界に引き込まれ、最後にはどっぷりと つかってしまい、この映画と、あずみに魅了される結果となりました。いっしょに見にいった者も、普段は邦画など見ない らしいのですが、「すごくおもしろかった。」と大絶賛。この映画、魅力的な登場人物のキャラクターと、急速に展開する テンポの良いストーリー、そしてあずみの無敵ッぷりへのあこがれ、これらによって仕上がっている作品と見ました。 上戸彩の演技も、まだまだというところもあるが、総じて良好。あずみの魅力をかなり引き出していました。 そして、オダギリジョー。すごい役者です。美女丸という狂気の役を演じ、ストーリーにアクセントをくわえていました。 短い時間ではあったが、伊武雅刀の淺野長政。これもいい!! 戦国武将をやらせたら右に出るものはいない竹中直人の加藤清正 。いい!! さらに、カメラワーク。クライマックスのシーンでは日本で初めて使用されるという特殊撮影用の 専用カメラでグルングルン撮影しています。これは必見。シーンを大いに盛り上げていました。 ということで、おすすめの一本です。
 しかし、同時に作品の雑さも目立ち、五つ星には届きませんでした。まず、CGがショボすぎる。10年前のCGをみている気がして 興醒めもいいところ。最大の失敗は、ワイヤー丸見え。クライマックスに近いシーンでやぐらの上でポーズを取るあずみの ワイヤーが消し切れておられず、かなり興醒め。CGを担当した会社のショボさが伺えます。あと、血の出方と出ているところが 不自然。しかも、血が出ても服が切れていない。その辺にこだわって頂ければ、五つ星間違いなしの作品になっていたでしょう。



千年女優
★★★★_ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ジャンルを問わず、幅広く鑑賞するのが私の主義であるが、以前から予告編で気になっていたこれを 何気なく借りてみたら、いやはや。千と千尋より衝撃を受けた。期待して鑑賞しなかったのが良かったのかも知れないが、 名作と呼んでいいと思う。名前が「チヨコミレニアムアクトレス」物語は、現実と回想を区別することの無いような スタイルで進んでいく。その進行はスムーズで新鮮だ。ナビゲーター役となる2人の編集者の味もいい。音楽が 要所で見ているもののボルテージを高めてくれる。いい。  追い続けても追い続けても、手に入らない。そして一途で純粋な希望。人間が誰しも持っているような純粋な 部分をなぜか熱くさせられる。そんな影響を受けた作品であった。



チャーリーズエンジェル
★★★__ 公式サイト(フルスロットルの方)
それなりに楽しい普通の映画

 もともとはアメリカのテレビドラマ?だったらしい。女性が痛快に暴れ回り、謎の人物「チャーリー」からの指令を 遂行するというストーリー。監督はマックジー。監督初作品のようだが。ものすごいパワーと情熱をばらまいている。 女性が主人公の格闘ものでありがちなショボショボのファイティングシーンにはなっておらず、アクション指導の 気合いが伝わる。しかし、ワイヤー使いまくり。もう、全てのシーンがワイヤーアクションとも言えるくらいの激しさ。 しかし、格闘アクションとして見るよりも、痛快エンターテイメントとして見る方が疑問も少なくいいだろう。 謎の人物チャーリーの存在が、この映画を単なるどたばた映画に終わらせないために重要なキーに成っている。



パニックルーム
★☆___ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 ぜんぜんパニックじゃない! パニックルームとは中世くらいから貴族などの家に設置されていた賊などが家に押し入った 際の絶対安全な隠れ家として、今で言えば核シェルターのような役割をもった部屋のことである。そのパニックルームに ある意味閉じこめられる。といった感じでストーリーは進むが、見ていてはらはらドキドキさせてもらえるどころか、 おいおいもっと、冷静になれよ。おいおい。そうじゃねーだろ。とヒステリー気味のジョディーフォスターや各種設定を 見ていて冷ややかになってしまう。最後まで映画の世界には,入ることが出来なかった。羊たちの沈黙でハンニバル相手に がんばったジョディーフォスターとゲーム・セブンで奇才を発揮したデビッド・フィンチャーが組んだということだったが、 だめ。よくよく考えると、最後まではらはらじゃなくてむかむかする映画であった。



ロードオブザリング2 二つの塔
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 3時間、みっちりの上映はこの世界観にどっぷりはまることの出来ない人にはつらいものでしょう。 しかし、おもしろくないかと言えばそうではなく、空想の世界とはいえ、超ド級の大戦争をこの目で 見られることは圧巻。城を攻め落とすということはこういうことなのかぁ。と素人にもわかりやすく また、ドラマティックに描かれている。人から、「この映画はビデオで見ては迫力が伝わらない。シリーズの1を見て つまらなかったといって2を見ないのは間違いだ。1はどちらかというと、キャラクターや背景、世界観の説明 に多くの時間が費やされており、このシリーズの神髄は2にある。」と力説されたため、是非とも劇場で!とおもい、 乗り込みました。1よりもおもしろいのは確かです。が、ドワーフってなに?て思っている人にはつらいかも。 その辺に詳しい人に解説してもらいながら見ると、また違ったものが見えてくるのかも知れない。  主人公のイライジャウッドもいい顔をしているが、CGのサブキャラクターゴラム君のほうが遙かに表情豊かで、 画面に引きつけられるというのがこれからいやおなしに訪れるCG全盛時代の臭いを感じずにはおれなかった。 私はこの物語の登場人物の中で1番ゴラム君に引かれてしまい、その意味では3が楽しみです。(*´▽`*)



スナイパー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ブレイドシリーズで不動の人気をものにしたウィズリースナイプスの作品ということで手にした。  事件は終始、スナイプスの銃のスコープサイトの中で繰り広げられる。アメリカの銃規制問題をテーマとして、  決断力に長ける元CIAの主人公の狙撃を通し、ストーリーが進められる。スナイプスの渋い顔が特に 脳裏に残る作品。やや間延びの感もあるが、テンポ良くあかされる事件の真相になるほどと思いながら 退屈しない2時間となる。



みんなの家
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 唐沢寿明と田中邦衛のバトルが見物の作品であるが、ひとえに田中邦衛の「味」により、この映画 、すばらしいものになっています。そんなことこだわりません。といいつつ、しっかりこだわっている 何というか日本人らしさがた^−^っぷりと描かれている。逸品。脚本と監督は三谷幸喜で伊丹十三無き今、 期待がかかる監督である。「船頭多くして船山に上る」この言葉がぴったりの内容であるが、 一生に一度の山場を迎えれば、だれしも自分の意見をいい、そして反映させたくなる。それは、私利私欲からの ものであっても、良かれと思ってのことには変わりない。自分が家を建てる当事者のような 気分になって楽しめる映画になっている上に、最後にはほのぼのとハッピーになれるストーリーに共感を覚える。 映画を見たあとは、かならず、田中邦衛の物まねをするは目になる。と監督が予言しているが、まさにその通りの作品。



Dolls
★☆___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 うーん。つまらん。しかし、なんだかんだ最後まで見てしまう。というような作品。北野武独特のテンポの遅さが この作品にもふんだんに出ている。「愛しすぎる」ということを3組の事例から表現し、人間と人形(ドール)との境目を 描こうとした作品であると私はとらえた。菅野美穂は大好きですが、Dollとしての演技が大部分でいまいち。北野ワールドをじっくりと楽しみたい人でなければつらい作品。



魔界転生
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 「はぁっ」っと気合いを入れる窪塚洋介の作品。幕府がキリスト教徒を鎮圧する島原の乱の反乱軍頭首天草四郎時貞 を演じる窪塚と、世に聞こえる大剣士柳生十兵衛を演じる佐藤浩市の激闘物語、死してなお蘇り、怪しい秘術を操る 窪塚とそれに蘇生させられた魔界の者達の剣や槍による時代物。おもしろそうなんだが、どこかその世界に 引きづり込んでくれないところがあり、最後まで物語りお話、として映画を見た。今ひとつという感はあるものの、 窪塚の独りよがりかつ、吹っ切れた演技で持っているような映画であった。



ボイス
★★★★_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 各地のBBSでは。。おもしろくなかった。怖くなかった。が連発されている模様ですが、 おもしろい。かつ、ネタになる映画でした。ホラー映画の決定版としてリングがありますが、 怖さではリングが勝っていたものの、それに迫るものと、映画としての魅力はこの作品 なかなかのものでした。 上映中にビビリすぎて30cmくらい座ったままジャンプしてしまい、 周囲で鑑賞している人たちをひときわ怖がらせてしまいました。(*´▽`*)
 この映画は何かというと、ウン・ソウ(ヨンジュ役)がクローズアップされる感が有りますが、 (じっさい、韓国ではハーレイジョエルオスメントとためをはる役者としておそれられている) あの子供のオーバー気味な演技はついついふざけてまねをしたくなります。 とくに、階段を有らぬ方向に回転しながら落ちていくシーンはいい。です。各登場人物が ほとんど女でみんなそれぞれに自分の役割を演じかなりのものですが、 なかでも、もっとも激しい演技力で私の心をわしづかみにしたのは、 ジニ役のチェ・ジヨン(女の子)でした。ネタバレなので詳しくは語りませんが、 よく見るとかなりの美少女。ファンになってしまいました。(*´▽`*) これからの成長と次回作が気になります。 序盤は怖がらせるだけの映画化と思いきや、徐々にあかされる謎とクライマックス の謎明しが映画としてのこの作品をよりよいものにしていました。 あと、この作品はテレビでなく、劇場で楽しめ!!音に泣け!!この作品は「音響」が 命です。テレビやビデオではこの体験を楽しむことは難しいでしょう。 というわけで私はこの映画を薦めます!!



ドリームキャッチャー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ドリームキャッチャーとは、アメリカ大陸の先住人インディアン?達のお守りで、 悪い夢はその蜘蛛の巣のような網にとらえられ、いい夢だけが本人に届く といった御利益があるそうであるが、そんな題名とは裏腹に、 スティーブン・キングの味がかなり醸し出されている映画となっていました。 今回は脇役気味で登場したモーガンフリーマンの渋さが際だつ作品です。 ストーリーは意味不明気味といったら、私の脳のたりなさを暴露しますが、 そこがいいと言えばいい。意味不明なのですが、キングらしさが 伝わってくる映画で、「見る人にやさしい」映画ではなく、 「見る人に任せる」映画といえるでしょう。 劇場では終始緊張しっぱなしで、それなりのドキドキ感を味わえます。 納得いかないところと「これはいい!!」と思うようなシーンが交互に でてきて人に勧めもできないし、絶賛もできない、でもふつうの映画じゃ ないな。って感じの映画でした。そんなところが、「矛盾でも納得して しまう夢=ドリームというもの。」なのかなぁ。なんても思ってみました。



Beautiful Life
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 TBS系ドラマ。最初はおもしろかったのに最後のほうはやや陰気な流れになっていたのが印象的だ。  木村拓哉、常盤貴子、の織りなすラブストーリー。ドラマの中のドラマという名高い作品であったが、  今ひとつの感じがある。当初の公開からかなり時間が経っているために当時のトレンドと  今のトレンドがずれているためなのだろうか? ストーリーは車いすの女とヘヤカットの男が  恋をするが障害者との生活とはいったいどういうものなのか一般人にわかるのかよ!!というような 内容。車いすの世界とヘアデザイナーの世界という、あまり見ることの出来ない世界を見ることが出来たのは おもしろかった。途中からわかることではあるが、死によって隔てられる愛を描くのは、うーん。どうかと思う。 でもおもしろかった。



青の炎
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それなりに楽しい普通の映画

 かの松浦あやと鈴木杏がでているということで、見に行った作品。中学高校の精神状態に 戻れる2時間。この映画から若い力(青のほのお)を分けて頂きました。ラストのあややの顔のドアップのシーンは なかなかのもの。何を語りたかったのか見ている人の心の中に各人それぞれに思わせるという手口が 良かった。死に対して透明感が有る映画。原作は読んでないのでわからないが、原作を読んでいたら 原作の方がよかったーとみんなして言いそうな感じのストーリーではなかったのか?と一人で想像してみる。 何はともあれ、ガラスの器の中で寝るシーンに象徴されるような「透明感」に溢れた作品となっていた。



キャッチミーイフユーキャン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ほんとにあった話をスティーブンスピルバーグが監督し、トムハンクスとレオナルドデカプリオのコラボということに なれば、この作品に期待が集まらないわけはない。時は1960年代。まだ、通信機器やデジタル機器が 発達していなかったこの時代。人情や見てくれなどが予想以上に大きな力を持っていた。 一風変わった紙芝居のようなオープニングからそのようにややレトロ名雰囲気が醸し出されている。 地道なトムとゴージャスなディカプリオの生活の対比が微妙でおもしろい。最後にはその偽造小切手に関する 技術を国家のために役立ててしまう。といったところが実話であるにせよ、アメリカの国家的教育 ビデオのような臭いを感じざるをえないところだ。さくっと「ああ。今日も映画を見たぞ。」と思えるような 気さくで疲れない、かつおもしろい映画となっていた。



アナライズユー
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 ロバートデニーロとビリークリスタルのコラボレーション。監督は脚本家としてゴーストバスターズなどを手がけたハロルド ラミス。獄中でも権力をふるうマフィアの大物デニーロがパーキンソン病?を装ってシャバに復帰した。しかし、それを 喜ぶものはいなかった。専属医のビリーのが件名にアドバイスをし、全うに生きる手助けをするも・・デニーロは金塊強奪 計画を練る。強奪のシーンやテクニックはとても良かったが、おもしろくない!とは言い切れないものの、今ひとつ フラストレーションの残る作品のように感じた。



クローサー
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 『キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン』を観ようかと思ったのですが あまり気乗りしなかったので、どうしようか迷っていたところ 前に予告で気になっていた『クローサー』がやっていたので観てきました。 序盤の主役のスーチーはポスターで見るよりも遙かに遙かに 美人です。あのポスターを作った人はスーチーや映画プロデュース会社に謝罪すべきです。 アクションはおいおいオーバーだよ。と突っ込みを入れる気が無くなるほどオーバーです。 ですがそこがまたこの映画の売りですね。ヽ(´▽`)ノ あと、名前は忘れましたが、刑事役の女。 彼女の放射するオーラがこの作品を引き締め、バランスの良いものに していました。以後出演が楽しみになる役者です。( ´∀` ) それと、エンディングは個人的には納得いきませんでした。が、賛否両論です。 とにかく、お勧めの逸品です!!!3人の美女の熱演にはまれ。



ブラックダイヤモンド(クレイドル2ザグレイブ)
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 英語名はクレイドル2ザグレイブ。ゆりかごから墓場まで2人が追っていくよ。ッてなかんじ。 なぜ、邦画名をブラックダイヤモンドにしたのか?ストーリーは完全にブラックダイヤモンドって感じ。 なので、日本人にはこちらの邦画わかりやすいタイトルなのかも知れない。今回もジェットリーの技がさえる。 豪快に盗み、奪い、奪われ、追われ、撃退する。世界の武器商人を巻き込み、ヒロシマx2から測定不能までの 衝撃がいま目の前に!DMXはこの映画でも、映画俳優としての切れを存分に発揮している。最後のボスの死に様が あっぱれ。そんな感じの映画。



ラブレボリューション
★★★__ 紹介サイト
それなりに楽しい普通の映画

 フジテレビのドラマ。浅丘 恭子(32)…江角マキコ、遠藤真理子(27)…米倉 涼子、須賀英一郎(31)…藤木 直人、矢吹  守(24)…押尾  学、 江川 良枝(23)…酒井 美紀、福田 卓也(33)…山本 圭壱、吉田 清志(36)…山崎銀之丞、 このメンツが総合的にハーモニーして毎回ドラマを盛り上げてくれる。 
 ショムニ以来、江角マキコのファンであるが、この作品で恋いに揺れる江角を堪能することが出来る。米倉涼子も 寂しげな感じが全体的にいい。そして忘れて成らないのが脇役の男ども。選挙や料理というテーマを通して 痛快にテンポ良く話は流れていく。改めて、映画より、ドラマだな。と思う作品。平井堅のKISS OF LIFE は至る所で多用され、いい!!と思うところもあるし、ごちそうさまと思うところもある。



メメント
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 長期記憶。短期記憶ともに正常だが、新しく起こったことを長期記憶に格納できない。という症例(主に両側海馬(hippocampus)の損傷) の患者を主人公にした作品。作品全体の構成もその主人公の記憶を断片的に追うような感じで構成されており、 理解することは困難だが、「そのような世界も存在するのだ!」という強い衝撃を与えてくれる作品になっている。 常に、今現在の感情とメモだけの情報から行動を起こさねばならないという世界をかいま見ることが出来る。この作品が イムソムニアの監督クリストファーノーランの作品であったとは知らず、偶然、2本連続で見てしまった。 それを知り、何となく納得。そんな作品。



インソムニア
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それなりに楽しい普通の映画

 クリストファーノーランが監督の映画。アルパチーノとロビンウィリアムズとくれば、とりあえず見ておきたくなるもの。 インソムニアとは不眠症の意。ネタバレ→刑事(アルパチーノ)は違法捜査の件で内務警察から 追われることをおそれていた。とある事件の容疑者をおびき出すために、「警察はバックを捜している」 との情報をわざとマスコミに公開しその現場で犯人がおびき寄せられるのを待った。犯人は現れたが、しくじり、 濃い霧の中で追うことになる。そこで刑事が射撃してしまったのは自分の相棒であった。しかし、心の中では その相棒が、違法捜査の件をちくる心配が無くなったという事実にややホッとする面もあった。銃や弾丸に 操作を加えて、完全犯罪。(犯人が射撃して相棒が殺されたというシナリオ)が完成する予定であったが、 犯人(ロビン)のみがその事実を知っていた。2人は合い、互いに共謀する。しかし、ラストでは殺し合いに。 っといったストーリーを不眠症と絡めて描ききったのがこの作品。クリストファーノーランの次回作が気になる。



ダークネス
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 アザーズを超える恐怖。というふれこみでダークネス=闇をテーマにした映画でした。エンピツは転がりまくって ベットの下のダークネスへ。人為的な恐怖と得体の知れない力「ダークネス」の恐怖。逃げようとしても逃げられない。 ネタバレ→ラストは逃げ切ったかのように見せかけてトンネルのダークネスへ吸い込まれていく 闇への恐怖で終わるという。私の中では最高のラストが用意されていた。感服。首チョンぱの呪いを子供が予言、 親は子を生け贄にすることがしきたりの怪しい家計。床を引きはがすと悪魔の魔法陣らしきものが。闇の中には 嘘をついて引き込もうとする怪しい世界が繰り広げられていた。



黄泉がえり
★★★☆_ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 草g剛演じる平太と竹内結子演じる葵の物語。見た後にとても「ああ。映画を見たなぁ」という気分になれます。 最近つくづく、邦画は捨てたもんではない。もっと精力的に見ていきたいものだ。と思うようになってきました。 やはり、映画は最後の最後で、大どんでん返しとも言うべき仕組みを持っているべきですな。とこの映画をみて実感。 RUIとよばれるカリスマ音楽バンドがこの映画のキーとなっていますが、音楽はとてもハートに残ります。 ということで、早速レンタルしてきました。ストーリー的には「ゴジラ」を彷彿するようなネタを含んでいて 納得できない人には最期まで納得できないと思いますが、その前提を受け入れれば、非常に良くできたストーリーです。 ああ。思い出すとやや切なくなる。そんな映画でした。しかし、名作には一歩及ばず。



模倣犯
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 中居正広(ピース役)と津田寛治(浩美役)のコンビネーションが現代の申し子的な犯罪を犯すのがこの 映画の見せ所だったはずだが、今ひとつの入れ込みぐわいだった。2人の演技は悪くはないのだが、 もう一線を越えていなかったという感がある。そのせいか、模倣犯の世界に引きずり込まれなかった。 もっともっと狂気じみたことを影でやっていてほしかった。というのが率直な感想。ドラマ ラブコンプレックス で名演技を果たした木村佳乃にも期待したが、あと一歩。「模倣犯・模倣犯」と繰り返す音楽は作品の世界と マッチしていて臨場感を醸しだしていて良かった。バラエティーの中居さんのイメージがあったからかどうかは わからないが映画としては今ひとつ。



ピンポン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 人気漫画家松本大洋の漫画PingPongを窪塚洋介ら個性的なキャラクターで描く邦画。 長居前置きを作らねば理解できない世界を2時間で治め、一つのストーリーを作り上げている。 格闘技とうたわれる卓球を激しくコミカルに青春タッチで描き、原作を知らなくてもそれなりに楽しめる ように作り込まれている。やはり、窪塚の演技はいい!世界観が伝わってくる。この作品で私の窪塚ファン度は またさらに上がった。そして、この映画でもまた味を出す竹中直人。周りのキャストも相互作用で いい味を出していた。卓球勝負のシーンは壮絶。格闘技のような臨場感を出している。ただ、後からほとんど CGだということがわかり、かなりがっかり。大会の会場の観客も広角の時はみんなCGだと知ったときは驚きだった。



ケイゾク全4巻+ムービー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 日本のドラマ。一見、刑事物だが、途中からかなりの異臭を放つ作品となっている。それはクサヤのようなもので おいしいという人もいれば、臭いという人もいる。といったようなかおりである。継続とは、警視庁で捜査をしていたが、 迷宮入りになった事件の総称で、継続捜査という意味である。そこに来たキャリアの女:中谷美紀が金田一少年の事件簿バリに それらの事件を解決していこうというのが基本的なストーリーである。



2001宇宙の旅
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 SFの原点とも言うべきこの作品。キューブリックの名作。これを今まで食したことがなかったので、 ここいらでバチッとDVD買いました。音楽がいいいいいいい!! この音楽はあらゆる後世の作品でも使われているような気がする。あと、当時としてのSF の各種効果と見せ方は群を抜いているのだろうという感じのシーンが盛りだくさん。 さるのシーンから人間の進化を描き、そして、宇宙へ持って行くのがすごいと思った。 映画の勉強をかねて、キューブリックの作品をあさらないといけないな。と思った。 しかし、やはり、昔の映画、テンポがゆるりとしていて、それは味と言えば味だが、 眠くなる人には眠くなるのは事実だと思う。



ダークエンジェル全11巻
★★★★☆ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 キター!!エイリアン2・ターミネーターのジェームズキャメロンがドラマでやりたくてやりたくてたまらなかったことを 実現したらしい。映画ではできないこと。それは長編ストーリーで描くということ。 そして、ジェシカアルバ!!キューゥーート!!すばらしい。さらに、練られたストーリー 徐々にあかされる真実。ストーリーの背景にある世界観はやや疑問が有るものの、 人間ドラマを描きつつ、多方面に触手を伸ばすかのような物語と登場人物に脱帽。さすがキャメロン。 ただ、全11巻で相当長いので、見るのに気合いが必要。



アザーズ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 トムクルーズ製作・ニコールキッドマン主演。ニコールはややヒステリー気味の母親を演じている。 子供達は日光に当たると皮膚が損傷するような病気にかかっているようで、家中カーテンを閉めていなければならない。 豪邸に住んでいるのだが、子供達が日光に当たらないようにいろんな処に鍵を掛けなくてはならず、 大変だ。っと。表向きのストーリーはこうなっている。途中までは、おいおい、 中途半端なビビらし加減の3流ホラーか?と思わせておいて、この作品の監督はMナイトシャラマンか? と見終わった後に確認したくなるような衝撃がやってくる。この衝撃は私たちの今現在の生活にも当てはまり、 今思い出しても、背筋に悪寒が走る。見てない方がいらっしゃれば見てください。



ミッドウェー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 邦画歴史もの。やや古めの映像。勉強になった。ミッドウェーの負け方は何度見ても悔しい。



TAXI2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 フランス映画リュックベンソントランスポーターの後だけに、カーアクションにそれほどまで衝撃を受けなかったのが 残念。しかし、おもしろい映画に仕上がっていることに間違いない。



トランスポーター
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 プロ中のプロ!!そんな印象がのっけからこの作品の質を高いものにしている。ネタバレ→ しかし、そのプロ中のプロがあっさりと掟を破り、荷物の中身である女性に優しくしてしまうのがちょっと その雰囲気を壊した。しかし、それがまた人間というもの。ジェイスンステイサム。この男、ややおやじ系ではあるが、 アクションがいい!また、ヒロイン役のスーチーはお茶目でよく見ると可愛い。製作脚本もリュックベッソン。 カーアクションのすさまじさを見て、なるほどなと。お気に入りのシーンはネタバレ→油のシーン。新鮮でかつ、この映画の見せ場であり、油を使ってこう見せるかーと感心しました。



少林サッカー
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 メンバーが徐々に集結してくるシーンまでは退屈だなぁと思っていたが、メンバー達が練習を始める頃から 度を超えたオーバーな練習に目が離せなくなる。このままじゃ、余裕で世界制覇じゃん。と思うが、 おいおい。と思うような強敵達が現れる。私は、この作品を笑いながら見ることはできずに、「すごい!」と 思いながら見てしまった。



ワンスアンドフォーエバー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 メルギブソンの率いる大隊がベトナム戦争の最激戦地区に投入される。兵器では勝るものの兵力で劣る囲まれた 米軍をいかにして指揮するのか? 自分が指揮官であったらいったいどうするのか?そんなことを考えっぱなしの 2時間。最後はベトコンを交代させてしまうのがいかにもアメリカ映画らしい。自分としては学ぶこと多き作品であったが 映画としては今ひとつ押しに欠けるような気がした。



ブレイド2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 全作よりもブレイド自身の魅力が落ちる。ドラキュラ方面にストーリーの力が入り、 ウィズリースナイプスの爽快なドラキュラ退治の魅力が弱まった。敵のリーパーズがあまりにも 強すぎる。がんばれ!!がんぱれー!スナイプス!!見ているこっち拳に力が入るほど、 主人公が痛めつけられてしまい、ちょっとやだった。あと、敵のおぞましさは天下一品。



ブリジットジョーンズの日記
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 なんだか知らないけれど、話題になっているので、みてみようかな。と思って借りた。が・・・ 私にはこの映画の何がHOTだったのかわかりませんでした。女心というやつを私が備えていない からでしょうか?とにかく、こんな女ヤダナ。と思っただけ。ヒューグラントの演技には やや引かれたものの、レニーゼルウィガー扮するブリジットにはストレスがたまりました。



ヤマカシ
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 タクシーシリーズのフランスの巨匠リュック・ベッソン製作だったのと、空中を飛び回る爽快感がたまらないとのことで レンタルしてチェックしてみたところ。ンねむい!確かに、スピード感有るところは有るんだけれども、「だから何?」と 少しさめてしまうような感じ。フランス人的センスを持っていないとダメなのかも・・と自分のだめさ加減にがっかり。 もっとカメラワークとかで臨場感を出してもらえればよかったかも知れないけれども、私はその世界に入り込めませんでした。



エヴォリューション
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 うねうね、もぞもぞ、神秘的な生命の創造というテーマをうまく捕らえて2時間に納めた逸品。この題名は 進化という意味で驚くべき生命の力にもうびっくり仰天。生物系の知識が有ってこれをみるとまたもう少し おもしろいのかも知れない。ビデオのパッケージにはその映画の内容からはかけ離れた黄色いニコちゃんマークの 目が3つあるようなマークがやたらと目立つ。ビデオを見終わった後でそのマークを見ると、何となく、なるほどな と思うことができるだろう。ゴーストバスターズのアイバン・ライトマンが監督だったと、見終わった後に 知り、納得。 恐ろしさ。怖さ。の中にも神秘あり笑いありのお得な作品。



ザ・ワン
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 でましたジェットリー。しかし、キスオブザドラゴンの方がおもしろかった。そのストーリーの背景にある 世界観はかなり興味深いものがあり、リーの演技もすさまじい。特に「ザ・ワン」というその意味と響きには かなり引かれるものがあるはずだが、何かが欠けていたような気がする。なんだろう?うーん。わからん。



メンインブラックII
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それなりに楽しい普通の映画

 トミーリージョーンズとウィルスミスのコンビが絶妙のMIBの第2作目はっきり言って全作のようなノリで押し切るような パワーが感じられず、ディテールにこだわったという感じがして残念だった。ネタバレ→ トミーリージョーンズが記憶喪失になっていて、ウィルの下で働くといった構造が、何となくミスマッチ。私はもっと、 圧倒的な強さで、エイリアンを懲らしめるというストーリーを望んでいたのかも知れない。それでも、★★となるような 作品では無かったので、★★★。



マイノリティリポート
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 期待が大きかったせいか、今ひとつの衝撃であったが、決して、おもしろくない作品ではない。 未来を独特の視点から描き、様々な謎を織り交ぜてそれが次第に解けていく様子を観客に 味合わせるように構成されている。前半30分であらゆる謎の要素がちりばめられており、 緩い気持ちで見ていると、後から何が起こっているのかがつかみにくくなっておもしろくない作品 ということになってしまうだろう。トムクルーズとスピルバーグ(この仲良しの2人)が手を組んだ ということで実にいい映画であった。ラストの衝撃も十分。しかし、しかし、今ひとつ期待に 答えるものが無かったのも事実。期待しすぎに注意。という教訓を得た映画でした。



ウォーターボーイズ
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 日本映画の傑作。「日本映画捨てたモンじゃない!!」を連呼したくなる作品。このストーリーはどっかの高校で実際に あった話らしい。いまも、シンクロをやっているとかいないとか。とにかく、こんなに痛快に 青春を描いて、すがすがしく、見ていていっしょに達成感が得られるのはすごい。人気ランキングでも、 最初は下の方であったが、噂が広まるにつれ、徐々に上位に位置し、かなり長い間、邦画ランキングのトップに あった。集団で何か一つのことに打ち込んで達成するという機会が乏しい現代において、この映画を見て 奮起してくれる若者が増加することを望み、同時に私も奮起したいと思う。  そして、日本映画に欠かせないのが竹中直人。シャルウィーダンス以来私は彼の虜です。今回も いい味出して、作品をシメまくってたなぁ。  フィンガーファイブの学園天国のテーマが心地よくマッチし、耳に残る。激おすすめの邦画。



DENGEKI
★★★★_ 映画ポータルサイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 スティーブンセガールが「マトリックス」のプロデューサージョエルシルバーと組んでゴッツイアクションを 出した! セガール派かジャンクロードヴァンダム派か?と訪ねられれば私は断然セガール派だ!(ヴァンダムも大好き だけれどもセガールはもっと好き。)この作品は一連のセガール映画の続きといった感じである。が、今回は 落ちていくセガールを見ることができ、人間らしい一面をのぞかせる。それがこの作品の魅力だ。かといって アクションも半端じゃない。注目すべきはDMXとの競演であり、DMXはシンガーとしてだけでなく、 映画スターとしての資質もきらきら輝かせた。また、イザイヤワシントン(デブ)の演技は実にいい!! 彼がこの作品を非常にもり立てている。ラストの彼のトークは印象的でああいうエンディングはエクセレント!とおもった。



冷静と情熱のあいだ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 この手の映画をあまり見ることのない私でしたが、リターナー以来、邦画もチェックしようと決めていたので、 たまたま借りた一本でしたが、子供だった私が少しは大人になったのか、まあまあおもしろいと思いました。 竹野内 豊とケリーチャンが織りなす恋愛もので舞台は主にフィレンツェ。修復士という凡人には触れる機会のない 職業を通して見る世界に新鮮みを感じつつ、すれ違いつつも引き合う愛に「ふーん。いいかも。」とややときめく。 また、フィレンツェに似合う音楽が印象的であった。篠原涼子(歌は好きだが・・)が何となく映画を壊しているような 気がした。なにはともあれ、今後、これ系の映画も積極的に借りてみようと思わせられた作品。



デンジャラス・ビューティー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 男勝りで色気ゼロというふれこみはいつも通りの定番サンドラブロックであるが、コメディーをさせたら右に出るものが いないというのもまた事実。設定にやや難はあるもののそんなことはものともしないで楽しめる。アカデミー最優秀助演男優賞の マイケル・ケイン(サンドラの美容責任者)とのやりとりはおもしろい!



ザ・セル
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 精神異常者の精神世界に特殊な装置で入り込み心の傷の奥深くに眠る真実を暴くサイコ映画。精神世界を映し出す 映像は美しく奇妙で生々しい。そんな非現実をじっくりと堪能できるその世界観が気に入ればおもしろい作品。 ジェニファー・ロペス主演



ブレイド
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 その題名からドラキュラものであることがわからなかった。なんか、2が出てるからとりあえず、1から見てみるか。 と軽い感じで手に取った作品からこのような衝撃を受けるとは・・一発でウィズリースナイプスの虜になりました。 くー。かっこいい。ブレイドという題名がついている割にその剣は別段特別なものでもなさそうで、自家製のようだ。 剣についている仕掛けもグッド。ネタバレ→ドラキュラは血のシャワーを浴びて飲んで乾きを いやすという発想はセンセーショナルでかつ刺激的だ。銀の弾で殺しまくるのがこの映画の魅力



platonic sex
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 飯島愛のベストセラープラトニックセックスの映画化作品。加賀美早紀という12000人のオーでションから選ばれた 子があおい役を演じる。それなりの 演技であったと思うが、注目すべきはオダギリジョー。彼のおかげでこの作品は崩壊せずに済んでいる。 スカウトマン役の加勢大周は、じつに嫌らしい。(そういう役だから仕方ない。)



ブラックホークダウン
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 自分が小隊指揮官だったら・・・部下にあれも訓練させてこれも訓練させて、と、本気で考え直す 映画だ。軍人はすごい!!と尊敬せざるを得ない。製作はジェリーブラッカイマー、監督は巨匠リドリースコット (エイリアン、ブラックレイン、ハンニバル)とくれば、半端じゃない絵が期待できると思ったら、 予想以上。 アフリカ東部ソマリアを部隊にした本当にあった話を映画化したという作品。その臨場感、リアルさ、 映画のできはかのプラトーンを超えていたと私は思う。この映画を見て一番痛切に思ったのは 準備の重要性である。どんなときでも手を抜かず、最悪の事態を考えて最前を尽くすべきだ。 ということである。どんな面倒よりも確実性を選ばなくてはならない。という真理を通説に感じた。 ただし、この映画。軍事的な知識がないと、見ていてもかなり意味がわからないかも知れないので注意。



ALI(モハメドアリ)
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 かのボクシングヘビー級チャンピョン モハメドアリをウィルスミスが演じる一本。史実を再現する 映画作品はどこまでその人間的魅力を役者が引き出せるかが鍵となるが、ウィルスミス。残念でした。 私には伝わりませんでした。すごい人生を歩んでおられたんだなーと思う反面、兵役拒否して 投獄されてたのかーなど、歴史上の人物の勉強にはなりましたが、肝心のボクシングのシーンなどは どこかうそっぽく見えて仕方有りませんでした。また、映画に盛り上がりを期待しても、人生に 盛り上がりを期待するのは野暮だと知りつつ、やはり、今ひとつの盛り上がりにがっかりの作品。



アトランティスのこころ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 スティーブンキングとアンソニーホプキンスが組んだ。とは言い過ぎだが、「時間」をテーマにした作品が 多いキングの作品としてなかなか納得できる一本だ。大きな盛り上がりなどは無いが、アンソニーの演技で、 全編飽きることなくその世界にいることができた。少年と老人この関係を微妙に捉えた作品で、最後には 一抹の切なさを抱けるようになっている。



スパイダーマン
★★★★☆ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 いわいる作り物のヒーロー物系の映画にこんなにはまるとは思わなかった。所詮マンガからでてきたの だろうと甘く見ていたら、これぞ!これぞ映画の醍醐味!!という要素をふんだんに盛り込んでいて 見た後に気分良く、爽快に、そしてちょっぴり切なくなれる映画であった。この映画を良い!と思った後に、 私の映画の良し悪しを決定する要因はいかに感情移入できるように作られているかなんだなぁなんて 思いました。そして、映画の良いところとは現実では体験できないことを疑似体験させてくれることなんだなぁ と改めて、思いました。 この映画何がいいって、糸を出しまくって、自由に空を掛け巡ることができるということ、 ただ単に空を飛んでいるような映像ではぴくともこない私のハートをがっちりキャッチ。あんなこっといいな。できたらいいな。 の世界をスクリーンに再現。また、主役のトビーマグワイア。これ最強。ニューヒーローの誕生を 予感させた。当初の計画ではニコラスケイジにスパイダーマンをやらせる案も有ったようだが、 それではたぶんダメだったろう。一つ残念だったのは敵があまりにも漫画チックなゴブリンだったことだ。ウィレムデフォー( エイリアン2の機械人間、プラトーン)の演技には問題はない。スカッとさわやか!な映画。



Brother
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 北野武先生は好きなので先生の映画は見るようにしているが、映画のほうはどれもおもしろくない。  北野流の男の世界が描かれているようだが、まだ子供の私にはいまいち伝わってこなかった。 しかし、北野流の緩急をつけたストーリー進展は行けていると思う反面、北野流のテンポの遅さ (余韻なのかも知れませんが)は感情移入の度合いを弱める。「ヤクザ」を世界に広めるにはいい映画かも。



SPY_N
★★★★☆ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 藤原紀香ファンなら見なくてはならない作品。紀香ファンでなくても、おすすめ。紀香がスパイするから SPY_Nなんだと思う。この作品の見所はオールノースタントで各役者がとてもとてもスタントマンでも ビビってしまうようなシーンをこなしているということだ!! 「藤原紀香。女を上げたな!!」と私に言われる 筋合いは無いでしょうが、賞賛したくなる作品。ストーリーはまずまずだが、出演者達の がんばりで、かなりいい。紀香は元々セクシーだが、セクシー女スパイを見事に演じきっている。 つらい下積み時代を長く経験しているNORIKAのがんばりは半端ではない。全編英語で、スタントシーンですら アフレコを拒んだという。そのあまりの大和撫子根性に監督は彼女をべた褒めしたという。その監督とはなんと、 レッドブロンクスやファイナルプロジェクトを手掛け、ジャッキーチェンを世界のアクションスターに 押し上げたスタンリートンである。よくよく見ると、アクションシーンにはジャッキー映画の風味が含まれている。  なにはともあれ、こんなにすごい作品なのに日本ではあまり知られていないのが現状だ。私の行きつけのビデオ屋でも 入荷はわずか3本程度だった。これを見て紀香にはまれ!



60セカンズ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ニコラスケイジ。伝説の車窃盗グループのボスが足を洗ったものの、盗みに盗みまくる羽目に。 時に隠密に、時に豪快に鮮やかに盗みまくる手口は善悪を抜きにすれば爽快そのもの。また、仲間達との絆も 見ていてここちよい。アンジェリーナジョリーが出ているが、あまり際だっていない。かのジェリーブラッカイマーが 製作しているのだが、若干のパワー不足という感はある。それなりの映画であるが、見なくてもよい映画。



GO
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 邦画。窪塚洋介と山崎努の在日朝鮮人ストーリー。日本に住んでいて日本人の私は彼らのそんな気持ちを知るよしもなく、 新鮮な感情をgetできる映画でした。恋愛に関しては今ひとつ。少年はおやじを乗り越えて大きくなる。といったような ストーリーを独特の視点とカメラワークからとらえた作品としては、それなりにおもしろい。ただ、テンポは悪め。



キャッツ&ドッグス
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 犬猫好きは押さえておきたい映画。内容的にはおもしろくないが、異様な視点と彼らの表情がベリーグッド。 私たちの知らない世界で、犬と猫たちがあんな風に戦っているのだとしたら・・・と考えながら見ると、 決して時間の無駄にはならない作品。なんか、猫が悪役って感じで描かれていたので猫派の人々は あまり心地よくなかったのではないか?なんて心配してみたりする。



オースティンパワーズ
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 出っ歯姿がチャーミングなマイク・マイヤーズが取り仕切るオースティンパワーズシリーズの1作目。  これをアメリカンジョークというのかどうかは知らないが、うーん。いまいち引き込まれなかった。 確かに、オースティンは魅力的な男性だ。映画のノリ的にも新鮮?な感じがした。それなりにツボは押さえていて すばらしい!と思う一面もあるし、おもしろいところはおもしろいのだが、作品全体の性格と私の性格が合わなかった。 何が合わなかったのか考えてみたら、ギャグで人を殺すところが、私にはギャグに見えなかった点なのかも知れない。



15ミニッツ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ロバートデニーロとエドワードバーンズのコンビがニューヨークを舞台に繰り広げるアクション。「誰でも15分は有名に なれる。」という有名な言葉にちなんでの題名。犯人グループの奇妙な2人組の行動はなかなかおもしろい。私たち 一般人から縁遠い報道と警察を描いた作品。追いつめられるデニーロを見るのもなかなかおもしろい。が今ひとつの盛り上がり であった。



YASHA全4巻
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ドラマ「YASHA」全4巻は遺伝子で作られた超人間のつらく悲しい物語。背筋が寒くなるような鋭敏なストーリーに リアリティーを感じる。そのストーリーの中で、主人公:伊藤英明かなりいい演技を見せた。人は昔から、 自分たちと違うものをおそれ、化け物と呼び、コミュニティーからハイジョした。夜叉も そんなもの達の総称であったことだろう。とこの作品を見て強く思った。伊藤英明は陰陽師ではやや、味を出し損ねた感があったが 、難しい役所を見事にこなしていて、このドラマを見て彼の評価が大きく上昇した。 また耳に残る音楽が雰囲気にとてもマッチしていたのが印象的だ。 大塚ねねは同じ言葉しか繰り返さないのがやや寒い。が役柄なので仕方ない。実はもっと活躍してほしかった。(・_・、) ラストは思い出すだけでも背筋に寒気が走る。おすすめのドラマ。



突入せよあさま山荘
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 当時を知らない私だけに、この事件の何が今まで語り継がれているのか? をとても知りたかった。警察内部の葛藤を描き、現場指揮官佐々が何を見たのか? 赤軍とは?鉄球作戦とは?噂には聞いたことがあってもその内容を知らない世代としては 是非とも見ておきたい作品でした。実際にあさま山荘事件を指揮した佐々淳行先生が原作というのがまたすごい。 普段は国民から敵のように見られている警察官のすごさ。苦労。を見てその崇高な職務に邁進する皆様へ対する 尊敬の念は一段と高まりました。テンポもよく、見ているものの不快感をぬぐうように指揮官が行動をとるという ストーリーに爽快感ひとしお。もう一度みたいと思う数少ない作品です。



ハムナプトラ2
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 トゥームレイダーと同時期に公開されていた映画であるが、ビデオで見た。イスラム系古代遺跡発掘怪獣退治系の映画で その世界観に自ら入っていって見ると意外とおもしろい。しかし、その世界観に一度違和感を覚えてしまうと、 作り物の感が強すぎてついて行けないそんな感じの映画である。印象はインディージョーンズ+アラビアの化け物といった 感じである。見所は剣を用いた格闘シーン。スコーピオンキングはこの映画から人気を得てスコーピオンキング自身の映画が できてしまった。



陰陽師
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 野村萬斎扮する安倍晴明(陰陽師)と真田広之扮する導尊の対決がすさまじい作品であるが、小泉今日子もいいアクセントとなっている。あと、個人的に好きな 今井絵理子はこの作品の足を引っ張るような感じで、残念であった。何はともあれ野村萬斎。半端じゃねー。 一撃でファンになりました。すました顔をして呪文を唱えるこの人をおいて他にはいない!と思わせる演技。その世界に ぐいぐい引きずり込んでくださいます。さすが狂言の世界で鍛えられたお方。これを機に、平安時代の勉強をしてみたくなりました。唄に思いを乗せて愛する人に伝えるという当時の文化。いかにも日本的で、まねできるモンならしたいですねー。いい。



バンディッツ
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 バンディッツとは山賊という意味で銀行強盗ストーリー。ブルースウィリスが出ていなければとてもじゃないけど 成り立たないような作品。ケイト・ブランシェットが恋人役で出てくるが・・・うーん。こういうストーリーならしょうがないかもしれないけど、なんか作品を殺しているような感じが私はしました。ラストのほうはさすが山賊 というような感じのながれになってます。



ムルデカ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 日本映画。第2次世界大戦。それは欧米の植民地としてのアジアが自分たちのチカラで独立するキッカケでもあった。 実際、大日本帝国軍人の中には終戦になってもアジアの現地に残り、再び戻ってきた欧米の勢力に対して 抵抗し、独立の手助けをした者が多数いる。そんな男達を描いたのがこの作品だ。山田純大と保坂尚輝の帝国軍人ッぷり が男として共感を覚える。製作の浅野勝昭氏曰く「プライド 運命の瞬間」と同様に “日本人の誇りを取り戻し、正しい歴史を残したい。ということで、日本人として押さえておきたい一本である。



ホワイトアウト
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 日本映画。織田裕二の出た映画は必ずヒットするという伝説の中核をなすような作品。 ダムを占拠したテロリストにヤキを入れるというストーリー雪の中での撮影はさぞかし大変だったろう。 それでも織田裕二。さすがの演技。若干テンポは悪いところもあるが、織田裕二の活躍ッぷりでチャラ。 あと、松嶋菜々子かわいい。



ザメキシカン
★____ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 久しぶりに見ている最中に寝てしまう作品に遭遇。ブラッドピッドが出ていたのでチェックと思ったけれども、 耐えられなかった。テンポは悪い。でも、全部見なかった罪悪感から★は1つついている。



宣戦布告
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 東京都知事石原慎太郎が見て怒った。といわれるこの作品。「自衛隊はそんなに弱くないゾ!!」とおっしゃったらしい。 数年前に小説(麻生 幾著)がかなり売れ、話題を読んだ作品の映画化。劇場公開終了間際に新宿まで見に行った。 北朝鮮に関する知識と自衛隊・警察に関する予備知識がある状態で見に行かないと真のおもしろさは得られない。 日本の危機管理体制に疑問を投げかける作品。私はこの作品が一人でも多くの人の目に触れてほしい。と願う次第です。 実際に北朝鮮軍による本土上陸・侵略というシナリオは考えづらいが、ネタバレ→この映画のように 精鋭特殊部隊が少数ずつ個別に上陸し、日本の重要施設の機能を麻痺させ、間接侵略の下地を作るといったシナリオを考える のは容易だからである。ネタバレ→ラストの米軍をも巻き込んだ駆け引きは想像を絶するリアルさ。 戦争を回避してきたもしくは開戦を決意した歴代の国のトップ達の心境をかいま見ることのできるこの作品に脱帽。 内容を忘れた頃にもう一度是非みたい。薦めたい逸品。



ペイフォーワード(Pay it forward)
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 シックスセンス(M.ナイト.シャラマン監督)でブレイクしたハーレイジョエルオスメント君が熱演する 作品。学校の先生役のケビン・スペイシーの演技が作品を引き締めている。ネタバレ→社会の授業かなんかで厳しい先生が 生徒に宿題を出す。世界を劇的に変化させることができてかつ自分でもできる何かを考えよ。先生は この問題はとても難しく、一生を掛けるべき問題であるとも思っていた・・・・。 しかし、「誰かから恩を受けたら 3人の知らない人に恩を与える。」というのがオスメント君の出した答えであった。そして、その先生自身に その恩は帰ってくる。 私はロマンチストなので、このアイディアは とてもすばらしいアイディアだと思う。この映画を見てから私も、日々実践しているつもりだ。純粋な 濁り無き子供の視点から生み出されるそのアイディアとその愛の連鎖に、とにかく見てよかったー とおもった1本である。



スペーストラベラーズ
★★★__ ファンサイト
それなりに楽しい普通の映画

 なんかスペーストラベラーズというアニメがあって(通称:スペトラ)そのときそこにいたメンツがそのスペトラの配役 にぴったしだったからという銀行強盗ストーリー馬鹿馬鹿しいけど、なぜかみんな協力しちゃうッていうところを 納得して飲み込んでしまえばあとは、結構おもしろい。主演は金城武、相変わらず棒読みだなーなんて思ってしまうけど、 英語・広東語・日本語の順番でうまいらしいからしょうがないか。



時を駆ける少女(内田有紀編)
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 内田有紀が好きだったので見てみた。この映画は内田有紀が演じる前から存在し、ストーリーはほとんど同じらしい。 青臭い演技であるがそれがこの作品にマッチしていてよかった。未来から来たなにがしのせいで特別なチカラを持つというお話。 ラベンダーが重要なアイテムとなっている。ああ。そんな力があれば・・と妄想しながらみるとなお一段と楽しめる映画です。 あのころの内田有紀は可愛かった。(じゃじゃうまならしの頃がもっともよかった。主演の観月ありさを完全に食っていた。)



凶器の桜
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 よく行く街「渋谷」を舞台にした独自の正義感を持つ少年達の物語。やはり、 窪塚洋介の演技がすごい。この映画で、ファンになりました。渋谷のチーマーなどにネオ東条がヤキを入れる シーンなどは爽快。しかし、青年のあおき心は次第に大人に利用され現実を知っていく。江口洋介の演技にも 注目。平和な日常に生きる私のような庶民は「ああ。こんな世界もあるのかなぁ」と思い、映画の世界にどっぷり つかることができる。オープニングはあっぱれ!という感じがしてすき。その後、渋谷で食事をしていたら 偶然、映画の中で使用されていた店「ゴールドラッシュ」(ステーキハンバーグの店)だったことに気づき、 映画のワンシーンが蘇るという経験があった。←うれしい。



ジュブナイル
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 リターナーの山崎貴監督の監督処女作。リターナー以来、山崎監督のこの作品が気になっていたが ようやく見た。香取慎吾が天才研究者役で、鈴木杏もガッツリでている。ストーリーがいい!! だけど、ターゲットは小学生といった感じなので大人は見てもつまらないかも。しかし、私は精神年齢が 幼いのでそれなりに楽しめた。宇宙・過去未来といったテーマはさすが山崎監督。子供自分の夢がスクリーンに映し出され、 心をあつくしながら見ることができた。杏の演技はやや幼くて今ひとつ。VFXはセンセーショナルであった。



すもももももも
_____ 公式サイト
金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画

 はい。日本映画です。しょうがありません。浜崎あゆみがかわいそうです。まだ売れる前の浜崎あゆみの演技が見たくて 借りてしまいました。たぶん、彼女にとっても消したい過去の一つだと思います。でも、最近、浜崎あゆみは 自分の音楽のプロモーションビデオも兼ねた軽い映画をリリースしたようで、映画での成功に微妙なこだわりを 持っているようです。できるものなら、今の彼女のために、日本中のビデオ屋からあのビデオを盗んで燃やしてしまいたいです。(・_・、)映画が3本くらいしかないのに浜崎あゆみコーナーがビデオ屋にあるというのも納得いきません。 どうか彼女のために、この作品は見ないでやってください。



9デイズ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 私は、こういう世界最終戦争回避型の映画が大好きです。ただ、ヴィンディーゼルがブレイクしたトリプルエックスと 内容や地域が若干かぶっていたのが残念。(場所:チェコプラハ) アンソニーホプキンスに冷血CIAエージェントをやらせたら ばっちりはまるはずだ!!と思っていたら、サミュエル・L・ジャクソンに負けていた。しかし、おもしろい。クリス・ロックの 株が上がった作品でもある。制作はジェリー・ブラッカイマーでこのお方は「アルマゲドン・パールハーバー・エネミーオブアメリカ・60セカンズ・コンエアー・ザロック・クリムゾンタイド・トップガン・ビバリーヒルズコップ」を手がけている。ジェリーだけに、この映画がおもしろくないはずはない。全ての作品に共通しているキーワードはタイムリミットだ。彼はタイムリミットこそが、映画の臨場感とテンポをよくするスパイスであると信じているようだ。パイレーツオブカリビアン(2003.08.02)にも期待が集まる。



ジョンQ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 かのデンゼル・ワシントンが熱演する映画。上映前のふれこみでは、デンゼルにもう一度アカデミー賞をあげたくなる 作品。ということだったので、試写会に応募。見事当選。で本編は★★に近いが、デンゼルの熱演によって★★★になった というような感じ。確かに自分の子供がそうだったら自分の命を張ってでも守りたい。しかし、それが同時に他人の命に 関わることだったらどうか? トレーニングデイほどではないが、見ている人の正義感も訪ねられる映画であった。 これからも、デンゼルの作品に注目せねば・・



キスオブザドラゴン
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 私の中でジェットリーがブレイクした作品。キスオブザトラゴンとは、ドラゴンにキスされたように死んでしまう 北斗神拳の経絡秘孔のようなものである。ストーリーは麻薬組織壊滅もの。ジェットリーのカンフーと渋さが炸裂する作品。 カンフーというより「針」なので、その点は新鮮でおもしろい。 スカッとさわやかな後味。



キャストアウェイ
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 郵便業者で指導的立場にいるトムハンクスが郵便物を乗せた船ごと難破し、無人島に漂着し、4年間原住民の生活を送る という物語。主人公の立場を共感できる映画。さすがトムハンクス。気合いで生き残るも、その後待っている人生は・・・ キャストアウェイとは破産という意味である。トムハンクスの体型がストーリーに合わせて変化するところは トムの役者根性あっぱれというかんじである。しかし、先の読める展開とスローな展開で今ひとつ、盛り上がりに欠けた感がある。



ハンニバル
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 レクター3部作と呼ばれるものの2本目で時代的には一番最後というものである。(レッドドラゴン・羊たちの沈黙・ハンニバル・作品内時間順) やはり、アンソニーホプキンスの演技一本で持っているような映画である。内容は羊たちの沈黙で逃げたハンニバルことレクター博士を女刑事が追う。というもの。ビデオの表紙にはなんか怖そうなホラー映画系の顔が写っているので怖い系の 映画と思いがちである。よって、観客は口々に「案外怖くなかった。」というが、この映画で表現したいのは劇場の観客に 怖がってもらうことではなく、純粋な悪。子供が良いとも悪いとも知らずに、純粋な好奇心から動物を死に至らしめるような 後に残る恐怖を表現したかったのだと見た。ネタバレ→自分の前頭葉を自分に食させるという回帰的な快楽とも拷問ともえも言えぬ俗に言う以上ぶりが 純粋な悪を見事に表現していたと思う。



金田一少年の事件簿()
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 すいません。おもしろくないんです。でも、鈴木杏の演技見たさに最後まで見てしまいました。 嵐の松本潤くんもがんばっているようなのですが、浮いてます。剣持警部役の内藤剛志さんが何とか作品を 引き締めようとするんですが、ストーリーが漫画なので、なかなか実写で当てはめるのは難しかったようです。 どんな映画や物語もつっこみどころを無くすことは不可能ですが、全編「おいおい。そりゃないだろ。」と つっこみたくてつっこみたくてしょうがなくなるようなのが最初から最後まで続き、私にはつらかった。ごめんなさい。 でも、ちゃんとつじつまの合うような謎解きを金田一といっしょに解くのは結構楽しかった。いつも金田一に先を越され、 結果を教えてもらう自分でしたが・・・
 鈴木杏はほとんどちょい役で見応えはあまりなし。(・_・、)



六番目の小夜子
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 天下のNHKが自信を持って世に送り出す、よい子必見のドラマ。ビデオで借りると全6巻。六番目の小夜子という題名 を意識した巻数になっている。 題名から連想すると、いかにも幽霊ものという感じであるが、その臭いを含みつつ、 NHKらしい仕上がりとなっている。映画リターナーで鈴木杏の演技に魅了され、彼女の作品をとりあえず、見てみようと思い、 手にしたドラマであったが、どんなに眠くても次の巻をビデオデッキに挿入するのを我慢できないおもしろさ。 この作品の良さは、なんと言っても、主人公鈴木杏ちゃんの演技と、相手役栗山千明ちゃんの見事な演技。そして「音楽」 そして宮村優子のストーリー。多彩な登場人物達である。(全部いいじゃん)
 宮村優子というと、エヴァンゲリオンのソウリュウ飛鳥ラングレー(字が違う)の声で有名な声優と間違えてしまうが全くの別人 である。毎回、謎が謎を呼び、後半でテンポよくあかされる真実。無いようで有りそうなストーリーが中学時代の自分を 振り返らせ、何か胸あつくなる。そんな展開。それでいて、ミステリー。うーん。もっと早く出会いたかったドラマである。
 そして音楽!!このドラマを盛り上げる音楽は耳について離れない。cobaさんの作曲すごい!!「ドンミノドミナス」フレーズを 思い出すだけでなんか鳥肌が立ちます。

 というわけでチョーおすすめの逸品です。(ただ単に、おまえが鈴木杏の大ファンなだけじゃねーの?というつっこみ抜きでおすすめ!)



SEOUL
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それなりに楽しい普通の映画

 TOKIOの長瀬智也が熱血刑事を、韓国の代表的俳優、崔民秀が韓国警察の長瀬の上司役を演じる 西部警察テイストの刑事物映画。若干のテンポの悪さは否めないが、見ていてそれなりに楽しい。 ちょっとオーバーめの味付けが見ている客を現実の世界に帰してしまい、映画の世界にどっぷりと浸かれない 原因となっていると見た。ラストは心地よい仕上がりとなっている。



完全犯罪クラブ(英語名:Murder by Numbers)
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 うーん。主演のサンドラ・ブロックはヤン・デボン監督の「スピードI・II」で、活躍し、有名になった 女優であるが、今回は、心にトラウマを背負った妖しい女刑事キャシーという少し異なった役柄を演じている。 そこが見所といえば見所となる。アメリカで1924年に実際に起こった誘拐・殺人事件(レオポルド&ローブ事件)をリメイクして、 「運命の逆転」のバーベット・シュローダーが監督・製作を務めている。

 しかし、ストーリーや登場人物はなかなかすばらしいのであろうが、それの観客への見せ方がよくない。 シュローダー監督がそう望んだのかは分からないが、観客は「物語の進展と共に読みを深める第3の刑事」 としてではなく、「物語中のヒントや裏事情をあらかじめ提示される傍観者」として扱われている。 従って、展開にスリリングな感触がなかなか求められない。
 そして、最後に、「やはり、前頭前野の髄鞘化が完了しきっていないな。」
と言われるような結果となっている。↑この意味はネタバレになるので見終わった後に考えてください。 予想通りの結末か、がっかりするかは見ている人によると思います。ちなみに私はがっかりでした。
ではでは。



映画「ジャスティス」
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 ダイハードシリーズのブルース・ウィルス主演の映画。時は、第2次世界大戦終了3ヶ月余り前、 ノルマンディーに上陸した連合軍はナチス・ドイツを追いつめるべく作戦を練る。ドイツはバルバロッサ作戦に失敗し 帝国ロシアの首都モスクワまでわずか数10kmのところまで何とか進軍したが、冬将軍の攻撃により、(ロシアの 凍てつく寒さ)もはや戦える状態ではなかった。そんな状況にやや浮かれ気味の連合軍大本営は戦地に高級 シャンパンを送るために、アメリカの上院議員の息子(ボンボンで、最前線などには一生いかないような)は ジープに乗りその安全な任務に就いた。しかし、物語は進み、捕虜となる羽目に・・・ そして、 本当の物語はここから始まった。

 ジャスティスとは英語でjustice。正義、公正、裁判などの意味である。それぞれに「地獄」を乗り越えて 来た男達の捕虜収容所での物語を「戦争」の側面から描き出している。

 POW(Prisoner Of War:捕虜)の生活を「ドイツvs連合軍」、人種差別、誇り、真実、正義、公平、裁判、これらの キーワードであぶり出し、男達の熱いものを描いているのがこの作品。戦争の背景や捕虜に関する国際法(ジュネーブ条約) 、軍内部の規律や規則について、知っていると、より、楽しめる映画である。その点を加味して、★★★であるが、 盛り上がりに欠けるのは否めない。ラストではそれなりの「男の生き様」が用意されている。



映画「ウィンドトーカーズ」
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その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 あのニコラス・ケイジが主役をはる映画。第二次世界大戦後期のアメリカ軍によるサイパン島奪還作戦 において、ナバホを守る特殊任務に焦点を当てている作品である。ナバホとは通称「インディアン」 つまり、アメリカ大陸の先住民族の名前であり、彼らは世界中で彼らしかしゃべることの出来ない 言葉を持っていた。それらは言語学上何回であり、その言語を用いて通信を行うことは、高度に暗号化 された通信を行うことと等しかった。「コードトーカー」(暗号をしゃべる人)として各部隊に1人づつ ナバホが配置されることとなる。その重要なナバホを警護するのが、ニューギニア戦線でほぼ全滅した アメリカ軍部隊の生き残りであり、その戦闘で、片耳を失い、重傷を負ったニコラス・ケイジである。 彼は、日本兵に復習することを誓い、再度、前戦勤務を志願した。自分のパートナーとなるナバホと出会い、 ストーリーが広がっていく。しかし、アメリカ人によるナバホへの偏見・差別は小さくないものがあった。
 戦場での本物の友情と巨匠ジョン・ウーの描く太平洋戦線が見応えのハリウッド映画である。

 それではここから私の感想を少し辛口で言わして頂きます。不愉快に思った方、どうぞご容赦ください。  まず、「アメリカ軍はもっと、鬼のように、湯水のごとく、砲弾を使った!」とつっこみたい。  敵は日本軍、正義の味方アメリカ軍という図式を盛んにスクリーンの中に 表現し、(映画として当然ですが。) 紳士的なアメリカ兵を随所ににじませております。 「対イラク戦争でもこんなに紳士的に振る舞うぞ!うおるぁ!」という、まさに、 国防省の指導の入ったある種のプロパガンダ映画に仕上がっています。さらに、 ニコラス・ケイジの発射する拳銃で歩兵銃を持った日本兵がバッタバッタと100人くらい なぎ倒され、さすが、「主人公」といった感じです。しかし、私たちの先祖である任務のために愚直に従い 極限状況下で志をまっとうしようとした日本兵がバタバタなぎ倒されていくのを好んで観たくはないといった感情を持ちます。 (それは日本兵に殺されるアメリカ兵にも同じことがいえますが・・)しかし、戦争映画として、イデオロギーを 抜きにして考えれば、そこそこの戦争映画です。なぜ、そこそこなのかというと、追いつめられた日本兵の戦術を 描ききっていない。制作スタッフの不勉強であるかもしくは、「戦争映画として素人(大衆)に簡単に戦っているところを 理解させるための戦闘シーン」を作るためにやむなくそうしたのでしょう。しかし、巨匠ジョン・ウー先生のカメラワーク 指導と、大勢の兵士を臨場感たっぷりに伝える手法には、やはり、見応えはあります。

 さてさて、文句を沢山並べましたが、全般的にやや感動のストリーとなっています。また、戦史的には「アメリカ側から観た サイパン攻略」という視点で勉強になりました。日本軍が説けなかったなぞの暗号の正体も理解でき、その点ではお勧めとなっています。
ではでは。



映画「命」
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バッシングしたくなるような映画


 はっきり言って「江角マキコ」と「豊川悦司」は大好きな女優・俳優です。今回この映画を観たのも江角マキコさんが穏やかな 表情で真っ赤なポスターに写っていて、その隣には「100万部突破!」などと書かれていたために、「観てみようかな?」 と思ったのがキッカケでした。ところが!ネタバレ注意!!【「タバコの吸いすぎで癌になり、強がって、 死ぬのなんか全然こわくねーよ!!と言っていた男が、死期がちかずくにつれて未練たらたらになって、回り中にすがりまくる」 (豊川悦司の演技が良くないというわけではない)】 というストーリーのため、観ていて、フラストレーションの蓄積される映画となっていました。 「命」について、消えゆく者と生まれゆく者とを対比させた点に、この映画の味噌がありますが、私にはそれを読みとり切れませんでした。残念。
 原作者の柳 美里の実体験をストーリーとし、映画化しているのだが、たしかに、自分がそのような状況に置かれれば、 「半端ではないもの」を感じるはずである。
 実際にそのような状況に置かれていない 者が端から「生と死」つまり題名である「命」について偉そうに「たいしておもしろくない」などと語るのは、 おこがましいですが、まあ、フラストレーションの溜まる人もいることは確かです。楽しもうと思って映画を見に行った人には 評価の低いものとなるでしょう。ですが、原作「命」を読んでから「その映画が観たい!!豊悦大好き!」という人や、 「命について、考えてみたいんだ。」という人が見に行けば、この映画に秘められている別の魅力を引き出せることは請け合いです。 ただ、名女優「樹木希林」は江角マキコの母親役としてまたもや、「味」を出している。



映画「Яeturner」
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 この掲示板を読んでReturnerを見に行ったというお知らせを聞きました。どうもありがとうございます。その方の感想もかなり高得点だったようで。ヽ(´▽`)ノ何よりです。
 となれば、さらなるReturnerファンを増やすために絶賛テクストを書かねばなりません!!(ΦДΦ)


 最近、韓国映画に押され気味で元気の無かった日本映画。劇場へ行くと、金城 武(かねしろ たけし)がグラサンを掛け、半身に銃を構える「なかなかセンスのいいポスター」が目に入る。しかし、Returnerの噂を知らなかった私は「ああ、スペーストラベラー(金城武主演)の焼き直しか。」と思っていた。その数日後、知人から「メッチャおもしろかった。」というアドバイスを聞き、私の「映画見るぞリスト」に早速組み込まれた。

 結論から言うと、日本人にとってはハリウッド並のでき、いや、近年、ここまで練りに練られたストーリーと役者が生きている作品が果たしてハリウッドにあったであろうか?これはハリウッドを超えている!

 山崎貴、監督脚本。恐ろしい人物であると思った。この監督は数年前に公開されたジュブナイル(香取慎吾主演、鈴木杏出演)でデビューした。それはいささか子供向きの映画であったので、余りチェクしていなかったが、このReturnerをみて、ジュブナイルもチェックせねば!と思わせるほどの作品でした。

 なにが「いい」のか?と言われたら、ストーリー、テンポ、作品スケール、役者の輝き度である。

ストーリー:
 ネタバレしないよう内容には触れないが、伏線が随所に張られ、展開が読めない。そして、よい意味で期待を裏切るのがまた、にくい。どんな映画にも、「おいおい。そりゃ無理だぜ!」とつっこみたくなるような設定やシーンは付き物であるが、無理なく、納得できるのでつっこみたくなるような不快感は最後までない。

テンポ:
 テンポの良さが、この山崎貴という監督のセンスの良さを物語っている。それが見ている者をより、作品の世界へと引き込んでいく。

作品スケール:  ネタバレにならないようにこの作品を形容すると、「マトリクス」と「ET」と「インディペンデンスデイ」と「ターミネーター」をまとめたような作品であるといえる。この作品のスケールは過去現在未来と個人の欲望から宇宙までを繋げるところにあるとみた。岸谷五郎が若くないというつっこみもあるが、ネタバレになるのでやめておこう。

役者の輝き度:
 かの岸谷五郎が悪役溝口として出演しているがその切れッぷりといったら役柄にぴったり、この映画の臨場感をもり立てています。氏は、近年ヤクザ映画にも出演しており、静と動をうまく使った「ぶち切れ方」が半端ではありません。
 樹木希林はなぞの中国人情報屋「謝」として出演。これまた、絶妙の味を醸しだし、作品の質を上げるスパイスとして効いている。さすが、年季の入った役者は違いますなぁ。とくに爆破スイッチのシーンはいかしています。
 そしてなんと言っても、鈴木杏。え?そんな人知らないよ。という方がほとんどだと思いますが、じつは私も、その1人、この映画を観るまでその存在も知りませんでした。しかし、あっさりと、彼女の魅力に引き込まれてしまい、鈴木杏ふんするMilly無しにはこの映画は成り立たないとまで、言い切れます。監督の山崎貴は金城武を起用する前から、脚本の段階で、Milly役には彼女しかいないと思っていたそうです。一つ心配だったのは彼女の持つ清純そうなイメージが今回の過酷な役柄に適合できるかといった点だけだったと言っています。しかし、それは要らぬ心配。彼女はその演技で誰にも出来ないくらい見事に演じきり、客をその世界に引き込みました。実は彼女その道では既に、ハリウッド映画に出演しており、teenながらネイティブと思わせる英語力で評価を受けていた女優なのです。いやー。これからの成長が楽しみですな。
 さて、主人公の金城武ふんするReturnerこと「宮本」。この宮本とは謝ばあさんから「日本で最も強かった男の名前」ということで付けてもらった名前で、本名は・・・というストーリーになっています。この主人公のいいところは、「正義の味方」ぽいイメージではなくミスもするがやり手のReturnerであるということです。(Returnerとは取引を水の泡にし、その報酬をそっくりそのまま返してしまうという職業らしい。また、返すべきものといういみもある。) 若干演じ切れていないところもありましたが、他の出演者がとてつもなくいい味を出していたので、それはよしとしましょう。
 アクションあり、SFあり、スケールあり、笑いあり、なぞあり、切なさありの超お勧め作品。これからの山崎貴監督作品にも期待を持てる。
皆さんどうぞ、周りの人に勧めてください。




映画「バイオハザード」
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 緊張の連続で久し振りの「当たり」作品。プレーステーションのゲームを知っていてもいなくても 楽しめるようにオリジナルストーリーで、分かりやすい。素人にもお勧め。 主演のミラ・ジョボヴィッチがとてもいい味をだしている。 (フィフスエレメントやジャンヌダルクではそれほど輝いては見えなかったむしろ 「いけていない」女優であったが・・)彼女の魅力が痛快アクションと共に爆発している。 ストーリーも予想をよい意味で裏切る展開が随所にあり、テンポも良い。 エンディングも様々なにおいを残しながら終わっており、次作が楽しみな逸品である。



映画「Sign」
_____ 公式サイト
(0つ星:最低)

金返せーと声を大にしてかつ周りの人にその駄作ぶりを解説したくなるような映画  お金を払って見るものではない。時間の無駄。前評判との格差最強。
 まれに見る駄作。メルギブソンが主演していなかったら何のしまりもない映画。 ここまで、前評判(ハリウッドプロパガンダ)と「見応え」に差がある作品も珍しい。 なにかとなぞめかして演出しているが、最後の最後まで何の謎もない。 「ここまで引っ張っておいて最後に絶対何かあるはずだ!」と思って スタッフロールを全て見てしまったがその後、何もなく、劇場の電気がついてしまった。 ビックリするのは最初に犬が吠えるシーンだけ。リアリティーなし。 シックスセンス(ハーレイ・ジョエル・オスメント君主演)で名を馳せたM・ナイト・シャラマン監督の 自信作のようなので、シックスセンスのようなラストを期待したが、からくりもなければ落ちも、 どんでん返しも、ない。その割りに、つっこみたくなるような展開や設定が盛りだくさん。 ちなみに、監督が自ら作品中の「Key-Man」を演じているが、あまり味は出ていない。残念でした。

 おっとついつい長くなってしまいました。Signを既に見ておもしろいと思っていた方にはすまない  コメントでした。最後に、バイオハザードと同じくらい、いやむしろ超えている作品があります。  それは日本映画、山崎貴、監督脚本、Returnerこれ。  岸谷五郎、樹木希林、鈴木杏、いい味出してた。とくに岸谷五郎の演技は見物。  解説はまたします。★★★★★です。



コピーキャット
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 精神異常者を描く犯罪ものは面白い。非日常を目の当たりにさせられ、物語の世界へ入りやすい。 しかし、この映画のアピールどころに決め手がなかったような気が・・  ネタバレ→犯罪心理分析医のヘレン(シガニーウィーバー)は昔の犯罪を勉強し 真似をして犯行を行うコピーキャット=ダリルのターゲットになる。屋外恐怖症のヘレンは自室にこもっているが、 警官の警備をすり抜けて奴は入ってくる。外に逃げ出したらめまいが・・・



ブレア・フィッチ・プロジェクト
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 インターネットなどと組み合わして楽しむとおもしろさは倍増するようであるが、 見ていて、寒くなる感覚を覚えたりはしたもののぼちぼちであった。訓練されていない人間が 極限状態で仲間割れをおこす課程はよく描かれていた。無名のキャストと監督でインターネットを 広告として興行収入/制作費は大きなものとなったようだった。結末を推測するのがこの物語の醍醐味の 一つであるようだが、やはり、すっきりとこない。制作費は200万円くらいだったらしい。
 ネタバレ→1994年10月に3人の映画部の若者がブレア・フィッチ(森の魔女)の 伝説を題材にドキュメントを撮影に森にはいる。最初はうきうきであったが道に迷い、疲れと共に仲間割れ、 行方不明に・・・数年後その時撮影したフィルムだけが発見され、写っていたものは・・・



ゲーム
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 おもしろい。ラストもよく仕上がっている。つじつまは合うのだが、ただ、 現実無理なんだろうなーよく死人が出ずにゲームが終了したものだ。ここまで壮大なゲームをするには いくらお金がいるのだろう。最後の引っかけのところまでゲームの一部であったとはうまいね。 この映画を見て、何も信じられない世界っていうものを想像してみたら予想以上に怖いなぁと 思いました。得るもの多き映画だ。
 ネタバレ→ある会社に人生の演出を依頼した。ドラマチックな人生を送るゲームを。 もうやめようと思ってもゲームは続く。最初はゲームかと思っていてが現実かどうかはもう分からない。 何を信じたらよいのか、話を持ちかけた弟でさえも信頼できない壮大な”ゲーム”。



セブン
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 変質者による連続殺人ものだと思っていたらブラットピットの名演技とあいまって物語の世界に引き込まれていく。 謎解きにいっしょに参加でき、テンポも良い。ブラットピット,モーガンフリーマンこのコンビが 人間を描ききっていく。
 ネタバレ→7つの欲望が1つ1つ書き残され死体が残る。  刑事と犯人の物語。7つ目の最後の犠牲者は犯人自身であった。  人間の心を描き、恋人の生首を見た刑事(ブラットピット)が最後の犯人となる。  犯人の描いたストーリー通りに話が進む。生首が送られるところは若干読めたが、  最後の殺すか殺すまいかのシーンで結局引き金を引くこの決定が物語の全体を著しく高めている。



らせん
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 リングの続編。リングが面白すぎただけに、この映画は蛇足の一言に尽きる。 このシリーズはつくづくリングで終わりにしておくべきだった。 リングで起こった現象はウイルスによって証明できるという理論で物語が進んでする。しかし、 超能力のままでないと説明の着かないことがありすぎてウイルスのせいにはできない。 ストーリーは破綻し、見ているほうはしらけ気味となり、 こじつけがましい。らせんがあることによってリングの価値を下げている。それでもそこそこのでき。



リング
★★★★★ 公式サイト
無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 友達に怖いから、らせんまで見られなかったのでいっしょに見に行こうといわれ、 あまり乗り気でもなく劇場に足を運んだ。しかし、日本の映画も捨てたものではないと見直す逸品となった。 最初に物語の世界に引き込むように仕組まれている。その最初の引き込みこそがこの作品の命であったと 後になって分析した。いったん引き込まれたら最後、道理や理屈は抜きにして、 主人公達といっしょにその「ワールド」を冒険することが出来る。謎解きに必死になった。 例のビデオは日本人がとてもゾクゾク怖がるように考えつくされている。研究しつくされている。 物語は一貫性を持っており、終わり方も良い。今思い出しても背筋が凍る。見て2週間は毎日夜が怖かった。 人に勧めるときに残念なのが、「映画館でみられないこと」だ。この映画は自分の視界を埋め尽くすような 大画面でかつ、劇場のゴージャスな音響システムであの金切り声を聞いてほしい。松嶋菜々子と真田弘幸の はまりっぷりも半端じゃない。この作品は今後のホラー映画の骨幹をなすものになるであろう。 決して、観光バスのテレビなどで片手間に見てはならない 極上の逸品である。
 ネタバレ→見てはならないビデオがあり、それを見た者は丁度一週間後に 恐ろしい死に方をする。超能力を持つ貞子は昔、化け物扱いされて殺された。 その肉体の葬られた井戸の上に建ったペンションで遊んだグループが冒頭で激しい死に方をする。



ファイナルプロジェクト
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 プロジェクトAの続編的な印象。さすがジャッキー。麻薬組織をたった1人でつぶすっていうのがいかにもジャッキー ッて感じ。スタンリー・トンが監督でジャッキーを世界に押し上げている。おきまりのストーリーでも おもしろければいい!!



ミッションインポッシブル
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 実現不可能な任務へトムクルーズが挑む。エージェントとしてCIAの本部に乗り込み、その情報を売るというストーリー。 007の乗りで話は進んでいく。ハラハラどきどき、CIAの本部のコンピュータールームの警備は厳重すぎ。 汗が一つ落ちただけで反応するのならば毎日誤作動が起きて警備どころではない。しかし、手が込んでいる。



インディペンデンスデイ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 世間でもかなり騒がれていたが、評判通り、面白い。自分が地球を救うような感じがする。 テンポもよく科学的な感じが面白みを増しているが、ウイルスを侵入させるところは エイリアン側がデジタルであったとしてもコードが合うとは思えないので運が良すぎなところが少し納得行かなかった。
 ネタバレ→エイリアンが地球攻勢の秒読みを始めた。24kmの円盤がやってきた。 その円盤にはシールドがしてあり、地球側の攻撃は通用しない。ウイルスを流してシールドを解除し・・・



トゥルーマン・ショー
★____ 公式サイト
バッシングしたくなるような映画

 ジムキャリーごめんなさい。おもしろくなし!



U−571
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 作品全体を独特の緊張感が包み込んでいる。指揮官になりきれない元副館長をチーフと呼ばれる熟年の 海曹と戦闘の激烈さが次第に指揮官を本物へと変えていく。潜水艦ものとしてはクリムゾンタイドは越えない ものの緊張感は負けていない。
 ネタバレ→連合軍はドイツ軍の暗号を解読できずに海上において苦戦を強いられて いた。ある日、Uボートは連合軍の爆雷により航行不能に、救助信号を送る。それを連合軍はキャッチ。 敵に暗号器エグニマを奪取されたことを悟らせずに奪取する任務が急遽、休暇中の連合軍潜水艦に与えられる。 戦隊は既にドイツ軍Uボートのように改造されており、ドイツ軍救助隊をよそおって近づき船内に入り制圧す る手はずであった。エグニマはあり、乗員も捕虜とした。しかし、ドイツ軍の本物のUボートも救助に来ていた。 母船は撃沈され、奪ったUボートに乗り込んで闘いを仕掛ける。そして、男達の闘いが始まった。



グリーンマイル
★★★★_ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 映画は3時間を超え、途中で眠くなるかなと思っていたが、アクション的内容がないにも関わ らず継続的に楽しむことができる。お爺さんの回想シーンから始まって回想シーンから戻って終わる というパターンも物語のおちになっていて素晴らしい。見ているものを飽きさせないために敵役ともい えるコネ息子がかなりいい味をだしている。奇跡の原理には疑問が残るが、あえて開かす必要もない。 普遍的な正義を題材にし、 心清らかになりたいという欲求を満たしてくれる。なかなかの逸品となっている。  出演者:トムハンクス,デイビットモース,ボニーハント,マイケルクラークダンカン,ジェームスクロムウェル
 ネタバレ→死刑囚の集まるE棟の主任看守を努める主人公(トムハンクス) はひどい尿道炎に悩まされている。死刑囚の相手や州知事のコネ息子の面倒、死刑の執行など多忙な 勤務である。電気椅子に続く廊下はマイルとよばれ、緑に塗られたこのE棟ではグーリーンマイルと呼 ばれている。そこに、大男ジョンコーフィーが運ばれてきた。罪状は殺人。女の子を二人、血だらけに して抱いて泣いていた。「もとに戻そうとしたが遅かった」と言っていた。コネ息子は処刑の指揮を執り たいといい、やったら看守をやめ、精神病院に勤めるという。デルの処刑の時、ネズミのミスタージング ルスを踏みつけて殺すが、大男の不思議な力で生き返る。デルの死刑の時に電気を流すスポンジをわざと 濡らさずに焦げるまで苦しみを与え、自ら消火する。大男の起こす奇跡を信じざるを得なくなり、所長の奥 さんの脳腫瘍を治してもらうためにコーフィーを刑務所外に連れ出して所長の家まで・・・



6デイズ7ナイツ
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 盛り上がりには欠けた作品ではあるが、それは、主人公クイン(ハリソンフォード) の役所がしっかりと出ている証拠。レベルの高い作品である。ストーリーはよく、納得のいくラストに仕上がっているので 見た後はすっきりする。女の行き方も、スマートでさっぱりしていてよい。 アクション映画としてみると物足りないが、恋愛ものとみると、ロマンチックである。よし。  ネタバレ→人気女性雑誌の副編集長は恋人のフランクと南の島へ1週間のバカンスへ行く。 愛し合うふたりはそこで婚約を交わす。幸せの絶頂のふたり、その島へはクイン(ハリソンフォード)の 操るボロセスナでやってきた。もう二度と乗らないと思ったセスナであったが、雑誌の編集長から、 二度とチャンスのない表紙の撮影を頼まれ、タヒチへ飛ぶことに、そしてまたクインのセスナに乗り込む。 しかし、タヒチへはたどり着けなかった。落雷を受け、無人島に不時着。キジを食べたり、蛇がパンツの中に入ったり、 海賊に襲われたり、 6デイズ7ナイツの始まり。そして恋の行方は・・・・シンプルを愛するクインと、チョット強い女の物語。



ファイトクラブ
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 セブンのブラッドピッドとデイビトフィーチャーがまたもや手を組んだ。ブラピのすごさが伝わった逸品。 人間の真の部分に語りかける内容。それも、男の部分に。だれもが一度はやってみたいことを実現していく。 最後の仕掛けが分かったとでも楽しめるストーリー。もっと、売れても良かった内容ではないのか。 しかし、あれだけの人々の心を掴むにはイエスキリスト並の魅力がなければ無理だ。 最初のタイトル画面で脳内ニューロンのCGが出るが、見た後ならば理解できる。 死を意識することで初めて生が見えてくる。映画のフィルムをつなぐ際にポルノを一コマ入れてサブリミナルをする 趣味がタイラーにはあったが、本編のラストにもしっかりとモザイク入りの奴が挿入されている。熱い作品だ。
 出演者:ブラットピット(タイラー),エドワードノートン(ナレーター),ヘレナーボナムカーター(マーラ),ミートローフアディ(ボブ)
 ネタバレ→しがない大手自動車メーカーの耐久テスト係は不眠症。 眠りを得るために、各種障害者の集いに参加し、不幸な人の話を聞いて泣いた、自分は無言で相手も泣いてくれた。 そこで同じ傍観者であるマーラと知り合う。飛行機の中で偶然知り合うダーテン・タイラー(ブラットピッド)は物知りで、 無鉄砲、理想の姿であった。互いに殴り合い、ストレス発散に気づく。周囲の人々を巻き込み、ファイトクラブができあがり、 発展していく。タイラーの人間的魅力が人々を引きつけ、軍隊を組織するに至る。メイヘム計画が進み・・・ そして、真実が。



ラッシュアワー
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 黄色人種と黒人コンビのポリスストーリー。ジャッキー・チェンがエディマーフィーの48時間などに 憧れて自分で作ったという感じの映画となっている。相棒はクリスタッカーなかなかのヤリテ。この映画は死ぬべきものが死んで、 生きるべきものが生き残っているので映画としてみていて気持ちいい。しかし、ありきたりとなっている感があり、 平均点となってしまった。平均点ではあるが見た後には映画を見た満足感がある。  ネタバレ→香港からアメリカへ来たハン領事、ジュンタオ率いる香港からの 犯罪グループはイギリスのえらいさんグリフォン(芸術品コレクター)と手を組んでその一人娘スーヤンを誘拐し、 身代金を要求する。FBIが捜査をするがハン領事は香港から以前からジュンタオを追っている腕利き刑事 (ジャッキー・チェン)を呼び寄せる。しかし、FBIは刑事が殺されたら国際問題だと嫌い、 事件解決まで観光でもさせておくためにロス市警のダメ刑事と組ませる。最初は馬の合わないふたりであるが 危険をくぐり抜けるにつれ、徐々に相棒として息が合ってきてジュンタオを追いつめる。ジャッキーのアクションと はったりニガーのポリスストーリー。



踊る大捜査線「秋の犯罪撲滅キャンペーン」
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 シリーズ最高の出来。途中で泣きそうになった。電話の盗聴シーンで画面分割になったのはよい。 警察内部での身内疑いは刑事物では珍しく、また楽しい。称賛に値する逸品。  出演者:織田裕二(青島俊作),柳葉俊郎(室井),深津絵里,ユースケサンタマリア,いかりや長介
 ネタバレ→歳末特別警戒から更に先に進んだ話である。室井警備局長は首席監査官として 再び青島の目の前に、放火殺人依頼人を成田空港から護送中に強盗事件に遭遇し、その際、被疑者(大塚ねね)を 逃してしまう。そしてすみれにわざと逃した容疑がかかり、青島とわくさん(指導官)が無実を晴らすために 24時間監視につく。



踊る大捜査線「歳末特別警戒スペシャル」
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 このシリーズでは一番おもしろくない。理由は署内で犯人がショットガンを武器に課長を人質に立ちこもるが  簡単に奪い取れるのにだれも取らない。犯人も殺人犯ならすぐに殺してしまうだろうが、なかなか発砲せず、  間延びした。ヤマを作り損なっている。なぜ、速く捕まえないんだとそういう意味で逆にはらはらした。
 出演者:織田裕二(青島俊作),柳葉俊郎(室井),深津絵里,水野美紀,ユースケサンタマリア,いかりや長介,草薙剛,広末涼子
 ネタバレ→最終話以降の話で交番に飛ばされた青島巡査部長。半年経ったら湾岸書に戻る 約束だったが、もどっていなかった。和久さんは既に定年だった。年末の湾岸署は大忙し。青島は湾岸署でババ扱い。 交通課、総務課と回される。新城管理官が登場し、室井を超える組織捜査主義、徹底したいのは階級差別だろ。と。 刑事課がまた占拠され、SATが出動。最後は青島は刑事課に落ち着く。



踊る大捜査線4
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 最後は室井管理官と青島刑事が上層部の命令を無視して単独行動をし、処分を喰らう。所長や副所長、課長も青島達を応援し、辞表を出して男を見せた。 しぶいね。作品全体は頼りない上司をコンセプトにしていたが、ここに来てみせるなあ。
 出演者:織田裕二(青島俊作),柳葉俊郎(室井),深津絵里,水野美紀,ユースケサンタマリア,いかりや長介
 ネタバレ→第10話「凶弾・雨に消えた刑事の涙」から最終話「青島刑事よ永遠に」まで収録。



踊る大捜査線3
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 青島はかなり、刑事として慣れてきた様子だ。法律も次第に分かってきて見ている方も勉強になる。 ストーリー性が強くなってきて途中から見たのではおもしろさは半減する。
 出演者:織田裕二(青島俊作),柳葉俊郎(室井),深津絵里,水野美紀,ユースケサンタマリア,いかりや長介
 ネタバレ→第7話「タイムリミットは48時間」第8話「さらば愛しき刑事」から 第9話「湾岸初代パニック刑事青島危機一髪」まで収録。大麻の捜査でゆきのさんが容疑者にあげられた。 それを本店が事情聴取したい。しかし、青島はゆきのを怒らして平手打ちさせ、公務執行妨害で別件逮捕。 48時間以内は湾岸署で拘束できる。



踊る大捜査線2
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 キーパーソン(よしの)を通じて物語が進行。テンポよく、自分が警察官になったような感じで見られるのが 人気の秘密と分析。警察という秘密めいたその毎日を暴露し自分も成長したような気になる。
 出演者:織田裕二(青島俊作),柳葉俊郎(室井),深津絵里,水野美紀,ユースケサンタマリア,いかりや長介
 ネタバレ→第4話「少女の涙と刑事のプライド」第5話「彼女の悲鳴が聞こえない」から 第6話「張り込み 彼女の愛と真実」まで収録。大きな事件のために小さな事件を無視するやり方が納得できない青島。 大麻の密売人を追って、張り込みや、 本庁との主導権争い。水島ゆきの(お父さんが殺された女性)の無実を証明するために翻弄する。



踊る大捜査線1
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その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 警察の実情。一般人からでは分からない、警察内部の問題点を現場と、本庁との関係で表現している。 各話の当初にはタイトルが出る前の間約5分間、本編への布石となり、ギャグめいたことをやるのがパターンになっている。 登場人物の過去を少しづつ開かしていく手法が楽しい。
 出演者:織田裕二(青島俊作),柳葉俊郎(室井),深津絵里,水野美紀,ユースケサンタマリア,いかりや長介
 ネタバレ→第1話「サラリーマン刑事と最初の難事件」第2話「愛と復習の宅配便」 から第3話「消された長所と彼女の事件」まで収録。湾岸所に新しく配属された新米刑事青島巡査長。 営業マンを脱サラして警察に。交番勤務を3年して憧れの刑事科強行班に配属され、やる気満々だが空回り。 本庁のキャリア室井管理(柳葉俊郎)の運転手として働く。会社員殺しの犯人と取調室で話をして愚痴を聞く 。実はそいつが犯人だった。死んだ会社員の娘はそのショックで口が聞けなくなった。 その子の心のケアをしつつ本庁の支援などをして経験を重ねていく。



踊る大捜査線The Movie
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 刑事映画というと派手な演出と警官のかっこいいところ前面に押し出すものだが、 この作品は公務員の忙しさや陰の部分を見せようと努力している。当初は警察の威信を危うくするような だらしなさで作品を描いているが、組織のジレンマや現代社会の問題を描くための伏線となっている。 警察の公務員ぶりを描いているのが気に入った。
 出演者:織田裕二(青島俊作),柳葉俊郎(室井),深津絵里,ユースケサンタマリア,いかりや長介,小泉今日子
 ネタバレ→湾岸所はいつも事件で大忙し、狂気殺人や副総監誘拐などの事件が起こる。  インターネットでヴァーチャル殺人が行われ、それをもとに捜査し、犯人(小泉今日子)を確保、  彼女のプロファリングをうけて、犯人をつきとめる。本庁の捜査と現場の狭間での、キャリア官僚(柳葉俊郎)の  板挟みの悩みを描き、「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」(織田裕二)  「おれは現場で頑張る。あんたはえらくなれ。」など名言がある。  インターネットの犯罪への関係や、巨大や組織の問題点を提示している作品である。



アルマゲドン
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 噂通りおもしろい。自己を国のために自己を犠牲にするというところが物語として日本人に受けているのか? アメリカの国歌教育的な臭いもする物語。CGは見物。ブルースウィルスとベンアフレックが出ている。 科学的な部分はかなりリアルに作られている。アルマゲドンは聖書にある最終災難(戦争)を意味する言葉であり、 この時代(映画が上映された時代)は世紀末ということもあり、この手の映画が多い中でも良くできている。  ネタバレ→石油掘りの第一人者ハリー(ブルースウィルス)が巨大隕石の地球衝突が あと18日と分かったNASAに呼ばれる。宇宙飛行士の訓練を若干受け、月の重力を利用して隕石の後方から着陸し、 240m掘って核爆弾を仕掛けて脱出する。ハリーは自らスイッチを押すためにそこに残った。



マッドシティ
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 メディアのあり方を訴える逸品。報道の仕方で世論を操作する。報道機関内での争いが物語の焦点。 また、弱気な犯人(ジョントラボルタ)と人質とに芽生える感情を描いているところも面白い。こういうトラボルタも いいな。とトラボルタの深さを見せられた作品。  ネタバレ→博物館のガードマンを首になってひょんなことから子供を 人質にその博物館に3日間立てこもる。それを報道するテレビ。テレビ局内の争いが事件に影響する。



エイリアン4
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 シリーズ物の尻つぼみ感が漂っている。興行的には名のあるシリーズなので一儲けしたかったのだろうが、  今ひとつ。3よりかはいいかも。もっと激しく戦ってほしかった。やはりこのシリーズはジェームズキャメロンの2が  もっともお気に入りで、僅差でリドリースコットの1。の順にいい感じだろう。  ネタバレ→DNAから甦生されたリプリー(シガニーウィーバー)はエイリアンと 人間のDNAが。実験中にエイリアンに逃げられ、母船は地球へ向かう。一匹のエイリアンが地球に 逃げ出せば人類は滅亡するだろう。闘いが始まっていた。



コップランド
★★___ 紹介サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 この街は俺が守る!というふれこみでスタローンVSデニーロの熱い戦いのはずだった。  スタローンは耳の悪い保安官として正義感を燃やすしがない親父。のはずなんだが、 今ひとつ燃え切れていない。マフィアと連む警官の真実を暴こうとするのだが 山場なく途中で寝てしまった。不覚。そんな映画。



ジャッカル
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 リチャードギア、ブルースウィリスの対決が見物のはずだったが・・・盛り上がりに欠ける。噂ほどの迫力はない。  バルカン砲もなかなかショボい。ジャッカルにもっと動物的な冷酷さがほしかった。しかし、見ていてまあまあおもしろい。  ネタバレ→様々な服装で入国し20mmバルカン砲でファーストレディやFBI長官暗殺を 行おうとするジャッカル(ブルースウィルス)と服役中の凄腕との闘い。副官と凄腕が組んでジャッカルを追いつめる。



もののけ姫
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 宮崎駿の10年がかりの構想をようやく仕上げたというふれこみであり、劇場に行った時は日曜日ということもあって 多くの小学生に囲まれながら上映待ちで並ぶ男の姿は多少哀れであった。その世界観を堪能するために期待していた。 が、率直な感想は大きな日本昔話。(2時間版)といったものであった。ただし、リアルさはすごい。 あと、主人公サンが観客に対してフレンドリーでない という姿勢と、その僕のオオカミたちが異様に怖い。といった特性からその世界にはまりこむというよりも、その世界を 分析するという感じの見方にシフトしてしまい、どうも吹っ切れない感じがした。しかし、悪い映画ではなく、2時間 それなりに楽しめる。  ネタバレ→祟り神となったイノシシの中に石火矢の玉が残されていた。ギボシが仕切る街の周辺でしし神の  首が不老不死ということになり、しし神狩りが物語の焦点。しし神は自然の象徴として描かれている。



ロストワールド
★★___ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれはおもしろくなかったかなと言いたくなるような映画

 ジュラシックパークの続編である。ストーリー的にはあまり良くない。しかし、CGはリアル。でもそれだけ。 スピルバーグ作品としてはいささか残念。  ネタバレ→ある島で恐竜を繁殖させていた。そこの研究員が喰われる喰われる。



ミセス・ダウト
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 監督はホーム・アローンのクリス・コロンバス。主演はロビンウィリアム。 離婚した夫が子供に会うために家事手伝いとして女に変装するコメディー。慣れない家事で胸を燃やしたりする。 絶妙のおかまぶりとテンポ・タイミングで笑わせる笑わせる。 全体的に爆笑であるが、最後の終わり方が良くない。残念。だが、思い出の作品。



JM ジョニーモニック
★★★__ 公式サイト
それなりに楽しい普通の映画

 脳のニューロンに情報を記憶する仕事と日本のヤクザとローテクと呼ばれる団体の近代サイバーストーリー。 たけしがヤクザで出てくる。脳にデジタル情報を記憶して情報の運び屋をやらせるという アイディアはいけていたが、全体的にはインパクトが足りない。脳に関する知識を備えて 鑑賞するとまたひと味違った世界が見えたのかも知れない。ビートたけしとキアヌリーブスの競演は おもしろい。



ブレインデッド
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 ホラーなのに怖くない。殺しすぎて逆に笑える。もう、これはホラーの行きを超えた痛快さだ!!  その徹底ぶりに、もはや微塵の残虐感もないのがこの映画のいいところ。この映画を人に勧めれば、 かなりの映画通ぶりをアピールできるであろう。完全に神経が麻痺するまでこれでもかと徹底的なのがすごい。  ネタバレ→様々な機械を使って人を殺しまくる。肉片がぐちゃぐちゃ飛び散る。 大型扇風機でこれでもかとミンチを製造し放題。



ランゴリアーズ 前・後編
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 時間の推移が楽しい。スティーブンキングらしい内容である。時を喰う怪物が過去を食い尽くし、 未来が作られる。自分たち以外誰もいない世界での現在と違う違和感を見事に出していた。  ネタバレ→世界は常に過去から未来へ絶え間なくワープしている。  飛行機で寝ていたものだけが時間の流れに乗れずに、  孤立無援の過去へ取り残されてしまった。過去はランゴリアーズによって食い尽くされる。



ランボー1〜3
★★★★_ 公式サイト
その作品について聞かれたらあれは名作だったと答えたくなるような作品

 私の映画道の原点。シュルベスタスタローン。1と2は最強。3でややトーンを落とした。よって4つ星



プレデター
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 私の映画道の原点。戦争ものとSFの見事な融合。2より断然1がいい。シュワルツェネッガー大好き。



ターミネーター2
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 私の映画道の原点。アーノルドシュワツェネッガー。リンダハミルトン、エドワードファーロング、 ロバートパトリック。みんな好き。ジェームズキャメロン最強を天下にとどろかした作品



ターミネーター
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 私の映画道の原点。アーノルドシュワツェネッガー。ストーリー。前置き。SF。文句なし。  私はハリウッド映画に育てられた非国民なのかも知れません。



エイリアン2
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 私の映画道の原点。シガニーウィーバー。1もいいけど2の方がいい!!  「10mm爆裂弾頭弾」・「火炎放射器」・「寄生」・「裏切り」・「ロボ」・「遠隔操縦」・「パックンチョ」 ・「なかなかやるね人間も」と思い出いっぱい。たぶん一番回数を見た映画。



コマンドー
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無理をしてでも人に勧めたいと思う名作

 私の映画道の原点。アーノルドシュワツェネッガー。「さあこい!ベネットォ〜。」「バターを切るようになぁ〜」 シュワルツェネッガーの強さが大爆発。一人で軍隊を壊滅。いやー。映画ってやっぱこうで無くっちゃ。 どんな矛盾や無理も蹂躙して押し切るパワー。原点。